JP2003212977A - アリールアミン化合物と多環式アリール化合物との共重合体および共重合方法 - Google Patents

アリールアミン化合物と多環式アリール化合物との共重合体および共重合方法

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JP2003212977A
JP2003212977A JP2002009937A JP2002009937A JP2003212977A JP 2003212977 A JP2003212977 A JP 2003212977A JP 2002009937 A JP2002009937 A JP 2002009937A JP 2002009937 A JP2002009937 A JP 2002009937A JP 2003212977 A JP2003212977 A JP 2003212977A
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polycyclic aryl
copolymer
arylamine
chemical
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JP2002009937A
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Hisaya Sato
壽彌 佐藤
Ryoichi Yamaguchi
良一 山口
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YANAI KAGAKU KOGYO KK
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Tokyo University of Agriculture
Original Assignee
YANAI KAGAKU KOGYO KK
Tokyo University of Agriculture and Technology NUC
Tokyo University of Agriculture
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発光能が高く、能率が改善された有機EL素子
として用いて好適な高分子共重合体を提供する。 【解決手段】ポリフェニルアミン等のアリールアミン化
合物とアントラセン等の多環式アリール化合物化合物と
を酸化剤の存在下において共重合させて共重合体を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアリールアミン化合
物と多環式アリール化合物との共重合体および共重合方
法に係り、とくにアリールアミン化合物と多環式アリー
ル化合物とを酸化反応により重合するようにしたアリー
ルアミン化合物と多環式アリール化合物との共重合体お
よび共重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンのような蛍光を持つ化合物に
正孔と電子を注入すると発光することが古くから知られ
ていた。Tangらは、電荷輸送と発光を異なる化合物
で分担させ、2層の薄膜から成る素子を作成することに
より、低電圧で安定に駆動できる素子を作成した(App
l.Phys.Letter, 51,913(198
7))。ここで正孔輸送性物質として用いられた化合物
は、電子写真機の電荷輸送層に一般に用いられてきた3
級芳香族アミンである。またアルミニウムキノリノール
錯体(Alq)は電子輸送能を持つ発光物質である。有
機物質から成る電界発光素子は、有機発光ダイオード
(Organic Light Emitting D
iode:OLED)とも呼ばれている。
【0003】上述のTangらの研究が発端となり、多
くの研究者が電界発光素子(EL)の研究を行なうよう
になった。発光性電子輸送性物質としてオキサジアゾー
ル化合物やトリアゾール化合物が研究された。またこれ
らの低分子化合物を主鎖や側鎖に導入したポリマを電荷
輸送層または発光層として用いた耐熱性の高いEL素子
の研究も行なわれている。一方全共役ポリマであるポリ
フェニレンビニレン、ポリフルオレン等は、電荷輸送性
と発光性とを持つポリマとしてELに用いられる(Na
ture, 397,121(1999))。近年、E
