JP2003215365A - 光導波路モジュール - Google Patents

光導波路モジュール

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JP2003215365A
JP2003215365A JP2002015450A JP2002015450A JP2003215365A JP 2003215365 A JP2003215365 A JP 2003215365A JP 2002015450 A JP2002015450 A JP 2002015450A JP 2002015450 A JP2002015450 A JP 2002015450A JP 2003215365 A JP2003215365 A JP 2003215365A
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JP
Japan
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optical waveguide
module
waveguide
temperature
optical
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JP2002015450A
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English (en)
Inventor
Isao Oyama
功 大山
Tsuneaki Saito
恒聡 斎藤
Junichi Hasegawa
淳一 長谷川
Kanji Tanaka
完二 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消費電力が小さく、信頼性の高い光導波路モ
ジュールを提供する。 【解決手段】 例えばアレイ導波路型回折格子等の、少
なくとも温度によって光透過特性が変化する光導波路回
路を有する光導波路チップ9と、発熱機能を有して光導
波路チップ9の温度を調節する温度調節モジュール8
と、温度調節モジュール8から発した熱を拡散する均熱
化素子12とを設ける。光導波路チップ9と均熱化素子
12を、温度調節モジュール8を介して重ね合わせ配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に用いら
れる光導波路モジュールに関するものである。
【0002】
【背景技術】近年、光通信においては、その伝送容量を
飛躍的に増加させる方法として、高密度波長多重伝送
(D−WDM)の研究開発が盛んに行なわれ、実用化が
進みつつある。この高密度波長多重伝送は、例えば互い
に異なる波長を有する複数の光を波長多重化して伝送さ
せるものであり、その波長多重数を増やすことで1本の
光ファイバの伝送容量を効率的に増加させることが可能
である。最近では、100以上の波長を使用した波長多
重通信システムが製品化されている。
【0003】この波長多重通信において重要な役割を担
う光部品の一つに光波長合分波器がある。光波長合分波
器は、光波長合波器と光波長分波器を総称したもので、
多くの光波長合波器および光波長分波器はもう一方の機
能も併せ持っている。
【0004】光波長合分波器として実用化が進んでいる
ものに、アレイ導波路型回折格子(AWG;Array
ed Waveguide Grating)がある。
アレイ導波路型回折格子は、図6に示すように、石英ガ
ラスやシリコンなどにより形成された基板1上に導波路
形成領域10を形成して成り、導波路形成領域10には
同図に示すような光導波路回路が形成されている。
【0005】なお、本明細書において、基板上に光導波
路回路が形成されている構成を光導波路チップと呼び、
この光導波路チップのうち、基板上にアレイ導波路型回
折格子の光導波路回路が形成されている構成をアレイ導
波路型回折格子チップと呼ぶ。
【0006】アレイ導波路型回折格子の光導波路回路
は、1本以上の光入力導波路2と、該光入力導波路2の
出射側に接続された第1のスラブ導波路3と、該第1の
スラブ導波路3の出射側に接続されたアレイ導波路4
と、該アレイ導波路4の出射側に接続された第2のスラ
