JP2003212623A - セメント混和剤及びセメント硬化物の製造方法 - Google Patents

セメント混和剤及びセメント硬化物の製造方法

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JP2003212623A
JP2003212623A JP2002013670A JP2002013670A JP2003212623A JP 2003212623 A JP2003212623 A JP 2003212623A JP 2002013670 A JP2002013670 A JP 2002013670A JP 2002013670 A JP2002013670 A JP 2002013670A JP 2003212623 A JP2003212623 A JP 2003212623A
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cement
copolymer
acid
monomer
unsaturated
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Akihiko Yamashita
明彦 山下
Hiromichi Tanaka
宏道 田中
Toru Uno
亨 宇野
Yoshiyuki Onda
義幸 恩田
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強度及び耐久性に優れたセメント硬化物を与
え、しかも、セメント組成物の流動性を維持しつつ、低
温時の硬化時間の短縮が可能であるセメント混和剤及び
これを用いたセメント硬化物の製造方法を提供する。 【解決手段】 セメント混和剤は、共重合体(A)と硬
化促進剤(B)とを0.1/99.9〜90/10の比
率(重量%)で必須成分として含むものであり、該共重
合体(A)は、下記一般式(1)で表される不飽和(ポ
リ)アルキレングリコールエーテル系単量体(a)由来
の構成単位(I)と不飽和モノカルボン酸系単量体
(b)由来の構成単位(II)とを必須の構成単位とし
て有し、かつ、構成単位(I)と構成単位(II)とが
各々全構成単位中の1重量%以上を占め、構成単位
(I)の占める割合が全構成単位中の50モル%以下で
あり、構成単位(II)がアクリル酸(塩)に由来する
構造を少なくとも含んでなる。 YO(RO)nR …(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント硬化物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント組成物は、強度及び耐久性に優
れたセメント硬化物を与えることから、建築物外壁材、
建築物構造体等の用途に広く用いられている。このよう
なセメント組成物としては、セメントに水を添加したセ
メントペーストや、これに細骨材である砂を混合したモ
ルタル、さらに粗骨材である小石を混合したコンクリー
ト等が挙げられ、通常、空気連行性や流動性を高めるた
めに、セメント混和剤が加えられているが、近年、その
重要性が認識され、技術革新が盛んに行われている。
【0003】セメント混和剤の任務は、セメント組成物
を減水しても充分な分散性を発揮してその流動性及び施
工性を確保でき、減水による耐久性及び強度向上を実現
すると同時に、経時的に安定した分散性を保持して良好
なセメント組成物を獲得するところにある。そして昨今
のコンクリート業界では、このような性能を実現するコ
ンクリートが強く求められており、これを達成するには
単位水量の低減と共に、流動性低下の防止が重要な課題
となっている。
【0004】特開平9−241055号公報には、ポリ
オキシアルキレン化合物を必須成分とするセメント分散
剤に関し、亜硝酸カルシウムと組み合わせて使用するこ
とが開示され、又、特開平10−194808号公報に
は、特定のポリオキシアルキレン鎖を有するアルケニル
アルコールと不飽和カルボン酸系化合物とを必須構成単
位とする共重合体からなるセメント分散剤に関し、特開
平11−106247号公報には、アルケニルアルコー
ルのエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加
物又はそのアルキルエーテル化物を必須構成単位とする
共重合体からなるセメント用分散剤に関し、凝結促進剤
と組み合わせて使用してもよいことが開示されている。
【0005】しかしながら、これらの技術では、セメン
ト組成物を用いて施工し、低温の環境で硬化させる際
に、セメント組成物の流動性を維持しつつ、硬化時間の
短縮が可能となるようにするための工夫の余地があっ
た。即ち、低温の環境でセメント組成物を硬化させる場
合、硬化時間がかかることから、セメント組成物の硬化
において効率化するために硬化時間の短縮が望まれてい
るが、それと併せてセメント組成物の施工において効率
化するためにセメント組成物の流動性の向上が望まれて
いる。しかしながら、これらの技術では、低温の環境で
セメント組成物を施工してセメント硬化物を製造する場
合に、セメント組成物の流動性の向上と硬化時間の短縮
とを両立して作業性を向上させ、セメント組成物の施工
と硬化とを効率よく行うと共に、より充分にセメント硬
化物の性能を発揮させる工夫の余地があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みてなされたものであり、強度及び耐久性に優れたセ
メント硬化物を与え、しかも、セメント組成物の流動性
を維持しつつ、低温時の硬化時間の短縮が可能であるセ
メント混和剤及びこれを用いたセメント硬化物の製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セメント
混和剤について鋭意検討の結果、特定の構造単位を有す
る共重合体(A)が高い分散性能を有し、強度及び耐久
性に優れたセメント硬化物を与えることにまず着目し
た。そしてこのような共重合体(A)を含むセメント混
和剤を用いてセメント組成物を施工して特定の温度条件
下で硬化させる場合、共重合体(A)に対して特定量の
硬化促進剤(B)を併用すると、共重合体(A)により
分散性能等が発揮されてセメント組成物の流動性を維持
しつつ、硬化促進剤(B)により硬化時間の短縮が可能
となることを見いだした。このように、共重合体(A)
と硬化促進剤(B)とを組み合わせると、硬化促進剤
(B)の作用により共重合体(A)の分散性能等を低下
させてセメント組成物の流動性が維持できなくなること
はなく、特定の温度条件下で硬化させる場合に共重合体
(A)と硬化促進剤(B)との作用効果を充分に発揮さ
せることができ、上記課題をみごとに解決することがで
きることに想到し、本発明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、共重合体(A)と硬化促
進剤(B)とを0.1/99.9〜90/10の比率
(重量%)で必須成分として含むセメント混和剤であっ
て、該共重合体(A)は、下記一般式(1); YO(RO)nR (1) (式中、Yは、炭素原子数2〜4のアルケニル基を表
す。ROは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜
18のオキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキ
レン基の平均付加モル数であり、1〜500の数を表
す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水
素基を表す。)で表される不飽和(ポリ)アルキレング
リコールエーテル系単量体(a)由来の構成単位(I)
と不飽和モノカルボン酸系単量体(b)由来の構成単位
(II)とを必須の構成単位として有し、かつ、構成単
位(I)と構成単位(II)とが各々全構成単位中の1
重量%以上を占め、構成単位(I)の占める割合が全構
成単位中の50モル%以下であり、構成単位(II)が
アクリル酸(塩)に由来する構造を少なくとも含んでな
ることを特徴とするセメント混和剤である。
【0009】本発明は又、上記セメント混和剤、セメン
ト及び水を必須成分とするセメント組成物を施工して、
30℃以下の温度条件下で硬化させることを特徴とする
セメント硬化物の製造方法でもある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。
【0011】本発明によるセメント混和剤は、共重合体
(A)と硬化促進剤(B)とを0.1/99.9〜90
/10の比率(重量%)で必須成分として含む。上記共
重合体(A)は、セメント混和剤用共重合体であり、セ
メント組成物中で高い分散性能を発揮し、強度及び耐久
性に優れたセメント硬化物を与えることができるもので
ある。又、上記硬化促進剤(B)は、セメント組成物を
用いて施工し、硬化させる際に、セメント組成物の分散
性を向上させるための共重合体(A)の作用を充分に発
揮させつつ、低温においてセメント組成物の硬化を促進
する作用を有するものである。これらはそれぞれ単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0012】本発明で用いられる硬化促進剤(B)とし
ては、無機系化合物として、例えば、塩化カルシウム、
塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩
化鉄等の塩化物類;亜硝酸カルシウム、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩類;硝酸カルシウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩類;硫酸カル
シウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩類;
チオ硫酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カ
リウム等のチオ硫酸塩類;チオシアン酸ナトリウム等の
チオシアン酸塩類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ類;炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の炭酸塩類;臭化カルシウム、ヨウ化カル
シウム等のハロゲン化カルシウム類;等が挙げられ、有
機系化合物として、例えば、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等のアミン類;ギ酸カルシウム、酢酸
カルシウム等の有機酸のカルシウム塩類;等が挙げられ
る。中でも、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、硝酸
カルシウム、チオ硫酸カルシウム、臭化カルシウム、ヨ
ウ化カルシウム、ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム等の
水に易溶性のカルシウム塩類を用いることが好ましく、
これらの中では、無機系化合物としては塩化カルシウム
或いは亜硝酸カルシウムを、有機系化合物としてはギ酸
カルシウムを用いることがより好ましい。
【0013】尚、塩化カルシウム等の塩化物類は、塩化
物イオンがコンクリート中の鉄筋を錆させる作用を有す
るため、無筋コンクリート、或いは、カーボンファイバ
ーやグラスファイバーで補強されたコンクリート等の鉄
筋コンクリート以外の用途にセメント組成物を用いる場
