JP2003297338A - 非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池

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JP2003297338A
JP2003297338A JP2002093971A JP2002093971A JP2003297338A JP 2003297338 A JP2003297338 A JP 2003297338A JP 2002093971 A JP2002093971 A JP 2002093971A JP 2002093971 A JP2002093971 A JP 2002093971A JP 2003297338 A JP2003297338 A JP 2003297338A
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positive electrode
active material
aqueous electrolyte
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electrode active
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Hiroaki Yoshida
吉田  浩明
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、及
び優れた低温特性および安全性を持つ正極及びそれを用
いた非水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 正極集電体13の両側に、LiX Mn
2-Y Y 4 (0.95≦x≦1.25、0.01≦y
≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Z
n,Alの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)と
LixNi1-yy2 (0.95≦x≦1.25、0.
01≦y≦0.40、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,
Mn,Zn,Al, Mo,Wの中から選んだ少なくとも
1種以上の金属)とを含有する正極活物質層15,16
を配した正極3において、正極集電体13の厚さT1
と、正極活物質層15,16の厚さの合計(T2+T
3)とが、2.5≦(T2+T3)/T1、且つ(T2
+T3)≦250μmの関係を満たすことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池用正極及びそれを用いた非水電解質二次電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】非水電解質二次電池は従来の電池と比較
して高エネルギー密度、長寿命であり、例えば、携帯電
話、ノート型パソコンなどの電源として用いられてい
る。
【0003】このような非水電解質二次電池では、例え
ば、負極活物質に炭素質材料、正極活物質にリチウム遷
移金属複合酸化物、電解質にリチウム塩を支持塩とする
非水電解質が用いられているが、特に正極活物質は非水
電解質二次電池の放電容量、放電電圧、サイクル寿命特
性、安全性などの性能を決定する重要な構成要素であ
る。
【0004】ところで、現在市販されている小型非水電
解質二次電池では、正極活物質として層状構造を有する
コバルト酸リチウムが用いられている。しかし、コバル
ト酸リチウムは、原材料となるコバルトが希少金属で価
格が不安定であり、また、過充電時などの電池安全性の
課題が多い。
【0005】そこで、埋蔵量が多く、高温時の熱安定性
に優れるマンガンを原料とし、電池コストが安価で電池
安全性が高いリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質
に使用することが考えられた。しかしながら、リチウム
マンガン複合酸化物は電池容量が小さく、また、スピネ
ル構造の活物質であるため、リチウムイオン拡散係数が
層状構造の活物質の1/10〜1/100程度と著しく
小さいことが知られている。
【0006】従って、重負荷特性、及び低温特性は必ず
しも十分とは言えず、重負荷特性、及び低温特性の向上
が切望されていた。また、エネルギー密度の向上も望ま
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
事情に基づいて完成されたものであって、高いエネルギ
ー密度、優れた重負荷特性、優れた低温特性および高い
安全性を有する正極、及び、これを用いた非水電解質二
次電池に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる問
題点を解決し得る正極、及び、これを用いた非水電解質
二次電池を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、従
来使用されているコバルトと比較して原料が安価であ
り、エネルギー密度が高く、かつリチウムの拡散速度に
優れる層状構造を有するリチウムニッケル複合酸化物を
上記リチウムマンガン複合酸化物に混合させることによ
り、高いエネルギー密度、優れた重負荷特性、優れた低
温特性、および高い安全性を持つ非水電解質二次電池が
得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、請求項1の発明は、正極集電体の両
側に、LiX Mn2-Y Y 4 (0.95 ≦x≦1.
