JP2003207451A - 蛍光観察用装置 - Google Patents
蛍光観察用装置Info
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Abstract
蛍光観察する場合において、微弱な蛍光を効率良く取り
出して観察を行う。 【解決手段】 蛍光観察装置は、照明光のうち特定の波
長の励起光のみを透過させる励起フィルターと、励起光
が標本に照明されることにより標本から発生した蛍光の
みを透過し励起光を遮る吸収フィルターとを有する。励
起フィルターの長波長側半値波長と前記吸収フィルター
の短波長側半値波長との間隔が6〜12nmの範囲にあ
り、湿度が10%〜95%まで変化したときの励起フィ
ルター及び吸収フィルターの半値波長の変化が0.5n
m以内であることを特徴とする。
Description
に用いられる蛍光観察用装置に関する。
本から発生した蛍光を用いて観察を行うことが従前より
行われている。この蛍光観察を行うため、照明光のうち
特定の波長の励起光のみを透過させる励起フィルター
と、励起光が標本に照明されることにより標本から発生
した蛍光のみを透過し励起光を遮る吸収フィルターとが
用いられている。
特開平10−239517号公報に記載されている。こ
の蛍光観察内視鏡装置は、励起フィルターにより460
nm以下の波長の光を透過させて生体に照射して蛍光を
発生させ、吸収フィルターでは480nm〜600nm
の波長の光を透過させることにより蛍光観察を行うもの
である。
であり、蛍光のみを効率よく取り出すことが重要であ
り、このことは、励起フィルターや吸収フィルター等の
性能によって決定される。
励起光1の照射によって励起光1よりも長波長の蛍光2
が発生した関係を示している。この関係では、励起フィ
ルター3はできるだけ多くの励起光を透過させ、吸収フ
ィルター4は励起光を完全にカットし、且つ蛍光をでき
るかぎり多く透過させることが望ましい。このために
は、励起フィルター3の長波長側半値波長Aと吸収フィ
ルター4の短波長側半値波長Bとの間隔Cができるだけ
狭く、且つ重なりがないことが必要となる。
ターの性能が悪いため、蛍光を効率良く取り出すことが
できないものとなっている。このため、励起フィルター
3の長波長側半値波長Aと吸収フィルター4の短波長側
半値波長Bとの間隔Cが約20nmの波長幅程度離れた
状態となっている。この20nmの間の光は、励起光と
しても蛍光としても利用されないため、無駄な領域とな
っている問題を有している。
してなされたものである。励起フィルター及び吸収フィ
ルターを用いた蛍光観察において、微弱な蛍光を効率良
く取り出すことが可能な蛍光観察用装置を提供すること
を目的とする。
側半値波長と吸収フィルターの短波長側半値波長の間隔
が離れている理由は、(1)フィルターの分光特性の安
定性が十分でないこと及び(2)フィルターの製造上の
層数の限界があることに起因している。
着法により形成されることから膜の密度が十分ではない
ため、周囲の湿度により多層膜中に水分を吸収したり放
出したりすることにより分光特性がシフトすることによ
る。これにより±5nm程度のシフトが考えられる。こ
のシフトがあっても、励起フィルターの長波長側半値波
長と吸収フィルターの短波長側半値波長とが重なり合っ
てはならないので、設計上、この間隔を広くとる必要が
ある。
とにより、励起フィルターの長波長側半値波長や吸収フ
ィルターの短波長側半値波長の分光透過特性の立ち上が
りを急峻にして、2つのフィルターの透過領域が重なり
合いにくくすることができる。しかし、従来から用いら
れている真空蒸着法では、製造誤差の問題や膜の密着性
の問題等があることにより、事実上、50層程度が限界
となっている。
変化したときの励起フィルター及び蛍光フィルターの半
値波長の変化が0.5nm以内であるようなフィルター
を用いることにより、上述した理由(1)の原因を取り
除いている。成膜手法としては従来の真空蒸着法よりも
膜の密度が十分に高くなるイオンアシスト法、イオンプ
レーティング法、スパッタリング法等を用いることがで
