JP2003203909A - 絶縁膜の作製方法 - Google Patents

絶縁膜の作製方法

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JP2003203909A
JP2003203909A JP2002255602A JP2002255602A JP2003203909A JP 2003203909 A JP2003203909 A JP 2003203909A JP 2002255602 A JP2002255602 A JP 2002255602A JP 2002255602 A JP2002255602 A JP 2002255602A JP 2003203909 A JP2003203909 A JP 2003203909A
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insulating film
heat treatment
polymers
glass transition
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Yuki Yamagata
由紀 山形
Yoshihiko Watanabe
嘉彦 渡邊
Tokiaki Shiratori
世明 白鳥
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Keio University
Yazaki Corp
Original Assignee
Keio University
Yazaki Corp
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高価な真空設備が不要で、大型の被膜を形成
しやすい交互吸着法を用いた絶縁膜成膜法において、充
分に高い絶縁性を有する絶縁膜の作製方法を提供する。 【解決手段】 基板上に絶縁膜を形成する際に、基板を
ポリカチオン電解質あ水溶性ポリマー水溶液とポリアニ
オン電解質水溶性ポリマー水溶液とに交互に接触させ
て、これら2種のポリマーを交互に吸着させて累積ポリ
マー層を形成し、その後加熱処理により累積ポリマー層
を絶縁膜とする交互積層法による絶縁膜の作製方法にお
いて、上記2種のポリマーを少なくともそれぞれ1層ず
つ積層後に上記2種のポリマー混合物の温度−吸熱量曲
線における、2つのガラス転移温度のうち高温側のガラ
ス転移温度を有するピーク部の立ち上がり温度以上の温
度で熱処理を行う絶縁膜の作製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として電子デバ
イス製造に関し、絶縁性付加を必要とする分野、すなわ
ち、これら電子デバイスの各種コーティング、表面塗
装、包装などの広い分野に応用できる絶縁膜の作製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】既存の薄膜作製方法を大別すると、ディ
ップコートやスピンコートなどの湿式(ウェットプロセ
ス)成膜法と、真空蒸着やスパッタ、分子線エピタキシ
ーなどの乾式(ドライプロセス)成膜法に大きく分類さ
れる。
【0003】このうち乾式成膜法においては、そのほと
んどが真空などの特殊な環境下での成膜であるため、薄
膜の大面積化が非常に難しく、イニシャル及びランニン
グコストの面でネックとなっている。
【0004】この問題に対し、湿式成膜法は有効な方法
といえる。薄膜の大型化(大面積化)が可能であるとは
いえ、その反面、乾式のようなナノオーダーでの膜厚制
御性が乏しいために、歩留まりが低く、結果としてコス
ト高に陥るケースも少なくない。
【0005】このような状況において、G.デッカーら
によって電解質ポリマーを用いた交互吸着法についての
研究報告(Decher.G, Hong.J.D.
and J.Schmit: Thin Solid
Films, 210/211, p.831(199
2))がなされた。この技術によれば、正電荷を有する
電解質ポリマーの水溶液と負電荷をもつ電解質ポリマー
の水溶液とのそれぞれに、基板を交互に浸漬するだけ
で、基板上に順次それらポリマーがクーロン力により吸
着され、積層され、結果として自己組織化し、薄膜が形
成される。
【0006】この交互吸着法の特徴として、下記の4つ
が挙げられる。 非常に簡便に実施できること、 常温常圧下で実施できること、 有機超薄膜の作製が可能なこと、 基板形状に依存しないこと。
【0007】これら特徴に加え、電解質ポリマー溶液の
pHを制御することにより、薄膜の膜厚をオングストロ
ームオーダーで制御可能であるという報告もなされてい
る。このような交互吸着法における応用として、電界発
光デバイスや化学フィルターなどの報告がなされてお
