JP2003206990A - 筒型防振装置 - Google Patents

筒型防振装置

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JP2003206990A
JP2003206990A JP2002005947A JP2002005947A JP2003206990A JP 2003206990 A JP2003206990 A JP 2003206990A JP 2002005947 A JP2002005947 A JP 2002005947A JP 2002005947 A JP2002005947 A JP 2002005947A JP 2003206990 A JP2003206990 A JP 2003206990A
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JP
Japan
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elastic body
rubber elastic
radial direction
inner shaft
shaft member
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Withdrawn
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JP2002005947A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Murai
宏考 村井
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用耐久性を十分に確保しつつ、こじり方向
におけるばね特性を有利に高め得る筒型防振装置を提供
する。 【解決手段】 互いに径方向に離間配置されたインナ軸
部材12とアウタ筒部材14とを連結するゴム弾性体1
6の上端面と下端面における、インナ軸部材12を挟ん
だ径方向の両側部位に、各端面から軸方向に延びる第一
のすぐり部38と第二のすぐり部40を、それぞれ一つ
ずつ設けると共に、かかる第一のすぐり部38を、径方
向における大きな幅を有する大なる容積をもって構成す
る一方、第二のすぐり部40を、径方向における小さな
幅を有する小なる容積をもって構成し、更に、インナ軸
部材12とアウタ筒部材14のうちの少なくとも何れか
一方に、それら間の距離を小さく為す、径方向に延出し
た延出部32を一体的に設けて、構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、筒型防振装置と自動車用エンジ
ンの取付構造に係り、特に、互いに径方向に離間して配
置されたインナ軸部材とアウタ筒部材とを、それらの間
に介装された円筒状のゴム弾性体により連結してなる筒
型防振装置の新規な構造と、そのような筒型防振装置を
介して、自動車用エンジンを車体に取り付けるための改
良された構造に関するものである。
【0002】
【背景技術】振動伝達系を構成する部材間に介装される
防振装置の一種として、従来から、特開平8−2104
07号公報等に開示されているように、内筒金具(イン
ナ軸金具)と、該内筒金具を囲むように径方向に離間し
て配置された外筒金具(アウタ筒金具)とが、それらの
間に介装された円筒状のゴム弾性体にて連結されて構成
され、主たる振動入力方向が軸方向とされてなる構造の
筒型防振装置(筒型マウント)が知られており、これ
は、自動車のエンジンマウントやメンバマウント等とし
て、多く使用されてきている。
【0003】そして、そのような構造を有する筒型防振
装置では、主たる軸方向の入力振動に対して、ゴム弾性
体において剪断力が生ぜしめられることにより、十分に
柔らかいばね特性が発揮されて、かかる入力振動に対す
る高い減衰性能が確保され得るようになっており、ま
た、一般に、異なる径方向でのばね特性を異ならせた
り、或いはこじり方向のばね特性の柔軟化を図ること等
を目的として、ゴム弾性体における内筒金具を挟んだ径
方向の両側部位に、軸方向に貫通するすぐり部がそれぞ
れ設けられて、構成されているのである。
【0004】ところで、かくの如き従来の筒型防振装置
を、例えば、自動車のエンジンマウントとして使用する
場合には、エンジンのアイドリング時に生ずる振動を抑
制する上で、こじり方向におけるばね特性をより柔らか
くすることが望まれるが、これは、ゴム弾性体におけ
る、内筒金具を挟んだ径方向の両側部位に設けられた二
つのすぐり部のそれぞれの径方向における幅を大きく為
して、その容積を増大せしめることによって、容易に実
現されることとなる。
【0005】しかしながら、そうすると、例えば、二つ
のすぐり部の配設方向となる径方向の一方向に振動が入
力せしめられた際に、内筒金具の外筒金具に対する該径
方向の一方向への相対変位を有効に規制することが困難
となるため、そのような相対変位に起因するゴム弾性体
の過大な弾性変形によって、ゴム弾性体、ひいては筒型
防振装置全体の使用耐久性が著しく低下する恐れが生ず
るといった問題が、惹起されることとなるのである。
【0006】従って、上述の如き構造を有する従来の筒
型防振装置においては、使用耐久性を損ねることなく、
こじり方向のばね特性を高めることが、極めて困難であ
ったのである。
【0007】そして、前記公報に開示される如き構造と
された筒型防振装置を、例えば、自動車のエンジンマウ
ントとして使用して、自動車のエンジンを、かかる筒型
防振装置を介して車体に取り付ける場合には、例えば、
柔らかいこじりばね特性の発現により、エンジンのアイ
ドリング時に生ずる振動の減衰を図ることを目的とし
て、ゴム弾性体における二つのすぐり部が車体の前後方
向に位置するように、筒型防振装置を配置しても、前述
