JP2003207004A - 撓みフリクション式変速装置 - Google Patents

撓みフリクション式変速装置

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JP2003207004A
JP2003207004A JP2001359519A JP2001359519A JP2003207004A JP 2003207004 A JP2003207004 A JP 2003207004A JP 2001359519 A JP2001359519 A JP 2001359519A JP 2001359519 A JP2001359519 A JP 2001359519A JP 2003207004 A JP2003207004 A JP 2003207004A
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flexible
wave generator
inner peripheral
pressing force
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JP2001359519A
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English (en)
Inventor
Tomio Miyamoto
富雄 宮本
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Nabtesco Corp
Original Assignee
Teijin Seiki Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H49/00Other gearings
    • F16H49/001Wave gearings, e.g. harmonic drive transmissions

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  • Friction Gearing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低騒音で安価な撓みフリクション式変速
装置を提供する。 【解決手段】 円筒状内周面3を有する剛性の環状部材
2と、円筒状内周面3に当接する可撓性筒部5を有する
フレックス部材4と、可撓性筒部5を半径方向に撓ませ
て環状部材2の円筒状内周面3に部分的に当接し押し圧
力を発生させると共に、当接押し圧位置を円周方向に移
動させることにより、環状部材2およびフレックス部材
4の間に相対回転移動を発生させる波動発生器9と、を
有した撓みフリクション式変速装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環状部材およびフ
レックス部材に相対回転を発生する撓みフリクション式
変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の撓みフリクション式変速装置に
類似する変速装置としては、実用新案出願公告平成5年
第19635号公報に見られるような撓み噛み合い式変
速装置がある。その撓み噛み合い式変速装置の基本構成
を、第11図を用いて説明する。第11図において、剛
性の環状部材40は円筒状内周面に内歯歯車41を形成
している。フレックススプライン42は先端に外歯歯車
43を形成した可撓性筒部44を有している。フレック
ススプライン42の外歯歯車43の歯数は、環状部材4
0の内歯歯車41の歯数より、通常2枚乃至4枚少な
い。外歯歯車43は、内歯歯車41に部分的に噛み合っ
ている。波動発生器45は、可撓性筒部44を半径方向
に撓ませて環状部材40に対して部分的に当接させると
共に、該当接位置を円周方向に移動させることにより、
環状部材40およびフレックススプライン42に相対回
転移動を発生させるものである。
【0003】波動発生器45は、その外周が非円形のカ
ム板である。即ち、多くは波動発生器45の外周面が放
射方向断面で見ると二つの頂部を持つ楕円形状あるいは
三つの頂部を持つ略三角形状などである。波動発生器4
5に回転入力を与えて環状部材40を固定すると、フレ
ックススプライン42から減速された回転が出力され
る。フレックススプライン42に回転入力を与えて環状
部材40を固定すると、波動発生器45から増速された
回転が出力される。可撓性筒部44の内周部と、波動発
生器45の外歯歯車43に対抗する位置の外周との間に
は軸受46が設けられている。この軸受46は可撓性の
外輪および内輪と複数の玉とから構成されている。この
軸受46は、可撓性筒部44と波動発生器45とが直接