り、様々な分野において将来性を有望視された薄膜作製
方法といえる。
【0008】イオン化状態の電解質ポリマーをイオン結
合にて累積していく交互吸着法はさらに応用され、一般
的な電解質ポリマーをはじめ、有機(無機または金属)
分子ドーパントポリマーや導電性ポリマー、共役ポリマ
ー、無機微粒子などの使用が検討され、様々な光学特性
や電気特性、あるいは化学特性が得られると云う報告が
数多くなされてきている。
【0009】しかし、これらの特性のうち、電気特性に
おいては、導電性の良し悪しが報告の中心となってお
り、誘電性や絶縁性に関する報告はあまりなされていな
かった。この中で絶縁性に関する報告の一例として、電
解質ポリマーにポリアリルアミン塩酸塩(poly(a
llylamine)hydrochloride)
(以下「PAA」とも云う)とポリ(ソジウム 4−ス
チレンスルフォネート)(poly(sodium 4
−Styrenesulfonate))(以下「PS
S」とも云う)を用い、Au/(PAA/PSS)n/
Al(nは1以上の自然数)の2つの金電極で挟まれた
PAA/PSSの多層構造の素子を作製し、その電流−
電圧特性を評価した報告が挙げられ、その報告では、上
記多層構造の素子はイオン伝導することなく絶縁体とし
て優秀な挙動を示したとされている。
【0010】ここでA.V.ナボック(Nabok)、
A.K.ハッサン(Hassan)及びA.K.レイ
(Ray)等によるMaterials scienc
e and Engineerring C,8−9,
505−508(1999)で報告された結果について
検討すると、ポリカチオンとしてPAA、ポリアニオン
としてPSSを用い、電極としてアルミニウム(Al)
及び金(Cu)を用いて、「Al/(PAA/PSS)
n/AU」として、PAA層とからなるとPSSとから
なる層との組み合わせ(層構造)において、繰り返し数
nが10での多層構造素子において印加電圧3Vでの条
件で電極間に1.2×10-5Aの電流が流れ、nが10
0での多層構造素子でも同条件で0.8×10-5Aの電
流が流れると云う絶縁性能であり、絶縁層として充分に
高い性能を有するとは決して云えない(図14にA.
V.ナボックによって報告された2種類の多層構造素子
(繰り返し数n=10及び100)の電流−電圧(I−
V)特性をそれぞれ示す)。
【0011】このように比較的大型の薄層を形成しやす
いと云われる交互吸着法を用いた絶縁膜成膜法におい
て、充分に高い絶縁性を有する絶縁膜の作製方法が未だ
見い出せていないのが現状であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の問題点を改善する、すなわち、比較的大型の被膜を
形成しやすいと云われる交互吸着法を用いた絶縁膜製成
膜法において、充分に高い絶縁性を有する絶縁膜の作製
方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するべく、交互吸着法において最もスタンダードな
電解質ポリマーの一つであるポリアリルアミン塩酸塩
(PAH)とポリアクリル酸(PAA)との交互吸着膜
を2つの金属層(金(Au)からなる下部電極とアルミ
ニウム(Al)からなる上部電極)で挟んだ形状の、金
属/絶縁体/金属(Metal/Insulator/
Metal)素子について詳細に検討を進め、交互吸着
累積後の加熱処理の過程において、従来行っていた温度
以上で処理することにより、同一印加電圧における素子
通過電流値が、従来温度での熱処理による素子での電流
値の1/2倍以下となることを見出し、本発明に至っ
た。
【0014】すなわち、本発明の絶縁膜の作製方法は上
記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、基板上
に絶縁膜を形成する際に、基板をポリカチオン電解質あ
水溶性ポリマー水溶液とポリアニオン電解質水溶性ポリ
マー水溶液とに交互に接触させて、これら2種のポリマ
ーを交互に吸着させて累積ポリマー層を形成し、その後
加熱処理により累積ポリマー層を絶縁膜とする交互積層
法による絶縁膜の作製方法において、上記2種のポリマ
ーを少なくともそれぞれ1層ずつ積層後に上記2種のポ
リマー混合物の温度−吸熱量曲線における、2つのガラ
ス転移温度のうち高温側のガラス転移温度を有するピー
ク部の立ち上がり温度以上の温度で熱処理を行う絶縁膜
の作製方法であり、このような構成により、大型の薄膜
を得やすいとされる交互積層法によって、高い絶縁性を
有する絶縁膜を得ることができる。
【0015】さらに、請求項2に記載のように、上記熱
処理を、上記2種のポリマー混合物の温度−吸熱量曲線
における、高温側のガラス転移温度を有するピーク部の
