JP2003202606A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

Info

Publication number
JP2003202606A
JP2003202606A JP2001401519A JP2001401519A JP2003202606A JP 2003202606 A JP2003202606 A JP 2003202606A JP 2001401519 A JP2001401519 A JP 2001401519A JP 2001401519 A JP2001401519 A JP 2001401519A JP 2003202606 A JP2003202606 A JP 2003202606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
light beam
waveguide
optical waveguide
main slab
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001401519A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3936865B2 (ja
Inventor
Ikuo Ogawa
育生 小川
Arata Kamei
新 亀井
Toshikazu Hashimoto
俊和 橋本
Takeshi Kitagawa
毅 北川
Shinji Mino
真司 美野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2001401519A priority Critical patent/JP3936865B2/ja
Publication of JP2003202606A publication Critical patent/JP2003202606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3936865B2 publication Critical patent/JP3936865B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 損失・クロストーク等の性能と、ポート数の
拡張性を併せ持つ、光スイッチを提供する。 【解決手段】 導波路3または4を伝播してきた信号光
を、光ビーム変換部2で平面内に連続的に広がった光ビ
ームに変換した上で、メインスラブ光導波路1を介して
スイッチングする平面基板上に作成された光スイッチで
ある。平面内に連続的に広がった光ビームは、アレイ導
波路格子の出力に比べ、ビーム偏向角を大きく取ること
ができる。メインスラブ光導波路1に中央部で最もビー
ム幅が細くなるようなビームを通そうとすると、メイン
スラブ光導波路1の長さによって入出力位置のビーム幅
の最小値が定まる。この最小値が実現されるように光ビ
ーム変換部2を設計すれば、小型で従来に比べ、ポート
数の多い光スイッチが実現される。この結果、従来に比
べ大規模な平面基板上に作成された光スイッチが実現可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信や光信号処
理に用いる光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】大容量の光通信ネットワークの構築に向
けて、低損失、低クロストーク、高速スイッチング等の
優れた性能を有し、かつ規模の拡張性に富んだ光スイッ
チの開発が急務となっている。以下、上記の観点から、
従来の光スイッチ技術とその問題点について説明する。
【0003】従来、実用上実績のある光スイッチとして
は、1本の入力光ファイバと2本の出力光ファイバとの
接続を機械的に切り替える、いわゆるメカニカルスイッ
チが知られているが、メカニカルスイッチはスイッチン
グ速度が遅く、また、大規模化にあたっては、極めて多
数のスイッチ素子間を光ファイバ等で複雑に配線するこ
ととなるため、規模の拡張性に乏しい。
【0004】一方、従来、大規模N×Nスイッチを構成
するいくつかの方法が提案され、検討が進められてい
る。これらの主なものは、平面光導波路を用いたマトリ
クススイッチ型と、3次元フリースペーススイッチ型に
大別できるが、いづれも課題があった。
【0005】すなわち、マトリクススイッチ型は、上述
したメカニカルスイッチと比較して比較的少ないスイッ
チ素子数でN×Nスイッチを構成でき、かつ光スイッチ
素子のクロス状態を利用することにより、交差を避けら