合に使用するのが好ましい。一方、亜硝酸カルシウム、
硝酸カルシウム、ギ酸カルシウム等の塩化カルシウム以
外の上記の水に易溶性のカルシウム塩類は、このような
制限無しに広い用途に使用することができる。中でも、
亜硝酸カルシウムは、防錆効果を有していることから、
鉄筋コンクリートに特に好適に使用することができ、亜
硝酸カルシウムと塩化カルシウムとの組み合わせ、亜硝
酸カルシウムとチオシアン酸ナトリウムとの組み合わせ
等の亜硝酸カルシウムを必須成分とする2種類以上の硬
化促進剤の組み合わせが可能である。
【0014】上記共重合体(A)と硬化促進剤(B)と
の比率、即ち固形分換算での重量割合(重量%)として
は、0.1/99.9〜90/10である。90/10
よりも共重合体(A)の割合が多くなると、低温におけ
るセメント組成物の硬化を効率的に行うことができなく
なり、0.1/99.9よりも共重合体(A)の割合が
少なくなると、セメント組成物を施工する間、その分散
性を維持することができなくなる。上記比率の好ましい
範囲としては、1/99〜70/30である。より好ま
しくは、2/98〜50/50である。
【0015】本発明のセメント硬化物の製造方法におい
ては、上記セメント混和剤、セメント及び水を必須成分
とするセメント組成物を施工して、30℃以下の温度条
件下で硬化させることになる。即ち、セメント組成物の
硬化温度は、30℃以下となる。このような温度条件下
でセメント組成物を硬化させるときに、共重合体(A)
を必須とするセメント混和剤を用いる場合におけるセメ
ント組成物の流動性を維持しつつ、硬化時間を短縮して
効率的にかつ容易にセメント組成物の施工と硬化とを行
うことが可能になるという作用効果が発揮されることに
なる。
【0016】セメント硬化物の製造方法において、セメ
ント分散剤を用いる場合、セメント組成物の流動性が向
上することになるが、硬化温度が30℃以下のときに硬
化時間がかかることから促進剤等を併用すると、セメン
ト組成物の施工においてセメントと水とによる水和反応
が促進され、セメント硬化物が部分的に形成されるに従
って、セメント分散剤等が該セメント硬化物中に取り込
まれ、その作用を発揮することができなくなることに起
因してセメント組成物の流動性が充分ではなくなること
になる。本発明では、硬化温度が30℃以下のときに、
セメント組成物の分散性を向上させるために共重合体
(A)を用い、セメント組成物の硬化を促進することが
できる硬化促進剤(B)を用いることにより、セメント
組成物の施工においては共重合体(A)の作用効果を充
分に発揮させつつ、セメント組成物の硬化においては硬
化促進剤(B)の作用効果を発揮させることが可能とな
る。
【0017】即ち、本発明では、共重合体(A)と硬化
促進剤(B)とを組み合わせることにより、共重合体
(A)による作用効果を維持しつつ、硬化時間を短縮し
て、セメント硬化物の製造における作業を効率的にかつ
容易に行うと共に、より充分にセメント硬化物の性能を
発揮させることが可能となる。硬化温度が30℃を超え
ると、硬化促進剤(B)を用いなくてもセメント組成物
の硬化が充分に進行することから、硬化促進剤(B)
は、硬化温度が30℃以下のときにその作用効果が充分
に発揮されることになる。尚、本発明のセメント硬化物
の製造方法においては、その作用効果が充分に発揮され
るように、セメント組成物を硬化させる間の一部又は全
部の期間の温度条件が30℃以下となればよい。
【0018】本発明の好ましい形態としては、冬場等の
施工及び硬化において適用されることであり、例えば、
硬化温度が25℃以下の場合に適用することである。よ
り好ましくは20℃以下、特に好ましくは15℃以下で
ある。尚、本発明において施工とは、セメント組成物を
調製した後に、該セメント組成物を硬化させようとする
までの工事等における工程を意味し、例えば、セメント
組成物をアジテーター車(生コンクリートミキサー車)
により輸送したりポンプ等により移送したり型枠等に充
填したりする工程等が挙げられる。又、硬化温度とは、
セメント組成物を硬化させる際の環境温度を意味する。
【0019】以下に、共重合体(A)やセメント組成物
について説明する。上記共重合体(A)は、上記一般式
(1)で表される不飽和(ポリ)アルキレングリコール
エーテル系単量体(a)由来の構成単位(I)と不飽和
モノカルボン酸系単量体(b)由来の構成単位(II)
とを必須の構成単位として有する重合体である。尚、共
重合体(A)は、後述の単量体(c)由来の構成単位
(III)を有していてもよい。これらの構造単位はそ
れぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
【0020】上記共重合体(A)において、構成単位
(I)と構成単位(II)とが各々全構成単位中の1重
量%以上を占め、構成単位(I)の占める割合が全構成
単位中の50モル%以下であり、構成単位(II)がア
クリル酸(塩)に由来する構造を少なくとも含んでな
る。上記構成単位(I)の割合が1重量%未満では、共
重合体(A)中に存在する不飽和(ポリ)アルキレング
リコールエーテル系単量体(a)由来のオキシアルキレ
ン基の割合が少なすぎ、又、上記構成単位(II)の割
合が1重量%未満では、共重合体(A)中に存在する不
飽和モノカルボン酸系単量体(b)由来のカルボキシル
基の割合が少なすぎ、充分な分散性を発揮し得ないこと
となる。一方、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエ
ーテル系単量体(a)の重合性が低いことから、分散性
の高い共重合体(A)を高収率で得るために、構成単位
(I)の占める割合が全構成単位中の50モル%以下で
あり、構成単位(II)がアクリル酸(塩)に由来する
構造を少なくとも含んでなることが重要である。尚、構
成単位(I)の占める割合としては、5重量%以上が好
ましく、10重量%以上がより好ましく、20重量%以
上がさらに好ましく、40重量%以上が最も好ましい。
又、共重合体(A)における構成単位(I)と構成単位
(II)との合計の比率(重量%)としては、共重合体
(A)全体の50〜100重量%が好ましく、70〜1
00重量%がより好ましい。
【0021】上記不飽和(ポリ)アルキレングリコール
エーテル系単量体(a)を表す一般式(1)において、
オキシアルキレン基ROの炭素原子数としては、2〜
18が適当であるが、2〜8が好ましく、2〜4がより
好ましい。又、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等の中から選
ばれる任意の2種類以上のアルキレンオキシド付加物に
ついては、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等の
いずれの形態であってもよい。尚、親水性と疎水性との
バランス確保のため、オキシアルキレン基中にオキシエ
チレン基を必須成分として有することが好ましく、50
モル%以上がオキシエチレン基であることがより好まし
く、90モル%以上がオキシエチレン基であることがさ
らに好ましく、95モル%以上がオキシエチレン基であ
ることが最も好ましい。
【0022】上記一般式(1)におけるオキシアルキレ
ン基の平均付加モル数nは、1〜500であることが適
当である。好ましくは2〜500、より好ましくは10
〜500、さらに好ましくは20〜500、特に好まし
くは30〜500、最も好ましくは40〜300であ
る。平均付加モル数が小さいほど、得られる重合体の親
水性が低下して分散性能が低下する傾向があり、一方、
500を超えると、共重合反応性が低下する傾向とな
る。尚、平均付加モル数とは、単量体1モル中において
付加している当該有機基のモル数の平均値を意味する。
【0023】上記一般式(1)におけるRは、水素原
子又は炭素原子数1〜30の炭化水素基であればよく、
該炭素原子数1〜30の炭化水素基としては、例えば、
炭素原子数1〜30のアルキル基(脂肪族アルキル基又
は脂環族アルキル基)、炭素原子数6〜30のフェニル
基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アル
キル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基
等のベンゼン環を有する芳香族基等が挙げられる。R
においては、炭化水素基の炭素原子数が増大するに従っ
て疎水性が大きくなり、分散性が低下するため、R
炭化水素基の場合の炭素原子数としては、1〜22が好
ましく、1〜18がより好ましく、1〜12がさらに好
ましく、1〜4が特に好ましく、そしてRが水素原子
の場合が最も好ましい。
【0024】上記一般式(1)におけるYで表されるア
ルケニル基の炭素原子数としては、2〜4が適当である
が、3〜4が好ましく、4がより好ましい。具体的に
は、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる
が、アリル基又はメタリル基が好ましく、メタリル基が
より好ましい。
【0025】上記一般式(1)で表される不飽和(ポ
リ)アルキレングリコールエーテル系単量体(a)とし
ては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール
等の不飽和アルコールにアルキレンオキシドを1〜50
0モル付加して製造することができるが、具体的には、
(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテル、
(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メ
タ)アリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレ
ングリコール(メタ)アリルエーテル等が挙げられる。
本発明では、構成単位(I)を与える単量体(a)とし
て、これらの1種を単独で使用できるほか、2種以上を
併用することができる。
【0026】上記共重合体(A)における構成単位(I
I)は、アクリル酸(塩)由来の構造を少なくとも含ん
でなることが重要であり、不飽和モノカルボン酸系単量
体(b)としては、少なくともアクリル酸又はその塩を
含むことが必須である。アクリル酸又はその塩由来の構
造を含むことにより、少量で優れた分散性を発揮するこ
とができる。尚、アクリル酸の塩としては、例えば、一
価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩
等を挙げることができる。又、構成単位(II)は、ア
クリル酸又はその塩由来の構造以外の構造を含んでいて
も良く、アクリル酸又はその塩以外の不飽和モノカルボ
ン酸系単量体(b)としては、例えば、メタクリル酸、
クロトン酸、又はこれらの一価金属塩、二価金属塩、ア
ンモニウム塩、有機アミン塩等を挙げることができ、こ
れらの1種又は2種以上を用いることができる。これら
の中でも特に、不飽和モノカルボン酸系単量体(b)と
して、アクリル酸(塩)のみを含む形態が好ましいが、
アクリル酸(塩)とメタクリル酸(塩)とを含む形態
は、本発明の好ましい実施形態の一つである。
【0027】上記共重合体(A)において、構成単位
(II)の占める割合は、共重合体(A)の全構成単位
中の1重量%以上であることが重要であるが、2重量%
以上であることが好ましく、3重量%以上であることが
より好ましく、4重量%以上であることがとりわけ好ま
しい。一方、上記共重合体(A)において、構成単位
(II)として必須であるアクリル酸(塩)由来の構造
の占める割合は、共重合体(A)の全構成単位中の0.
