JP2003207122A - プラズマ式灰溶融炉 - Google Patents

プラズマ式灰溶融炉

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JP2003207122A
JP2003207122A JP2002004431A JP2002004431A JP2003207122A JP 2003207122 A JP2003207122 A JP 2003207122A JP 2002004431 A JP2002004431 A JP 2002004431A JP 2002004431 A JP2002004431 A JP 2002004431A JP 2003207122 A JP2003207122 A JP 2003207122A
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castable
melting furnace
ash melting
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wall
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JP2002004431A
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Kentaro Saeki
健太郎 佐伯
Keita Inoue
敬太 井上
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融スラグまたは溶融メタルがジャケット部
まで到達することにより溶融炉が破損するのを遅らせ
る。 【解決手段】 筒型ジャケット部と、ジャケット部の内
壁に塗布されるキャスタブルと、キャスタブルよりもジ
ャケットの内方に配置されて炉部を形成する耐火煉瓦
と、キャスタブルと耐火煉瓦との間に装填されるスタン
プ材とを具備するプラズマ式灰溶融炉が提供される。さ
らに筒型ジャケット部と、ジャケット部の内壁に設置さ
れる複数の固定部材と、ジャケットの内壁と固定部材と
に塗布されるキャスタブルとを具備し、それにより、該
キャスタブルは固定部材により内壁に固定されるように
なり、さらに、キャスタブルおよび固定部材よりもジャ
ケットの内方に配置されて耐火煉瓦からなる炉部と、キ
ャスタブルおよび固定部材と耐火煉瓦との間に装填され
るスタンプ材とを具備するプラズマ式灰溶融炉が提供さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ式灰溶融
炉に関し、さらに特に一般ゴミなどの焼却灰をプラズマ
により溶融するプラズマ式灰溶融炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般廃棄物、例えば家庭ゴミは通常、焼
却施設、例えばゴミ焼却炉において焼却される。これに
より焼却灰が生じるが、焼却灰は比較的嵩張ると共に有
害物質、例えばダイオキシンを含む場合がある。従っ
て、現在では焼却灰を減容化および無害化するためにプ
ラズマ式灰溶融炉を用いて焼却灰を溶融している。図6
は、従来技術、例えば特開平11−51361号公報に
開示されるようなプラズマ式灰溶融炉の縦断面図であ
る。焼却施設、例えばゴミ焼却炉において生じた焼却灰
は、所定の前処理系に通された後に、図6に示す略円筒
形のプラズマ式灰溶融炉100の炉本体110内に投入
される。次いで炉本体110に固定されたプラズマ電極
180と炉底電極190とによって炉本体110にプラ
ズマ900を生じさせる。これにより、焼却灰は高温下
において溶融スラグ910および溶融メタル920の二
層になる。図6に示されるように炉本体110の側部に
は出滓口140が設けられている。溶融スラグ910お
よび溶融メタル920の一部は出滓口140およびこれ
に連通する出滓樋150を通ってスラグ排出系(図示し
ない)まで運搬され、種々の用途に利用される。
【0003】図7は従来技術のプラズマ式灰溶融炉の部
分拡大断面図である。図6および図7に示すように金属
製ジャケット部200がプラズマ式灰溶融炉100の炉
本体110の外壁を構成している。ジャケット部200
は、内部を流体、例えば水が流通するための流路が形成
された水冷式ジャケットまたは単なる鉄皮であり、通常
はジャケット部200は鉄製である。このようなジャケ
ット部200はプラズマ式灰溶融炉100内部を外方か
ら冷却する役目を果たす。ジャケット部200の内方に
は炉部450が配置されており、炉部450の内壁は溶
融スラグ910に直接的に接触する。図示されるように
