JP2003212651A - ジルコニア焼結体、結体耐摩耗性部材、ベアリングボール及び光コネクタ用部材 - Google Patents

ジルコニア焼結体、結体耐摩耗性部材、ベアリングボール及び光コネクタ用部材

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JP2003212651A
JP2003212651A JP2002010491A JP2002010491A JP2003212651A JP 2003212651 A JP2003212651 A JP 2003212651A JP 2002010491 A JP2002010491 A JP 2002010491A JP 2002010491 A JP2002010491 A JP 2002010491A JP 2003212651 A JP2003212651 A JP 2003212651A
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Japan
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zirconia sintered
zirconia
sintered compact
bearing ball
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JP2002010491A
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English (en)
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Tomonori Niwa
倫規 丹羽
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬度、及び破壊靱性がバランスよく優れ、導
電性を有することにより帯電防止性及び放電加工性にも
優れ、熱膨張係数が大きいことにより温度変化の繰り返
される環境下で金属と組み合わせて使用するのに好適な
ジルコニア焼結体、並びにこのジルコニア焼結体を使用
した耐摩耗性部材、ベアリングボール及び光コネクタ用
部材を提供すること。 【解決手段】 X線回折におけるd値が、 2.95±0.05Å、及び 1.41±0.05Å であることを特徴とするジルコニア焼結体、並びにこれ
を利用した耐摩耗性部材、ベアリングボール及び光コネ
クタ用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はジルコニア焼結
体、耐摩耗性部材、ベアリングボール及び光コネクタ用
部材に関し、更に詳しくは、硬度、及び破壊靱性がバラ
ンスよく優れ、導電性を有することにより帯電防止性及
び放電加工性にも優れ、熱膨張係数が大きいことにより
温度変化の繰り返される環境下で金属と組み合わせて使
用するのに好適なジルコニア焼結体、並びにこのジルコ
ニア焼結体を使用した耐摩耗性部材、ベアリングボール
及び光コネクタ用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械及びコンピュータにおけるハー
ドディスク等にはベアリングが使用されている。ベアリ
ングに使用されるボール(以下、ベアリングボールと称
する)は、一般的に、軸受け鋼等の金属で形成されてい
るが、一層の耐摩耗性が必要とされるので、金属製のベ
アリングボールの代わりにセラミック製のベアリングボ
ールが使用される。
【0003】ところが、コンピュータのハードディスク
におけるモータ中に使用されるベアリングに装填される
微小な大きさのセラミックボールは、製造が困難であ
り、良品及び不良品の仕分けも困難なことが多かった。
【0004】コンピュータ内のモータにおけるベアリン
グに使用されるベアリングボールには、回転駆動部の軸
受け内で例えば5,400rpm以上、さらに高速性の
要求される場合には、7,200rpm以上ないし1
0,000rpm以上もの高速回転が要求されるので、
耐摩耗性に優れた窒化珪素質セラミックでベアリングボ
ールが製造された。窒化珪素は絶縁体であるので、窒化
珪素質セラミック製のベアリングボールは静電気を帯び
やすい。
【0005】そうすると、窒化珪素質セラミック製のベ
アリングボールを備えて成るボールベアリングを製造す
る工程において、ベアリングボールを搬送する行路中で
ベアリングボールが帯電して装置に付着したり、塵埃の
付着を誘発させるために、円滑なボールベアリングボー
ルを製造することができないという問題があった。
【0006】また、窒化珪素質セラミックに帯電防止性
を付与するために、窒化チタンを配合することも考えら
れるが、窒化チタンは極めて硬度が大きいので窒化チタ
ン含有の窒化珪素質セラミックの焼結体は、研磨等の加
工が困難で所定寸法の形状に仕上げることが困難である
という問題を有していた。
【0007】前記窒化珪素質セラミックを始めとするセ
ラミック製の部材を高速回転部品に使用すると、その高
速回転部品が摩擦熱により高温度に曝される。したがっ
て、高温度においてもその寸法精度を維持し、しかも高
速の運動に堪える強度、硬度及び靱性を有するセラミッ