立ち上がり温度とピークである高温側のガラス転移温度
との間の変曲点温度以上の温度で行うことにより、さら
に高い絶縁性を有する絶縁膜を得ることができる。ま
た、請求項3に記載のように、上記熱処理を上記2種の
ポリマー混合物の温度−吸熱量曲線における、高温側の
ガラス転移温度以上の温度で行うことにより高い絶縁性
を有する絶縁膜を得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の絶縁膜の作製方法におい
て、基板としてはシート、フィルムなどの平面、線材及
び繊維状物表面、繊維状物束の表面、あるいは、立体表
面、中空立体形状体内面等、その形状を問わず、また、
その表面に回路や金属層が配置されているものであって
もよく、用いる電解質ポリマーの水溶液に接触して不都
合を来さないものであれば材質を問わず用いることがで
きる。
【0017】本発明は、基板上に絶縁膜を形成する際
に、基板をポリカチオン電解質水溶性ポリマー水溶液と
ポリアニオン電解質水溶性ポリマー水溶液とに交互に接
触させて、これら2種のポリマーを交互に吸着させて累
積ポリマー層を形成し、その後加熱処理により累積ポリ
マー層を絶縁膜とする交互積層法による絶縁膜の作製方
法であり、基板に上記ポリマー水溶液を接触させる際に
は、通常は絶縁膜形成不要部をマスキングした上でこれ
らポリマー水溶液に基板を浸漬させることによって行う
が、その他、塗布、スプレーなどで接触させても良い。
【0018】用いるポリアニオン電解質水溶性ポリマ
ー、すなわち水溶時に多くのアニオンを有する電解質と
なる水溶性高分子物質としては、ポリアクリル酸及びそ
の塩、ポリ(ソジウム 4−スチレンスルフォネー
ト)、あるいはポリビニルアルコールなど、ポリカチオ
ン電解質水溶性ポリマー、すなわち水溶時に多くのカチ
オンを有する電解質となる水溶性高分子物質としては、
ポリアリルアミン塩酸塩、ポリエチレンイミン、ポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられ、
これら2種のポリマーからより高い絶縁性を形成可能な
組み合わせを選択する。
【0019】このような組み合わせとしては、ポリアク
リル酸とポリアリルアミン塩酸塩との組み合わせや、ポ
リ(ソジウム 4−スチレンスルフォネート)とポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロリドの組み合わせなど
が挙げられる。
【0020】これらポリカチオン電解質水溶性ポリマ
ー、ポリアニオン電解質水溶性ポリマーは同イオン種の
2つ以上のポリマーをそれぞれ混合して用いても良い。
また、これらポリマーの水溶液の濃度、pH、温度等の
条件はそれぞれ、溶液の安定性、吸着性、形成される層
厚さ、均一性、微細構造(モルフォロジー)等に影響を
及ぼす場合があるので、予め詳細に検討して適宜、決定
する。
【0021】累積回数(ポリカチオン電解質水溶性ポリ
マーの累積とポリアニオン電解質水溶性ポリマーの累積
とによるバイレイヤーを1サイクルと考える)は求めら
れる絶縁性能や層厚等を勘案して定めるが、そのサイク
ル数は通常2回以上1000回以下であり、好ましくは
10回以上100回以下である。
【0022】上記により、基板上に累積ポリマー層を形
成したのち、加熱処理を行って絶縁膜を形成する。加熱
処理は、不活性ガス雰囲気、減圧下など、累積ポリマー
層に悪影響を及ぼさない環境で行う必要がある。
【0023】加熱処理は、これら2種のポリマー混合物
の温度−吸熱量曲線(DSCスペクトル)における、2
つのガラス転移温度のうち高温側のガラス転移温度を有
するピーク部の立ち上がり温度以上で熱処理を行うこと
が必要である。ピーク部の立ち上がり温度未満の熱処理
では本発明の効果が得られない。
【0024】熱処理温度の上限はこれら2種ポリマーの
それぞれの融点あるいは分解温度のいずれか低い方の温
度未満である。この温度以上では良好な絶縁膜を得るこ
とができない。
【0025】処理時間は2分以上が望ましく、通常4分
以上6時間以下であり、それ以上は効果が飽和してさら
なる向上が見られない場合がある。上記加熱処理の昇温
速度や加熱処理終了後の降温速度は、基板や累積ポリマ
ー層あるいは形成される絶縁膜に悪影響を及ぼさないよ
う設定する。
【0026】
【実施例】以下に本発明の絶縁膜の作製方法について具
体的に説明する。 <電解質ポリマー水溶液の調整>ポリカチオンであるポ
リアクリル酸(以下「PAA」とも云う、化学式(1)
参照。平均分子量:70000)、および、ポリアニオ
ンであるポリアリルアミン塩酸塩(以下「PAH」とも
云う、化学式(2)参照。Mw=90000)を用い、
それぞれ10-2mol/Lの水溶液を調製した。このと
き、1mol/Lの塩酸を用いてそれぞれのpHを3.
