JP2003206158A - スプレー熱分解法による透明導電膜作製方法 - Google Patents

スプレー熱分解法による透明導電膜作製方法

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JP2003206158A JP2002005182A JP2002005182A JP2003206158A JP 2003206158 A JP2003206158 A JP 2003206158A JP 2002005182 A JP2002005182 A JP 2002005182A JP 2002005182 A JP2002005182 A JP 2002005182A JP 2003206158 A JP2003206158 A JP 2003206158A
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Takuya Kawashima
卓也 川島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプレー熱分解法による透明導電膜の作製に
おいて、成膜後のガラス基板の冷却にかかる時間を短縮
し、透明導電膜の作製にかかる時間を短縮することを目
的とする。 【解決手段】 ヒータを備えた基板保持部にガラス基板
をセットし、前記ヒータによって加熱した基板に向けて
ノズルから原料溶液を噴霧し、基板表面に透明な導電性
の薄膜を作製する方法において、スプレー熱分解法によ
る成膜後、加熱されたガラス基板に、純水またはアルコ
ール、あるいは純水とアルコールを組み合わせた液体、
若しくは窒素や空気などの気体などの冷媒を噴霧するこ
とによって、破損を伴うことなく加熱されたガラス基板
を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スプレー熱分解
(Spray Pyrolysis Deposition ; SPD)法による透明導
電膜の作製方法に関し、特に成膜後のガラス基板の冷却
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明かつ導電性に優れるといった性質を
利用して、透明導電膜はノートパソコンや携帯電話の表
示素子用電極、太陽電池用電極、プラズマディスプレイ
パネル用電極などに用いられる。そして、この透明導電
膜を作製するにあたって、スプレー熱分解(Spray Pyro
lysis Deposition ; SPD)法による薄膜形成を利用した
作製方法が知られている。スプレー熱分解法による透明
導電膜の作製方法は、霧吹きの原理に基づいて原料溶液
を加熱された基板に向けて噴霧することによって、基板
表面の熱によって原料溶液の溶媒の蒸発と溶質の変化
(スプレー熱分解)を起こし、透明な導電性の薄膜の形
成を進行させる技術である。なお原料溶液には、金属無
機塩の水またはアルコール溶液、あるいは有機金属化合
物や有機塩の有機溶剤系溶液が用いられる。
【0003】スプレー熱分解法による透明導電膜の作製
方法については、特開平9−63954号公報等に開示
されている。特開平9―63954号公報(従来技術)
によれば、図3に示すように、ヒータ3を備えた基板保
持部2と、この基板保持部2にセットされた基板1に向
けて原料溶液10´を噴霧するノズル4とを備えた、ス
プレー熱分解法による薄膜形成装置(以下、SPD薄膜
形成装置という)を使用し、前記基板保持部2にセット
された基板1をヒータ3で加熱するとともに、この加熱
した基板1に向けてノズル4から原料溶液10´を噴霧
することで、基板表面に噴射された原料溶液10´の溶
媒の蒸発と溶質の変化(スプレー熱分解)を起こし、基
板表面に透明導電膜10を作製し、その後自然放冷する
ことが記載されている。なお図3に示すSPD薄膜形成
装置は、原料供給部41から供給される原料溶液10
を、エアコンプレッサー42から供給される圧縮ガスに
よって噴霧圧を調節し、ノズル4から噴霧するものであ
る。基板1の加熱温度は、使用する原料溶液の種類によ
って異なるが、基板保持部2にセットされたガラス基板
1は、250〜700℃の範囲で温度(高温)設定され