Lの研究が盛んになるとともに、これらの全共役ポリマ
をELに用いる研究も盛んになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】有機EL素子は、正孔
輸送層と電子輸送層とを発光層を間に挟んでサンドイッ
チ状に積層した構造を有する。そして正孔輸送層の表面
に陽極が、電子輸送層の表面に陰極がそれぞれ形成され
る。正孔が陽極から正孔輸送層を通して発光層に至る。
一方陰極から電子が電子輸送層を通して発光層に至る。
よって発光層において電子と正孔とがぶつかり合って電
気的に中和し、ここでエネルギが発生される。このエネ
ルギが発光層を構成する蛍光体に作用して光を発生す
る。
【0005】従来の有機EL素子における発光層を構成
する物質は正孔を輸送する機能を有するものの、電子を
輸送する機能に乏しく、このために陽極側から供給され
る正孔と見合う量の電子を十分に供給することができ
ず、これによって発光能が低くて発光能率が悪い問題が
あった。
【0006】本発明はとくに電子の輸送能に優れるとと
もに、発光能が高く、発光効率の優れた有機EL素子に
用いて好適なアリールアミン化合物と多環式アリール化
合物との共重合体およびその共重合方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】共重合体に関する主要な
発明は、アリールアミン化合物と多環式アリール化合物
とを酸化反応により重合させて得られるアリールアミン
化合物と多環式アリール化合物との共重合体に関するも
のである。ここでアリールアミン化合物として、ジフェ
ニルアミンまたはトリフェニルアミンが好適に用いられ
る。また多環式アリール化合物が、ナフタレン、アント
ラセン、フェナントレン、フルオレン、テトラセン、ク
リセンの内の1種または2種以上の化合物であることが
好ましい。
【0008】共重合方法に関する主要な発明は、アリー
ルアミン化合物と多環式アリール化合物とを酸化剤の存
在下において共重合させることを特徴とするアリールア
ミン化合物と多環式アリール化合物との共重合方法に関
するものである。
【0009】このような共重合方法は、例えば次式によ
って表わされるアリールアミン化合物と多環式アリール
化合物との共重合方法である。
【0010】
【化3】 あるいは次式によって表わされるアリールアミン化合物
と多環式アリール化合物との共重合方法である。
【0011】
【化4】 このような共重合方法において、酸化剤として塩化鉄ま
たはセレンを用いることができる。またアリールアミン
化合物と多環式アリール化合物とを共通の溶媒に溶解さ
せて共重合反応を行なうのがよい。ここで溶媒としてク
ロロフォルム、クロルベンゼン、またはニトロベンゼン
が好ましく用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】本願発明に係るアリールアミン化
合物と多環式アリール化合物との共重合体および共重合
方法の一般式は次式によって表わされる。
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】 このような共重合体および共重合方法に用いられる一方
の出発原料は、化7式に示すN−アルキルジフェニルア
ミンである。この物質には、N−メチルジフェニルアミ
ン、N−エチルジフェニルアミン、N−プロピルジフェ
ニルアミン、N−ブチルジフェニルアミン、N−ペンチ
ルジフェニルアミン、N−ヘキシルジフェニルアミン、
N−ペプシルジフェニルアミン、N−オクチルジフェニ
ルアミン等がある。
【0015】
【化7】 別のアリルアミン化合物は、化8式に示すN−4アルキ
ルトリフェニルアミンである。このようなN−4アルキ
ルトリフェニルアミンとしては、N−4メチルトリフェ
ニルアミン、N−4エチルトリフェニルアミン、N−4
プロピルトリフェニルアミン、N−4ブチルトリフェニ
ルアミン、N−4ペンチルトリフェニルアミン、N−4
ヘキシルトリフェニルアミン、N−4ペプシルトリフェ
ニルアミン、N−4オクチルトリフェニルアミン等が存
在する。
【0016】
【化8】 さらに別のアリルアミン化合物としては、化9式に示す
N−4アルコキシトリフェニルアミンが存在する。この
物質には、N−4メトキシトリフェニルアミン、N−4
エトキシトリフェニルアミン、N−4プロポキシトリフ
ェニルアミン、N−4ブトキシトリフェニルアミン、N
