JP2003214849A - 防災監視システム - Google Patents

防災監視システム

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JP2003214849A
JP2003214849A JP2002008891A JP2002008891A JP2003214849A JP 2003214849 A JP2003214849 A JP 2003214849A JP 2002008891 A JP2002008891 A JP 2002008891A JP 2002008891 A JP2002008891 A JP 2002008891A JP 2003214849 A JP2003214849 A JP 2003214849A
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朗 武石
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国加 武智
Tomoharu Iwasaki
智治 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜面の状態をリアルタイムで監視して得られ
た時系列計測データに基づいて斜面防災情報を得て斜面
の状態を容易に評価する。 【解決手段】 斜面監視装置11−1〜11−Nはそれ
ぞれ異なる斜面に配置されており、GPS衛星からの電
波を受けて斜面の変位をリアルタイムに計測して時系列
計測データを得る。これら時系列計測データは通信回線
を介して監視センター12に送られ、監視センターで
は、時系列計測データを時系列解析モデルを用いたフィ
ルタ処理・平滑化処理を行って処理済み変位データとす
る。さらに、監視センターでは、処理済み変位データか
ら斜面に変位が生じたと判定すると、処理済み変位デー
タに基づいて有限要素法を用いて斜面の安定性を評価し
て、安定性評価結果を生成する。この際、例えば、斜面
の地形地質情報、斜面に関する対策情報、及び斜面の災
害履歴情報を勘案して、斜面に変位が生じたと判定した
時点における気象情報に応じて、処理済み変位データに
基づいて安定評価結果を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、法面等の斜面の状
態をリアルタイムで監視して得られた時系列計測データ
に応じて防災情報を得るための防災監視システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、法面等の斜面、特に、不安定要
素がある大規模な法面では崩落の危険が常に付きまとう
関係上、斜面を適切に維持管理する必要があり、斜面の
維持管理においては、各種の保護工及び対策工が施され
ている。しかしながら、斜面を維持管理する際におい
て、地山の風化、植生の遷移、及び保護工や対策工の老
朽化等の要因がどのように斜面崩落にかかわっているか
未だに不明な点が多い。このため、斜面の状態を常に監
視して、事前に斜面崩落を予測することが行われてい
る。
【0003】このような斜面崩落の兆候を監視するシス
テムとして、例えば、特平開10−11677号公報に
記載された防災監視システムが知られている(以下単に
従来例と呼ぶ)。
【0004】従来例では、光ファイバーで防災ネットを
編成して、法面等の崩落現場にこの防災ネットを張設し
ている。そして、光ファイバーが引っ張り・曲げ・圧縮
等のストレスを受けると、その透過光量が減少するの
で、この透過光量の減少を監視して、透過光量が予め規
定された閾値以下となると、警報灯又はブザー等の警報
素子を駆動して崩落の危険を通知するようにしている。
【0005】このように、従来例では、法面に崩落の危
険があるか否かをリアルタイムに監視しているものの、
単に、法面に崩落の危険があるか否かの判別をリアルタ
イムに行っているだけであって、法面等の斜面の状態を
リアルタイムに計測して監視情報を得ることができな
い。つまり、従来例では、時系列的に斜面の状態を監視
することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、斜面の状態
をリアルタイムで計測して、その時系列計測データから
斜面の状態を知ろうとしても、時系列計測データ自体の
評価が極めて難しく、しかも天候等の外的要因によって
時系列データがばらつくことを考慮すると、専門的な知