たヒータ3によって加熱されるため、透明な耐熱性ガラ
スからなるガラス基板1を使用することが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スプレー熱分解法によ
る透明導電膜の作製方法では、ガラス基板1を高温設定
されたヒータ3で加熱することから、耐熱ガラスからな
るガラス基板1を使用することが好ましいが、低コスト
化を図るために、ソーダライムガラス等の耐熱性ガラス
でないガラス基板1を使用することもできる。しかしな
がら、このような耐熱性ガラスでない安価なガラス基板
1を使用した場合、加熱後に急激に冷却するとガラス基
板1が破損するため自然放冷によってガラス基板1を冷
却していた。つまり従来技術では、SPD薄膜形成装置
によってガラス基板1の表面に透明導電膜10を成膜し
た後、前記SPD薄膜形成装置の基板保持部2にガラス
基板1を置いたまま自然放冷してガラス基板1を冷却し
ており、このため冷却に長時間を要し、基板保持部2か
らガラス基板1をなかなか動かすことができないため、
SPD薄膜形成装置による透明導電膜の作製の作業サイ
クルが悪く、作業の短時間化が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、ヒ
ータを備えた基板保持部にガラス基板をセットし、前記
ヒータによって加熱した基板に向けてノズルから原料溶
液を噴霧し、基板表面に透明な導電性の薄膜を作製する
方法において、スプレー熱分解法による成膜後、加熱さ
れたガラス基板に、純水またはアルコール、あるいは純
水とアルコールを組み合わせた液体、若しくは窒素や空
気などの気体などの冷媒を噴霧することによって、破損
を伴うことなく加熱されたガラス基板を冷却し、冷却時
間にかかる時間の短縮を図った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施例
について図面を参照して説明する。
【0007】図3に示すように、この発明の実施例で
は、ヒータ3を備えた基板保持部2と、この基板保持部
2にセットしたガラス基板1に向けて原料溶液10´を
噴霧するノズル4とを備えたSPD薄膜形成装置を使用
し、前記基板保持部2にセットしたガラス基板1を、加
熱温度を250〜700℃の範囲で設定したヒータ3で
加熱するとともに、前記ヒータ3で加熱した基板1に向
けて、ノズル4から原料溶液10´を噴霧することで、
基板1の表面の熱によって原料溶液10´の溶媒の蒸発
と溶質の変化(スプレー熱分解)を起こし、基板1の表
面に透明な導電性の薄膜(透明導電膜)10を作製す
る。なおこの実施例によるSPD薄膜形成装置は、原料
供給部41から供給される原料溶液10´を、エアコン
プレッサー42から供給される圧縮ガスによって噴霧圧
を調節し、ノズル4から噴霧するものである。
【0008】そしてこの実施例では、基板表面に透明導
電膜10を成膜後、ヒータ3の作動を停止してガラス基
板1の加熱を止めるとともに、前記ヒータ3によって加
熱されて高温状態のガラス基板1に、スプレーガン5か
ら液体または気体などの冷媒20を噴霧することによっ
て、ガラス基板1を冷却する。つまり図1または図2に
示すように、SPD薄膜形成装置(スプレー熱分解法)
による成膜後、ヒータ3の作動を停止させた基板保持部
2にガラス基板1をセットしたまま、ガラス基板1の表
面に作製した透明導電膜10の膜面に向かって、スプレ
ーガン5から冷媒20を噴霧して、ガラス基板1を冷却
した。ヒータ3で加熱されて高温状態となったガラス基
板1を冷却するとき、厚さが1〜1.5mm程度のガラ
ス基板1を使用した場合は、前記ガラス基板1における
高温部分と、液体または気体などの冷媒20の噴霧によ
って冷却されるガラス基板表面との温度差を、100℃
以内程度に維持することが好ましい。これによって、ソ
ーダライムガラス等の耐熱性の低いガラス基材1を使用
しても、冷却による破損を防止することができる。
【0009】なお、液体の冷媒20としては、純水、ア
ルコール溶液、または純水とアルコール溶液を組み合わ
せたものが好適に使用することができ、これらの冷媒2
0をスプレーガン5からガラス基板1の膜面に向かって
噴霧することによって、ガラス基板の破損を伴うことな