−4ペントキシトリフェニルアミン、N−4ヘキソキシ
トリフェニルアミン、N−4ヘプトキシトリフェニルア
ミン、N−4オクトキシトリフェニルアミン等の物質が
存在する。
【0017】
【化9】 さらに別のアリールアミン化合物としては、化10式に
示す3,4−ジアルキルトリフェニルアミンがある。N
−3,4−ジアルキルトリフェニルアミンには、N−
3,4−ジメチルトリフェニルアミン、N−3,4−ジ
エチルトリフェニルアミン、N−3,4−ジプロピルト
リフェニルアミン、N−3,4−ジブチルトリフェニル
アミン、N−3,4−ジペンチルトリフェニルアミン、
N−3,4−ジヘキシルトリフェニルアミン、N−3,
4−ジペプシルトリフェニルアミン、N−3,4−ジオ
キシルトリフェニルアミン等の物質が存在する。
【0018】
【化10】 次に他方の出発原料である多環式アリール化合物として
は、ナフタレンとその化合物が用いられる。すなわちナ
フタレン(化11)、1−アルキルナフタレン(化1
2)、2−アルキルナフタレン(化13)、1,2−ジ
アルキルナフタレン(化14)、1,3−ジアルキルナ
フタレン(化15)、1,4−ジアルキルナフタレン
(化16)、2,3−ジアルキルナフタレン(化17)
等の物質が用いられる。
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】
【化16】
【0025】
【化17】 さらに別の多環式アリール化合物としては、アントラセ
ンまたはアントラセン化合物が用いられる。すなわちア
ントラセン(化18)、1−アルキルアントラセン(化
19)、2−アルキルアントラセン(化20)、1,2
−ジアルキルアントラセン(化21)、1,3−ジアル
キルアントラセン(化22)、1,5−ジアルキルアン
トラセン(化23)、1,6−ジアルキルアントラセン
(化24)、2,6−ジアルキルアントラセン(化2
5)、1−アルコキシアントラセン(化26)、2−ア
ルコキシアントラセン(化27)等である。
【0026】
【化18】
【0027】
【化19】
【0028】
【化20】
【0029】
【化21】
【0030】
【化22】
【0031】
【化23】
【0032】
【化24】
【0033】
【化25】
【0034】
【化26】
【0035】
【化27】 別の多環式アリール化合物としては、フェナントレン
(化28)とその化合物が用いられる。すなわち1−ア
ルキルフェナントレン(化29)、2−アルキルフェナ
ントレン(化30)、3−アルキルフェナントレン(化
31)等の物質が用いられる。
【0036】
【化28】
【0037】
【化29】
【0038】
【化30】
【0039】
【化31】 さらに多環式アリール化合物の別の例としては、フルオ
レンおよびその化合物が存在する。すなわちフルオレン
(化32)、9,9−ジアルキルフルオレン(化3
3)、9,9,1−トリアルキルフルオレン(化3
4)、9,9,2−トリアルキルフルオレン(化35)
等である。
【0040】
【化32】
【0041】
【化33】
【0042】
【化34】
【0043】
【化35】 他の多環式アリール化合物はテトラセン(化36)であ
る。
【0044】
【化36】 さらに別の多環式アリール化合物はクリセン(化3
7)、ピレン(化38)等である。
【0045】
【化37】
【0046】
【化38】 このようなアリールアミン化合物と多環式アリール化合
物の共重合の方法は、酸化剤の存在下における酸化重合
である。すなわち酸化反応によって重合を行なうもので
あって、酸化剤としては塩化鉄FeCl3 やセレン
(4塩化鉛、PbCl4 )等が好適に用いられる。
【0047】酸化剤の存在下における共重合反応は、酸
化剤が還元されるとともに、このときにアリールアミン
化合物と多環式アリール化合物の感応基の末端の水素を
奪う。従ってアリールアミン化合物の水素がとれた感応
基の末端と多環式アリール化合物の水素がとれた感応基
の先端とが互いに結合する。この結合の動作が繰返され
ることによって共重合反応が進行する。
【0048】例えば酸化剤として三塩化鉄(FeCl
3 )が用いられる場合には、この三塩化鉄中の鉄が3
価から2価に還元されるとともに、このときに塩素(C
l)が放出される。そして放出されたClがアリールア
ミン化合物の感応基の末端の水素を酸化し、あるいはま
た多環式アリール化合物の感応基の末端の水素を奪う。