せる如き理由から、かかる筒型防振装置におけるこじり
ばね特性の十分な柔軟化が困難であるため、目的とする
防振性能を十分に得ることが、極めて難しかったのであ
る。
【0008】一方、ゴム弾性体における、内筒金具を挟
んだ径方向の両側部位に対して、単に、径方向における
幅が大きくされて、その容積が増大せしめられたすぐり
部がそれぞれ設けられただけの構造を有する筒型防振装
置を介して、自動車のエンジンを車体に取り付ける場合
にあっても、ゴム弾性体における二つのすぐり部が車体
の前後方向に位置するように、筒型防振装置を配置する
と、例えば、急制動や急発進時等に、内筒金具の外筒金
具に対する車体の前後方向への過剰な相対変位が生じ、
それによって、ゴム弾性体において、過大な弾性変形に
起因する損傷が生ずる恐れがあったのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述せる如き事
情を背景にして為されたものであって、その第一の解決
課題とするところは、互いに径方向に離間して配置され
たインナ軸部材とアウタ筒部材とを、それらの間に介装
された円筒状のゴム弾性体により連結してなる筒型防振
装置において、インナ軸部材のアウタ筒部材に対する径
方向への過剰な相対変位に起因するゴム弾性体の過大な
弾性変形を有効に阻止することにより、使用耐久性を十
分に確保しつつ、こじり方向におけるばね特性を効果的
に高めることが出来るようにした筒型防振装置の新規な
構造を提供することにある。また、本発明にあっては、
互いに径方向に離間して配置され、且つゴム弾性体にて
連結されたインナ軸部材とアウタ筒部材のうちの何れか
一方に、自動車のエンジンを取り付ける一方、それらの
うちの何れか他方を車体に取り付けることにより、エン
ジンを車体に対して弾性的に支持させつつ取り付けた状
態下において、エンジンのアイドリング時に生ずる振動
をより十分に減衰し得ると共に、急制動や急発進時等に
生ずる、インナ軸部材のアウタ筒部材に対する車体の前
後方向への過剰な相対変位に起因したゴム弾性体の損傷
を有利に阻止して、エンジンの車体に対する弾性的な支
持状態を、より安定的に確保することが出来るようにし
た、自動車用エンジンの有利な取付構造を提供すること
を、その第二の解決課題とするものである。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる第一の
課題の解決のために、インナ軸部材と、該インナ軸部材
を囲むように径方向に離間して配置されたアウタ筒部材
とを、それらの間に介装された円筒状のゴム弾性体によ
り連結して構成される、主たる振動入力方向が軸方向と
されてなる筒型防振装置において、前記ゴム弾性体の軸
方向一方の端面における、前記インナ軸部材を挟んだ径
方向の両側部位に、該軸方向一方の端面から軸方向に延
びる第一のすぐり部を、径方向における大きな幅と該ゴ
ム弾性体を貫通しない深さとを有する大なる容積をもっ
て、それぞれ設ける一方、該ゴム弾性体の軸方向他方の
端面における、該二つの第一のすぐり部の形成部位に対
応した、前記インナ部材を挟んだ径方向の両側部位に、
該軸方向他方の端面から軸方向に延びる第二のすぐり部
を、径方向における小さな幅と該ゴム弾性体を貫通しな
い深さとを有する小なる容積をもって、それぞれ設け、
更に、該ゴム弾性体の各第二のすぐり部の形成部位にお
いて、前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材のうちの少
なくとも何れか一方に対して、それらインナ軸部材とア
ウタ筒部材との間の距離を小さく為す、径方向に延出し
た延出部を一体的に設けたことを特徴とする筒型防振装
置を、その要旨とするものである。
【0011】すなわち、この本発明に従う筒型防振装置
にあっては、ゴム弾性体の軸方向両方の端面における、
インナ軸部材を挟んだ径方向の両側部位に、各端面から
軸方向に延びる第一のすぐり部と第二のすぐり部とがそ
れぞれ設けられ、特に、各第一のすぐり部が、径方向に
おける大きな幅を有する大なる容積をもって構成されて
いるところから、こじり方向におけるばね特性が、より
十分に柔らかく為され得るのである。
【0012】また、本発明に係る筒型防振装置において
は、第二のすぐり部のそれぞれが、径方向に小さな幅を
もって形成されると共に、そのような各第二のすぐり部
の形成部位において、インナ軸部材とアウタ筒部材のう
ちの少なくとも何れか一方に対して、それらインナ軸部
材とアウタ筒部材との間の距離を小さく為す、径方向に
延出した延出部が一体的に設けられているため、例え
ば、インナ軸部材を間に挟んで設けられる第一のすぐり
部同士や第二のすぐり部同士の配設方向となる径方向の
一方向に振動が入力せしめられて、インナ軸部材のアウ
タ筒部材に対する該径方向の一方向への相対変位が生じ
た際に、インナ軸部材とアウタ筒部材のうちの少なくと
も何れか一方に設けられた延出部に対して、それらのう
ちの少なくとも何れか他方が、それらの間に介在せしめ
られるゴム弾性体のゴム層を介して間接的に、或いは直
接的に接触せしめられ、それによって、インナ軸部材の
アウタ筒部材に対する過剰な相対変位が有効に規制され
得るのであり、以て、そのような過剰な相対変位に起因
して、ゴム弾性体の過大な弾性変形が生ずるようなこと
が効果的に防止され得ることとなるのである。
【0013】従って、かくの如き本発明に従う筒側防振
装置にあっては、インナ軸部材のアウタ筒部材に対する
径方向への過剰な相対変位と、それに伴って生ずるゴム
弾性体の過大な弾性変形が有効に阻止されていることに
よって、ゴム弾性体、ひいては装置全体の使用耐久性が
安定的に確保され得ていると共に、こじり方向における
ばね特性がより十分に軟らかく為され得て、主たる軸方
向の入力振動と共に、こじり方向における入力振動に対
する減衰性能が、極めて有利に高められ得るのである。