25、0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,Cr,F
e,Co,Ni,Zn,Alの中から選んだ少なくとも
1種以上の金属)とLiX Ni1-Y Y 2 (0.95
≦x≦1.25、0.01≦y≦0.40、Mは、T
i,Cr,Fe,Co,Mn,Zn,Al,Mo,Wの
中から選んだ少なくとも1種以上の金属)とを含有する
正極活物質層を配した正極において、前記正極集電体の
厚さT1と、前記正極活物質層の厚さの合計(T2+T
3)とが、2.5≦(T2+T3)/T1、且つ(T2
+T3)≦250μmの関係を満たすことを特徴とする
非水電解質二次電池用正極とした。
【0010】請求項2の発明は、正極集電体の両側に、
LiX Mn2-Y Y 4 (0.95≦x≦1.25、
0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,Cr,Fe,C
o,Ni,Zn,Alの中から選んだ少なくとも1種以
上の金属)とLiX Ni1-YY 2 (0.95 ≦x≦
1.25、0.01≦y≦0.40、Mは、Ti,C
r,Fe,Co,Mn,Zn,Al,Mo,Wの中から
選んだ少なくとも1種以上の金属)とを含有する正極活
物質層を配した正極と、負極集電体に負極活物質層を備
えた負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池
において、前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物
質層の厚さの合計(T2+T3)が、2.5≦(T2+
T3)/T1、且つ(T2+T3)≦250μmの関係
を満たすことを特徴とする非水電解質二次電池とした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実
施形態にかかる角形非水電解質二次電池1の概略断面図
である。この角形非水電解質二次電池1は、正極3と、
負極4とがセパレータ5を介して巻回された扁平巻状電
極群2と、電解質塩を含有した図示しない非水電解液と
を電池ケース6に収納してなるものである。
【0012】そして、電池ケース6には、安全弁8を設
けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、正
極端子10は正極リード11を介して正極3と接続さ
れ、負極4は電池ケース6の内壁と接触により電気的に
接続されている。
【0013】そして、正極3は、図2に示すように例え
ばアルミニウム、チタン、又はステンレス鋼製の正極集
電体13の両面にリチウムイオンを吸蔵・放出する物質
を構成要素とする正極合剤からなる正極活物質層15,
16を設けた構造となっている。この正極活物質層1
5,16は、正極活物質として、LiX Mn2-Y Y
4 (0.95 ≦x≦1.25、0.01≦y≦0.2
0、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,Al
の中から選んだ少なくとも1種以上の金属)とLiX
1-Y Y 2 (0.95 ≦x≦1.25、0.01
≦y≦0.40、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,M
n,Zn,Al,Mo,Wの中から選んだ少なくとも1
種以上の金属)とを含有する。
【0014】正極活物質の一方であるリチウムマンガン
複合酸化物は、スピネル構造をとっている。リチウムイ
オンはマンガン酸素八面体で構成された拡散経路を通じ
て移動することが可能であり、この特徴からスピネル構
造型リチウムマンガン複合酸化物は非水電解質電池の正
極活物質として利用でき、特に、非水電解質リチウム二
次電池の正極活物質として適している。また、Mは、特
にCo,Niとすることが望ましい。Co,Niを使用
すると、電池容量が向上するためである。
【0015】また、他方のリチウムニッケル複合酸化物
は、層状構造をとっている。リチウムイオンはリチウム
単独の二次元拡散層を通じて移動可能であり、スピネル
構造のものに比べ、高い拡散係数を有する。この特徴か
ら層状構造型リチウムニッケル複合酸化物は非水電解質
電池の正極活物質として利用でき、特に、非水電解質リ
チウム二次電池の正極活物質として適している。また、
Mは、特にAl,Mo,W,Coとすることが望まし
い。Al,Coを使用すると、結晶構造が安定化されサ
イクル寿命が向上し、Mo,Wを使用すると、熱安定性
が向上するためである。これらは、一方だけを使用して
