JP2003215099A - 電気泳動装置 - Google Patents

電気泳動装置

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JP2003215099A
JP2003215099A JP2002013391A JP2002013391A JP2003215099A JP 2003215099 A JP2003215099 A JP 2003215099A JP 2002013391 A JP2002013391 A JP 2002013391A JP 2002013391 A JP2002013391 A JP 2002013391A JP 2003215099 A JP2003215099 A JP 2003215099A
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孝徳 安河内
Kazuo Ozawa
和夫 小澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えばIGCR法における作業の手間と時間と
を軽減することができる電気泳動装置を提供すること。 【解決手段】図2に示す電気泳動装置1は、DNA(核
酸)を含むサンプル(検体)を電気泳動させるゲル10
0と、ゲル100へ通電し、かつ、その極性を反転する
ことができる通電手段3と、ゲル100の温度を調整
(加熱および冷却)する温度調整手段4と、核酸を吸着
可能な核酸吸着剤Rとを備えている。この電気泳動装置
1は、サンプルをゲル100中で電気泳動させることに
より、DNAをゲル100中で分離させ、次いで、ゲル
100を加熱した後、ゲル100を冷却することによ
り、分離後のDNAをゲル100中で変性させた後、再
会合させ、その後、再会合後のDNAをゲル100中で
前記電気泳動の方向と逆方向に電気泳動させ、ゲル10
0から離脱した再会合後のDNAを核酸吸着剤Rに吸着
させて回収するよう構成(制御)されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気泳動装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】分子生物学、生化学、医学、薬学等の分
野では、電気泳動装置を用いた各種遺伝子解析等が広く
行われている。
【0003】例えば、IGCR法(In Gel Competitive
Reassociation法)は、ガン遺伝子等の探索に極めて有
効であり、現在、大きな注目を集めている。この方法
は、ゲノムサブトラクション法の一種であり、ゲル(泳
動媒体)中で、ゲノムサブトラクションを行うことを大
きな特徴とする。
【0004】このIGCR法は、例えば数kb以上の塩基
の欠失等、比較的大きな遺伝子の変異を特定するのに有
利である。このため、この方法は、正常細胞の遺伝子と
ガン細胞の遺伝子との間で、大きな相違を発見する場合
等に、極めて有用である。実際に、IGCR法は、胃ガ
ン関連の遺伝子の発見で、実績を挙げている。このIG
CR法の概略を、ガン遺伝子を探索する場合を例に説明
すると、下記のようになる。
【0005】1)まず、正常細胞由来のDNAとガン細
胞由来のDNAと(例えば制限酵素処理されたもの)を
用意する。 2)次に、正常細胞由来のDNAをビオチン化する。
【0006】3)次に、ガン細胞由来のDNAに対して
正常細胞由来のDNAがはるかに高い濃度となるように
(例えば1:50程度)、ガン細胞由来のDNAと正常
細胞由来のDNAとを混合する。 4)次に、この混合物に対して、ゲル電気泳動を行う。
【0007】5)電気泳動後、ゲルを取り出し、このゲ
ルをアルカリ性の溶液(変性液)に浸漬させた後、ゲル
を中性の溶液(会合液)に浸漬させることにより、ゲル
中でDNAを変性させた後、再会合させる。IGCR法
の大きな特徴は、工程3)〜5)にある。かかる工程を
経ることにより、ガン細胞にのみ特異的に存在する遺伝
子を検出、分離することが、可能となる。この原理を、
以下、模式的に説明する。
【0008】例えば、正常細胞は、遺伝子Aと遺伝子B
とを有しているとする。また、ガン細胞は、遺伝子A
と、変異した遺伝子B’とを有しているとする。この遺
伝子B’は、遺伝子Bよりも鎖長が短くなっているとす
る。なお、ガン細胞の遺伝子Aと正常細胞の遺伝子Aと
は、同じ(identical)とする。また、遺伝子Aは、遺
伝子Bよりも長いものとする。
【0009】この場合、前記工程4)において電気泳動
を行うと、ゲル中で、バンドは、例えば、遺伝子A、遺
伝子Bおよび遺伝子B’に分かれることとなる。
【0010】このとき、遺伝子Aのバンドは、正常細胞
由来のDNAとガン細胞由来のDNAとを含んでいるこ
ととなる。したがって、正常細胞由来のDNAとガン細
胞由来のDNAとの比は、50:1である。また、遺伝
子Bのバンドは、正常細胞由来のDNAのみを含んでい
ることとなる。すなわち、正常細胞由来のDNAとガン
細胞由来のDNAとの比は、100:0である。これに
対し、遺伝子B’のバンドは、ガン細胞由来のDNAの
みを含んでいることとなる。すなわち、正常細胞由来の
DNAとガン細胞由来のDNAとの比は、0:100で
ある。
【0011】ここで、前記工程5)のDNAの変性、再
会合を行うと、遺伝子Aのバンドでは、下記のA1〜A
4の4種類の遺伝子が、2500:50:50:1の割
合で生成される。 A1:正常細胞由来のDNAのみで構成された遺伝子、 A2:正常細胞由来のDNAとガン細胞由来のDNAと
で構成された遺伝子(タイプ1)、 A3:正常細胞由来のDNAとガン細胞由来のDNAと
で構成された遺伝子(タイプ2)、 A4:ガン細胞由来のDNAのみで構成された遺伝子。 したがって、遺伝子Aのバンドでは、ガン細胞由来のD
NAのみで構成された遺伝子(遺伝子A4)は、極めて
少量となる。
【0012】一方、遺伝子Bのバンドでは、相変わら
ず、正常細胞由来のDNAとガン細胞由来のDNAとの
比は、100:0のままである。同様に、遺伝子B’の
バンドでは、正常細胞由来のDNAとガン細胞由来のD
NAとの比は、0:100のままである。
【0013】次いで、ゲルを切り出し、ゲル中からDN
Aを抽出(回収)し、かかるDNAをアビジンと接触さ
せると、アビジンはビオチンと結合する性質を有してい
るため、正常細胞由来のDNAを含む遺伝子は、アビジ
ンに吸着される。これに対し、ガン細胞由来のDNAの
みで構成された遺伝子は、アビジンに吸着されない。
【0014】したがって、遺伝子Bは、前述したように
正常細胞由来のDNAのみで構成されているので、アビ
ジンに吸着されることとなる。これに対し、遺伝子B’
は、ガン細胞由来のDNAのみで構成されているので、
アビジンに吸着されず、取り出されることとなる。
【0015】遺伝子Aでは、遺伝子A1、A2およびA
3がアビジンに吸着され、遺伝子A4は、アビジンに吸
着されない。ところで、前述したように、遺伝子Aで
は、A1:A2:A3:A4の割合が、2500:5