5に調整した。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】<下部金属電極の形成>界面活性剤により
表面を洗浄したガラス基板(25mm×50mm、厚
さ:1mm)上に真空蒸着装置(アルバック社製VPC
−410)を用いて、クロム層(厚さ:100nm)を
形成し、次いでこのクロム層の上に下部金属電極として
金層を厚さ200nmとなるよう、帯状に成膜(5mm
×40mm)し、その後、電極表面の親水処理として、
メルカプトプロピオン酸−エタノール溶液に浸漬して”
Au−S−CH2−CH2−COOH”とする化学修飾を
行い、電極表面に水酸基(カルボキシル基の水酸基)を
導入した。
【0030】<電解質ポリマーの交互吸着による累積>
下部電極を形成した上記基板をPAH水溶液中に300
秒浸し(a)、基板表面にPAH層を形成した。次に、
蒸留水を容れたリンスバス3つにそれぞれ60秒ずつ浸
して余分なPAHを除去した(b)。
【0031】次いでPAA水溶液中に300秒浸し
(c)、上記(a)工程で形成されたPAH層表面にさ
らにPAA層を形成した(d)。その後、上記(b)工
程同様に水洗を行った(e)。この工程(a)〜(e)
を1サイクルとし、150回繰り返して、150バイレ
イヤー〔bilayer〕のPAH/PAA薄膜を成膜
した。
【0032】<加熱処理>加熱温度の影響は100℃
(従来技術例)と200℃(実施例)との2点につい
て、加熱時間の影響は1時間と6時間との2点につい
て、それぞれ検討を行った。
【0033】あらかじめ所定の温度に加熱しておいてオ
ーブン内に累積ポリマー層を形成した基板を入れ、次い
で、10-1Pa程度に減圧しながら加熱処理を行い、絶
縁層を形成した。
【0034】所定時間経過後に加熱を中止し、その後、
オーブン内温度が40℃以下になったことを確認した上
で、減圧を解除しサンプルを取り出した。
【0035】<上部金属電極の形成>上記で形成した絶
縁層の上に、真空蒸着装置を用いて、上記で帯状に形成
された下部金属電極の長さ方向と直交し、かつ、絶縁層
を挟んで交差するように、同様に帯状(5mm×20m
m)のアルミニウム層(厚さ200nm)を上部金属電
極として形成した。
【0036】<各種評価方法> (電流−電圧(I−V)特性)下部電極及び上部電極を
直流電源に接続し、電圧を連続的に変化させたときに両
極間に流れる電流を測定した。5mm幅の電極が絶縁層
を挟んで交差するエリアに電圧負荷がかかることから、
評価面積は25mm2であると考えた。また、電極自身
の内部抵抗の影響について、上記サンプルでは上部電極
材質にアルミニウムを使用しているが、アルミニウム酸
化物(Al23等)が形成されている可能性があり、そ
の影響を調べるため、絶縁層を有しない、下部金電極と
上部アルミニウム電極とが直接ショートするように作製
したサンプルもリファレンスとして同時に作製・評価
し、得られた絶縁特性への影響の度合いを比較した。
【0037】(膜厚の評価)作製した絶縁膜の膜厚は、
触針式表面段差測定機(アルバック社製,Dekte
k)にて測定した。
【0038】(ガラス転移温度(Tg))上記で使用し
たPAH溶液とPAA溶液とを等容量混合した。その
際、白濁が発生したが、これら2種のポリマーが互いに
イオン結合したためと考えられる。この混濁物を濾別し
て回収し、示差走査熱量測定機(DSC)(島津製作所
製,DSC−50)にてDSCスペクトルを調べた。
【0039】(表面観察)原子間力顕微鏡(AFM)
(デジタルインストルメント(Digital Ins
trument)社製,NanoscopeIII)に
て測定した。
【0040】<実験結果および考察> (加熱条件の違いによる電流−電圧特性の検討)従来技
術による比較例サンプル(サンプルA)は基本的に通常
の水分の除去を念頭に置いたものであり、乾燥処理とし
て、100℃・減圧下(10-1Pa程度、以下同様)で
の加熱を1時間行っている。このサンプルでは印加電圧
