JP2003217571A - 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池

Info

Publication number
JP2003217571A
JP2003217571A JP2002018993A JP2002018993A JP2003217571A JP 2003217571 A JP2003217571 A JP 2003217571A JP 2002018993 A JP2002018993 A JP 2002018993A JP 2002018993 A JP2002018993 A JP 2002018993A JP 2003217571 A JP2003217571 A JP 2003217571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
active material
electrode active
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002018993A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Toriyama
順一 鳥山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Storage Battery Co Ltd
Original Assignee
Japan Storage Battery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Storage Battery Co Ltd filed Critical Japan Storage Battery Co Ltd
Priority to JP2002018993A priority Critical patent/JP2003217571A/ja
Publication of JP2003217571A publication Critical patent/JP2003217571A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及
び優れた低温特性を持つ正極及びそれを用いた非水電解
質二次電池を提供する。 【解決手段】 正極集電体13の両側に、LiX Mn
2-Y Y 4 (0.95≦x≦1.25、0.01≦y
≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Z
n,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を
含有する正極活物質層15,16を配した正極3におい
て、正極集電体13の厚さT1と、正極活物質層15,
16の厚さの合計(T2+T3)とが、2.0≦(T2
+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦200μmの関
係を満たすとともに、正極における正極活物質量が15
〜30mg/cmであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池は従来の電池と比較
して高エネルギー密度、長寿命であり、例えば、携帯電
話、ノート型パソコンなどの電源として用いられてい
る。
【0003】このような非水電解質二次電池では、例え
ば、負極活物質に炭素質材料、正極活物質にリチウム遷
移金属複合酸化物、電解質にリチウム塩を支持塩とする
非水電解質が用いられているが、特に正極活物質は非水
電解質二次電池の放電容量、放電電圧、サイクル寿命特
性、安全性などの性能を決定する重要な構成要素であ
る。
【0004】ところで、現在市販されている小型非水電
解質二次電池では、正極活物質として層状岩塩型構造を
有するコバルト酸リチウムが用いられているが、原材料
となるコバルトは希少金属で価格が不安定であり、ま
た、過充電時などの電池安全性の課題が多い。これに対
し、リチウムマンガン複合酸化物は、原材料となるマン
ガンの埋蔵量が多く、高温時の熱安定性も優れているた
め、電池コスト、電池安全性において他の複合酸化物よ
りも有利な正極活物質であり、その実用化のための研究
が盛んに行われている。
【0005】しかしながら、リチウムマンガン複合酸化
物は、スピネル構造の活物質であり、リチウムイオン拡
散係数は、層状構造の活物質の1/10〜1/100程
度と著しく小さいことが知られている。
【0006】従って、重負荷特性、及び低温特性は必ず
しも十分とは言えず、重負荷特性、及び低温特性の向上
が切望されていた。また、エネルギー密度の向上も望ま
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に基づいて完成されたものであって、リチウムマン
ガン複合酸化物を正極活物質に含有するものにおいて、
高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及び優れた低
温特性を持つ正極、及び、これを用いた非水電解質二次
電池に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決し得る正極、及び、これを用いた非水電解質
二次電池を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、帯
状の正極集電体の両側に、LiX Mn2-Y Y
4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦0.2
0、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,Al
の中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を含有する
帯状の正極活物質層を配した正極において、正極集電体
の厚さT1と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T
3)とが、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2
+T3)≦200μmの関係を満たすとともに、前記正
極における正極活物質量が15〜30mg/cmであ
ることを特徴とする非水電解質二次電池用正極とするこ
とにより、高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及