5重量%以上であることが好ましく、1重量%以上であ
ることがより好ましく、2重量%以上であることがさら
に好ましく、3重量%以上であることがとりわけ好まし
い。
【0028】上記共重合体(A)においては、該重合体
(A)中のカルボキシル基を未中和型に換算した該共重
合体(A)1g当りのカルボキシル基のミリ当量数(m
eq/g)が0.2〜5.0となるように、各構成単位
の比率を設定することが好ましい。上記カルボキシル基
のミリ当量数(meq/g)としては、0.3〜4.5
がより好ましく、0.3〜4.0がさらに好ましく、
0.4〜3.5が特に好ましく、0.4〜3.0が最も
好ましい。カルボキシル基のミリ当量数が大きくなると
スランプ保持性が低下傾向となり、他方、小さくなると
初期の分散性が低下傾向となる。従って、上記共重合体
(A)において、該重合体(A)中のカルボキシル基を
未中和型に換算した該共重合体(A)1g当りのカルボ
キシル基のミリ当量数(meq/g)が上記の範囲内と
なるように、構成単位(II)の占める割合を設定する
のが好ましい。
【0029】上記共重合体(A)において、不飽和モノ
カルボン酸系単量体(b)由来のカルボキシル基を有す
る構成単位(II)以外に、その他のカルボキシル基を
もつ構成単位を有していてもよいことから、共重合体
(A)の上記カルボキシル基のミリ当量数は、構成単位
(II)に由来するカルボキシル基に起因するとは限ら
れない。このことをも考慮して構成単位(II)の占め
る割合の上限を設定することが必要である。
【0030】上記「共重合体(A)中のカルボキシル基
を未中和型に換算した該共重合体(A)1g当りのカル
ボキシル基のミリ当量数(meq/g)」とは、共重合
体(A)が塩を形成する場合を考慮したものであり、酸
の場合と塩を形成した場合の計算方法を以下に挙げる。
尚、以下の計算では、構成単位(II)由来のカルボキ
シル基のみを例示しているが、カルボキシル基を有する
その他の構成単位を含む場合には、これもカルボキシル
基のミリ当量数に含めなければならない。
【0031】(計算例1):単量体(b)としてアクリ
ル酸を用い、単量体(a)/単量体(b)=90/10
(重量%)の組成比の共重合体が得られた場合、アクリ
ル酸の分子量は72であるので、単量体(b)に由来す
るカルボキシル基を未中和型に換算した該重合体1g当
りのカルボキシル基のミリ当量数(meq/g)=
(0.1/72)×1000=1.39となる。
【0032】(計算例2):単量体(b)としてアクリ
ル酸ナトリウムを用い、単量体(a)/単量体(b)=
80/20(重量%)の組成比の共重合体が得られた場
合、アクリル酸ナトリウムの分子量は94、アクリル酸
の分子量は72であるので、単量体(b)に由来するカ
ルボキシル基を未中和型に換算した該重合体1g当りの
カルボキシル基のミリ当量数(meq/g)=(0.2
×72/94)/(0.8+0.2×72/94)/7
2×1000=2.23となる。尚、重合時にはアクリ
ル酸を用い、重合後にアクリル酸に由来するカルボキシ
ル基を水酸化ナトリウムで完全に中和した場合も、この
計算例と同様となる。
【0033】上記カルボキシル基のミリ当量数(meq
/g)は、上記のような単量体に基づいた計算法で算出
する以外に、共重合体(A)のカルボキシル基の対イオ
ンの種類を考慮した上で、該共重合体(A)の酸価を測
定することによって算出することもできる。
【0034】上記共重合体(A)は、例えば、構成単位
(I)を与える不飽和(ポリ)アルキレングリコールエ
ーテル系単量体(a)及び構成単位(II)を与える不
飽和モノカルボン酸系単量体(b)を必須成分として含
む単量体成分を共重合して製造することができるが、こ
れに限定されない。例えば、単量体(a)の代わりに、
アルキレンオキシドを付加する前の単量体、即ちメタリ
ルアルコール等の不飽和アルコールを用い、これを重合
開始剤の存在下で単量体(b)と共重合させた後、アル
キレンオキシドを平均1〜500モル付加する方法によ
っても得ることができる。尚、単量体成分を共重合する
際には、必要に応じ、上記単量体と共重合可能なその他
の単量体をさらに共重合させてもよい。
【0035】上記共重合体(A)において、必須の構成
単位を与える単量体成分以外に、その他の共重合可能な
単量体(c)を用いることができる。このような単量体
(c)により構成単位(III)が形成されることにな
る。尚、単量体(c)由来の構成単位(III)の占め
る割合は、共重合体(A)の全構成単位中の70重量%
以下であることが好ましく、50重量%以下であること
がより好ましく、30重量%以下であることがさらに好
ましい。上記構成単位(III)を与える単量体(c)
としては、単量体(a)及び/又は単量体(b)と共重
合可能な単量体であり、例えば、下記のもの等が挙げら
れ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0036】マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類、
及びこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム
塩、有機アミン塩類;マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエ
ステル、ジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭
素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド、ジアミド
類;上記アルコールやアミンに炭素原子数2〜18のア
ルキレンオキシドを1〜500モル付加させたアルキル
(ポリ)アルキレングリコールと上記不飽和ジカルボン
酸類とのハーフエステル、ジエステル類;上記不飽和ジ
カルボン酸類と炭素原子数2〜18のグリコール又はこ
れらのグリコールの付加モル数2〜500のポリアルキ
レングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロト
ネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン
酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル
類;炭素原子数1〜30のアルコールに炭素原子数2〜
18のアルキレンオキシドを1〜500モル付加させた
アルコキシ(ポリ)アルキレングリコールと(メタ)ア
クリル酸等の不飽和モノカルボン酸類とのエステル類;
(ポリ)エチレングリコールモノメタクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールモノメタクリレート、(ポ
リ)ブチレングリコールモノメタクリレート等の、(メ
タ)アクリル酸等の不飽和モノカルボン酸類への炭素原
子数2〜18のアルキレンオキシドの1〜500モル付
加物類;マレアミド酸と炭素原子数2〜18のグリコー
ル又はこれらのグリコールの付加モル数2〜500のポ
リアルキレングリコールとのハーフアミド類。
【0037】トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキ
レングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレー
ト類;トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレ
ングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコ
ールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリ
ルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスル
ホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネ
ート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロ
ピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒ
ドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メ
タ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスル
ホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスル
ホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、
(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチル
プロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレン
スルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの
一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミ
ン塩;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モ
ノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミ
ド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−
ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペ
ンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカン
ジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イ
ソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロ
ル−1,3−ブタジエン等のジエン類。
【0038】(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリ
ルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不
飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロ
アクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アク
リル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノ
エチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)
アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の
不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族
類;トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メ
タ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエー
テル等のアリル類;メトキシポリエチレングリコールモ
ノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニル
エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アリルエーテル、等のビニルエーテル或いはアリル
エーテル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマ
レインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピ
レンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン
−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジ
メチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレイ
ンアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピ
ル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−
(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチル
シロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレー
ト)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル
−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
【0039】本発明における共重合体(A)を得るに
は、重合開始剤を用いて上記単量体成分を共重合させれ
ばよい。共重合は、溶液重合や塊状重合等の公知の方法
で行うことができる。溶液重合は回分式でも連続式でも
行うことができ、その際に使用される溶媒としては特に
限定されず、例えば、水;メチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘ
キサン等の芳香族或いは脂肪族炭化水素;酢酸エチル等
のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環
状エーテル化合物等が挙げられるが、原料単量体及び得
られる重合体の溶解性から、水及び炭素数1〜4の低級
アルコールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用
いることが好ましく、その中でも水を溶媒に用いるの
が、脱溶剤工程を省略できる点でさらに好ましい。
【0040】上記共重合体(A)を製造するために水溶
液重合を行なう場合には、ラジカル重合開始剤として、
水溶性の重合開始剤、例えば、過硫酸アンモニウム、過
硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化
水素;2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミ
ジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビ
ス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸
塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾ
イソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物等の水溶性
アゾ系開始剤等が使用され、この際、亜硫酸水素ナトリ
ウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜
燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロ
キシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキ
シルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸
(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤を併用するこ
ともできる。中でも、過酸化水素とL−アスコルビン酸
(塩)等の促進剤との組み合わせが好ましい。これらの
ラジカル重合開始剤や促進剤はそれぞれ単独で用いても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0041】又、低級アルコール、芳香族若しくは脂肪
族炭化水素、エステル化合物、又は、ケトン化合物を溶
媒とする溶液重合を行う場合には、ベンゾイルパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシ
ド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシ
ド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキ
シド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物等が
ラジカル重合開始剤として用いられる。この際アミン化
合物等の促進剤を併用することもできる。さらに、水−
低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々
のラジカル重合開始剤、又は、ラジカル重合開始剤と促
進剤の組み合わせの中から適宜選択して用いることがで
きる。
【0042】さらに塊状重合を行う場合には、ラジカル
重合開始剤として、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイ
ルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキ
シド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイド
ロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物等を用い、50〜20
0℃の温度で行われる。
【0043】各単量体の反応容器への投入方法は特に限
定されず、全量を反応容器に初期に一括投入する方法、
全量を反応容器に分割若しくは連続投入する方法、一部
を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割若し
くは連続投入する方法のいずれでもよい。具体的には、
単量体(a)と単量体(b)の全部を反応容器に連続投
入する方法、単量体(a)の一部を反応容器に初期に投
入し、単量体(a)の残りと単量体(b)の全部を反応
容器に連続投入する方法、或いは、単量体(a)の一部
と単量体(b)の一部を反応容器に初期に投入し、単量
体(a)の残りと単量体(b)の残りをそれぞれ反応容
器に交互に数回に分けて分割投入する方法等が挙げられ
る。さらに、反応途中で各単量体の反応容器への投入速
度を連続的又は段階的に変えることにより各単量体の単
位時間当りの投入重量比を連続的又は段階的に変化させ
て、共重合体中の構成単位(I)と構成単位(II)の
比率が異なる共重合体の混合物を重合反応中に合成する
ようにしてもよい。尚、ラジカル重合開始剤は反応容器
に初めから仕込んでも良く、反応容器へ滴下しても良
く、又目的に応じてこれらを組み合わせてもよい。
【0044】上記共重合体(A)の分子量調整のため、
連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては
特に限定されず、例えば、メルカプトエタノール、チオ
グリセロール、チオグリコール酸、2−メルカプトプロ
ピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ
酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピ
オン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホン酸等の
チオール系連鎖移動剤;イソプロパノール等の第2級ア
ルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びその塩(次亜リ
ン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)や、亜硫酸、
亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、及びその塩
(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナト
リウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウ
ム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、
メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及びその塩;等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
を併用してもよい。さらに、共重合体(A)の分子量調
整のためには、単量体(c)として(メタ)アリルスル
ホン酸(塩)類等の連鎖移動性の高い単量体を用いるこ
とも有効である。
【0045】連鎖移動剤としては、分子量の調整ができ
る化合物であればよく、具体的には、メルカプトエタノ
ール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2−メル
カプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チ
オリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプ
トプロピオン酸オクチル、2−メルカプトエタンスルホ
ン酸、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタ
ン、ブチルチオグリコレート等のチオール系連鎖移動
剤;四塩化炭素、塩化メチレン、ブロモホルム、ブロモ
トリクロロエタン等のハロゲン化物;イソプロパノール
等の第2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸、及びそ
の塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)
や、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫
酸、及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオ
ン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物及
びその塩;等を用いることができる。
【0046】所定の分子量の共重合体を再現性よく得る
には、共重合反応を安定に進行させることが必要である
ことから、溶液重合する場合には、使用する溶媒の25
℃における溶存酸素濃度を5ppm以下の範囲とするこ
とが好ましい。好ましくは0.01〜4ppmの範囲、
さらに好ましくは0.01〜2ppmの範囲、最も好ま
しくは0.01〜1ppmの範囲である。尚、溶媒に単
量体を添加後、窒素置換等を行う場合には、単量体をも
含んだ系の溶存酸素濃度を上記範囲内とする。尚、溶媒
の溶存酸素濃度の調整は、重合反応槽で行ってもよく、
予め溶存酸素量を調整したものを用いてもよく、溶媒中
の酸素を追い出す方法としては、例えば、下記の(1)
〜(5)の方法が挙げられる。 (1)溶媒を入れた密閉容器内に窒素等の不活性ガスを
加圧充填後、密閉容器内の圧力を下げることで溶媒中の
酸素の分圧を低くする。窒素気流下で、密閉容器内の圧
力を下げてもよい。 (2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性
ガスで置換したまま液相部分を長時間激しく攪拌する。 (3)容器内に入れた溶媒に窒素等の不活性ガスを長時
間バブリングする。 (4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰
囲気下で冷却する。 (5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサ
ー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒
素等の不活性ガスを混合する。
【0047】上記共重合体(A)は、そのままでもセメ
ント混和剤の主成分として用いられるが、取り扱い性の
観点からは、水溶液状態で弱酸性以上のpH範囲に調整
しておくことが好ましく、より好ましくはpH4以上、
さらに好ましくはpH5以上、とりわけ好ましくはpH
6以上の範囲である。一方、共重合反応をpH7以上で
行なってもよいが、その場合、重合率の低下が起こると
同時に、共重合性が悪くなり分散性能が低下するので、
酸性から中性のpH範囲で共重合反応を行なうことが好
ましく、より好ましくはpH6未満、さらに好ましくは
pH5.5未満、とりわけ好ましくはpH5未満の範囲
である。従って、低いpHで共重合反応を行なった後に
アルカリ性物質を添加してより高いpHに調整すること
が好ましく、好適な実施形態として具体的には、pH6
未満で共重合反応を行なった後にアルカリ性物質を添加
してpH6以上に調整する方法、pH5未満で共重合反
応を行なった後にアルカリ性物質を添加してpH5以上
に調整する方法、pH5未満で共重合反応を行なった後
にアルカリ性物質を添加してpH6以上に調整する方法
等が挙げられる。pHの調整は、例えば、一価金属又は
二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;
有機アミン;等のアルカリ性物質を用いて行なうことが
できる。又、pHを下げる必要の有る場合、特に、重合
の際にpHの調整が必要な場合は、リン酸、硫酸、硝
酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン
酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸等の酸性物質を用
いてpHの調整を行なうことができ、これら酸性物質の
中では、pH緩衝作用がある点等からリン酸が好まし
い。又、反応終了後、必要ならば濃度調整を行うことも
できる。又、上記共重合体(A)は、水溶液の形態でそ
のままセメント混和剤の主成分として使用しても良い
し、あるいは、カルシウム、マグネシウム等の二価金属
の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させた
り、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させた
りすることにより粉体化して使用しても良い。
【0048】上記共重合体(A)の重量平均分子量とし
ては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下
「GPC」ともいう)によるポリエチレングリコール換
算で1000〜500000が適当であるが、5000
〜300000が好ましく、10000〜150000
がより好ましい。このような重量平均分子量の範囲を選
ぶことで、より高い分散性能を発揮するセメント混和剤
が得られる。
【0049】本発明のセメント混和剤は、必須成分であ
る共重合体(A)と硬化促進剤(B)以外に、さらに水
溶性ポリアルキレングリコール(C)を上記共重合体
(A)に対して1〜50重量%含有することが好まし