5.6Vで最大で2.8×10-5Aの電流が流れる(図
1参照)。
【0041】ここで、残留する水分子を経由してのイオ
ン伝導によるものとも考えられ、水分の除去をより進め
ることにより、絶縁性が改善されると考えて、100℃
・減圧下での加熱処理時間を6時間に延長したサンプル
Bを作製した。このサンプルBでは同一電流値が流れる
ための印加電圧値が約2倍近く上昇することが判った
が、この程度では充分な絶縁性とは云えなかった。
【0042】そこでポリマー累積方法及び電極作成方法
は同条件で、ただし、減圧下での加熱処理の温度を20
0℃とし、1時間(サンプルC(実施例))あるいは6
時間(サンプルD(実施例))の加熱処理を行ったサン
プルを得た。その結果、図2から判るように、絶縁性は
飛躍的に向上することが判った。
【0043】このとき、5.0×10-7Aの電流を「絶
縁」の許容条件として考えた場合、加熱温度が100℃
の従来技術に係るサンプルでは印加可能な電圧が2.0
〜3.0Vの範囲であるのに対して、加熱温度が200
℃である本発明に係るサンプルでの印加可能な電圧の上
限は30Vと、従来技術の15〜20倍の耐電圧性が得
られることが判る。
【0044】さらに、加熱処理の温度が100℃の場合
では加熱処理時間による印加可能な電圧への影響が大き
かったが、加熱処理温度が200℃のサンプルでは処理
時間が1時間〜6時間の間でその違いが認められなかっ
た。
【0045】ここで、電極内部抵抗および想定されるア
ルミニウム酸化物(Al23)の影響について、下部金
電極/上部アルミニウム電極ショートサンプル(リファ
レンス)におけるI−V特性を測定したところ、作製し
た複数のサンプルのいずれでも印加電圧0.1〜0.3
Vの範囲で0.1A以上の、充分に大きい電流が流れる
こと(図1及び図2における「リファレンス」)が確認
され、このことから、今回作製したいずれのサンプルで
の絶縁特性における、電極内部抵抗や下部アルミニウム
電極中に存在が想定されるアルミニウム酸化物による影
響は無視できるものと判断した。ここでサンプルA〜D
の絶縁膜の膜厚測定を行った。その結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】表1から判るように、同一条件で累積した
にも拘わらず、100℃の温度処理で得られた絶縁膜よ
り200℃の温度処理で得られた絶縁膜の方が70〜9
0nm膜厚が薄くなっていた。
【0048】加熱処理条件による影響、とりわけ、処理
温度の違いによるI−V特性への影響がこれほど顕著に
現れている理由として、当初予想したように、100℃
処理では水分がかなり残留していたためとも考えられ
る。
【0049】しかし、100℃の加熱処理条件をさらに
100℃上げた200℃での処理で上記のように70〜
90nmも膜厚が減少していることを勘案すると、すべ
てを水分の影響とすることは無理があると考えられる。
【0050】水分の影響以外に考えられる理由として、
熱による膜密度の変化が挙げられる。すなわち、より高
温での加熱処理によって、残留水分の除去されるのと同
時に、累積されたポリマー膜中のポリマー分子が熱によ
りミクロブラウン運動を始め、モルフォロジー的な変化
も生じ始めたためではないかというものである。
【0051】そして、このように累積ポリマー層中のポ
リマー分子が運動することにより考察される、 ポーラスな膜密度がリッチに変化する、 多くの微結晶が形成される、 2つのポリマーの絡み合いにより非晶状態へ移行す
る、 などの理由により絶縁特性向上につながっているのでは
ないかと思われる。
【0052】ここで、上記考察についての検討のため
に、PAHとPAAとの混合系におけるガラス転移温度
(Tg)をDSC測定より解析、検討を行った。図3に
そのDSCスペクトル(窒素雰囲気中での結果。昇温速
度は15℃/分。ただし、縦軸は吸熱量(発熱量)に対
応する電流値)を示した。なお、PAH単独でのTgは
90℃であり、PAAは水溶液でのみ入手される物であ
