JP2003208979A - Elパネル製造方法、elディスプレイ及び液滴噴射装置 - Google Patents

Elパネル製造方法、elディスプレイ及び液滴噴射装置

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JP2003208979A JP2002006153A JP2002006153A JP2003208979A JP 2003208979 A JP2003208979 A JP 2003208979A JP 2002006153 A JP2002006153 A JP 2002006153A JP 2002006153 A JP2002006153 A JP 2002006153A JP 2003208979 A JP2003208979 A JP 2003208979A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、安定した膜厚の有機EL層の
形成を行うことである。 【解決手段】ガラス等の透明基板14上にITO等の透
明な導電体からなるアノード電極15を形成し、アノー
ド電極15をそれぞれ有する画素を複数連結するセル1
3Rを区分する絶縁材料からなる隔壁12を形成し、セ
ル13Rへの有機EL材料の溶液の液滴噴射により有機
EL層11Rを形成し、有機EL層11R及び隔壁12
上にカソード電極を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL(Electrolum
inescence)パネルを用いたELディスプレイ及びEL
パネルを製造するELパネル製造方法、並びにELパネ
ルの製造に用いる液滴噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、CRTに代わる新しい表示技術と
して、蛍光物質であるEL(Electroluminescence)材
料を用いてEL発光を得る技術が研究されている。
【0003】蛍光物質であるEL材料としては、まず無
機EL材料を用いる研究がされていたが、その後、無機
ELにはない長所を有する有機EL材料について注目さ
れてきている。有機EL材料は、無機EL材料に比べ
て、カラー化が容易なことと、はるかに低い電圧の電流
で動作すること等の長所を有する。有機EL材料を用い
た有機EL層薄膜を金属電極で挟み込み直流電流印加に
よる電荷注入を行う素子は有機薄膜ELダイオードと呼
ばれ、その応用によるフラットパネルディスプレイの実
現を目指し多くの研究が為されてきた。
【0004】有機EL素子によるフルカラーディスプレ
イのRGB(赤色、緑色、青色)画素構造としては、
有機EL素子の白色発光とRGBカラーフィルタを用い
る方法、有機EL素子の青色発光とG,Rの色波長変
換層を用いる方法、RGBの各有機EL素子を各画素
に形成する方法、等が提案されている。この中では、
カラーフィルタや色波長変換層のような光出射量/光入
射量が低い部材を設けることなく、各RGBの有機EL
素子の各色の光を直接表示しているので、所定輝度に対
して最も低消費電力が実現できるものとして期待されて
いる。の構造を高解像度で実現させるためには、EL
発光を行う有機EL層薄膜の微細パターン形成を行わな
ければならない。有機EL層薄膜は、ダメージを受け易
く、一般に有機薄膜のエッチングは困難であり、そのパ
ターン形成は有機EL素子を用いたELパネルディスプ
レイ実現の技術問題となっている。
【0005】有機EL素子の製膜方法は材料等の条件に
応じて湿式コーティング法と抵抗加熱蒸着によるドライ
蒸着加熱法に大別され、それぞれの製膜技術に対応した
パターン形成方法として湿式コーティング法はジェット
プリンティング法が、ドライ蒸着加熱法はシャドウマス
ク法が提案されている。
【0006】図11〜図13を参照して、従来のジェッ
トプリンティング式の有機EL層形成方式を説明する。
図11は、従来のELパネル80の構造と液滴噴射ヘッ
ド91の位置を示す上面図であり、図12は、従来のE
Lパネル80の構造を示す概略断面図であり、図13
は、従来の液滴噴射装置90の概略図である。
【0007】ELパネル80上に、赤(R)、緑
(G)、青(B)の有機EL層81R,81G,81B
を形成するために、液滴噴射装置90の液滴噴射ヘッド
91の赤、緑、青の有機EL材料の溶液を、赤、緑、青
の溶液を噴射するノズル91r,91g,91bを介し
て、それぞれ隔壁82で区分された各セル83R,83
G,83Bに噴射する。
【0008】図12に示すように、ELパネル80は、
ガラス等の透明基板84上に、ITO(Indium Tin Oxi
de)等の透明な導電体であるアノード電極85を形成
し、赤の各セル83R(及び緑、青のセル83G,83
B)を区分するSiN(窒化シリコン)等の隔壁82を
形成し、正孔輸送層86を形成し、各セル83R(及び
緑、青のセル83G,83B)への発光材料の液滴噴射
により有機EL層81R(及び緑、青の有機EL層81
G,81B)を形成する。アノード電極85をそれぞれ
備える1セルを1画素とする。
【0009】実際には、この後、各画素共通の電極であ
るカソード電極を形成し、封止材、封止ガラスを順に形
成して、ELパネル80となる。また、各有機EL層の
発光のスイッチングを行うTFT(Thin Film Transist
or)は図面上省略されている。
【0010】図13に示すように、有機EL材料を各セ
ル83R,83G,83Bに液滴噴射する液滴噴射装置
90は、有機EL材料を各セル83R,83G,83B
に液滴噴射し上下方向及びELパネル80の平面のXY
方向移動自在に可動する液滴噴射ヘッド91と、有機E
L材料の溶液を貯める溶液タンク92と、溶液タンク9
2の溶液を液滴噴射ヘッド91へ供給する長い溶液供給
ライン93と、溶液タンク92と溶液供給ライン93と
の間に設ける接続口である溶液供給口94と、溶液タン
ク92へ大気を通す大気通用口95とを設ける。実際に
は、有機EL材料として、赤、緑、青の発光材料、正孔
輸送材料、電子輸送材料、それぞれに溶液タンク92、
溶液供給ライン93、溶液供給口94、大気通用口95
を設ける。
【0011】溶液タンク92中の有機EL材料の溶液
は、有機EL材料を溶媒に溶かした液体であり、溶液滴
噴射ヘッド91と溶液供給口94との間の上下方向の水
頭差を調整することにより、液滴噴射ヘッド91のノズ
ル91r,91g,91b内の溶液の圧力を変化させ、
大気通用口95からの大気圧と平衡させて、液滴の噴射
量を安定させる。
【0012】透明基板84上にアノード電極85及び隔
壁82を形成したELパネル80のXY平面上に、液滴
噴射ヘッド91を移動させ、目的のセルに液滴を噴射さ
せ、噴射された有機EL材料の溶媒を蒸発させて乾燥さ
せ、有機EL層81R,81G,81Bを形成してい
た。各セル83R,83G,83Bは、ELパネル80
を用いたディスプレイの画素毎に形成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のジェッ
トプリンティング式の有機EL層形成方式によれば、液
滴噴射ヘッド91のノズル91r,91g,91bから
の吐出量は通常数十〜数[pl]であり、濃度を1〜9
9[wt%]程度の溶液を滴下する場合、有機EL層の
仕上がり膜厚が数十[nm]であることを考慮すると、
セルあたりの滴下量は数滴となる。よって、一つのセル
内での溶液一滴のミスファイアにより、つまり一滴分溶
液の増減によりセル内のEL層の仕上がり膜厚に数十%
の変化が生じ、その結果輝点不良や上下ショート等の画
素不良を生じていた。
【0014】従来のジェットプリンティング式の有機E
L層形成方式を用いて、例えば640*480*3(R
GB)のディスプレイを製造する場合を考えると、その
画素数は921,600となる。一セル当り3滴を滴下
するとすれば、ディスプレイあたりの総滴下数は約30
0万滴に達する。即ちもし、当該ジェットプリンティン
グ式の有機EL層形成方式で10万回に1回の過滴下又
は滴下不足のミスファイアを生じた場合、その画素不良
は最大約30箇所にも及ぶ。即ち、隔壁82を用いたセ
ル83R,83G,83Bを画素単位で形成する従来の
方法では、ディスプレイ製造時に著しく高い不良率が生
ずる可能性があった。
【0015】これを回避する方法として、十分に希釈し
た溶液において乾燥後の再塗布を繰り返し、適正な膜厚
とする方法も考えられるが、一旦乾燥した膜上への再吐
出は、既に形成されている膜の再溶解を生じる事で不均
一な膜を形成してしまっていた。
【0016】また、従来の液滴噴射装置90についても
問題があった。有機EL層81R,81G,81Bは、
数十nm〜百数十nmの超薄膜から構成されており、径
がこの薄膜と同程度以上の導電性の微粒子等の不溶物が
薄膜中に混入すると導電パスとなり、アノード−カソー
ド間でショートすることによりダークスポットの要因と
なる。
【0017】また有機EL材料は、非局在化したπ電子
平面を持つものが多く、一般に溶媒への溶解性は低いの
で、溶液中で分子鎖が会合して微粒子を形成しやすい構
造となっている。このまま微粒子状を含んだ状態で成膜
すると厚さが均一にならないために発光特性にバラツキ
が生じる。そのため、従来のジェットプリンティング式
の有機EL層形成方式を用いる場合、製膜直前に有機E
L溶液をメンブランフィルタ等でフィルタリングを行
い、微粒子を除去させるのが一般的である。そこで、溶