び優れた低温特性を持つ非水電解質二次電池が得られる
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、請求項1の発明は、帯状の正極集電
体の両側に、LiX Mn2-Y Y 4 (0.95 ≦x
≦1.25、0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,C
r,Fe,Co,Ni,Zn,Alの中から選んだ少な
くとも1種以上の金属)を含有する帯状の正極活物質層
を配した正極において、前記正極集電体の厚さT1と、
前記正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)とが、
2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦
200μmの関係を満たすとともに、前記正極における
正極活物質量が15〜30mg/cmであることを特
徴とする非水電解質二次電池用正極とした。請求項2の
発明は、帯状の正極集電体の両側に、LiX Mn2-Y
Y 4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦
0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Z
n,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を
含有する帯状の正極活物質層を配した正極と、帯状の負
極集電体に負極活物質層を備えた負極と、非水電解質と
を備える非水電解質二次電池において、前記正極集電体
の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さの合計(T2+
T3)が、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2
+T3)≦200μmの関係を満たすとともに、前記正
極における正極活物質量が15〜30mg/cmであ
ることを特徴とする非水電解質二次電池とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施形態にかかる角形非水電解質二次電池1の概略断面図
である。この角形非水電解質二次電池1は、正極3と、
負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電
極群2と、電解質塩を含有した図示しない非水電解液と
を電池ケース6に収納してなるものである。
【0011】そして、電池ケース6には、安全弁8を設
けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、正
極端子10は正極リード11を介して正極3と接続さ
れ、負極4は電池ケース6の内壁と接触により電気的に
接続されている。
【0012】そして、正極3は、図2に示すように例え
ばアルミニウム、ニッケル、又はステンレス製の正極集
電体13の両面にリチウムイオンを吸蔵・放出する物質
を構成要素とする正極合剤からなる正極活物質層15,
16を設けた構造となっている。この正極活物質層1
5,16は、正極活物質として、LiX Mn2-Y Y
4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦0.2
0、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,Al
の中から選んだ少なくとも1種以上の金属)を含有す
る。このようなリチウムマンガン複合酸化物では、スピ
ネル構造をとっており、理想的にはリチウムイオンが4
配位8a位置、マンガンイオンが6配位16d位置に存
在する。リチウムイオンはマンガン酸素八面体で構成さ
れた拡散経路を通じて移動することが可能であり、この
特徴からスピネル構造型リチウムマンガン複合酸化物は
非水電解質電池の正極活物質として利用でき、特に、非
水電解質リチウム二次電池の正極活物質として適してい
る。なお、このようなリチウムマンガン複合酸化物は、
公知の方法、例えば、リチウムの炭酸塩、リチウムの硝
酸塩、リチウムの酸化物、リチウムの水酸化物と、マン
ガンの炭酸塩、マンガンの硝酸塩、マンガンの酸化物、
マンガンの水酸化物とを所定割合で粉砕混合して、酸素
含有の雰囲気中で例えば600〜1000℃で焼成して
得ることができる。
【0013】そして、正極3は例えば以下のようにして
製造される。正極活物質をグラファイトやカーボンブラ
ック等の導電剤とポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共
に混合して、正極合剤とする。そして、この正極合剤を
N−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリーと
する。これを正極集電体13の両面に塗布、乾燥後、ロ
ールプレス等により圧縮平滑化して正極3が製造され
る。
【0014】ここで、正極3の正極集電体13の厚みを
T1とし、正極活物質層15,16の厚みをそれぞれ、
T2、T3とする。本実施形態では、正極集電体13の
厚さT1と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)
とが、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T
3)≦200μmの関係を満たしている。
【0015】(T2+T3)/T1の値は、2.0≦
(T2+T3)/T1であることを要し、好ましくは、
3.0≦(T2+T3)/T1、特に4.0≦(T2+
T3)/T1であることが好ましい。(T2+T3)/
T1の値が2.0未満の場合には、正極3に占める正極
集電体13の割合が大きくなってしまいエネルギー密度
が低下するからである。
【0016】さらに(T2+T3)≦200μmである
ことを要し、好ましくは(T2+T3)≦180μm、
特に(T2+T3)≦160μmであることが好まし
い。このように、200μm以下である場合には、以下
の理由から重負荷時における放電容量の向上が図られる
と考えられる。
【0017】非水電解質二次電池では、放電時において
リチウムイオンが、負極4から正極3に電解質を介して
移動する。そして、正極3に移動してきたリチウムは、
正極3表面から内部に向かって、拡散していく。