識を有しなければ、時系列データを適切に評価すること
は困難であった。
【0007】例えば、従来のリアルタイム監視システム
では、斜面に設置された各種センサーから得られた計測
データを、斜面現場に近接して配置された監視装置本体
(監視コンピュータ)に有線又は無線によって送り、監
視コンピュータで計測データを集計して時系列計測デー
タとして表示している。このため、時系列計測データ自
体の評価が極めて難しく、しかも天候等の外的要因によ
って時系列データがばらつくことを考慮すると、専門的
な知識を有しなければ、時系列データを適切に評価する
ことは困難であった。
【0008】さらに、従来のリアルタイム監視システム
は、所謂スタンドアロン方式であり、斜面現場毎にリア
ルタイム監視システムを配置しなければならず、このた
め、監視システム自体が高価となるばかりでなく、斜面
現場毎にバージョンアップ等の方策を講じないと、斜面
の状態を適切に監視できないという課題もあった。
【0009】本発明の目的は、斜面の状態をリアルタイ
ムで監視して得られた時系列計測データに基づいて斜面
防災情報を得て斜面の状態を容易に評価することのでき
る防災監視システムを提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、複数の斜面現場毎に
防災情報を得て斜面現場毎に斜面の状態を評価すること
のできる防災監視システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、斜面の
状態を監視して前記斜面に関する防災情報を得るための
防災監視システムであって、GPS衛星からの電波を受
けて前記斜面の変位をリアルタイムに計測して時系列計
測データを得るGPS計測手段と、前記時系列データを
受け、前記時系列データを、時系列解析モデルを用いた
フィルタ処理・平滑化処理して処理済み変位データを生
成する監視センターとを有することを特徴とする防災監
視システムが得られる。
【0012】このようにして、GPS衛星からの電波を
受けて斜面の変位をリアルタイムに計測して時系列計測
データを得て、この時系列データを、時系列解析モデル
を用いたフィルタ処理・平滑化処理を行って処理済み変
位データとすれば、斜面の真の変位を容易に把握でき、
その結果、斜面の状態を容易に評価することができる。
【0013】例えば、前記GPS計測手段は斜面毎に配
置されており、前記監視センターは通信回線を介して前
記斜面毎に前記時系列計測データを受け前記斜面毎に前
記処理済み変位データを生成する。
【0014】このようにして、斜面毎に時系列計測デー
タを得て、監視センターで各斜面毎に時系列計測データ
を収集し、斜面毎に処理済み変位データを生成するよう
にしたから、複数の斜面現場毎に防災情報を得て斜面現
場毎に斜面の状態を評価することができる。
【0015】また、前記監視センターは前記処理済み変
位データから前記斜面に変位が生じたと判定すると、該
処理済み変位データに基づいて有限要素法を用いて前記
斜面の安定性を評価して、安定性評価結果を生成する。
【0016】このようにすれば、斜面の安全性を容易に
把握することができることになり、斜面の崩落を的確に
予測することができる。
【0017】例えば、前記安定性評価結果を生成する
際、前記監視センターは、少なくとも当該斜面の地形地
質を示す地形地質情報、当該斜面に対する対策工に関す
る対策情報、及び当該斜面に関する災害履歴を示す災害
履歴情報を勘案して当該斜面に変位が生じたと判定した
時点における気象情報に応じて前記処理済み変位データ
に基づいて前記安定評価結果を生成する。
【0018】このように、安定性評価を行う際、斜面の
地形地質情報、斜面に関する対策情報、及び斜面の災害
履歴情報を勘案して、斜面に変位が生じたと判定した時
点における気象情報に応じて、処理済み変位データに基
づいて安定評価を行うようにすれば、時系列的に的確に
安全性を評価することができる。
【0019】さらに、前記安定性評価結果から対策が必
要であると判定すると、前記監視センターでは当該斜面
の状況に応じた安全対策を提案する。このように、安定
性評価から対策が必要であると判定すると、斜面の状況
に応じた安全対策を提案するようにしたから、時機に応
じた安全対策を提案できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明