炉部450は複数の耐火煉瓦400により構成されてい
る。耐火煉瓦400は炭化物系耐火物、例えばSiCま
たは酸化物系耐火物、例えばAl−Cr
MgO−Cr、Crから形成されている。
さらに、ジャケット部200と炉部450を形成する耐
火煉瓦400との間には耐火性のあるスタンプ材300
が装填されている。スタンプ材300は直径が約0.1
ミリメートルから数ミリメートル程度の粒体であり、炭
素または炭化物系耐火物、例えばSiCから構成されて
いる。スタンプ材300からなる層は耐火煉瓦400が
高温下で膨張するのを吸収する熱膨張吸収材としての役
目を果たす。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラズ
マ式灰溶融炉100の炉部450内の溶融スラグ910
は極めて高温、例えば約1300℃から約1600℃に
達するので、溶融スラグ910または溶融メタル920
に接触する耐火煉瓦400が浸食される。図7に示すよ
うに、溶融スラグ910の特に液面Lに接触する耐火煉
瓦400の内壁の一部が浸食されて凹状の浸食部490
が形成される。このような浸食作用がさらに進行した場
合には、耐火煉瓦400の厚さ部分が全て浸食されて溶
融スラグ910または溶融メタル920がスタンプ材3
00からなる層まで到達する。前述したようにスタンプ
材300は粒体であり耐食性に乏しいので、耐火煉瓦4
00の厚さ部分が全て浸食された場合には、プラズマ式
灰溶融炉100内の溶融スラグ910または溶融メタル
920は短時間でジャケット部200まで到達する。こ
れによりジャケット部200が破損する可能性がある。
従って、溶融スラグ910または溶融メタル920がジ
ャケット部に到達するのを遅らせるようにするのが好ま
しい。
【0005】それゆえ、本発明は溶融スラグまたは溶融
メタルがジャケット部まで到達することにより溶融炉が
破損するのを遅らせるようにしたプラズマ式灰溶融炉を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために請求項1に記載の発明によれば、筒型ジャケット
部と、前記筒型ジャケット部の内壁に塗布されるキャス
タブルと、前記キャスタブルよりも前記筒型ジャケット
の内方に配置されていて炉部を形成する耐火煉瓦と、前
記キャスタブルと前記耐火煉瓦との間に装填されるスタ
ンプ材とを具備するプラズマ式灰溶融炉が提供される。
【0007】すなわち請求項1に記載の発明によって、
キャスタブルが防波堤としての役目を果たすので、溶融
スラグまたは溶融メタルがジャケット部まで到達して溶
融炉を破損させるのを遅らせることができる。従って、
ジャケット部の損傷を未然に妨げることができる。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、筒型ジャ
ケット部と、前記筒型ジャケット部の内壁に設置される
複数の固定部材と、前記筒型ジャケットの前記内壁と前
記固定部材とに塗布されるキャスタブルとを具備し、そ
れにより、該キャスタブルは前記固定部材により前記内
壁に固定されるようになり、さらに、前記キャスタブル
および前記固定部材よりも前記筒型ジャケットの内方に
配置されていて炉部を形成する耐火煉瓦と、前記キャス
タブルおよび前記固定部材と前記耐火煉瓦との間に装填
されるスタンプ材とを具備するプラズマ式灰溶融炉が提
供される。
【0009】すなわち請求項2に記載の発明によって、
固定部材を用いることにより、キャスタブルをジャケッ
ト部の内壁に堅固に固定できると共にジャケット部から
炉部への冷却性能を高めることができる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、前記キャ
スタブルの内壁が前記固定部材の内方側端部と同一平面
になっている。すなわち請求項3に記載の発明によっ
て、キャスタブルをさらに堅固に固定できると共に前記
ジャケット部からの冷却作用を固定部材を介して炉部に
迅速に伝えることができる。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、前記キャ
スタブルの内壁が前記固定部材の内方側端部よりも内方
に位置している。すなわち請求項4に記載の発明によっ
て、炉部を構成する耐火煉瓦が損傷した後においても、
炉部内の溶融スラグまたは溶融メタルがジャケット部ま
で到達するのをさらに遅らせることができる。
【0012】請求項5に記載の発明によれば、前記固定
部材がスタッドである。すなわち請求項5に記載の発明
によって、ジャケットに確実にキャスタブルを保持させ
ながら、できる限りキャスタブルを薄くすることができ
る。