【0018】ところが、リチウムイオンのリチウムマン
ガン複合酸化物中での拡散速度が遅いため、活物質層1
5,16が200μmよりも厚いと、リチウムイオンが
正極3表面の正極活物質層15,16から正極3内部の
正極活物質層15,16、すなわち正極集電体13近傍
の正極活物質層15,16に到達するまで非常に時間が
かかってしまう。
【0019】この結果、正極集電体13近傍の正極活物
質層15,16が有効に利用できずに重負荷時における
放電容量が低下してしまうのである。
【0020】そこで、本実施形態では、(T2+T3)
≦200μmであることとし、リチウムイオンが、正極
集電体13近傍の正極活物質層15,16にも速やかに
移動して、正極集電体13近傍の正極活物質層15,1
6を有効に利用することにより、重負荷時における放電
容量の向上を図っているのである。
【0021】なお、(T2+T3)≦200μmとすれ
ば、リチウムイオンのリチウムマンガン複合酸化物中で
の拡散速度がさらに遅い低温時においても、放電容量を
確保することができる。
【0022】このように正極集電体13の厚さT1と、
正極活物質層15,16の厚さの合計(T2+T3)
が、2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T
3)≦200μmの関係を満たす必要がある。
【0023】ところが、エネルギー密度、重負荷特性、
及び低温特性は、これらのパラメータによって、変動す
るのみならず、正極3の正極活物質量によって、非常に
大きな影響を受けることが見出されたのである。
【0024】つまり、正極3における正極活物質量が1
5〜30mg/cm、好ましくは18〜27mg/c
、さらに好ましくは20〜24mg/cm、であ
ると、高エネルギー密度、優れた重負荷特性、及び優れ
た低温特性の非水電解質二次電池となることを見出した
のである。
【0025】明確な理由は不明であるが以下のように考
えられる。すなわち、正極活物質量が15mg/cm
より少ないと、エネルギー密度が低下する。
【0026】一方、正極活物質量が多いほど、より高い
エネルギー密度となると考えられる。
【0027】ところが、正極活物質量が30mg/cm
より多いと、重負荷特性、及び低温特性が低下するの
である。
【0028】このように重負荷特性、及び低温特性が低
下する理由は、以下のように考えられる。
【0029】すなわち、正極活物質量が30mg/cm
より多いと、正極活物質層15,16に占める正極活
物質の割合が増加する一方で、バインダー等によって形
成された部分の割合が減少する。そして、電解質は、正
極活物質自体にはほとんど浸透せず、多孔性のバインダ
ー等によって形成された部分に主として浸透する。よっ
て、正極活物質量が30mg/cmより多いと正極活
物質層15,16に浸透する非水電解質の量が減少して
しまう。そして、リチウムイオンの拡散速度は、リチウ
ムマンガン複合酸化物中に比べ、非水電解質中の方が遙
かに大きいため、正極活物質層15,16中の非水電解
質の量が減少することによって、リチウムイオンの拡散
速度が低下してしまう。従って、重負荷特性が低下する
ものと考えられる。
【0030】なお、正極活物質量が30mg/cm
下とすれば、リチウムイオンのリチウムマンガン複合酸
化物中での拡散速度がさらに遅い低温時における放電容
量を確保することができる。
【0031】このような理由から、正極3における正極
活物質量が15〜30mg/cm、好ましくは18〜
27mg/cm、さらに好ましくは20〜24mg/
cm であると、高エネルギー密度、優れた重負荷特
性、及び優れた低温特性が確保されるものと考えられ
る。
【0032】負極4は、図3に示すように例えば銅、ニ
ッケル、ステンレス製の負極集電体17の両面にリチウ
ムイオンを吸蔵・放出する物質を構成要素とする負極合
剤からなる負極活物質層19を設けた構造となってい
る。なお、両面のみならず、片面のみ負極活物質層19
を設けた構造となっていても構わない。
【0033】この負極4は例えば以下のようにして製造
される。負極活物質をポリフッ化ビニリデン等の結着剤
と共に混合して、負極合剤とする。そして、この負極合
剤をN−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリ
ーとする。これを負極集電体17の両面に塗布、乾燥
後、ロールプレス等により圧縮平滑化して負極4が製造
される。
【0034】負極活物質としては、特に限定されず、例
えば公知のコークス類、ガラス状炭素類、グラファイト
類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などの
炭素質材料、あるいは金属リチウム、リチウム合金、ポ
リアセン、あるいは、酸化スズ系ガラス、リチウム/チ
タン複合酸化物、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブ
デン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ、酸化
硅素等の金属酸化物等を単独でまたは二種以上を混合し
て使用することができるが、特に、安全性の高さから炭
素質材料を用いるのが望ましい。
【0035】セパレータ5としては、特に限定されず、
例えば公知の織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用い
ることができ、特に合成樹脂微多孔膜が好適に用いるこ
とができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製
微多孔膜、又はこれらを複合した微多孔膜等のポリオレ
フィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好
適に用いられる。
【0036】さらに高分子固体電解質等の固体電解質を
用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。
この場合、高分子固体電解質として多孔性高分子固体電
解質膜を使用する等して高分子固体電解質にさらに電解
液を含有させても良い。
【0037】本発明の非水電解質としては、非水電解液
又は固体電解質のいずれも使用することができる。非水
電解液を用いる場合には特に限定されず、例えばエチレ
ンカーボネートとメチルエチルカーボネートとの混合溶
媒あるいはエチレンカーボネートとジメチルカーボネー