滑り回転接触しないために設けられている。撓み噛み合
い式変速装置の基本的変速メカニズムは、この軸受46
が無くても成り立つものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
撓み噛み合い式変速装置は前述したように環状部材に内
歯歯車を形成し、フレックススプラインに外歯歯車を形
成しているので、高価な撓み噛み合い式変速装置となっ
ていた。また、高減速比を得るために該内歯および外歯
の歯は、精度の高い小さな歯型で多数(通常100枚乃
至200枚が多い)加工しなければならないので、歯の
加工時間が非常に長くなり、高減速比のものになるほど
更に高価な撓み噛み合い式変速装置となっていた。さら
に、歯同士による噛み合い式なので、騒音が発生してい
た。本発明は以上の点に鑑み、噛み合い歯の無いフリク
ション構造を、撓み変速装置に新規に採用した、低騒音
で安価な撓みフリクション式変速装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による撓みフリクション式変速装置は、円筒
状内周面を有する剛性の環状部材と、前記円筒状内周面
に当接する可撓性筒部を有するフレックス部材と、該可
撓性筒部を半径方向に撓ませて前記環状部材の円筒状内
周面に部分的に当接し押し圧力を発生させると共に、該
当接押し圧位置を円周方向に移動させることにより、前
記環状部材およびフレックス部材に相対回転移動を発生
させる波動発生器と、を有することを特徴としている。
従って、低騒音で安価な撓みフリクション式変速装置を
提供することができる。
【0006】また、前記フレックス部材の可撓性筒部と
波動発生器との間に、前記押し圧力を調整する押し圧力
調整手段を有することを特徴としている。従って、組み
込み時に所定の伝達トルクの設定ができる。また、前記
押し圧力調整手段が、前記波動発生器の周囲に複数配設
されたピンを有することを特徴としている。従って、組
み込み時に所定の伝達トルクの設定が容易にできる。ま
た、前記押し圧力調整手段が、前記波動発生器の周囲に
配設された互いに当接するテーパ面部を有する一対の楔
部材を有することを特徴としている。従って、組み込み
時に所定の伝達トルクの設定が容易にできる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態を図
面に基づいて説明する。図1および図2において、1は
カップ型の撓みフリクション式変速装置である。剛性の
環状部材2は形成された円筒状内周面3を有している。
フレックス部材4は先端に開口している可撓性筒部5
と、可撓性ダイアフラム部6と、ボス部7を有してい
る。可撓性筒部5、可撓性ダイアフラム部6およびボス
部7は一体で連続となっている。可撓性筒部5の外周面
部8は、円筒状内周面3に部分的に当接している。その
外周面部8の周囲長さは、環状部材2の円筒状内周面3
の内周囲長さより短い。変速比は基本的に、その外周面
部8の周囲長さとその円筒状内周面3の内周囲長さとの
比で決定される。波動発生器9は、可撓性筒部5を半径
方向に撓ませて環状部材2の円筒状内周面3に部分的に
当接し押し圧力を発生させると共に、該当接押し圧位置
を円周方向に移動させることにより、環状部材2および
フレックス部材4に相対回転移動を発生させるものであ
る。
【0008】波動発生器9は、その外周が非円形のカム
板である。より具体的には波動発生器9の外周面が放射
方向断面で見ると二つの頂部を持つ楕円形状あるいは三
つの頂部を持つ略三角形状である。可撓性筒部5の内周
部10と、波動発生器9の可撓性筒部5先端部に対抗す
る位置の外周11との間には軸受12が設けられてい
る。この軸受12は、可撓性の外輪および内輪と複数の
玉とから構成されており、可撓性筒部5と波動発生器9
とが直接滑り回転接触しないために設けられている。撓
みフリクション式変速装置の基本的変速メカニズムは、
この軸受12が無くても成り立つものである。波動発生
器9の前記断面楕円形状あるいは断面略三角形状の外周
11は、軸受12を介して可撓性筒部5の外周面部8を
環状部材2の円筒状内周面3に部分的に当接し押し圧力
を発生させるように、その回転中心からの距離を設定し
ている。すなわち、外周面部8および円筒状内周面3
を、相対的にころがり回転させるための前記押し圧力の
適宜な設定あるいは変更は、前記外周11とその回転中
心との距離を変えることで対応できる。前記押し圧力は
回転伝達トルクに換算できる力であるから、撓みフリク
ション式変速装置にとっての必要とする回転出力トルク
の大きさは前記押し圧力の適宜な設定で決定できる。
【0009】次に、本発明の第1実施形態の作用につい
て説明する。波動発生器9に回転入力を与えて環状部材
2を固定すると、波動発生器9の回転入力トルクは外周