液供給ライン93中にメンブランフィルタ等のフィルタ
を設けると、当該フィルタを通過させるために溶液に圧
力をかけることが必要となる。
【0018】この時、吐出に必要な負圧条件を妨げてし
まい、安定な溶液の吐出が困難となってしまっていた。
また、高価な有機EL材料の利用率を上げるためには、
溶液供給ライン93を短くすることが望ましく、溶液タ
ンク92の溶液供給口94を液滴噴射ヘッド91の近傍
下方に設けるのが理想的である。このとき、溶液タンク
92内の溶液の液面の高さ(残溶液の重量)によって、
液滴噴射ヘッド91内の溶液の圧力が変化してしまい、
安定した溶液の吐出が困難となってしまっていた。
【0019】本発明の課題は、安定した膜厚の有機EL
層の形成を行うことである。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、有機EL層となる有機EL材料の溶液を液滴噴射す
るELパネル製造方法であって、連続してなる複数の画
素で構成され、周囲を隔壁で区切られたセルに、液滴噴
射装置の液滴噴射ヘッドのノズルから前記溶液を液滴噴
射する、ことを特徴とする。
【0021】請求項1の発明によれば、複数の画素を定
義するセルに液滴噴射装置の液滴噴射ヘッドのノズルか
ら前記溶液を液滴噴射することができるので、仮にある
画素で有機EL材料の溶液の液滴噴射でのミスファイア
が発生しても、ミスファイアした画素の溶液量と同一セ
ル内の他の画素の溶液量とが均一になるように同一セル
内で溶液が移動するので、ミスファイアによる有機EL
層の膜厚への変化の影響を減少させ、安定した膜厚の有
機EL層を形成し、輝点不良等の画像不良を無くすこと
ができる。
【0022】請求項2に記載の発明は、前記セルは複数
であり、その配列は前記画素を一列に連結して同色の有
機EL層が形成されるセルを、隣同士異なる色に並べる
ストライプ状であり、前記液滴噴射ヘッドの移動方向は
前記セルの長手方向であり、前記有機EL材料の溶液を
前記セル中に液滴噴射する場合、前記ノズルから前記各
セルの画素に連続して液滴噴射する、ことを特徴とす
る。
【0023】請求項2の発明によれば、セルの長手方向
と液滴噴射ヘッドの走査方向を同一にして、液滴噴射ヘ
ッドのノズルから同一セル内への有機EL材料の溶液を
連続して液滴噴射する。
【0024】従って、請求項2の発明によれば、溶液の
液滴噴射の時間間隔によって、先に噴射した溶液が乾燥
する前に、次に噴射した溶液が先に噴射した溶液と部分
的に重なるように吐出されるので、乾きむらによる膜の
不均一を抑制し、安定した膜厚の有機EL層を形成する
ことができる。
【0025】請求項3に記載の発明は、前記セルは複数
であり、その配列は前記画素を一列に連結して同色の有
機EL層が形成されるセルを、隣同士異なる色に並べる
ストライプ状であり、前記ノズルは複数であり、且つ各
色毎に、前記各ノズルは前記各セル内の少なくとも各画
素に対応して配列され、前記液滴噴射ヘッドの移動方向
は、前記セルの長手方向に垂直な方向であり、前記有機
EL材料の溶液を前記セル中に液滴噴射する場合、前記
ノズルから前記各セルの全画素に一斉に液滴噴射する、
ことを特徴とする。
【0026】請求項3の発明によれば、液滴噴射ヘッド
のノズルから各セル毎の全画素に一度に有機EL材料の
溶液を液滴噴射する。
【0027】従って、請求項3の発明によれば、液滴噴
射ヘッドの移動による時間差によって、先に噴射した溶
液が乾燥することによる乾きむらを抑制し、安定した膜
厚の有機EL層を形成することができる。
【0028】請求項4に記載の発明は、前記セルは複数
であり、その配列は、前記画素を対角に連結して同色の
有機EL層が形成されるセルを、隣同士異なる色に並べ
るモザイク状であり、前記液滴噴射ヘッドの移動方向は
前記セルの長手方向に沿った方向であり、前記ノズルは
複数であり、前記溶液を前記セル中に液滴噴射する場
合、前記各ノズルは前記各セル内の複数の画素に順に連
続して液滴噴射する、ことを特徴とする。
【0029】請求項4の発明によれば、各色を対角方向
に配列したモザイク状のELパネルの有機EL層形成に
おいて、液滴噴射ヘッドのノズルをセルの長手方向、つ
まり対角方向に走査して有機EL材料の溶液を連続して
液滴噴射する。
【0030】従って、請求項4の発明によれば、溶液の
液滴噴射の時間間隔によって、先に噴射した溶液が乾燥
することによる乾きむらを抑制し、安定した膜厚の有機
EL層を形成することができる。
【0031】請求項5に記載の発明は、前記セルは複数
であり、その配列は、前記画素を対角に連結して同色の
有機EL層が形成されるセルを、隣同士異なる色に並べ
るモザイク状であり、前記液滴噴射ヘッドの移動方向は
前記セルの長手方向と異なり、前記ノズルは各色毎に複
数であり、前記溶液を前記セル中に液滴噴射する場合、
前記液滴噴射ヘッドの移動にともない前記画素の色に対
応する前記ノズルを選択して対応する画素に液滴噴射す
る、ことを特徴とする。
【0032】請求項5の発明によれば、各色を対角方向
に配列したモザイク状のELパネルの有機EL層形成に
おいて、液滴噴射ヘッドのノズルから発光材料の溶液を
連続して液滴噴射する。
【0033】従って、請求項5の発明によれば、溶液の
液滴噴射の時間間隔により先に噴射した溶液が先に乾燥
することによる乾きむらを抑制し、安定した膜厚の有機
EL層を形成することができる。
【0034】請求項6に記載の発明は、前記溶液の液滴
噴射は、前記溶液を貯める溶液タンクから、当該溶液を
前記液滴噴射ヘッドへ供給し、前記液滴噴射ヘッドのノ
ズルから当該溶液を液滴噴射して行い、前記溶液タンク
内の溶液の液面の位置又は溶液の重量を検出し、前記液
滴噴射ヘッドにかかる圧力を一定にするように、前記検
出したデータにしたがって前記溶液タンク内に圧力を制
御する、ことを特徴とする。
【0035】請求項7に記載の発明は、前記溶液の液滴
噴射は、前記溶液を貯める溶液タンクから、当該溶液を
前記液滴噴射ヘッドへ供給し、前記液滴噴射ヘッドのノ
ズルから当該溶液を液滴噴射して行い、前記噴射ヘッド
内の溶液の自重による圧力を検出し、前記液滴噴射ヘッ
ドにかかる圧力を一定するように、前記検出したデータ
にしたがって、前記溶液タンク内に圧力を制御する、こ
とを特徴とする。
【0036】請求項8に記載の発明は、前記溶液の液滴
噴射は、前記溶液を貯める溶液タンクから、当該溶液を
前記液滴噴射ヘッドへ供給し、前記液滴噴射ヘッドのノ
ズルから当該溶液を液滴噴射して行い、前記ノズルのノ
ズル口の溶液の液面の形状を検出し、前記液滴噴射ヘッ
ドにかかる圧力を一定するように、前記検出したデータ
にしたがって、前記溶液タンク内に圧力を制御する、こ
とを特徴とする。
【0037】請求項11に記載の発明は、有機EL材料
の溶液をELパネル基板の有機EL層を形成する位置へ
液滴噴射する液滴噴射装置であって、前記溶液を液滴噴
射する液滴噴射ヘッドと、前記溶液を貯める溶液タンク
と、前記溶液溶液タンク内の溶液の液面の位置を検出す
る液面位置検出手段、前記溶液溶液タンク内の溶液の重
量を検出する重量検出手段、及び前記液滴噴射ヘッド内
の溶液の圧力を検出する圧力検出手段のうちの少なくと
も何れかと、前記溶液タンク内に所定の圧力を出力する
圧力源と、前記液滴噴射ヘッド内の溶液の圧力が一定と
なるように、前記液面位置検出手段、前記重量検出手
段、及び圧力検出手段のうちの少なくとも何れかの検出
データにしたがって前記圧力源から前記溶液タンク内に
出力される圧力を制御する制御手段と、を具備してなる
ことを特徴とする。
【0038】請求項6又は11記載の発明によれば、液
滴噴射ヘッドのノズルからの有機EL材料の溶液の液滴
噴射において、溶液タンク内の残溶液の液面の位置又は
重量を検出して、溶液の残量の減少に伴い発生する、当
該液面の位置又は重量に対応する揚力を打消す負圧を溶
液に加えるフィードバック制御を行う。
【0039】従って、請求項6又は11記載の発明によ
れば、安定した量の溶液の液滴を噴射させて、安定した
膜厚の有機EL層を形成することができ、更に、適切な
負圧を加えることにより、長い溶液供給ラインを必要と
しないので、有機EL材料の溶液の利用率を上げること
ができる。
【0040】請求項7又は11の発明によれば、液滴噴
射ヘッドのノズルからの有機EL材料の溶液の液滴噴射
において、液滴噴射ヘッド中の溶液の圧力を検出して、
溶液の残量の減少に伴い発生する揚力を打消す負圧を溶
液に加えるフィードバック制御を行う。
【0041】従って、請求項7又は11の発明によれ
ば、密度、粘度のうち少なくとも1つが異なる溶液別に
圧力の算出を行うことなく、安定した量の溶液の液滴を
噴射させて、安定した膜厚の有機EL層を形成すること
ができ、更に、適切な負圧を加えることにより、長い溶
液供給ラインを必要としないので、有機EL材料の溶液
の利用率を上げることができる。
【0042】請求項8の発明によれば、液滴噴射ヘッド
のノズルからの有機EL材料の溶液の液滴噴射におい
て、液滴噴射ヘッドのノズルのノズル口での溶液の液面
の形状を検出して、最適な液面の形状を保つ負圧を溶液
に加えるフィードバック制御を行うので、液滴噴射ヘッ
ドを選ぶことなく、安定した量の溶液の液滴を噴射させ
て、安定した膜厚の有機EL層を形成することができ、
更に、適切な負圧を加えることにより、長い溶液供給ラ
インを必要としないので、有機EL材料の溶液の利用率
を上げることができる。
【0043】請求項9記載の発明は、前記溶液タンクか