0:50:1となっている。換言すれば、遺伝子A4の
存在量は、ごく微量なものとなっている。
【0016】したがって、アビジンに吸着されず取り出
された遺伝子に、例えば、アダプターDNAを結合し、
このアダプターDNAと相補的な塩基配列を有するプラ
イマーを用いてPCR法を行い、遺伝子を増幅すると、
遺伝子B’だけが、好適に検出されることとなる。
【0017】このように、IGCR法は、優れた遺伝子
探索法である。しかしながら、IGCR法では、人手に
よる工程数が多く、しかも時間のかかる工程が多いた
め、所要時間が長く(例えば1週間程度)、作業に手間
と時間とを要するという欠点がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、例え
ばIGCR法における作業の手間と時間とを軽減するこ
とができる電気泳動装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(21)の本発明により達成される。
【0020】(1) 核酸を含む検体を電気泳動させる
泳動媒体と、前記泳動媒体へ通電し、かつ、その極性を
反転することができる通電手段と、前記泳動媒体の温度
を調整する温度調整手段と、前記泳動媒体から離脱した
前記核酸を吸着可能な核酸吸着剤とを備えることを特徴
とする電気泳動装置。
【0021】(2) 前記核酸吸着剤は、前記泳動媒体
と前記通電手段が備える電極との間に設けられている上
記(1)に記載の電気泳動装置。
【0022】(3) バッファー液をそれぞれ貯留する
第1のバッファー槽と第2のバッファー槽とを有する装
置本体を備え、前記泳動媒体は、その一端が前記第1の
バッファー槽に貯留されたバッファー液に接触し、その
他端が前記第2のバッファー槽に貯留されたバッファー
液に接触するよう配置されている上記(1)または
(2)に記載の電気泳動装置。
【0023】(4) 前記第1のバッファー槽は、前記
バッファー液を貯留する貯留空間を、第1の空間と、前
記泳動媒体の一端が位置する第2の空間とに画成する隔
壁を有し、前記核酸吸着剤は、前記隔壁に設置されてい
る上記(3)に記載の電気泳動装置。
【0024】(5) 前記第1の空間に、前記通電手段
が備える電極が設置されている上記(4)に記載の電気
泳動装置。
【0025】(6) 前記隔壁には、前記第2の空間に
連通し、前記核酸吸着剤を設置する凹部と、該凹部と前
記第1の空間とを連通する連通孔とが形成されている上
記(4)または(5)に記載の電気泳動装置。
【0026】(7) 前記連通孔は、前記第2の空間側
より前記第1の空間側が高くなるよう傾斜して形成され
ている上記(6)に記載の電気泳動装置。
【0027】(8) 前記連通孔の前記第1のバッファ
ー槽の底部とのなす角度は、45〜80°である上記
(7)に記載の電気泳動装置。
【0028】(9) 前記核酸吸着剤は、顆粒状をなし
ている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の電気
泳動装置。
【0029】(10) 前記顆粒状の核酸吸着剤の平均
粒径は、20〜200μmである上記(9)に記載の電
気泳動装置。
【0030】(11) 前記核酸吸着剤は、イオン交換
樹脂を含む材料で構成されている上記(1)ないし(1
0)のいずれかに記載の電気泳動装置。
【0031】(12) 前記通電手段は、前記温度調整
手段により前記泳動媒体の温度を調節する前後におい
て、その極性を反転させるよう構成されている上記
(1)ないし(11)のいずれかに記載の電気泳動装
置。
【0032】(13) 前記温度調整手段は、前記泳動
媒体の周囲に設けられ、前記泳動媒体に対して熱伝達を
行う伝熱部を有する上記(1)ないし(12)のいずれ
かに記載の電気泳動装置。
【0033】(14) 前記泳動媒体の長手方向の全長
をLとしたとき、前記伝熱部は、前記泳動媒体を、その
長手方向の中央から両端に向って、それぞれ、0.45
Lの範囲を覆うよう構成されている上記(13)に記載
の電気泳動装置。
【0034】(15) 前記温度調整手段は、少なくと
も前記泳動媒体を加熱する加熱手段を有する上記(1)
ないし(14)のいずれかに記載の電気泳動装置。
【0035】(16) 前記温度調整手段は、前記泳動
媒体を加熱する加熱手段と、前記泳動媒体を冷却する冷
却手段とを有する上記(1)ないし(15)のいずれか
に記載の電気泳動装置。
【0036】(17) 前記通電手段により前記泳動媒
体へ通電を行い、前記検体を前記泳動媒体中で電気泳動
させることにより、前記核酸を前記泳動媒体中で分離さ
せ、次いで、前記加熱手段により前記泳動媒体を加熱し
た後、前記泳動媒体を冷却することにより、分離後の核
酸を前記泳動媒体中で変性させた後、再会合させ、その
後、前記通電手段により極性を反転させて前記泳動媒体
へ通電を行い、再会合後の核酸を前記泳動媒体中で前記
電気泳動の方向と逆方向に電気泳動させ、前記泳動媒体
から離脱した前記再会合後の核酸を、前記核酸吸着剤に
吸着させて回収するよう構成されている上記(15)ま
たは(16)に記載の電気泳動装置。
【0037】(18) 前記通電手段により前記泳動媒
体へ通電を行い、前記検体を前記泳動媒体中で電気泳動
させることにより、前記核酸を前記泳動媒体中で分離さ
せ、次いで、前記加熱手段により前記泳動媒体を加熱し
た後、前記冷却手段により前記泳動媒体を強制的に冷却
することにより、分離後の核酸を前記泳動媒体中で変性
させた後、再会合させ、その後、前記通電手段により極
性を反転させて前記泳動媒体へ通電を行い、再会合後の
核酸を前記泳動媒体中で前記電気泳動の方向と逆方向に
電気泳動させ、前記泳動媒体から離脱した前記再会合後
の核酸を、前記核酸吸着剤に吸着させて回収するよう構
成されている上記(16)に記載の電気泳動装置。
【0038】(19) 前記泳動媒体は、複数併設され
ている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の電
気泳動装置。
【0039】(20) 前記泳動媒体は、複数併設さ
れ、前記第1のバッファー槽は、各前記泳動媒体に対応
して複数設けられている上記(3)ないし(19)のい
ずれかに記載の電気泳動装置。
【0040】(21) 前記泳動媒体は、中空部材に収
納されている上記(1)ないし(20)のいずれかに記
載の電気泳動装置。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電気泳動装置を添
付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0042】図1は、本発明の電気泳動装置の実施形態
を示す模式図であり、図2は、図1に示す電気泳動装置
が備える電気泳動部付近の構成を示す部分縦断面図であ
り、図3は、図1に示す電気泳動装置が備える上部バッ
ファー槽の構成を示す斜視図であり、図4は、図1に示
す電気泳動装置が備える温度調整手段の構成を示す側面
図であり、図5は、図1に示す電気泳動装置の動作手順
