JP2003206876A - 密閉型回転圧縮機及び冷凍・空調装置 - Google Patents

密閉型回転圧縮機及び冷凍・空調装置

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JP2003206876A JP2002003260A JP2002003260A JP2003206876A JP 2003206876 A JP2003206876 A JP 2003206876A JP 2002003260 A JP2002003260 A JP 2002003260A JP 2002003260 A JP2002003260 A JP 2002003260A JP 2003206876 A JP2003206876 A JP 2003206876A
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    • F04C18/30Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids having the characteristics covered by two or more of groups F04C18/02, F04C18/08, F04C18/22, F04C18/24, F04C18/48, or having the characteristics covered by one of these groups together with some other type of movement between co-operating members
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Abstract

(57)【要約】 【課題】密閉型回転圧縮機において、圧縮機構の摺動部
への給油量不足による潤滑不良を防止して信頼性を高め
る。 【解決手段】潤滑油16を貯溜した密閉容器6内に圧縮
機構及び給油機構を収納し、圧縮機構はシリンダ室51
a内で公転運動するローラ部81aとシリンダ室51a
を区画するベーン部81bとを有して形成し、給油機構
はシリンダ室51aの外側に形成した給油ポンプ室51
cと給油ポンプ室51c内を往復動するベーン部81b
の先端部とを有して形成し、ベーン部81bの先端部は
給油流れ方向に給油ポンプ室51cが広くなるように形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型回転圧縮機
及び冷凍・空調装置に係り、特にベーン部の先端部を給
油ポンプ室内で往復動させて潤滑油を供給する密閉型回
転圧縮機及び冷凍・空調装置に好適なものである。この
冷凍・空調装置は、例えば冷蔵庫、エアコンディショナ
ー、除湿機、給湯機、カーエアコン等である。
【0002】
【従来の技術】従来のロータリ圧縮機としては、特開平
5−231367号公報に示されているものがある。即
ち、このロータリ圧縮機は、潤滑油を貯溜した密閉容器
と、密閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素と、電
動要素の回転により圧縮要素を駆動する駆動軸とを備え
ている。そして、この圧縮要素は圧縮機構と給油機構と
を備えている。また、圧縮機構は、シリンダ室を有する
二つのシリンダと、二つのシリンダ室の両端部を閉塞す
る部材と、二つのシリンダ室内で180度位相が異なる
公転運動する二つのローラ部と、二つのローラ部の外周
面から半径方向に延びて二つのシリンダ室内をそれぞれ
区画する二つのベーン部とを有している。給油機構は、
二つのシリンダ室の外側に形成した二つの給油ポンプ室
と、二つの給油ポンプ室内を往復動する二つのベーン部
の先端部と、二つの給油ポンプ室を連通する流体ダイオ
ードと、給油ポンプ室の一方を密閉容器の潤滑油に連通
する連通部と、給油ポンプ室の他方を圧縮機構部の摺動
部に連通する給油路とを有している。さらには、二つの
ベーン部の先端部は、駆動軸心と平行な直線状に形成さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、係る従来のロ
ータリ圧縮機では、ベーン部の先端部が駆動軸心と平行
な直線状に形成されているため、給油ポンプ室内の潤滑
油を押し出す機能を十分に発揮できないものであった。
