JP2003204732A - 餌料培養ブロック、餌料培養礁、及び魚礁 - Google Patents

餌料培養ブロック、餌料培養礁、及び魚礁

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JP2003204732A
JP2003204732A JP2002005329A JP2002005329A JP2003204732A JP 2003204732 A JP2003204732 A JP 2003204732A JP 2002005329 A JP2002005329 A JP 2002005329A JP 2002005329 A JP2002005329 A JP 2002005329A JP 2003204732 A JP2003204732 A JP 2003204732A
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Akira Kakimoto
晧 柿本
Taku Ono
卓 大野
Hiroaki Suzuki
裕明 鈴木
Tatsuji Tanahashi
達治 棚橋
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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Abstract

(57)【要約】 【課題】魚介類の餌料となる微小な餌料生物が付着しや
すい形状及び構成を有する餌料培養ブロック、餌料培養
礁並びに魚礁を提供する。 【解決手段】餌料培養ブロック1を、セメント材料を含
有し中空筒状をなすものとした。餌料培養礁10を形成
するに際しては、餌料培養ブロック1を通水性のあるケ
ース2に収容し、さらに魚礁100を形成するに際して
は、魚礁本体10に餌料培養礁10を載置するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類の餌料とな
る微小な餌料生物を好適に培養するための餌料培養ブロ
ックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】数多くの魚介類を蝟集させ得る良好な漁
場を形成するには、魚介類が餌料とするカンザシゴカ
イ、ヨコエビ類、ワレカラ等の微小生物、いわゆる餌料
生物を蝟集させて培養するのが好ましい方法であること
が知られている。一般にこのような餌料生物は、小さな
隙間に好んで棲息する。このような餌料生物の性質を利
用して、コンクリートブロックや礫等をカゴや網等に詰
め込んで海底に沈設し、コンクリートブロック等の隙間
において餌料生物を棲息させ、その餌料生物を目当てに
魚類を蝟集させる試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、餌料生物を
多く蝟集させるためにはコンクリートブロック等を多数
カゴや網の中に詰めなければならないが、その数が多く
なると重量が増し、取り扱いに不便となる。また、ブロ
ックの自重による崩壊を防ぐためには、積み重ね得るブ
ロックの数にも制限を受けるのでカゴ等に収容できるコ
ンクリートブロック等の量には限度があるため、その限
度以上の隙間を形成することは困難である。
【0004】一方、漁業地域において、カキやホタテ貝
に代表される貝殻は、そのまま海に投棄すると海洋汚染
につながるため、一般に廃棄物として処理されている。
特に可食部を取り外した後のカキ殻等が漁港や加工工場
の一角に堆高く積み上げられている様子がしばしば見受
けられるが、積み上げられたカキ殻から発生される腐敗
臭が大きな問題となっている。また、カキ殻が占有して
いるスペースも増大する一方であり、廃棄物処理業者に
カキ殻の処理を依頼するとコストが極めて高くつくこと
になる。一方、これらカキ殻等はカルシウムを多量に含
有しており、餌料生物を培養し得る効果があることが予
想されることから、網状をなす通水性ケースにカキ殻を
入れて海中に投入するようにした「人工魚礁用集魚ケー
ス」(特開平6−141727号)や、収納籠に充填し
たカキ殻をモルタルによって一体に固めて海中に投入す
るようにした「餌料培養礁及び餌料培養礁を備えた人工
魚礁」(特開平11−225612号)などが考えられ
ている。
【0005】ところが、前記「人工魚礁用集魚ケース」
では、集魚ケース内のカキ殻同士が衝突して破壊したり
経時変化によってカキ殻が脆くなって崩壊すると、集魚
ケースからカキ殻が流出するため、餌料培養効果が低下
するという不具合がある。また、前記「餌料培養礁及び
餌料培養礁を備えた人工魚礁」では、多量のカキ殻をモ
ルタルで稠密に固めているため、餌料培養礁内部すなわ
ちカキ殻同士の間に形成された空間への潮通りが悪く、