を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、
図2および図3中、上側を「上端」、下側を「下端」と
言う。
【0043】図1に示す電気泳動装置1は、電気泳動部
2と、通電手段3と、温度調整手段4と、制御手段5と
を備えている。
【0044】以下、電気泳動装置1を、各構成要素ごと
に説明する。図1および図2に示すように、電気泳動部
2は、主に、複数(本実施形態では、3つ)の上部バッ
ファー槽(第1のバッファー槽)21と、下部バッファ
ー槽(第2のバッファー槽)22と、これらを支持する
基台23とを有する装置本体200と、ゲル(泳動媒
体)100を収納した複数(本実施形態では、3つ)の
管体(管状の中空部材)20とを有している。
【0045】各上部バッファー槽21は、それぞれ、泳
動媒体100(管体20)に対応して設けられ、上端
(上部)に開口を有する箱状の部材で構成されている。
これらの上部バッファー槽21の内部(貯留空間)に
は、それぞれ、例えば、トリスバッファー、トリス・ホ
ウ酸バッファーのようなバッファー液(緩衝液)が貯留
されている。
【0046】バッファー液の液量は、例えば、各上部バ
ッファー槽21に、それぞれ管体20を装着(設置)し
た状態で、各管体20の上端が液面から突出しない程度
とされる。
【0047】本実施形態では、各上部バッファー槽21
の構成は同一であるので、以下では、1つを代表して説
明する。
【0048】上部バッファー槽21は、その長手方向の
ほぼ中央部に形成され、バッファー液を貯留する貯留空
間を、第1の空間210aと第2の空間210bとに画
成する隔壁210を有している。
【0049】第1の空間210aには、後述する通電手
段3が備える電極32aがバッファー液に浸る(接触す
る)ようにして設置され、一方、第2の空間210bに
は、泳動媒体100(管体20)の上端(一端)が位置
している。
【0050】第1の空間210a側の上部バッファー槽
21の底部(底面)211には、装着孔212が厚さ方
向(図2および図3中、上下方向)に貫通して形成され
ている。装着孔212には、管体20を保持する保持部
材213が液密に固着(装着)されている。
【0051】保持部材213は、ほぼ筒状の部材で構成
され、下端側には、装着孔212に嵌合可能な装着部2
13aが形成されている。この装着部213aが装着孔
212内に挿入、嵌合することにより、保持部材213
は、上部バッファー槽21の底部211に液密に固定
(固着)されている。
【0052】この保持部材213は、特に限定されない
が、例えば、各種ゴム材料、各種熱可塑性エラストマー
等の弾性材料で構成されている。
【0053】また、保持部材213の内腔部には、後述
する管体20の上端側が挿入(挿通)されている。
【0054】隔壁210は、第2の空間210b側の厚
さが小さくなっており、この部分には、上側(上方)に
開放する開口を有する凹部214が形成されている。す
なわち、凹部214は、第2の空間210bと連通して
いる。この凹部214内には、ゲル100から離脱した
DNA(核酸)を吸着可能な核酸吸着剤(DNA吸着
剤)Rが収納(設置)されている。すなわち、本実施形
態では、核酸吸着剤Rは、ゲル100と電極32aとの
間に設けられている。
【0055】この核酸吸着剤Rの構成材料としては、例
えば、イオン交換樹脂、各種ガラス、アルミナ、リン酸
カルシウムのようなセラミックス材料、アモルファスシ
リカ、アルキルシリカのようなシリカ化合物、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレンのような樹脂材料
等が挙げられる。これらの中でも、核酸吸着剤Rは、イ
オン交換樹脂を含む材料で構成されているのが好まし
く、イオン交換樹脂を主材料として構成されているもの
がより好ましい。このような核酸吸着剤Rは、DNAの
吸着能が高く、また、かかる核酸吸着剤Rからは、吸着
したDNAを容易に回収することができる。
【0056】また、イオン交換樹脂としては、例えば、
アガロース、セルロース、ニトロセルロース等に対し
て、各種荷電を有する基(例えば、スルフォン基、カル
ボキシル基、トリメチルアンモニオメチル基等)を導入
したものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以
上を組み合わせて用いることができる。このようなイオ
ン交換樹脂を用いて核酸吸着剤Rを構成することによ
り、核酸吸着剤RのDNAの吸着能を、特に優れたもの
とすることができるとともに、DNAの回収効率を向上
させることができる。
【0057】また、核酸吸着剤Rの形状としては、特に
限定されないが、例えば、顆粒状、メッシュ状、スポン
ジ状等が挙げられ、これらの中でも、特に、顆粒状が好
ましい。核酸吸着剤Rを顆粒状とすることにより、DN
Aの吸着に有効な表面積を増大させることができ、DN
Aの吸着効率を上昇させることができる。
【0058】この場合、顆粒状の核酸吸着剤Rの平均粒
径は、20〜2000μm程度とするのが好ましく、3
5〜1000μm程度とするのがより好ましく、50〜
150μm程度とするのがさらに好ましい。平均粒径を
前記範囲とすることにより、DNAの吸着効率をより向
上させることができる。また、隔壁210には、凹部2
14と第1の空間210aとを連通する連通孔215が
形成されている。
【0059】この連通孔215は、第2の空間210b
側より第1の空間210a側が高くなるよう傾斜して形
成されている。これにより、顆粒状の核酸吸着剤Rを使
用する場合、凹部214内に収納された核酸吸着剤Rが
第1の空間210a側に流出するのを好適に防止するこ
とができる。
【0060】この場合、連通孔215と上部バッファー
槽21の底部211とのなす角度(図3中θ)は、特に
限定されないが、45〜80°程度とするのが好まし
く、60〜80°程度とするのがより好ましい。これに
より、前記効果がより向上する。
【0061】また、連通孔215の内径は、特に限定さ
れないが、例えば、1〜5mm程度とされる。
【0062】このような上部バッファー槽21は、複数
(3つ)が一体化され、その両側部(図2中、紙面奥側
および紙面手前側)には、対向配置された脚部216、
216が、図示しない接続部を介して基台23に連結
(設置)されている。これにより、各上部バッファー槽
21は、基台23に固定されている。
【0063】基台23は、各上部バッファー槽21、下
部バッファー槽22および後述する伝熱ブロック42を
支持するためのものであり、平板状の部材で構成されて
いる。この基台23の上端(上面)には、下部バッファ
ー槽22が設置されている。
【0064】下部バッファー槽22は、箱状の部材で構
成されている。この下部バッファー槽22の内部には、
バッファー液(緩衝液)が貯留されており、後述する通
電手段3が有する電極32bがバッファー液に浸る(接
触する)ようにして設置されている。
【0065】このバッファー液は、前記の上部バッファ