ク製の部材が要求される。これらの特性をバランスよく
備えたセラミック製の部材及びベアリングボールは、今
のところ、開発されていない。また、光通信に使用され
ている光コネクタ用部材にジルコニアが用いられている
が、ジルコニア成形体の穴加工等の加工が困難であり、
敢えて加工するとすれば加工費用がかかりすぎるという
問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、硬
度、及び破壊靱性がバランスよく優れ、導電性を有し、
大きな熱膨張係数を有するジルコニア焼結体を提供する
ことにある。この発明の他の目的は、帯電防止性に優
れ、また放電加工が容易であり、硬度及び破壊靱性がバ
ランスよく優れたジルコニア焼結体を提供することにあ
る。この発明の別の目的は、高速運動下に曝されても容
易に破壊されることがなく、寸法精度に狂いの生じ難い
ジルコニア焼結体を提供することにある。この発明の更
に他の目的は、前記ジルコニア焼結体を使用した耐摩耗
性部材、ベアリングボール及び放電加工等による容易な
加工により安価に製造されることのできる光コネクタ用
部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に検討を重ねた結果、ジルコニア焼結体の中でも格子面
間隔を示すd値が特定の範囲にある場合には、前記課題
を解決することのできるジルコニア焼結体となり得るこ
とを見出してこの発明に到達した。
【0010】すなわち、前記課題を解決するためのこの
発明の手段は、X線回折におけるd値が、 2.95±0.05Å、及び 1.41±0.05Å であることを特徴とするジルコニア焼結体であり、前記
ジルコニア焼結体の好適な態様においては、X線回折に
おけるd値が、 3.61±0.05Å、及び 2.72±0.05Å、 であり、前記ジルコニア焼結体の好適な態様において
は、周期表における第4族元素(但し、ジルコニウムを
除く。)の酸化物を含んでなり、前記ジルコニア焼結体
の好適な態様においては、導電性を有してなり、前記ジ
ルコニア焼結体の好適な態様においては、部分安定化ジ
ルコニアを含有してなる。
【0011】前記課題を解決するための他の手段は、前
記ジルコニア焼結体で形成されてなることを特徴とする
耐摩耗性部材、ベアリングボール、及び光コネクタ用部
材である。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明に係るジルコニア焼結体
は、その名称から明らかなようにジルコニアを含有する
こと、及びX線回折法により分析された特定のd値を有
することとにより、特徴付けられる。
【0013】このジルコニア焼結体に含有されるジルコ
ニアとしては、例えば酸化ジルコニウム、安定化ジルコ
ニア及び部分安定化ジルコニアを挙げることができる。
安定化ジルコニアとしては、酸化ジルコニウムに、Ca
O、MgO、CeO、又はY等の安定化剤を固
溶させて立方晶又は正方晶としてなる所謂安定化ジルコ
ニアを挙げることができる。また、部分安定化ジルコニ
アとしては、安定化剤を完全に立方晶固溶体にするほど
は加えていない組成のジルコニアである限り特に制限が
ない。また、部分安定化ジルコニアとして、析出型部分
安定化ジルコニア及び分散型部分安定化ジルコニアのい
ずれをも使用することができる。
【0014】この発明における前記ジルコニアは通常、
不可避不純物として、或いは変態を抑制するために5質
量%以下の割合で添加された添加物として、例えば酸化
アルミニウムを含有する。
【0015】このジルコニア焼結体において、ジルコニ
アは粒子として存在する。ジルコニアの粒子(以下にお
いて、ジルコニア粒子と称することがある。)は、通
常、大きくても5μmであり、好ましくは大きくても3
μmである。ジルコニア粒子の粒径が前記範囲よりも大
きいと、粗大になったジルコニア粒子が破壊起点になり
やすくなるといった不都合を生じる場合がある。したが
って、酸化ジルコニウム粒子の粒径が前記範囲から外れ
ていてもこの発明の目的を達成することができるのであ
るが、前記粒径の範囲内にあるのが望ましい。
【0016】ジルコニア粒子の粒径は、ジルコニア焼結
体を鏡面研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)で反射電
子組成像(COMPO像)の写真を撮り、このCOMP
O像写真からインターセプト法により算出することがで
きる。
【0017】この発明に係るジルコニア焼結体は、前述
したように、特有の結晶面間隔を有する。すなわち、こ
のジルコニア焼結体は、そのd値が、 2.95±0.05Å、及び 1.41±0.05Å である。さらに、好適なジルコニア焼結体にあっては、
そのd値が、 2.95±0.05Å、及び 1.41±0.05Å 3.61±0.05Å、及び 2.72±0.05Å、 である。
【0018】このようなd値を有するジルコニア焼結体
は、破壊靱性及び硬度に特に優れる。
【0019】このジルコニア焼結体は、その主成分がジ
ルコニアであり、前記面間隔d値を有する限り、他の成
分として周期表の第4族元素(ジルコニウムを除く。)
の酸化物を含有することができる。
【0020】なおここで、周期表とは、IUPAC19
90年勧告による周期表をいう(「無機化学命名法−I