培養礁内部での高い餌料培養性能が期待できず、表層部
のみが主たる餌料培養領域となるため、餌料培養効果が
低いという不具合がある。
【0006】そこで本発明は、以上のような問題に鑑み
て、餌料生物の隙間に集まる性質を利用して、餌料生物
を蝟集し培養し易い簡易な構造の餌料培養ブロックを提
供するとともに、あわせてカキ殻等の廃棄物の有効な再
利用の途を開き、漁業地域の問題解決の一助となること
も目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の餌料培養ブロッ
クは、海中において、魚介類の餌料となる餌料生物を培
養するための構造として、セメント材料を含有し、中空
筒状をなすことを特徴としている。
【0008】餌料生物のなかには、表面に凹凸の少ない
滑面、例えば礫同士の間の空隙を好んで付着するものも
あるため、このように筒状の餌料培養ブロックの中空内
部にも餌料生物が多数棲息することが予想される。した
がって、表面に凹凸があるか否かに拘わらず、少なくと
も中空筒状をなすコンクリート製の餌料培養ブロックを
用いれば、十分に餌料生物を培養し、魚介類を多数蝟集
させることが可能となる。さらに、中空の形状によりブ
ロックの自重が軽減されるので、より多くのブロックを
積み重ねて用いることができ、より多くの餌料生物を蝟
集させることが可能となる。
【0009】また、より小さな隙間を好んで蝟集する餌
料培養生物を多数培養する目的からは、前記餌料培養ブ
ロックを、表面から肉厚内に連通する細孔部を有しポー
ラス状をなすものとすることが好ましい。こうすること
で、餌料生物が付着し棲息する餌料培養ブロック上の表
面積を一挙に増大することができるようになる。
【0010】この場合、ポーラス状の餌料培養ブロック
を容易に形成しつつ、カキ殻等の有効利用を図るために
は、カキ殻やホタテ殻等の貝殻を粉砕した砕片を骨材と
して含有させておくとよい。このようなものであると、
カキ殻等に含まれるカルシウム成分等を目当てにより多
くの餌料生物が蝟集するうえに、粉砕したカキ殻等の砕
片を用いることによって、カキ殻等を粉砕せずにそのま
ま用いる場合と比較してより多くの小さな隙間を餌料培
養ブロック自体に設けることができるので、餌料培養効
果を飛躍的に高めることができる。さらには、従来廃棄
物として処理されていて他に用途がほとんどなかったカ
キ殻等を有効に活用することができるので、漁業地域に
おける上記の問題解決の一助ともなる。
【0011】海底において餌料培養を行う場合、餌料培
養ブロックが短期間のうちに崩壊してしまうと、本来の
目的を達することができなくなるため、餌料培養ブロッ
ク自体に一定の強度が要求される。一方、カキ殻等をセ
メント材料に含有させた場合、成形後のコンクリート製
品の強度が低下してしまうという問題がある。このよう
な観点から、多数の隙間を表面上に形成しつつ一定の強
度を付与するには、餌料培養ブロックを、セメント1重
量部に対して、前記貝殻の砕片を2〜3重量部含有した
ものとすることが好ましい。
【0012】さらに、カキ殻を粉砕することは、廃貝殻
の保管場所の減量化が図れるために有効な処理方法であ
るので、従来から漁業地域によってはカキ殻を粉砕して
減量化した上で保管しているところもあるが、本発明で
はその粉砕物を有効利用することができる。
【0013】また、餌料培養ブロックの表面上に多数の
隙間を形成するという観点からは、砕石を骨材として含
有させるようにしてもよい。この場合は、セメント1重
量部に対して、前記砕石を6〜7重量部含有させること
が好ましい。
【0014】さらに、多数の餌料培養ブロックをカゴ等
に詰めた場合に、相互に接する餌料培養ブロック同士の
間により多くの空隙を形成できるような、あるいは強度
的に有利な餌料培養ブロック自体の形状の観点からは、
円筒状とすることが望ましいといえる。
【0015】以上のような餌料培養ブロックを利用した
好ましい餌料培養礁には、カゴ状又は網状の通水性を有
するケースと、該ケースの内部に詰め込まれた複数の餌
料培養ブロックとを具備するものが挙げられる。この場
合、相互に接する餌料培養ブロック同士の間に空隙を形
成した状態で、それら餌料培養ブロックをケース内に収
容することで、最低限、相互に接する餌料培養ブロック
同士及び餌料培養ブロック自体の中空内部に、餌料生物
が蝟集する隙間を確保することができ、さらに餌料培養
ブロック自体がポーラス状をなすものであると、餌料生
物の付着面積を増大することができる。
【0016】また、餌料生物を捕食するために集まる魚
介類を豊富にするべく、前述した餌料培養ブロック及び
餌料培養礁を利用した魚礁を好適且つ安価にに形成する
には、魚礁を、コンクリート製の魚礁本体に前記餌料培
養礁を載置した構成とすることが有効となる。なお、餌