【0014】なお、このような本発明に従う筒型防振装
置の好ましい態様の一つによれば、前記アウタ筒部材に
おける、前記ゴム弾性体の各第二のすぐり部の形成部位
に対応する筒壁部位に、径方向内方に向かって凹陥する
凹部が形成され、かかる凹部により径方向内方に移動し
た筒壁部位にて、前記径方向内方に延出して設けられる
延出部が構成されることとなる。これによって、延出部
が、簡略な構造において有利に形成され得るのである。
【0015】また、本発明に従う筒型防振装置の別の有
利な態様の一つによれば、前記第一のすぐり部と前記第
二のすぐり部とが、それらの間で、それらを非連通と為
す薄いゴム層を介して形成される。このような構成を採
用する場合には、例えば、上下或いは左右に分割可能な
金型を用いて、ゴム弾性体を加硫成形する際に、かかる
金型の分割型の一方に設けられた、各第一のすぐり部を
形成するための凸部部位と、他方の分割型に設けられ
た、各第二のすぐり部を形成するための凸部部位とが接
触することが有利に回避され得、それによって、ゴム弾
性体の加硫成形時における各分割型の破損乃至は損傷が
未然に防止され得るのであり、その結果として、筒型防
振装置の安価で且つ安定的な製造が有利に実現され得る
こととなるのである。
【0016】さらに、本発明に従う筒型防振装置の望ま
しい他の態様の一つによれば、前記アウタ筒部材におけ
る、前記ゴム弾性体の前記第一及び第二のすぐり部の非
形成部位に対応する筒壁部位の軸方向両端部に、径方向
に延びるフランジ部がそれぞれ設けられる一方、該ゴム
弾性体の軸方向両方の端面から軸方向に突出するゴム突
部が、該アウタ筒部材の各フランジ部にそれぞれ支持さ
れた状態で、該ゴム弾性体と一体に形成されることとな
る。
【0017】このような構成を有する筒型防振装置にあ
っては、例えば、ゴム弾性体の軸方向両方の端面にそれ
ぞれ設けられたゴム突部が、軸方向に変位不能な部材に
対して適当な距離を隔てて位置する状態で、自動車等に
装着されることによって、主たる軸方向の振動が入力せ
しめられた際に、各ゴム突部の前記変位不能な部材との
接触により、ゴム弾性体において、軸方向への過大な弾
性変形が生ずることが有利に阻止され得て、そのような
過大な弾性変形に起因するゴム弾性体の損傷の発生も、
効果的に防止され得るのであり、その結果として、ゴム
弾性体、ひいては装置全体の使用耐久性の向上が、更に
一層有利に高められ得ることとなるのである。
【0018】ところで、本発明にあっては、第二の課題
を解決するために、インナ軸部材と、該インナ軸部材を
囲むように径方向に離間して配置され、且つ該インナ部
材に対して、それとの間に介装されたゴム弾性体にて連
結されたアウタ筒部材のうちの何れか一方に、自動車の
エンジンを取り付ける一方、それらのうちの何れか他方
を車体に取り付けることにより、該エンジンを該車体に
対して弾性的に支持させつつ、取り付けるようにした自
動車用エンジンの取付構造において、前記ゴム弾性体の
軸方向一方の端面における、前記インナ軸部材を挟ん
だ、前記車体の前後方向に対応する、径方向の両側部位
に、該軸方向一方の端面から軸方向に延びる第一のすぐ
り部が、径方向における大きな幅と該ゴム弾性体を貫通
しない深さとを有する大なる容積をもって、それぞれ設
けられる一方、該ゴム弾性体の軸方向他方の端面におけ
る、該二つの第一のすぐり部の形成部位に対応した、前
記インナ部材を挟んだ径方向の両側部位に、該軸方向他
方の端面から軸方向に延びる第二のすぐり部が、径方向
における小さな幅と該ゴム弾性体を貫通しない深さとを
有する小なる容積をもって、それぞれ設けられ、更に、
該ゴム弾性体の各第二のすぐり部の形成部位において、
前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材のうちの少なくと
も何れか一方に対して、それらインナ軸部材とアウタ筒
部材との間の距離を小さく為す、径方向に延出した延出
部が一体的に設けられていることを特徴とする自動車用
エンジンの取付構造をも、また、その要旨とするもので
ある。
【0019】すなわち、このような本発明に従う自動車
用エンジンの取付構造においては、エンジンと車体との
間に介在せしめられるゴム弾性体の軸方向両方の端面に
おける、エンジン若しくは車体が取り付けられるインナ
軸部材を挟んだ径方向の両側部位に、各端面から軸方向
に延びる第一のすぐり部と第二のすぐり部とがそれぞれ
設けられ、特に、各第一のすぐり部が、径方向における
大きな幅を有する大なる容積をもって構成されているた
め、ゴム弾性体のこじり方向におけるばね特性が、より
十分に柔らかく為され得るのであり、しかも、インナ軸
部材を挟んで位置する第一のすぐり部同士や第二のすぐ
り部同士が、車体の前後方向に対応するように配設され
るようになっているところから、エンジンのアイドリン
グ時に生ずる振動が、極めて効果的に減衰され得るので
ある。
【0020】また、かかる本発明に従う自動車用エンジ
ンの取付構造にあっては、エンジンと車体との間に介在
せしめられるゴム弾性体に設けられた第二のすぐり部の
それぞれが、径方向に小さな幅をもって形成されると共
に、そのような各第二のすぐり部の形成部位において、
インナ軸部材とアウタ筒部材のうちの少なくとも何れか
一方に対して、それらインナ軸部材とアウタ筒部材との
間の距離を小さく為す、径方向に延出した延出部が一体
的に設けられているため、例えば、急制動や急発進によ
って、インナ軸部材のアウタ筒部材に対する車体の前後
方向への相対変位が生じた際に、インナ軸部材とアウタ
筒部材のうちの少なくとも何れか一方に設けられた延出
部に対して、それらのうちの少なくとも何れか他方が、
それらの間に介在せしめられるゴム弾性体のゴム層を介
して間接的に、或いは直接的に接触せしめられ、それに
よって、インナ軸部材のアウタ筒部材に対する過剰な相