ら前記液滴噴射ヘッドへの前記溶液の供給は、当該溶液
中の不溶物を取除くフィルタを介して行う、ことを特徴
とする。
【0044】請求項12記載の発明は、前記液滴噴射ヘ
ッドと前記溶液タンクとの間に設けられ、前記溶液タン
クからの溶液内に含まれる不溶物を除去するフィルタを
更に具備してなる、ことを特徴とする。
【0045】請求項9又は12の発明によれば、フィル
タを介して溶液の不要物を取除いてダークスポット及び
リーク電流の発生を防ぎ、安定した量の溶液の液滴を噴
射させて、安定した膜厚の有機EL層を形成することが
できる。
【0046】請求項10に記載の発明は、請求項1、
2、3、4、5、6、7、8又は9記載のELパネル製
造方法により製造されたELパネルを備えて画像を表示
するELディスプレイ、であることを特徴とする。
【0047】請求項10記載の発明によれば、安定した
膜圧の有機EL層を形成されたELパネルを用いるの
で、画素毎に安定した発光を行う画像を表示することが
できる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の第1〜第6の実施の形態を順に説明する。
【0049】(第1の実施の形態)本実施の形態を図1
〜図5を参照して説明する。図1は、本実施の形態のE
Lパネル10の構造と液滴噴射ヘッド21Aの位置を示
す上面図であり、図2は、ELパネル10のセル構造を
示す概略断面図であり、図3は、ELパネル10の電極
構造を示す概略断面図であり、図4は、液滴噴射装置2
0の概略図であり、図5は、XY位置決め制御装置Cの
上面図である。
【0050】図1に示すように、ELパネル10上に、
赤(R)、緑(G)、青(B)の有機EL層11R,1
1G,11Bを形成するために、液滴噴射装置20の液
滴噴射ヘッド21Aの赤、緑、青の有機ELの発光材料
の溶液を、赤、緑、青のノズル21Ar,21Ag,2
1Abを介して、それぞれ隔壁12で区分された各セル
13R,13G,13Bに噴射する。以下、各符号にお
いて、R,rは赤色を意味し、G,gは緑色を意味し、
B,bは青色を意味するものとする。
【0051】ここで、ELパネル10の構造を説明す
る。図2は、図1の液滴噴射ヘッド21Aの走査方向に
沿った断面図であり、四方を隔壁12で区分された一つ
のセル13Rを示している。図2及び図3には、赤のセ
ル13R、有機EL層11Rを示すが、緑、青のセル1
3G,13B、有機EL層11G,11Bについても同
様である。ELパネル10は、ガラス等の透明基板14
と、透明基板14上に形成する、ITO、SnO2等の
透明な導電体からなる走査方向と直行する方向に延在す
るアノード電極15、及び、セル13R,13G,13
Bを区分するSiN等の絶縁材料からなる隔壁12と、
セル13R,13G,13Bへの有機EL材料の溶液の
液滴噴射により形成される有機EL層11R,11G,
11Bとを有する。
【0052】ELパネル10の各アノード電極15と後
述するカソード電極16とがそれぞれ重なり合う有機E
L層の発光区域が1画素であり、1セル内に10画素
(10個のアノード電極15)を有する構成となる。E
Lパネル10は、赤、緑、青のセル13R,13G,1
3Bについて、1つセルに10個の画素を液滴噴射ヘッ
ド21Aの走査方向に平行に連結させ、各色のセルをス
トライプ状に配列した構成である。
【0053】ELパネル10は、完成時には、図3に示
すように、有機EL層11Rの形成の後、有機EL層1
1R,11G,11B及び隔壁13R上に形成する、各
共通の電極であるカソード電極16と、カソード電極1
6上の封止材17、封止材17上の封止ガラス18も有
する。また、各画素の有機EL層の発光のスイッチング
を行うTFT等は図面上省略されている。TFTは、例
えば隔壁12の下に形成される。
【0054】有機EL層11R,11G,11Bは、例
えば、アノード電極15から順に正孔輸送層、発光層、
電子輸送層となる三層構造であっても良いし、アノード
電極15から順に正孔輸送層、電子輸送層を兼ねた発光
層となる二層構造であっても良いし、発光層からなる一
層構造であっても良いし、その他の層構造であっても良
い。
【0055】つまり、有機EL層11R,11G,11
Bは、正孔及び電子を注入する機能、正孔及び電子を輸
送する機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成し
て発光する機能を有する。有機EL層11R,11G,
11Bは、電子的に中立な有機化合物であることが望ま
しく、これにより正孔と電子が有機EL層11R,11
G,11Bでバランス良く注入及び輸送される。
【0056】なお、電子輸送性の物質が発光層に適宜混
合されていても良いし、正孔輸送性の物質が発光層に適
宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔輸送
性の物質が発光層に適宜混合されていても良い。
【0057】また、有機EL層11R,11G,11B
の発光層には、発光材料が含有されている。発光材料と
しては、高分子系材料が用いられることになる。高分子
系材料としては、ポリカルバゾール、ポリパラフェニレ
ン、ポリアリーレンビニレン、ポリチオフェン、ポリフ
ルオレン、ポリシラン、ポリアセチレン、ポリアニリ
ン、ポリピリジン、ポリピリジンビニレン、ポリピロー
ルが挙げられる。また、その他の高分子材料としては、
上記高分子材料(ポリマー)を形成しているモノマーま
たはオリゴマーの共重合体、或いはモノマーまたはオリ
ゴマーの誘導物の重合体及び共重合体と、オキサゾール
(オキサンジアゾール、トリアゾール、ジアゾール)又
はトリフェニルアミン骨格を有するモノマーを重合した
重合体及び共重合体を挙げることができる。また、これ
らポリマーのモノマーとしては、熱、圧、UV、電子線
などを与える事で上述の化合物を形成するモノマー及び
プレカーサポリマーを含むものである。また、これらモ
ノマー間を結合する非共役系ユニットを導入しても構わ
ない。
【0058】高分子材料の具体的なものとしては、ポリ
ピニルカルバゾール、ポリトデシルチオフェン、ポリエ
チレンジオキシチオフェン、ポリスチレンスルフォン酸
分散体変性物、ポリ9,9−ジアルキルフルオレン、ポ
リ(チエニレン−9,9−ジアルキルフルオレン)、ポ
リ(2,5−ジアルキルパラフェニレン−チエニレ
ン)、(ジアルキル:R=C1〜C20)、ポリパラフェニレ
ンビニレン、ポリ(2−メトキシ−5−(2’−エチル
−ヘキシロキシ)−パラフェニレンビニレン)、ポリ
(2−メトキシ−5−(2’−エチル−ペンチロキシ)
−パラフェニレンビニレン)、ポリ(2,5−ジメチル
−パラフェニレンビニレン)、ポリ(2,5−チエニレ
ンビニレン)、ポリ(2,5−ジメトキシパラフェニレ
ンビニレン)、ポリ(1,4−パラフェニレンシアノビ
ニレン)などが挙げられる。
【0059】また、高分子系材料に限られるものではな
く、低分子材料をポリマー分散して用いるものとしても
良い。また、低分子材料の性質によっては、低分子材料
を溶媒に溶かした状態で塗布して使用するものとしても
良い。そして、低分子材料をポリマー分散する際のポリ
マーとしては、周知の汎用ポリマーを含む各種ポリマー
を状況に応じて使用することができる。
【0060】低分子の発光材料(発光物質またはドーパ
ント)としては、アントラセン、ナフタレン、フェナン
トレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フ
ルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペ
リレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノ
ン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエ
ン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベ
ンゾキゾリン、ビススチリル、ピラジン、オキシン、ア
ミノキノリン、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルア
ントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラ
ン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート
化オキシノイド化合物等、4−ジシアノメチレン−4H
−ピラン及び4−ジシアノメチレン−4H−チオピラ
ン、ジケトン、クロリン系化合物やこれらの誘導体が挙
げられる。低分子発光材料の具体的なものとしては、A
lq3、キナクリドンなどが挙げられる。
【0061】また、発光材料は、次式に示すポリフルオ
レン系材料も用いられる。
【化1】 当該ポリフルオレン系材料は、5未満の多分散度を有す
る化合物である。
【0062】但し、上式中、Eは各々独立に、水素、ハ
ロゲン、アリール又は連鎖延長もしくは架橋することの
できる反応性基で置換されたアリール、又はトリアルキ
ルシロキシ部分であり、R1は、各々独立に、C1-20ヒ
ドロカルビル又はS、N、O、PもしくはSiのヘテロ
原子を1以上含むC1-20ヒドロカルビルであり、又は2
つのR1はフルオレン環の9位の炭素と共に、C5-20環
構造又はS、NもしくはOのヘテロ原子を1以上含むC
4-20環構造を形成してもよく、R2は、各々独立に、C1