って単独でのTg測定は試みなかった。
【0053】図3よりこれらPAHとPAAとの混合系
においては80℃と190℃との2箇所に吸熱ピーク
(ガラス転移点と思われる)が存在していることが判
る。上記実施例での200℃温度処理の条件では高温側
のガラス転移温度以上であるため、この200℃の加熱
処理中にポリマーがミクロブラウン運動をおこなってい
ることは確実であると考えられる。
【0054】なお、このDSCスペクトル(2種のポリ
マー混合物の温度−吸熱量曲線)における、高温側のガ
ラス転移温度(190℃)を有するピーク部の立ち上が
り温度は150℃であり、高温側のガラス転移温度(1
90℃)を有するピーク部の立ち上がり温度(150
℃)とピークである高温側のガラス転移温度(190
℃)との間の変曲点の温度は170℃である。
【0055】ここで、本発明の効果を得るためには、上
記ミクロブラウン運動が生じ始める温度である、高温側
のガラス転移温度(190℃)を有するピーク部の立ち
上がり温度である150℃以上での加熱処理が必要であ
り、高温側のガラス転移温度(190℃)を有するピー
ク部の立ち上がり温度(150℃)とピークである高温
側のガラス転移温度(190℃)との間の変曲点の温度
である170℃以上の加熱処理が好ましく、さらに、高
温側のガラス転移温度(190℃)以上であることがよ
り好ましい。
【0056】次に累積ポリマー層の100℃と200℃
との2つの加熱処理での状態変化にどのような違いがあ
るものか確認するため、AFMによる表面観察を行っ
た。その結果を図4及び図5にそれぞれ示した。I−V
特性差が大きい100℃での6時間の加熱処理を行った
サンプルB(図4参照)と200℃での6時間の加熱処
理を行ったサンプルD(図5参照)との2つの表面を比
較すると、AFM像の範囲では欠陥や微結晶等に付随し
た表面変化は見受けられなかった。これら結果を総合す
るとより、膜表面ではなく膜内部で何らかの変化が発生
している可能性が考えられる。
【0057】上記の結果及び考察について、さらに詳し
く検討するため加熱温度について詳細に調べた。加熱時
間を6時間として、加熱温度を60℃、80℃、100
℃、150℃、170℃、190℃、220℃あるいは
240℃に設定して調べた。上記サンプルAとポリマー
累積方法及び電極作成方法は同条件で、ただし、減圧下
での加熱処理の温度を上記のようにして6時間の加熱処
理を行ったサンプル(複数個(n)での結果の平均)に
ついて、電流−電圧(I−V)特性を調べた。結果を図
6に示す。
【0058】図6より、加熱処理の温度が高いほど、電
流が流れにくくなり(絶縁性が向上)、I−V曲線は図
中下方(低電流側)にシフトすることが判る。また、上
記結果を別の視点から書き換え、図7に示した。すなわ
ち、横軸に加熱温度を、縦軸に電流値をそれぞれ取った
グラフである。
【0059】図7より、いずれの電圧における曲線も、
これら2つのポリマー混合物の2つのガラス転移点温度
である80℃付近と190℃付近の2つの温度で急激に
低電流側(図中下方、絶縁性増加の方向)へ急激に変化
することが判る。とりわけ170℃と190℃との間で
電流値は1/10近くに小さくなる。
【0060】これら結果より特にガラス転移点以上での
加熱処理は、電気特性に強く影響を及ぼすことが明らか
になった。また、充分に高い絶縁性能を得るためには加
熱処理温度は2つのガラス転移点温度の低い方よりも高
い温度で行うことが必要であり、2つのガラス転移点温
度の高い方よりも高い温度で行うことがより好ましいこ
とも判った。
【0061】さらに、このときの加熱温度の、膜厚への
影響について調べた。結果(3つのサンプルでの結果の
平均)を図8に示す。
【0062】図8より、膜厚はこれら2つのポリマー混
合物の2つのガラス転移点温度である80℃付近と19
0℃付近とで急激に減少していることが判る。特に19
0℃前後、150℃から240℃までの間で70nmも
減少していた。