このため、従来のロータリ圧縮機では、圧縮機の運転条
件、特に低速の条件によっては駆動軸まで汲み上げられ
る潤滑油が不足し、圧縮機の各摺動部及び隙間が存在す
る圧縮部の給油量が減り、圧縮機性能及び冷凍サイクル
性能が低下するといった課題があった。さらに、従来の
ロータリ圧縮機では、HCFC系冷媒の代替冷媒、例え
ばHFC系冷媒、炭化水素、CO2、アンモニア等の自
然系冷媒を適用する際の潤滑性低下及び荷重増加等によ
る信頼性低下に対応して、摺動部への給油量を十分に確
保することが難しいという課題があった。
【0004】本発明の目的は、圧縮機構の摺動部への給
油量不足による潤滑不良が防止でき、信頼性の高い密閉
型回転圧縮機及び冷凍・空調装置を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の密閉型回転圧縮機は、潤滑油を貯溜した密
閉容器内に圧縮機構及び給油機構を収納し、前記圧縮機
構は、シリンダ室内で公転運動するローラ部と、ローラ
部の外周面から半径方向に延びて前記シリンダ室内を区
画するベーン部とを有して形成し、前記給油機構は、前
記シリンダ室の外側に形成した給油ポンプ室と、前記給
油ポンプ室内を往復動する前記ベーン部の先端部とを有
して形成し、前記ベーン部の先端部は給油流れ方向に前
記給油ポンプ室が広くなる形状に形成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
から図7を用いて説明する。
【0007】まず、本実施形態を図1から図5を参照し
ながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る密閉
型回転圧縮機の縦断面図、図2は図1における異なる作
動状態を示す図、図3は図2のA−A断面図、図4は図
1の圧縮機に用いる揺動ピストンの斜視図、図5は図1
の圧縮機を用いた冷凍調装置の冷凍サイクル構成図であ
る。
【0008】本実施形態に係る冷凍装置の冷凍サイクル
は、図5に示すように冷凍(冷房)専用のサイクルであ
る。この冷凍サイクルは、圧縮機42、凝縮器39、減
圧装置40、蒸発器41を冷媒配管で順次接続して構成
される。圧縮機42は横置き型の密閉揺動ピストン形圧
縮機で構成されている。凝縮器39は凝縮器ファン39
aにより強制的に通風されるが、自然対流式熱交換器で
構成されて凝縮器ファン39aがない場合にも本発明は
適用可能である。減圧装置40は膨張弁、キャピラリー
チューブなどで構成される。蒸発器41は蒸発器ファン
41aにより強制的に通風される。
【0009】冷凍サイクル内の冷媒は、圧縮機42を起
動することにより、圧縮機42で圧縮されて高温・高圧
のガスとなり、図5の実線矢印で示すように吐出パイプ
15から凝縮器39に流入し、凝縮器ファン39aの送
風作用により放熱されて液化し減圧装置40に流入し、
減圧装置40で絞られ、断熱膨張して低温・低圧とな
り、蒸発器41に流入し、蒸発器41で蒸発器ファン4
1aの送風作用により周囲より吸熱してガス化された
後、吸込パイプ12を経て圧縮機42に吸込まれる。こ
の冷媒として、HCFC系冷媒の代替冷媒、例えばHF
C系冷媒、炭化水素、CO2、アンモニア等の自然系冷
媒が用いられている。
【0010】係る本実施例の冷凍装置は、本発明の圧縮
機42を用いているので、エネルギー効率に優れた冷凍
装置が得られる。特に、圧縮機42は密閉容器6内を吐
出圧力以下にしているので、断続運転における圧縮機4
2の停止時に高温・高圧の冷媒が蒸発器41内に流入す
る量を少なくでき、断続エネルギーロスを低減できる。
【0011】圧縮機42は、図1から図3に示すよう
に、密閉容器6内に電動要素43、圧縮要素44及びこ
の両者43、44を連結する駆動軸4を配置して構成さ
れている。密閉容器6内の底部には潤滑油16を貯溜す
る油溜り部18が形成されている。この圧縮機42は、
密閉容器6内の空間を吐出圧力より低い圧力(本実施例
では吸込圧力)としている。密閉容器6内を低い圧力と
することにより、潤滑油16内に溶け込む冷媒量を低減
でき、可燃性の自然系冷媒を用いる場合に特に好適であ
る。電動要素43は、固定子7及び回転子5を有してい
る。圧縮要素44は、圧縮機構と給油機構を有してい
る。
【0012】圧縮機構は、第1シリンダ50、第2シリ
ンダ51と、各シリンダ50、51内に回転可能に配置
された揺動ピストン80、81と、各シリンダ50、5