トとの混合溶媒を用いる。前記混合溶媒に、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、2−メチル−γ−ブチルラクトン、アセ
チル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スル
ホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸
エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート、エチルイソプロピル
カーボネート、ジブチルカーボネート等を単独でまたは
二種以上用いてこれを混合して使用しても良い。
【0038】非水電解液の溶質としての電解質塩は、特
に限定されず例えばLiClO、LiAsF、Li
PF、LiBF、LiCFSO、LiCF
SO、LiCFCFCFSO、LiN
(CFSO、LiN(CSO等を
単独でまたは二種以上を混合して使用することができ
る。電解質塩としては中でもLiPFを用いるのが好
ましい。
【0039】固体電解質としては、公知の固体電解質を
用いることができ、例えば無機固体電解質、ポリマー固
体電解質を用いることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例1〜16、比較例
1〜8では、図1に示す角形非水電解質二次電池1を作
製した。まず、正極活物質として、炭酸リチウム1.0
モルと二酸化マンガン2.0モルを混合し、この混合物
を、空気中、温度800℃で15時間焼成した。生成物
についてX線回折測定を行ったところ、JCPDSファ
イルに登録されたLiMn2 4 のピークとよく一致し
ていた。このため生成物がLiMn2 4と確認され
た。このLiMn2 4 を粉砕し、レーザー回折法で得
られる累積50%粒径が15μmのLiMn2 4 粉末
とした。そして、LiMn50〜97重量部と、
導電材のアセチレンブラック5重量部と、結着剤のポリ
フッ化ビニリデン5重量部とを混合し、N−メチル−2
−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製し
た。このスラリーを表1に示すように、厚さ(T1)
が、20〜68μmのアルミ製の正極集電体13の両面
に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成形
することにより正極3を作製した。この正極3の作製の
際、スラリーの塗布量、ロールプレスで圧縮圧力を調整
することによって、表1に示す正極活物質層15,16
の厚さ(T2+T3)、(T2+T3)/T1の値、正
極活物質量が異なる正極3を用意した。なお、実施例1
〜16、比較例1〜8では、この正極3のみそれぞれ異
なり後述する他の構成要素は同一とした。
【0041】負極合剤は、鱗片状黒鉛90重量部と、ポ
リフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、N−メチル
−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調
製した。このスラリーを厚さ10μmの銅製の負極集電
体17に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧
縮成形することにより負極4を作製した。
【0042】セパレータ5には、厚さ25μmの微多孔
性ポリエチレンフィルムを用いた。
【0043】上述の構成要素を用いて、定格容量600
mAhで幅30mm、高さ48mm、厚み4.15mm
の角形非水電解質二次電池1を作製した。
【0044】非水電解質としては、エチレンカーボネー
ト(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを容積
比30:70で混合し、この溶液にLiPFを1.2
モル/リットル溶解したものを用いた。
【0045】
【表1】
【0046】(常温低負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜16と比較例1〜8の角形非水電解質二次電池1を
25℃、1C電流で4.2Vの定電流定電圧充電(初期
充電)を3時間行った後に、25℃の環境下1Cの電流
密度で終止電圧2.5Vまで定電流放電を行う常温低負
荷電池容量試験を行った。なお、この常温低負荷電池容
量試験の容量をC1で表す。
【0047】(常温重負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜16と比較例1〜8の角形非水電解質二次電池1を
25℃、1C電流で4.2Vの定電流定電圧充電(初期
充電)を3時間行った後に、25℃の環境下3Cの電流
密度で終止電圧2.5Vまで定電流放電を行う常温重負
荷電池容量試験を行った。ここで、常温重負荷電池容量
試験の放電容量をC2とし、上述の常温低負荷電池容量
試験の容量をC1とした場合に、重負荷特性は、C2/
C1で表される。
【0048】(低温低負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜16と比較例1〜8の角形非水電解質二次電池1を
25℃、1C電流で4.2Vの定電流定電圧充電(初期
充電)を3時間行った後に、0℃の環境下に10時間放
置後、1Cの電流密度で終止電圧2.5Vまで定電流放
電を行う低温低負荷電池容量試験を行った。ここで、低
温低負荷電池容量試験の放電容量をC3とし、上述の常
温低負荷電池容量試験の容量をC1とした場合に、低温
負荷特性は、C3/C1で表される。
【0049】(試験結果)常温低負荷電池容量試験、常
温重負荷電池容量試験、及び低温低負荷電池容量試験の
試験結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】まず、(T2+T3)/T1の値が、常温
低負荷電池容量試験の容量C1に与える影響について検
討する。ここで、2.0≦(T2+T3)/T1である
実施例1〜4は、2.0>(T2+T3)/T1の比較
例1〜2と比べて、エネルギー密度が増加したため放電
容量C1が大きいことが分かった。また、実施例2のC
1が、実施例1のC1よりも大きいことから、3.0≦
(T2+T3)/T1であることが好ましいことが分か
った。さらに、実施例3のC1が、実施例2のC1より
も大きいことから、特に4.0≦(T2+T3)/T1
であることが好ましいことが分かった。