【0013】請求項6に記載の発明によれば、前記固定
部材がY字形状アンカである。すなわち請求項6に記載
の発明によって、Y字形状アンカを採用することによ
り、スタッドを採用する場合よりも少ない本数で、キャ
スタブルをジャケット部の内壁にさらに堅固に固定でき
ると共に、固定部材の表面積が大きくなるので冷却性能
を高めることができる。当然のことながら、他の形状の
アンカを使用してもよい。
【0014】請求項7に記載の発明によれば、前記耐火
煉瓦と前記キャスタブルと前記スタンプ材とが炭化物系
耐火物から形成されている。すなわち請求項7に記載の
発明によって、溶融スラグに対する耐性が強くて熱伝導
率の高い材料を用いることによりジャケット部からの冷
却作用をプラズマ式灰溶融炉内方に効率的に伝えること
ができる。炭化物系耐火物は例えばSiCである。また
酸化物系耐火物、例えばAl−Cr、Mg
O−Cr 、Crを用いて耐火煉瓦を形成す
ることもできる。
【0015】請求項8に記載の発明によれば、筒型ジャ
ケット部を形成し、前記筒型ジャケット部の内壁にキャ
スタブルを塗布し、前記キャスタブルよりも前記筒型ジ
ャケットの内方において炉部を形成する耐火煉瓦を配置
し、前記キャスタブルと前記耐火煉瓦との間にスタンプ
材を装填したプラズマ式灰溶融炉製造方法が提供され
る。
【0016】すなわち請求項8に記載の発明によって、
キャスタブルが防波堤としての役目を果たすので、溶融
スラグまたは溶融メタルがジャケット部まで到達して溶
融炉を破損させるのを遅らせることができる。
【0017】請求項9に記載の発明によれば、筒型ジャ
ケット部の内壁に複数の固定部材を設置し、前記筒型ジ
ャケットの前記内壁と前記固定部材とにキャスタブルを
塗布し、それにより、該キャスタブルは前記固定部材に
より前記内壁に固定されるようになり、さらに、前記キ
ャスタブルおよび前記固定部材よりも前記筒型ジャケッ
トの内方において炉部を形成する耐火煉瓦を配置し、前
記キャスタブルおよび前記固定部材と前記耐火煉瓦との
間にスタンプ材を装填したプラズマ式灰溶融炉製造方法
が提供される。
【0018】すなわち請求項9に記載の発明によって、
固定部材を用いることにより、キャスタブルをジャケッ
ト部の内壁に堅固に固定できると共にジャケット部から
炉部への冷却性能を高めることができる。
【0019】請求項10に記載の発明によれば、前記キ
ャスタブルの内壁が前記固定部材の内方側端部と同一平
面になっている。すなわち請求項10に記載の発明によ
って、キャスタブルをさらに堅固に固定できると共に前
記ジャケット部からの冷却作用を固定部材を介して炉部
に迅速に伝えることができる。
【0020】請求項11に記載の発明によれば、前記キ
ャスタブルの内壁が前記固定部材の内方側端部よりも内
方に位置している。すなわち請求項11に記載の発明に
よって、炉部を構成する耐火煉瓦が損傷した後において
も、炉部内の溶融スラグまたは溶融がジャケット部まで
到達するのをさらに遅らせることができる。
【0021】請求項12に記載の発明によれば、前記固
定部材がスタッドである。すなわち請求項12に記載の
発明によって、ジャケットに確実にキャスタブルを保持
させながら、できる限りキャスタブルを薄くすることが
できる。
【0022】請求項13に記載の発明によれば、前記固
定部材がY字形状アンカである。すなわち請求項13に
記載の発明によって、Y字形状アンカを採用することに
より、スタッドを採用した場合よりも少ない数で、キャ
スタブルをジャケット部の内壁にさらに堅固に固定でき
ると共に、固定部材の表面積が大きくなるので冷却性能
を高めることができる。
【0023】請求項14に記載の発明によれば、前記耐
火煉瓦と前記キャスタブルと前記スタンプ材とが炭化物
系耐火物から形成されている。すなわち請求項14に記
載の発明によって、溶融スラグに対する耐性が強くて熱
伝導率の高い材料を用いることによりジャケット部から
の冷却作用をプラズマ式灰溶融炉内方に効率的に伝える
ことができる。炭化物系耐火物は例えばSiCである。
また酸化物系耐火物、例えばAl−Cr
MgO−Cr、Crを用いて耐火煉瓦を形
成することもできる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施形態を説明する。以下の図面において同一の部材
には同一の参照符号が付けられている。理解を容易にす
るためにこれら図面は縮尺を適宜変更している。図1は
本発明のプラズマ式灰溶融炉の縦断面図である。さらに
図2は図1の線A−Aに沿ってみた本発明のプラズマ式
灰溶融炉の断面図である。図1および図2に示すプラズ
マ式灰溶融炉10は以下のように製造される。第一に円