従ってともに水素が奪われたアリールアミン化合物の感
応基の末端と多環式アリール化合物の末端とが結合され
るとともに、このときに副生物として塩酸(HCl)が
生成される。そしてこのような反応を順次繰返すことに
よって、次第に分子量が増大して共重合体が得られる。
【0049】アリールアミン化合物と多環式アリール化
合物は共通の溶剤によって溶解された状態で、上記の酸
化剤の存在下で重合反応が行なわれる。共通の溶剤とし
てはクロロフォルム(CHCl3 )やクロルベンセン(C
6 5 Cl)、ジクロルベンゼン(C6 4
2 )、ニトロベンゼン(C6 5 NO2 )等が用
いられる。
【0050】重合の方法は、アリールアミン化合物と多
環式アリール化合物の共通の溶剤中に2種類のモノマと
酸化剤とを投入してモノマを溶解する。そして室温から
溶剤の沸点(約50〜60℃)まで加温する。すると溶
剤中で時間とともに重合が進行する。このような酸化反
応によって分子量が数千〜数万の共重合体が得られる。
【0051】共重合反応後に少量のアンモニアを含むメ
タノールに投入し、沈殿物であるポリマを溶かすクロロ
フォルム等の溶剤に溶解し、さらにメタノールに投入す
る。場合によってはクロロフォルム溶液をキレート試
薬、例えばEDTA(エチレン−ジアミン四酢酸)を含
む水溶液で洗滌後メタノールを投入する。そして得られ
たポリマを乾燥してアルコールを除けばよい。
【0052】また電解重合の方法によってアリールアミ
ン化合物と多環式アリール化合物の共重合を行なうこと
ができる。この場合にはアリールアミン化合物と多環式
アリール化合物とを共通の溶媒に溶かして電解液とす
る。そしてこのような電解液中に一対の電極を挿入し、
通電を行なうとプラス側の電極の表面に成膜によって共
重合体が生成される。なおこのときのプラス側の電極と
しては白金(Pt)や銅(Cu)を用いることが好まし
い。
【0053】
【実施例】実施例1.窒素ライン、マグネティックスタ
ーラ、シリンジドライバをつけた2口フラスコに2.60g
(4mmol)の塩化鉄(III)、356mg(2mmol)のフェナントレ
ン、20mlのクロロホルムを入れ、室温で、攪拌しながら
N−4ブチルトリフェニルアミン(n-BuTPA)を604mg(2mm
ol)含んだクロロフォルム溶液10mlを6時間かけて滴下
した。反応は24時間続けた。
【0054】反応終了後、メタノールと少量のアンモニ
ア水溶液を加え、茶色の沈殿物を得た。沈殿物はろ過に
より回収し、メタノールで数回洗浄した。残留物はクロ
ロホルムに溶かし、攪拌した。クロロホルム溶液をろ過
し、濾液をエバポレーターにより濃縮した。ここで、ろ
過により得た残留物はN−4ブチルトリフェニルアミン
とフェナトレンの共重合体のゲル部分であり、重量は23
9mg(24.9%)であった。また、濃縮液はアセトンにより再
沈殿し、茶色の粉末を得た。得られたコポリマーの重量
(ゲル部分は含まない)は208mg、収率21.6%であっ
た。共重合体は8.4千の数平均分子量を持ち、フェナン
トレンを約25%含んでいた。
【0055】表1はブチルトリフェニルアミンとフェナ
トレンとの共重合の重合条件を変えたときの結果を示し
ている。すなわちここでは2種類のモノマの割合、溶媒
の種類、酸化剤の量、反応時間、反応温度を変えて共重
合反応を行なっている。この結果によれば、反応温度を
高めることによって反応が促進され、共重合体の分子量
が増大することが理解される。また溶媒としてクロロホ
ルムを用いるよりもニトロベンゼンを用いた方が反応速
度が高く、平均分子量が増大することが確認されてい
る。
【0056】
【表1】 実施例2.上記実施例1におけるアリールアミン化合物
としてブチルトリフェニルアミン(BTPA)に代えて
メチルトリフェニルアミン(MTPA)を用い、フェナ
トレンとの共重合を行なった。なおこのときの他の条件
は上記実施例1と同様である。重合条件と重合結果を表
2に示す。
【0057】得られた共重合物について紫外線吸収特性
を測定したところ、図1に示すように265nm付近に
シャープな最大吸収波長を示した。また得られた共重合
物のH−NMRスペクトルとサイクリックボルタングラ
ムを図2および図3に示す。
【0058】
【表2】 実施例3.フェナントレンの代わりにアントラセンを用
い実施例1と同様の方法によって重合を行った。クロロ
ホルム可溶部の収率は約50%であり、これは、数平均分