い。より好ましくは2〜50重量%、さらに好ましくは
2〜40重量%、とりわけ好ましくは3〜30重量%で
ある。水溶性ポリアルキレングリコール(C)をも含有
することにより、モルタルやコンクリート等のセメント
組成物のワーカビリティをより向上させることができる
セメント混和剤となる。水溶性ポリアルキレングリコー
ル(C)の含有量が1重量%未満の場合には、ワーカビ
リティの向上効果が不十分となり好ましくなく、他方、
50重量%を超える場合には、セメントに対する分散性
が低下して好ましくない。
【0050】又、水溶性ポリアルキレングリコール
(C)を構成するオキシアルキレン基が、炭素原子数が
2〜18のオキシアルキレン基の1種又は2種以上の混
合物であり、該水溶性ポリアルキレングリコールの末端
基が、水素原子、炭素原子数1〜30のアルキル基又は
(アルキル)フェニル基であることが好ましい。水溶性
ポリアルキレングリコール(C)のオキシアルキレン基
の炭素原子数としては、2〜18の範囲が適当である
が、2〜8の範囲が好ましく、2〜4の範囲がより好ま
しい。さらに、水溶性ポリアルキレングリコール(C)
は水溶性であることが必要であることから、親水性の高
い炭素原子数が2のオキシアルキレン基、即ちオキシエ
チレン基を必須成分として含むことが好ましく、50モ
ル%以上がオキシエチレン基であることがより好まし
く、90モル%以上がオキシエチレン基であることがさ
らに好ましい。又、オキシアルキレン基の繰り返し単位
は同一であってもあるいは異なっていてもよく、オキシ
アルキレン基が2種以上の混合物の形態である場合に
は、ブロック状付加、ランダム状付加、交互状付加等の
いずれの付加形態でもよい。又、水溶性ポリアルキレン
グリコール(C)の末端基は水素原子、炭素原子数1〜
30のアルキル基又は(アルキル)フェニル基が適当で
あるが、該炭素原子数としては、1〜22が好ましく、
1〜18がより好ましく、1〜12がさらに好ましく、
1〜4が特に好ましく、水素原子の場合が最も好まし
い。又、水溶性ポリアルキレングリコール(C)の平均
分子量としては、500〜200,000の範囲が好ま
しいが、1,000〜100,000の範囲がより好ま
しく、2,000〜50,000の範囲がさらに好まし
い。
【0051】両末端基が水素原子である水溶性ポリアル
キレングリコール(C)として具体的には、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレ
ンポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリブチレ
ングリコール等が挙げられるが、水溶性ポリアルキレン
グリコール(C)は水溶性であることが必要であること
から、親水性の高いオキシエチレン基を必須成分として
含むポリアルキレングリコールが好ましく、90モル%
以上のオキシエチレン基を必須成分として含むポリアル
キレングリコールがより好ましい。中でもポリエチレン
グリコール又はポリエチレンポリプロピレングリコール
が好ましく、ポリエチレングリコールが最も好ましい。
又、2種類以上の水溶性ポリアルキレングリコール
(C)を用いてもよい。尚、本発明の水溶性ポリアルキ
レングリコール(C)は、水溶性であることが必要であ
ることから、本質的に水不溶性である公知のオキシアル
キレン系消泡剤を本発明の水溶性ポリアルキレングリコ
ール(C)として用いることはできない。
【0052】上記水溶性ポリアルキレングリコール
(C)は、上記共重合体(A)の製造後に配合してもよ
いが、共重合体(A)を製造する際に、上記不飽和(ポ
リ)アルキレングリコールエーテル系単量体(a)と上
記不飽和モノカルボン酸系単量体(b)とを必須成分と
して含む単量体成分以外に、水溶性ポリアルキレングリ
コール(C)をも含む組成物を原料として共重合反応を
行なうことによって、共重合体(A)と水溶性ポリアル
キレングリコール(C)とを含有するセメント混和剤を
得ることができる。
【0053】本発明で用いられる不飽和(ポリ)アルキ
レングリコールエーテル系単量体(a)は、アリルアル
コール、メタリルアルコール等の不飽和アルコール類
に、アルキレンオキシドを1〜500モル付加すること
によって得ることができるが、この付加反応の際に、反
応系に該不飽和アルコール類以外の飽和脂肪族アルコー
ル類(メタノール、エタノール等)や水等の活性水素を
有する化合物が存在していると、主生成物である該単量
体(a)以外に、該活性水素を有する化合物を出発物質
とするポリアルキレングリコールを副生成物として含む
組成物が得られる。本発明では、該単量体(a)の製造
の際に副生するポリアルキレングリコールを除去せず
に、主生成物である該単量体(a)以外にポリアルキレ
ングリコールを副生成物として含む組成物を原料として
次の共重合反応を行なうことができ、この製造方法によ
り、容易に上記共重合体(A)と水溶性ポリアルキレン
グリコール(C)とを含有するセメント混和剤を得るこ
とができる。尚、単量体(a)の製造の際に副生するポ
リアルキレングリコールが、両末端基が水素原子のポリ
アルキレングリコール、即ち、ポリエチレングリコール
やポリエチレンポリプロピレングリコール等の場合に
は、活性水素を2個有する水を出発物質としていること
から、該ポリアルキレングリコールの分子量は、活性水
素を1個有する不飽和アルコール類を出発物質とする単
量体(a)の分子量を上回り、通常、同程度から2倍程
度の平均分子量となる。又、共重合体(A)の製造後
に、さらに水溶性ポリアルキレングリコール(C)を配
合してもよく、配合する水溶性ポリアルキレングリコー
ル(C)は、副生成物として含まれていた水溶性ポリア
ルキレングリコール(C)と同一であっても異なってい
てもよい。
【0054】尚、共重合反応を行なう際に用いる不飽和
(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体(a)
と水溶性ポリアルキレングリコール(C)とを含む組成
物において、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエー
テル系単量体(a)に対する水溶性ポリアルキレングリ
コール(C)の割合は0.5〜50重量%が適当である
が、1〜40重量%が好ましく、2〜30重量%がより
好ましく、2.5〜20重量%がさらに好ましい。特
に、水溶性ポリアルキレングリコール(C)の割合が5
0重量%を超える場合には、重合反応時の単量体濃度が
低下して共重合体(A)の分子量が低下する為、好まし
くない。
【0055】本発明のセメント混和剤は、必須成分であ
る共重合体(A)と硬化促進剤(B)以外に、さらに上
記一般式(1)で表される不飽和(ポリ)アルキレング
リコールエーテル系単量体(a)を共重合体(A)に対
して1〜100重量%含有することが好ましい。より好
ましくは2〜100重量%、さらに好ましくは3〜90
重量%、とりわけ好ましくは5〜80重量%である。不
飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体
(a)をも含有することにより、モルタルやコンクリー
ト等のセメント組成物のワーカビリティをより向上させ
ることができるセメント混和剤となる。不飽和(ポリ)
アルキレングリコールエーテル系単量体(a)の含有量
が1重量%未満の場合には、ワーカビリティの向上効果
が不十分となり好ましくなく、他方、100重量%を超
える場合には、セメントに対する分散性が低下して好ま
しくない。尚、該不飽和(ポリ)アルキレングリコール
エーテル系単量体(a)は、共重合体(A)の重合に用
いた不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単
量体(a)、即ち、共重合体(A)の構成単位(I)を
導いた不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系
単量体(a)と同一であってもよいし、異なっていても
よい。さらに、2種類以上の不飽和(ポリ)アルキレン
グリコールエーテル系単量体(a)を用いてもよい。
【0056】上記不飽和(ポリ)アルキレングリコール
エーテル系単量体(a)は、共重合体(A)の製造後に
配合してもよいが、共重合体(A)を製造する際に、原
料として用いた不飽和(ポリ)アルキレングリコールエ
ーテル系単量体(a)が、共重合体(A)に対して1〜
100重量%残留している時点で重合反応を停止するこ
とによって、共重合体(A)以外に、不飽和(ポリ)ア
ルキレングリコールエーテル系単量体(a)を共重合体
に対して1〜100重量%含有するセメント混和剤組成
物を得ることができる。重合反応を停止する時点は、不
飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体
(a)が、共重合体(A)に対して2〜100重量%残
留している時点がより好ましく、3〜90重量%残留し
ている時点がさらに好ましく、4〜80重量%残留して
いる時点がとりわけ好ましく、5〜70重量%残留して
いる時点が最も好ましい。この残留する不飽和(ポリ)
アルキレングリコールエーテル系単量体(a)の比率が
1重量%未満の場合には、ワーカビリティの向上効果が
不十分となり好ましくなく、他方、100重量%を超え
る場合には、セメントに対する分散性が低下して好まし
くない。尚、共重合体(A)の製造後に、さらに不飽和
(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体(a)
を配合してもよく、配合する不飽和(ポリ)アルキレン
グリコールエーテル系単量体(a)は、共重合反応の単
量体成分として用いた不飽和(ポリ)アルキレングリコ
ールエーテル系単量体(a)と同一であっても異なって
いてもよい。
【0057】本発明のセメント混和剤は、必須成分であ
る共重合体(A)と硬化促進剤(B)以外に、さらに上
記水溶性ポリアルキレングリコール(C)を共重合体
(A)に対して1〜50重量%含有し、かつ、上記不飽
和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体
(a)を共重合体(A)に対して1〜100重量%含有
することにより、特に高減水率領域において、セメント
組成物の流動性を維持しつつ、低温時の硬化時間の短縮
及びワーカビリティの向上が可能なセメント混和剤とな
る。
【0058】本発明のセメント混和剤の必須成分である
共重合体(A)と硬化促進剤(B)以外に、さらに上記
水溶性ポリアルキレングリコール(C)を共重合体
(A)に対して1〜50重量%含有し、かつ、上記不飽
和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体
(a)を共重合体(A)に対して1〜100重量%含有
する本発明のセメント混和剤を得るための上記共重合体
(A)の好ましい製造方法は、上記不飽和(ポリ)アル
キレングリコールエーテル系単量体(a)と上記不飽和
モノカルボン酸系単量体(b)とを必須成分として含む
単量体成分以外に、上記水溶性ポリアルキレングリコー
ル(C)をも含む組成物を原料として共重合反応を行な
い、かつ、不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテ
ル系単量体(a)が、共重合体(A)に対して1〜10
0重量%残留している時点で重合反応を停止する方法で
ある。この方法により、共重合体(A)、不飽和(ポ
リ)アルキレングリコールエーテル系単量体(a)及び
水溶性ポリアルキレングリコール(C)の3成分を含む
組成物を得ることができ、該組成物にさらに硬化促進剤
(B)を添加することにより、本発明のセメント混和剤
を容易に得ることができる。
【0059】本発明のセメント混和剤は、共重合体
(A)と硬化促進剤(B)とを必須成分として含むもの
であるが、水溶液の形態でそのままセメント混和剤の主
成分として使用してもよいし、乾燥させて粉体化して使
用してもよい。尚、セメント混和剤をセメント組成物に
添加する場合、予め共重合体(A)と硬化促進剤(B)
とを混合したセメント混和剤を添加してもよいし、共重
合体(A)と硬化促進剤(B)とを別々に添加してもよ
い。例えば、セメント組成物の混練場所から施工現場ま
での輸送距離が長く、輸送に長時間を要する場合には、
予め共重合体(A)をセメント組成物に混練しておい
て、施工直前に硬化促進剤(B)を添加すれば、輸送時
間が交通渋滞等で長時間となった場合でも、施工からセ
メントの硬化までの時間を一定に調整することができ
る。又、セメント粉末やドライモルタルのような水を含
まないセメント組成物に、粉体化した共重合体(A)と
硬化促進剤(B)とを予め混合しておいて、左官、床仕
上げ、グラウト等に用いるプレミックス製品として用い
ることもできる。
【0060】本発明のセメント混和剤は、各種水硬性材
料、即ちセメントや石膏等のセメント組成物やそれ以外
の水硬性材料に用いることができる。このような水硬性
材料と水と本発明のセメント混和剤とを含有し、さらに
必要に応じて細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)を含む
水硬性組成物の具体例としては、セメントペースト、モ
ルタル、コンクリート、プラスター等が挙げられる。
【0061】上記水硬性組成物の中では、水硬性材料と
してセメントを使用するセメント組成物が最も一般的で
あり、該セメント組成物は、本発明のセメント混和剤、
セメント及び水を必須成分として含んでなる。このよう
なセメント組成物は、本発明の好ましい実施形態の1つ
である。
【0062】上記セメント組成物において使用されるセ
メントとしては、特に限定はない。例えば、ポルトラン
ドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及