料培養礁を魚礁本体に載置する態様は、直接載置するも
のに限らず、餌料培養礁と魚礁本体との間に嵩上げ用の
脚部を設けて間接的に載置する等、種々の態様が有り得
る。また、魚礁本体は、特定の構造に限定されるもので
はなく、既存の魚礁や、既に海底に沈設されている魚礁
など、種々のものを適用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。
【0018】<第1実施形態> 図1に示す餌料培養ブ
ロック1は、概略円筒状をなすものであり、セメント材
料11とカキ殻の砕片12とを主成分とするコンクリー
ト製品である。
【0019】具体的に説明すると、この餌料培養ブロッ
ク1は、外径約50mm、内径約30mm、長さ約60
mmの円筒形状をなしている。本餌料培養ブロック1の
組成は、図3(a)にその一覧を示すように、セメント
材料11(同図中、略称「C」で示す。以下、他の実施
形態についても同様である。)が1重量部に対して、骨
材としてカキ殻の砕片12を2重量部含有しており、そ
の他の材料として、水(同「W」)を0.4重量部、含
有している。カキ殻の砕片12は、約0.15mm〜3
cmの大きさに粗粉砕したものである。この餌料培養ブ
ロック1の製造に際しては、水とセメント11とをペー
スト状に混練し、そのセメントペーストをカキ殻12の
表面にまぶした上で円筒状をなす所定の型枠に打設し、
硬化した後に脱型すると、図1に斜視図を、図2に断面
図をそれぞれ示すような餌料培養ブロック1が得られ
る。
【0020】この硬化した餌料培養ブロック1は、粗粉
砕されたカキ殻の砕片12の存在によって、筒状の内外
の表面から肉厚内に亘って連通する多数の細孔部13か
らなる空隙が形成されたポーラス状をなしており、図3
(a)に示すように、この餌料培養ブロック1一個当た
りの空隙率は約15%であり、強度は数年以上は海底で
崩壊することがない数MPa程度である。
【0021】次に、このような餌料培養ブロック1を用
いて、図5に示すような餌料培養礁10並びに魚礁10
0を形成する方法について説明する。
【0022】まず、上述した餌料培養礁10は、所定の
大きさの例えば鉄製のカゴ状をなし潮通りすなわち通水
性のあるケース2と、このケース2内に詰め込まれた多
数の餌料培養ブロック1から構成される。餌料培養ブロ
ック1をケース2内に詰め込むに際しては、図示例では
略水平方向に隣接する2つの餌料培養ブロック1の両方
の間に、上方から一つの餌料培養ブロック1が接するよ
うに規則正しく配設しているが、このように秩序立てて
餌料培養ブロック1をケース2内に配設する必要は必ず
しもなく、ケース2内に餌料培養ブロック1を乱雑且つ
無秩序に投入するだけでも構わない。そして、餌料培養
ブロック1同士の間の空隙率が、ケース2内の餌料培養
ブロック1全体として、約50%以上、好ましくは65
〜70%程度となるように、餌料培養ブロック1をケー
ス2内に収容している。このようにすることで、各餌料
培養ブロック1一個当たりの空隙率である約15%とあ
わせて、餌料培養礁10全体の空隙率は、餌料生物の培
養に最も適していると考えられる約80%以上となる。
【0023】一方、魚礁100は、直方体状をなし各壁
に開口窓3aを形成した一般的なコンクリート製の魚礁
本体3と、この魚礁本体3の上面側に載置された餌料培
養礁10とから構成される。このように構成したことか
ら、餌料培養礁10において形成された餌料培養ブロッ
ク1自体が有する隙間13及び餌料培養ブロック1同士
の間に形成された空隙sからなる多数の空間に、ゴカイ
類、ヨコエビ類、ワレカラ等の微小な餌料生物が多数付
着し、さらにはその餌料生物を捕食しまた魚礁本体3の
内部空間を隠れ家とするために数多くの魚介類が蝟集す
ることになる。また、餌料培養礁10では、継続的に餌
料生物を蝟集させるとともに培養することができるた
め、この魚礁100において、継続的な魚介類の培養も
可能である。特に餌料培養ブロック1の骨材がカキ殻の
砕片12であるため、それに含まれるカルシウム成分等
によって、餌料生物に対する培養効果が向上することに
もなる。
【0024】しかも、餌料培養ブロック1自体は、漁業
地域等で廃棄物とされていたカキ殻を入手し、漁業者自
身が簡単な型枠とセメント材料11を用いて容易に形成
することができるので、魚礁本体3とケース2さえ購入
すれば極めて安価にこの魚礁100を形成して海底に沈
設することが可能である。
【0025】なお、本発明において、餌料培養ブロック
の大きさ形状、組成等は上記実施形態に限定されるもの
ではなく、ケース2や魚礁本体3についても同様であ
る。したがって、これらの設計事項は、魚礁100或い
は餌料培養礁10を設置すべき海域の状態や目的に応じ
て、自由に設定することが可能である。