れることから集積回路化が容易となる利点がある。しか
しながら、こうしたスイッチ素子を複数組み合わせる構
成は、ポート数の増大に伴ってスイッチ素子数が爆発的
に増大し、集積化が困難になるとともに、スイッチ素子
の損失が累積する問題があった。
【0006】他方、フリースペース光スイッチは、ポー
ト数の増大に対して損失が単純に累積しないため、規模
拡大には適しているものの、基本的な個別部品の3次元
実装構造となるため、実装工程が極めて難しくなる問題
と、周囲温度の変化・振動等による特性変化などに対し
て安定性・信頼性に問題があった。
【0007】図1は、更に第3の従来例として、最近提
案された平面ビームステア型光スイッチの構成を示す
(文献[1]:C. R. Doerr, and C. Dragone,“ Propo
sed optical cross connect using a planar arrangeme
nt of beam steerers,”IEEE Photonics Technol. Let
t., vol. 11, pp. 197-199, 1999.参照)。ここで、複
数の入力ポート91は各々、所望の出射光ビームの位相
波面を付与するための可変位相器(フェーズシフター)
92を備えたアレイ導波路からなる第1の2次元光ビー
ム偏向器(スターカプラ)93を介してスラブ光導波路
94に接続され、スラブ光導波路94の対向する端面に
は、第2の2次元光ビーム偏向器(ビームステア)95
を介して出力ポート96が接続されている。本構成で
は、複数の入出力ポート91、96間を、スラブ光導波
路94中を伝播する2次元的な光ビームによって接続す
ることによりN×Nスイッチを実現する。すなわち、複
数の入力信号光を、第1のビーム偏向器93により、各
々所望の偏向方向を有する2次元光ビームに変換し、ス
ラブ光導波路94中に出射するとともに、所望の偏向方
向から到来する光ビームを受信するように出力側に設け
た第2のビーム偏向器95の受光波面を調整することに
より、任意の入出力ポートを接続することができる。
【0008】本平面ビームステア型光スイッチの構成は
前述のフリースペース光スイッチを2次元化するととも
に、光ビームの送受信系としてアレイ導波路を用いた光
フェーズドアレイ送受信系を適用したことに相当してい
る。2次元化により平面集積回路化が可能となり、温度
安定性・制御性も格段に向上するほか、信頼性の向上も
期待できる。
【0009】しかしながら、上記の文献[1]にも記述
されている通り、本構成では、10チャネルを超える大
規模スイッチを実現することは困難である。また、損
失、クロストークともに十分な特性は期待できない。
【0010】この主たる原因は、アレイ導波路を用いた
光フェーズドアレイを用いたことにある。すなわち、ア
レイ導波路を用いた光フェーズドアレイでは、(1)光
ビームの指向性が極めて小さい角度範囲に制限されるこ
と、および(2)アレイ導波路本数によってビーム数が
制限されるため回路サイズが大型化すること、の2つが
大きな原因である。
【0011】主たる原因の上記(1),(2)につい
て、以下詳細に説明する。
【0012】(1)アレイ導波路により形成される光ビ
ームの指向性E(θ)は、各導波路の出射光が無指向性
(すなわち点波源)であると仮定した場合のフェーズド
アレイ自身による指向性(以下、アレイファクタと呼
ぶ)F(θ)と、各導波路の出射光の指向性G(θ)と
の積として、E(θ)=F(θ)×G(θ)と表される
ことが知られている。
【0013】最初にアレイファクタF(θ)について考
える。一般にフェーズドアレイでは、指向性はアレイ導
波路間隔dに依存し、特に、このdが半波長以上の場合
には、メインローブのほかに高次の回折パターンである
グレーティングローブが、メインローブに対して±asin
(λ/(n×d))の方向に発生することが知られてい
る(nはスラブ導波路の屈折率)。
【0014】ところで、光導波路のモードフィールド直
径は通常波長程度以上の大きな値となり、小さな角度領
域にグレーティングローブが発生することとなる。図1
の第3の従来例では、グレーティングローブが発生する
と損失が増大するばかりでなく、クロストークが生じる
結果となるため、すべての光ビームをグレーティングロ
ーブのない角度領域で形成しなければならない。このた
め、光ビームの指向性が制限され、結果として、入出力
ポート数が制限される。例えば、コアとクラッドとの比
屈折率差Δn=0.8%程度の単一モード石英系光導波
路(n=1.46とする)では、モードフィールド直径
は、波長1.55μmで4〜6波長程度となり、隣接導
波路間のモード結合を抑えるためにアレイ導波路間隔を