ー槽21の内部に収納されるバッファー液で挙げたもの
と同様のものを用いることができる。
【0066】下部バッファー槽22の上端縁部付近(図
2中、右上側)には、上方に向って突出する導入口22
1が一体的に形成されており、この導入口221を介し
て、下部バッファー槽22内にバッファー液を導入(収
納)することができる。
【0067】また、下部バッファー槽22の上端(上
面)には、複数の挿通孔222が厚さ方向(図2中、上
下方向)に貫通して形成されている。各挿通孔222に
は、それぞれ、管体20の下端側が挿入(挿通)されて
いる。
【0068】なお、この状態で、下部バッファー槽22
内には、管体20の下端が浸る程度の液量のバッファー
液が貯留されている。
【0069】この下部バッファー槽22、前記の各上部
バッファー槽21および前記の基台23の構成材料とし
ては、特に限定されないが、それぞれ、例えば、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネ
ート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−
スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミ
ド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6
・10、ナイロン12)のような各種樹脂材料を用いる
ことができる。
【0070】なお、下部バッファー槽22および各上部
バッファー槽21は、内部の視認性を確保するために、
それぞれ、実質的に透明であるのが好ましい。
【0071】各上部バッファー槽21と下部バッファー
槽22との間には、複数(本実施形態では、3本)の管
体(管状の中空部材)20が、それぞれ、保持部材21
3を介して上部バッファー槽21に固定、支持(設置)
され、その一端が上部バッファー槽21内に貯留された
バッファー液に接触し、その他端が下部バッファー槽2
2内に貯留されたバッファー液に接触している。
【0072】この管体20の構成材料としては、特に限
定されないが、熱伝達に優れているという点、および、
十分な強度が得られるという点において、例えば、ポリ
カーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピ
レン等の各種樹脂材料、各種ガラス材料等が好ましく用
いられる。
【0073】管体20の寸法としては、特に限定されな
いが、例えば、内径が3〜8mm程度、外径が5〜10
mm程度とされる。
【0074】各管体20の内部には、ゲル(泳動媒体)
100が充填(収納)され、それぞれ、所定距離(例え
ば、10〜40mm程度)離間して併設されている。換
言すれば、複数のゲル100が所定距離離間して併設さ
れている。このように複数のゲル100を併設すること
により、電気泳動装置1は、一度に処理できる検体の量
を増大させることができる。
【0075】また、各管体20の上端部内側には、それ
ぞれ、ゲル100が充填されていない部分が設けられて
おり、該部分には、検体が充填(アプライ)される。
【0076】ゲル100は、例えば、アクリルアミド、
アガロース等で構成され、DNA(核酸)を含む検体を
電気泳動させ、これにより、DNAを鎖長の差(分子量
の差)により分離させる。
【0077】このゲル100は、管体20に収納される
ことにより、ほぼ円柱状(棒状)をなしている。
【0078】ゲル100の長手方向の全長(図2中、長
さL)は、特に限定されないが、通常、10〜1000
mm程度であるのが好ましく、50〜200mm程度で
あるのがより好ましく、100〜150mm程度である
のがさらに好ましい。ゲル100の長手方向の全長をこ
のような範囲内とすることにより、DNAを好適に分離
させることができる。このようなゲル100は、通電手
段3により通電される。
【0079】この通電手段3は、ゲル100へ通電し、
かつ、その極性を反転することができるものであり、図
1に示すように、泳動用電源部31と、各上部バッファ
ー槽21に対応して設けられた複数の電極(個別電極)
32aと、これらに対向する電極(共通電極)32bと
を備えている。これらの泳動用電源部31と、各電極3
2aおよび電極32bとは、それぞれ、導線により、接
続されている。
【0080】各電極32aおよび電極32bは、それぞ
れ、例えば、金属(アルミニウム等)などの導電性材料
で構成されている。また、前述したように、各電極32
aは、それぞれ上部バッファー槽21(第1の空間21
0a)内に、電極32bは、下部バッファー槽22内に
設置されている。また、ゲル100は、温度調整手段4
により温度が調整される。
【0081】温度調整手段4は、図4に示すように、ゲ
ル100を加熱する加熱手段43と、ゲル100を冷却
する冷却手段44と、加熱手段43および冷却手段44
とゲル100との間で熱伝達を行う伝熱ブロック(伝熱
部)42と、ゲル100の温度を検知する温度感知手段
45とを有している。
【0082】なお、後述する加熱手段43が有するドラ
イバー432と、冷却手段44が有するドライバー44
4と、温度感知手段45が有するA/Dコンバーター4
52とで、温度調整手段4の温度コントローラー41が
構成されている。
【0083】この温度調整手段4は、加熱手段43によ
りゲル100を加熱した後、冷却手段44によりゲル1
00を強制的に冷却することにより、ゲル100中でD
NAを変性させた後、再会合させる。
【0084】加熱手段43は、発熱し、ゲル100を加
熱する面ヒーター431と、コンピューター51からの
信号に基づき、面ヒーター431を駆動、制御するドラ
イバー432とを有している。
【0085】冷却手段44は、ゲル100等からの熱を
放熱して、ゲル100を冷却する冷却器441と、冷却
器441を駆動するドライバー444とを有している。
【0086】冷却器441は、ゲル100等からの熱を
放熱するヒートシンク442と、ヒートシンク442で
の放熱を促進するファン443とを有している。
【0087】ヒートシンク442は、例えば、金属(ア
ルミニウム等)などの熱伝導性の物質で構成されてい
る。このヒートシンク442は、例えば薄板が多数立設
されたような構成の放熱部446を有している。この放
熱部446では、表面積、すなわちヒートシンク442
と空気との接触面積が増大しており、熱が効率よく、大
気に放出されるようになっている。
【0088】このような放熱を、ファン443は、促進
することができる。ファン443は、風を発生させる羽
根448と、羽根448を回転させるモーター447と
を有している。ファン443が駆動する場合には、ヒー
トシンク442に埋設されたモーター447が回転し、
この駆動力が羽根448に伝達される。その結果、羽根
448が回転し、風が生じる。そして、この風により、
放熱部446での放熱が、促進される。
【0089】ヒートシンク442の放熱部446と反対
側の面には、前述した面ヒーター431が、ヒートシン