【0063】この加熱処理による膜厚減少が、水分除去
によるものと仮定した場合、、膜厚は温度に対して線形
的に減少すると考えられる。しかし、実際は、ガラス転
移温度に強く影響を受けた曲線となり、この膜厚の変化
が、水分除去のみの効果ではないことが明らかとなり、
上記で考察されたポリマー分子のミクロブラウン運動に
よる構造変化によることが主原因であることがより強く
想定された。さらに、熱処理条件に対する構造変化をF
T−IRを用いて調べた。
【0064】60℃、80℃、100℃及び150℃で
の加熱処理を行った膜のFT−IRスペクトルをそれぞ
れ図9(a)、図9(b)、図10(a)及び図10
(b)に、170℃、190℃、220℃及び240℃
での加熱処理を行った膜のFT−IRスペクトルをそれ
ぞれ図11(a)、図11(b)、図12(a)及び図
12(b)に、示した。
【0065】これら図より、処理温度の上昇に伴い、3
400cm-1と1700cm-1にピークトップを持つ鋭
い吸収の強度が増加した。これら膜の絶縁性の向上の原
因が、加熱処理温度の上昇に伴う残留水分の低減による
ものとした場合、処理温度が高くなるに従って、水分子
(の「−OH」)に由来する3600〜2400cm-1
のブロードな吸収が徐々に減少していくと考えられる
が、これら図では、そのようなブロードな吸収の減少は
見られず、むしろ、「−O-,H+ → −O−H」や
「−O-,N+− → −O−N−」などの特定の結合が
想定される鋭い吸収が処理温度の上昇とともに見られる
ようになっている。
【0066】
【発明の効果】本発明の絶縁膜の作製方法によれば、薄
膜形成用真空設備などの高価な設備を特に必要とせず
に、かつ、大型の絶縁層を容易に形成する」ことが可能
な交互吸着法において、これまでにない高い絶縁性性能
を容易に得ることができる。
【0067】ここで、{PAH/PAA}のバイレイヤ
ーを150層累積し、200℃の加熱処理を行った絶縁
層(サンプルD)のI−V特性において、印加電圧0V
〜20Vの範囲で直線関係が存在する(図11参照)こ
とから、オームの法則より内部抵抗Rは1.0×108
Ωと算出され、面積25mm2、膜厚;512.8〔n
m〕より体積抵抗率ρvは0.49×1010Ωmであ
り、交互積層法においてスタンダードな電解質ポリマー
の組み合わせからこれだけの絶縁性能が得られることは
特記すべき効果である。なお、本発明の絶縁層はキャパ
シタの誘電層に応用が可能であり、その場合も本発明に
含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】サンプルA、サンプルB及びリファレンスの印
加電圧と電流との関係を示す図である。
【図2】サンプルA〜D及びリファレンスの印加電圧と
電流との関係を示す図である。
【図3】ポリアクリル酸とポリアリルアミン塩酸塩との
混合物の温度−吸熱量(吸熱量に対応する電流)曲線
(DSCスペクトル)を示す図である。
【図4】サンプルBにおける絶縁層表面の原子間力顕微
鏡写真である。
【図5】サンプルDにおける絶縁層表面の原子間力顕微
鏡写真である。
【図6】加熱処理温度60℃〜240℃でのサンプルで
の印可電圧と電流との関係を示す図である。
【図7】加熱処理温度60℃〜240℃でのサンプルで
の電流と加熱処理温度との関係を示す図である。
【図8】加熱処理温度の膜厚への影響を示す図である。
【図9】加熱処理温度60℃〜80℃でのサンプルのF
I−IRスペクトルを示す図である。 (a)60℃処理品 (b)80℃処理品
【図10】加熱処理温度100℃〜150℃でのサンプ
ルのFI−IRスペクトルを示す図である。 (a)100℃処理品 (b)150℃処理品
【図11】加熱処理温度170℃〜190℃でのサンプ
ルのFI−IRスペクトルを示す図である。 (a)170℃処理品 (b)190℃処理品
【図12】加熱処理温度220℃〜240℃でのサンプ
ルのFI−IRスペクトルを示す図である。 (a)220℃処理品 (b)240℃処理品