15μmに設定した場合には、メインローブの両側約±
4度の方向に第一グレーティングローブが発生する。し
たがって、ビームを形成できる角度範囲は約±2度と極
めて狭い範囲に制限されることとなる。
【0015】次に、各導波路の出射ビームの指向性G
(θ)について考える。導波路のモードフィールド形状
をガウス分布とすると、G(θ)もガウス分布であり、
導波路出射端のスポットサイズω0とすると、電力が1
/e^2となる広がり角(半値)φは、概ねφ=λ/
(n×π×ω0)と近似できる。形成される光ビーム
は、G(θ)のプロファイルにしたがって強度が決ま
り、±φで光強度は1/e^2となる。したがって、損
失を所望の値以下に抑えるためには、ビームを形成でき
る角度範囲は、導波路のモードフィールド径によっても
制限されることとなる。例えば、前述のモードフィール
ド径が波長1.55μmの5倍程度、n=1.46の光
導波路の場合には、強度1/e^2の広がり角φは±5
度とやはり極めて狭い角度に制限され、この角度でも中
央のビームに対して約9dBの損失が加わることにな
る。なお、中央ビームに対する損失増加を3dBまでに
抑えるためには、約±3度となる。
【0016】(2)一方、形成できるビーム数はアレイ
導波路数で制限される。すなわち、フェーズドアレイの
ビーム半値角は、概ねアレイ導波路数に反比例すること
が知られており、最も単純な場合として、アレイ導波路
の振幅分布を一様励振と仮定した場合には、メインロー
ブと第一グレーティングローブ間のビーム形成可能な角
度領域に、概ねアレイ導波路数と同数のビームを、ビー
ム半値幅と同程度の間隔で形成できることがわかってい
る。ここで、一様励振の場合、第一サイドローブレベル
は−13dB程度であり、必ずしも必要なクロストーク
性能を満足できないため、よりビーム間の間隔を広くと
る必要があり、実際に形成できるビーム数はアレイ導波
路数より小さくなる。また、さらにサイドローブレベル
を下げるためには、励振分布にテーパーをつける等の工
夫が必要になるが、その場合には、メインローブのビー
ム半値角は一様励振の場合よりも広くなるため、やは
り、形成できるビーム数はアレイ導波路数より小さくな
る。
【0017】このように、通常、アレイ導波路数と同等
以下のビーム数しか形成できず、逆に、十分なクロスト
ークを得るためには、所望のビーム数の2〜3倍のアレ
イ導波路数を設ける必要がある。しかしながら、前述し
た通り、アレイ導波路間隔はある程度以下には近接でき
ないため、アレイ導波路出射端の開口長が大きくなる問
題がある。例えば、100ビームを形成するためには、
200〜300本以上のアレイ導波路が必要であり、前
述のアレイ導波路間隔15μm、n=1.46の石英系
光導波路の場合には、3000〜4500μm以上の開
口長となる。
【0018】ここで上記(1)の理由で述べたビームを
形成可能な角度範囲が±2度程度であることと合わせて
考えると、例えば64×64光スイッチを作製するため
には、4500μmの出射端開口をもつアレイ導波路を
64組づつ、スラブ導波路の両端に配置する必要があ
り、かつすべての入力ポートからすべての出力ポートを
見込む角度が±2度以内に入る必要があるため、最低で
も4m以上と長大なスラブ導波路長が必要となる。同様
に16チャネル規模でも数10cmのスラブ導波路長が
必要であり、一枚の基板に集積することは困難である。
このように、図3の第3の従来例では10チャネルを超
える大規模化は困難であった。
【0019】なお、上記文献[1]では、より大きなビ
ーム偏向角を得るために、ビーム偏向器をカスケード接
続する構成が提案されているが、この提案の場合も、最
終段のアレイ導波路でビーム偏向角の最大値は制限され
るため、上記のポート数の限界はやはり改善されない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】以上まとめると、従
来、様々な光スイッチの構成が提案されているが、十分
な性能と、ポート数の拡張性を兼ね備えたスイッチは存
在していなかった。すなわち、マトリクススイッチは、
小規模なスイッチは特性良く実現できるものの、スイッ
チ素子を複数組み合わせる構成のため、規模の拡張性に
問題があった。また、フリースペース光スイッチでは、
3次元立体構造の精密かつ安定・高信頼な実装が困難で
あった。さらに、アレイ導波路を用いた2次元光ビーム
ステアリング型光スイッチでは、損失、クロストーク等
の性能も、規模の拡張性も不十分であった。
【0021】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、従来課題となっていた、高性能かつポ