ク442に密着するように設けられている。さらには、
温度調整手段4では、この面ヒーター431に密着する
ように、伝熱ブロック42が設けられている。
【0090】伝熱ブロック42は、面ヒーター431で
発生した熱を、ゲル100に伝達し、また、ゲル100
の熱をヒートシンク442に伝達することができる。こ
の伝熱ブロック42は、例えば、金属(アルミニウム
等)などの熱伝導性の物質で構成されている。
【0091】このような伝熱ブロック42を介して、温
度感知手段45は、ゲル100の温度を検知することが
できる。温度感知手段45は、ゲル100の温度を検知
する温度センサー451と、温度センサーからのアナロ
グ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバーター4
52とを有している。この温度感知手段45では、温度
センサー451は、伝熱ブロック42に埋設されるよう
に、設置されている。このため、温度センサー451
は、伝熱ブロック42の温度を直接検知することができ
る。これにより、伝熱ブロック42の温度はゲル100
の温度とほぼ対応しているので、温度センサー451
は、ゲル100の温度を検知することができる。
【0092】また、伝熱ブロック42の面ヒーター43
1と反対側の部分には、その長手方向(図2中、上下方
向)に貫通して、複数(本実施形態では、3つ)の挿通
孔421が形成されている。各挿通孔421は、それぞ
れ、その内径が管体20の外径とほぼ等しく設定され、
その内部には、管体20が挿通されている。すなわち、
伝熱ブロック42は、各ゲル100の全周(周囲)を囲
むように設けられている。
【0093】これにより、ゲル100を周方向に均等
(均一)に加熱および冷却することができるので、分離
されたDNA間での変性および再会合を均一に行うこと
ができる。
【0094】また、伝熱ブロック42は、ゲル100中
で分離されたDNA(バンド)が存在する範囲にほぼ対
応して、ゲル100の長手方向の範囲を覆うように構成
されているのが好ましい。
【0095】すなわち、伝熱ブロック42は、その長手
方向の長さは、特に限定されないが、例えば、ゲル10
0の長手方向の全長をLとしたとき、ゲル100を、そ
の長手方向の中央から両端(上端および下端)に向っ
て、0.45L程度の範囲(図2中、長さMの範囲)を
覆うように構成されているのが好ましく、0.4L程度
の範囲を覆うように構成されているのがより好ましい。
【0096】これにより、ゲル100を長手方向に均等
(均一)に加熱および冷却を行うことができるので、分
離されたDNA(バンド)間で、均等(均一)に変性お
よび再会合させることができる。
【0097】また、本実施形態では、伝熱ブロック42
を、ゲル100の全周を囲むように設け、かつ、ゲル1
00中で分離されたDNAが存在する範囲にほぼ対応し
て、ゲル100の長手方向の範囲を覆うように構成した
ことにより、これらの相乗効果により、分離されたDN
A(バンド)間で、均等(均一)、迅速かつ確実に変性
および再会合させることができる。
【0098】以上のように、本実施形態では、温度調整
手段4は、加熱手段43と冷却手段44とを有している
が、本発明では、冷却手段44は、省略されていてもよ
い。この場合、温度調整手段4は、加熱手段43により
ゲル100を加熱した後、加熱手段43によるゲル10
0の加熱を停止して、ゲル100を放冷(自然冷却)す
ることにより、ゲル100中で、DNAを変性させた
後、再会合させることができる。
【0099】なお、本実施形態のように、冷却手段44
によりゲル100を強制的に冷却する場合には、ゲル1
00を放冷(自然冷却)する場合に比べて、変性後のD
NAをより迅速かつ効率よく(精度よく)再会合させる
ことができるという利点がある。
【0100】以上述べた通電手段3および温度調整手段
4は、それぞれ、コンピューター51で構成された制御
手段5により、制御される。コンピューター51には、
通電手段3の泳動用電源部31と、温度調整手段4の温
度コントローラー41(ドライバー432、ドライバー
444、A/Dコンバーター452)とが、それぞれ、
信号線を介して接続されている。
【0101】コンピューター51は、泳動用電源部31
を制御して、各電極32aと電極32bとの間に電圧を
印加することにより、ゲル100に通電し、また、泳動
用電源部31を制御して、各電極32aと電極32bと
の極性を反転することができる。
【0102】一方、コンピューター51は、ドライバー
432およびドライバー444を介して、面ヒーター4
31およびファン443を制御することができる。ま
た、コンピューター51は、A/Dコンバーター452
を介して、温度センサー451から、ゲル100の温度
情報を、取得することができる。
【0103】以下、図5を参照しつつ、電気泳動装置1
の使用方法(作用)について、IGCR法を実施する場
合を一例に説明する。
【0104】[1] まず、IGCR法を行う作業者
(電気泳動装置1の使用者)は、ゲル100が充填(収
納)された管体20を、図2に示すように、各上部バッ
ファー槽21と下部バッファー槽22との間に設置し
て、図示しない電源スイッチをオンする。これにより、
電気泳動装置1を使用可能な状態(作動状態)として、
電気泳動装置1の準備を完了する。
【0105】また、作業者は、DNA(核酸)を含むサ
ンプル(検体)を用意する。このサンプルは、検査対象
となる細胞由来のDNAと正常細胞由来のDNA(例え
ば制限酵素処理されたもの)とを、例えば1:50程度
の比で含んでいる。このときのDNAの濃度は、電気泳
動を行うサンプル量によっても若干異なるが、0.1〜
100μM程度とするのが好ましい。なお、正常細胞由
来のDNAには、ビオチン化が施されている。
【0106】[2] 次に、作業者は、コンピューター
51を操作して、後述する各工程[4]〜[9]におけ
る諸条件(各種設定条件)を入力する。
【0107】[3] 次に、作業者は、前記工程[1]
で用意したサンプルを各管体20の上端部内側(ゲル1
00の上面)に充填(アプライ)する。
【0108】[4] 次に、作業者が開始ボタン(図示
せず)を押圧操作すると、コンピューター51は、通電
手段3の泳動用電源部31を駆動する(図5のステップ
S101)。
【0109】泳動用電源部31は、コンピューター51
からの信号に基づいて、各電極32aが陰極(負極)、
電極32bが陽極(正極)となるように、各電極32a
と電極32bとの間に所定電圧(定電圧)を印加して、
ゲル100へ通電する。
【0110】この所定電圧は、ゲルの組成等により適宜
設定され、特に限定されないが、25〜100V程度と
するのが好ましい。
【0111】これにより、サンプルをゲル100中で下
方(下端)に向かって電気泳動(移動)させ、DNAを
それらの鎖長の差(分子量の差)により、ゲル100中
で分離させる。このとき、これらの分離されたDNA
(DNA断片)は、それぞれ、ゲル100中でバンド
(泳動バンド)を形成する。