く冷却することができる。このとき、室温である液体の
冷媒20を使用することが好ましい。アルコール溶液と
しては、メタノール、エタノール、1または2−プロパ
ノールが、冷媒として好適に使用することができる。こ
の実施例では、図1に示すように、冷媒供給部51から
供給される液体の冷媒20を、エアコンプレッサー52
から供給される圧縮ガスによって噴霧圧を調節し、スプ
レーガン5から噴霧した。
【0010】また、気体の冷媒20としては、空気、窒
素ガス(N)などが好適に使用することができ、これ
らの冷媒20をスプレーガン5からガラス基板1の膜面
に向かって噴霧することによって、ガラス基板の破損を
伴うことなく冷却することが。スプレーガン5から気体
の冷媒20を噴霧して冷却を行う場合、スプレーガン5
に連結されたエアコンプレッサー52、または圧縮ガス
供給部(図示せず)から供給される気体の冷媒20(例
えば圧縮空気や圧縮窒素ガス)の供給量を調節すること
で、冷媒20の噴霧圧を調節することができる。図2に
示す実施例では、エアコンプレッサー52から供給され
る圧縮空気(気体の冷媒20)の供給量を調節すること
で、スプレーガン5から噴霧される空気(冷媒20)の
噴霧圧を調節し、スプレーガン5から気体の冷媒20を
噴霧してガラス基板1の冷却を行った。
【0011】なお、液体または気体などの冷媒20を噴
霧するためのスプレーガン5や、冷媒20の噴霧圧を調
節するためのエアコンプレッサー52は、SPD薄膜形
成装置において原料溶液10´を噴霧したときに使用し
たノズル4やエアコンプレッサー42を、併用して使用
することもできる。
【0012】これに対して従来技術では、スプレー熱分
解法によってガラス基板1の表面に透明導電膜10を作
製した後(成膜後)、高温状態のガラス基板1を自然放
冷によって冷却する。
【0013】以下に、この発明による液体または気体の
冷媒20の噴霧によって高温状態のガラス基板1を冷却
した場合と、従来技術による自然放冷によって冷却した
場合とについて、表1ないし表6に示す基板温度と冷却
時間の関係を参照して検討する。
【0014】この冷却実験は、基板サイズが縦×横×厚
さ=100mm×100mm×1.1mmのガラス基板
1を、設定温度490℃のヒータ3によって加熱し、こ
の加熱したガラス基板1の表面に向かって、塩化スズ
(IV)(SnCl(無水))又は塩化スズ(IV)・5
水和物(SnCl・5HO)と、8M フッ化アン
モニウム(NHF)水溶液とをエタノールに溶解した
原料溶液10´を一定量噴霧することによって、ガラス
基板表面に透明導電膜10を成膜し、その後、ヒータ3
の作動を停止し、高温状態のガラス基板1を50℃以下
にまで冷却した。なおガラス基板1として、ソーダライ
ムガラスを使用した。また原料溶液10´において、塩
化スズとフッ化アンモニウムのモル濃度を、それぞれ
0.2Mと0.32Mに調整し、この原料溶液10´を、
高温状態のガラス基板1の表面に向かって、0.08M
Paの噴霧圧で60ml噴霧することによって、ガラス
基板1の表面に厚さ約500nmの透明導電膜10を作
製した。このとき、原料溶液10´の噴霧によってガラ
ス基板1の表面の温度(基板温度)が大幅に低下する場
合は、ガラス基板1の表面温度が低下しすぎないよう
に、ノズル4から噴霧される原料溶液10´を時間間隔
をおいて数回にわたって噴霧し、スプレー熱分解によっ
てガラス基板1の表面に透明導電膜10を作製すること
が好ましい。なお成膜後は、ノズル4からの原料溶液1
0´の噴霧は停止しており、このため、冷却開始時(初
期状態)のガラス基板1の基板温度はヒータ3の設定温
度と同等の約485℃程度の高温状態となる。
【0015】表1は、成膜後、高温状態のガラス基板1
を自然放冷によって冷却した場合(従来技術)の、基板
温度と冷却時間の関係を表したものであり、設定温度4
90℃のヒータ3で加熱された高温状態のガラス基板1
(基板温度が約485℃程度)を、自然放冷によって5
0℃以下にまで冷却した。
【0016】
【表1】
【0017】一方、この発明による第1の実施例では、
スプレー熱分解法によってガラス基板1の表面に透明導
電膜10を作製した後(成膜後)、図1に示すように、