面部8および円筒状内周面3に伝達され、フレックス部
材4から減速された回転および増大されたトルクが出力
される。また、フレックス部材4に回転入力を与えて環
状部材2を固定すると、フレックス部材4の回転入力ト
ルクは外周面部8および円筒状内周面3に伝達され、波
動発生器9から増速された回転および減少されたトルク
が出力される。
【0010】図3および図4は本発明の第2実施形態を
示す図である。図3および図4において、剛性の環状部
材20およびフレックス部材34は前述した本発明の第
1実施形態と同じ構造である。フレックス部材34の可
撓性筒部25の外周面部28は、環状部材20の円筒状
内周面23に部分的に当接している。波動発生器29
は、可撓性筒部25を半径方向に撓ませて環状部材20
の円筒状内周面23に部分的に当接し押し圧力を発生さ
せると共に、該当接押し圧位置を円周方向に移動させる
ことにより、環状部材20およびフレックス部材34に
相対回転移動を発生させるものである。
【0011】波動発生器29は、その外周面が放射方向
断面で見ると二つの頂部を持つ楕円形状あるいは三つの
頂部を持つ略三角形状である。可撓性筒部25の内周部
21と、波動発生器29の可撓性筒部25先端部に対抗
する位置の外周22との間には、波動発生器の周囲に複
数のピン24が配設されている。波動発生器29の外周
22は前記本発明の第1実施形態と同じ構成となってい
る。可撓性の保持体30は、一方側内周部が波動発生器
29の外周肩部を覆うとともに、他方側内周部がピン2
4を覆う一対の内方肩部31を有し、複数のピン24と
内周部21との間に設けられている。この可撓性の保持
体30は複数のピン24が外周22から離脱するのを防
止している。一対の内方肩部31のうち、前記一方側内
周部はピン24を覆うようにしても良い。当て板32
は、その外周が略ピン中心位置まで延在し、ボルト33
で波動発生器29に固定されている。当て板32はピン
24が回転軸方向に離脱するのを防止している。
【0012】複数のピン24は押し圧力を調整する押し
圧力調整手段を構成している。押し圧力調整手段の基本
的メカニズムは、保持体30および当て板32が無くて
も成り立つものである。複数のピン24は、保持体30
を介して可撓性筒部25の外周面部28を環状部材22
の円筒状内周面23に部分的に当接し押し圧力を発生さ
せるように、各ピンの直径を設定している。すなわち、
外周面部28および円筒状内周面23を、相対的にころ
がり回転させるための前記押し圧力の適宜な設定あるい
は変更は、ピンの直径を変えたものを波動発生器の周囲
に配設することで対応できる。換言すれば、所望する押
し圧力とする撓みフリクション式変速装置毎に、組み込
み時にピンの直径を変えれば良い。
【0013】図5および図6は本発明の第3実施形態を
示す図である。図5および図6において、剛性の環状部
材220およびフレックス部材240は前述した本発明
の第1実施形態と同じ構造である。フレックス部材24
0の可撓性筒部225の外周面部228は、環状部材2
20の円筒状内周面223に部分的に当接している。波
動発生器229は、可撓性筒部225を半径方向に撓ま
せて環状部材220の円筒状内周面223に部分的に当
接し押し圧力を発生させると共に、該当接押し圧位置を
円周方向に移動させることにより、環状部材220およ
びフレックス部材240に相対回転移動を発生させるも
のである。
【0014】波動発生器229は、その外周面が放射方
向断面で見ると二つの頂部を持つ楕円形状あるいは三つ
の頂部を持つ略三角形状である。可撓性筒部225の内
周部221と、波動発生器229の可撓性筒部225先
端部に対抗する位置の外周222との間には、波動発生
器229の周囲に互いに当接するテーパ面部224を有
する可撓性の一対の楔部材235が配設されている。波
動発生器229の外周222は、前記本発明の第1実施
形態と同じ構成となっている。当て板232は、その外
周が一対の楔部材235まで延在し、ボルト233で波
動発生器229に固定されている。ディスタンスピース
234は一対の楔部材235の一方および当て板232
間に設けられている。当て板232は一対の楔部材23
5およびディスタンスピース234が回転軸方向に離脱
するのを防止している。
【0015】一対の楔部材235は押し圧力を調整する
押し圧力調整手段を構成している。押し圧力調整手段の
基本的メカニズムは、ディスタンスピース234および
当て板232が無くても成り立つものである。一対の楔
部材235は、可撓性筒部225の外周面部228を環
状部材220の円筒状内周面223に部分的に当接し押
し圧力を発生させるように、互いに押し付けられてい
る。すなわち、外周面部228および円筒状内周面22
3を、相対的にころがり回転させるための前記押し圧力