UPAC1990年勧告−」G.J.LEIGH編、山
崎一雄訳・著、第43頁、第1版第1刷1993年3月
26日発行、(株)東京化学同人]。)。
【0021】ジルコニア焼結体に含まれるところの、ジ
ルコニウムを除く第4族元素として、チタン及びハフニ
ウムを挙げることができる。これらの元素は酸化物の形
態でジルコニア焼結体に含まれる。
【0022】ジルコニア焼結体に含まれるチタン酸化物
(以下においてチタニアと称されることがある。)とし
ては、ルチル形、アナターゼ形及びブルッカイト形のい
ずれのチタン酸化物であっても良く、また、TiO
Ti、TiO等のチタン酸化物であっても良い。
この発明におけるチタン酸化物として、Ti(但
し、xは1〜3であり、yは1〜5であり、X線光電子
分光装置(X−ray Photoelectron Spectrometer、略称
はXPS。)で決定される。)で示されるチタン酸化物
も更に好適である。なお、このX線光電子分光装置は、
X線光電子分光法により固体表面の構成元素やその化学
結合状態を分析する電子分光法を採用する装置である
(例えば『「機器分析のてびき」第2版、第3集、第8
9−100頁、1999年4月1日第5刷、(株)化学
同人発行』等の文献を参照)。
【0023】この発明に係る好適なジルコニア焼結体
は、前記特定の面間隔d値を有することに加えて、ジル
コニウム、チタン及びイットリウムを含有する酸化物を
含有し、以下の式で示すことができる。
【0024】ZrTi ・・・・(1) 但し、aは0.3〜5であり、bは0.1〜7であり、
cは1〜24である。
【0025】上記(1)式で示されるジルコニア焼結体に
含まれる好適なジルコニア焼結体は、例えばZrTi
24、ZrTiO、(Ti,Zr)O、Ti
ZrO、Zr0.33Ti0.67、(Zr
0.893Ti0.1)(TiO )、(Zr,Ti)
、Y(Zr0.3Ti0.7、及びY
(Zr0.45Ti0.55等で示されること
ができる。
【0026】この発明に係るジルコニア焼結体において
は、チタン酸化物を含有することにより、ジルコニア、
特に安定化ないし部分安定化ジルコニアを含有すること
と相俟って、靱性が向上し、しかも放電加工性が可能で
帯電防止機能を発揮する電気導電性が付与されると共に
窒化珪素と比べて金属に近い熱膨張係数を有するに至
る。また、チタン酸化物を含有することにより、この発
明に係るジルコニア焼結体が導電性を発現するに至った
ことは、極めて重要なことである。というのは、従来に
おいて、ジルコニウムを主成分とするジルコニア焼結体
に導電性を付与するために導電性付与剤として添加され
ていたのは、チタン、タングステン、モリブデン等の炭
化物及び窒化物であったからである。しかも、それら炭
化物及び窒化物は、焼結組織の中で粒子状態となって存
在し、ジルコニア粒子との硬度差によりベアリングボー
ルに仕上げる加工の際に真球とするための精度が得られ
難かった。
【0027】ところが、この発明においては、特定のd
値を有するジルコニア焼結体中にチタン酸化物が存在す
ると、そのチタン酸化物はジルコニウムの安定化剤とし
て含有されるのではなく、導電性付与剤としての機能を
発揮し、また実際にジルコニウム焼結体に導電性を付与
するようになる。しかも、このジルコニア焼結体をベア
リングボールに仕上げる際に、その加工精度を十分に高
いものとすることができる。故に、チタン酸化物を含有
するところの、この発明に係るジルコニウム焼結体は、
導電性を有するが故に帯電防止性に優れ、また、放電加
工可能な素材であり、加工精度の良好な素材ともなる。
【0028】ジルコニア焼結体中に含まれるハフニウム
の酸化物は、もともとジルコニア中に既に分離不可能な
状態で含まれている。この発明においては、不可避含有
物としてハフニウム酸化物を含有するジルコニアに、更
にハフニウム酸化物を添加混合して用いることもでき
る。
【0029】この発明に係るジルコニア焼結体における
第4族元素(ジルコニウムを除く。以下同様。)の酸化
物の含有量は、ジルコニアと第4族元素の酸化物との合
計に対し、通常、10〜40質量%であり、好ましくは
20〜30質量%である。第4族元素の酸化物の含有量
が10質量%よりも少ないと、導電性が発現しないとい
った不具合を生じることがあり、また第4族元素の酸化
物の含有量が40質量%よりも多いとジルコニア焼結体
の強度が向上しないことがある。
【0030】このジルコニア焼結体において、ジルコニ
ウムを除く前記第4族元素の酸化物は粒子として、又は
粒界結晶相中に存在する。もっとも、窒素雰囲気下で焼
結を行うと酸化チタンが窒化されるので、この発明に係
るジルコニア焼結体においては、酸化チタンが窒化され
て生じた窒化チタンがジルコニア焼結体の表面近傍内部
に存在し、その窒化チタンの濃度が表面近傍から内部に
向かって小さくなる傾向にある。
【0031】また、このジルコニア焼結体は、その面間
隔d値が前記特定の値を有すること、及びジルコニアを
主成分とすることにより、好ましくは第4族元素の酸化
物を含有することとにより、その熱膨張係数が小さくて
も6.5×10−6/℃であり、好ましくは小さくても
7.0×10−6/℃である。このジルコニア焼結体の
熱膨張係数はジルコニア単独の熱膨張係数よりも小さい