-20ヒドロカルビル、C1-20ヒドロカルビルオキシ、C1
-20チオエーテル、C1-20ヒドロカルビルオキシカルボ
ニル、C1-20ヒドロカルビルカルボニルオキシ、又はシ
アノである。aは、各々独立に、0〜1の数であり、そ
してmは負でない数である。なお、発光材料は、上述の
ものに限定されるものではない。
【0063】発光層或いは電子輸送層に含有する電子輸
送性物質としては、トリス(8−キノリノラト)アルミ
ニウム(Alq3)等の8−キノリノール又はその誘導
体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、
オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘
導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェ
ニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などが
挙げられる。
【0064】発光層或いは正孔輸送層に含有する正孔輸
送性物質としては、テトラアリールベンジシン化合物
(トリアリールジアミンないしトリフェニルジアミン:
TPD)、芳香族三級アミン、フタロシアニン系化合物
(phthalocyanines)、ナタフタロシアニン系化合物(n
aphthalocyanines)、ポルフィリン系化合物(porphyri
ns)、トリアゾール(triazole)、イミダゾール(imid
azole)、イミダゾロン(imidazolon)、イミダゾール
チオン(imidazolethione)、ピラゾリン(pyrazolin
e)、ピラゾロン(pyrazoline)、テトラヒドロイミダ
ゾール(tetrahydroimidazole)、オキサゾール(oxazol
e)、オキサジアゾール(oxadiazole)、ヒドラゾン(hydra
zone)、アシルヒドラゾン(acylhydrazone)、ポリアリー
ルアルカン(polyarylalkane)スチルベン(stilbene)、ブ
タジエン(butadiene)、ベンジジン型トリフェニルアミ
ン(benzidine-triphenylamine)、スチリルアミン型トリ
フェニルアミン(styrylamine-triphenylamine)、ジアミ
ン型トリフェニルアミン(diamine-triphenylamine)やこ
れ等の誘導体(derivative)、ポリビニルカルバゾール(p
olyvinylcarbazole)、ポリシラン(polysilane)、ポリエ
チレンジオキシチオフェン(polyethylenedioxythiophop
hen:PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(polysthyr
enesulfonate:PPS)、ポリアニリン(polyaniline)
等の導電性の高分子材料の中から少なくとも1種類以上
選択された材料であり、より好ましくは、次式
【化2】 (式中、n,lは負でない整数である。)で表されるP
EDOTをPSS等の保護コロイド(protective colloi
d)により分散重合してなる重合体を適用する材料も挙げ
られる。
【0065】カソード電極16は、隔壁12上にも形成
されている。つまりカソード電極16は、ELパネル1
0に設けられる画素全てに共通する層である。カソード
電極16の具体的なものとして、金、銀、銅、アルミニ
ウム、インジウム、マグネシウム、カルシウム若しくは
バリウム若しくはこれらの合金又はこれら金属若しくは
合金にリチウム、マグネシウム若しくはインジウムを含
む化合物若しくは混合物等が挙げられる。また、カソー
ド電極16は、以上の各種材料の層が積層された積層構
造となっていても良く、具体的には、例えば、有機EL
層11R,11G,11B上にマグネシウムを銀を共蒸
着させたマグネシウム/銀電極層等の通常の電極層が使
用できるが、特にアルミニウム/リチウム電極層は他の
材料の電極に比べて、有機EL層への電子の注入効率が
よいため、EL素子の発光効率、発光輝度を高めること
ができ、異常な発熱の発生によるEL素子の発光寿命、
安定性も更に向上する。また、高純度のバリウム層、高
純度アルミニウム層を順に形成する積層構造も挙げられ
る。
【0066】以上のように積層構造となるELパネル1
0の発光動作時には、図示しないTFTのスイッチング
により、アノード電極15とカソード電極17との間に
電界が生じると、アノード電極15から正孔が有機EL
層11R,11G,11Bの発光層に注入され、カソー
ド電極16から有機EL層11R,11G,11Bの発
光層に電子が注入される。
【0067】そして、有機EL層11R,11G,11
Bの発光層へ正孔及び電子が輸送されて、発光層にて正
孔及び電子が再結合することによって励起子が生成さ
れ、励起子が消滅するときに光子が発生して発光する。
発生した光子は、アノード電極15、透明基板14を順
に透過して出力される。
【0068】有機EL層11R,11G,11Bの発光
材料の各色の色分けは、赤、緑、青の各色を発光する各
発光材料を用いる、又は、白色発光する発光材料に前記
各色の蛍光塗料を混ぜることにより行われる。
【0069】有機EL層11R,11G,11Bの形成
は、以上説明した有機EL材料をエチレン等の溶媒に溶
解させて、発光材料の溶液を生成し、当該溶液を液滴噴
射装置20で液滴噴射させる。
【0070】ここで、図4に示す液滴噴射装置20を説
明する。液滴噴射装置20は、有機EL材料の溶液を各
セル13R,13G,13Gに液滴噴射しELパネル8
0の平面のXY方向移動自在に可動する液滴噴射ヘッド
21Aと、有機EL材料の溶液を貯める溶液タンク22
と、溶液タンク22の溶液を液滴噴射ヘッド21Aへ供
給する短い溶液供給ライン23と、溶液タンク22と溶
液供給ライン23との間の接続口である溶液供給口24
と、溶液供給ライン23上に設けたメンブランフィルタ
等のフィルタ25と、溶液タンク22に負の気圧(負
圧)を供給する圧力源26と、溶液タンク22の液面の
位置を検出して内部の溶液の残量を検出する液面センサ
(液面位置検出手段)27と、液面センサ27で検出し
た液面の位置に基づき圧力源76を制御するコントロー
ラ(制御手段)28とを有する。
【0071】液滴噴射ヘッド21Aは、赤、緑、青の有
機EL材料の発光材料の溶液を噴射するノズル21A
r,21Ag,21Abをそれぞれ隣同士が異なる色と
なるよう、各色3個ずつ、全12個を設ける。実際に
は、液滴噴射装置20は、それぞれのノズル21Ar,
21Ag,21Abに対応して、溶液タンク22、溶液
供給ライン23、溶液供給口24、フィルタ25、圧力
源26、液面センサ27、コントローラ28とをそれぞ
れ設ける。
【0072】更に、正孔輸送層、電子輸送層を形成する
場合、それぞれの材料の溶液に対応して、溶液タンク2
2、溶液供給ライン23、溶液供給口24、フィルタ2
5、圧力源26、液面センサ27、コントローラ28と
をそれぞれ設け、発光層以外の正孔輸送材料、電子輸送
材料の液滴噴射においては、全色同じ材料を用いてもよ
い。
【0073】液滴噴射ヘッド21A中の溶液を噴射する
ために、ノズル21Ar,21Ag,21Abは、サー
マルジェット式、ピエゾ式又は静電式等の液滴噴射機構
を有する。
【0074】サーマルジェット式液滴噴射機構は、ノズ
ル21Ar,21Ag,21Ab内の溶液に接した図示
しない発熱体を発熱させることにより、当該発熱体の周
りに溶液の気泡を発生させて、ノズル21Ar,21A
g,21Ab内の圧力を変化させることにより、液滴を
吐出させる構成である。
【0075】ピエゾ式液滴噴射機構は、ノズル21A
r,21Ag,21Ab内の溶液に接した図示しない圧
電体であるピエゾ素子に通電することにより、当該ピエ
ゾ素子内の容積を変化させて、ノズル21Ar,21A
g,21Ab内の溶液に加わる圧力を変化させることに
より、液滴を吐出させる構成である。
【0076】静電式液滴噴射機構は、ノズル21Ar,
21Ag,21Ab内の溶液に接した図示しない第1の
電極と、第1の電極とギャップを有して平行に設けられ
溶液に接しない図示しない第2の電極とを設けてコンデ
ンサとし、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加
することによって、第2の電極に対する第1の電極のク
ーロン力による引力又は斥力を変化させて、ノズル21
Ar,21Ag,21Ab内の溶液の圧力を変化させる
ことにより、液滴を吐出させる構成である。
【0077】溶液タンク22中の溶液の残量の重量によ
り、溶液供給口24、短い溶液供給ライン23を介し、
また溶液中の微粒子等の不溶物除去用のフィルタ25を
介して、液滴噴射ヘッド21A中の溶液に圧力がかか
る。当該重量による圧力は、溶液タンク22中の溶液の
残量の体積(液面の値)に対応する。コントローラ28
は、プログラム制御により、溶液タンク22中の液面の
位置情報を液面センサ27により検出させ、液面センサ
27で検出した液面の位置情報を用いて、溶液の重量に
よる圧力を打消すような最適な負圧を算出し、算出した
負圧を圧力源26から供給させてフィードバック制御す
る。
【0078】手順としては、先ず、溶液タンク22中の
溶液の残量の重量により、溶液タンク22中の溶液は、
溶液供給口24、溶液供給ライン23を介し、フィルタ
25を通過することができる。そして、液滴噴射ヘッド