も、複数種使用してもよい。
【0016】なお、リチウムマンガン複合酸化物は、公
知の方法、例えば、リチウムの炭酸塩、リチウムの硝酸
塩、リチウムの酸化物、リチウムの水酸化物と、マンガ
ンの炭酸塩、マンガンの硝酸塩、マンガンの酸化物、マ
ンガンの水酸化物とを所定割合で粉砕混合して、酸素含
有の雰囲気中で例えば600〜1000℃で焼成して得
ることができる。
【0017】また、リチウムニッケル複合酸化物は、公
知の方法、例えば、リチウムの炭酸塩、リチウムの硝酸
塩、リチウムの酸化物、リチウムの水酸化物と、ニッケ
ルの炭酸塩、ニッケルの硝酸塩、ニッケルの酸化物、ニ
ッケルの水酸化物とを所定の割合で粉砕混合して、酸素
含有の雰囲気中で例えば600〜900℃で焼成して得
ることができる。
【0018】そして、正極3は例えば以下のようにして
製造される。正極活物質をグラファイトやカーボンブラ
ック等の導電剤とポリフッ化ビニリデン等の結着剤と共
に混合して、正極合剤とする。そして、この正極合剤を
N−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリーと
する。これを正極集電体13の両面に塗布、乾燥後、ロ
ールプレス等により圧縮平滑化して正極3が製造され
る。
【0019】ここで、正極3の正極集電体13の厚みを
T1とし、正極活物質層15,16の厚みをそれぞれ、
T2、T3とする。本実施形態では、正極集電体13の
厚さT1と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)
とが、2.5≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T
3)≦250μmの関係を満たしている。
【0020】(T2+T3)/T1の値は、2.5≦
(T2+T3)/T1であることを要し、好ましくは、
4.0≦(T2+T3)/T1、特に5.0≦(T2+
T3)/T1であることが好ましい。(T2+T3)/
T1の値が2.5未満の場合には、正極3に占める正極
集電体13の割合が大きくなってしまいエネルギー密度
が低下するからである。
【0021】さらに(T2+T3)≦250μmである
ことを要し、好ましくは(T2+T3)≦200μm、
特に(T2+T3)≦150μmであることが好まし
い。このように、250μm以下である場合には、以下
の理由から重負荷時における放電容量の向上が図られる
と考えられる。
【0022】非水電解質二次電池では、放電時において
リチウムイオンが、負極4から正極3に電解質を介して
移動する。そして、正極3に移動してきたリチウムは、
正極3表面から内部に向かって、拡散していく。
【0023】正極表面に到達したリチウムイオンは、リ
チウムニッケル複合酸化物中では、酸素層間に存在する
リチウム単独の二次元層を通じて速やかに拡散する。
【0024】ところが、リチウムマンガン複合酸化物中
では、リチウムイオンの拡散速度が遅いため、活物質層
15,16が250μmよりも厚いと、リチウムイオン
が正極3表面の正極活物質層15,16から正極3内部
の正極活物質層15,16、すなわち正極集電体13近
傍の正極活物質層15,16に到達するまで非常に時間
がかかってしまう。
【0025】この結果、正極集電体13近傍の正極活物
質層15,16が有効に利用できずに重負荷時における
放電容量が低下してしまうのである。
【0026】そこで、本実施形態では、(T2+T3)
≦250μmであることとし、リチウムイオンが、正極
集電体13近傍の正極活物質層15,16にも速やかに
移動して、正極集電体13近傍の正極活物質層15,1
6を有効に利用することにより、重負荷時における放電
容量の向上を図っているのである。
【0027】なお、(T2+T3)≦250μmとすれ
ば、リチウムイオンのリチウムマンガン複合酸化物中で
の拡散速度がさらに遅い低温時においても、放電容量を
確保することができる。
【0028】このように正極集電体13の厚さT1と、
正極活物質層15,16の厚さの合計(T2+T3)
が、2.5≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T
3)≦250μmの関係を満たす必要がある。
【0029】負極4は、例えば銅、ニッケル、チタン、
ステンレス鋼製の負極集電体の両面にリチウムイオンを
吸蔵・放出する物質を構成要素とする負極合剤からなる
負極活物質層を設けた構造となっている。なお、両面の
みならず、片面のみ負極活物質層を設けた構造となって
いても構わない。