対変位が有効に規制され得るのであり、以て、そのよう
な過剰な相対変位に起因して、ゴム弾性体の過大な弾性
変形が生ずるようなことが効果的に防止され得ることと
なるのである。
【0021】従って、かくの如き本発明に従う自動車用
エンジンの取付構造によれば、エンジンのアイドリング
時に生ずる振動がより十分に減衰され得ると共に、急制
動や急発進時等に生ずる、内筒金具の外筒金具に対する
車体の前後方向への過剰な相対変位に起因したゴム弾性
体の損傷が有利に阻止されて、エンジンの車体に対する
弾性的な支持状態が、より安定的に確保され得ることと
なるのである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明に係る防振装置の構成につい
て、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0023】先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構
造を有する防振装置の一実施形態として、主たる振動が
上下方向に入力せしめられる自動車用のエンジンマウン
トが、その上面形態と縦断面形態と下面形態とにおい
て、それぞれ、概略的に示されている。それらの図から
明らかなように、本実施形態のエンジンマウント10
は、インナ軸部材としての内筒金具12と、アウタ筒部
材としての外筒金具14とを有し、かかる外筒金具14
が、内筒金具12に対して、それを囲むように径方向に
所定距離を隔てて配設された状態下で、それら両金具1
2,14間に介装されたゴム弾性体16によって弾性的
に連結されて、構成されている。そして、それら内筒金
具12と外筒金具14とが、図示しないエンジンと車体
とに対して固定的に取り付けられることにより、エンジ
ンを車体に対して防振支持せしめるようになっているの
である。
【0024】より詳細には、内筒金具12は、全体とし
て、厚肉の略小径円筒形状を有している。また、この内
筒金具12にあっては、その上端部がかしめ加工される
等して、かかる上端部の外周面における径方向の一方向
に対向する部位が、それぞれ、平面形態を呈する外側平
面部18,18とされており、これによって、ゴム弾性
体16に連結された状態下で、ゴム弾性体16に対する
軸心回りの相対回転が阻止されるようになっている。
【0025】一方、外筒金具14は、全体として、内筒
金具12よりも十分に大きな径を有する、薄肉の略大径
円筒形状を呈している。そして、この外筒金具14の筒
壁部の上端部には、径方向外方に所定長さで延出し、且
つ全周に亘って、周方向に連続して延びる外向きフラン
ジ部20が、一体的に形成されている。また、ここで
は、外筒金具14の筒壁部における径方向の一方向に対
向位置する二つの対向部位の上端部に設けられた外向き
フランジ部20が、周方向における所定幅をもって、径
方向外方に更に延出せしめられてなる取付フランジ部2
2,22とされており、更に、かかる筒壁部における径
方向の一方向に対して直角な方向に位置する二つの部位
のうちの一方の部位の上端部に設けられた外向きフラン
ジ部20が、周方向における所定幅をもって、平面視に
おいて略矩形形状に形成されてなる支持フランジ部24
とされている。なお、この外筒金具14の筒壁部に設け
られた二つの取付フランジ部22,22の各中央部に
は、それらを厚さ方向に貫通する貫通孔26が、それぞ
れ一つずつ設けられている。
【0026】また、かかる外筒金具14の筒壁部のう
ち、上端部に取付フランジ部22,22が一体形成され
た部分を除いた部分の下端部には、径方向内方に所定長
さで延出し、且つ周方向に連続して延びる内向きフラン
ジ部28が、一体的に設けられている。なお、この内向
きフランジ部28においては、その先端部分が、下方に
屈曲せしめられて、径方向内側の先端角部が湾曲形態を
呈するように構成されており、それによって、後述する
如く、外筒金具14がゴム弾性体16に対して埋設され
るように加硫接着せしめられた状態下で、ゴム弾性体1
6における、該内向きフランジ部28の径方向内側の先
端角部との接触部分に亀裂等が生じないようになってい
る。
【0027】一方、外筒金具14の筒壁部のうち、上端
部に取付フランジ部22,22が一体形成された部分の
下端部には、径方向内方に凹陥する凹部30が、形成さ
れている。これによって、外筒金具14の筒壁部のう
ち、上端部に取付フランジ部22,22が設けられる径
方向の一方向に対向する二つの対向部位の下端部が、そ
れぞれ径方向内方に延び出し、且つその一部(凹部30
の底部に相当する部分)が、かかる二つの対向部位の各
上端部よりも、径方向の内側に移動した状態で、それぞ
れ軸方向に延出せしめられるようになっており、この軸
方向への延出部分が、ストッパ部32(図2において、
一つのみを示す)とされている。また、外筒金具14の
筒壁部において、ストッパ部32がそれぞれ形成された
部位の内径は、内筒金具12の外径よりも所定寸法大き
くされている。
【0028】かくして、ここでは、後述する如く、外筒
金具14が内筒金具12に対して同軸的に外挿配置され
た状態下で、外筒金具14と内筒金具12との間の距離
が、ストッパ部32の形成部分において、小さく為され
ているのである。このことから明らかなように、本実施
形態では、延出部が、かかるストッパ部32にて、簡略
な構造において構成されているのである。
【0029】そして、かくの如き構造とされた外筒金具
14が、内筒金具12を囲んで径方向に離間し、且つ内
筒金具12における外側平面部18,18の対向方向と
なる径方向の一方向に、取付フランジ部22,22を対
応位置せしめると共に、かかる径方向の一方向に直角な
方向に支持フランジ部24を位置せしめるようにして、
内筒金具12に対して、同軸的に外挿配置されており、
また、そのような配置状態とされた内筒金具12と外筒
金具14の径方向の対向面間に、全体として、略厚肉円