21A中に溶液が充填し、コントローラ28は、圧力源
26から液滴噴射ヘッド21A中の溶液にかかる重量に
よる圧力を打消す最適な負圧を算出して供給させる。溶
液タンク22中の液面が下がった場合、溶液の体積も減
少して、液滴噴射ヘッド21A中の溶液の重量による圧
力が減少するので、減少した重量による圧力に対応して
圧力源26から供給する負圧も減少させる。
【0079】コントローラ28には予め液滴噴射ヘッド
21A中の溶液の種類に応じた溶液の密度、粘性、濃度
や初期状態での残量、必要な噴射量が入力されている。
コントローラ28における、液滴噴射ヘッド21A中の
溶液にかかる重量による圧力を打消す負圧の算出方法
は、先ず、液面センサ27で検出した溶液タンク22中
の液面の位置情報から、溶液の残量の自重によってフィ
ルタ25或いは液滴噴射ヘッド21Aに加わる圧力を計
算する。フィルタ25或いは液滴噴射ヘッド21Aに掛
かる圧力が一定となるように、噴射により減少する溶液
自体の圧力の変化を算出し、この算出データにしたがっ
て圧力源26が圧力を加える。つまり溶液タンク22中
の溶液が初期状態で満たされているときでも、噴射して
残量が減っているときでも、液滴噴射ヘッド21Aは同
じ動作で常に一定量の溶液を噴射することができる。こ
のように、液滴噴射ヘッド21Aでの噴射機構を複雑に
することなく、容易に噴射量を制御することができる。
溶液の噴射量は成膜時の有機EL層の厚さ、溶液タンク
22中の溶液の濃度に依存しているが、有機EL層11
R,11G,11Bの種類毎に適宜噴射量を変えること
により発光色のバランスを最適化してもよい。このと
き、液滴噴射装置20は、有機EL層11R,11G,
11B毎に別体とすることが望ましい。
【0080】次に、図5に示す液滴噴射ヘッド21Aを
移動するXY位置決め制御装置Cについて説明する。X
Y位置決め制御装置Cは、ELパネル10を搬送する図
示しないELパネル搬送装置に対して直角に、かつ、当
該ELパネル搬送装置を跨ぐようにして設けられる二本
の支持梁C1,C2と、Y軸方向へ移動自在となるよう
に二本の支持梁C1,C2間に架け渡されるビームC3
と、ビームC3の長手方向に移動自在に取付けられるヘ
ッドC4と、ビームC3の各端で支持梁C1,C2それ
ぞれの長手方向の移動の駆動力を供給するY軸リニアモ
ータC5,C6と、ヘッドC4に対してビームC3の長
手方向の移動の駆動力を供給するX軸リニアモータC7
と、ビームC3のY軸位置を検出するための位置検出手
段であり、支持梁C1,C2にそれぞれ設けられたY軸
リニアエンコーダC8,C9と、ヘッドC4のX軸位置
を検出するための位置検出手段であるX軸リニアエンコ
ーダC10と、各部を制御する図示しない位置決め制御
部とを有する。
【0081】支持梁C1の長手方向をY1軸方向とし、
支持梁C2の長手方向をY2軸方向とし、ビームC3の
長手方向をX軸方向とする。そして、ヘッドC4に液滴
噴射ヘッド21Aを搭載する構成であるとする。
【0082】XY位置決め制御装置Cは、位置決め制御
部が、位置指令(ビームC3及びヘッドC4の位置、E
Lパネル10のセル13R,13G,13B位置等に関
する情報)と、Y軸リニアエンコーダC8,C9から出
力されたビームC3のY1軸、Y2軸の位置フィードバ
ック情報と、X軸リニアエンコーダC10から出力され
たヘッドC4のX軸の位置フィードバック情報とを用い
て、それぞれ駆動手段であるY軸リニアモータC5,C
6、X軸リニアモータC7の駆動を制御することで、ヘ
ッドC4をELパネル10上の所定位置に移動させる構
成である。
【0083】XY位置決め制御装置Cは、Y軸の位置決
め制御において、Y1軸側のY軸リニアモータC5に
は、共通な位置指令と、Y軸リニアエンコーダC8から
出力されたビームC3のY1軸の位置フィードバック情
報とを用いて位置決め制御し、Y2軸側のY軸リニアモ
ータC6には、共通な位置指令と、Y軸リニアエンコー
ダC9から出力されたビームC3のY2軸の位置フィー
ドバック情報とを用いて位置決め制御し、Y1軸側とY
2軸側で別々に制御する全軸式位置決め制御方式を採用
している。
【0084】また、Y1軸側をマスタ側、Y2軸側をス
レーブ側として、Y2軸側のY軸リニアエンコーダC9
を設けずに、Y軸リニアモータC5,C6の両方に、位
置指令及びY軸リニアエンコーダC8から出力されたビ
ームC3のY1軸の位置フィードバック情報とを用いて
Y1軸方向及びY2軸方向を共通に位置決め制御するマ
スタスレーブ式位置決め制御方式を採用する構成でもよ
い。この場合、マスタ側とスレーブ側を代えた構成でも
よい。
【0085】次に、ELパネル10製造方法を説明す
る。先ず、透明基板14上にアノード電極15、隔壁1
2を形成し、XY位置決め制御装置Cにおいて、ELパ
ネル搬送装置によって搬送されたELパネル10上の各
セル13R,13G,13Gの所定位置に、ヘッドC4
に搭載された液滴噴射ヘッド21AをX軸方向及びY軸
方向移動自在に位置決め制御し、セル13R,13G,
13Gの長手方向に走査しつつ、液滴噴射装置20にお
いて、コントローラ28は、液面センサ27に溶液タン
ク22内の発光材料の溶液の液面の位置を検出して、検
出した液面の位置に対応する適切な負圧を圧力源26か
ら出力させて、ヘッドC4に搭載された液滴噴射ヘッド
21A内の溶液の圧力を最適な圧力に保ち、上記の液滴
噴射機構により、ノズル21Ar,21Ag,21Ab
内の発光材料の溶液の圧力を微調整して、溶液の液滴を
各セル13R,13G,13Bの画素に連続して噴射し
て、有機EL層11R,11G,11Bの発光層を形成
する。
【0086】上記の製造方法の説明は、有機EL層11
R,11G,11Bが、発光層のみによる1層構造の場
合であるが、2層構造の場合、セル13R,13G,1
3B内に、正孔輸送材料、発光材料の溶液を順に液滴噴
射して、正孔輸送層、発光層の順に形成し、3層構造の
場合、セル13R,13G,13B内に、正孔輸送材
料、発光材料、電子輸送材料の溶液を順に液滴噴射し
て、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順に形成して、
有機EL層11R,11G,11Bを形成する。但し、
有機EL材料の発光層以外の正孔輸送材料、電子輸送材
料の液滴噴射を行う場合、赤、青、緑で同じ材料を用い
てもよい。
【0087】有機EL層11R,11G,11Bを形成
した後、有機EL層11R,11G,11B及び隔壁1
2上に、カソード電極16を形成し、カソード電極16
上に封止材17を、封止材17上に封止ガラス18を順
に形成して、ELパネル10を製造する。
【0088】例えば、画素毎の適正な有機EL層の膜厚
形成に必要な溶液の滴下量が4滴であるとすると、従来
の1セルあたり1画素の構成では、1画素に1つのミス
ファイアが生じれば、溶液の滴下量は1セル全体の1/
4、つまり25%減或いは25%増を生じてしまってい
た。本実施の形態のように1セルあたり10画素を有す
る構成においては、1セル内では40滴が必要となる。
ミスファイアの発生確率が10万分の1であるとする
と、1セル内の10画素中で連続したミスファイアの生
じる確率は、著しく低くなり、有機EL層の膜厚の不安
定による画像不良を防ぐことができる。例えば、1セル
(10画素)に1つの滴下不足のミスファイアが生じれ
ば、1セル全体の1/40、つまり2.5%減或いは
2.5%増を生じるに過ぎない。これは、実質的に輝点
不良となる程度に至らない。
【0089】よって、ELパネル10の有機EL層形成
において、有機EL材料の溶液の液滴噴射でのミスファ
イアの発生による有機EL層の膜厚への変化の影響を減
少させ、安定した膜厚の有機EL層を形成し、輝点不良
等の画像不良を無くすことができる。
【0090】また、セル13R,13G,13Bの長手
方向と液滴噴射ヘッド21Aの走査方向を同一にして、
液滴噴射ヘッド21Eから有機EL材料の溶液を連続し
て噴射し、溶液の液滴噴射の時間間隔によって、先に噴
射した溶液が乾燥することによる乾きむらを抑制し、安
定した膜厚の有機EL層を形成することができる。
【0091】また、液滴噴射ヘッド21Aのノズルから
の有機EL材料の溶液の液滴噴射において、溶液タンク
22内の液面の位置を液面センサ27で検出して、検出
した液面の位置(溶液の残量)に対応する圧力を打消す
負圧を溶液に加えるフィードバック制御を行うので、フ
ィルタ25を介して不溶物を取除いてダークスポット及
びリーク電流の発生を防ぎ、安定した量の液滴を噴射さ
せることができる。
【0092】更に、適切な負圧を加えることにより、長
い溶液供給ラインを必要とせず、短い溶液供給ライン2
3を設けるので、高価な有機EL材料の溶液の利用率を
上げることができる。
【0093】なお、本実施の形態では、1セルあたりの
画素数は10個としたが、これに限定されるものではな
く、これ以外の複数の画素数で形成される構成でもよ
い。
【0094】また、本実施の形態では、液滴噴射装置2
0において、溶液タンク22内の溶液の残量を求めるの
に、液面センサ27で検出した液面の位置を検出して用
いたが、溶液タンク22の重量を計測する重量秤等の他
の計測機器やセンサで計測する構成でもよい。
【0095】(第2の実施の形態)本実施の形態を図6
を参照して説明する。図6は、本実施の形態のELパネ
ル30の構造と液滴噴射ヘッド21Dの位置を示す上面
図である。本実施の形態は、第1の実施の形態のELパ