1の両端開口を閉塞する主軸受2、副軸受3及び仕切り
板26等よりなっており、二つの圧縮部を有している。
揺動ピストン80、81は、ローラ部80a、81a及
びベーン部80b、81bより構成されている。
【0013】給油機構は、第1シリンダ50の給油ポン
プ室50c、第2シリンダ51の給油ポンプ室51c
と、ベーン部80b、81bと、連通部13、連通孔部
21、給油流通路22及び流体ダイオード17と、給油
パイプ19と、スパイラル溝20等よりなっている。こ
れらの給油流通路22、給油パイプ19及びスパイラル
溝20などは、摺動部への給油路を構成する。
【0014】給油ポンプ室50cと給油ポンプ室51c
とは、連通孔部21を介して連通される。連通孔部21
は、給油ポンプ室51c側に狭くなる傾斜内面を有す
る。これにより、連通孔部21は、流体が給油ポンプ室
50cから給油ポンプ室51cに流れ易く、その反対に
は流れ難くなるという流体ダイオード機能を備えてい
る。また、給油ポンプ室50cは連通部13を介して油
溜り部18と連通される。
【0015】給油ポンプ室51cは、流体ダイオード1
7及び給油流通路22を介して油溜り部18に連通され
ると共に、給油流通路22を介して給油パイプ19と連
通される。給油パイプ19は給油流通路22とスパイラ
ル溝20との間を連通する。
【0016】第1シリンダ50、第2シリンダ51には
中央部に第1円筒状孔部であるシリンダ室50a、51
aが形成されている。このシリンダ室50a、51aの
両端開口は、閉塞部材を兼用する主軸受2、副軸受3及
び仕切り板26とで閉塞されている。主軸受2と副軸受
3にはそれぞれ軸受部2a、3aが形成されており、こ
れにより駆動軸4が回転可能に支持されている。また、
主軸受2と副軸受3には駆動軸4の回転軸心が第1シリ
ンダ50、第2シリンダ51のシリンダ室50a、51
aの軸心と一致するように第1シリンダ50、第2シリ
ンダ51に固定されている。主軸受2の外周部は密閉容
器6に固定されている。駆動軸4には電動要素43の回
転子5が固定されており、電動要素43の固定子7が密
閉容器6に固定されている。
【0017】駆動軸4には、第1シリンダ50、第2シ
リンダ51のシリンダ室50a、51a内に位置する部
分に偏心部4a、4bが形成されている。この偏心部4
a、4bの円筒状外周面と揺動ピストン80、81のロ
ーラ部80a、81aの円筒状内周面とは回転可能に嵌
合されている。そして、駆動軸4が回転して揺動ピスト
ン80、81が回転する際に、ローラ部80a、81a
の円筒状外周面とシリンダ室50a、51aを形成する
円筒状外周面との間の隙間が微少になるように各部寸法
が決められている。そして、二つの偏心部4aは互いに
180度位相を異にして形成されているので、二つの圧
縮部で生じるガス圧縮トルクの変動が平準化されて圧縮
機の振動が低減される。
【0018】シリンダ50、51において、シリンダ室
50a、51aの外側にはシリンダ室50a、51aの
中心軸心と平行な中心軸心を持つ第2円筒状孔部である
滑動室50b、51bが形成されている。滑動室50
b、51bの外側には第3筒状孔部である給油ポンプ室
50c、51cが形成されている。そして、滑動室50
b、51bは、一側がシリンダ室50a、51a連通さ
れ、他側が給油ポンプ室50c、51cに連通されてい
る。滑動室50b、51b及び給油ポンプ室50c、5
1cの両端部まで主軸受2、副軸受3及び仕切板26が
延びている。
【0019】ローラ部80a、81aの円筒状外周面か
ら半径方向に延びるベーン部80b、81bが一体に形
成されている。ベーン部80b、81bは、シリンダ室
50a、50b内を吸込室11と圧縮室10とに区画す
ると共に、滑動室50b、51b内を通って給油ポンプ
室50c、51c内まで延びている。
【0020】ベーン部80b、81bと滑動室50b、
51bの円筒状内周面との間には、滑動部材9が組み込
まれている。この滑動部材9は、ベーン部80b、81
bの平面部に摺動可能に当接する平面部と、滑動室50
b、51bの円筒状内周面に摺動可能に当接する円筒面
部とを有している。この滑動部材9はベーン部80b、
81bをはさみ込むように配置されている。この結果、
ベーン部80b、81bは滑動室50b、51bの中心
軸に向かう進退運動と中心軸廻りの揺動運動を行う。
【0021】ベーン部80b、81bの先端部は給油ポ