筒形状を呈するゴム弾性体16が、介装されている。そ
して、このゴム弾性体16の内周面に対して、内筒金具
12が加硫接着されている一方、ゴム弾性体16の外周
部分に対して、外筒金具14が埋設された状態で加硫接
着されており、以て、それら内筒金具12と外筒金具1
4とが、ゴム弾性体16にて連結されているのである。
かくして、ここでは、内筒金具12と外筒金具14との
間に、軸心方向の振動が入力せしめられた際に、ゴム弾
性体16において剪断力が生ぜしめられて、柔らかいば
ね特性が発揮され得るようになっているのである。
【0030】ところで、上述の如く、本実施形態のエン
ジンマウント10は、略厚肉円筒状のゴム弾性体16の
内周面と外周部に内筒金具12と外筒金具14とが加硫
接着された一体加硫成形品として形成されているのであ
るが、ここでは、ゴム弾性体16の高さが、内筒金具1
2よりも低く且つ外筒金具14よりも高くされており、
それによって、略厚肉円筒状のゴム弾性体16の上端面
と下端面のそれぞれの中心部分から、内筒金具12の上
端部と下端部が、それぞれ軸方向(上下方向)に突出せ
しめられている一方、外筒金具14が、ゴム弾性体16
の上下両端面において露呈せしめられないようになって
いる。なお、外筒金具14の筒壁部の上端部に設けられ
た外向きフランジ部20と取付フランジ部22と支持フ
ランジ部24は、ゴム弾性体16の外周面から、径方向
外方に向かってそれぞれ突出せしめられており、また、
外筒金具14の筒壁部の下端部に設けられた内向きフラ
ンジ部28と凹部30は、その全体が、それぞれ、ゴム
弾性体16の下端部に埋設された状態とされている。
【0031】そして、内筒金具12の上端部と下端部が
それぞれ突出せしめられたゴム弾性体16の上端面と下
端面には、ゴム突部34,36,36が、それぞれ一体
的に設けられている。即ち、それらゴム突部34,3
6,36のうち、ゴム弾性体16の上端面に一体形成さ
れた上側ゴム突部34は、ゴム弾性体16の上端面から
突出する内筒金具12の上端部の端面よりも十分に低い
高さで、ゴム弾性体16の上端面から上方に突出する凸
部形態を有しており、また、外筒金具14の筒壁部の上
端部に形成された支持フランジ部24の上面上におい
て、上からの荷重に対して支持フランジ部24にて支持
されるように、支持フランジ部24に加硫接着されてい
る。
【0032】一方、ゴム弾性体16の下端面に一体形成
された下側ゴム突部36,36は、それぞれ、ゴム弾性
体16の下端面から突出する内筒金具12の下端部の端
面よりも十分に低い高さで、ゴム弾性体16の下端面か
ら下方に突出する突部形態を有しており、また、外筒金
具14の筒壁部の下端部に形成された内向きフランジ部
28の下面上において、下からの荷重に対して内向きフ
ランジ部28にて支持されるように、内向きフランジ部
28に加硫接着されている。なお、これら上側ゴム突部
34と下側ゴム突部36は、後に詳述するように、エン
ジンマウント10の自動車への装着状態下で、内筒金具
12と外筒金具14の上下方向における過剰な相対変
位、ひいてはゴム弾性体16の上下方向への過大な弾性
変形を阻止するために設けられるものである。
【0033】そして、ここでは、特に、ゴム弾性体16
の上端面と下端面における上側ゴム突部34と下側ゴム
突部36,36の非形成部位に対して、従来のエンジン
マウントには見られない、特徴的な第一及び第二のすぐ
り部38,40が、それぞれ設けられているのである。
【0034】すなわち、本実施形態のエンジンマウント
10においては、ゴム弾性体16の上端面において、外
筒金具14の筒壁部の上端部に設けられた取付フランジ
部22,22の形成位置に対応する部位、換言すれば、
ゴム弾性体16の上端面における、内筒金具12の上側
突出部分を挟んだ径方向の両側部位において、それらの
径方向の略中間位置に、該上端面から軸方向に延びる第
一のすぐり部38が、それぞれ一つずつ設けられてい
る。
【0035】そして、それら各第一のすぐり部38にあ
っては、全体として、略矩形の凹所形態を有しており、
ゴム弾性体16の径方向における幅寸法が、内筒金具1
2の外周面における外側平面部18と、取付フランジ部
22が形成される外筒金具14の筒壁部の上部内周面と
に対して、それぞれ薄肉のゴム層のみが形成される程度
となる如き十分に大きな大きさとされていると共に、ゴ
ム弾性体16の周方向における幅寸法が、ゴム弾性体1
6の径方向における十分に大きな幅寸法よりも更に大き
な大きさとされ、また、その深さが、ゴム弾性体16の
高さの半分以上の大きさとされており、これによって、
容積が、極めて大きな大きさとされているのである。
【0036】また、かかるエンジンマウント10におけ
るゴム弾性体16の下端面において、外筒金具14の筒
壁部の下端部に設けられた凹部30,30の形成位置に
対応する部位、換言すれば、ゴム弾性体16の下端面に
おける、前記二つの第一のすぐり部38,38の形成部
位に対応した、内筒金具12の下側突出部分を挟んだ径
方向の両側部位には、その径方向の中間部から内筒金具
12側に偏奇した位置に、該下端面から軸方向に延びる
第二のすぐり部40が、それぞれ一つずつ設けられてい
る。
【0037】そして、それら各第二のすぐり部40にあ
っては、全体として、略円弧状の凹所形態を有してお
り、ゴム弾性体16の径方向における幅寸法が、ゴム弾
性体16における第一のすぐり部38の形成部位におい
て内筒金具12の外側平面部18上に設けられた前記薄
肉のゴム層の厚さよりも所定寸法小さく、しかも外筒金
具14の凹部30におけるストッパ部32の内周面に厚
肉のゴム層が形成される程度の大きさとされて、第一の
すぐり部38のかかる幅寸法よりも十分に小さく為され
ていると共に、ゴム弾性体16の周方向における幅寸法
が、それに対応する第一のすぐり部38の幅寸法と略同