びそれぞれの低アルカリ形)、各種混合セメント(高炉
セメント、シリカセメント、フライアッシュセメン
ト)、白色ポルトランドセメント、アルミナセメント、
超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリ
ンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメン
ト)、グラウト用セメント、油井セメント、低発熱セメ
ント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発
熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント)、超高
強度セメント、セメント系固化材、エコセメント(都市
ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原料として製
造されたセメント)等が挙げられ、さらに、高炉スラ
グ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーア
ッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉
末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加してもよい。
又、骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材
等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ
質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグ
ネシア質等の耐火骨材が使用可能である。
【0063】上記セメント組成物においては、その1m
あたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント
比には特に制限はなく、単位水量100〜185kg/
、使用セメント量250〜800kg/m、水/
セメント比(重量比)=0.1〜0.7、好ましくは単
位水量120〜175kg/m、使用セメント量27
0〜800kg/m、水/セメント比(重量比)=
0.2〜0.65が推奨され、貧配合〜富配合まで幅広
く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンク
リート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配
合コンクリートのいずれにも有効である。
【0064】上記セメント組成物における上記セメント
混和剤の配合割合については、特に限定はないが、水硬
セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する
場合には、固形分換算で、共重合体(A)と、硬化促進
剤(B)との合計でセメント重量の0.01〜10.0
%、好ましくは0.02〜8.0%、より好ましくは
0.05〜5.0%となる比率の量を添加すればよい。
この添加により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性
の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。上記
配合割合が0.01%未満では、性能的に充分とはなら
ないおそれがあり、逆に10.0%を超える多量を使用
しても、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面から
も不利となる。
【0065】上記セメント組成物は、ポンプ圧送性にも
優れ、施工時の作業性を著しく改善し、流動性と硬化時
間とを任意に制御することができることから、レディー
ミクストコンクリート、コンクリート2次製品(プレキ
ャストコンクリート)用のコンクリート、遠心成形用コ
ンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コ
ンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり、さら
に、中流動コンクリート(スランプ値が22〜25cm
の範囲のコンクリート)、高流動コンクリート(スラン
プ値が25cm以上で、スランプフロー値が50〜70
cmの範囲のコンクリート)、自己充填性コンクリー
ト、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモ
ルタルやコンクリートにも有効である。特に、本発明の
セメント混和剤は、硬化時間の短縮及び強度発現の促進
効果があり、型枠からの脱型時間の短縮による生産性の
向上が可能となることから、コンクリート2次製品(プ
レキャストコンクリート)用のコンクリートに好適であ
る。
【0066】上記セメント組成物は、例えば、以下に記
載するようなセメント分散剤を含有することができる。
リグニンスルホン酸塩;ポリオール誘導体;ナフタレン
スルホン酸ホルマリン縮合物;メラミンスルホン酸ホル
マリン縮合物;ポリスチレンスルホン酸塩;特開平1−
113419号公報に記載の如くアミノアリールスルホ
ン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノ
スルホン酸系;特開平7−267705号公報に記載の
如く(a)成分として、ポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリル酸エステル系化合物と(メタ)アクリ
ル酸系化合物との共重合体及び/又はその塩と、(b)
成分として、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア
リルエーテル系化合物と無水マレイン酸との共重合体及
び/若しくはその加水分解物、並びに/又は、その塩
と、(c)成分として、ポリアルキレングリコールモノ
(メタ)アリルエーテル系化合物と、ポリアルキレング
リコール系化合物のマレイン酸エステルとの共重合体及
び/又はその塩とを含むセメント分散剤;特許第250
8113号明細書に記載の如くA成分として、(メタ)
アクリル酸のポリアルキレングリコールエステルと(メ
タ)アクリル酸(塩)との共重合体、B成分として、特
定のポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
系化合物、C成分として、特定の界面活性剤からなるコ
ンクリート混和剤。
【0067】特開平1−226757号公報に記載の如
く(メタ)アクリル酸のポリエチレン(プロピレン)グ
リコールエステル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、
及び、(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特
公平5−36377号公報に記載の如く(メタ)アクリ
ル酸のポリエチレン(プロピレン)グリコールエステ
ル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)若しくはp−(メ
タ)アリルオキシベンゼンスルホン酸(塩)、並びに、
(メタ)アクリル酸(塩)からなる共重合体;特開平4
−149056号公報に記載の如くポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アリルエーテルとマレイン酸(塩)と
の共重合体;特開平5−170501号公報に記載の如
く(メタ)アクリル酸のポリエチレングリコールエステ
ル、(メタ)アリルスルホン酸(塩)、(メタ)アクリ
ル酸(塩)、アルカンジオールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、及び、分子中にアミド基を有するα,β−不飽和単
量体からなる共重合体;特開平5−43288号公報に
記載の如くアルコキシポリアルキレングリコールモノア
リルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、若しく
は、その加水分解物、又は、その塩;特公昭58−38
380号公報に記載の如くポリエチレングリコールモノ
アリルエーテル、マレイン酸、及び、これらの単量体と
共重合可能な単量体からなる共重合体、若しくは、その
塩、又は、そのエステル。
【0068】特公昭59−18338号公報に記載の如
くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、
これらの単量体と共重合可能な単量体からなる共重合
体;特開昭62−119147号公報に記載の如くスル
ホン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル及び必要
によりこれと共重合可能な単量体からなる共重合体、又
は、その塩;特開平6−271347号公報に記載の如
くアルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエー
テルと無水マレイン酸との共重合体と、末端にアルケニ
ル基を有するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル
化反応物;特開平6−298555号公報に記載の如く
アルコキシポリアルキレングリコールモノアリルエーテ
ルと無水マレイン酸との共重合体と、末端に水酸基を有
するポリオキシアルキレン誘導体とのエステル化反応
物。これらセメント分散剤は単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0069】上記セメント分散剤を用いる場合には、上
記共重合体(A)と上記セメント分散剤との比率、即ち
固形分換算での重量割合(重量%)としては、上記共重
合体(A)と上記セメント分散剤との性能バランスによ
って最適な比率は異なるが、1/99〜99/1が好ま
しく、5/95〜95/5がより好ましく、10/90
〜90/10が最も好ましい。
【0070】又、上記セメント組成物は、以下の(1)
〜(19)に例示するような他の公知のセメント添加剤
(材)を含有することができる。 (1)水溶性高分子物質:ポリアクリル酸(ナトリウ
ム)、ポリメタクリル酸(ナトリウム)、ポリマレイン
酸(ナトリウム)、アクリル酸・マレイン酸共重合物の
ナトリウム塩等の不飽和カルボン酸重合物;メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース等の非イオン性セルロースエーテル
類;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
多糖類のアルキル化又はヒドロキシアルキル化誘導体の
一部又は全部の水酸基の水素原子が、炭素数8〜40の
炭化水素鎖を部分構造として有する疎水性置換基と、ス
ルホン酸基又はそれらの塩を部分構造として有するイオ
ン性親水性置換基で置換されてなる多糖誘導体;酵母グ
ルカンやキサンタンガム、β−1.3グルカン類(直鎖
状、分岐鎖状の何れでも良く、一例を挙げれば、カード
ラン、パラミロン、パキマン、スクレログルカン、ラミ
ナラン等)等の微生物醗酵によって製造される多糖類;
ポリアクリルアミド;ポリビニルアルコール;デンプ
ン;デンプンリン酸エステル;アルギン酸ナトリウム;
ゼラチン;分子内にアミノ基を有するアクリル酸のコポ
リマー及びその四級化合物等。 (2)高分子エマルジョン:(メタ)アクリル酸アルキ
ル等の各種ビニル単量体の共重合物等。 (3)遅延剤:グルコン酸、グルコヘプトン酸、アラボ
ン酸、リンゴ酸、クエン酸や、これらのナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、ト
リエタノールアミン等の無機塩又は有機塩等のオキシカ
ルボン酸;グルコース、フラクトース、ガラクトース、
サッカロース、キシロース、アピオース、リボース、異
性化糖等の単糖類や、二糖、三糖等のオリゴ糖、又はデ
キストリン等のオリゴ糖、又はデキストラン等の多糖
類、これらを含む糖蜜類等の糖類;ソルビトール等の糖
アルコール;珪弗化マグネシウム;リン酸並びにその塩
又はホウ酸エステル類;アミノカルボン酸とその塩;ア
ルカリ可溶タンパク質;フミン酸;タンニン酸;フェノ
ール;グリセリン等の多価アルコール;アミノトリ(メ
チレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレン
ホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレン
ホスホン酸)及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩等のホスホン酸及びその誘導体等。 (4)鉱油系消泡剤:燈油、流動パラフィン等。 (5)油脂系消泡剤:動植物油、ごま油、ひまし油、こ
れらのアルキレンオキシド付加物等。 (6)脂肪酸系消泡剤:オレイン酸、ステアリン酸、こ
れらのアルキレンオキシド付加物等。 (7)脂肪酸エステル系消泡剤:グリセリンモノリシノ
レート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノ
ラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワック
ス等。 (8)オキシアルキレン系消泡剤:(ポリ)オキシエチ
レン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシア
ルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロ
ピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数1
2〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプ
ロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル
類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシ
アルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオー
ル、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオー
ル,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレ
ンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたア
セチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸
エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、
エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポ
リ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポ
リ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポ
リオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポ
リオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナト
リウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリー
ル)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレ
ンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキ
レンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラ
ウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルア
ミン類;ポリオキシアルキレンアミド等。 (9)アルコール系消泡剤:オクチルアルコール、ヘキ
サデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコー
ル類等。 (10)アミド系消泡剤:アクリレートポリアミン等。 (11)リン酸エステル系消泡剤:リン酸トリブチル、
ナトリウムオクチルホスフェート等。 (12)金属石鹸系消泡剤:アルミニウムステアレー
ト、カルシウムオレエート等。 (13)シリコーン系消泡剤:ジメチルシリコーン油、
シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変
性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオ
ルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等。 (14)AE剤:樹脂石鹸、飽和或いは不飽和脂肪酸、
ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェ
ート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS
(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホ
ネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エー
テル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテ
ル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル(フェニル)エーテルリン酸エステル又はその塩、蛋
白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィン
スルホネート等。 (15)その他界面活性剤:オクタデシルアルコールや
ステアリルアルコール等の分子内に6〜30個の炭素原
子を有する脂肪族1価アルコール、アビエチルアルコー
ル等の分子内に6〜30個の炭素原子を有する脂環式1
価アルコール、ドデシルメルカプタン等の分子内に6〜
30個の炭素原子を有する1価メルカプタン、ノニルフ
ェノール等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するア
ルキルフェノール、ドデシルアミン等の分子内に6〜3
0個の炭素原子を有するアミン、ラウリン酸やステアリ
ン酸等の分子内に6〜30個の炭素原子を有するカルボ
ン酸に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のア
ルキレンオキシドを10モル以上付加させたポリアルキ
レンオキシド誘導体類;アルキル基又はアルコキシ基を
置換基として有してもよい、スルホン基を有する2個の
フェニル基がエーテル結合した、アルキルジフェニルエ
ーテルスルホン酸塩類;各種アニオン性界面活性剤;ア
ルキルアミンアセテート、アルキルトリメチルアンモニ
ウムクロライド等の各種カチオン性界面活性剤;各種ノ
ニオン性界面活性剤;各種両性界面活性剤等。 (16)防水剤:脂肪酸(塩)、脂肪酸エステル、油
脂、シリコン、パラフィン、アスファルト、ワックス
等。 (17)防錆剤:亜硝酸塩、リン酸塩、酸化亜鉛等。 (18)ひび割れ低減剤:ポリオキシアルキルエーテル
等。 (19)膨張材;エトリンガイト系、石炭系等。
【0071】その他の公知のセメント添加剤(材)とし
ては、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、
乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防
錆剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。これ
ら公知のセメント添加剤(材)は単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。
【0072】上記セメント組成物において、セメント及
び水以外の成分についての特に好適な実施形態として
は、次の(1)〜(4)が挙げられる。
【0073】(1)本発明のセメント混和剤、及び、
オキシアルキレン系消泡剤の2成分を必須とする組み
合わせ。尚、のオキシアルキレン系消泡剤の配合重量
比としては、のセメント混和剤中の共重合体(A)に
対して0.001〜10重量%の範囲が好ましい。
【0074】(2)本発明のセメント混和剤、及び、
材料分離低減剤の2成分を必須とする組み合わせ。材
料分離低減剤としては、非イオン性セルロースエーテル
類等の各種増粘剤、部分構造として炭素数4〜30の炭
化水素鎖からなる疎水性置換基と炭素数2〜18のアル
キレンオキシドを平均付加モル数で2〜300付加した
ポリオキシアルキレン鎖とを有する化合物等が使用可能
である。尚、のセメント混和剤中の共重合体(A)と
の材料分離低減剤との配合重量比としては、10/9
0〜99.99/0.01が好ましく、50/50〜9
9.9/0.1がより好ましい。この組み合わせのセメ
ント組成物は、高流動コンクリート、自己充填性コンク
リート、セルフレベリング材として好適である。
【0075】(3)本発明のセメント混和剤、及び、
分子中にスルホン酸基を有するスルホン酸系分散剤の
2成分を必須とする組み合わせ。スルホン酸系分散剤と
しては、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸
ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリスチレンスルホン酸塩、アミノアリールスルホ
ン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等のアミノ
スルホン酸系の分散剤等が使用可能である。尚、のセ
メント混和剤中の共重合体(A)との分子中にスルホ
ン酸基を有するスルホン酸系分散剤との配合重量比とし
ては、5/95〜95/5が好ましく、10/90〜9
0/10がより好ましい。
【0076】(4)本発明のセメント混和剤、及び、
リグニンスルホン酸塩の2成分を必須とする組み合わ
せ。尚、のセメント混和剤中の共重合体(A)との
リグニンスルホン酸塩との配合重量比としては、5/9
5〜95/5が好ましく、10/90〜90/10がよ
り好ましい。
【0077】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。尚、特にことわりのない限り、「%」は重量%を、
「部」は重量部を表すものとする。
【0078】製造例において、不飽和(ポリ)アルキレ
ングリコールエーテル系単量体の製造時に副生するポリ
アルキレングリコールの生成量は、下記の条件で測定し
た。
【0079】<ポリアルキレングリコールの生成量の測
定条件> 機 種:島津製作所社 LC−10 検出器:示差屈折計(RI)検出器(HITACHI
3350 RI MONITOR) 溶離液:種類 イオン交換水 流量 1.5ml/分 カラム:種類 昭和電工(株)製、「Shodex G
F−310」4.6×300mm 温度 40℃ 製造例において、各単量体の反応率及び得られた共重合
体の重量平均分子量は、下記の条件で測定した。
【0080】<各原料単量体の反応率測定条件> 機 種:日本分光社 Borwin 検出器:示差屈折計(RI)検出器(HITACHI
3350 RI MONITOR) 溶離液:種類 アセトニトリル/0.1%りん酸イオン
交換水溶液=50/50(vol%) 流量 1.0ml/分 カラム:種類 東ソー(株)製、「ODS−120T」
+「ODS−80Ts」各 4.6×250mm 温度 40℃ <共重合体の重量平均分子量測定条件> 機 種:Waters LCM1 検出器:示差屈折計(RI)検出器(Waters41
0) 溶離液:種類 アセトニトリル/0.05M酢酸ナトリ
ウムイオン交換水溶液=40/60(vol%)、酢酸
でpH6.0に調整 流量 0.6ml/分 カラム:種類 東ソー(株)製、「TSK−GEL G
4000SWXL」+「G3000SWXL」+「G2
000SWXL」+「GUARD COLUMN」各
7.8×300mm、6.0×40mm 温度 40℃ 検量線:ポリエチレングリコール基準 <製造例1>温度計、攪拌機、窒素及びアルキレンオキ
シド導入管を備えたステンレス製高圧反応器に不飽和ア
ルコールとしてメタリルアルコール(2−メチル−2−
プロペン−1−オール)196部、付加反応触媒として
水酸化ナトリウム3.1部を仕込み、攪拌下に反応容器
内を窒素置換し、窒素雰囲気下で150℃まで加熱し
た。そして、安全圧下で150℃を保持したままエチレ
ンオキシド6310部を反応器内に導入し、アルキレン
オキシド付加反応が完結するまでその温度を保持して反
応を終了した。得られた反応生成物(以下、M−1と称
す。)は、メタリルアルコールに平均50モルのエチレ
ンオキシドが付加した不飽和ポリアルキレングリコール
エーテル系単量体(以下、MAL−50と称す。)とと
もに、副生成物として水溶性ポリアルキレングリコール
(ポリエチレングリコール)を含むものであり、ポリエ
チレングリコールの生成量は、不飽和ポリアルキレング
リコールエーテル系単量体に対して5.0%であった。
【0081】<製造例2>温度計、攪拌機、窒素及びア
ルキレンオキシド導入管を備えたステンレス製高圧反応
器に、不飽和アルコールとしてアリルアルコール105
部、付加反応触媒として水酸化ナトリウム3.1部を仕
込み、攪拌下に反応容器内を窒素置換し、窒素雰囲気下
で150℃まで加熱した。そして、安全圧下で150℃
を保持したままエチレンオキシド6195部を反応器内
に導入し、アルキレンオキシド付加反応が完結するまで
その温度を保持して反応を終了した。得られた反応生成
物(以下、M−2と称す。)は、アリルアルコールに平
均75モルのエチレンオキシドが付加した不飽和ポリア
ルキレングリコールエーテル系単量体(以下、AL−7
5と称す。)とともに、副生成物として水溶性ポリアル
キレングリコール(ポリエチレングリコール)を含むも
のであり、ポリエチレングリコールの生成量は、不飽和
ポリアルキレングリコールエーテル系単量体に対して
3.2%であった。
【0082】<製造例3−共重合体(A−1)の製造>
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水279
部、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体
として製造例1で得られた反応生成物(M−1)420
部(MAL−50を400部、ポリエチレングリコール
を20部含有)を仕込み、65℃に昇温した。反応容器
を65℃に保った状態で、過酸化水素0.734部とイ
オン交換水13.94部とからなる過酸化水素水溶液を
添加した。過酸化水素水溶液投入後30分間65℃に維
持した後、アクリル酸65.0部を反応容器内に3時間
かけて滴下し、それと同時に、イオン交換水18.05
部にL−アスコルビン酸0.950部及び3―メルカプ
トプロピオン酸1.718部を溶解させた水溶液を3.