ンプ室50c、51cの中で往復運動し、第1シリンダ
50、第2シリンダ51と干渉することはない。そし
て、往復運動するベーン部80b、81bの先端部は、
給油流れ方向に対して給油ポンプ室50c、51cが広
くなるように形成されている。具体的には、図4に示す
ように、上流側のベーン部の長さをL1とし、下流側の
ベーン部の長さをL2とすると、上流側長さL1>下流
側長さL2の関係に設定されており、さらには先端部は
傾斜部を有する形状に形成されている。本実施例では傾
斜部が直線状に形成されているので、その加工が容易で
あり、安価に製作することができる。
【0022】次に、圧縮要素44の圧縮動作を説明す
る。
【0023】電動要素43に通電されて回転子5が回転
すると、回転子5と共に駆動軸4が回転することによ
り、揺動ピストン80、81は偏心部4a、4bと共に
シリンダ室50a、51a内で揺動を伴う公転運動を行
う。これによって、吸込室11内に冷媒ガスを吸込み、
圧縮室10に移行して容積の増減を繰り返し、冷媒ガス
を圧縮する。
【0024】具体的には、冷媒ガスは、密閉容器6に取
り付けられた吸込パイプ12から密閉容器6内に吸込ま
れ、吸込通路を通って吸込室11に吸込まれ、圧縮室1
0の容積の減少と共に圧縮された後、主軸受2及び副軸
受3に形成された吐出ポート部2b、吐出ポート3bを
通って主軸受2と吐出カバー14aとで形成される吐出
室2c及び副軸受3と吐出カバー14bとで形成される
吐出室2c、吐出室3cへ吐出され、その後、吐出パイ
プ15から密閉容器6外に吐出される。
【0025】次に、給油機構の給油動作について説明す
る。駆動軸4の回転によって揺動ピストン80、81が
動作することにより、圧縮機構による圧縮動作と共に給
油機構による給油動作が行われる。
【0026】まず、図1に示すように、第1シリンダ5
0の揺動ピストン80が下死点に、第2シリンダ51の
揺動ピストン81が上死点にそれぞれ動作する場合につ
いて説明する。
【0027】第2シリンダ51側のベーン部81bの上
昇に伴い、密閉容器6の油溜り部18に貯溜された潤滑
油16は流体ダイオード17から吸引され、給油流通路
22を通って給油ポンプ室51cに吸引される。一方、
第1シリンダ50側のベーン部80bの下降に伴い、給
油ポンプ室50c内の潤滑油16が連通孔部21を通っ
て給油ポンプ室51cに押し出されると同時に連通部1
3から油溜り部18内へ流出する。
【0028】この動作において、給油ポンプ室51cへ
の給油流れ方向に対して給油ポンプ室50cが広くなる
ようにベーン部80bの先端部を形成しているので、給
油ポンプ室50c内における反給油ポンプ室51c側の
潤滑油16を容易に給油ポンプ室51cへ吐出すること
ができる。これにより給油量を増大することができる。
特にベーン部80bの先端部が傾斜面で形成されている
ので、給油ポンプ室50c内の潤滑油16に給油ポンプ
室51c側への押し出し分力が加えられ、この点からも
給油量を増大することができる。この給油量の増大は、
ベーン部80bの先端部の形状変更という簡単な変更で
あり、安価に達成することができる。
【0029】図1の状態から図2に示すように、第1シ
リンダ50の揺動ピストン80が上死点に、第2シリン
ダ51の揺動ピストン81が下死点に動作する場合につ
いて説明する。
【0030】第2シリンダ51のベーン部81bの下降
に伴い、給油ポンプ室51cに吸引された潤滑油16は
給油流通路22に押し出され、給油流通路22から給油
パイプ19を通って駆動軸4の一端部まで汲み上げら
れ、さらに駆動軸4の外周に設けられたスパイラル溝2
0を通って副軸受3、偏心部4a、4b、主軸受2を潤
滑し、再び密閉容器6内の油溜り部18に戻る。
【0031】この動作において、給油流通路22への給
油流れ方向に対して給油ポンプ室51cが広くなるよう
にベーン部81bの先端部を形成しているので、給油ポ
ンプ室51c内における反給油流通路22側の潤滑油1
6を容易に給油流通路22へ吐出することができると共
に給油ポンプ室50cに潤滑油16が流出することを防
止できる。これにより給油量を増大することができる。
特にベーン部81bの先端部が傾斜面で形成されている
ので、給油ポンプ室50c内の潤滑油16に給油ポンプ
室51c側への押し出し分力が加えられ、この点からも
給油量を増大することができる。この給油量の増大は、
ベーン部81bの先端部の形状変更という簡単な変更で