の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。
【0021】図1を参照して、まず、図示の防災監視シ
ステムは、複数の斜面監視装置11−1〜11−N(N
は2以上の整数)を備えており、これら斜面監視装置1
1−1〜11−Nは監視センター12に、光ケーブル通
信回線等の有線通信回線13を介して接続されている。
斜面監視装置11−1〜11−Nは互いに異なる斜面に
配置され、それぞれ斜面の状態をリアルタイムで監視計
測して時系列計測データを監視センター12に送る。こ
こでは、斜面監視装置11−1〜11−Nが送出する時
系列計測データを、それぞれ第1〜第Nの時系列計測デ
ータと呼ぶことにする。
【0022】監視センター12にはコンピュータシステ
ム12aが備えられており、後述するようにして、監視
センター12では、コンピュータシステム12aによっ
て、各斜面監視装置11−1〜11−Nから得られた第
1〜第Nの時系列計測データに応じて斜面毎に防災情報
を生成する。なお、監視センター12は、斜面監視シス
テム11−1〜11−Nから離れた地点に配置されてお
り、遠隔的に時系列計測データを収集する。このコンピ
ュータシステム12aは、インターネット14に接続さ
れており、インターネット14を介してユーザ端末装置
(例えば、パソコン又は携帯電話機)15−1〜15−
M(Mは2以上の整数)に防災情報を配信する。つま
り、コンピュータシステム12aは、第1〜第Nの時系
列計測データを解析して防災情報を生成するとともに防
災情報を配信する防災情報配信サーバとして機能する。
【0023】斜面監視装置(GPS計測手段)11−n
(nは1からNまでのいずれかの数)は、少なくとも3
つのGPS(Global Positioning
System)受信機(計測装置)11a〜11cを有
しており、この内の一つ、例えば、GPS受信機11a
は基準点受信機として、斜面以外の地点に配置されてい
る。つまり、基準点受信機11aは斜面の基線から離れ
て安定した地面に配置されている。
【0024】一方、他のGPS受信機11b及び11c
は斜面上に配置されている。そして、GPS受信機11
a〜11cはGPS衛星からの電波(GPS電波)を受
信してリアルタイムにその位置情報(GPSデータ)を
時系列計測データとして出力する。これらGPS受信機
11a〜11cは、通信装置として用いられる通信集約
機11d又は無線集約機11eに接続されており、通信
集約機11dは有線通信回線13に接続されている。そ
して、通信集約機11dは各時系列計測データを有線通
信回線13を介して監視センター12に送る。一方、無
線集約機11eは各時系列計測データを、無線回線を介
して無線中継機16に送る。図1には無線中継機16が
一つ示されているが、実際には複数の無線中継機16が
配置されており、無線中継機16毎に通信エリアが規定
され、無線中継機16は自己の通信エリア内に位置する
無線集約機11dから時系列計測データを受けることに
なる。無線中継機16は前述の有線通信回線13に接続
されており、無線中継機16から監視センター12に斜
面毎の時系列データが送られることになる。なお、各時
系列データには斜面を識別するための情報(斜面識別情
報)が付加されている。
【0025】このようにして得られた時系列計測データ
(GPSデータ)は各GPS受信機の位置情報を、時間
をおって3次元的に表しており、前述のように、基準点
受信機11aの位置は安定しているから、変化しないも
のとみなすことができ、いま、基準点受信機11aの位
置情報を基準点位置情報とすると、この基準点位置情報
と他のGPS受信機から得られた位置情報とに基づいて
斜面の変位を時系列的にしかも3次元的に得ることがで
きる。
【0026】ここで、図2及び図3を参照して、監視セ
ンター12では、前述のようにして得られた時系列計測
データに基づいて、斜面の変位データ(斜面変位デー
タ)を得る。いま、GPS受信機11a〜11cによっ
て予め定められた時間間隔でその位置計測を行っている
ものとすると、予め定められた時間間隔毎に斜面変位デ
ータが得られ、この斜面変位データは横軸を時間、縦軸
を変位として示されることになる。斜面変位データは、
例えば、南北方向、東西方向、及び鉛直方向の変位点列
として表される(図3(a)は南北方向、図3(b)は
東西方向、そして、図3(c)は鉛直方向の変位であ
る)。
【0027】ところで、上述の斜面変位データは、各種