【0112】なお、泳動用電源部31は、各電極32a
と電極32bとの間を定電圧に維持(保持)するのに代
わり、ゲル100に所定電流(定電流)を流すように制
御(設定)されていてもよい。
【0113】この場合、この所定電流は、特に限定され
ないが、1〜10mA程度とするのが好ましい。
【0114】[5] 次に、所定時間が経過すると、コ
ンピューター51は、通電手段3の泳動用電源部31の
駆動を停止する(図5のステップS102)。
【0115】泳動用電源部31は、各電極32aと電極
32bとの間への電圧の印加を停止して、ゲル100へ
の通電を停止する。これにより、DNAのゲル100中
での電気泳動を停止させる。
【0116】なお、この所定時間は、ゲルの組成等によ
り適宜設定され、特に限定されないが、0.5〜2時間
程度とするのが好ましい。
【0117】[6] 次に、コンピューター51は、温
度調整手段4の温度コントローラー41を駆動する(図
5のステップS103)。
【0118】まず、ドライバー432は、コンピュータ
ー51からの信号に基づいて、面ヒーター431を駆動
し、発熱させる。面ヒーター431で発生した熱は、伝
熱ブロック42および管体20を介して、ゲル100に
伝達され、ゲル100を加熱する。
【0119】これにより、ゲル100中で分離後のDN
Aを変性させ、一本鎖のDNAを生成させる。
【0120】その後、ゲル100の温度が所定温度(設
定温度)に近づいたら、ドライバー432は、コンピュ
ーター51からの信号に基づいて、面ヒーター431の
出力を弱める。
【0121】さらに、ゲル100の温度が所定温度に到
達したら、ドライバー432は、コンピューター51か
らの信号に基づいて、面ヒーター431の駆動を停止す
る。
【0122】なお、この所定温度(最高温度)は、特に
限定されないが、60〜90℃程度とするのが好まし
い。また、ゲル100の温度を、前記の温度範囲に保持
する時間は、特に限定されないが、30秒〜30分程度
とするのが好ましい。これにより、分離後のDNAを効
率よく(精度よく)変性させることができる。
【0123】次いで、ドライバー444は、コンピュー
ター51からの信号に基づいて、ファン443を駆動
し、ヒートシンク442による放熱を促進させる。ゲル
100の熱は、管体20および面ヒーター431を介し
て、ヒートシンク442に伝達される。
【0124】そして、この熱は、放熱部446から、発
散される。このとき、ファン443が回転していると、
羽根448から放熱部446に風が送られてくる。この
風により、放熱部446では、放熱が促進され、ゲル1
00からヒートシンク442への熱移動も促進される。
【0125】これにより、ゲル100の温度を徐々に低
下させ、このゲル100の温度低下に伴って、変性後の
DNA(一本鎖のDNA)を再会合(ハイブリダイズ)
させる。
【0126】その後、ゲル100の温度が所定温度に近
づいたら、ドライバー444は、コンピューター51か
らの信号に基づいて、ファン443の駆動を停止する。
【0127】[7] 次に、コンピューター51は、ゲ
ル100の温度が所定温度に達したら、温度調整手段4
の温度コントローラー41の駆動を停止する(図5のス
テップS104)。
【0128】なお、所定温度(最低温度)は、特に限定
されないが、40℃以下とするのが好ましく、10〜4
0℃程度とするのがより好ましい。これにより、変性後
のDNAを効率よく(精度よく)再会合させることがで
きる。
【0129】[8] 次に、コンピューター51は、通
電手段3の泳動用電源部31を駆動する(図5のステッ
プS105)。
【0130】泳動用電源部31は、コンピューター51
からの信号に基づいて、電極32bが陰極(負極)、各
電極32aが陽極(正極)となるように(極性を反転さ
せて)、各電極32aと電極32bとの間に所定電圧
(定電圧)を印加して、ゲル100へ通電する。
【0131】すなわち、泳動用電源部31は、前記工程
[4]における電気泳動の方向と逆方向に、ゲル100
へ通電する。
【0132】この所定電圧は、特に限定されないが、2
5〜100V程度とするのが好ましい。
【0133】これにより、再会合後のDNAを、ゲル1
00中で上方(上端)に向かって電気泳動させ、それぞ
れ、各ゲル100中から各上部バッファー槽21のバッ
ファー液中に放出させる。
【0134】各電極32aと電極32bとの間への電圧
の印加を継続すると、各ゲル100から離脱した再会合
後のDNAは、それぞれ、各上部バッファー槽21内の
バッファー液中を、各電極32aに向かって移動する
(引き寄せられる)。すなわち、再会合後のDNAは、
第2の空間210bから、凹部214および連通孔21
5を介して、第1の空間210aへ移動しようとする。
【0135】このとき、凹部214内には、核酸吸着剤
Rが収納(設置)されているので、再会合後のDNA
は、凹部214を通過する際に、核酸吸着剤Rに順次吸
着される。
【0136】このように、核酸吸着剤Rを、ゲル100
と電極32aとの間で、かつ、ゲル100から離脱した
再会合後のDNAが電極32aに移動する移動路(凹部
214および連通孔215)の途中に設けることによ
り、より確実に再会合後のDNAを核酸吸着剤Rに吸着
させることができる。
【0137】なお、泳動用電源部31は、各電極32a
と電極32bとの間を定電圧に維持(保持)するのに代
わり、ゲル100に所定電流(定電流)を流すように制
御(設定)されていてもよい。
【0138】この場合、この所定電流は、特に限定され
ないが、1〜10mA程度とするのが好ましい。
【0139】[9] 次に、所定時間が経過すると、コ
ンピューター51は、通電手段3の泳動用電源部31の
駆動を停止する(図5のステップS106)。
【0140】泳動用電源部31は、各電極32aと電極
32bとの間への電圧の印加を停止して、ゲル100へ
の通電を停止する。
【0141】なお、この所定時間は、ゲルの組成等によ
り適宜設定され、特に限定されないが、0.5〜2時間
程度とするのが好ましい。
【0142】[10] 次に、作業者は、各上部バッフ
ァー槽21の核酸吸着剤Rを、それぞれ、別に用意した
容器(図示せず)に回収して、再会合後のDNAを抽出
する操作を行う。
【0143】これは、核酸吸着剤Rと、高い塩濃度(例
えば、0.01〜10mol/L程度)のバッファー液
とを接触させることにより行うことができる。これによ
り、再会合後のDNAは、核酸吸着剤Rから遊離(離
脱)して、バッファー液中に移行する。
【0144】なお、このバッファー液としては、前述し
たようなバッファー液と同様の組成のものを用いること
ができる。
【0145】このように、核酸吸着剤Rを用いて、再会
合後のDNAの回収を行うことにより、この回収操作を
より迅速に行うことができ、IGCR法における作業の
時間の短縮に有利である。また、ゲル100から離脱し
た再会合後のDNAを、無駄なく回収することもでき
る。
【0146】さらに、作業者は、再会合後のDNAを含
むバッファー液をアビジンと接触させ、アビジンに吸着