ート数の拡張性に富む光スイッチを提供することにあ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光スイッチは、N本の光入力端子と、光接
続切り替え部と、M本の光出力端子(N、Mは1以上の
整数)とを備え、該光入力端子のいずれか一つから入力
された光信号が、該光接続切り替え部を介して、選択さ
れた該光出力端子のいずれか一つに出力される、基板上
に形成された光スイッチにおいて、前記光接続切り替え
部はメインスラブ光導波路、N個の入力側光ビーム変換
部、およびM個の出力側光ビーム変換部からなり、前記
入力側光ビーム変換部は、前記光入力端子と前記メイン
スラブ光導波路を接続して、該光入力端子から入射した
光を、前記基板と平行な面内に連続的に広がった2次元
光ビームに変換して該メインスラブ光導波路に出射し、
前記出力側光ビーム変換部は、前記メインスラブ光導波
路と前記光出力端子を接続して、該メインスラブ光導波
路から入射した前記2次元光ビームを、該光出力端子の
導波モードに変換して該光出力端子に出射することを特
徴とする。
【0023】また、上記目的を達成するため、本発明の
他の形態の光スイッチは、N本の光入力端子と、光接続
切り替え部と、M本の光出力端子(N、Mは1以上の整
数)とを備え、該光入力端子のいずれか一つから入力さ
れた光信号が、該光接続切り替え部を介して、選択され
た該光出力端子のいずれか一つに出力される、基板上に
形成された光スイッチにおいて、前記光接続切り替え部
はメインスラブ光導波路、N個の入力側光ビーム変換
部、およびM個の出力側光ビーム変換部からなり、前記
入力側光ビーム変換部は、前記光入力端子と前記メイン
スラブ光導波路を接続して、該光入力端子から入射した
光を、前記基板と平行な面内に広がり、位相分布が周期
的な不連続点を含み、その不連続点に挟まれた領域では
所望のビーム出射方向に応じて変化する連続的な位相波
面を与える2次元光ビームに変換して該メインスラブ光
導波路に出射し、前記出力側光ビーム変換部は、前記メ
インスラブ光導波路と前記光出力端子を接続して、該メ
インスラブ光導波路から入射した前記2次元光ビーム
を、該光出力端子の導波モードに変換して該光出力端子
に出射することを特徴とする。
【0024】ここで、前記入力側光ビーム変換部と前記
出力側光ビーム変換部は、光ビームの送受信にあたっ
て、前記メインスラブ光導波路内で両光ビーム変換部を
結ぶ光ビーム経路上の概ね等しい中間位置にビームウエ
ストを持ち、かつ該ビームウエストにおけるスポットサ
イズが概略等しくなるように設計されていることが望ま
しい。
【0025】このとき、前記スポットサイズをω、前
記入力側光ビーム変換部から前記メインスラブ光導波路
に出射するビームの幅および前記メインスラブ光導波路
から前記出力側光ビーム変換部に入射するビームの幅を
それぞれωとしたとき、前記ωは、前記メインスラ
ブ光導波路の長さに応じて定まる、前記ωの最小値を
与える所定の値に設計されていることが望ましい。
【0026】また、前記メインスラブ光導波路の屈折率
をn、その長さを2z、スイッチングされる光の波長
をλとしたとき、前記入力側光ビーム変換部および前記
出力側光ビーム変換部は、前記スポットサイズωがお
よそ √λz/nπとなるように設計され、許容され
る隣接ポート間のクロストーク量をXT(dB)とした
とき、前記入力側光ビーム変換部および前記出力側光ビ
ーム変換部はそれぞれ、前記メインスラブ光導波路との
接続部において中心間隔が概ね√(λz/nπ)*
((―XT)/10log(e))で配置されているこ
とが望ましい。
【0027】また、前記光スイッチは、平面基板上に一
括して形成された平面集積回路か、または、複数の平面
光回路と光機能素子とが平面状に光接続されたハイブリ
ッド光集積回路のいずれかであり、かつ、少なくとも前
記メインスラブ光導波路は、石英系平面光導波路である
ことが望ましい。
【0028】前記入力側光ビーム変換部と前記出力側光
ビーム変換部は、それぞれ、前記光入力端子または前記
光出力端子におけるモードフィールドを、所望のビーム
径に拡大する振幅分布変換部と、前記振幅分布変換部か
ら出た光ビームに所望の広がり角に対応した位相波面を
与える波面変換部と、前記振幅分布変換部の入力側また
は前記波面変換部の出力側に接続して光ビームに所望の
偏向方向を与える偏向付与部とを、光伝播経路上に少な
くともひとつづつ備え、前記振幅分布変換部の少なくと
も一つが、概ね2次元の自由伝播によって光ビーム径を
拡大または縮小するスラブ光導波路であることが有効で
ある。