ブ導波路5と、該第2のスラブ導波路5の出射側に接続
されて複数並設された光出力導波路6を有している。
【0007】前記アレイ導波路4は、第1のスラブ導波
路3から導出された光を伝搬するものであり、複数のチ
ャンネル導波路4aを並設して形成されており、隣り合
うチャンネル導波路4aの長さは互いに設定量(ΔL)
異なっている。アレイ導波路型回折格子において、アレ
イ導波路4の形成領域が、互いに間隔を介して配設され
た2本以上の光導波路を備えた位相部になる。
【0008】上記光導波路回路を有する導波路形成領域
10は石英系ガラス材料により形成されている。
【0009】なお、光出力導波路6は、例えばアレイ導
波路型回折格子によって分波あるいは合波される互いに
異なる波長の信号光の数に対応させて設けられるもので
あり、アレイ導波路4を構成するチャンネル導波路4a
は、通常、例えば100本といったように多数設けられ
るが、同図においては、図の簡略化のために、これらの
チャンネル導波路4a、光出力導波路6および光入力導
波路2の各々の本数を簡略的に示してある。
【0010】光入力導波路2には、例えば送信側の光フ
ァイバ(図示せず)が接続されて、波長多重光が導入さ
れるようになっており、光入力導波路2を通って第1の
スラブ導波路3に導入された光は、その回折効果によっ
て広がってアレイ導波路4に入射し、アレイ導波路4を
伝搬する。
【0011】このアレイ導波路4を伝搬した光は、第2
のスラブ導波路5に達し、さらに、光出力導波路6に集
光されて出力されるが、アレイ導波路4の全てのチャン
ネル導波路4aの長さが互いに異なることから、アレイ
導波路4を伝搬した後に個々の光の位相にずれが生じ、
このずれ量に応じて集束光の波面が傾き、この傾き角度
により集光する位置が決まる。
【0012】なお、アレイ導波路型回折格子において、
アレイ導波路から第2のスラブ導波路に光が入射する際
に、光が集光する角度(回折角)をφとすると、この角
度φと集光する光の波長(光透過中心波長)λとの間に
は、次式(1)に示すような関係がある。
【0013】 n・d・sinφ+n・ΔL=m・λ・・・・・(1)
【0014】nは第1、第2のスラブ導波路の等価屈
折率、dはチャンネル導波路同士の、第1、第2のスラ
ブ導波路側の端部間隔、φは回折角、nはアレイ導波
路の等価屈折率、ΔLは隣り合うチャンネル導波路の長
さの差、mは回折次数をそれぞれ示す。
【0015】ところで、一般に、石英等のガラス材料
は、温度によって屈折率が変化することから、温度によ
って導波路の屈折率n、nが変化し、式(1)にお
けるλとφの関係が変化する。そのため、温度が変化す
るとアレイ導波路型回折格子の光透過特性が変化し、光
透過中心波長が変化する。
【0016】この変化量は、石英系の材料を用いた回路
の場合、約0.01nm/℃であり、通常、光通信に求
められる動作温度範囲である0℃〜70℃の温度範囲で
は、光透過中心波長が0.7nm以上変化することか
ら、実用上無視できない大きさである。
【0017】このため、アレイ導波路型回折格子を使用
する際には、光導波路チップとしてのアレイ導波路型回
折格子チップに温度調節モジュールを設けてアレイ導波
路型回折格子の温度を調節するようにしている。
【0018】図9には、温度調節モジュールを有する光
導波路モジュールの例が断面図により示されている。こ
の光導波路モジュールは、パッケージ20内に、アレイ
導波路型回折格子チップの光導波路チップ9と、均熱化
素子12と、温度調節モジュール8とを設けて形成され
ている。温度調節モジュール8は例えばヒータ回路を有
するヒータモジュールにより形成されている。
【0019】温度調節モジュール8と光導波路チップ9
は、均熱化素子12を介して重ね合わせ配置されてい
る。均熱化素子12は、温度調節モジュール8から発し
た熱を拡散する素子である。均熱化素子12は、例えば
銅やアルミニウムといった高熱伝導性を有する材料を主
材料として作製された板により形成される。
【0020】均熱化素子12と光導波路チップ9と温度
調節モジュール8とは、通常、熱伝導性の優れたシリコ
ーンオイルコンパウンド(シリコーングリース)等(図
示せず)によって接合されている。シリコーングリース