筒型の金属製ジャケット部20を配置する。このジャケ
ット部20はプラズマ式灰溶融炉10の炉本体11の外
壁を構成する。ジャケット部20は、内部を流体、例え
ば水が流通するための流路が形成された水冷式ジャケッ
トまたはこのような流路を備えていない単なる鉄皮であ
り、通常はジャケット部20は鉄製である。ジャケット
部20はプラズマ式灰溶融炉10内部を外方から冷却す
る役目を果たす。
【0025】図3は固定部材をジャケット部の内壁に取
り付けたのを示すための本発明のプラズマ式灰溶融炉の
部分拡大断面図である。次いで、図3に示すようにジャ
ケット部20の内壁に複数の固定部材60を設置する。
図2および図3に示されるように、本実施形態において
は複数のスタッドは円筒形ジャケット部20の内壁に周
方向にほぼ等間隔に設置されている。これら固定部材6
0は溶接作用または接着作用により円筒形ジャケット部
20の内壁に設置される。本発明においてはこれら図面
に示すように、複数の固定部材60は例えばスタッドで
あってよい。すなわちスタッドは角柱、例えば一辺が1
0mmの角柱型、または図3に示す実施形態においては
円柱、例えば直径が10mmの円柱型でありうる。固定
部材60としてスタッドを採用した場合には、本発明の
プラズマ式灰溶融炉を容易に製造することができる。
【0026】次いで、本発明においては、ジャケット部
20の内壁にキャスタブル50を塗布する。図4は本発
明の第一の実施形態に基づくプラズマ式灰溶融炉の部分
拡大断面図である。図1および図4に示すように、本発
明の第一の実施形態においては、キャスタブル50を円
筒形ジャケット部20の内壁から固定部材60の内方側
端部よりも遠方まで塗布する。ここでキャスタブル50
は耐火性砕石と結合剤との混合物であり、これに液体、
例えば水を加えた後にジャケット部20の内壁に塗布し
ている。本発明において使用されるキャスタブル50
は、炭化物系耐火物、例えばSiCまたは炭素を含みう
る。前述した複数の固定部材60はキャスタブル50が
ジャケット部20の内壁から滑落するのを妨げていると
共にジャケット部20からの冷却作用をプラズマ式灰溶
融炉10内部に伝える役目を果たしている。複数の固定
部材60は例えばY字形状アンカであってもよく、この
場合には固定部材の表面積が大きくなるのでジャケット
部20からの冷却作用をプラズマ式灰溶融炉10内部に
さらに伝えることができる。当然のことながら、固定部
材60が他の形状であってもよい。
【0027】次いで、ジャケット部20の内壁に塗布さ
れたキャスタブル50から所定の距離をおいて、炉部4
5をジャケット部20の内方に設置する。図1および図
2に示すように炉部45は複数の耐火煉瓦40を組み付
けることにより構成されている。耐火煉瓦40は炭化物
系耐火物、例えばSiCまたは酸化物系耐火物、例えば
Al−Cr、MgO−Cr、Cr
から形成されている。
【0028】さらに、耐火性のあるスタンプ材30をジ
ャケット部20の内壁に塗布されたキャスタブル50と
炉部45を形成する耐火煉瓦40との間に装填する。本
発明におけるスタンプ材30は直径が約0.1ミリメー
トルから数ミリメートル程度の粒体であり、炭素または
炭化物系耐火物、例えばSiCから構成されている。ス
タンプ材30からなる層は、プラズマ式灰溶融炉10の
動作時に耐火煉瓦40が高温下で膨張するのを吸収する
熱膨張吸収材としての役目を果たす。スタンプ材30の
装填後には、スタンプ材30をキャスタブル50と耐火
煉瓦40との間において突き固めるのが好ましく、これ
により、熱膨張吸収剤としての効果をさらに高めること
ができる。
【0029】プラズマ式灰溶融炉10を長期間使用する
際に、プラズマ式灰溶融炉10内部の溶融スラグ91ま
たは溶融メタル92により耐火煉瓦40が内方から浸食
される。耐火煉瓦40全体が浸食された場合には、スタ
ンプ材は耐食性に乏しいので耐火煉瓦40に隣接するス
タンプ材30が短時間で浸食される。しかしながら、本
実施形態の場合には、スタンプ材30とジャケット部2
0との間にキャスタブル50からなる層が形成されてい
るので、耐火煉瓦40およびスタンプ材30を浸食した
溶融スラグ91はキャスタブル50において少なくとも
一時的に停止する。すなわちキャスタブル50は溶融ス
ラグ91または溶融メタル92に対して防波堤としての
役目を果たす。従って、本発明においては溶融スラグ9
1が耐火煉瓦40とスタンプ材30とを浸食した後にジ
ャケット部20を損傷させるのをキャスタブル50によ
りさらに遅らせることができる。
【0030】当然のことながら、固定部材を設置するこ
となしにジャケット部20の内壁にキャスタブルを塗布