ので、高温度に曝される環境下で使用される部材、例え
ば高圧軸受部材、摺動部材例えばベアリングボール等と
してこのジルコニア焼結体を適用すると、安定して信頼
性の高い回転運動、或いは往復運動等の運動動作の可能
な部材とすることができる。
【0032】この熱膨張係数は、押棒式示差法により測
定されることができる。測定雰囲気は大気である。この
押棒式示差法は、石英の標準サンプルの熱膨張と試料の
熱膨張とを比較して試料の熱膨張係数を決定する方法で
ある。測定は、JIS−K−7179(1991年)に
準拠するところの、プラスチック熱機械分析による線膨
張率試験方法により、行うことができる。この発明に係
るジルコニア焼結体は、TiO量を変化させることに
よりその熱膨張係数を調節することができる。
【0033】この発明に係るジルコニア焼結体は硬度と
してビッカース硬度が大きくても1,250、好ましく
は950〜1,200である。このビッカース硬度は、
JIS R1610(1991)のHV20に準拠して
測定されることができる。
【0034】この発明に係るジルコニア焼結体はその破
壊靱性が小さくとも4MPam0. であり、好ましく
は小さくても4.5MPam0.5であり、更に好まし
くは5〜10MPam0.5である。この破壊靱性は、
JIS R1607(1990)のIF法に準拠して決
定することができる。ジルコニア焼結体の破壊靱性は、
TiOの含有量と焼成温度とを可変することにより調
節することができる。
【0035】この発明に係るジルコニア焼結体は、第4
族元素を含んでいると電気抵抗値が大きくても10Ω
・cmであり、好ましくは大きくても10Ω・cmで
ある。この電気抵抗値は、縦0.3cm(A)及び横
0.4cm(B)の断面積と長さ1.7cm(L)との
寸法を有し、両端面に金蒸着面を有するテストピースを
テスターで計測された値からA×B×R/Lにより求め
られる。この発明に係るジルコニア焼結体における電気
抵抗値は、第4族元素の酸化物の配合量と焼成条件とを
変えることにより調節されることができる。
【0036】この発明に係るジルコニア焼結体は、上記
硬度、破壊靱性及び電気抵抗値を有するので、ジルコニ
ア自体よりも低い熱膨張係数を有することと相俟って、
例えばベアリングボールに好適に形成することができ
る。
【0037】このジルコニア焼結体で形成されたベアリ
ングボールは、例えばハードディスクドライブなどの電
子機器に用いた場合には静電気の帯電による不具合を生
じさせない。
【0038】一般的に、ベアリングを構成する回転軸受
部材及び/又はボール受け部がJIS G 4805で規
定されたSUJ2などの軸受鋼で形成されていると、信
頼性のある高速回転を実現することができる。ジルコニ
ア自体は、軸受鋼と線膨張係数が近似している。例えば
モータ機器を高速回転させるとその摺動によりベアリン
グ自体が高温に加熱される。そのとき、ベアリングボー
ルの線膨張係数と回転軸部材又はボール受部を構成する
材質の線膨張係数との差があまりに大きいと熱歪(非同
期フレ)が発生することにより、信頼性のある安定な高
速回転を実現し難くなる。したがって、この発明におけ
るように線膨張係数が軸受鋼に近似したジルコニアと特
定の面間隔d値と要すればチタン酸化物とを含有するジ
ルコニア焼結体からなるベアリングボールを用いること
により、熱歪による悪影響を抑制することができる。
【0039】なお、この発明に係るジルコニア焼結体か
らなるベアリングボールを有するベアリングを搭載する
モータを有する機器として、例えば、ハードディスクド
ライブを搭載した磁気記録装置、光ディスク装置、DV
D、各種ゲーム機器などの回転駆動を伴う各種機器、及
び旋盤加工機などの工作機械のモータ機器全般を挙げる
ことができる。
【0040】この発明に係るジルコニア焼結体は、第4
族元素を含んでいると、電気抵抗値が前記範囲にあるの
で、帯電性を帯びにくく、また、放電加工が可能にな
る。したがって、このジルコニア焼結体は帯電し難いの
で、例えばこのジルコニア焼結体でベアリングボールを
製造するに際し、帯電により製造途中のベアリングボー
ルが搬送途中での詰まり、装置への付着等を起こすこと
がなく、円滑なハンドリングによる製造を実現すること
ができる。またこのジルコニア焼結体は、放電加工が可
能になるから、例えば円筒形状における内壁面の切削を
放電加工により容易に、かつ精度よく行うことができ
る。
【0041】この発明に係るジルコニア焼結体は、JI
S Z8721に規定された色の表示方法における明度
をVSとしたときに、少なくとも表面の外観明度VSが
1〜3.5である。また、この発明に係るジルコニア焼
結体は、JIS Z8721に規定された色の表示方法
における彩度をCSとしたときに、少なくとも表面の外
観彩度CSが0〜2である。さらに、このジルコニア焼
結体は、前記外観明度VSが1〜3.5であり、外観彩
度CSが0〜2である領域の色調を有するのが好まし
い。このような明度及び彩度を有するジルコニア焼結体
は、自動外観検査機による不良品の発見が容易である。
つまり、焼結体に存在するポア及びキレ等の欠陥は明る
い色調で現れるので、自動外観検査機で焼結体の検査を
する場合に、欠陥と背景との間にコントラストがつきに
くくて識別精度を高くすることができないという問題が