【0026】<第2実施形態> 図6に斜視図、図7に
断面図を示す餌料培養ブロック4は図3(b)に組成を
示すとおり、1重量部のセメント材料41と、6.6重
量部の砕石42とを主成分とするものであり、他の成分
としては、0.25重量部の水と0.005重量部の減
水剤とを含有している。砕石42の大きさは、約0.5
〜10mm程度であり、前記第1実施形態の場合と同様
の製造方法によって形成することによって、外径約50
mm、内径約30mm、長さ約60mmの中空の円筒状
をなしており、餌料培養ブロック4一個当たりの空隙率
は約30%、硬度は約10MPaである。このような餌
料培養ブロック4も、第1実施形態のものと同様に、骨
材となった砕石42間に多数の隙間43が形成されてい
る。
【0027】このような餌料培養ブロック4も、図5に
示した第1実施形態の場合と同様に、カゴ状の通水性を
有するケース2に多数詰め込んで餌料培養礁10を形成
するとともに、それを魚礁本体3に載置することで、同
様の魚礁100を形成して使用される。なお、ケース2
内にこの餌料培養ブロック4を収容するに際しても、餌
料培養ブロック4同士の間の空隙率と、餌料培養ブロッ
ク4一個当たりの空隙率との合計の空隙率が、約80%
となるようにすることが望ましい。
【0028】<第3実施形態> 図8に斜視図、図9に
断面図を示す餌料培養ブロック5は図3(c)に組成を
示すとおり、1重量部のセメント材料51と、2重量部
のカキ殻を微粉砕した粉状物52とを主成分とするもの
であり、他の成分としては、水0.4重量部、減水剤
0.01重量部を配合している。この餌料培養ブロック
5は、前記第1及び第2実施形態の場合とは異なり粗骨
材を有しておらず、各成分を混練し型枠に打設して形成
することによって外径約50mm、内径約30mm、長
さ約60mmの中空の円筒状をなすように製造してお
り、中空の内部を除いて肉厚部分は中実である。すなわ
ち、カキ殻の粉状物52はセメント51の粉体と混じり
合ってモルタル製品を構成している。したがって、餌料
培養ブロック5一個当たりの空隙率は約0%である。な
お、硬度は約10〜20MPaである。
【0029】ここで図4に、用いられる骨材の粒度分布
測定結果をグラフにして示す。このグラフは、縦軸がふ
るいを通過するものの質量百分率を示し、横軸がふるい
の呼び寸法を示している。そして同グラフに示される粒
度曲線は、この骨材を用いたコンクリート製品の成形の
し易い範囲を示しており、平均粒度曲線(上限値、図中
に破線で示す)と平均粒度曲線(下限値、図中に破線で
示す)との間の図中網掛けを附した部位に、当該製品の
粒度曲線が入っていれば、このコンクリート製品が製造
しやすいものであるといえる。本実施形態における餌料
培養ブロック1の場合についてみると、適用したカキ殻
の粒度曲線(図中、太線で示す)が、上述の成形のしや
すい範囲内、すなわち平均粒度曲線の上限値と下限値と
の間に収まっていることから、成形しやすいものである
ことがわかる。
【0030】このような餌料培養ブロック5も、図5に
示した第1実施形態の場合と同様に、カゴ状の通水性を
有するケース2に多数詰め込んで餌料培養礁10を形成
するとともに、それを魚礁本体3に載置することで、同
様の魚礁100を形成して使用される。このような餌料
培養ブロック5は、滑面を好む餌料生物の蝟集に好適で
ある。なお、この餌料培養ブロック5自体の空隙率がゼ
ロであるため、餌料培養ブロック5同士の同士の間の空
隙率が餌料培養礁全体の空隙率となるため、ケース2内
にこの餌料培養ブロック5を、空隙率が約80%となる
ようにケース2内に収容することが望ましい。
【0031】本発明は、以上の実施形態に限定されるも
のではなく、例えば大きさの異なる餌料培養ブロックを
用意し、内径の大きな餌料培養ブロックの中空内部によ
り小さな外径の餌料培養ブロックを収容して、大きな餌
料培養ブロック内に、餌料生物が付着するための表面積
をより大きくするようにするなど、種々の応用が可能で
ある。その他、各部の具体的構成についても上記実施形
態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない
範囲で種々変形が可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0033】すなわち、本発明の餌料培養ブロックは、
中空の筒状をなす形状を有するコンクリート製品とした
ことにより、安価な製造が可能な上に、少なくともその
中空の内部空間において餌料生物を有効に蝟集させ培養
することが可能であり、また、このようなものを積み重
ねることで、餌料培養ブロック間に形成される空隙にも
餌料生物を蝟集させ培養することができ、しかも中空の
形状によりブロックの自重が軽減されてより多くのブロ