することもできる。この場合は溶融スラグまたは溶融メ
タルがジャケット部まで到達して溶融炉を破損させるの
をキャスタブルにより比較的容易に遅らせることができ
る。
【0031】図5は本発明の第二の実施形態に基づくプ
ラズマ式灰溶融炉の部分拡大断面図である。本実施形態
において使用される部材の材質などは前述した第一の実
施形態と同様であるが、本実施形態におけるキャスタブ
ル50はジャケット部20の内壁から複数の固定部材6
0の内方側端部まで塗布されている。すなわち、本実施
形態においてはキャスタブル50と固定部材60の内方
側端部とがほぼ同一平面になっている。それゆえ、本実
施形態の場合には、キャスタブルをさらに堅固に固定で
きると共にジャケット部からの冷却作用を固定部材を介
して炉部に迅速に伝えることができる。
【0032】また、本発明において使用されるスタンプ
材30、耐火煉瓦40およびキャスタブル50を構成す
る材料を以下の表1に示す。
【表1】 前述したように、耐火煉瓦40は炭化物系耐火物、例え
ばSiC、または酸化物系耐火物、例えばAl
Cr、MgO−Cr、Crから構成
される。スタンプ材30は炭化物系耐火物、例えばSi
C、または炭素から構成される。さらに、キャスタブル
50は炭化物系耐火物、例えばSiCから構成される。
本発明においては、炭化物系耐火物、例えばSiCを用
いて、スタンプ材30と耐火煉瓦40とキャスタブル5
0とを構成して、これらを用いてプラズマ式灰溶融炉1
0を製造できる。SiCは溶融スラグに対する耐食性が
強く、またSiCの熱伝導率が比較的高いので、このよ
うなプラズマ式灰溶融炉10を使用することによりジャ
ケット部20からの冷却作用をプラズマ式灰溶融炉10
の内方に効率的に伝えることができる。
【0033】当然のことながら、本発明をプラズマ式灰
溶融炉以外の溶融炉に適用することは本発明の範囲に含
まれる。また、プラズマ式灰溶融炉10の製造時に、耐
火煉瓦40を組み付けた後にキャスタブル50をジャケ
ット部20の内壁に塗布することもできる。
【0034】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、溶融ス
ラグまたは溶融メタルがジャケット部まで到達して溶融
炉を破損させるのを遅らせて、ジャケット部が損傷する
のを未然に妨げることができるという共通の効果を奏し
うる。
【0035】さらに、請求項2および請求項9に記載の
発明によれば、キャスタブルをジャケット部の内壁に堅
固に固定できると共にジャケット部から炉部への冷却性
能を高めることができるという効果を奏しうる。さら
に、請求項3および請求項10に記載の発明によれば、
キャスタブルをさらに堅固に固定できると共に前記ジャ
ケット部からの冷却作用を固定部材とスタンプ材とを介
して炉部に迅速に伝えることができるという効果を奏し
うる。
【0036】さらに、請求項4および請求項11に記載
の発明によれば、炉部を構成する耐火煉瓦が損傷した後
においても、炉部内の溶融スラグまたは溶融メタルがジ
ャケット部まで到達するのをさらに遅らせることができ
るという効果を奏しうる。さらに、請求項5および請求
項12に記載の発明によれば、ジャケットに確実にキャ
スタブルを保持させながら、できる限りキャスタブルを
薄くすることができるという効果を奏しうる。
【0037】さらに、請求項6および請求項13に記載
の発明によれば、キャスタブルをジャケット部の内壁に
さらに堅固に固定できると共に、固定部材の表面積が大
きくなるので冷却性能を高めることができるという効果
を奏しうる。さらに、請求項7および請求項14に記載
の発明によれば、ジャケット部からの冷却作用をプラズ
マ式灰溶融炉内方に効率的に伝えることができるという
効果を奏しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ式灰溶融炉の縦断面図であ
る。
【図2】図1の線A−Aに沿ってみた本発明のプラズマ
式灰溶融炉の断面図である。
【図3】固定部材をジャケット部の内壁に取り付けたの
を示すための本発明のプラズマ式灰溶融炉の部分拡大断
面図である。
【図4】本発明の第一の実施形態に基づくプラズマ式灰
溶融炉の部分拡大断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に基づくプラズマ式灰
溶融炉の部分拡大断面図である。
【図6】従来技術のプラズマ式灰溶融炉の縦断面図であ
る。
【図7】従来技術のプラズマ式灰溶融炉の部分拡大断面
図である。
【符号の説明】