あったところ、この発明に係るジルコニア焼結体にあっ
ては、前記明度及び彩度を有するが故に、背景とのコン
トラストが大きくなって、ポア、キレ等の欠陥を容易に
発見することができる。したがって、上記彩度及び明度
を有するジルコニア焼結体は、ポア及びキレ等の欠陥の
ない製品として選別されることになる。換言すると、選
別されたところの、前記明度及び彩度を有するジルコニ
ア焼結体は、有害な欠陥が極めて少ないが故に、品質に
優れることになる。
【0042】この発明に係るジルコニア焼結体は、前記
ジルコニア、第4族元素(ジルコニウムを除く。)の酸
化物及び必要に応じて添加される安定化剤及び焼結助剤
を混合して原料混合物を調製し、これを成形し、還元雰
囲気下又は水素及び窒素を含有する雰囲気下に1,30
0〜1,700℃で焼成することにより得ることができ
る。
【0043】この発明に係るジルコニア焼結体を得るた
めに、ジルコニアについては、その粒子径が1μm以
下、好ましくは0.7μm以下、更に好ましくは0.5
〜0.2μmの粉末を用いるのがよく、第4族元素(ジ
ルコニウムを除く。)の酸化物特にチタン酸化物につい
ては、その粒子径が2μm以下であるのが好ましい。こ
れらよりも粗い粉末を用いる場合には、予めジルコニア
粉末又は第4族元素(ジルコニウムを除く。)の酸化物
粉末を更に粉砕しておくことが推奨される。
【0044】前記焼結助剤としては一般的に使用される
助剤を、この発明の目的を阻害しない限り制限なく採用
することができ、酸化イットリウムなどの希土類元素化
合物、酸化マグネシウムなどの金属酸化物が好適であ
る。焼結助剤の添加量についても特に制限がないのであ
るが、通常、全体に対して15mol%以下であるのが
良い。
【0045】この発明に係るジルコニア焼結体を得るた
めの原料は粉末であっても、スラリーであっても良い。
ジルコニア焼結体を得るための原料は、通常700〜1
100℃程度、好ましくは800〜1000℃程度の加
熱により仮焼粉末を使用するが、これに限らず、仮焼し
ない出発原料粉末を用いることもできる。また、仮焼を
する場合、各々の出発原料について仮焼する外に、混合
後に纏めて仮焼して粒度調整を行っても良い。
【0046】この発明に係るジルコニア焼結体は、例え
ば種々の耐摩耗性部材に成形することができる。特にこ
のジルコニア焼結体は、第4族元素(ジルコニウムを除
く。)の酸化物を含有することにより導電性を有するの
で、放電加工を好適に行うことができる。つまり、放電
加工を行うことによりこのジルコニア焼結体を様々の形
状をした耐摩耗性部材に形成することができる。
【0047】放電加工技術の一般的な内容は、「(新
版)機械工学便覧 B2 加工額・加工機器」(1998
年4月20日11刷発行、丸善株式会社発売)のB2−
152頁に記載された説明、あるいは、「機械工学ポケ
ットブック」(昭和57年6月20日第2版第20刷発
行、株式会社オーム社発行)の5−99頁に記載された
説明等により理解されることができる。放電加工による
と、被加工物が高い加工精度に仕上げられる。つまり、
放電加工は、精密加工に適している。この発明に係るジ
ルコニア焼結体は導電性を有しているので、放電加工に
より精密加工部材に加工することができる。
【0048】例えばこの発明に係るジルコニア焼結体を
用いた精密加工部材として光コネクタ用部材例えばフェ
ルール(ferrule)を挙げることができる。フェルール
の具体的な一例が特開2000−147320号公報及
び特開平11−52178号公報等に記載されている。
図1にフェルールを利用した光コネクタ用部材を示す。
図1において、32は光コネクタ部材であり、33はフ
ェルールであり、34は光ファイバー36を装入する装
入孔であり、35はバックボディである。
【0049】例えば「理工学辞典」(1996年3月2
8日初版1刷発行、株式会社日刊工業新聞社発行)の第
1263頁に記載されたように、フェルールは、光ファ
イバーの接続部の口金等として利用される。光ファイバ
ーの接続部の食による利得低下を防止するためには、フ
ェルールの寸法誤差、内外径の中心の一致精度(同心
度)が重要である、このため、フェルールの加工には細
心の工夫が必要になる。したがって、図2に示されるよ
うに、例えばワイヤーカット放電加工により、この発明
に係るジルコニア焼結体を精度良く安価にフェルールに
製造することができる。なお、図2において30はワイ
ヤーであり、31はフェルールに加工される被加工物で
あるジルコニア焼結体である。
【0050】また、この発明に係るジルコニア焼結体
は、これを用いてベアリングボールにすることもでき
る。この発明に係るジルコニア焼結体で形成されたベア
リングボールは、耐摩耗性に優れ、つまり長期間にわた
ってベアリング機能が維持され、しかも熱膨張係数が大
きいので、高速回転により発する熱によってベアリング
機能が喪失することもない。更に、このジルコニア焼結
体は帯電防止性に優れるから、ボールベアリングの製造
工程において静電気を帯びて搬送路上での詰まりを起こ
すことがなく、円滑な連続生産が可能である。次にベア
リングボールの製造について、ジルコニアとチタン酸化
物とを原料にした例をもって説明する。ただし、ベアリ
ングボールの製造方法は以下の方法に限定はされない。