きる。このことにより、励起フィルターの長波長側半値
波長と吸収フィルターの短波長側半値波長の間隔を6〜
12nmと狭くしても、フィルターの分光特性がほとん
どシフトすることがなくなるため、2つのフィルターの
透過領域が重なり合うことがない。そして、この間隔を
従来よりも小さくしたので、微弱な蛍光を効率良く観察
することが可能となっている。
/または吸収フィルターを90層以上の多層膜としたこ
とにより、上述した理由(2)の原因を取り除いてい
る。このことにより、2つのフィルターの間隔を狭くし
ても、透過領域が重なり合うことがなくなる。このよう
なフィルターは、例えばSiO2とTa2O5からなる
多層膜により形成することができる。また、本発明は、
蛍光観察をする内視鏡や顕微鏡に適用可能である。
置は、照明光のうち特定の波長の励起光のみを透過させ
る励起フィルターと、励起光が標本に照明されることに
より標本から発生した蛍光のみを透過し励起光を遮る吸
収フィルターとを有する蛍光観察用装置であって、前記
励起フィルターの長波長側半値波長と前記吸収フィルタ
ーの短波長側半値波長との間隔が6〜12nmの範囲に
あり、湿度が10%〜95%まで変化したときの励起フ
ィルター及び吸収フィルターの半値波長の変化が0.5
nm以内であることを特徴とする。
察用装置であって、前記励起フィルター及び/または吸
収フィルターが90層以上の多層膜を含むことを特徴と
する。
の蛍光観察用装置であって、前記励起フィルター及び吸
収フィルターがSiO2とTa2O5からなる多層膜を
含むことを特徴とする。
かに記載の蛍光観察用装置であって、顕微鏡の光学系に
組み込まれることを特徴とする。
かに記載の蛍光観察用装置であって、内視鏡の光学系に
組み込まれることを特徴とする。
り、具体的に説明する。
光観察を行うことのできる顕微鏡に対して適用するもの
である。
光路を示し、励起フィルター12は光源11から発生し
た光の内、特定波長の光のみを選択的に透過させる。励
起フィルター12を透過した光は、ダイクロイックミラ
ー13により光路を曲げられて標本14に照射される。
この照射によって標本14から蛍光が発生する。吸収フ
ィルター15は標本14から発生した蛍光のみを選択的
に透過させる。この蛍光は接眼レンズ17を透過した
後、観察側で観察される。
ィルター12、ダイクロイックミラー13、吸収フィル
ター15の分光特性を示し、特性曲線Dが励起フィルタ
ー12、特性曲線Eがダイクロイックミラー13、特性
曲線Fが吸収フィルター15となっている。
493nm、吸収フィルター15の短波長側半値波長は
503nmであり、その間隔は10nmと非常に狭くな
っている。そのため、標本から蛍光を効率よく発生さ
せ、かつ効率よく観察することができる。
12、吸収フィルター15は、図2では1枚のように書
いてあるが、実際には数枚のフィルターを組み合わせた
ものである。たとえば、励起フィルター12は、図4に
示すようなロングウェーブパス(LWP)フィルター
H、ショートウェーブパス(SWP)フィルターGの2
つの組み合わせを基本とし、さらに不要な紫外光や赤外
光をカットするフィルターから構成されている。このう
ち、蛍光観察性能に最も影響が大きいSWPフィルター
Gは、SiO2とTa2O5とを交互に積層した91層
構成であり、RF基板印加方式のイオンプレーティング
法により形成されている。LWPフィルターHも同様に
SiO2とTa2O5を交互に積層した54層構成であ
り、RF基板印加方式のイオンプレーティング法により
形成されている。紫外光や赤外光をカットするフィルタ
ーはSiO2とTiO2を交互に積層した構成であり、
真空蒸着法により形成されている。
ター、SWPフィルター、赤外カットフィルター等で構
成されている。このうち、蛍光観察性能に最も影響の大
きいLWPフィルターは、SiO2とTa2O5を交互
に積層した115層構成であり、RF基板印加方式のイ
オンプレーティング法により形成されている。
法によって形成されたフィルターは、湿度が10%から
95%まで変化したときに半値波長の変化が0〜+0.