一の大きさとされ、また、その深さが、第一のすぐり部
38の深さと略同一の大きさとされており、以て、ゴム
弾性体16の径方向における幅寸法が小さくされている
分だけ、第一のすぐり部38よりも、容積が小さくされ
ているのである。
【0038】なお、ここでは、このような容積の小さな
第二のすぐり部40の、ゴム弾性体16の径方向におけ
る幅寸法が、内筒金具12の外側平面部18上に設けら
れた前記薄肉のゴム層の厚さよりも所定寸法小さくされ
ていることによって、かかる第二のすぐり部40と容積
の大きな第一のすぐり部38のそれぞれの底部側部分の
間に、それら第一及び第二のすぐり部38,40を非連
通と為す薄肉の隔壁ゴム層42が、設けられている。こ
れによって、例えば、分割型を用いてゴム弾性体16を
加硫成形する際に、分割型における第一のすぐり部38
の形成部位と第二のすぐり部40の形成部位の接触が有
利に回避され得て、ゴム弾性体16の加硫成形操作が、
安価に且つ安定的に実施され得るようになっているので
ある。また、図2及び図3中、44は、第一及び第二の
すぐり部38,40が対応位置せしめられるゴム弾性体
16の径方向の一方向に対して直角な方向におけるばね
特性を調節するためのポケット部である。
【0039】かくして、本実施形態のエンジンマウント
10においては、ゴム弾性体16の上端面と下端面とに
おける、内筒金具12の上側突出部分を挟んだ径方向の
両側部位の互いに対応する位置に、それぞれ、二つの第
一のすぐり部38と二つの第二のすぐり部40が、軸方
向に延出しつつ、実質的にゴム弾性体16を軸方向に貫
通するように形成され、しかも、上端面に設けられた各
第一のすぐり部38が、径方向における大きな幅を有す
る、十分に大きな容積をもって構成されていることによ
って、こじり方向におけるばね特性が、より十分に軟ら
かく為され得るようになっているのである。
【0040】また、ここでは、ゴム弾性体16におけ
る、径方向幅の小さな第二のすぐり部40の形成部位の
それぞれに、外筒金具14の前記凹部30,30が対応
位置せしめられていることによって、ゴム弾性体16に
おける各第二のすぐり部40の形成部位に、外筒金具1
4と内筒金具12との間の距離を小さく為すストッパ部
32,32が、内筒金具12を挟んで互いに対向して、
それぞれ配設されるようになっており、それによって、
例えば、各ストッパ部32,32の対向方向に大きな振
動が入力せしめられて、内筒金具12と外筒金具14と
が径方向に大きく相対変位せしめられた際に、内筒金具
14が各ストッパ部32,32に対して、それらの内周
面に設けられたゴム層を介して接触せしめられ、以て、
それら内筒金具12と外筒金具14の径方向への過剰な
相対変位、ひいてはゴム弾性体16の径方向への過大な
弾性変形の発生が、有効に阻止され得るようになってい
るのである。
【0041】従って、かくの如きエンジンマウント10
においては、ゴム弾性体16の径方向への過大な弾性変
形が有効に阻止されていることによって、ゴム弾性体1
6、ひいてはエンジンマウント10全体の使用耐久性が
安定的に確保され得るのであり、また、こじり方向にお
けるばね特性がより十分に軟らかく為され得ていること
によって、主たる軸方向の入力振動と共に、こじり方向
における入力振動に対する減衰性能が、極めて有利に高
められ得るのである。
【0042】ところで、このような構造とされたエンジ
ンマウント10は、例えば、図4に示されるような状態
で、自動車に装着されるようになっており、それによっ
て、エンジンが、かかるエンジンマウント10を介し
て、車体に取り付けられることとなる。
【0043】すなわち、外筒金具14の筒壁部における
径方向一方向の両側部位に設けられた二つの取付フラン
ジ部22,22が、図示しない車体の前後方向(図4
中、左右方向)にそれぞれ対応位置せしめられると共
に、ゴム弾性体16の上端面と下端面とに各々設けられ
た第一のすぐり部38,38と第二のすぐり部40,4
0とが、それぞれ車体の前後方向に位置せしめられるよ
うにして、エンジンマウント10が車体に対して配置さ
れる。そして、そのような配置状態下で、外筒金具14
が、二つの取付フランジ部22,22において、それに
設けられた各貫通孔(26,26)にそれぞれ挿通され
た取付ボルト48,48により、車体のメンバ50,5
0にボルト止めされて、固定される。
【0044】また、内筒金具12は、その上端面におい
て、図示しないエンジンに固設されたブラケット52の
下端面に当接せしめられると共に、かかるブラケット5
2から下方に延び出して、内筒金具12の内孔を挿通せ
しめられた取付ボルト54の該内孔内からの延出部分に
挿通位置せしめられた、金属円板からなるストッパ板5
6の上面に対して、下端面において当接せしめられた状
態で、配置され、そしてそのような配置状態下におい
て、取付ボルト54の下端部にナット58が螺合される
ことにより、ブラケット52に対して、固定されること
となる。
【0045】かくして、内筒金具12がエンジンに取り
付けられる一方、外筒金具14が車体に取り付けられた
状態下で、エンジンマウント10が、自動車に装着さ
れ、以て、エンジンが、内筒金具12と外筒金具14と
を連結するゴム弾性体16により、車体に対して弾性的
に支持されつつ、取り付けられるようになっているので
ある。
【0046】なお、ここでは、エンジンマウント10の
自動車への装着状態下で、内筒金具12の上端面と下端
面とが、エンジン側のブラケット52の下端面と、該ブ
ラケット52に対して取付ボルト54により固定された
ストッパ板56の上端面に当接せしめられているところ
から、ゴム弾性体16の上端面と下端面にそれぞれ設け
られた上側ゴム突部34とが、位置固定とされたブラケ
ット52の下端面とストッパ板56の上端面とに対し
て、上下方向に所定の距離を隔てて対向位置せしめられ
ており、それによって、軸方向の大きな振動が入力せし