【0029】このとき、前記波面変換部の少なくとも一
つが、光伝播経路上のX−Z面内に設けた異なる屈折率
を有する2つの領域の境界面からなる構成でもよい。
【0030】さらに、前記異なる屈折率を有する2つの
領域のいずれか一方は、空隙であってもよい。
【0031】また、前記偏向付与部の少なくとも一つ
は、プリズム型の可変屈折率領域を有するスラブ光導波
路であってもよい。
【0032】さらに、前記メインスラブ光導波路が、光
ビーム伝播経路上に、少なくとも一つの反射ミラーを有
する構造であることも有効である。
【0033】同様に、前記メインスラブ光導波路が、そ
の光ビーム伝播路途中で複数個に分割され、該分割され
た各々の部分が、複数の平面回路で形成され、かつそれ
らが平面回路同士を直接接続されることにより該メイン
スラブ光導波路が構成されていてもよい。
【0034】また、前記偏向付与部は、前記光入力端子
または前記光出力端子と前記振幅分布変換部との間に接
続した1×Lスイッチ(Lは1以上の整数)であっても
よい。
【0035】また、前記偏向付与部の少なくとも一つ
は、ビーム偏向器を分割して小さなプリズム形状を並べ
た構成であってもよい。
【0036】また、前記波面変換部の少なくとも一つ
が、レンズを含む構成でもよい。
【0037】本発明は、スラブ光導波路中の光ビーム伝
播を利用して、2次元的なフリースペース光スイッチを
構成するものであり、この点では前述の第3の従来例と
同様である。
【0038】しかしながら、本発明は、メインスラブ光
導波路とのビーム入出射境界面で連続的な振幅・位相分
布を持つ波源、いわゆる連続分布波源により、スラブ光
導波路中を伝播する光ビームを形成することを最大の特
徴としており、これが従来の課題を解決するための本質
的な役割を担う点で、従来とは大きく異なる。
【0039】本発明に係わる2次元的なビームステア型
光スイッチを実現するにあたっての最も重要な課題は、
(1)大規模化に向けて、いかにビーム偏向角を大きく
とり、かつビーム入出射部を小型にするか、(2)かつ
同時に損失、クロストークなどの性能をいかに確保する
か、である。ここで、(1),(2)の要求は一般にト
レードオフの関係にあるため、いかに両立するかも問題
となる。
【0040】しかしながら、前述したように、従来の検
討では、ビーム偏向器としてアレイ導波路を用いるため
に、性能、規模の拡張性ともに不充分であった。これ
は、フェーズドアレイが本質的にビーム出射面において
離散的な振幅・位相分布を与える離散波源であり、とり
わけ光フェーズドアレイでは通常、アレイ間隔を半波長
以下にできないため、不充分な離散化の結果として、損
失、クロストーク性能の劣化とともに、規模拡張性の制
限といった重大な問題が発生することに起因している。
【0041】本発明は、この点に着目し、連続分布波源
を用いて光ビーム形成を行うことにより、従来の問題を
解決する。すなわち連続分布波源を用いることにより、
グレーティングローブの発生やサイドローブレベルの上
昇といった問題を避けられ、結果として、損失、クロス
トークの劣化、ビームステアリング角度の制限といった
本質的な問題を解決できる。さらに、ビーム送受信部が
小型になり、ポート数を増大できるといった実用上重要
な効果もある。また、連続分布波源を用いることによ
り、フェーズドアレイでは困難であったビーム結合系の
最適化と回路の小型化の両立が図れる効果がある。本発
明は、ガウスビーム結合系の原理的性質を応用すること
により、性能と規模拡張性の2つの要求を両立するスイ
ッチ構造を提供する。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明による光スイッチの詳細な構造、原理とその作用、
効果について本発明の具体的な実施の形態を用いて詳述
する。
【0043】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態における光スイッチの構成を示す平面図
である。本実施形態では、16×16スイッチを石英系
平面光回路によって一括集積したものであり、この回路
構成としては、基板面に対して垂直方向にのみ光の閉じ
込め構造を有するメインスラブ光導波路1を中央に配
し、その両端に、連続的な振幅・位相分布を生成する光
ビーム変換部2、2を介して、光入出力ポート3、4が
接続されている。
【0044】上記光ビーム変換部2の詳細構成を図2に
示す。光入出力ポート3、4は、各々1×16光スイッ
チ21に接続され、続いてスラブ光導波路22に接続さ
れる。スラブ光導波路22は、エッチングにより形成さ
れた概ね円弧形状の2つの導波路端面からなるレンズ2