として、例えば東レ・ダウコーニング(株)社製の製品
名SC102等が適用される。
【0021】図8には、上記光導波路モジュールの要部
構成が分解状態で示されている。同図に示すように、光
導波路チップ9の上面には、その端部側にチップ上板1
9が接合され、端面研磨されている。光導波路チップ9
には、端面研磨した光ファイバアレイ21が接続されて
いる。そして、光導波路チップ9の光導波路(この場
合、アレイ導波路型回折格子回路の光入力導波路2と光
出力導波路6)が、それぞれ、光ファイバアレイ21の
光ファイバ22と光接続されている。
【0022】また、温度調節モジュール8は、リード線
26を介して、制御部である温度コントローラ(図示せ
ず)と接続されている。温度調節モジュール8には図示
されていないヒータ回路が形成されており、このヒータ
回路がリード線26を介して温度コントローラと接続さ
れている。
【0023】温度調節モジュール8は発熱機能を有して
おり、温度調節モジュール8は、図示されていないRT
D(Resistance Temperature Device)や抵抗温度検出
素子等の温度検出素子によって検出される温度が予め定
めた設定温度となるように、上記温度コントローラによ
り温度調節を行なう。
【0024】図8、図9に示す光導波路モジュールにお
いて、温度調節モジュール8が上記温度コントローラに
より温度調節を行うと、均熱化素子12による熱拡散に
よって、光導波路チップ9の温度が全体に均一、かつ、
一定になるように構成されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光導波路モジュールは、光導波路チップ9と温度調節モ
ジュール8との間に均熱化素子12を設けているので、
温度調節モジュール8によって光導波路チップ9と均熱
化素子12の両方を加熱して光導波路チップ9の温度を
制御することになり、温度調節モジュール8による温度
調節の際の消費電力が大きくなってしまうといった問題
があった。
【0026】本発明は上記従来の課題を解決するために
成されたものであり、その目的は、小さい消費電力で安
定して光導波路チップの的確な温度調節を行うことがで
きる光導波路モジュールを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、第1の発明は、少なく
とも温度によって光透過特性が変化する光導波路回路を
有する光導波路チップと、発熱機能を有して前記光導波
路チップの温度を調節する温度調節モジュールと、該温
度調節モジュールから発した熱を拡散する均熱化素子と
を有し、該均熱化素子と前記光導波路チップとを前記温
度調節モジュールを介して重ね合わせて配置した構成を
もって課題を解決する手段としている。
【0028】また、第2の発明は、上記第1の発明の構
成に加え、前記均熱化素子には光導波路チップ側の面に
凹部が形成されて、該凹部に温度調節モジュールが配置
されている構成をもって課題を解決する手段としてい
る。
【0029】さらに、第3の発明は、上記第1または第
2の発明の構成に加え、前記光導波路チップと温度調節
モジュールとの接合部と、温度調節モジュールと均熱化
素子との接合部の少なくとも一方には高耐熱性接着剤が
設けられている構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0030】さらに、第4の発明は、上記第3の発明の
構成に加え、前記高耐熱性接着剤はシリコーンRTVの
接着剤とした構成をもって課題を解決する手段としてい
る。
【0031】さらに、第5の発明は、上記第1乃至第4
のいずれか一つの発明の構成に加え、前記光導波路チッ
プの光導波路回路は、互いに間隔を介して配設された2
本以上の光導波路を備えた位相部を有する構成をもって
課題を解決する手段としている。
【0032】さらに、第6の発明は、上記第5の発明の
構成に加え、前記温度調節モジュールの発熱部の光導波
路チップに対向する面の面積は光導波路チップの位相部
の面積の1.0倍以上に形成されている構成をもって課
題を解決する手段としている。
【0033】さらに、第7の発明は、上記第1乃至第6