ックを積み重ねて用いることができるので、餌料生物を
目当てにする魚介類を豊富に蝟集させることもでき、豊
富な漁場形成に役立てることができる。特に、餌料培養
ブロックをポーラス状をなすようにすることで、餌料生
物が好んで付着する隙間のある表面積を増大させること
ができる。この場合、骨材としては、カキ殻等の貝殻の
砕片や砕石などを利用することが可能であるが、特にカ
キ殻等を利用する場合には、これまで産業廃棄物として
処分するしかないという問題を抱えていた漁業地域での
カキ殻等の有効利用を促進し、その問題解決と環境保全
に寄与することができる。
【0034】また、このような餌料培養ブロックをカゴ
等の通水性ケースに詰め込んで海底に沈設することで、
有用な餌料培養礁を形成することができる。さらに、こ
の餌料培養礁を一般的なコンクリート製魚礁本体に載置
した魚礁を形成すれば、餌料生物を捕食するために集ま
る魚介類の住処も提供できるようになり、餌料生物のみ
ならず魚介類の有効な培養も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る餌料培養ブロック
を示す斜視図。
【図2】同餌料培養ブロックの断面図。
【図3】本発明に係る各実施形態の餌料培養ブロックの
組成を説明する一覧図。
【図4】第3実施形態の餌料培養ブロックに適用される
骨材の粒度曲線を示すグラフ。
【図5】第1実施形態の餌料培養ブロックを用いた餌料
培養礁及び魚礁を示す斜視図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る餌料培養ブロック
を示す斜視図。
【図7】同餌料培養ブロックの断面図。
【図8】本発明の第3実施形態に係る餌料培養ブロック
を示す斜視図。
【図9】同餌料培養ブロックの断面図。
【符号の説明】
1、4、5…餌料培養ブロック 2…ケース 3…魚礁本体 10…餌料培養礁 11、41…セメント材料 12…カキ殻 41…砕石 100…魚礁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 裕明 東京都千代田区六番町6番地28 住友大阪 セメント株式会社内 (72)発明者 棚橋 達治 東京都千代田区六番町6番地28 住友大阪 セメント株式会社内 Fターム(参考) 2B003 AA02 BB05 CC05 DD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】海中において、魚介類の餌料となる餌料生
    物を培養するためのものであって、セメント材料を含有
    し、中空筒状をなすことを特徴とする餌料培養ブロッ
    ク。
  2. 【請求項2】表面から肉厚内に連通する細孔部を有しポ
    ーラス状をなす請求項1記載の餌料培養ブロック。
  3. 【請求項3】カキ殻やホタテ殻等の貝殻を粉砕した砕片
    を骨材として含有している請求項2記載の餌料培養ブロ
    ック。
  4. 【請求項4】砕石を骨材として含有している請求項2記
    載の餌料培養ブロック。
  5. 【請求項5】円筒状である請求項1、2、3又は4記載
    の餌料培養ブロック。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5記載の餌料培養ブロックを
    利用した餌料培養礁であって、カゴ状又は網状の通水性
    を有するケースと、該ケースの内部に詰め込まれた複数
    の餌料培養ブロックとを具備していることを特徴とする
    餌料培養礁。
  7. 【請求項7】請求項6記載の餌料培養礁を備えた魚礁で
    あって、魚礁本体と、当該魚礁本体に載置した前記餌料
    培養礁とを具備していることを特徴とする魚礁。
JP2002005329A 2002-01-11 2002-01-11 餌料培養ブロック、餌料培養礁、及び魚礁 Pending JP2003204732A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7374965B2 (en) 2005-02-08 2008-05-20 Renesas Technology Corp. Manufacturing method of semiconductor device

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US7374965B2 (en) 2005-02-08 2008-05-20 Renesas Technology Corp. Manufacturing method of semiconductor device

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