10…プラズマ式灰溶融炉 11…炉本体 20…ジャケット部 30…スタンプ材 40…耐火煉瓦 45…炉部 50…キャスタブル 60…固定部材 91…溶融スラグ 92…溶融メタル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27B 3/08 ZAB F27B 3/08 ZAB 3/14 3/14 F27D 1/00 F27D 1/00 D Fターム(参考) 3K061 NB02 NB28 3K065 AA23 AB03 AC03 FA03 FB02 FB07 FC02 FC05 4K045 AA04 BA10 RA16 RB02 4K051 AA05 AB03 BB02 BB03 BB07

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒型ジャケット部と、 前記筒型ジャケット部の内壁に塗布されるキャスタブル
    と、 前記キャスタブルよりも前記筒型ジャケットの内方に配
    置されていて炉部を形成する耐火煉瓦と、 前記キャスタブルと前記耐火煉瓦との間に装填されるス
    タンプ材とを具備するプラズマ式灰溶融炉。
  2. 【請求項2】 筒型ジャケット部と、 前記筒型ジャケット部の内壁に設置される複数の固定部
    材と、 前記筒型ジャケットの前記内壁と前記固定部材とに塗布
    されるキャスタブルとを具備し、それにより、該キャス
    タブルは前記固定部材により前記内壁に固定されるよう
    になり、 さらに、 前記キャスタブルおよび前記固定部材よりも前記筒型ジ
    ャケットの内方に配置されていて炉部を形成する耐火煉
    瓦と、 前記キャスタブルおよび前記固定部材と前記耐火煉瓦と
    の間に装填されるスタンプ材とを具備するプラズマ式灰
    溶融炉。
  3. 【請求項3】 前記キャスタブルの内壁が前記固定部材
    の内方側端部と同一平面になっている請求項2に記載の
    プラズマ式灰溶融炉。
  4. 【請求項4】 前記キャスタブルの内壁が前記固定部材
    の内方側端部よりも内方に位置している請求項2に記載
    のプラズマ式灰溶融炉。
  5. 【請求項5】 前記固定部材がスタッドである請求項2
    から4のいずれか一項に記載のプラズマ式灰溶融炉。
  6. 【請求項6】 前記固定部材がY字形状アンカである請
    求項2から4のいずれか一項に記載のプラズマ式灰溶融
    炉。
  7. 【請求項7】 前記耐火煉瓦と前記キャスタブルと前記
    スタンプ材とが炭化物系耐火物から形成されている請求
    項1から6のいずれか一項に記載のプラズマ式灰溶融
    炉。
  8. 【請求項8】 筒型ジャケット部を形成し、 前記筒型ジャケット部の内壁にキャスタブルを塗布し、 前記キャスタブルよりも前記筒型ジャケットの内方にお
    いて炉部を形成する耐火煉瓦を配置し、 前記キャスタブルと前記耐火煉瓦との間にスタンプ材を
    装填したプラズマ式灰溶融炉製造方法。
  9. 【請求項9】 筒型ジャケット部の内壁に複数の固定部
    材を設置し、 前記筒型ジャケットの前記内壁と前記固定部材とにキャ
    スタブルを塗布し、それにより、該キャスタブルは前記
    固定部材により前記内壁に固定されるようになり、 さらに、 前記キャスタブルおよび前記固定部材よりも前記筒型ジ
    ャケットの内方において炉部を形成する耐火煉瓦を配置
    し、 前記キャスタブルおよび前記固定部材と前記耐火煉瓦と
    の間にスタンプ材を装填したプラズマ式灰溶融炉製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記キャスタブルの内壁が前記固定部
    材の内方側端部と同一平面になっている請求項9に記載
    のプラズマ式灰溶融炉製造方法。
  11. 【請求項11】 前記キャスタブルの内壁が前記固定部
    材の内方側端部よりも内方に位置している請求項9に記
    載のプラズマ式灰溶融炉製造方法。
  12. 【請求項12】 前記固定部材がスタッドである請求項
    9から11のいずれか一項に記載のプラズマ式灰溶融炉
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記固定部材がY字形状アンカである
    請求項9から11のいずれか一項に記載のプラズマ式灰
    溶融炉製造方法。
  14. 【請求項14】 前記耐火煉瓦と前記キャスタブルと前
    記スタンプ材とが炭化物系耐火物から形成されている請
    求項8から13のいずれか一項に記載のプラズマ式灰溶
    融炉製造方法。
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