のいずれか一つの発明の構成に加え、前記光導波路チッ
プは基板上に光導波路回路を形成して成り、前記基板は
シリコン基板とした構成をもって課題を解決する手段と
している。
【0034】さらに、第8の発明は、上記第1乃至第7
のいずれか一つの発明の構成に加え、前記光導波路回路
は、1本以上の光入力導波路と、該光入力導波路の出射
側に接続された第1のスラブ導波路と、該第1のスラブ
導波路の出射側に接続され、互いに設定量異なる長さの
複数並設されたチャネル導波路から成るアレイ導波路
と、該アレイ導波路の出射側に接続された第2のスラブ
導波路と、該第2のスラブ導波路の出射側に接続された
複数の光出力導波路とを備えたアレイ導波路型回折格子
の回路を有する構成をもって課題を解決する手段として
いる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略又は簡略化する。
【0036】図1には、本発明に係る光導波路モジュー
ルの一実施形態例の要部構成が分解状態で示されてお
り、図2には本実施形態例の光導波路モジュールの断面
構成が示されている。
【0037】これらの図に示すように、本実施形態例は
図8、図9に示した光導波路モジュールとほぼ同様に形
成されたアレイ導波路型回折格子モジュールであり、本
実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、図1、図
2に示すように、光導波路チップ9と均熱化素子12
を、温度調節モジュール8を介して重ね合わせて配置し
たことである。つまり、本実施形態例において、温度調
節モジュール8は、光導波路チップ9と均熱化素子12
との間に配置されている。
【0038】均熱化素子12には凹部37が設けられて
おり、この凹部37に温度調節モジュール8を埋め込む
構成としている。この構成により、均熱化素子12の上
面38と温度調節モジュール8の表面39はほぼ同一平
面上に配置され、面38,39の間に段差が無い状態と
成している。均熱化素子12にはRTD(ResistanceTe
mperature Device)40が埋設されている。
【0039】また、温度調節モジュール8の発熱部の光
導波路チップ9に対向する面の面積(温度調節モジュー
ル8のヒータ面積)は、光導波路チップ9の位相部の面
積の1.0倍以上に形成されている。なお、本実施形態
例において、光導波路チップ9の位相部の面積は、アレ
イ導波路4の形成領域の面積であり、例えば図6の破線
枠A内の面積である。また、アレイ導波路4内の最短の
長さのチャンネル導波路4aと最長の長さのチャンネル
導波路4aに沿った領域としてもよい。
【0040】光導波路チップ9の基板1は、熱伝導率が
125.6W/(m・K)である単結晶のシリコン(S
i)により形成されており、基板1の厚みは1mmであ
る。シリコンの熱伝導率の値は、ガラスの熱伝導率の値
1.2W/(m・K)に比べて100倍以上と非常に高
く、鉄の熱伝導率の値67.0W/(m・K)や半田の
熱伝導率の値33.5W/(m・K)よりも高い。
【0041】また、シリコンの熱伝導率の値は、均熱化
素子12として使用される銅の熱伝導率の値335.9
W/(m・K)やアルミニウムの熱伝導率234.5W
/(m・K)と比べても、2〜3分の1程度である。こ
のように、シリコンの熱伝導率は非常に良好であるの
で、シリコンを基板1として用いることは光導波路チッ
プ9の温度をほぼ均一に保つために有効である。
【0042】光導波路チップ9と温度調節モジュール8
との接合面および、温度調節モジュール8と均熱化素子
12との接合面には高耐熱性接着剤7が設けられてい
る。この接着剤7は、シリコーンを主成分とし、耐熱性
と熱伝導性に優れた室温硬化型のシリコーンRTV(Ro
om Temperature Vulcanizing)接着剤である。
【0043】接着剤7に適したシリコーンRTVの例と
して、東レ・ダウコーニング社製のSEシリーズ(SE
4400、SE4410、SE4420、SE442
2、SE4440、SE4450、SE4486、SE
9184)等がある。これらの熱伝導性シリコーンRT
Vは0.75〜1.05W/(m・K)の熱伝導率を有
しており、一般的なシリコーンRTVの熱伝導率(0.