【0051】ジルコニアとチタン酸化物と必要な焼結助
剤とを混合して成形用下地粉末を調製する。図3に示さ
れるように、成形用素地粉末調製工程に使用される成形
用素地粉末調製装置に前記成形用下地原料を装填して成
形用素地粉末を調製する。なお、この図3に示される成
形用素地粉末調製装置の構成は、特開平2001−18
1051号公報に記載された図7、及び特開平2001
−146482号公報に記載された図7と同様である。
【0052】なお、簡単にいうと、図3に示されるよう
に、成形用素地粉末調製装置は、縦に配置された熱風ダ
クト4を含んで形成された熱風流通路1を備え、その熱
風ダクト4の中間には熱風の通過を許容するが乾燥メデ
ィア2の通過を許容しない気体流通体、例えば網及び穴
開き板等で形成されたメディア保持部5を配設してい
る。そのメディア保持部5上には、セラミック球からな
る乾燥メディア2が層状に集積されて乾燥メディア集積
体3が形成される。
【0053】この発明に係るジルコニア焼結体の原料で
あるジルコニア粉末及びチタニア粉末に水系溶媒を加え
て湿式混合することにより得られる泥漿6が、泥漿タン
ク20に貯留される。一方、成形用素地粉末調製装置に
おいては、乾燥メディア集積体3に対し下方から熱風が
強制送気されることにより、乾燥メディア2がメディア
保持部5の上方で躍動する。ここへ、泥漿タンク20か
らポンプPで汲み上げられて来た泥漿6が、躍動する乾
燥メディア2に、上方から落下供給される。落下供給さ
れる泥漿6は、熱風により乾燥されると共に乾燥メディ
ア2の表面に層状に付着し、乾燥メディア2の該表面に
粉末凝集層が形成される。乾燥メディア2は、熱風によ
り躍動状態になっているので、相互に衝突し、打撃し合
う。乾燥メディア2相互の衝突及び打撃により、乾燥メ
ディア2の表面に形成された粉末凝集層が破砕ないし粉
砕され、成形用素地粉末粒子が形成される。図3に示さ
れるように、この成形用素地粉末粒子が熱風気流と共に
搬送されてサイクロンSを経て回収部21に至り、成形
用素地粉末10となって回収される。
【0054】なお、成形用素地粉末粒子を調製するに際
し、ジルコニアと必要に応じて配合されるチタン酸化物
と必要な焼結助剤とのそれぞれの好適な平均粒子径、前
記成形用素地粉末粒子調製装置に供給される熱風の温度
及び流速等については前記公報に記載された内容を参考
にしつつ、適宜に決定されることができる。
【0055】得られた成形用素地粉末は、転動造粒法に
より球状に成形される。例えば図4に示されるように、
成形用素地粉末10と成形核体50とを造粒容器132
内に投入する。この造粒容器132の中心軸線を所定の
角度に傾斜させた状態で、造粒容器132内に例えばス
プレー噴霧等により水分を供給しつつ、この造粒容器1
32を一定の周速で回転させる。すると、成形核体50
が成形用素地粉末上を転動することにより、成形核体5
0の外表面に成形用素地粉末が付着し、凝集して球状成
形体となる。なお、図5中、51で示されるのは、水分
Wを供給する水分供給管である。なお、この球状成形体
が形成される工程が、転動造粒工程と称されることもあ
る。
【0056】転動造粒法で使用される転動造粒装置(例
えば図5においては30で示される)の運転条件等につ
いては、例えば特開平2001−181051号公報に
記載された説明、及び特開平2001−146482号
公報に記載された説明を参照することにより、容易に決
定されることができ、例えば造粒容器の回転速度は10
〜200rpmに調整され、水分Wの供給量は、最終的
に得られる球状成形体中の含水率が例えば10〜20質
量%になるように調整される。
【0057】この転動造粒法の採用により、例えば直径
が10mm程度までの高密度の球状成形体を、極めて効
率的に製造することができる。
【0058】球状成形体は、前記転動造粒法以外の方法
によっても製造されることができる。例えば特開平20
01−181051号公報における図19(a)及び
(b)に示されるところの、成形ダイのダイ孔に装入さ
れる上下のプレスパンチで成形用素地粉末を球状に圧縮
するダイプレス法により球状成形体を得ることができ
る。前記上下のプレスパンチには互いに対向する面に半
球状の凹部が形成されている。この半球状の凹部に成形
用素地粉末を装填して圧縮成形をするのであるが、得ら
れる球状成形体には鍔状の不要部分が形成されるので、
この不要部分は焼成の前後で研磨等により除去される。
また、別の方法として、冷間静水圧プレス(CIP)法
を採用することにより球状成形体を製造することもでき
る。具体的には、前記ダイプレス法により球状に仮成形
し、その仮成形体をゴムチューブ内に封入し、これに静
水圧を印加して等方加圧成形を行う。なお、一回の冷間
静水圧プレ球状成形体の密度が十分に向上しない場合に
は、この冷間静水圧プレスを繰り返して行う所謂サイク
ルCIP法を採用することもできる。
【0059】上記の外に、成形用素地粉末を熱可塑性バ
インダーに分散させてスラリーとし、このスラリーをノ
ズルから自由落下させて表面張力により球状にし、空気
中で冷却、固化させる方法(例えば特開昭63−229
137号公報参照)、成形用素地粉末とモノマー又はプ
レポリマーと分散溶媒とを含有するスラリーを、このス