【0052】次に、(T2+T3)の値が、重負荷特性
C2/C1、低温負荷特性C3/C1に与える影響につ
いて検討する。ここで、(T2+T3)≦200μmで
ある実施例5〜7のC2/C1は、(T2+T3)>2
00μmである比較例3〜4のC2/C1と比べて大き
いことが分かった。また、実施例6のC2/C1が、実
施例7のC2/C1よりも大きいことから、(T2+T
3)≦180μmであることが好ましいことが分かっ
た。さらに、実施例5のC2/C1が、実施例6のC2
/C1よりも大きいことから、特に(T2+T3)≦1
60μmであることが好ましいことが分かった。
【0053】低温負荷特性C3/C1については、(T
2+T3)≦200μmである実施例5〜7のC3/C
1は、(T2+T3)>200μmである比較例3〜4
のC3/C1と比べて大きいことが分かった。
【0054】このような結果が得られたのは、活物質層
15,16が200μmよりも厚いと、リチウムイオン
が正極3表面の正極活物質層15,16から正極3内部
の正極活物質層15,16、すなわち正極集電体13近
傍の正極活物質層15,16に到達するまで非常に時間
がかかってしまう。この結果、正極集電体13近傍の正
極活物質層15,16が有効に利用できずに、重負荷特
性及び低温負荷特性が低下したものと考えられる。
【0055】次に、正極活物質量が、常温低負荷電池容
量試験の容量C1、重負荷特性C2/C1、及び低温負
荷特性C3/C1に与える影響について検討する。ここ
で、正極活物質量が15mg/cm以上である実施例
8〜16は、正極活物質量が15mg/cm未満の比
較例5〜6と比べて、エネルギー密度が増加したため放
電容量C1が大きいことが分かった。さらに、正極活物
質量が18mg/cm 以上が好ましく、特に正極活物
質量が20mg/cm以上が好ましいことが分かっ
た。
【0056】このような結果が得られたのは、正極活物
質量が15mg/cm未満となると、エネルギー密度
が低下するからと考えられる。
【0057】重負荷特性C2/C1については、正極活
物質量が30mg/cmより大きくなると減少傾向に
あることが分かった。また、重負荷特性C2/C1の結
果から、正極活物質量が27mg/cm以下が好まし
く、特に正極活物質量が24mg/cm以下が好まし
いことが分かった。
【0058】低温負荷特性C3/C1については、正極
活物質量が30mg/cm以下である実施例8〜16
のC3/C1は、正極活物質量が30mg/cmより
大きい比較例7〜8のC3/C1と比べて大きいことが
分かった。
【0059】このような結果が得られた理由は以下のよ
うに考えられる。正極活物質量が30mg/cmより
多いと、正極活物質層15,16に占める正極活物質の
割合が増加する一方で、バインダー等によって形成され
た部分の割合が減少する。そして、電解質は、正極活物
質自体にはほとんど浸透せず、多孔性のバインダー等に
よって形成された部分に主として浸透するため、正極活
物質層15,16に浸透する非水電解質の量が減少して
しまう。その結果、リチウムイオンの拡散速度が著しく
減少するために、重負荷特性、及び低温負荷特性が低下
したものと考えられる。
【0060】以上の結果から、正極集電体の厚さT1
と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)とが、
2.0≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦
200μmの関係を満たすとともに、正極における正極
活物質量が15〜30mg/cm であることとするこ
とによって、高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、
及び優れた低温特性を持つ非水電解質二次電池を得るこ
とができる。
【0061】なお、本実施例においては、正極活物質と
してLiMn2 4 を用いたが、スピネル構造をもつも
のであれば、LiX Mn2-Y Y 4 (0.95 ≦x
≦1.25、0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,C
r,Fe,Co,Ni,Zn,Alの中から選んだ少な
くとも1種以上の金属)で表される活物質を用いても同
様の効果が得られることは明らかである。
【0062】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
【0063】上記した実施形態では、角形非水電解質二
次電池1として説明したが、電池構造は特に限定され
ず、円筒形、リチウムポリマー電池等としてもよいこと
は勿論である。
【0064】
【発明の効果】本発明による非水電解質二次電池用正極
及びそれを用いた非水電解質二次電池によれば、高いエ
ネルギー密度、優れた重負荷特性、及び優れた低温特性
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の角形非水電解質二次電池
の縦断面図
【図2】本発明の一実施形態の正極の縦断面図
【図3】本発明の一実施形態の負極の縦断面図
【符号の説明】
3…正極 13…正極集電体 15…正極活物質層 16…正極活物質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AK03 AL02 AL03 AL06 AL07 AL12 AL16 AL18 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ02 BJ14 DJ07 EJ04 EJ12 HJ01 HJ02 HJ04 5H050 AA02 AA06 AA08 BA16 BA17 CA09 CB02 CB03 CB07 CB08 CB12 CB22 DA04 EA10 EA24 FA05 HA01 HA02 HA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の正極集電体の両側に、LiX Mn
    2-Y Y 4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦
    y≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,
    Zn,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)