17〜0.33W/(m・K))より数倍高い熱伝導率
を有している。
【0044】なお、本実施形態例においても、図1に示
す構成は、例えば図2に示すように、適宜のパッケージ
20に収容され、モジュール化される。また、本実施形
態例において、温度調節モジュール8はヒータ回路を有
するヒータモジュールにより形成されている。
【0045】本実施形態例は以上のように構成されてお
り、本実施形態例では、温度調節モジュール8を光導波
路チップ9と均熱化素子12との間に配置したので、温
度調節モジュール8により光導波路チップ9を直接加熱
して温度調節できる。
【0046】また、本実施形態例は、温度調節モジュー
ル8の下部側に均熱化素子12を設けることにより、従
来型の光導波路モジュールのように均熱板化素子12を
温度調節モジュール8の上部側に設けたものより、無駄
な熱の放出を防ぐことができる。
【0047】さらに、本実施形態例では、温度調節モジ
ュール8を、均熱化素子12に形成した凹部37に埋め
込むことにより、無駄な熱の放出をより一層確実に防
ぎ、かつ、均熱化素子12の熱容量を図8、図9に示し
た従来の構成よりも小さくできる。
【0048】したがって、本実施形態例は、小さい消費
電力で安定して光導波路チップの的確な温度調節を行う
ことができる。
【0049】図3の特性線aには、本実施形態例の光導
波路モジュールにおいて、環境温度を0℃〜70℃まで
変化させながら、光導波路チップ9の温度を温度調節モ
ジュール8により70℃に保ったときの、温度調節モジ
ュール8の消費電力を示す。また、同図の特性線bに
は、従来の光導波路モジュールにおいて同様の検討を行
った結果を示す。
【0050】さらに、図4には、図3の特性線a、bに
基づき、本実施形態例の光導波路モジュールの従来構造
に対する電力削減率を求めた結果が示されている。図4
および図3の特性線a、bから分かるように、本実施形
態例は、環境温度を0℃〜約70℃までとして従来例と
同様の温度制御を行った場合に、従来例より消費電力を
約20%小さくできる。
【0051】また、図5の特性線aは、温度調節モジュ
ール8のヒータ面積を光導波路チップ9の位相部の面積
で割った値(ヒータ面積比)と、光導波路チップ9の光
透過中心波長変動量(中心波長変動量)との関係を示
す。同図の特性線bは、上記ヒータ面積比と温度調節モ
ジュール8の消費電力との関係を示す。
【0052】なお、図5の特性線a、bは、光導波路モ
ジュールの環境温度を0℃にし、光導波路チップ9であ
る100GHz間隔−16chのアレイ導波路型回折格
子の温度を70℃に調節して求めた結果である。
【0053】図5の特性線aと特性線bから、温度調節
モジュール8の消費電力を抑え、かつ、光導波路チップ
9の光透過中心波長変動量を事実上問題がない中心波長
変動(±0.005nm)の範囲内まで小さくするに
は、ヒータ面積比を1.0倍以上とすればよいことが分
かる。
【0054】本実施形態例は、温度調節モジュール8の
ヒータ面積を、光導波路チップ9の位相部の面積の1.
0倍以上に形成しており、ヒータ面積比を1.0倍以上
としているので、温度調節モジュール8の消費電力を抑
え、かつ、光導波路チップ9の光透過中心波長変動量を
小さくすることができる。
【0055】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
るものでなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、
上記実施形態例では、光導波路チップ9をアレイ導波路
型回折格子チップとしたが、光導波路チップ9はアレイ
導波路型回折格子チップに限定されるものではなく適宜
設定されるものであり、本発明は、例えば周知のマッハ
ツェンダ回路を用いた光導波路回路等、温度に依存して
光透過特性が変化する光導波路回路を有する光導波路チ
ップ9を適用して形成することができる。
【0056】なお、図7には、上記マッハツェンダ回路
(マッハツェンダ光干渉計回路)の一例が平面図により
示されており、この図に示すように、マッハツェンダ回
路は、例えば2本の光導波路14,15を並設し、光導
波路14,15を近接させた複数の方向性結合部16,
17を光導波路14,15の長手方向に間隔を介して形
成される。
【0057】マッハツェンダ回路においては、方向性結
合部16,17に挟まれた領域の光導波路14,15が
位相部となり、位相部の面積は、図7の破線枠Bに示す
領域内の面積である。
【0058】さらに、上記実施形態例では、光導波路チ
ップ9の基板1をシリコンとしたが、光導波路チップ9