外的要因(例えば、GPS衛星の状態、電離層及び対流
圏の影響、マルチパス、及び基線長さ)によってバラツ
キ(帯状にばらつく)を含んでおり、このような斜面変
位データから斜面の状態を正確に把握・評価することは
難しい。そこで、監視センター12(つまり、コンピュ
ータシステム12a)では、斜面変位データに対してフ
ィルタ処理及び平滑化処理を行って、図3(a)〜
(c)に実線で示す処理済み変位データを生成する。
【0028】ここで、フィルタ処理及び平滑化処理につ
いて説明すると、ここでは、カルマンフィルタのアルゴ
リズムによって、状態ベクトルxを推定する方法で、
システムノイズの分散τ及び観測ノイズの分散σ
そして、次数kを推定して、xを離散的に求めて、対
数尤度及びAIC(赤池情報量)を用いて最適なx
推定する。
【0029】つまり、状態空間モデルを、x=F
n−1+Gν,y=Hxn+wとする。ここ
で、x:直接観測できない状態ベクトル(確率システ
ムモデル)、ν:システムノイズ(平均0,分散共分
散行列Q)、y:観測データ(観測モデル)、
:観測ノイズ(平均0,分散共分散行列R)であ
り、F,G,Hはそれぞれガウス・マルコフ過程
で定義された推移行列である。そして、この状態空間モ
デルを、確率差分方程式とする。H=tとする
と、y=t+w(観測モデル),Δ=ν
(k=1の場合、Δt=t−tn−1=ν,Δ
はk階の差分方程式)となる。
【0030】そして、カルマンフィルタによって、一期
先予測(第1のステップ)、フィルタ(第2のステッ
プ)、平滑化(第3のステップ)を一連の流れとして計
算して、観測値y={y,y,…,y)が与え
られた下の状態x={x,x,…,x}を求め
る。
【0031】このようにして、フィルタ処理及び平滑化
処理を行うと、前述したように、図3(a)〜(c)に
実線で示す処理済み変位データが生成される。そして、
この処理済み変位データは前述の変位データとともに記
憶装置(例えば、データベース(図示せず))に格納さ
れる。
【0032】このようにして、処理済み変位データを得
た後、処理済み変位データが斜面の変位を示している
と、つまり、斜面変位ありと判定すると、監視センター
12は、当該斜面の診断・予知を実行する。つまり、監
視センター12では、処理済み変位データが斜面の変位
を示していると、当該斜面について処理済み変位データ
から斜面変位の危険度を評価する。ところで、監視セン
ター12では、前述の計測データの他に、各斜面毎の地
形地質情報、対策情報、及び災害履歴情報がデータベー
スに蓄積されており、これら地形地質情報、対策情報、
及び災害履歴情報は、最新のデータに基づいて更新され
る。
【0033】さらに、監視センター12には各斜面毎に
当該地域の気象情報が気象機関等から配信されている。
そして、監視センター12では、これら地形地質情報、
気象情報、対策情報、災害履歴情報を勘案して各斜面毎
に処理済み変位データに応じた斜面変位の危険度を評価
する(診断・予測ルーチン)。
【0034】この斜面変位危険度の評価は、例えば、3
段階の評価で行われ、”通常変位”、”要注意”、及
び”要対策”に別れている。”通常変位”では、「計測
データには変位は現れていません。または変位があって
も誤差や通常の変動の範囲内です」と判定される。”要
注意”では、「斜面に変位が現れており、引き続き注意
が必要です」と判定される。そして、”要対策”では、
変位が大きくなっており、斜面に変状が発生していると
判断されます。点検・対策等、対応が必要です」と判定
される。
【0035】この診断・予知ルーチンに当たっては、処
理済み変位データを用いて斜面安定性評価が行われる。
ここでは、例えば、処理済み変位データを用いて、滑り
面の設定、初期応力解析、変位データの同定解析、そし
て、有限要素法を用いた滑り安全率の評価を行う。滑り
面の設定では、例えば、滑り面頂部の形跡が認められる
点から直近の計測点Aの変位ベクトルに平行な線を描い
て、隣接する計測点Bと計測点Aとを結ぶ線分の二等分
線との交点Pを求める。次いで交点Pから計測点Bの変
位ベクトルに平行な線を描いて、線分BC(Cは計測点
を表す)との交点Qを求める。このような操作を繰り返
して、脚部Dに到達して、滑り面を設定する(図4参
照)。
【0036】上述のようにして、滑り面を設定した後、
計測点と滑り面とを含む斜面の横断面モデルを生成し
て、滑り層の厚さを設定する。そして、有限要素法(F