基板保持部2にセットされているガラス基板1の膜面に
向かって、スプレーガン5から純水を噴霧して、成膜時
に設定温度490℃のヒータ3で加熱された高温状態の
ガラス基板1(基板温度が約485℃程度)を50℃以
下にまで冷却した。この実施例では、室温の純水をスプ
レーガン5から基板表面の膜面に向かって噴霧してガラ
ス基板1の冷却を行った。なおスプレーガン5とガラス
基板1の表面との距離は30cmに設定してあり、スプ
レーガン5から圧力0.08MPaで冷媒20を噴霧し
た。
【0018】表2は、加熱したガラス基板1に純水を噴
霧して冷却した場合(実施例1)の、基板温度と冷却時
間の関係を表したものであり、ガラス基板1のサイズ、
加熱温度、成膜条件については上記表1による条件と同
様にして行った。
【0019】
【表2】
【0020】また、この発明による第2の実施例では、
図1に示すように、加熱したガラス基板1の膜面に向か
ってスプレーガン5からエタノールを噴霧して、設定温
度490℃のヒータ3で加熱された高温状態のガラス基
板1(基板温度が約485℃程度)を50℃以下にまで
冷却した。この実施例では、室温のエタノールをスプレ
ーガン5から基板表面の膜面に向かって噴霧してガラス
基板1の冷却を行った。なおスプレーガン5とガラス基
板1の表面との距離は30cmに設定してあり、スプレ
ーガン5から圧力0.08MPaで冷媒20を噴霧し
た。
【0021】表3は、加熱したガラス基板にエタノール
を噴霧して冷却した場合(実施例2)の、基板温度と冷
却時間の関係を表したものであり、ガラス基板のサイ
ズ、加熱温度、成膜条件については上記表1による条件
と同様にして行った。
【0022】
【表3】
【0023】さらに、この発明による第3の実施例で
は、図1に示すように、加熱したガラス基板1の膜面に
向かってスプレーガン5から純水とエタノールを組み合
わせた冷媒20を噴霧して、設定温度490℃のヒータ
3で加熱された高温状態のガラス基板1(基板温度が約
485℃程度)を50℃以下にまで冷却した。この実施
例では、容積比1:1で純水とエタノールとを組み合わ
せた溶媒20をスプレーガン5から基板表面の膜面に向
かって噴霧してガラス基板1の冷却を行った。なおスプ
レーガン5とガラス基板1の表面との距離は30cmに
設定してあり、スプレーガン5から圧力0.08MPa
で冷媒20を噴霧した。
【0024】表4は、加熱したガラス基板1に0〜5分
までは純水とエタノールを組み合わせた溶媒20を噴霧
し、5分以降からエタノールを噴霧して冷却した場合
(実施例3)の、基板温度と冷却時間の関係を表したも
のであり、ガラス基板のサイズ、加熱温度、成膜条件に
ついては上記表1による条件と同様にして行った。
【0025】
【表4】
【0026】実施例1から実施例3によれば、純水また
はアルコール溶液、若しくは純水とアルコールとを組み
合わせた液体の冷媒20を、加熱されたガラス基板1の
表面に作製された透明導電膜10の膜面に向けて噴霧す
ることによって、ガラスを破損することなく、ガラス基
板1を冷却することができ、冷却時間を短縮することが
できる。なお実施例では、アルコール溶液としてエタノ
ールを使用したが、メタノールや、1または2プロパノ
ールを用いてもよい。
【0027】加熱温度490℃に設定したヒータ3で加
熱したガラス基板1の表面に透明導電膜10を成膜後、
自然放冷によって冷却した場合、485℃程度に加熱さ
れたガラス基板1を50℃以下にまで冷却するのに約4
0分の冷却時間を要していたが(表1参照)、実施例1
のように純水を噴霧してガラス基板1を冷却した場合、
約7分の冷却時間で50℃以下にまで冷却することがで
き(表2参照)、自然放冷に比べて約6倍のスピードで
冷却することができ、またエタノールを噴霧したものも
のにあっては、約12分の冷却時間で50℃以下にまで
冷却することができ(表3参照)、自然放冷に比べて約
3.5倍のスピードで冷却でき、冷却時間を短縮するこ
とができた。
【0028】また冷却に使用する冷媒20の選択や、そ
の組み合わせによって冷却時間を調整することができ、
例えば、実施例3のように、純水とアルコールとを組み
合わせた溶媒20を噴霧して冷却することによって、純