の基板1は、シリコン以外の基板としてもよい。ただ
し、基板1をシリコン等、熱伝導率が良好な(例えば5
0W/(m・K)以上の)材質により形成すると、上記
実施形態例のように基板1側に温度調節モジュール8を
設ける場合に、温度調節モジュール8による光導波路チ
ップ9の温度調節をより一層良好に行なうことができ
る。
【0059】さらに、上記実施形態例では、光導波路チ
ップ9の基板1側に温度調節モジュール8を設けたが、
温度調節モジュール8は導波路形成領域10側に設けて
もよい。
【0060】さらに、上記実施形態例では、均熱化素子
12の光導波路チップ9との接合面には熱伝導性に優れ
たシリコーンRTVの高耐熱性接着剤7を設けたが、高
耐熱性接着剤7の種類は特に限定されることはなく適宜
設定されるものであり、また、高耐熱性接着剤以外の接
合剤を設けてもよい。
【0061】なお、温度調節モジュール8と光導波路チ
ップ9との接合面に、上記実施形態例のように熱伝導性
に優れた高耐熱性接着剤7等の接合剤を設けると、温度
調節モジュール8による光導波路チップ9の温度調節を
良好に行いやすい。
【0062】さらに、上記実施形態例では、均熱化素子
12に凹部37を形成し、凹部37内に温度調節モジュ
ール8を配置したが、均熱化素子12には必ずしも凹部
37を形成するとは限らず、均熱化素子12は、例えば
平板形状に形成してもよい。
【0063】
【発明の効果】本発明は、温度調節モジュールを介して
光導波路チップと均熱化素子を重ね合わせて配置したの
で、温度調節モジュールによって光導波路チップを直接
加熱できるし、光導波路チップと反対側に均熱化素子を
設けることにより、温度調節モジュールから発した熱を
無駄に放出すること無く、効率的に光導波路チップを加
熱できる。
【0064】したがって、本発明は、光導波路チップと
温度調節モジュールの間に均熱化素子を設けた構成の従
来例に比べ、温度調節モジュールの消費電力を小さくで
き、光導波路モジュールの消費電力を小さくできる。ま
た、本発明は、上記の如く、簡単な構成であり、小型で
安価な光導波路モジュールを実現できる。
【0065】また、本発明において、均熱化素子には光
導波路チップ側の面に凹部が形成されて、該凹部に温度
調節モジュールが配置されている構成によれば、温度調
節モジュールから発した熱が無駄に放出されることをよ
り一層抑制でき、より効率的に光導波路チップを加熱で
きるので、光導波路モジュールの消費電力を約20%削
減でき、より一層小さくできる。
【0066】さらに、本発明において、光導波路チップ
と温度調節モジュールとの接合部と、温度調節モジュー
ルと均熱化素子との接合部の少なくとも一方には高耐熱
性接着剤が設けられている構成によれば、光導波路チッ
プと温度調節モジュールや温度調節モジュールと均熱化
素子を高耐熱性接着剤によって確実に固定し、より安定
した動作を行うことができる。
【0067】さらに、本発明において、高耐熱性接着剤
はシリコーンRTVの接着剤とした構成によれば、シリ
コーンRTVの接着剤は熱伝導性も優れているので、温
度調節モジュールによる光導波路チップの温度調節をよ
り良好に行うことができる。
【0068】さらに、本発明において、光導波路チップ
の光導波路回路は、互いに間隔を介して配設された2本
以上の光導波路を備えた位相部を有する構成によれば、
位相部の機能によって、例えば光波長合分波機能等の適
宜の機能を発揮できる。
【0069】さらに、本発明において、温度調節モジュ
ールの発熱部の光導波路チップに対向する面の面積は光
導波路チップの位相部の面積の1.0倍以上に形成され
ている構成によれば、小さい消費電力で光導波路チップ
の光透過中心波長を安定化制御できる。
【0070】さらに、本発明において、光導波路チップ
は基板上に光導波路回路を形成して成り、前記基板はシ
リコン基板とした構成によれば、基板側に温度調節モジ
ュールを設けることにより、温度調節モジュールによっ
て、より効率的に光導波路チップの温度調節を行うこと
ができる。
【0071】さらに、本発明において、光導波路回路
は、アレイ導波路型回折格子の回路とした構成によれ
ば、波長分割多重伝送において重要な役割を果たし、厳
しい温度制御が要求されるアレイ導波路回折格子の回路
の温度を的確に調節でき、波長分割多重伝送用として良
好な機能を果たす光導波路モジュールを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光導波路モジュールの一実施形態
例を分解状態で示す要部構成図である。
【図2】上記実施形態例の断面構成図である。