【0030】この負極4は例えば以下のようにして製造
される。負極活物質をポリフッ化ビニリデン等の結着剤
と共に混合して、負極合剤とする。そして、この負極合
剤をN−メチルピロリドン等の溶媒に分散させてスラリ
ーとする。これを負極集電体の両面に塗布、乾燥後、ロ
ールプレス等により圧縮平滑化して負極4が製造され
る。
【0031】負極活物質としては、特に限定されず、例
えば公知のコークス類、ガラス状炭素類、グラファイト
類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などの
炭素質材料、あるいは金属リチウム、リチウム合金、ポ
リアセン、あるいは、酸化スズ系ガラス、リチウム/チ
タン複合酸化物、酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブ
デン、酸化タングステン、酸化チタン、酸化スズ、酸化
硅素等の金属酸化物等を単独でまたは二種以上を混合し
て使用することができるが、特に、安全性の高さから炭
素質材料を用いるのが望ましい。
【0032】セパレータ5としては、特に限定されず、
例えば公知の織布、不織布、合成樹脂微多孔膜等を用い
ることができ、特に合成樹脂微多孔膜が好適に用いるこ
とができる。中でもポリエチレン及びポリプロピレン製
微多孔膜、又はこれらを複合した微多孔膜等のポリオレ
フィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗等の面で好
適に用いられる。
【0033】さらに高分子固体電解質等の固体電解質を
用いることで、セパレータを兼ねさせることもできる。
この場合、高分子固体電解質として多孔性高分子固体電
解質膜を使用する等して高分子固体電解質にさらに電解
液を含有させても良い。
【0034】本発明の非水電解質としては、非水電解液
又は固体電解質のいずれも使用することができる。非水
電解液を用いる場合には特に限定されず、例えばエチレ
ンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合溶
媒あるいはエチレンカーボネートとジメチルカーボネー
トとの混合溶媒を用いる。前記混合溶媒に、プロピレン
カーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、トリフルオロプロピレンカーボネート、γ−ブ
チロラクトン、2−メチル−γ−ブチルラクトン、アセ
チル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スル
ホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
シエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸
エチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト、メチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネー
ト、メチルプロピルカーボネート、エチルイソプロピル
カーボネート、ジブチルカーボネート等を単独でまたは
二種以上用いてこれを混合して使用しても良い。
【0035】非水電解液の溶質としての電解質塩は、特
に限定されず例えばLiClO、LiAsF、Li
PF、LiBF、LiCFSO、LiCF
SO、LiCFCFCFSO、LiN
(CFSO、LiN(CSO等を
単独でまたは二種以上を混合して使用することができ
る。電解質塩としては中でもLiPFを用いるのが好
ましい。
【0036】固体電解質としては、公知の固体電解質を
用いることができ、例えば無機固体電解質、ポリマー固
体電解質を用いることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例1〜7、比較例1
〜4では、図1に示す角型非水電解質二次電池1を作製
した。まず、正極活物質として、炭酸リチウム1.0モ
ルと二酸化マンガン4.0モルを混合し、この混合物
を、空気中、温度800℃で15時間焼成した。生成物
についてX線回折測定を行ったところ、JCPDSファ
イルに登録されたLiMn2 4 のピークとよく一致し
ていた。このため生成物がLiMn2 4と確認され
た。
【0038】次に、水酸化リチウム1.0モルと水酸化
ニッケル0.8モルと水酸化コバルト0.2モルとを混
合し、この混合物を、空気中、温度700℃で15時間
焼成した。生成物についてX線回折測定を行ったとこ