水で冷却する場合よりも冷却時間を遅く、またエタノー
ルで冷却する場合よりも冷却時間を早く調整することが
できる。
【0029】さらに、この発明の第4ないし第6の実施
例では、スプレー熱分解法によりガラス基板1の表面に
透明導電膜10を作製した後(成膜後)、ヒータ3によ
って加熱されたガラス基板1に、スプレーガン5から空
気や窒素ガス(N)などの気体の冷媒20を噴霧する
ことによってガラス基板1を冷却する(図2を参照)。
なお、冷媒20は基板表面に形成した透明導電膜10の
膜面に向かって噴霧することが好ましい。
【0030】実施例4および実施例5では、加熱したガ
ラス基板1の膜面に向かってスプレーガン5から冷媒2
0として空気を噴霧して、設定温度490℃のヒータ3
で加熱された高温状態のガラス基板1(基板温度が約4
85℃程度)を50℃以下にまで冷却した。なおスプレ
ーガン5とガラス基板1の表面との距離は30cmに設
定してあり、実施例4ではスプレーガン5から圧力0.
08MPaで空気を噴霧し、実施例5ではスプレーガン
5から圧力0.15MPaで空気を噴霧し、ガラス基板
1の冷却を行った。
【0031】表5は、加熱したガラス基板1に圧力0.
08MPaで空気を噴霧して冷却した場合(実施例4)
と、圧力0.15MPaで空気を噴霧して冷却した場合
(実施例5)との、基板温度と冷却時間の関係を表した
ものであり、ガラス基板1のサイズ、加熱温度、成膜条
件については上記表1による条件と同様にして行った。
【0032】
【表5】
【0033】また実施例6では、加熱したガラス基板1
の膜面に向かってスプレーガン5から冷媒20として窒
素ガス(N)を噴霧して、設定温度490℃のヒータ
3で加熱された高温状態のガラス基板1(基板温度が約
485℃程度)を50℃以下にまで冷却した。なおスプ
レーガン5とガラス基板1の表面との距離は30cmに
設定してあり、スプレーガン5から圧力0.08MPa
で窒素ガス(N)を噴霧してガラス基板1の冷却を行
った。
【0034】表6は、加熱したガラス基板1に圧力0.
08MPaで窒素ガス(N)を噴霧して冷却した場合
(実施例6)の、基板温度と冷却時間の関係を表したも
のであり、ガラス基板1のサイズ、加熱温度、成膜条件
については上記表1による条件と同様にして行った。
【0035】
【表6】
【0036】実施例4ないし実施例6によれば、加熱さ
れたガラス基板1の表面に作製された透明導電膜10の
膜面に向けて、空気または窒素ガスなどの気体を噴霧す
ることによって、実施例1ないし実施例3において液体
を噴霧してガラス基板1を冷却するのと同様に、ガラス
を破損することなく、ガラス基板1を冷却することがで
き、冷却時間を短縮することができる。
【0037】加熱温度490℃に設定したヒータ3で加
熱したガラス基板1を自然放冷によって冷却した場合、
485℃程度に加熱されたガラス基板1を50℃以下に
まで冷却するのに約40分の冷却時間を要していたが
(表1参照)、実施例4のように空気を圧力0.08M
Paで噴霧してガラス基板1を冷却した場合、約14分
の冷却時間で50℃以下にまで冷却することができ(表
5参照)、また実施例6のように窒素ガス(N)を噴
霧したものものにあっても、約14分の冷却時間で50
℃以下にまで冷却することができ(表6参照)、自然放
冷に比べて約2.7倍のスピードで冷却でき、冷却時間
を短縮することができた。
【0038】また表5に示すように、気体の噴霧圧力を
大きくすることによって冷却時間を短縮することがで
き、実施例5のように圧力0.15MPaに設定したス
プレーガン5から空気を噴霧してガラス基板1を冷却し
たものにあっては、圧力0.08MPaに設定したスプ
レーガン5から空気を噴霧してガラス基板を冷却したも
の(実施例4)よりも、冷却時間を約1分短縮すること
ができた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ヒータを備えた基板保持部にガラス基板をセット
し、前記ヒータによって加熱した基板に向けてノズルか
ら原料溶液を噴霧し、基板表面に透明な導電性の薄膜を
作製する方法において、スプレー熱分解法による成膜
後、加熱されたガラス基板に、純水またはアルコール、
