JP2003203592A - 外部擾乱補正装置を有した走査電子顕微鏡 - Google Patents

外部擾乱補正装置を有した走査電子顕微鏡

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JP2003203592A
JP2003203592A JP2002000591A JP2002000591A JP2003203592A JP 2003203592 A JP2003203592 A JP 2003203592A JP 2002000591 A JP2002000591 A JP 2002000591A JP 2002000591 A JP2002000591 A JP 2002000591A JP 2003203592 A JP2003203592 A JP 2003203592A
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lens
deflection
external disturbance
sample
electron microscope
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English (en)
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Kiyohiro Nagasawa
清宏 永沢
Akihiro Matsuo
昭裕 松尾
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Hitachi High Tech Fielding Corp
Original Assignee
Hitachi Instruments Service Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子レンズの収束条件を変化させた場合にも,
走査電子顕微鏡本来の操作性を損なうことなく一次電子
の偏向を補正して外部擾乱の相殺が適切に行えることを
目的とする。 【解決手段】対物レンズ制御電源14にレンズ励磁電流
計測部18を接続して対物レンズ5の励磁電流の変化分
を検出し偏向回転角度演算部19により偏向角度の変化
を演算する機能を付加し,この算出角度を外部擾乱補正
制御部20で角度成分を補正出力に乗ずることにより,
対物レンズ5の設定の変化にかかわらずレンズ電流値に
応じた偏向位置補正による外部擾乱の相殺が行えるよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は走査形電子顕微鏡に
係わり,設置場所における浮遊磁場や床振動や周囲騒音
などよる外部擾乱により生じる像障害の低減に関するも
のである。特に,走査電子顕微鏡の操作上不可欠な対物
電子レンズ等の設定変更を行った場合にも,新たな操作
を伴わずに適切な補正が可能な走査形電子顕微鏡に関す
る。
【0002】
【従来の技術】走査形電子顕微鏡は,一般に,電子銃か
ら放射された電子線を電子レンズで収束し,偏向器によ
りこの収束電子線で試料表面を走査し,電子線照射によ
り試料から発生する二次電子あるいは反射電子などの二
次的電子を検出して映像信号とし,試料表面の拡大像を
観察する装置である。
【0003】しかし,その装置が外部環境の悪い場所に
据付けられた場合には,外部擾乱の影響を受けて電子線
の偏向が乱され,走査像に像障害が発生する。この像障
害を招く外部擾乱としては,その代表的なものとして,
機械的な振動や,外部からの交流磁場が挙げられる。し
たがって,これに対処するために走査形電子顕微鏡の鏡
体自身には,除振構造や磁気シールドが設けられてい
る。しかし,これには限界があり,特に最近は装置の高
性能(高倍率)化と利用分野の拡大により,装置の据付
け環境による像障害の問題が発生するケースが増加して
きている。
【0004】また一般に交流電源による磁場に対して
は,像の写真撮影を行なう場合に,電子線の走査を電源
に同期させ,外部交流磁場の影響による電子線の変動と
電子線の走査を同期化することによって,像にボケが生
じないようにしている。
【0005】しかし,電子線の走査を電源同期にすると
外部交流磁場の影響による像のボケは生じなくなるが,
電子線の走査線は正規の直線から外れ,例えば,サイン
カーブのような曲線を描くようになり,したがって,モ
ニタ上に再現された画像は試料の構造を正確に示すもの
ではなく,歪みが生じる。
【0006】したがって多くの場合の対策としては,ま
ず機械的な振動に対しては,設置部屋の床に大きな除振
台を設け,その上に走査形電子顕微鏡全体を据付け,ま
た外部交流磁場に対しては,磁気シールドとして装置全