められて、内筒金具12と外筒金具14とが軸方向に大
きく相対変位せしめられた際に、ゴム弾性体16の上側
ゴム突部34と下側ゴム突部36,36とが、それぞれ
ブラケット52やストッパ板56に接触して、それら内
筒金具12と外筒金具14の上下方向の過剰な相対変
位、ひいてはゴム弾性体16の上下方向への過大な弾性
変形が阻止されるようになっているのである。
【0047】このように、ここでは、エンジンマウント
10の自動車への装着状態下で、ゴム弾性体16の上下
方向への過大な弾性変形が阻止されるようになっている
ことによって、ゴム弾性体16、ひいてはエンジンマウ
ント10全体の使用耐久性が、有利に高められ得るので
ある。
【0048】そして、本実施形態においては、容積の大
なる第一のすぐり部38と容積の小なる第二のすぐり部
40が形成されて、こじり方向のばね特性がより十分に
柔らかくされたゴム弾性体が、それら第一及び第二のす
ぐり部が車体の前後方向に位置せしめて配置された状態
で、エンジンが車体に取り付けられるようになっている
ため、エンジンのアイドリング時に生ずる振動が、極め
て効果的に減衰され得るのである。
【0049】また、本実施形態では、エンジンに取り付
けられる内筒金具12と車体に取り付けられる外筒金具
14の径方向への過剰な相対変位に伴って生ずるゴム弾
性体16の径方向への過大な弾性変形が阻止されるよう
になっているところから、急制動や急発進時等に生ず
る、内筒金具12と外筒金具14との間における車体の
前後方向への過剰な相対変位に起因したゴム弾性体16
の損傷が有利に阻止されて、エンジンの車体に対する弾
性的な支持状態が、より安定的に確保され得ることとな
るのである。
【0050】以上、本発明の具体的な構成について詳述
してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであ
って、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも
受けるものではない。
【0051】例えば、前記実施形態では、第一のすぐり
部38と第二のすぐり部40とが、ゴム弾性体16の上
端面と下端面における、内筒金具12を挟んだ径方向の
両側部位に、それぞれ一つずつ設けられていたが、それ
ら第一及び第二のすぐり部38,40を、内筒金具12
を挟んだ径方向の両側部位に、それぞれ複数個ずつ設け
ることも、勿論可能である。
【0052】また、それら第一及び第二のすぐり部3
8,40の形状も、前記実施形態に示されるものに、特
に限定されるものではないことは、言うまでもないとこ
ろである。
【0053】さらに、前記実施形態では、インナ軸部材
が内筒金具12にて構成されていたが、かかるインナ軸
部材を、例えば、中実のロッド状部材にて構成しても、
何等差し支えないのである。
【0054】また、前記実施形態では、外筒金具14の
筒壁部に設けられた凹部30,30により与えられるス
トッパ部32,32にて、延出部が構成されていたが、
この延出部は、ゴム弾性体16の第二のすぐり部40,
40の形成部位において、内筒金具12と外筒金具14
の少なくとも何れか一方に対して、それら内筒金具12
と外筒金具14との間の距離を小さく為すように、径方
向に延出せしめられて設けられておれば、その構造が、
決して限定されるものではない。従って、例えば、ゴム
弾性体の第二のすぐり部40,40の形成部位に対応位
置する内筒金具12の筒壁部に対して、かかる筒壁部が
径方向外方に膨出せしめられてなる延出部を形成するよ
うにしても良い。なお、その際には、第二のすぐり部4
0,40が、ゴム弾性体16の径方向の中心部や、その
中心部から、外筒金具14側に偏奇した位置に形成され
ることとなる。また、そのような膨出部分からなる延出
部を内筒金具12に形成すると同時に、外筒金具14に
対して、ストッパ部32からなる延出部を形成すること
も、勿論可能である。
【0055】さらに、前記実施形態では、第一のすぐり
部38と第二のすぐり部40とが、薄い隔壁ゴム層42
にて、非連通状態とされていたが、そのような隔壁ゴム
層42を省略して、第一のすぐり部38と第二のすぐり
部40とを連通状態で形成することも、可能である。
【0056】加えて、前記実施形態では、本発明を、自
動車用のエンジンマウントに適用したものの具体例を示
したが、本発明は、その他、エンジンマウント以外の自
動車用防振装置、或いは自動車以外の防振装置の何れに
対しても、有利に適用され得ることは、勿論である。
【0057】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0058】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に従う防振装置にあっては、インナ軸部材のアウタ筒
部材に対する径方向への過剰な相対変位と、それに伴っ
て生ずるゴム弾性体の過大な弾性変形が有効に阻止され
ていることによって、ゴム弾性体、ひいては装置全体の
使用耐久性が安定的に確保され得ていると共に、こじり
方向におけるばね特性がより十分に軟らかく為され得
て、主たる軸方向の入力振動と共に、こじり方向におけ
る入力振動に対する減衰性能が、極めて有利に高められ
得るのである。
【0059】また、本発明に従う自動車用エンジンの取
付構造によれば、エンジンのアイドリング時に生ずる振
動がより十分に減衰され得ると共に、急制動や急発進時
等に生ずる、内筒金具の外筒金具に対する車体の前後方
向への過剰な相対変位に起因したゴム弾性体の損傷が有
利に阻止されて、エンジンの車体に対する弾性的な支持
状態が、より安定的に確保され得ることとなるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有するエンジンマウントの