ろ、単相化合物が得られることから、この生成物は、L
iNi0.8Co0.22と推察された。
【0039】上記LiMn2 4粉末を50重量部と、
LiNi0.8Co0.22粉末を41重量部と、導電剤の
アセチレンブラックを3重量部と、結着剤のポリフッ化
ビニリデンを5重量部とを混合し、N−メチル−2−ピ
ロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調製した。
このスラリーを、厚さ(T1)が15〜30μmのアル
ミニウム製の正極集電体13の両面に均一に塗布、乾燥
させた後、ロールプレスで圧縮成形することにより、
(T2+T3)/T1(T2、T3は正極活物質層1
5,16の厚さ)の値が異なる正極3を用意した(表1
参照)。
【0040】負極合剤は、鱗片状黒鉛90重量部と、ポ
リフッ化ビニリデン10重量部とを混合し、N−メチル
−2−ピロリドンを適宜加えて分散させ、スラリーを調
製した。このスラリーを厚さ10μmの銅製の負極集電
体に均一に塗布、乾燥させた後、ロールプレスで圧縮成
形することにより負極4を作製した。
【0041】セパレータ5には、厚さ25μmの微多孔
性ポリエチレンフィルムを用いた。
【0042】上述の構成要素を用いて、幅48mm、高
さ90mm、厚み4.15mmの角形非水電解質二次電
池1を作製した。
【0043】非水電解質としては、エチレンカーボネー
ト(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを容積
比30:70で混合し、この溶液にLiPFを1.2
モル/リットル溶解したものを用いた。
【0044】次に、実施例8〜13、比較例5〜6とし
て、上記実施例1〜7と同様の方法で、正極活物質Li
Mn2 4とLiNi0.8Co0.22との混合比が異なる
(表4参照)角形非水電解質二次電池を作製した。(T
2+T3)/T1=4とし、LiMn2 4とLiNi
0.8Co0.22との混合比以外の構成要素は、上記実施
例1〜7および比較例1〜4と同様とした。
【0045】(常温低負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜13と比較例1〜6の角形非水電解質二次電池1を
23℃の環境下、0.5Aの定電流で最大電圧4.2V
の定電流定電圧充電(初期充電)を6時間行った後に、
23℃の環境下0.5Aの電流で終止電圧2.75Vま
で定電流放電を行う常温低負荷電池容量試験を行った。
なお、この常温低負荷電池容量試験の容量をC1で表
す。
【0046】(常温重負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜7と比較例1〜4の角形非水電解質二次電池1を2
3℃の環境下、0.5Aの定電流で最大電圧4.2Vの
定電流定電圧充電(初期充電)を6時間行った後に、2
3℃の環境下3Aの電流で終止電圧2.75Vまで定電
流放電を行う常温重負荷電池容量試験を行った。ここ
で、常温重負荷電池容量試験の放電容量をC2とし、上
述の常温低負荷電池容量試験の容量をC1とした場合
に、重負荷特性は、C2/C1で表される。
【0047】(低温低負荷電池容量試験)上述の実施例
1〜7と比較例1〜4の角形非水電解質二次電池1を2
3℃の環境下、0.5Aの定電流で最大電圧4.2Vの
定電流定電圧充電(初期充電)を6時間行った後に、0
℃の環境下に1時間放置後、0.5Aの電流で終止電圧
2.75Vまで定電流放電を行う低温低負荷電池容量試
験を行った。ここで、低温低負荷電池容量試験の放電容
量をC3とし、上述の常温低負荷電池容量試験の容量を
C1とした場合に、低温負荷特性は、C3/C1で表さ
れる。
【0048】(安全性試験)上述の実施例1および8〜
13と比較例5,6の角形非水電解質二次電池1を23
℃の環境下、0.5Aの定電流で最大電圧4.2Vの定
電流定電圧充電(初期充電)を6時間行った後に、電池
に3mmφの鉄製の釘を突き刺し、発熱や発煙の有無を
調べた。
【0049】(試験結果)常温低負荷電池容量試験、常
温重負荷電池容量試験、低温低負荷電池容量試験、およ
び安全性試験の試験結果を表1〜表5、および図3〜図
6に示す。
【0050】
【表1】
【0051】まず、(T2+T3)/T1の値が、常温
低負荷電池容量試験の容量C1に与える影響について検
討する。表1および図3において、2.5≦(T2+T
3)/T1である実施例1〜7は、2.5>(T2+T
3)/T1の比較例1〜2と比べて、エネルギー密度が
増加したため放電容量C1が大きいことが分かった。ま