ネル10をELパネル30に代え、液滴噴射装置20の
液滴噴射ヘッド21Aを液滴噴射ヘッド21Dに代えた
構成であり、同様な部分の説明は省略する。
【0096】ELパネル30は、赤、緑、青のセル33
R,33G,33Bについて、1つのセルに29個の画
素を液滴噴射ヘッド21Dの走査方向に垂直に連結さ
せ、各色のセルをストライプ状に配列するように、赤、
緑、青の有機EL層31R,31G,31B及び隔壁3
2を形成した構成である。
【0097】液滴噴射ヘッド21Dは、赤、緑、青それ
ぞれの有機EL材料の発光材料の溶液を噴射する液滴噴
射ヘッド21DR,21DG,21DBを有し、液滴噴
射ヘッド21DR,21DG,21DBそれぞれに、各
29個の同色の発光材料の溶液を噴射するノズル21D
r,21Dg,21Dbを設ける。つまり一つの画素に
一つのヘッドが対応して配置されている。
【0098】ELパネル30と、液滴噴射ヘッド21D
の構成によれば、ELパネル30の有機EL層形成方法
において、赤、緑、青それぞれの有機EL材料の発光材
料の溶液の液滴を、ノズル21Dr,21Dg,21D
bから、各セル毎の全画素に一度に噴射することができ
る。有機EL材料の発光層以外の正孔輸送材料、電子輸
送材料の溶液の液滴噴射を行う場合は、全色同じ材料を
用いてもよい。このように29個の画素、つまり複数の
画素をまとめてその周囲を隔壁32で囲むことにより画
素1個に対して仮にミスファイアがあったとしても、セ
ル内で溶液の高さが均等になるように溶液が移動するの
で、一画素でのミスファイアの影響を低減することがで
きる。
【0099】よって、液滴噴射ヘッド21Dのノズルか
ら各セル毎の全画素に一度に有機EL材料の溶液を噴射
することができるので、液滴噴射ヘッド21Dの移動に
よる時間差によって、先に噴射した溶液が先に乾燥する
ことによる乾きむらを抑制し、安定した膜厚の有機EL
層を形成することができる。
【0100】なお、1セルあたりの画素数は29個とし
たが、これに限定されるものではなく、これ以外の複数
の画素数で形成される構成でもよい。
【0101】(第3の実施の形態)本実施の形態を図7
を参照して説明する。図7は、本実施の形態のELパネ
ル40の構造と液滴噴射ヘッド21Eの位置を示す上面
図である。本実施の形態は、第1の実施の形態のELパ
ネル10をELパネル40に代え、液滴噴射装置20の
液滴噴射ヘッド21Aを液滴噴射ヘッド21Eに代えた
構成であり、同様な部分の説明は省略する。
【0102】ELパネル40は、赤、緑、青のセル43
R,43G,43Bについて、1つのセルに10個の画
素を対角に連結させ、各色のセルをモザイク状に配列す
るように、赤、緑、青の有機EL層41R,41G,4
1B及び隔壁42を形成した構成である。なお、ELパ
ネル40の端では、その形状に合せて、1セル内の画素
数を増減させる。
【0103】液滴噴射ヘッド21Eは、赤、緑、青それ
ぞれの有機EL材料の発光材料の溶液を隣同士が異色と
なるように噴射するよう配置された各色3個ずつ、全1
2個のノズル21Er,21Eg,21Ebを設ける。
【0104】ELパネル40と、液滴噴射ヘッド21E
の構成によれば、ELパネル40の有機EL層形成方法
において、液滴噴射ヘッド21Eを対角の走査方向に移
動させつつ、赤、緑、青それぞれの有機EL材料の発光
材料の溶液の液滴を、ノズル21Er,21Eg,21
Ebから、乾燥以前に連続して噴射する。有機EL材料
の発光層以外の正孔輸送材料、電子輸送材料の溶液の液
滴噴射を行う際は、全色同じ材料を用いてもよい。この
ように複数の画素をまとめてその周囲を隔壁32で囲ん
でいるので画素1個に対して仮にミスファイアがあった
としても、溶液の高さが均等になるように隔壁42での
くびれ部から溶液が移動するので、一画素でのミスファ
イアでの膜厚のバラツキを低減することができる。
【0105】よって、各色を対角方向に配列したモザイ
ク状のELパネル40における有機EL層形成におい
て、液滴噴射ヘッド21Eのノズルを対角方向に走査し
て有機EL材料の溶液を連続して液滴噴射するので、溶
液の液滴噴射の時間間隔によって、先に噴射した溶液が
乾燥することによる乾きむらを抑制し、安定した膜厚の
有機EL層を形成することができる。
【0106】なお、1セルあたりの画素数は10個とし
たが、これに限定されるものではなく、これ以外の複数
の画素数で形成される構成でもよい。
【0107】(第4の実施の形態)本実施の形態を図8
を参照して説明する。図8は、本実施の形態のELパネ
ル50の構造と液滴噴射ヘッド21Fの位置を示す上面
図である。本実施の形態は、第1の実施の形態のELパ
ネル10をELパネル50に代え、液滴噴射装置20の
液滴噴射ヘッド21Aを液滴噴射ヘッド21Fに代えた
構成であり、同様な部分の説明は省略する。
【0108】ELパネル50は、赤、緑、青のセル53
R,53G,53Bについて、1つのセルに12個の画
素を対角方向に連結させ、更に液滴噴射ヘッド21Fの
走査方向に対して垂直方向に12個の画素毎に区切り、
各色のセルをモザイク配列するように、赤、緑、青の有
機EL層51R,51G,51B及び隔壁52を形成し
た構成である。なお、ELパネル50の端では、その形
状に合せて、1セル内の画素数を増減させる。
【0109】液滴噴射ヘッド21Fは、赤、緑、青それ
ぞれの有機EL材料の発光材料の溶液を噴射する液滴噴
射ヘッド21FR,21FG,21FBを有し、液滴噴
射ヘッド21FR,21FG,21FBそれぞれに、溶
液を噴射する各12個の同色のノズル21Fr,21F
g,21Fbを設ける。
【0110】ELパネル50と、液滴噴射ヘッド21F
の構成によれば、ELパネル50の有機EL層形成方法
において、液滴噴射ヘッド21Fを走査方向に移動させ
つつ、プログラム制御等により、液滴噴射ヘッド21F
の現在の位置に対応する色の溶液のノズルをノズル21
Fr,21Fg,21Fbから選択し、赤、緑、青それ
ぞれの有機EL材料の発光材料の溶液の液滴を、前記選
択したノズルから、乾燥以前に連続して噴射する。発光
層以外の有機EL材料の正孔輸送材料、電子輸送材料の
溶液の液滴噴射を行う際は、全色同じ材料を用いてもよ
い。
【0111】よって、各色を対角方向に配列したモザイ
ク状のELパネル50において、液滴噴射ヘッド21F
のノズルから有機EL材料の溶液を連続して噴射し、溶
液の液滴噴射の時間間隔によって、先に噴射した溶液が
乾燥することによる乾きむらを抑制し、安定した膜厚の
発光層を形成するので、安定した膜厚の有機EL層を形
成することができる。
【0112】なお、1セルあたりの画素数は12個とし
たが、これに限定されるものではなく、これ以外の複数
の画素数で形成される構成でもよい。
【0113】(第5の実施の形態)本実施の形態を図9
を参照して説明する。図9は、本実施の形態の液滴噴射
装置60を示す概略図である。本実施の形態は、第1の
実施の形態の液滴噴射装置20を液滴噴射装置60に代
えた構成であり、同様な部分の説明は省略する。
【0114】液滴噴射装置60は、有機EL材料の溶液
を各セル13R,13G,13Gに液滴噴射しELパネ
ル10の平面のXY方向移動自在に可動する液滴噴射ヘ
ッド61と、有機EL材料の溶液を貯める溶液タンク6
2と、溶液タンク62の溶液を液滴噴射ヘッド61へ供
給する短い溶液供給ライン63と、溶液タンク62と溶
液供給ライン63との間の接続口である溶液供給口64
と、溶液供給ライン63上に設けたメンブランフィルタ
等のフィルタ65と、溶液タンク62に負圧を供給する
圧力源66と、液滴噴射ヘッド61に設けられ液滴噴射
ヘッド61内の溶液の圧力を検出する圧力センサ(圧力
検出手段)67と、圧力センサ67で検出した圧力に基
づき圧力源76を制御するコントローラ(制御手段)6
8とを有する。
【0115】液滴噴射ヘッド61は、第1の実施の形態
の液滴噴射ヘッド21Aに圧力センサ67を設ける構成
である。
【0116】溶液タンク62中の溶液の残量の重量によ
り、溶液供給口64及び短い溶液供給ライン63を介
し、また溶液中の微粒子等の不溶物除去用のフィルタ6
5を介して、液滴噴射ヘッド61中の溶液に圧力がかか
る。コントローラ68は、プログラム制御により、液滴
噴射ヘッド61中の溶液の圧力を圧力センサ67により
検出させ、圧力センサ67で検出した溶液の圧力の値を
用いて、残溶液の重量による圧力を打消すような最適な
負圧を圧力源66から供給させてフィードバック制御す
る。
【0117】手順としては、先ず、溶液タンク62中の
溶液の残量の重量により、溶液タンク62中の溶液は、
溶液供給口64、溶液供給ライン63を介し、フィルタ
65を通過することができる。そして、液滴噴射ヘッド
61中に溶液が充填し、コントローラ68は、圧力源6
2から液滴噴射ヘッド61中の溶液にかかる重量による
圧力を打消す最適な負圧を供給させる。
【0118】第1の実施の形態で述べたように、液滴噴
射装置20は、コントローラ28において、液面センサ
27から検出された液面の位置を用いて、圧力源26か
ら供給する負圧を算出していたため、密度、粘度のうち
少なくとも1つが異なる溶液を用いた場合、残溶液の重
量による圧力の算出式も異なり、コントローラ28で実
行するプログラムを変更しなければならない。
【0119】本実施の形態では、コントローラ68にお
いて、圧力センサ67から検出された溶液の圧力を液滴
噴射ヘッド61中の溶液の圧力とするため、密度、粘度