5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて65
℃に温度を維持した後、重合反応を終了した。尚、重合
成分濃度(全単量体成分の全原料に対する重量%濃度)
は60%であった。その後、酸性の反応溶液を重合反応
温度以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応
溶液をpH7に中和し、本発明の共重合体(A)に相当
する共重合体(A−1)を含む重合体水溶液を得た。
又、メタリルアルコールにエチレンオキシドを平均50
モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル
とアクリル酸の残存量を液体クロマトグラフィー(L
C)により測定し、重合率を求めたところ、該不飽和ポ
リアルキレングリコールエーテルの重合率は、94.1
%、アクリル酸の重合率は97.0%であった。従っ
て、共重合組成比は不飽和ポリアルキレングリコールエ
ーテル/アクリル酸=85.65/14.35(重量
%)=15.9/84.1(モル%)、未中和型共重合
体換算のカルボン酸量=1.992(meq/g)であ
った。尚、共重合体(A−1)の重量平均分子量は3
1,000、中和型共重合体に対する不飽和ポリアルキ
レングリコールエーテル系単量体の含有量は5.14
(%)、中和型共重合体に対する水溶性ポリアルキレン
グリコール(ポリエチレングリコール)の含有量は4.
36(%)であった。
【0083】<製造例4−共重合体(A−2)の製造>
温度計、攪拌機、滴下ロート、窒素導入管及び還流冷却
器を備えたガラス製反応容器に、イオン交換水168
部、不飽和ポリアルキレングリコールエーテル系単量体
として製造例2で得られた反応生成物(M−2)413
部(AL−75を400部、ポリエチレングリコールを
13部含有)を仕込み、80℃に昇温した。反応容器を
80℃に保った状態で、過酸化水素1.977部とイオ
ン交換水7.91部とからなる過酸化水素水溶液を添加
した。過酸化水素水溶液投入後30分間80℃に維持し
た後、アクリル酸43.8部を反応容器内に3時間かけ
て滴下し、それと同時に、イオン交換水14.51部に
L−アスコルビン酸2.561部及び3―メルカプトプ
ロピオン酸0.772部を溶解させた水溶液を3.5時
間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて80℃に
温度を維持した後、重合反応を終了した。尚、重合成分
濃度(全単量体成分の全原料に対する重量%濃度)は7
0%であった。その後、酸性の反応溶液を重合反応温度
以下の温度で水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応溶液
をpH7に中和し、本発明の共重合体(A)に相当する
共重合体(A−2)を含む重合体水溶液を得た。又、ア
リルアルコールに平均75モルのエチレンオキシドを付
加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテルとアク
リル酸の残存量を液体クロマトグラフィー(LC)によ
り測定し、重合率を求めたところ、該不飽和ポリアルキ
レングリコールエーテルの重合率は、62.0%、アク
リル酸の重合率は97.0%であった。従って、共重合
組成比は不飽和ポリアルキレングリコールエーテル/ア
クリル酸=85.38/14.62(重量%)=11.
1/88.9(モル%)、未中和型共重合体換算のカル
ボン酸量=2.030(meq/g)であった。尚、共
重合体(A−2)の重量平均分子量は36,500、中
和型共重合体に対する不飽和ポリアルキレングリコール
エーテル系単量体の含有量は50.09(%)、中和型
共重合体に対する水溶性ポリアルキレングリコール(ポ
リエチレングリコール)の含有量は4.22(%)であ
った。 <硬化促進剤> 硬化促進剤(B)として下記のものを用いた。 (B−1)亜硝酸カルシウム (B−2)塩化カルシウム(無水塩) <コンクリート試験> (コンクリート組成物の調製)セメントとして普通ポル
トランドセメント(太平洋セメント社製)、細骨材とし
て大井川水系産陸砂、粗骨材として青海産砕石、混練水
として水道水を用い、下記の配合でコンクリート組成物
を調製した。尚、コンクリート組成物の温度が15℃の
試験温度になるように、試験に使用する材料、強制練り
ミキサー、測定器具類を上記の試験温度雰囲気下で調温
し、混練及び各測定は上記の試験温度雰囲気下で行っ
た。又、コンクリート組成物中の気泡がコンクリート組
成物の流動性に及ぼす影響を避ける為に、必要に応じて
市販のオキシアルキレン系消泡剤を用い、空気量が1.
0±0.3%となるように調整した。 (配合)セメント:320kg/m、水:176kg
/m、細骨材:822kg/m、粗骨材:892k
g/m、細骨材率(細骨材/細骨材+粗骨材)(容積
比):48%、水/セメント比(重量比)=0.55 上記条件下に強制練りミキサーを用いて混練時間2分間
でコンクリートを製造し、スランプ値、凝結時間(終結
時間)及び空気量を測定した。尚、スランプ値、凝結時
間(終結時間)及び空気量の測定は、それぞれJIS−
A−1101、JIS−A−6204 附属書I、JI
S−A−1128に準拠して行った。尚、表中の共重合
体(A)及び/又は硬化促進剤(B)の添加量は、セメ
ントに対する固形分の重量%を示し、初期スランプ値が
20±1cmになるように添加量を調整して比較した。
尚、共重合体(A)を含む重合体水溶液中の固形分[不
揮発成分]は、上記製造例で得られた重合体水溶液を適
量計量して130℃で加熱乾燥することにより揮発成分
を除去して測定し、セメントと配合する際に所定量の固
形分[不揮発成分]が含まれるように重合体水溶液を計
量して使用した。従って、表中の「(A)(固形分)」
は、共重合体(A)以外の不揮発性の成分、即ち、不揮
発性の未反応の単量体及び水溶性ポリアルキレングリコ
ールをも含む固形分[不揮発成分]量に相当し、
「(A)(重合体)」は、共重合体(A)のみの固形分
[不揮発成分]量に相当する。尚、表中の添加量の「合
計」は、共重合体(A)のみの固形分量に相当する該
「(A)(重合体)」と硬化促進剤(B)とのセメント
に対する固形分の合計重量%である。試験結果を表1に
示す。
【0084】
【表1】
【0085】表1に示すように、試験温度が15℃にお
いて、共重合体(A−1)又は(A−2)をそれぞれ単
独で用いた場合は、経時による流動性の低下は小さかっ
たが硬化が遅かったのに対し、共重合体(A−1)又は
(A−2)と硬化促進剤(B−1)又は(B−2)とを
併用した本発明のセメント混和剤を用いた場合、経時に
よる流動性の低下は小さく、かつ、硬化も早かった。
【0086】
【発明の効果】本発明におけるセメント硬化物の製造方
法は、上述の構成よりなるので、本発明のセメント混和
剤をセメント組成物に添加すれば、強度及び耐久性に優
れたセメント硬化物を与え、しかも、セメント組成物の
流動性を維持しつつ、低温時の硬化時間の短縮が可能と
なり、セメントペースト、モルタル、コンクリート等の
セメント組成物を施工して、30℃以下の温度条件下で
硬化させる際に、効率的かつ容易にセメント硬化物を製
造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 28/02 C04B 28/02 // C04B 103:30 103:30 103:40 103:40 (72)発明者 恩田 義幸 神奈川県川崎市川崎区千鳥町14−1 株式 会社日本触媒内 Fターム(参考) 4G012 PB07 PB09 PB28 PC01 PC03 PC04 PC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共重合体(A)と硬化促進剤(B)と
    を0.1/99.9〜90/10の比率(重量%)で必
    須成分として含むセメント混和剤であって、該共重合体
    (A)は、下記一般式(1); YO(RO)nR (1) (式中、Yは、炭素原子数2〜4のアルケニル基を表
    す。ROは、同一若しくは異なって、炭素原子数2〜
    18のオキシアルキレン基を表す。nは、オキシアルキ
    レン基の平均付加モル数であり、1〜500の数を表
    す。Rは、水素原子又は炭素原子数1〜30の炭化水
    素基を表す。)で表される不飽和(ポリ)アルキレング
    リコールエーテル系単量体(a)由来の構成単位(I)
    と不飽和モノカルボン酸系単量体(b)由来の構成単位
    (II)とを必須の構成単位として有し、かつ、構成単
    位(I)と構成単位(II)とが各々全構成単位中の1
    重量%以上を占め、構成単位(I)の占める割合が全構
    成単位中の50モル%以下であり、構成単位(II)が
    アクリル酸(塩)に由来する構造を少なくとも含んでな
    ることを特徴とするセメント混和剤。
  2. 【請求項2】 上記共重合体(A)に対して1〜10
    0重量%の上記一般式(1)で表される不飽和(ポリ)
    アルキレングリコールエーテル系単量体(a)をも含有
    する、請求項1に記載のセメント混和剤。
  3. 【請求項3】 上記共重合体(A)に対して1〜50
    重量%の水溶性ポリアルキレングリコール(C)をも含
    有する、請求項1又は2に記載のセメント混和剤。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載
    のセメント混和剤、セメント及び水を必須成分とするセ
    メント組成物を施工して、30℃以下の温度条件下で硬
    化させることを特徴とするセメント硬化物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7304104B2 (en) 2003-03-05 2007-12-04 Nippon Shokubai Co. Ltd. Cement admixture, cement composition and method for laying work the same, and method for producing cement hardened product
EP2687497B1 (en) 2011-03-15 2018-08-08 Kao Corporation Dispersing agent for hydraulic compositions
CN113185885A (zh) * 2021-06-18 2021-07-30 佛山市顺德区巴德富实业有限公司 一种高渗透界面加固剂及其制备方法
CN115073043A (zh) * 2022-07-26 2022-09-20 江苏亚琛材料科技有限公司 一种缓释型聚羧酸减水剂及其制备方法

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