あり、安価に達成することができる。なお、流体ダイオ
ード17の作用により、給油ポンプ室51c押し出され
た潤滑油16は、密閉容器6内の油溜り部18に逆流す
ることを防止することができる。
【0032】このように、駆動軸4の回転により、給油
流れ方向に傾斜したベーン部80b、81bが給油ポン
プ室50c、51cの中で往復運動し、給油ポンプ室5
0c、51cの容積が変化するベーン給油ポンプ作用に
より、密閉容器6の底部に貯溜された潤滑油16は駆動
軸4まで十分な量が汲み上げられる。
【0033】以上の構成とすることにより、運転条件が
変化した場合(例えば、低速運転された場合)でも、潤
滑油16を各摺動部に適正に供給でき、各摺動部の油量
不足による潤滑不良が防止できる。これにより、高信頼
性の密閉型回転圧縮機を提供することができる。さらに
は、HCFC系冷媒の代替冷媒、例えばHFC系冷媒、
炭化水素、CO2、アンモニア等の自然系冷媒を適用す
ると、一般に潤滑性低下及び荷重増加等により信頼性の
低下を招くが、本実施例によればこの信頼性の低下を抑
制することができ、代替冷媒を密閉型回転圧縮機に採用
することが可能となる。
【0034】次に、揺動ピストン80、81の二つの変
形例を図6及び図7を参照しながら説明する。図6に示
す変形例1は、ベーン部80b、81bの先端部形状を
弧状に傾斜して形成したものである。また、図7に示す
変形例2は、ベーン部80b、81bの先端部の形状を
段部を有するように形成したものである。これらの変形
例1、2においても、加工が若干面倒になるが、上述し
たものと同様に給油流れ方向に給油ポンプ室50c、5
1cが広くなるので、この共通した構成において同様な
効果が得られる。
【0035】上述した実施例では、ローラとベーンが一
体となった揺動ピストン形圧縮機にて説明を行なった
が、ローラとベーンが別体のロータリ圧縮機においても
同様に適用可能である。これはベーン給油ポンプ方式の
圧縮機であればよいことを意味している。
【0036】さらには、単段圧縮機だけでなく2段圧縮
機としてもよく、また、冷凍装置だけでなく空調装置に
も適用可能である。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、圧縮機構の摺動部への給油量不足による潤滑
不良が防止でき、信頼性の高い密閉型回転圧縮機を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る密閉型回転圧縮機の
縦断面図である。
【図2】図1における異なる作動状態を示す図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1の圧縮機に用いる揺動ピストンの斜視図で
ある。
【図5】図1の圧縮機を用いた冷凍調装置の冷凍サイク
ル構成図である。
【図6】図1の揺動ピストンの変形例1を示す斜視図で
ある。
【図7】図1の揺動ピストンの変形例2を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
2…主軸受、2a…軸受部、2b…吐出ポート、2c…
吐出室、3…副軸受、3a…軸受部、3b…吐出ポー
ト、3c…吐出室、4…駆動軸、4a…偏心部、4b…
偏心部、5…回転子、6…密閉容器、7…固定子、9…
滑動部材、10…圧縮室、11…吸込室、12…吸込パ
イプ、13…連通部、14a…吐出カバー、14b…吐
出カバー、15…吐出パイプ、16…潤滑油、17…流
体ダイオード、18…油溜り部、19…給油パイプ、2
0…スパイラル溝、21…連通孔部(流体ダイオー
ド)、22…給油流通路、26…仕切板、39…凝縮
器、39a…凝縮器用ファン、40…膨張弁、41…蒸
発器、41a…蒸発器用ファン、42…圧縮機、43…
電動要素、44…圧縮要素、50…第1シリンダ、50
a…シリンダ室、50b…滑動室、50c…給油ポンプ
室、51…第2シリンダ、51a…シリンダ室、51b
…滑動室、51c…給油ポンプ室、80…揺動ピスト
ン、80a…ローラ部、80b…ベーン部、81…揺動