体を大きな鉄製の箱の中に据付けたり,装置全体を取り
囲む空間にX,Y方向の大きなコイルを張り巡らし,こ
れに電流を流し,外部磁場に同期した逆転磁場を発生さ
せ,外部磁場をキャンセルしている。
【0007】しかし,このような像障害の低減手段で
は,走査形電子顕微鏡を特別に工事を施した部屋に据付
ける必要があり,したがって,装置を必要な場所でどこ
ででも使えるという訳にはゆかず,また,極めて高価な
ものとなる。
【0008】以上の課題を解決するための一例として,
既製の装置をそのまま使用しながら像障害を低減するユ
ニットを有する走査形電子顕微鏡について,特開平10
−97836に開示されている。外部擾乱による影響を
電気的に相殺する場合,偏向器による走査方向と試料面
上における電子線の走査方向との関係が常に一定である
条件下においては,装置周囲や試料近傍に設置された検
出器により外部擾乱要因である振動や磁場の変動成分を
検出し,その変動成分に対して一次電子線の偏向を補正
することによりその影響を相殺することが可能である。
【0009】しかし,走査電子顕微鏡において偏向器に
より走査された一次電子線は,偏向器よりも試料側に配
置された電子レンズ内を通過するとき,電子レンズによ
って発生された磁界の作用によって回転する。したがっ
てレンズ条件によって,偏向器による走査方向と試料面
上における電子線の走査方向とは常に一定の関係とはな
らない。
【0010】このため従来技術では,外部擾乱を相殺さ
せるために一次電子の偏向を補正している状態において
は,電子線の加速電圧を変化させた場合や試料高さが変
化した場合にも電子レンズの収束条件を変化させてレン
ズの焦点を調整することが困難であり,走査電子顕微鏡
の操作性を著しく損なう事となった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの課題を解
決するためになされたもので,電子レンズの収束条件を
変化させた場合にも,走査電子顕微鏡本来の操作性を損
なうことなく一次電子の偏向を補正して外部擾乱の相殺
が適切に行えることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では,偏向器より試料側にある電子レンズの励
磁電流計測部と,前記励磁電流計測部で測定した電流値
をもとに試料面上における偏向方向の回転角度を算出す
る演算部と,前記演算部で算出した回転角度から補正角
度成分を前記偏向器に加算する加算部からなる外部擾乱
補正装置で構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】走査電子顕微鏡本来の操作性を損
なうことなく一次電子の偏向を補正し,外部擾乱の相殺
を行うためには,対物レンズの設定変更に伴う偏向角度
の変化に応じた偏向位置補正が必要である。そこで,上
記解決手段に記載の構成において,偏向器より試料側に
ある電子レンズの励磁電流計測部と,前記励磁電流計測
部で測定した電流値をもとに試料面上における偏向方向
の回転角度を算出する演算部と,前記演算部で算出した
回転角度から補正角度成分を前記偏向器に加算する加算
部からなる外部擾乱補正装置を従来の走査電子顕微鏡に
付加し,一次電子偏向に加算している擾乱相殺のための
補正成分に,この算出角度からの角度成分を乗じる事に
より,電子レンズの収束条件に応じた偏向の補正が可能
となる。これにより,レンズの焦点調整など電子レンズ
の収束条件を変化させた場合にも継続して外部擾乱の相
殺ができるものとした。
【0014】
【実施例】走査電子顕微鏡は図1に示すように,陰極1
から放出され制御CPU11により制御された高電圧制
御電源13により加速された一次電子は,収束レンズ制
御電源12で制御された収束レンズ3で収束される。そ
の後対物レンズ制御電源14で制御された対物レンズ5
でよって細くしぼられ試料8を照射する。このとき二段
の偏向器4は偏向制御電源13により制御されて,観察
倍率に応じた一次電子の走査を行う。一次電子の照射に
よって試料8から発生する二次電子・反射電子等の信号
は,信号検出器7によって検出され,画像メモリー16
に取り込まれ観察に供する。試料8は移動可能な試料ス
テージ9に固定されており,ステージ制御部17による
制御により移動・傾斜等により観察部位の選択ができ
る。また観察部位の微細な視野移動をおこなうために,
イメージシフトコイル6による偏向位置の調整をイメー
ジシフト制御電源15で制御することができる。各々の
制御部は相互に関連を持って制御CPU11によって制
御されている。
【0015】この走査電子顕微鏡を,設置場所における
浮遊磁場や床振動や周囲騒音などが著しい外部擾乱とな