【図3】光導波路モジュールの環境温度と上記実施形態
例に適用されている温度調節モジュールの消費電力との
関係を従来例と比較して示すグラフである。
【図4】実施形態例の光導波路モジュールを従来構造に
対する電力削減率を示すグラフである。
【図5】本発明の構成を有する光導波路モジュールにお
けるヒータ面積比と、温度調節モジュール消費電力およ
び光導波路チップ中心波長変動との関係を示すグラフで
ある。
【図6】アレイ導波路型回折格子チップの一例を示す説
明図である。
【図7】マッハツェンダ回路の一例を示す説明図であ
る。
【図8】従来の光導波路モジュールの例を分解状態で示
す説明図である。
【図9】図8に示した光導波路モジュールの断面説明図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 光入力導波路 3 第1のスラブ導波路 4 アレイ導波路 5 第2のスラブ導波路 6 光出力導波路 7 接着剤 8 温度調節モジュール 9 光導波路チップ 12 均熱化素子 37 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 淳一 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 田中 完二 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA03 KA12 LA19 MA05 NA01 QA04 RA08 TA05 TA12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも温度によって光透過特性が変
    化する光導波路回路を有する光導波路チップと、発熱機
    能を有して前記光導波路チップの温度を調節する温度調
    節モジュールと、該温度調節モジュールから発した熱を
    拡散する均熱化素子とを有し、該均熱化素子と前記光導
    波路チップとを前記温度調節モジュールを介して重ね合
    わせて配置したことを特徴とする光導波路モジュール。
  2. 【請求項2】 均熱化素子には光導波路チップ側の面に
    凹部が形成されて、該凹部に温度調節モジュールが配置
    されていることを特徴とする請求項1記載の光導波路モ
    ジュール。
  3. 【請求項3】 光導波路チップと温度調節モジュールと
    の接合部と、温度調節モジュールと均熱化素子との接合
    部の少なくとも一方には高耐熱性接着剤が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光導
    波路モジュール。
  4. 【請求項4】 高耐熱性接着剤はシリコーンRTVの接
    着剤としたことを特徴とする請求項3記載の光導波路モ
    ジュール。
  5. 【請求項5】 光導波路チップの光導波路回路は、互い
    に間隔を介して配設された2本以上の光導波路を備えた
    位相部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4
    のいずれか一つに記載の光導波路モジュール。
  6. 【請求項6】 温度調節モジュールの発熱部の光導波路
    チップに対向する面の面積は光導波路チップの位相部の
    面積の1.0倍以上に形成されていることを特徴とする
    請求項5記載の光導波路モジュール。
  7. 【請求項7】 光導波路チップは基板上に光導波路回路
    を形成して成り、前記基板はシリコン基板としたことを
    特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載
    の光導波路チップ。
  8. 【請求項8】 光導波路回路は、1本以上の光入力導波
    路と、該光入力導波路の出射側に接続された第1のスラ
    ブ導波路と、該第1のスラブ導波路の出射側に接続さ
    れ、互いに設定量異なる長さの複数並設されたチャネル
    導波路から成るアレイ導波路と、該アレイ導波路の出射
    側に接続された第2のスラブ導波路と、該第2のスラブ
    導波路の出射側に接続された複数の光出力導波路とを備
    えたアレイ導波路型回折格子の回路を有することを特徴
    とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の光
    導波路モジュール。
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