    を含有する帯状の正極活物質層を配した正極において、 前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さ
    の合計(T2+T3)とが、2.0≦(T2+T3)/
    T1、且つ(T2+T3)≦200μmの関係を満たす
    とともに、前記正極における正極活物質量が15〜30
    mg/cmであることを特徴とする非水電解質二次電
    池用正極。
  2. 【請求項2】 帯状の正極集電体の両側に、LiX Mn
    2-Y Y 4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦
    y≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,
    Zn,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)
    を含有する帯状の正極活物質層を配した正極と、 帯状の負極集電体に負極活物質層を備えた負極と、非水
    電解質とを備える非水電解質二次電池において、 前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さ
    の合計(T2+T3)が、2.0≦(T2+T3)/T
    1、且つ(T2+T3)≦200μmの関係を満たすと
    ともに、前記正極における正極活物質量が15〜30m
    g/cmであることを特徴とする非水電解質二次電
    池。
JP2002018993A 2002-01-28 2002-01-28 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池 Pending JP2003217571A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002018993A JP2003217571A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002018993A JP2003217571A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003217571A true JP2003217571A (ja) 2003-07-31

Family

ID=27654107

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002018993A Pending JP2003217571A (ja) 2002-01-28 2002-01-28 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003217571A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102591A1 (ja) * 2020-11-11 2022-05-19 株式会社Gsユアサ 非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102591A1 (ja) * 2020-11-11 2022-05-19 株式会社Gsユアサ 非水電解質蓄電素子及び非水電解質蓄電装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2600444B1 (en) Secondary battery with an improved lithium ion mobility and cell capacity
EP1391959B1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP4897223B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP5268315B2 (ja) 非水電解液電池用活物質および非水電解液電池
CN102376946A (zh) 正极活性物质和包括所述正极活性物质的锂电池
US20070072081A1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2002042889A (ja) 非水電解質二次電池
EP2424012A2 (en) Electrode for nonaqueous electrolyte secondary battery and nonaqueous electrolyte secondary battery
EP2367229A1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery
JP2002175808A (ja) リチウム二次電池正極活物質用リチウム遷移金属複合酸化物およびその製造方法
JP4032744B2 (ja) 正極活物質及びこれを用いた非水電解質二次電池
JP5030559B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2009212021A (ja) 電気化学素子用電極、非水二次電池および電池システム
JP5017010B2 (ja) リチウム二次電池
KR101084080B1 (ko) 비수 전해질 이차전지
KR20130107927A (ko) 복합 양극활물질, 이를 포함하는 리튬 이차 전지용 전극 및 리튬 이차 전지
JP2007317539A (ja) 正極材料および電池
JP2002025626A (ja) リチウム二次電池のエージング処理方法
JP7117539B2 (ja) 負極活物質および電池
EP2555283A1 (en) Nonaqueous electrolyte secondary battery
JP2006278079A (ja) 非水電解質二次電池
JP2003297338A (ja) 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池
JP2003217571A (ja) 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池
WO2024142825A1 (ja) 非水電解質二次電池
KR102436440B1 (ko) 양극, 이의 제조 방법, 및 이를 포함하는 리튬 이차 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040610