EM)の要素分割を行い、このようなFEMモデルに対
して、地山のE(ヤング係数:一定値)とν(ポアソン
比:一定値)を用いた単体重量γを外力とする自重解
析を行って、初期応力を求める(初期応力解析)。
【0037】さらに、滑り層のみを異方非線形弾性体と
して、異方損傷パラメータmを用いて、計測変位(処理
済み変位データ)を最もよく再現するmを同定する。つ
まり、mを次第に低下させていくと、滑り層要素には、
剪断降伏が生じるから、降伏規準と歪み軟化則とに応じ
て超過応力を解放させる反復計算を実行する(計測変位
の同定解析)。同定の際には、次に示す評価関数が用い
られる。
【0038】{Σ(U −U }/{Σ(U
}→最小(min) ここで、U :計測変位,U :計算変位である。
【0039】続いて、有限要素法を用いて、斜面安定解
析を行い、滑り安全率の評価を行う。この際には、次に
示す式が用いられる。
【0040】F=(ΣS・L)/(Στ
)={Σ(c+σ・tanφ)L}/(Σ/
τ・L
【0041】ここで、σ:要素iの滑り面上の直応
力,τ:要素iの滑り面上の剪断応力,S:土要素の
剪断抵抗,S=c+τ・tanφ,L:滑り線長
である。
【0042】なお、斜面安定性評価に当たっては、現場
診断及び補足調査を行って、斜面安定性評価を行う。
【0043】上述の斜面安定性評価によって、監視セン
ター12では、対策が必要か否かを判定する。そして、
対策が必要でないと判定すると、当該斜面について常時
診断及び定期診断を行うことになる。一方、対策が必要
であると判定すると、対策提案を行う。この対策提案に
当たっては、補足調査を行いつつ、例えば、改善提案・
対策工設計を行う。そして、改善提案・対策工設計が受
け入れられると、対策工を実行して、対策工の効果判定
を行う。その後、通常の常時診断・定期診断を当該斜面
に対して行うことになる。
【0044】上述のようにして、GPS受信機を用いて
斜面の変位を時系列計測データとして収集して、時系列
計測データをフィルタ処理・平滑化処理によって処理済
み変位データとしているから、ノイズ等の誤差を除去し
て、時系列的に斜面の変位を正確に把握できることにな
る。
【0045】さらに、斜面の変位が認められると、処理
済み変位データを用いて斜面の安定性を評価して、対策
が必要であるか否かを判定するようにしたから、斜面の
安定性を事前に予測して必要な対策を適宜講じることが
できることになる。
【0046】上述のようにして得られた時系列計測デー
タ、処理済み変位データ、及び安定性評価情報は防災情
報としてインターネットを介して監視センター12から
各ユーザ端末装置に配信されることになる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、GP
S衛星からの電波を受けて斜面の変位をリアルタイムに
計測して時系列計測データを得て、この時系列データを
時系列解析モデルを用いたフィルタ処理・平滑化処理を
行って処理済み変位データとするようにしたから、斜面
の真の変位を容易に把握でき、その結果、斜面の状態を
容易に評価することができるという効果がある。
【0048】本発明では、斜面毎に時系列計測データを
得て、監視センターで各斜面毎に時系列計測データを収
集し、斜面毎に処理済み変位データを生成するようにし
たから、複数の斜面現場毎に防災情報を得て斜面現場毎
に斜面の状態を評価することのできるという効果があ
る。そして、複数の斜面についてその状態を評価するこ
とができるから、安価に防災情報を提供できることにな
る。
【0049】本発明では、処理済み変位データから斜面
に変位が生じたと判定すると、処理済み変位データに基
づいて有限要素法を用いて、斜面の安定性を評価して、
安定性評価結果を生成するようにしたから、当該斜面の
安全性を容易に把握することができるという効果があ
る。
【0050】本発明では、安定性評価を行う際、少なく
とも斜面の地形地質情報、斜面に関する対策情報、及び
斜面の災害履歴情報を勘案して、斜面に変位が生じたと
判定した時点における気象情報に応じて、処理済み変位
データに基づいて安定評価を行うようにしたから、時系
列的に的確に安全性を評価することができるという効果
がある。
【0051】本発明では、安定性評価から対策が必要で
あると判定すると、斜面の状況に応じた安全対策を提案
するようにしたから、時機に応じた安全対策を提案でき