た、実施例5のC1が、実施例6,7のC1よりも大き
いことから、4.0≦(T2+T3)/T1であること
が好ましいことが分かった。さらに、実施例3のC1
が、実施例5のC1よりも大きいことから、特に5.0
≦(T2+T3)/T1であることが好ましいことが分
かった。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】次に、(T2+T3)の値が、重負荷特性
C2/C1、低温負荷特性C3/C1に与える影響につ
いて検討する。表2および図4において、(T2+T
3)≦250μmである実施例1〜7のC2/C1は、
(T2+T3)>250μmである比較例3〜4のC2
/C1と比べて大きいことが分かった。また、実施例2
のC2/C1が、実施例1のC2/C1よりも大きいこ
とから、(T2+T3)≦200μmであることが好ま
しいことが分かった。さらに、実施例3,4のC2/C
1が、実施例2のC2/C1よりも大きいことから、特
に(T2+T3)≦150μmであることが好ましいこ
とが分かった。
【0055】また表3および図5に示す低温負荷特性C
3/C1については、(T2+T3)≦250μmであ
る実施例1〜7のC3/C1は、(T2+T3)>25
0μmである比較例3〜4のC3/C1と比べて大きい
ことが分かった。
【0056】このような結果が得られたのは、活物質層
15,16が250μmよりも厚いと、リチウムイオン
が正極3表面の正極活物質層15,16から正極3内部
の正極活物質層15,16、すなわち正極集電体13近
傍の正極活物質層15,16に到達するまで非常に時間
がかかってしまう。この結果、正極集電体13近傍の正
極活物質層15,16が有効に利用できずに、重負荷特
性および低温負荷特性が低下したものと考えられる。
【0057】以上の結果から、正極集電体の厚さT1
と、正極活物質層の厚さの合計(T2+T3)とが、
2.5≦(T2+T3)/T1、且つ(T2+T3)≦
250μmの関係を満たすこととすることによって、高
いエネルギー密度、優れた重負荷特性、優れた低温特性
を持つ非水電解質二次電池を得ることができる。
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】次に、正極活物質であるLiMn2 4
LiNi0.8Co0.22との混合比が常温低負荷電池容
量試験の容量C1に与える影響について検討する。表4
および図6において、LiMn2 4の含有率が低い実
施例8,9は、LiMn2 4の含有率が高い実施例1
2,13と比べて、エネルギー密度が増加したため放電
容量C1が大きいことが分かった。一方、安全性におい
ては、表5に示すように、LiMn2 4を全く含まな
い比較例5において電池の異常発熱と発煙が見られた。
【0061】以上の結果から、電池の容量を高くするた
めにはLiMn2 4の含有率を低くする方が好ましい
が、高い安全性を維持させるためには熱安定性の高いL
iMn2 4を添加することが好ましい。エネルギー密
度と安全性とを高いレベルで両立させるには、LiMn
2 4の含有率を40〜90%とすることが好ましい。
【0062】なお、本実施例においては、正極活物質と
してLiMn2 4 とLiNi0.8Co0.22との混合
物を用いたが、LiMn24はスピネル構造をもつもの
であれば、LiX Mn2-Y Y 4 (0.95≦x≦
1.25、0.01≦y≦0.20、Mは、Ti,C
r,Fe,Co,Ni,Zn,Alの中から選んだ少な
くとも1種以上の金属)で表される活物質を用いても同
様の効果が得られることは明らかである。LiNi0.8
Co0.22も同様で、一般式LixNi1-yy
2(0.95≦x≦1.25、0.01≦y≦0.40、
Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Mn,Zn,Al, M
o,Wの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)で表
される活物質を用いても同様の効果が見られる。
【0063】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。
【0064】上記した実施形態では、角形非水電解質二
次電池1として説明したが、電池構造は特に限定され
ず、円筒形、リチウムポリマー電池、短冊状の電極をセ
パレータを介して積層してなる角形電池等としてもよい
ことは勿論である。
【0065】
【発明の効果】本発明による非水電解質二次電池用正極
及びそれを用いた非水電解質二次電池によれば、高いエ