【図13】{PAH/PAA}のバイレイヤーを150
層累積し、200℃の加熱処理を行った絶縁層(サンプ
ルD)の印加電圧0V〜20Vの範囲でI−V特性を調
べた結果を示す図である。
【図14】A.V.ナボックによって報告された2種類
の多層構造素子(繰り返し数n=10及び100)の電
流−電圧(I−V)特性を示す図である。
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月4日(2002.9.4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】すなわち、本発明の絶縁膜の作製方法は上
記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、基板上
に絶縁膜を形成する際に、基板をポリカチオン電解質水
溶性ポリマー水溶液とポリアニオン電解質水溶性ポリマ
ー水溶液とに交互に接触させて、これら2種のポリマー
を交互に吸着させて累積ポリマー層を形成し、その後加
熱処理により累積ポリマー層を絶縁膜とする交互積層法
による絶縁膜の作製方法において、上記2種のポリマー
を少なくともそれぞれ1層ずつ積層後に上記2種のポリ
マー混合物の温度−吸熱量曲線における、2つのガラス
転移温度のうち高温側のガラス転移温度を有するピーク
部の立ち上がり温度以上の温度で熱処理を行う絶縁膜の
作製方法であり、このような構成により、大型の薄膜を
得やすいとされる交互積層法によって、高い絶縁性を有
する絶縁膜を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 嘉彦 静岡県裾野市御宿1500 矢崎総業株式会社 内 (72)発明者 白鳥 世明 神奈川県横浜市港北区日吉3−14−1 慶 應義塾大学理工学部物理情報工学科内 Fターム(参考) 5F058 AA10 AC10 AF10 AG01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に絶縁膜を形成する際に、基板を
    ポリカチオン電解質あ水溶性ポリマー水溶液とポリアニ
    オン電解質水溶性ポリマー水溶液とに交互に接触させ
    て、これら2種のポリマーを交互に吸着させて累積ポリ
    マー層を形成し、その後加熱処理により累積ポリマー層
    を絶縁膜とする交互積層法による絶縁膜の作製方法にお
    いて、上記2種のポリマーを少なくともそれぞれ1層ず
    つ積層後に上記2種のポリマー混合物の温度−吸熱量曲
    線における、2つのガラス転移温度のうち高温側のガラ
    ス転移温度を有するピーク部の立ち上がり温度以上の温
    度で熱処理を行うことを特徴とする絶縁膜の作製方法。
  2. 【請求項2】 上記熱処理を、上記2種のポリマー混合
    物の温度−吸熱量曲線における、高温側のガラス転移温
    度を有するピーク部の立ち上がり温度とピークである高
    温側のガラス転移温度との間の変曲点温度以上の温度で
    行うことを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の作製方
    法。
  3. 【請求項3】 上記熱処理を上記2種のポリマー混合物
    の温度−吸熱量曲線における、高温側のガラス転移温度
    以上の温度で行うことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の絶縁膜の作製方法。
  4. 【請求項4】 上記ポリカチオン電解質水溶性ポリマー
    がポリアクリル酸であり、かつ、ポリアニオン電解質水
    溶性ポリマーがポリアリルアミン塩酸塩であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の絶
    縁膜の作製方法。
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