ラリーと混和しない液体中に液滴として分散させ、その
状態でモノマー又はプレポリマーを重合させることによ
り球状成形体を得る方法(例えば特開平8−52712
号公報参照)等を、球状成形体の製造方法として例示す
ることができる。
【0060】以上のようにして得られた球状成形体を焼
結すると、ベアリング素球が形成される。球状成形体の
焼成は、例えば一次焼成及び二次焼成の二段階焼成によ
って行うことができる。一次焼成は、水素を含む1〜1
0気圧以下の非酸化性雰囲気下例えば水素/窒素混合ガ
ス雰囲気下にて1,600℃以下で行い、一次焼成後の
焼結体密度を小さくとも78%、好ましくは小さくとも
90%となるよう行うことが望ましい。一次焼成密度が
78%未満であると二次焼成後にポア等の欠陥が多く残
りやすくなる場合がある。二次焼成は、アルゴンを含む
10〜2,000気圧の非酸化性雰囲気で、1,300
〜1,700℃で行うことができる。焼成時における圧
力が10気圧未満であると、ポアが多く残留することが
あり、圧力が2,000気圧を超えてもそれに見合った
技術的効果の進展がないことがあって不経済である。ま
た焼成温度が1,300℃未満であると、ポア及びキレ
等の欠陥を消滅させることができずに強度不足となるこ
とがある。ただし、上記の二次焼成に相当する焼成条件
によって十分な高密度化を達成することができ、導電性
を発現することができ、欠陥等も少なくすることができ
るのであれば、一次焼成を省略して一段階焼成とするこ
とも可能である。
【0061】こうして得られた焼結体すなわちベアリン
グ素球は、その表面が精密研磨されて、ベアリングボー
ルとされる。
【0062】
【実施例】以下に、この発明の実施例を示す。
【0063】(実施例1〜3)Y含有の部分安定
化ジルコニア粉末(第一稀元素化学工業(株)製、製品
名:HSY)と、部分安定化ジルコニアとの合計に対し
て表1に示される配合割合のチタン酸化物(東邦チタニ
ウム(株)製、製品名:高純度チタニウム)と、部分安
定化ジルコニア及びチタン酸化物の合計に対して1:2
の割合(質量基準)で配合される純水とを、玉石と共に
樹脂ポットに入れ、16時間かけて湿式混合を行い、得
られた泥漿をプラスチックコンテナーに流延して60℃
に加熱しながら10時間加熱乾燥を行い、得られた固形
物を粉砕し、成形用素地粉末を製造した。また、アトラ
イタ調合機に装填して5時間の湿式混合を行い、流動式
乾燥機で乾燥することによっても成形用素地粉末を製造
することができた。
【0064】この成形用素地粉末を14.71×10
kPa(1.5ton/cmをSI単位に換算)の圧
力で、等方静水圧プレス成形して成形体を得、この成形
体を1380℃で水素/窒素混合ガス雰囲気中で一次焼
成を行い、次いで1450℃で1,500気圧のアルゴ
ンガス雰囲気中で二次焼成を行って以下の試験をするに
必要な試料を作成した。各試料につき、以下の評価試験
を行った。その評価試験の結果を表1に示した。
【0065】<ビッカース硬度>JIS R1610
(1991)に規定された方法に従って荷重19.61
Nにてビッカース硬度を求めた。
【0066】<破壊靱性>JIS R1607(199
0)に規定されたIF法に従って破壊靱性値を測定し
た。
【0067】<抵抗値>テスター(タケダリケン製、型
式:TR6824)により測定した。
【0068】<熱膨張係数>押棒式示差法により、石英
の標準サンプルの熱膨張と試料の熱膨張とを比較して熱
膨張係数を求めた。測定雰囲気は大気中である。
【0069】(比較例1)前記実施例1において使用さ
れたチタン酸化物を配合しなかった外は前記実施例1と
同様にして成形用素地粉末を得、この成形用素地粉末を
用いて前記実施例と同様の試験をするに必要な試料を作
成した。実施例1におけるのと同様の評価試験を行っ
た。その評価試験の結果を表1に示した。
【0070】
【表1】
【0071】実施例1〜3及び比較例1の試料につき、
X線光電子分光装置(日本電子(株)製)を使用するX
線回折によりd値を測定した。そのd値部にピークがあ
るものに○ないものに×を表2に示した。
【0072】
【表2】
【0073】(実施例4)前記実施例3における組成を
有するジルコニアとチタニアとからなる成形用素地粉末
をアトライターにより調製した。この成形用素地粉末を
用いて転動造粒することにより直径約2mmの球状成形
体を全体で50kg分作製した。この球状成形体を一次
焼成として水素及び窒素の混合ガス雰囲気下に、1気圧
及び1,340℃の条件で焼成し、次いで二次焼成とし
てアルゴン雰囲気下に、1,500気圧及び1,450
℃の条件で焼成した。焼成後のボールは、表面を、真球
度が0.05μm、算術平均粗さが0.002μmとな
るように精密研磨した。得られたボールの平均直径は
1.5875×10−3m(1/16インチ)であった。こ
の間、得られたボールは静電気の帯電がなく、円滑なハ
ンドリングをすることができた。
【0074】また、多数のボールを約30度に傾斜した
樋に流通させてポリプロピレン製の容器に落下させたと
ころ、静電気を帯びて途中でボールが詰まることがな
く、容器の内壁にボールが静電気で付着したりすること
がなかった。
【0075】(比較例2)比較例1におけるジルコニア