る環境で使用した場合,試料8を走査中の一次電子が外
部擾乱により位置変動を生じて像のぼけ・歪といった障
害が発生する。この外部擾乱による像障害を電気的に相
殺するために,磁場・振動センサー21で外部擾乱の要
因である磁場・振動を検出し,その信号を外部擾乱補正
制御部20に入力,擾乱による一次電子の位置変動を打
ち消す様に方向と大きさを算出して一次電子の偏向位置
補正を行う。図1では偏向位置補正のためにイメージシ
フトコイル6を制御したケースを示したが,偏向器4を
制御した場合でも同様である。このとき外部擾乱による
一次電子の位置変動を打ち消す方向に偏向位置補正をす
るためには,偏向器4による一次電子の偏向方向と試料
8に照射される電子線の試料面上の走査方向との角度関
係が一定である必要がある。しかし偏向器4により走査
された一次電子線は偏向器4よりも試料8側に配置され
た対物レンズ5内を通過するとき,対物レンズ5によっ
て発生された磁界の作用によって回転するため,偏向器
4による走査方向と試料8面上での電子線の走査方向は
走査電子顕微鏡の操作上不可欠な加速電圧の変更や試料
厚さの高低による焦点合わせなど,対物レンズ5の設定
変更のたびに変化が生じる。
【0016】走査電子顕微鏡本来の操作性を損なうこと
なく一次電子の偏向を補正する事による外部擾乱の相殺
を行うためには,対物レンズ5の設定変更に伴う偏向角
度の変化に応じた偏向位置補正が必要である。そこで,
対物レンズ制御電源14にレンズ励磁電流計測部18を
接続して対物レンズ5の励磁電流の変化分を検出し偏向
回転角度演算部19により偏向角度の変化を演算する機
能を付加した。対物レンズ5を通過する電子線の回転角
度は対物レンズ5のレンズ励磁電流により決定されるた
め,偏向角度の変化分はレンズ励磁電流からを算出する
ことができる。この算出角度を外部擾乱補正制御部20
で角度成分を補正出力に乗ずることにより,対物レンズ
5の設定の変化にかかわらずレンズ電流値に応じた偏向
位置補正が行えるようにした。以上に述べた本実施の形
態では,レンズ励磁電流計測部18により対物レンズ電
流値の変化を算出したが,制御CPU11から直接デー
タを読みとり外部擾乱補正制御部20にフィードバック
することも可能である。
【0017】
【発明の効果】本発明により,走査電子顕微鏡の焦点合
わせ等の対物電子レンズ電流設定変更に際しても,外部
擾乱による一次電子の位置変動を相殺する偏向位置補正
が継続してでき,外部擾乱を電気的に相殺することと走
査電子顕微鏡本来の操作性の両立が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す外部擾乱補正装置を有
した走査電子顕微鏡の説明図である。
【符号の説明】
1・・・陰極 2・・・アノード 3・・・収束レンズ 4・・・偏向器 5・・・対物レンズ 6・・・イメージシフトコイル 7・・・信号検出器 8・・・試料 9・・・試料ステージ 10・・・高圧制御電源 11・・・制御CPU 12・・・収束レンズ制御電源 13・・・偏向制御電源 14・・・対物レンズ制御電源 15・・・イメージシフト制御電源 16・・・画像メモリー 17・・・ステージ制御部 18・・・レンズ励磁電流計測部 19・・・偏向回転角度演算部 20・・・外部擾乱補正制御部 21・・・磁場・振動センサー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子銃から放射された一次電子線を電子レ
    ンズによって収束し,かつ,偏向器により試料表面上を
    走査し,該試料表面から二次的に発生する二次電子を検
    出して,前記試料表面の像を形成し,かつ前記一次電子
    線の偏向位置を補正して外部擾乱を相殺する機能を有す
    る走査形電子顕微鏡において,偏向器より試料側にある
    電子レンズの設定条件に連動した偏向位置の補正を行う
    事を特徴とした外部擾乱補正装置を有した走査電子顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】少なくとも,偏向器より試料側にある電子
    レンズの励磁電流計測部と,前記励磁電流計測部で測定
    した電流値をもとに試料面上における偏向方向の回転角
    度を算出する演算部と,前記演算部で算出した回転角度
    から補正角度成分を前記偏向器に加算する加算部を有
    し,電子レンズの設定条件に連動した偏向位置の補正を
    行う事を特徴とした請求項1に記載の外部擾乱補正装置
    を有した走査電子顕微鏡。
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