されず取り出された再会合後のDNAをPCR法に供す
る。
【0147】ここで、まとめると、本実施形態では、通
電手段3によりゲル100へ通電を行い、サンプルをゲ
ル100中で電気泳動させることにより、DNAをゲル
100中で分離させ、次いで、加熱手段43によりゲル
100を加熱した後、冷却手段44によりゲル100を
強制的に冷却することにより、分離後のDNAをゲル1
00中で変性させた後、再会合させ、その後、通電手段
3により極性を反転させてゲル100へ通電を行い、再
会合後のDNAをゲル100中で前記電気泳動の方向と
逆方向に電気泳動させ、ゲル100から離脱した再会合
後のDNAを核酸吸着剤Rに吸着させて回収するよう構
成(制御)されている。
【0148】すなわち、本実施形態では、通電手段3が
温度調整手段4によりゲル100の温度を調節する前後
において、その極性を反転させるように構成(制御)さ
れている。
【0149】このように、再会合後のDNAを電気泳動
により強制的にゲル100中から放出させるように構成
することにより、別途、ゲル100から再会合後のDN
Aを抽出する操作を省略することができ、再会合後のD
NAをより迅速かつ確実にゲル100中から回収するこ
とができる。
【0150】また、再会合後のDNAを電気泳動させる
方向は、DNAを分離させる際の電気泳動の方向と同一
方向としてもよいが、再会合後のDNAを電気泳動させ
る方向を、DNAを分離させる際の電気泳動の方向と逆
方向とすることにより、泳動速度の遅い(移動度の小さ
い)DNAのゲル100中での泳動距離を短くすること
ができるので、再会合後のDNAをさらに迅速にゲル1
00中から放出させることができる。
【0151】また、本実施形態では、再会合後のDNA
を電気泳動させる方向を、DNAを分離させる際の電気
泳動の方向と逆方向とすることにより、ゲル100への
サンプルのアプライと、ゲル100中からの再会合後の
DNAの放出(回収)とを同じ側(すなわち、上部バッ
ファー槽21のバッファー液中)とし、かつ、上部バッ
ファー槽21をゲル100に対応するように独立して複
数設けたので、複数の異なる種類の(異なる被験者から
の)サンプルを同時に処理することができるという利点
がある。
【0152】なお、同一の種類の(同一の被験者から
の)サンプルを処理する場合には、上部バッファー槽2
1は、1つの共通のものであってもよい。この場合、多
量のサンプルを処理することができるという利点があ
る。
【0153】また、同一の種類のサンプルを処理する場
合、再会合後のDNAを電気泳動させる方向を、DNA
を分離させる際の電気泳動の方向と同一方向として、再
会合後のDNAをゲル100中から下部バッファー槽2
2のバッファー液中に放出させるようにしてもよい。こ
の場合、核酸吸着剤Rは、下部バッファー槽22内にお
いて、各ゲル(泳動媒体)100と電極32bとの間に
位置するように設置すすればよい。
【0154】このような電気泳動装置1は、コンピュー
ター51(制御手段5)の制御により、ゲル100中で
のDNAの分離、ゲル100中での分離後のDNAの変
性および再会合、および、再会合後のDNAのゲル10
0中からの回収を行うことができるため、IGCR法に
おける作業の手間と時間とを軽減することができ、IG
CR法の実施の自動化に貢献する。
【0155】また、このような電気泳動装置1は、ゲル
100中でDNAを分離させる工程(前記工程[4]お
よび[5])、ゲル100中で分離後のDNAを変性お
よび再会合させる工程(前記工程[6]および
[7])、および、再会合後のDNAをゲル100中か
ら回収する工程(前記工程[8]および[9])におけ
る諸条件(各種設定条件)が、コンピューター51(制
御手段5)により好適に制御されているので、前記の各
工程における時間短縮および精度の向上を図ることがで
きる。
【0156】以上、本発明の電気泳動装置を図示の実施
形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定され
るものではなく、例えば、各部の構成は、同様の機能を
発揮し得る任意の構成のものに置換することができる。
【0157】泳動媒体は、例えば、親水性ポリマー、バ
ッファー液(緩衝液)を含浸させた吸水性材料等で構成
することもできる。
【0158】また、泳動媒体は、図示の構成では、3つ
設置されていたが、これに限定されず、泳動媒体の設置
数としては、例えば、1つ、2つ、または4つ以上であ
ってもよい。
【0159】また、泳動媒体の全体形状としては、円柱
状(棒状)のものに限定されず、例えば、平板状のもの
等であってもよい。
【0160】また、温度調整手段が有する冷却手段に
は、例えば、ペルチェ素子等を用いてもよい。
【0161】なお、以上述べた説明では、DNAを核酸
の代表として説明したが、本発明では、例えば、RN
A、合成オリゴヌクレオチド等、DNA以外の核酸を用
いることもできる。
【0162】また、本発明の電気泳動装置は、IGCR
法を実施する場合のみでなく、各種遺伝子解析等を実施
する場合に使用することができることは、言うまでもな
い。
【0163】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の電気泳動装
置によれば、例えばIGCR法における作業の手間と時
間とを軽減することができ、特に、その実施の自動化に
貢献する。
【0164】また、温度調整手段により泳動媒体の温度
を調整する前後において、通電手段がその極性を反転さ
せるよう構成することにより、核酸の回収に要する時間
を短縮することができる。
【0165】また、泳動媒体を複数設置した場合には、
一度に処理することができる検体の数や量を増大させる
ことができる。
【0166】このようなことから、本発明の電気泳動装
置を用いることにより、例えばガン遺伝子等の探索を、
より迅速かつ効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気泳動装置の実施形態を示す模式図
である。
【図2】図1に示す電気泳動装置が備える電気泳動部付
近の構成を示す部分縦断面図である。
【図3】図1に示す電気泳動装置が備える上部バッファ
ー槽の構成を示す斜視図である。
【図4】図1に示す電気泳動装置が備える温度調整手段
の構成を示す側面図である。