一例を示す上面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントの下面説明図
である。
【図4】図1に示されたエンジンマウントの使用状態の
一例を示す説明図であって、かかるエンジンマウントを
介して、自動車のエンジンを車体に取り付けた状態を示
している。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16 ゴム弾性
体 30 凹部 32 ストッパ
部 34,36 ゴム突部 38 第一のす
ぐり部 40 第二のすぐり部 42 隔壁ゴム
層 50 メンバ 52 ブラケッ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナ軸部材と、該インナ軸部材を囲む
    ように径方向に離間して配置されたアウタ筒部材とを、
    それらの間に介装された円筒状のゴム弾性体により連結
    して構成される、主たる振動入力方向が軸方向とされて
    なる筒型防振装置にして、 前記ゴム弾性体の軸方向一方の端面における、前記イン
    ナ軸部材を挟んだ径方向の両側部位に、該軸方向一方の
    端面から軸方向に延びる第一のすぐり部を、径方向にお
    ける大きな幅と該ゴム弾性体を貫通しない深さとを有す
    る大なる容積をもって、それぞれ設ける一方、該ゴム弾
    性体の軸方向他方の端面における、該二つの第一のすぐ
    り部の形成部位に対応した、前記インナ部材を挟んだ径
    方向の両側部位に、該軸方向他方の端面から軸方向に延
    びる第二のすぐり部を、径方向における小さな幅と該ゴ
    ム弾性体を貫通しない深さとを有する小なる容積をもっ
    て、それぞれ設け、更に、該ゴム弾性体の各第二のすぐ
    り部の形成部位において、前記インナ軸部材と前記アウ
    タ筒部材のうちの少なくとも何れか一方に対して、それ
    らインナ軸部材とアウタ筒部材との間の距離を小さく為
    す、径方向に延出した延出部を一体的に設けたことを特
    徴とする筒型防振装置。
  2. 【請求項2】 前記アウタ筒部材における、前記ゴム弾
    性体の各第二のすぐり部の形成部位に対応する筒壁部位
    に、径方向内方に向かって凹陥する凹部が形成され、か
    かる凹部により径方向内方に移動した筒壁部位にて、前
    記径方向内方に延出して設けられる延出部が構成されて
    いる請求項1に記載の筒型防振装置。
  3. 【請求項3】 前記第一のすぐり部と前記第二のすぐり
    部とが、それらの間で、それらを非連通と為す薄いゴム
    層を介して形成される請求項1又は請求項2に記載の筒
    型防振装置。
  4. 【請求項4】 前記アウタ筒部材における、前記ゴム弾
    性体の前記第一及び第二のすぐり部の非形成部位に対応
    する筒壁部位の軸方向両端部に、径方向に延びるフラン
    ジ部がそれぞれ設けられる一方、該ゴム弾性体の軸方向
    両方の端面から軸方向に突出するゴム突部が、該アウタ
    筒部材の各フランジ部にそれぞれ支持された状態で、該
    ゴム弾性体と一体に形成されている請求項1乃至請求項
    3の何れかに記載の筒型防振装置。
  5. 【請求項5】 インナ軸部材と、該インナ軸部材を囲む
    ように径方向に離間して配置され、且つ該インナ部材に
    対して、それとの間に介装されたゴム弾性体にて連結さ
    れたアウタ筒部材のうちの何れか一方に、自動車のエン
    ジンを取り付ける一方、それらのうちの何れか他方を車
    体に取り付けることにより、該エンジンを該車体に対し
    て弾性的に支持させつつ、取り付けるようにした自動車
    用エンジンの取付構造にして、前記ゴム弾性体の軸方向
    一方の端面における、前記インナ軸部材を挟んだ、前記
    車体の前後方向に対応する、径方向の両側部位に、該軸
    方向一方の端面から軸方向に延びる第一のすぐり部が、
    径方向における大きな幅と該ゴム弾性体を貫通しない深
    さとを有する大なる容積をもって、それぞれ設けられる
    一方、該ゴム弾性体の軸方向他方の端面における、該二
    つの第一のすぐり部の形成部位に対応した、前記インナ
    部材を挟んだ径方向の両側部位に、該軸方向他方の端面
    から軸方向に延びる第二のすぐり部が、径方向における
    小さな幅と該ゴム弾性体を貫通しない深さとを有する小
    なる容積をもって、それぞれ設けられ、更に、該ゴム弾
    性体の各第二のすぐり部の形成部位において、前記イン
    ナ軸部材と前記アウタ筒部材のうちの少なくとも何れか
    一方に対して、それらインナ軸部材とアウタ筒部材との
    間の距離を小さく為す、径方向に延出した延出部が一体
    的に設けられていることを特徴とする自動車用エンジン
    の取付構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106866A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
CN102562894A (zh) * 2010-12-09 2012-07-11 东洋橡胶工业株式会社 防振装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010106866A (ja) * 2008-10-28 2010-05-13 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式防振装置
CN102562894A (zh) * 2010-12-09 2012-07-11 东洋橡胶工业株式会社 防振装置

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