ネルギー密度、優れた重負荷特性、優れた低温特性、お
よび高い安全性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の角形非水電解質二次電池
の縦断面図
【図2】本発明の一実施形態の正極の縦断面図
【図3】本発明の正極集電体の厚さT1と活物質層の厚
さ(T2+T3)の比(T2+T3)/T1と常温低負
荷放電容量C1との関係を示す特性図
【図4】本発明の正極活物質層の厚さ(T2+T3)と
常温低負荷放電容量C1と常温重負荷放電容量C2との
比C2/C1との関係を示す特性図
【図5】本発明の正極活物質層の厚さ(T2+T3)と
常温低負荷放電容量C1と低温低負荷放電容量C3との
比C3/C1との関係を示す特性図
【図6】本発明の正極活物質LiMn2 4のLiNi
0.8Co0.22に対する含有率と常温低負荷放電容量C
1との関係を示す特性図
【符号の説明】
3…正極 13…正極集電体 15…正極活物質層 16…正極活物質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ03 AJ12 AK03 AL02 AL06 AL07 AL12 AL16 AL18 AM03 AM04 AM05 AM07 AM11 AM16 BJ02 BJ14 DJ07 EJ04 EJ12 HJ02 HJ04 5H050 AA02 AA06 AA08 AA15 BA16 BA17 CA08 CA09 CB02 CB07 CB08 CB12 CB29 DA04 EA10 EA24 HA02 HA04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極集電体の両側に、LiX Mn2-Y
    Y 4 (0.95≦x≦1.25、0.01≦y≦0.
    20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,A
    lの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)とLiX
    Ni1-Y Y 2 (0.95 ≦x≦1.25、0.0
    1≦y≦0.40、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,M
    n,Zn,Al,Mo,Wの中から選んだ少なくとも1
    種以上の金属)とを含有する正極活物質層を配した正極
    において、 前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さ
    の合計(T2+T3)とが、2.5≦(T2+T3)/
    T1、且つ(T2+T3)≦250μmの関係を満たす
    ことを特徴とする非水電解質二次電池用正極。
  2. 【請求項2】 正極集電体の両側に、LiX Mn2-Y
    Y 4 (0.95≦x≦1.25、0.01≦y≦0.
    20、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,Ni,Zn,A
    lの中から選んだ少なくとも1種以上の金属)とLiX
    Ni1-Y Y 2 (0.95 ≦x≦1.25、0.0
    1≦y≦0.40、Mは、Ti,Cr,Fe,Co,M
    n,Zn,Al,Mo,Wの中から選んだ少なくとも1
    種以上の金属)とを含有する正極活物質層を配した正極
    と、 負極集電体に負極活物質層を備えた負極と、非水電解質
    とを備える非水電解質二次電池において、 前記正極集電体の厚さT1と、前記正極活物質層の厚さ
    の合計(T2+T3)が、2.5≦(T2+T3)/T
    1、且つ(T2+T3)≦250μmの関係を満たすこ
    とを特徴とする非水電解質二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100340017C (zh) * 2004-05-26 2007-09-26 索尼株式会社 正极活性材料和非水电解质二次电池
JP2014517459A (ja) * 2011-05-23 2014-07-17 エルジー ケム. エルティーディ. エネルギー密度特性が向上した高エネルギー密度のリチウム二次電池
CN105144458A (zh) * 2013-04-26 2015-12-09 日产自动车株式会社 非水电解质二次电池

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