の適宜な設定あるいは変更は、一対の楔部材235同士
を所定の力で押し付け一対の楔部材235の軸方向相対
移動距離を変えることで対応できる。ディスタンスピー
ス234の厚さ(軸方向距離)を変更することにより、
一対の楔部材235の軸方向相対移動距離を変えること
ができる。ディスタンスピース234の厚さを厚くする
ほど、一対の楔部材235の軸方向相対移動距離が短く
なり互いの放射方向距離(楔部材235の一方の外周お
よび他方の内周間距離)が長くなって、前記押し圧力は
高く設定可能となる。所望する押し圧力とする撓みフリ
クション式変速装置毎に、組み込み時にディスタンスピ
ース234の厚さを変えれば良い。一対の楔部材235
同士を所定の力で押し付け一対の楔部材235の軸方向
相対移動距離を変える方式は、ディスタンスピース23
4を用いその厚さを変更すること以外、考えられる他の
方式を用いても良い。
【0016】図7および図8は本発明の第4実施形態を
示す図である。図7および図8において、51はカップ
型の撓みフリクション式変速装置である。剛性の環状部
材52、可撓性ダイアフラム部55を有するフレックス
部材54および軸受512は前述した本発明の第1実施
形態と同じ構造である。波動発生器は、隙間を保持して
向き合った一対のカム部材59、回転中心に位置する軸
部60およびそのカム部材59と軸部60との間に挿入
された複数のピン61からなる。一対のカム部材59は
全体として、その外周面が放射方向断面で見ると二つの
頂部を持つ楕円形状あるいは三つの頂部を持つ略三角形
状である。
【0017】複数のピン61は一対のカム部材59の内
周と軸部60の外周との間に挿入されており、押し圧力
を調整する押し圧力調整手段を構成している。複数のピ
ン61は、軸受512を介して可撓性筒部55の外周面
部を環状部材52の円筒状内周面に部分的に当接し押し
圧力を発生させるように、各ピンの直径を設定してい
る。すなわち、前記外周面部および前記円筒状内周面
を、相対的にころがり回転させるための前記押し圧力の
適宜な設定あるいは変更は、ピンの直径を変えたものを
軸部60の周囲に配設することで対応できる。換言すれ
ば、所望する押し圧力とする撓みフリクション式変速装
置毎に、組み込み時にピンの直径を変えれば良い。当て
板62は、ピン61の軸方向からの脱落防止、並びに一
対のカム部材59の軸60に対する軸方向位置決めのた
めに、ボルト63で軸60に取り付けられ固定されてい
る。本第4実施形態に係る複数のピン61による押し圧
力調整手段は、組み込み時に所定の伝達トルクの設定が
容易にできる。
【0018】図9および図10は本発明の第5実施形態
を示す図である。図9および図10において、71はカ
ップ型の撓みフリクション式変速装置である。剛性の環
状部材72、可撓性ダイアフラム部75を有するフレッ
クス部材74および軸受712は前述した本発明の第1
実施形態と同じ構造である。波動発生器は、隙間を保持
して向き合った一対のカム部材79、回転中心に位置す
る軸部70およびそのカム部材79と軸部70との間に
挿入された一対の楔部材80からなる。一対の楔部材8
0は軸部80の周囲に配設され、互いに当接するテーパ
面部を有している。一対の楔部材80の一方は、一対の
カム部材79の内周に当接する複数(四個)の楔部材か
ら構成されている。一対の楔部材80の他方は、前記楔
部材の一方の内側にあり、軸部70の外周に当接する複
数(四個)の楔部材から構成されている。前記一方の複
数の楔部材は、全体として外周が切り欠かかれた円筒形
状で内周が切り欠かかれた内円錐形状となる。前記他方
の複数の楔部材は、全体として外周が切り欠かかれた外
円錐形状で内周が切り欠かかれた円筒孔形状となる。
【0019】一対の楔部材79は押し圧力を調整する押
し圧力調整手段を構成している。一対の楔部材79は、
可撓性筒部75の外周面部を環状部材72の円筒状内周
面に部分的に当接し押し圧力を発生させるように、互い
にテーパ面部(円錐面)で押し付けられている。すなわ
ち、その外周面部および円筒状内周面を、相対的にころ
がり回転させるための前記押し圧力の適宜な設定あるい
は変更は、一対の楔部材79同士を所定の力で押し付け
一対の楔部材79の軸方向相対移動距離を変えることで
対応できる。当て板82は、前記押し圧力の適宜な設定
あるいは変更のために、前記楔部材80の他方を一方に
テーパ面部(円錐面)で押し付け食い込ませるために設
けられており、ボルト81で軸70に取り付けられてい
る。所望する押し圧力とする撓みフリクション式変速装
置毎に、組み込み時にボルト81で軸70に対する当て
板82の軸方向移動距離を変えれば良い。本発明の第3
実施形態で述べたようなデッスタンスピースを、当て板
82と楔部材80の他方との間に設けても良い。この場
合、スタンスピースの厚さ(軸方向距離)を変更するこ