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による防災監視システムの一例を示す
ブロック図である。
【図2】 図1に示す防災監視システムにおける処理を
説明するためのフロー図である。
【図3】 図1に示す防災監視システムにおいて計測さ
れた斜面変位データの一例を処理済み変位データととも
に示す図であり、(a)は南北方向の変位を示す図、
(b)は東西方向の変位を示す図、(c)は鉛直(垂
直)方向の変位を示す図である。
【図4】 斜面安定性評価を行う際の滑り面の設定を説
明するための図である。
【符号の説明】
11−1〜11−N 斜面監視装置 11a〜11c GPS受信機 11d 通信集約機 11e 無線集約機 12 監視センター 12a コンピュータシステム 13 有線通信回線 14 インターネット 15−1〜15−M ユーザ端末装置(パソコン又は携
帯電話機) 16 無線中継機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G08B 25/00 510 G08B 25/00 510D 25/08 25/08 E 25/10 25/10 D // G08C 15/00 G08C 15/00 D 23/04 23/00 A (72)発明者 岩崎 智治 東京都千代田区六番町2番地 国際航業株 式会社内 Fターム(参考) 2F073 AA19 AB01 BB06 BC04 CC01 FH01 GG01 GG04 GG08 GG09 2F076 BA17 BB09 BE03 BE17 5C086 AA14 AA60 CA24 CA25 CB27 DA08 DA14 EA41 EA45 FA18 5C087 AA02 AA03 AA19 BB12 BB18 BB73 BB74 DD02 EE07 EE15 EE18 FF01 FF04 FF17 FF19 FF20 FF23 GG09 GG11 GG14 GG19 GG23 GG30 GG32 GG66 GG67 GG70 GG71 GG83 5J062 AA01 AA07 BB08 CC07 DD23 EE01 FF01 HH05 HH09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜面の状態を監視して前記斜面に関する
    防災情報を得るための防災監視システムであって、GP
    S衛星からの電波を受けて前記斜面の変位をリアルタイ
    ムに計測して時系列計測データを得るGPS計測手段
    と、前記時系列データを受け、前記時系列データを、時
    系列解析モデルを用いたフィルタ処理・平滑化処理を行
    って処理済み変位データとする監視センターとを有する
    ことを特徴とする防災監視システム。
  2. 【請求項2】 前記GPS計測手段は斜面毎に配置され
    ており、前記監視センターは通信回線を介して前記斜面
    毎に前記時系列計測データを受け前記斜面毎に前記処理
    済み変位データを生成するようにしたことを特徴とする
    請求項1に記載の防災監視システム。
  3. 【請求項3】 前記監視センターは前記処理済み変位デ
    ータから前記斜面に変位が生じたと判定すると、該処理
    済み変位データに基づいて有限要素法を用いて前記斜面
    の安定性を評価して、安定性評価結果を生成するように
    したことを特徴とする請求項1又は2に記載の防災監視
    システム。
  4. 【請求項4】 前記安定性評価結果を生成する際、前記
    監視センターは、少なくとも当該斜面の地形地質を示す
    地形地質情報、当該斜面に対する対策工に関する対策情
    報、及び当該斜面に関する災害履歴を示す災害履歴情報
    を勘案して当該斜面に変位が生じたと判定した時点にお
    ける気象情報に応じて前記処理済み変位データに基づい
    て前記安定評価結果を生成するようにしたことを特徴と
    する請求項3に記載の防災監視システム。
  5. 【請求項5】 前記安定性評価結果から対策が必要であ
    ると判定すると、前記監視センターでは当該斜面の状況
    に応じた安全対策を提案するようにしたことを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の防災監視システム。
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