ピストン、81a…ローラ部、81b…ベーン部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 香曽我部 弘勝 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 幸野 雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA05 AA15 AB03 BB01 CC35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潤滑油を貯溜した密閉容器内に圧縮機構及
    び給油機構を収納し、 前記圧縮機構は、シリンダ室内で公転運動するローラ部
    と、ローラ部の外周面から半径方向に延びて前記シリン
    ダ室内を区画するベーン部とを有して形成し、 前記給油機構は、前記シリンダ室の外側に形成した給油
    ポンプ室と、前記給油ポンプ室内を往復動する前記ベー
    ン部の先端部とを有して形成し、 前記ベーン部の先端部は給油流れ方向に前記給油ポンプ
    室が広くなる形状に形成したことを特徴とする密閉型回
    転圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ベーン部は上流側
    の長さを下流側の長さより長くし、このベーン部の先端
    部を傾斜面形状に形成したことを特徴とする密閉型回転
    圧縮機。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記密閉容器
    内の空間の圧力を吐出圧力より低い圧力にしたことを特
    徴とする密閉型回転圧縮機。
  4. 【請求項4】請求項1から3の何れかにおいて、圧縮す
    る冷媒をHCFC冷媒の代替冷媒であるHFC系冷媒か
    炭化水素、CO2、アンモニア等の自然系冷媒かの何れ
    かを用いたことを特徴とする密閉型回転圧縮機。
  5. 【請求項5】潤滑油を貯溜した密閉容器と、前記密閉容
    器内に収納した圧縮要素及び電動要素と、前記電動要素
    の回転により前記圧縮要素を駆動する駆動軸とを備え、 前記圧縮要素は圧縮機構と給油機構とを備え、 前記圧縮機構は、シリンダ室を有する二つのシリンダ
    と、前記二つのシリンダ室の両端部を閉塞する部材と、
    前記二つのシリンダ室内で180度位相が異なる公転運
    動をする二つのローラ部と、前記二つのローラ部の外周
    面から半径方向に延びて前記二つのシリンダ室内をそれ
    ぞれ区画する二つのベーン部とを有し、 前記給油機構は、前記二つのシリンダ室の外側に形成し
    た二つの給油ポンプ室と、前記二つの給油ポンプ室内を
    往復動する前記二つのベーン部の先端部と、前記二つの
    給油ポンプ室を連通する流体ダイオードと、前記二つの
    給油ポンプ室の一方を前記密閉容器の潤滑油に連通する
    連通部と、前記二つの給油ポンプ室の他方を摺動部に連
    通する給油路とを有し、 前記二つのベーン部の先端部は、給油流れ方向に前記給
    油ポンプ室が広くなるようにそれぞれ形成したことを特
    徴とする密閉型回転圧縮機。
  6. 【請求項6】密閉型回転圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸
    発器を冷媒配管で接続してHCFC系冷媒の代替冷媒を
    封入した冷凍サイクルを形成し、 前記密閉型回転圧縮機は、容器内を吐出圧力より低い圧
    力にすると共に潤滑油を貯溜した密閉容器と、前記密閉
    容器内に収納した圧縮要素及び電動要素と、前記電動要
    素の回転により前記圧縮要素を駆動する駆動軸とを備
    え、 前記圧縮要素は圧縮機構と給油機構とを備え、 前記圧縮機構は、シリンダ室を有するシリンダと、前記
    シリンダ室の両端部を閉塞する部材と、前記シリンダ室
    内で公転運動するローラ部と、前記ローラ部の外周面か
    ら半径方向に延びて前記シリンダ室内を区画するベーン
    部とを有し、 前記給油機構は、前記シリンダ室の外側に形成した給油
    ポンプ室と、前記給油ポンプ室内を往復動する前記ベー
    ン部の先端部と、前記密閉容器の潤滑油を前記給油ポン
    プ室に連通する流体ダイオードと、前記給油ポンプ室を
    前記圧縮機構部の摺動部へ連通する給油路とを有し、 前記ベーン部の先端部は、給油流れ方向に前記給油ポン
    プ室が広くなるように形成したことを特徴とする密閉型
    回転圧縮機。
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