とにより、一対の楔部材75の軸方向相対移動距離を変
えることができる。ディスタンスピースの厚さを厚くす
るほど、一対の楔部材75の軸方向相対移動距離が短く
なり互いの放射方向距離(楔部材75の一方の外周およ
び他方の内周間距離)が長くなって、前記押し圧力は高
く設定可能となる。所望する押し圧力とする撓みフリク
ション式変速装置毎に、組み込み時にディスタンスピー
スの厚さを変えれば良い。一対の楔部材75同士を所定
の力で押し付け一対の楔部材75の軸方向相対移動距離
を変える方式は、考えられる他の方式を用いても良い。
本第5実施形態に係る一対の楔部材75による押し圧力
調整手段は、組み込み時に所定の伝達トルクの設定が容
易にできる。
【0020】図11および図12は本発明の第6実施形
態を示す図である。図11および図12において、91
はカップ型の撓みフリクション式変速装置である。剛性
の環状部材92、可撓性ダイアフラム部95を有するフ
レックス部材94および波動発生器99は前述した本発
明の第1実施形態と同じ構造である。略円曲形の周囲溝
97は、波動発生器99のカム部の外周面911の周囲
に、カム部の形状に沿って形成されており、硬度が高め
られている。軸受としての複数のボール912は周囲溝
97に嵌ると共に、可撓性ダイアフラム部95の内周部
910(少なくとも大径の両頂部)に当接している。従
って、波動発生器99の外周面911は、軸受の内輪と
しての機能を有している。ボール912が嵌る周囲溝9
7は、ボール912を二点接触させるために、V形の溝
としても良い。
【0021】波動発生器99に回転入力を与えて環状部
材92を固定すると、波動発生器99の回転入力トルク
はボール912を介して可撓性ダイアフラム部95の外
周面部98および剛性の環状部材92の円筒状内周面9
3に伝達され、フレックス部材94から減速された回転
および増大されたトルクが出力される。また、フレック
ス部材94に回転入力を与えて環状部材92を固定する
と、フレックス部材94の回転入力トルクは外周面部9
8および円筒状内周面93に伝達され、ボール912を
介して波動発生器99から増速された回転および減少さ
れたトルクが出力される。本第6実施形態は、軸受の内
輪および外輪としての別個の部品を有していないので、
第1実施形態よりさらに安価な撓みフリクション式変速
装置を提供することができる。また、ボール912を周
囲溝97に嵌めているので、ボール912の軸方向の脱
落が簡単に防止される。
【0022】図13は本発明の第7実施形態を示す図で
ある。図13において、101はカップ型の撓みフリク
ション式変速装置である。剛性の環状部材102、可撓
性ダイアフラム部105を有するフレックス部材104
および波動発生器109は前述した本発明の第6実施形
態と同じ構造である。略円筒形の周囲溝107は、波動
発生器109のカム部の外周面111の周囲に、カム部
の形状に沿って形成されており、硬度が高められてい
る。軸受としての円筒状の複数のころ112は周囲溝1
07に嵌ると共に、可撓性ダイアフラム部105の内周
部110(少なくとも大径の両頂部)に当接している。
従って、波動発生器109の外周面111は、軸受の内
輪としての機能を有している。
【0023】本第7実施形態の撓みフリクション式変速
装置の動作は、第6実施形態の前述した動作と同じであ
る。本第7実施形態は、軸受の内輪および外輪としての
別個の部品を有していないので、第1実施形態よりさら
に安価な撓みフリクション式変速装置を提供することが
できる。また、ころ112を周囲溝107に嵌めている
ので、ころ112の軸方向の脱落が簡単に防止される。
【0024】以上の実施の形態においては、フレックス
部材の型がカップ型の撓みフリクション式変速装置につ
いて説明したが、本発明は、可撓性ダイアフラム部が可
撓性筒部より放射外方向に折れ曲がっているシルクハッ
ト型の撓みフリクション式変速装置にも適用される。ま
た、可撓性ダイアフラム部が無くて可撓性筒部が大きな
半径でボス部に接続されている撓みフリクション式変速
装置にも適用される。また、可撓性筒部にボス部が直接
接続されている撓みフリクション式変速装置にも適用さ
れる。また、可撓性ダイアフラム部およびボス部が無く
て可撓性筒部のみからなるフレックス部材を有する撓み
フリクション式変速装置にも適用される。なお、本発明
は、噛み合い歯の無い撓みフリクション式変速装置であ
るので、出力部材に所定の規定値以上の過負荷が作用し
た場合、環状部材およびフレックス部材の間でスリップ
しトルク伝達がなされなくなる。従って、本発明の撓み
フリクション式変速装置は、使用時無理な過負荷によっ
て装置が破壊されないから安全である、と言う利点もあ
る。また、本発明の撓みフリクション式変速装置の変速
比は、噛み合い歯数に依存しないので、該変速比が無段