のうち少なくとも1つが異なる溶液を用いた場合でも、
コントローラ68で実行する制御プログラムの変更は不
要である。
【0120】よって、液滴噴射ヘッド61のノズルから
の有機EL材料の溶液の液滴噴射において、液滴噴射ヘ
ッド61中の溶液の圧力情報を圧力センサ27で検出し
て、検出した圧力に対応する揚力を打消す負圧を溶液に
加えるフィードバック制御を行うので、密度、粘度のう
ち少なくとも1つが異なる溶液に対しても別々に圧力の
算出をすることなく、フィルタ65を介して不溶物を取
除いてダークスポット及びリーク電流の発生を防ぎ、安
定した量の液滴を噴射させ、安定した膜厚の有機EL層
を形成することができる。
【0121】なお、本実施の形態を第2、第3又は第4
の実施の形態に適用する場合は、液滴噴射ヘッド61
は、それぞれ液滴噴射ヘッド21D,21E,21Fに
圧力センサ67を設ける構成となる。
【0122】(第6の実施の形態)本実施の形態を図1
0を参照して説明する。図10は、本実施の形態の液滴
噴射装置70を示す概略図である。本実施の形態は、第
1の実施の形態の液滴噴射装置20を液滴噴射装置70
に代えた構成であり、同様な部分の説明は省略する。
【0123】液滴噴射装置70は、有機EL材料の溶液
を各セル13R,13G,13Gに液滴噴射しELパネ
ル10の平面のXY方向移動自在に可動する液滴噴射ヘ
ッド71と、有機EL材料の溶液を貯める溶液タンク7
2と、溶液タンク72の溶液を液滴噴射ヘッド71へ供
給する短い溶液供給ライン73と、溶液タンク72と溶
液供給ライン73との間の接続口である溶液供給口74
と、溶液供給ライン73上に設けたメンブランフィルタ
等のフィルタ75と、溶液タンク72に負圧を供給する
圧力源76と、液滴噴射ヘッド61のノズルのノズル口
から噴射する溶液のメニスカス(液面の形状)を検出す
るCCD(Charge Coupled Device)カメラ(液面形状
検出手段)77と、CCDカメラ77で検出したメニス
カス情報に基づき圧力源76を制御するコントローラ
(制御手段)78とを有する。液滴噴射ヘッド71は、
第1の実施の形態の液滴噴射ヘッド21Aと同様の構成
である。
【0124】溶液タンク72中の溶液の残量の重量によ
り、溶液供給口74、短い溶液供給ライン73を介し、
また溶液中の微粒子等の不溶物除去用のフィルタ75を
介して、液滴噴射ヘッド71中の溶液に圧力がかかる。
コントローラ78は、プログラム制御により、液滴噴射
ヘッド71内のノズルのノズル口での溶液のメニスカス
をCCDカメラ77により検出させ、CCDカメラ77
で検出したメニスカスを用いて、残溶液の重量による圧
力を打消し溶液のメニスカス状態を最適に保つような負
圧を圧力源76から供給させてフィードバック制御す
る。
【0125】手順としては、先ず、溶液タンク72中の
溶液の残量の重量により、溶液タンク72中の溶液は、
溶液供給口74、溶液供給ライン73を介し、フィルタ
75を通過することができる。そして、液滴噴射ヘッド
71中に溶液が充填し、コントローラ78は、圧力源7
2から液滴噴射ヘッド71中の溶液にかかる圧力を打消
す最適な負圧を供給させる。
【0126】第5の実施の形態で述べたように、液滴噴
射装置60は、液滴噴射ヘッド61に圧力センサ67を
設けるため、液滴噴射ヘッド61の製造段階で予め圧力
センサ67を組込む必要があるが、本実施の形態の液滴
噴射装置70は、液滴噴射ヘッド71にCCDカメラ7
7を設ける必要がないため、あらゆる液滴噴射ヘッドに
後付けが可能で、液滴噴射ヘッドを選ばずにフィードバ
ック制御を行うことができる。例えば、本実施の形態を
第2、第3又は第4の実施の形態に適用する場合、それ
ぞれ液滴噴射ヘッド21D,21E,21Fにも後付け
可能である。
【0127】よって、液滴噴射ヘッド71のノズルから
の有機EL材料の溶液の液滴噴射において、液滴噴射ヘ
ッド71のノズルのノズル口での溶液のメニスカスをC
CDカメラ67で検出して、最適なメニスカスを保つ負
圧を溶液に加えるフィードバック制御を行うので、液滴
噴射ヘッドを選ぶことなく、フィルタ75を介して不溶
物を取除いてダークスポット及びリーク電流の発生を防
ぎ、安定した量の液滴を噴射させて、安定した膜厚の有
機EL層を形成することができる。
【0128】なお、本実施の形態では、溶液のメニスカ
スを検出する手段として、CCDカメラ77を用いた
が、その他の画像センサ、レーザ変位形等の計測装置を
用いる構成でもよい。
【0129】なお、上記各実施の形態では、安定した膜
圧の有機EL層を形成されたELパネルを製造している
が、当該製造されたELパネルに、アクティブマトリッ
クス方式で各画素の発光を制御するドライバ、コントロ
ーラ等を設けて画像を表示するELディスプレイは、画
素毎に安定した発光を行う画像を表示することができ
る。また、上記各実施の形態では、各画素の形状は略四
辺形であったが、これに限らず、三角形やその他の多角
形や円形等であってもよい。このとき、このとき上記実
施の形態の対角方向は、各画素の略45゜斜め方向に相
当する。
【0130】以上、本発明の実施の形態につき説明した
が、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限
定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本
発明にいう効果を有する範囲内において適宜に変更実施
が可能なものである。
【0131】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、複数の画
素を定義するセルに液滴噴射装置の液滴噴射ヘッドのノ
ズルから前記溶液を液滴噴射することができるので、仮
にある画素で有機EL材料の溶液の液滴噴射でのミスフ
ァイアが発生しても、ミスファイアした画素の溶液量と
同一セル内の他の画素の溶液量とが均一になるように同
一セル内で溶液が移動するので、ミスファイアによる有
機EL層の膜厚への変化の影響を減少させ、安定した膜
厚の有機EL層を形成し、輝点不良等の画像不良を無く
すことができる。
【0132】請求項2記載の発明によれば、セルの長手
方向と液滴噴射ヘッドの走査方向を同一にして、液滴噴
射ヘッドのノズルから同一セル内への有機EL材料の溶
液を連続して液滴噴射するので、溶液の液滴噴射の時間
間隔によって、先に噴射した溶液が乾燥する前に、次に
噴射した溶液が先に噴射した溶液と部分的に重なるよう
に吐出されるので、乾きむらによる膜の不均一を抑制
し、安定した膜厚の有機EL層を形成することができ
る。
【0133】請求項3記載の発明によれば、液滴噴射ヘ
ッドのノズルから各セル毎の全画素に一度に有機EL材
料の溶液を液滴噴射するので、液滴噴射ヘッドの移動に
よる時間差によって、先に噴射した溶液が先に乾燥する
ことによる乾きむらを抑制し、安定した膜厚の有機EL
層を形成することができる。
【0134】請求項4記載の発明によれば、各色を対角
方向に配列したモザイク状のELパネルの有機EL層形
成において、液滴噴射ヘッドのノズルをセルの長手方
向、つまり対角方向に走査して有機EL材料の溶液を連
続して液滴噴射するので、溶液の液滴噴射の時間間隔に
よって、先に噴射した溶液が乾燥することによる乾きむ
らを抑制し、安定した膜厚の有機EL層を形成すること
ができる。
【0135】請求項5記載の発明によれば、各色を対角
方向に配列したモザイク状のELパネルの有機EL層形
成において、液滴噴射ヘッドのノズルから発光材料の溶
液を連続して液滴噴射するので、溶液の液滴噴射の時間
間隔によって、先に噴射した溶液が乾燥することによる
乾きむらを抑制するので、安定した膜厚の有機EL層を
形成することができる。
【0136】請求項6又は11記載の発明によれば、液
滴噴射ヘッドのノズルからの有機EL材料の溶液の液滴
噴射において、溶液タンク内の残溶液の液面の位置又は
重量を検出して、溶液の残量の減少に伴い発生する、当
該液面の位置又は重量に対応する揚力を打消す負圧を溶
液に加えるフィードバック制御を行うので、安定した量
の溶液の液滴を噴射させて、安定した膜厚の有機EL層
を形成することができ、更に、適切な負圧を加えること
により、長い溶液供給ラインを必要としないので、有機
EL材料の溶液の利用率を上げることができる。
【0137】請求項7又は11記載の発明によれば、液
滴噴射ヘッドのノズルからの有機EL材料の溶液の液滴
噴射において、液滴噴射ヘッド中の溶液の圧力を検出し
て、溶液の残量の減少に伴い発生する揚力を打消す負圧
を溶液に加えるフィードバック制御を行うので、密度、
粘度のうち少なくとも1つが異なる溶液別に圧力の算出
を行うことなく、安定した量の溶液の液滴を噴射させ
て、安定した膜厚の有機EL層を形成することができ、
更に、適切な負圧を加えることにより、長い溶液供給ラ
インを必要としないので、有機EL材料の溶液の利用率
を上げることができる。
【0138】請求項8記載の発明によれば、液滴噴射ヘ
ッドのノズルからの有機EL材料の溶液の液滴噴射にお
いて、液滴噴射ヘッドのノズルのノズル口での溶液の液
面の形状を検出して、最適な液面の形状を保つ負圧を溶
液に加えるフィードバック制御を行うので、液滴噴射ヘ
ッドを選ぶことなく、安定した量の溶液の液滴を噴射さ
せて、安定した膜厚の有機EL層を形成することがで
き、更に、適切な負圧を加えることにより、長い溶液供
給ラインを必要としないので、有機EL材料の溶液の利
用率を上げることができる。
【0139】請求項9又は12記載の発明によれば、フ