あるいは純水とアルコールを組み合わせた液体、若しく
は窒素や空気などの気体などの冷媒を噴霧することによ
って、破損を伴うことなく加熱されたガラス基板を冷却
し、冷却時間にかかる時間の短縮を図ることができ、低
コストで、かつガラス基板の表面に透明導電膜を作製す
る作業の短時間化を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による冷却方法の実施例を示す図。
【図2】この発明による冷却方法のその他の実施例を示
す図。
【図3】スプレー熱分解法による透明導電膜の作製方法
の説明図。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 基板保持部 3 ヒータ 4 ノズル 41 原料供給部 42 エアーコンプレッサー 5 スプレーガン 51 冷媒供給部 52 エアーコンプレッサー 10 透明導電膜 10´ 原料溶液 20 冷媒

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータ(3)を備えた基板保持部(2)
    にガラス基板(1)をセットし、前記ヒータ(3)によ
    って加熱した基板(1)に向けてノズル(4)から原料
    溶液(10´)を噴霧し、基板表面に透明な導電性の薄
    膜を作製する方法において、 スプレー熱分解法よってガラス基板(1)表面に透明導
    電膜(10)を成膜した後、液体または気体などの冷媒
    (20)を噴霧し、加熱されたガラス基板(1)を冷却
    する工程を設けたことを特徴とするスプレー熱分解法に
    よる透明導電膜作製方法。
  2. 【請求項2】 冷媒(20)をガラス基板(1)表面の
    透明導電膜(10)の膜面に向かって噴霧することを特
    徴とする請求項1に記載のスプレー熱分解法による透明
    導電膜作製方法。
  3. 【請求項3】 加熱されたガラス基板(1)に、純水ま
    たはアルコールを噴霧することによって、ガラス基板
    (1)の破損を伴うことなく冷却し、冷却時間を短縮す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のスプレー
    熱分解法による透明導電膜作製方法。
  4. 【請求項4】 加熱されたガラス基板(1)に、純水と
    アルコールとを組み合わせて噴霧し、ガラス基板(1)
    の破損を伴うことなく冷却し、冷却時間を短縮すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のスプレー熱分解
    法による透明導電膜作製方法。
  5. 【請求項5】 噴霧する純水とアルコールを組み合わせ
    によって、ガラス基板(1)の冷却時間を調節すること
    を特徴とする請求項4に記載のスプレー熱分解法による
    透明導電膜作製方法。
  6. 【請求項6】 加熱されたガラス基板(1)に、気体を
    噴霧することによって、ガラス基板(1)の破損を伴う
    ことなく冷却することを特徴とする請求項1または2に
    記載のスプレー熱分解法による透明導電膜作製方法。
  7. 【請求項7】 加熱されたガラス基板(1)に噴霧する
    気体の噴霧圧力を変化させて、ガラス基板(1)の冷却
    時間を調節することを特徴とする請求項6に記載のスプ
    レー熱分解法による透明導電膜作製方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005047759A (ja) * 2003-07-30 2005-02-24 Sekuto Kagaku:Kk 光学用放熱ガラス及びその放熱方法
KR100787258B1 (ko) 2004-06-03 2007-12-20 캐논 가부시끼가이샤 성막방법, 이 성막방법을 이용한 스페이서 및 박형의 플랫패널 디스플레이의 제조방법
CN108149231A (zh) * 2018-02-06 2018-06-12 北京科技大学 一种喷雾热解高通量薄膜制备装置及方法

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