【図5】図1に示す電気泳動装置の動作手順を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 電気泳動装置 2 電気泳動部 200 装置本体 20 管体 21 上部バッファー槽 210 隔壁 210a 第1の空間 210b 第2の空間 211 底部 212 装着孔 213 保持部材 213a 装着部 214 凹部 215 連通孔 216 脚部 22 下部バッファー槽 221 導入口 222 挿通孔 23 基台 3 通電手段 31 泳動用電源部 32a、32b 電極 4 温度調整手段 41 温度コントローラー 42 伝熱ブロック 421 挿通孔 43 加熱手段 431 面ヒーター 432 ドライバー 44 冷却手段 441 冷却器 442 ヒートシンク 443 ファン 444 ドライバー 446 放熱部 447 モーター 448 羽根 45 温度感知手段 451 温度センサー 452 A/Dコンバーター 5 制御手段 51 コンピューター 100 ゲル S101〜S106 ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 33/50 P 33/50 27/26 315E 315D 315Z Fターム(参考) 2G045 DA12 DA13 DA14 FB05 4B029 AA07 AA12 AA23 BB15 BB20 CC10 FA01 FA12 4D054 FA08 FB01 FB11 FB15 FB20

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸を含む検体を電気泳動させる泳動媒
    体と、 前記泳動媒体へ通電し、かつ、その極性を反転すること
    ができる通電手段と、 前記泳動媒体の温度を調整する温度調整手段と、 前記泳動媒体から離脱した前記核酸を吸着可能な核酸吸
    着剤とを備えることを特徴とする電気泳動装置。
  2. 【請求項2】 前記核酸吸着剤は、前記泳動媒体と前記
    通電手段が備える電極との間に設けられている請求項1
    に記載の電気泳動装置。
  3. 【請求項3】 バッファー液をそれぞれ貯留する第1の
    バッファー槽と第2のバッファー槽とを有する装置本体
    を備え、 前記泳動媒体は、その一端が前記第1のバッファー槽に
    貯留されたバッファー液に接触し、その他端が前記第2
    のバッファー槽に貯留されたバッファー液に接触するよ
    う配置されている請求項1または2に記載の電気泳動装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1のバッファー槽は、前記バッフ
    ァー液を貯留する貯留空間を、第1の空間と、前記泳動
    媒体の一端が位置する第2の空間とに画成する隔壁を有
    し、 前記核酸吸着剤は、前記隔壁に設置されている請求項3
    に記載の電気泳動装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の空間に、前記通電手段が備え
    る電極が設置されている請求項4に記載の電気泳動装
    置。
  6. 【請求項6】 前記隔壁には、前記第2の空間に連通
    し、前記核酸吸着剤を設置する凹部と、該凹部と前記第
    1の空間とを連通する連通孔とが形成されている請求項
    4または5に記載の電気泳動装置。
  7. 【請求項7】 前記連通孔は、前記第2の空間側より前
    記第1の空間側が高くなるよう傾斜して形成されている
    請求項6に記載の電気泳動装置。
  8. 【請求項8】 前記連通孔の前記第1のバッファー槽の
    底部とのなす角度は、45〜80°である請求項7に記
    載の電気泳動装置。
  9. 【請求項9】 前記核酸吸着剤は、顆粒状をなしている
    請求項1ないし8のいずれかに記載の電気泳動装置。
  10. 【請求項10】 前記顆粒状の核酸吸着剤の平均粒径
    は、20〜200μmである請求項9に記載の電気泳動
    装置。
  11. 【請求項11】 前記核酸吸着剤は、イオン交換樹脂を
    含む材料で構成されている請求項1ないし10のいずれ
    かに記載の電気泳動装置。
  12. 【請求項12】 前記通電手段は、前記温度調整手段に
    より前記泳動媒体の温度を調節する前後において、その
    極性を反転させるよう構成されている請求項1ないし1
    1のいずれかに記載の電気泳動装置。
  13. 【請求項13】 前記温度調整手段は、前記泳動媒体の
    周囲に設けられ、前記泳動媒体に対して熱伝達を行う伝
    熱部を有する請求項1ないし12のいずれかに記載の電
    気泳動装置。
  14. 【請求項14】 前記泳動媒体の長手方向の全長をLと
    したとき、前記伝熱部は、前記泳動媒体を、その長手方
    向の中央から両端に向って、それぞれ、0.45Lの範
    囲を覆うよう構成されている請求項13に記載の電気泳
    動装置。
  15. 【請求項15】 前記温度調整手段は、少なくとも前記
    泳動媒体を加熱する加熱手段を有する請求項1ないし1
    4のいずれかに記載の電気泳動装置。
  16. 【請求項16】 前記温度調整手段は、前記泳動媒体を
    加熱する加熱手段と、前記泳動媒体を冷却する冷却手段
    とを有する請求項1ないし15のいずれかに記載の電気
    泳動装置。
  17. 【請求項17】 前記通電手段により前記泳動媒体へ通
    電を行い、前記検体を前記泳動媒体中で電気泳動させる
    ことにより、前記核酸を前記泳動媒体中で分離させ、 次いで、前記加熱手段により前記泳動媒体を加熱した
    後、前記泳動媒体を冷却することにより、分離後の核酸
    を前記泳動媒体中で変性させた後、再会合させ、 その後、前記通電手段により極性を反転させて前記泳動
    媒体へ通電を行い、再会合後の核酸を前記泳動媒体中で
    前記電気泳動の方向と逆方向に電気泳動させ、前記泳動
    媒体から離脱した前記再会合後の核酸を、前記核酸吸着
    剤に吸着させて回収するよう構成されている請求項15
    または16に記載の電気泳動装置。
  18. 【請求項18】 前記通電手段により前記泳動媒体へ通
    電を行い、前記検体を前記泳動媒体中で電気泳動させる
    ことにより、前記核酸を前記泳動媒体中で分離させ、 次いで、前記加熱手段により前記泳動媒体を加熱した
    後、前記冷却手段により前記泳動媒体を強制的に冷却す
    ることにより、分離後の核酸を前記泳動媒体中で変性さ
    せた後、再会合させ、 その後、前記通電手段により極性を反転させて前記泳動
    媒体へ通電を行い、再会合後の核酸を前記泳動媒体中で
    前記電気泳動の方向と逆方向に電気泳動させ、前記泳動
    媒体から離脱した前記再会合後の核酸を、前記核酸吸着
    剤に吸着させて回収するよう構成されている請求項16
    に記載の電気泳動装置。
  19. 【請求項19】 前記泳動媒体は、複数併設されている
    請求項1ないし18のいずれかに記載の電気泳動装置。
  20. 【請求項20】 前記泳動媒体は、複数併設され、前記
    第1のバッファー槽は、各前記泳動媒体に対応して複数
    設けられている請求項3ないし19のいずれかに記載の
    電気泳動装置。
  21. 【請求項21】 前記泳動媒体は、中空部材に収納され
    ている請求項1ないし20のいずれかに記載の電気泳動
    装置。
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