1nmであり、いずれも0.5nm以内となっている。
った。蛍光を極めて効率よく取出して観察することがで
きるため、照明光を弱めても十分に観察することができ
た。一方、従来の顕微鏡では、蛍光観察をするために照
明光を強めなければならないが、その影響で生標本が変
質して、生きたままの状態で観祭することができなかっ
た。
と吸収フィルターの短波長側半値波長の間隔は10nm
であったが、フィルターの分光特性をシフトさせること
によって間隔を6〜12nmにしても、観察できる結果
に大きな差はなく、いずれも生標本が変質することな
く、生きたままの状態で観察することができた。
ィング法で形成したフィルターを、イオンアシスト法や
イオンビームスパッタリング法で形成したフィルターに
置換しても同様の結果が得られた。
観察を行うことにより生体の疾患の有無等の診断を行う
医療用内視鏡へ適用するものである。内視鏡の光学系
は、特開平10−239517号公報に開示されている
ものと同様である。すなわち、光源及び光源からの照明
光を生体組織に導くライトガイドファイバによって照明
光学系を形成し、この照明光学系の光路内に、特定波長
の励起光のみを透過させる励起フィルターを挿入する一
方、生体組織から発生した蛍光が入射するライトガイド
及び観察を行う接眼レンズによって観察光学系を形成
し、この観察光学系の光路内に、蛍光のみを透過させる
吸収フィルターを挿入している。この内視鏡では、励起
フィルターを通過した励起光の照射によって生体組織か
ら蛍光を発生させ、この蛍光に基づいて生体組織の観察
を行う。
ターの分光特性を示し、特性曲線Jが励起フィルター、
特性曲線Kが吸収フィルターである。励起フィルターの
長波長側半値波長は486nm、吸収フィルターの短波
長側半値波長は498nmであり、その間隔は12nm
となっている。励起フィルターのSWPフィルターと吸
収フィルターのLWPフィルターは、イオンアシスト蒸
着法により形成したものであり、層数はそれぞれ78
層、99層となっている。湿度が10%から95%まで
変化したときの半値波長の変化はいずれも0.5nm以
内となっている。
励起フィルターと吸収フィルターを用いた蛍光観察用装
置において、微弱な蛍光を効率よく取り出すことができ
る。従って、特に生標本を蛍光観察する場合に、生きた
ままの状態で変質させることなく観察することが可能と
なる。
ある。
る。
である。
特性図である。
及び吸収フィルターの分光特性図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 照明光のうち特定の波長の励起光のみを
透過させる励起フィルターと、励起光が標本に照明され
ることにより標本から発生した蛍光のみを透過し励起光
を遮る吸収フィルターとを有する蛍光観察用装置であっ
て、 前記励起フィルターの長波長側半値波長と前記吸収フィ
ルターの短波長側半値波長との間隔が6〜12nmの範
囲にあり、湿度が10%〜95%まで変化したときの励
起フィルター及び吸収フィルターの半値波長の変化が
0.5nm以内であることを特徴とする蛍光観察用装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載の蛍光観察用装置であっ
て、前記励起フィルター及び/または吸収フィルターが
90層以上の多層膜を含むことを特徴とする蛍光観察用
装置。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の蛍光観察用装置
であって、前記励起フィルター及び吸収フィルターがS
iO2とTa2O5からなる多層膜を含むことを特徴と
する蛍光観察用装置。 - 【請求項4】 顕微鏡の光学系に組み込まれることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光観察用装
置。 - 【請求項5】 内視鏡の光学系に組み込まれることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光観察用装
置。
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---|---|---|---|
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