階に得られる、と言う利点もある。
【0025】環状部材の円筒状内周面とフレックス部材
の可撓性筒部外周面と間の滑り止めのためには、それら
周面のいずれか一方あるいは両方に、滑り止め剤をコー
ティング加工することや滑り止め部材を貼り付けること
が有効である。互いに当接するその円筒状内周面とその
可撓性筒部外周面と間での、フレッチング現象、ピッチ
ング現象、フレーキング現象などを防止するために、そ
れら間を油膜状態で使用する場合は、滑りにくい油の適
宜な選択が好ましい。塗布する油の性質によってそれら
間の滑りを最小限に押さえることができる。油含有材の
コーティング加工も好ましい。その円筒状内周面の軸方
向一端側および他端側にオイルシールを設ける場合は、
その環状部材をオイルシールの幅だけ軸方向に延在し、
円筒状内周面に当接する可撓性筒部の両側で、可撓性筒
部外周面とその環状部材の円筒状内周面との間に配置す
るのが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1によれば、噛み合い歯
の無いフリクション構造を、撓み変速装置に新規に採用
した構成であるので、低騒音で安価な撓みフリクション
式変速装置を提供することができる。本発明の請求項2
によれば、押し圧力を調整する押し圧力調整手段を有す
るから、組み込み時に所定の伝達トルクの設定ができ
る。本発明の請求項3によれば、押し圧力調整手段が、
波動発生器の周囲に複数配設されたピンを有するから、
組み込み時に所定の伝達トルクの設定が容易にできる。
本発明の請求項4によれば、押し圧力調整手段が、波動
発生器の周囲に配設された互いに当接するテーパ面部を
有するから、組み込み時に所定の伝達トルクの設定が容
易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1のA―A矢視断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態を示す図である。
【図4】図3のB―B矢視断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態を示す図である。
【図6】図5のC―C矢視断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態を示す図である。
【図8】図7のD―D矢視断面図である。
【図9】本発明の第5実施形態を示す図である。
【図10】図9のE―E矢視断面図である。
【図11】本発明の第6実施形態を示す図である。
【図12】図11のF―F矢視断面図である。
【図13】本発明の第7実施形態を示す図である。
【図14】撓み噛み合い式変速装置を示す図である。
【符号の説明】
1、51、71、91、101 ・・・・・・・撓
みフリクション式変速装置 2、20、220、52,72、92、102・・・剛
性の環状部材 3、23、223 ・・・・・・・・・・・環
状部材の円筒状内周面 4、34、240、54,74、94、104・・・フ
レックス部材 5、25,225、55,75、95,105・・・フ
レックス部材の可撓性筒部 9,29,229、99,109 ・・・・・・波
動発生器 24、61 ・・・・・・・・・・・・複
数のピン(押し圧力調整手段) 235、80 ・・・・・・・・・・・・一
対の楔(押し圧力調整手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状内周面を有する剛性の環状部材と、
    前記円筒状内周面に当接する可撓性筒部を有するフレッ
    クス部材と、該可撓性筒部を半径方向に撓ませて前記環
    状部材の円筒状内周面に部分的に当接し押し圧力を発生
    させると共に、該当接押し圧位置を円周方向に移動させ
    ることにより、前記環状部材およびフレックス部材に相
    対回転移動を発生させる波動発生器と、を有することを
    特徴とする撓みフリクション式変速装置。
  2. 【請求項2】前記フレックス部材の可撓性筒部と波動発
    生器との間に、前記押し圧力を調整する押し圧力調整手
    段を有することを特徴とする請求項1記載の撓みフリク
    ション式変速装置。
  3. 【請求項3】前記押し圧力調整手段が、前記波動発生器
    の周囲に複数配設されたピンを有することを特徴とする
    請求項2記載の撓みフリクション式変速装置。
  4. 【請求項4】前記押し圧力調整手段が、前記波動発生器
    の周囲に配設された互いに当接するテーパ面部を有する
    一対の楔部材を有することを特徴とする請求項2記載の
    撓みフリクション式変速装置。
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