子量13.4千であり、アントラセンを約33%含んでいた。
【0059】ここでは約50℃のクロロホルム中でN−
4ブチルトリフェニルアミン(n−BTPA)とアント
ラセンの酸化重合を、酸化鉄(III)を酸化剤を用い
て行なった。蒸留水とヒドラジンを用いて合成した物質
から触媒成分を除去し、メタノール中で再沈殿精製しポ
リマを得た。クロロホルムに可溶な成分を抽出し、測定
サンプルとして用いた。分子量は標準ポリスチレン検量
線を用いて算出した。
【0060】重合結果は表3に示される。アントラセン
の仕込み組成比が高くなると重合し易くなり、収率が増
大し、ゲルが生じ易くなっている。ゲル以外のポリマ成
分は、クロロホルムに良い溶解性を示した。そして図4
に示すH−NMRシグナルの比較によって、表3中のN
o.1のサンプルでは、トリフェニルアミンユニット1
0個に対してアントラセンが8.8個の割合で存在して
いることが分った。また共重合体中のH−NMR測定お
よびC−NMR測定において、N−4ブチルトリフェニ
ルアミンホモポリマのNMR測定では観測されないシグ
ナルが現われたことから、アントラセンユニットがトリ
フェニルアミンポリマ中に含まれていることが確認され
た。
【0061】プラチナ電極上に作製した共重合体フィル
ムについて、アセトニトリル中、AgCl参照電極を用
いて行なったサイクリックボルタングラム測定の結果を
図5に示す。正と負の電解領域にそれぞれ1つずつの酸
化還元ピークが現われた。+1.06Vの酸化ピークと
+0.85Vの還元ピークは、トリフェニルアミン誘導
体のホモポリマの酸化還元領域に比較的近いことから、
共重合体中のブチルトリフェニルアミンユニットに由来
する酸化還元ピークであると考えられる。また−1.1
0Vの還元ピークと−0.55Vの酸化ピークはアント
ラセンユニットに対応したものであると考えられる。共
重合体を構成する2つの要素に由来する酸化還元ピーク
が、それぞれ独立して現われたことから、合成した共重
合体はブチルトリフェニルアミンとアントラセン双方の
電気化学的特性をともに備えた化学物質であることが立
証された。
【0062】
【表3】 実施例4.上記実施例3においてアントラセンと共重合
されるアリールアミン化合物として、ブチルトリフェニ
ルアミン(BTPA)に代えてメチルトリフェニルアミ
ン(MTPA)を用いて上記実施例3と同様の条件で共
重合を行なった。重合条件と重合結果を表4に示す。
【0063】共重合物の紫外線吸収特性が図1中鎖線に
よって示される。またこの共重合物についてのH−NM
Rスペクトルとサイクリックボルタングラムとを図6お
よび図7に示す。
【0064】
【表4】 実施例5.メチルトリフェニルアミン(MTPA)と1,4-ジ
メチルナフタレン(DMN)をモル比1:1で共重合した
結果を表5に示す。なおここでは溶媒としてクロロフォ
ルムまたはニトロベンゼンを用いている。高い分子量の
共重合物が合成されるとともに、酸化剤の量に応じて分
子量が大きく変化することが理解される。なお共重合物
のH−NMRスペクトルとサイクリックボルタングラム
を図8および図9に示す。
【0065】
【表5】 実施例6.メチルトリフェニルアミン(MTPA)とク
リセンをモル比1:1で共重合した結果を表6に示す。
なおこのときにはニトロベンゼンを溶媒として用い、2
0時間の反応を行なった。表6から明らかなように分子
量が11.3×103 の共重合体が得られている。な
お共重合物のH−NMRスペクトルとサイクリックボル
タングラムを図10および図11に示す。
【0066】
【表6】 実施例7.ブチルトリフェニルアミン(BTPA)とジ
ブチルフルオレンとをモル比1:1で共重合させた結果
を表7に示す。なおこのときには溶媒としてニトロベン
ゼンを用いている。収率が45%であって分子量が1
2.2×103 の共重合体が得られた。
【0067】
【表7】
【発明の効果】本願の主要な発明は、アリールアミン化
合物と多環式アリール化合物とを酸化反応によって重合
させるアリールアミン化合物と多環式アリール化合物と
の共重合体および共重合方法に関するものである。
【0068】このような共重合体を構成する一方の多環
式アリール化合物が電子吸引性基を持つ化合物であって
電子を受取り易い性格を持っている。従ってこのような
物質を含む共重合体とすることによって電子の輸送能が