ィルタを介して溶液の不溶物を取除いてダークスポット
及びリーク電流の発生を防ぎ、安定した量の溶液の液滴
を噴射させて、安定した膜厚の有機EL層を形成するこ
とができる。
【0140】請求項10記載の発明によれば、安定した
膜圧の有機EL層を形成されたELパネルを用いるの
で、画素毎に安定した発光を行う画像を表示することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のELパネル10の
構造と液滴噴射ヘッド21Aの位置を示す上面図であ
る。
【図2】ELパネル10のセル構造を示す概略断面図で
ある。
【図3】ELパネル10の電極構造を示す概略断面図で
ある。
【図4】液滴噴射装置20の概略図である。
【図5】XY位置決め制御装置Cの上面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のELパネル30の
構造と液滴噴射ヘッド21Dの位置を示す上面図であ
る。
【図7】本発明の第3の実施の形態のELパネル40の
構造と液滴噴射ヘッド21Eの位置を示す上面図であ
る。
【図8】本発明の第4の実施の形態のELパネル50の
構造と液滴噴射ヘッド21Fの位置を示す上面図であ
る。
【図9】本発明の第5の実施の形態の液滴噴射装置60
を示す概略図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態の液滴噴射装置7
0を示す概略図である。
【図11】従来のELパネル80の構造と液滴噴射ヘッ
ド91の位置を示す上面図である。
【図12】従来のELパネル80の構造を示す概略断面
図である。
【図13】従来の液滴噴射装置90の概略図である。
【符号の説明】
10,30,40,50,80…ELパネル 11R,11G,11B,31R,31G,31B,4
1R,41G,41B,51R,51G,51B,81
R,81G,81B…有機EL層 12,32,42,52,82…隔壁 13R,13G,13B,33R,33G,33B,4
3R,43G,43B,53R,53G,53B,83
R,83G,83B…セル 14,84…透明基板 15,85…アノード電極 16…カソード電極 17…封止材 18…封止ガラス 20,60,70,90…液滴噴射装置 21A,21D,21DR,21DG,21DB,21
E,21F,21FR,21FG,21FB,61,7
1,91…液滴噴射ヘッド 21Ar,21Ag,21Ab,21Dr,21Dg,
21Db,21Er,21Eg,21Eb,21Fr,
21Fg,21Fb,91r,91g,91b…ノズル 22,62,72,92…溶液タンク 23,63,73,93…溶液供給ライン 24,64,74,94…溶液供給口 25,65,75…フィルタ 26,66,76…圧力源 27…液面センサ 28,68,78…コントローラ 67…圧力センサ 77…CCDカメラ C…XY位置決め装置 C1,C2…支持梁 C3…ビーム C4…ヘッド C5,C6…Y軸リニアモータ C7…X軸リニアモータ C8,C9…Y軸リニアエンコーダ C10…X軸リニアエンコーダ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機EL層となる有機EL材料の溶液を液
    滴噴射するELパネル製造方法であって、 連続してなる複数の画素で構成され、周囲を隔壁で区切
    られたセルに、液滴噴射装置の液滴噴射ヘッドのノズル
    から前記溶液を液滴噴射する、 ことを特徴とするELパネル製造方法。
  2. 【請求項2】前記セルは複数であり、その配列は前記画
    素を一列に連結して同色の有機EL層が形成されるセル
    を、隣同士異なる色に並べるストライプ状であり、 前記液滴噴射ヘッドの移動方向は前記セルの長手方向で
    あり、 前記有機EL材料の溶液を前記セル中に液滴噴射する場
    合、前記ノズルから前記各セルの画素に連続して液滴噴
    射する、ことを特徴とする請求項1記載のELパネル製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記セルは複数であり、その配列は前記画
    素を一列に連結して同色の有機EL層が形成されるセル
    を、隣同士異なる色に並べるストライプ状であり、 前記ノズルは複数であり、且つ各色毎に、前記各ノズル
    は前記各セル内の少なくとも各画素に対応して配列さ
    れ、 前記液滴噴射ヘッドの移動方向は、前記セルの長手方向
    に垂直な方向であり、 前記有機EL材料の溶液を前記セル中に液滴噴射する場
    合、前記ノズルから前記各セルの全画素に一斉に液滴噴
    射する、ことを特徴とする請求項1記載のELパネル製
    造方法。
  4. 【請求項4】前記セルは複数であり、その配列は、前記
    画素を対角に連結して同色の有機EL層が形成されるセ
    ルを、隣同士異なる色に並べるモザイク状であり、 前記液滴噴射ヘッドの移動方向は前記セルの長手方向に
    沿った方向であり、 前記ノズルは複数であり、前記溶液を前記セル中に液滴
    噴射する場合、前記各ノズルは前記各セル内の複数の画
    素に順に連続して液滴噴射する、ことを特徴とする請求
    項1記載のELパネル製造方法。
  5. 【請求項5】前記セルは複数であり、その配列は、前記
    画素を対角に連結して同色の有機EL層が形成されるセ
    ルを、隣同士異なる色に並べるモザイク状であり、 前記液滴噴射ヘッドの移動方向は前記セルの長手方向と
    異なり、 前記ノズルは各色毎に複数であり、前記溶液を前記セル
    中に液滴噴射する場合、前記液滴噴射ヘッドの移動にと
    もない前記画素の色に対応する前記ノズルを選択して対
    応する画素に液滴噴射する、ことを特徴とする請求項1
    記載のELパネル製造方法。
  6. 【請求項6】前記溶液の液滴噴射は、前記溶液を貯める
    溶液タンクから、当該溶液を前記液滴噴射ヘッドへ供給
    し、前記液滴噴射ヘッドのノズルから当該溶液を液滴噴
    射して行い、 前記溶液タンク内の溶液の液面の位置又は溶液の重量を
    検出し、 前記液滴噴射ヘッドにかかる圧力を一定にするように、
    前記検出したデータにしたがって前記溶液タンク内に圧
    力を制御する、ことを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載のELパネル製造方法。
  7. 【請求項7】前記溶液の液滴噴射は、前記溶液を貯める
    溶液タンクから、当該溶液を前記液滴噴射ヘッドへ供給
    し、前記液滴噴射ヘッドのノズルから当該溶液を液滴噴
    射して行い、 前記噴射ヘッド内の溶液の自重による圧力を検出し、 前記液滴噴射ヘッドにかかる圧力を一定するように、前
    記検出したデータにしたがって、前記溶液タンク内に圧
    力を制御する、ことを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載のELパネル製造方法。
  8. 【請求項8】前記溶液の液滴噴射は、前記溶液を貯める
    溶液タンクから、当該溶液を前記液滴噴射ヘッドへ供給
    し、前記液滴噴射ヘッドのノズルから当該溶液を液滴噴
    射して行い、 前記ノズルのノズル口の溶液の液面の形状を検出し、 前記液滴噴射ヘッドにかかる圧力を一定するように、前
    記検出したデータにしたがって、前記溶液タンク内に圧
    力を制御する、ことを特徴とする請求項1、2、3、4
    又は5記載のELパネル製造方法。
  9. 【請求項9】前記溶液タンクから前記液滴噴射ヘッドへ
    の前記溶液の供給は、当該溶液中の不溶物を取除くフィ
    ルタを介して行う、ことを特徴とする請求項6、7又は
    8記載のELパネル製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    又は9記載のELパネル製造方法により製造されたEL
    パネルを備えて画像を表示することを特徴とするELデ
    ィスプレイ。
  11. 【請求項11】有機EL材料の溶液をELパネル基板の
    有機EL層を形成する位置へ液滴噴射する液滴噴射装置
    であって、 前記溶液を液滴噴射する液滴噴射ヘッドと、 前記溶液を貯める溶液タンクと、 前記溶液溶液タンク内の溶液の液面の位置を検出する液
    面位置検出手段、前記溶液溶液タンク内の溶液の重量を
    検出する重量検出手段、及び前記液滴噴射ヘッド内の溶
    液の圧力を検出する圧力検出手段のうちの少なくとも何
    れかと、 前記溶液タンク内に所定の圧力を出力する圧力源と、 前記液滴噴射ヘッド内の溶液の圧力が一定となるよう
    に、前記液面位置検出手段、前記重量検出手段、及び圧
    力検出手段のうちの少なくとも何れかの検出データにし
    たがって前記圧力源から前記溶液タンク内に出力される
    圧力を制御する制御手段と、 を具備してなることを特徴とする液滴噴射装置。
  12. 【請求項12】前記液滴噴射ヘッドと前記溶液タンクと
    の間に設けられ、前記溶液タンクからの溶液内に含まれ
    る不溶物を除去するフィルタを更に具備してなる、こと
    を特徴とする請求項11記載の液滴噴射装置。
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