からなる成形用素地粉末を実施例1と同様にして調製し
た。この成形用素地粉末を用いて転動造粒することによ
り直径約2mmの球状成形体を作製した。この球状成形
体を前記実施例7と同様にして焼成してボールを得た。
焼成後のボールは、表面を、真球度が0.08μm、算
術平均粗さが0.012μmとなるように精密研磨し
た。この間、得られたボールは静電気帯電を起こして飛
散してしまい、円滑なハンドリングをすることができな
かった。また、多数のボールを約30度に傾斜した樋に
流通させてポリプロピレン製の容器に落下させたとこ
ろ、静電気を帯びて途中でボールが樋中に詰まり、また
容器の内壁にボールが静電気で付着した。
【0076】
【発明の効果】この発明によると、硬度、及び破壊靱性
がバランスよく優れ、導電性を有し、小さな熱膨張係数
を有するジルコニア焼結体を提供することができる。こ
の発明によると、また、帯電防止性に優れ、また放電加
工が容易であり、硬度及び破壊靱性がバランスよく優れ
たジルコニア焼結体を提供することができる。この発明
によると、高速運動下に曝されても容易に破壊されるこ
とがなく、寸法精度に狂い生じ難いジルコニア焼結体を
提供することできる。
【0077】この発明によると、製造工程において帯電
することにより搬送路途中で詰まりを起こすことがな
く、放電加工により容易に精密な表面精度に仕上げら
れ、耐摩耗性に優れて、寿命の長い耐摩耗性部材、光コ
ネクタ用部材、及びベアリングボールを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、光コネクタ用部材の一例を示す断面説
明図である。
【図2】図2は、この発明に係るジルコニア焼結体をワ
イヤーカット放電加工により製造するフェルールを示す
概略説明図である。
【図3】図3は、成型用素地粉末調製装置を示す概略説
明図である。
【図4】図4は転動造粒装置における造粒容器を示す斜
視図である。
【図5】図5は、前記造粒容器を傾斜した状態でこれを
回転させながら造粒する原理を示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・熱風流通路、2・・・乾燥メディア、3・・・
乾燥メディア集積体、4・・・熱風ダクト、5・・・メ
ディア保持部、6・・・泥漿、10・・・成形用素地粉
末、20・・・泥漿タンク、30・・・ワイヤー、31
・・・ジルコニア焼結体、50・・・成形核体、51・
・・水分供給管、132・・造粒容器、P・・・ポン
プ、S・・・サイクロン、W・・・水分

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線回折におけるd値が、 2.95±0.05Å、及び 1.41±0.05Å であることを特徴とするジルコニア焼結体。
  2. 【請求項2】X線回折におけるd値が、 3.61±0.05Å、及び 2.72±0.05Å、 である前記請求項1に記載のジルコニア焼結体。
  3. 【請求項3】周期表における第4族元素(但し、ジルコ
    ニウムを除く。)の酸化物を含んでなる前記請求項1又
    は2に記載の酸化ジルコニウム焼結体。
  4. 【請求項4】導電性を有する前記請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のジルコニウム焼結体。
  5. 【請求項5】部分安定化ジルコニアを含有してなる前記
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のジルコニウム焼結
    体。
  6. 【請求項6】前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    ジルコニア焼結体で形成されてなることを特徴とする耐
    摩耗性部材。
  7. 【請求項7】前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    ジルコニア焼結体で形成されてなることを特徴とするベ
    アリングボール。
  8. 【請求項8】前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の
    ジルコニア焼結体で形成されてなることを特徴とする光
    コネクタ用部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009512897A (ja) * 2005-10-24 2009-03-26 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光コネクタ、ファイバー分配ユニット及び光コネクタ用ファイバー終端処理プラットフォーム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009512897A (ja) * 2005-10-24 2009-03-26 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 光コネクタ、ファイバー分配ユニット及び光コネクタ用ファイバー終端処理プラットフォーム

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