改善され、発光能が高くなるとともに発光能率が改善さ
れる。従って有機EL素子として用いるのに好適な高分
子共重合体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】共重合物質の赤外線吸収特性のグラフである。
【図2】メチルトリフェニルアミンとフェナントレンの
共重合物質のH−NMR吸収スペクトルのグラフであ
る。
【図3】メチルトリフェニルアミンとフェナントレンの
共重合物質のサイクリックボルタングラム測定の結果を
示すグラフである。
【図4】ブチルトリフェニルアミンとアントラセンの共
重合物質のH−NMR吸収スペクトルのグラフである。
【図5】ブチルトリフェニルアミンとアントラセンの共
重合物質のサイクリックボルタングラム測定の結果を示
すグラフである。
【図6】メチルトリフェニルアミンとアントラセンの共
重合物質のH−NMR吸収スペクトルのグラフである。
【図7】メチルトリフェニルアミンとアントラセンの共
重合物質のサイクリックボルタングラム測定の結果を示
すグラフである。
【図8】メチルトリフェニルアミンと1.4ジメチルナ
フタレンの共重合物質のH−NMR吸収スペクトルのグ
ラフである。
【図9】メチルトリフェニルアミンと1.4ジメチルナ
フタレンの共重合物質のサイクリックボルタングラム測
定の結果を示すグラフである。
【図10】メチルトリフェニルアミンとクリセンの共重
合物質のH−NMR吸収スペクトルのグラフである。
【図11】メチルトリフェニルアミンとクリセンの共重
合物質のサイクリックボルタングラム測定の結果を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 良一 東京都中央区日本橋人形町1丁目18番12号 柳井化学工業株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 DB03 4J032 CA03 CA12 CA53 CA54 CB04 CB12 CD02 CE03 CE22 CE24 CG03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アリールアミン化合物と多環式アリール化
    合物とを酸化反応により重合させて得られるアリールア
    ミン化合物と多環式アリール化合物との共重合体。
  2. 【請求項2】アリールアミン化合物が、ジフェニルアミ
    ンまたはトリフェニルアミンであることを特徴とする請
    求項1に記載のアリールアミン化合物と多環式アリール
    化合物との共重合体。
  3. 【請求項3】多環式アリール化合物が、ナフタレン、ア
    ントラセン、フェナントレン、フルオレン、テトラセ
    ン、クリセンの内の1種または2種以上の化合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載のアリールアミン化合
    物と多環式アリール化合物との共重合体。
  4. 【請求項4】アリールアミン化合物と多環式アリール化
    合物とを酸化剤の存在下において共重合させることを特
    徴とするアリールアミン化合物と多環式アリール化合物
    との共重合方法。
  5. 【請求項5】次式によって表わされるアリールアミン化
    合物と多環式アリール化合物との共重合方法。 【化1】
  6. 【請求項6】次式によって表わされるアリールアミン化
    合物と多環式アリール化合物との共重合方法。 【化2】
  7. 【請求項7】酸化剤として塩化鉄またはセレンを用いる
    ことを特徴とする請求項4〜請求項6の何れかに記載の
    アリールアミン化合物と多環式アリール化合物との共重
    合方法。
  8. 【請求項8】アリールアミン化合物と多環式アリール化
    合物とを共通の溶媒に溶解させて共重合反応を行なうこ
    とを特徴とする請求項4〜請求項7の何れかに記載のア
    リールアミン化合物と多環式アリール化合物との共重合
    方法。
  9. 【請求項9】溶媒としてクロロフォルム、クロルベンゼ
    ン、またはニトロベンゼンが用いられることを特徴とす
    る請求項4〜請求項8の何れかに記載のアリールアミン
    化合物と多環式アリール化合物との共重合方法。
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