3に接続され、さらにメインスラブ光導波路1に接続さ
れている。24はエッチングによる空隙を示す。本実施
形態では、1×16光スイッチ21、スラブ光導波路2
2、エッチングによるレンズ23が、各々、本発明で言
う偏向付与部、振幅分布変換部、波面変換部に相当す
る。
【0045】光ビーム変換部2の機能を入力の場合につ
いて説明する。まず、入力ポート3から入力された光信
号は、1×16光スイッチ21により16個のいずれか
のポートを選択され、スラブ導波路22に所望の角度で
入射される。これは、16個のビーム偏向方向を選択で
きることに相当している。続いてスラブ光導波路22内
を2次元的に広がりながら自由伝播し、レンズ23に入
射される。ここでスラブ光導波路22の長さを適切に設
計することにより、所望の広がりをもつ光ビームを得る
ことができる。
【0046】光導波路端面からなるレンズ23に入射し
た光は、波面変換され、メインスラブ光導波路1内の所
定の位置にビームウエスト(beam waist:ビームのくび
れ)を持つ、所定のスポットサイズの光ビームとして、
メインスラブ光導波路1内に出射される。
【0047】以上の説明から分かる通り、本光ビーム変
換部2は、メインスラブ光導波路1への光ビーム入出射
端(すなわち、本例ではレンズ出射直後)において、空
間的に概ね連続的な振幅・位相分布を有する連続分布波
源となっている。これにより、ビーム偏向角の制限は実
用上なくなり、従来例で前述したアレイ導波路では困難
であった大規模化が可能となる。
【0048】次に、本実施形態の光スイッチ回路の設計
指針の具体例を述べる。
【0049】まず、メインスラブ光導波路1の領域の設
計について述べる。
【0050】入力側と出力側の両光ビーム変換部2、2
は、両者を結ぶ光ビームのスポットサイズとビームウエ
スト位置を概ね一致させる、いわゆる共焦点系を構成す
る。これにより、ビーム結合系の原理損失をゼロにする
ことができるのと同時に、メインスラブ光導波路1の長
さ(以下、メインスラブ導波路長と称する)を一定とし
た場合には、光ビーム変換部2の入出射端でのビーム径
を最小にすることができるので、ポート数を増大するこ
とが可能となる。
【0051】さらに、本実施形態では、光ビームは概ね
ガウス型の振幅分布をもつように設計する。これは、光
導波路の伝播モードが一般にガウス型で近似でき、振幅
分布の変換が容易である利点に加えて、後述するよう
に、ガウスビームの性質を応用することにより、クロス
トーク性能と小型化を両立した設計が可能となる効果が
あるためである。
【0052】続いて、メインスラブ光導波路1中のビー
ム結合系の特性と、設計指針について説明する。
【0053】メインスラブ光導波路1中を伝播するガウ
スビームのスポットサイズ(本明細書では、ビームウエ
ストにおけるビーム半径をスポットサイズと呼ぶ)をω
とすると、zだけ離れた位置でのビーム半径ω
は、以下の(1)式で近似できる。
【0054】
【数3】
【0055】ここで、λは光の波長、nはメインスラブ
光導波路1の屈折率である。あるz に対して、ω
変化させたときのωは最小値を有し、最小のωmin
は以下の(2)式で与えられる。
【0056】
【数4】
【0057】また、このときのスポットサイズωmin
は、以下の(3)式で与えられる。
【0058】
【数5】
【0059】すなわち、ポート数など入出力の構造が対
称の場合には、メインスラブ導波路長2*Zを決める
と、光ビーム変換部1の入出射端におけるビーム径を最
小とするビームが決まる。つまり、ビームウエスト位置
が入出射端からZ離れた、スポットサイズωmin の
光ビームを形成することにより、光ビーム変換部2、2
の入出射端でのビーム径を最小(ωmin )とすること
ができる。
【0060】次に、光ビーム変換部2、2のピッチを決
める。このピッチは所望のクロストークを得られる最小
のピッチとすることが、最大のポート数を得る条件であ
る。本発明の光スイッチにおいて、隣接クロストークが
最大になるのは、次の2つの場合である。すなわち、隣
接チャネル間の光ビームが並行である場合と、隣接チャ
ネル間の光ビームが互いに交差する場合である。この2
つの場合の隣接チャネル間クロストーク(dB表記)
は、よく知られているガウスビームの光結合効率の近似
公式から、以下のように表すことができる。
【0061】(平行な場合)
【0062】
【数6】
【0063】(交差する場合)
【0064】
【数7】
【0065】ここで、Pは隣接チャネル間ピッチであ
る。これらの(4)式と(5)式から、逆に所望のクロ
ストーク性能が得られる最小ピッチは、以下のように求
められる。
【0066】(平行な場合)
【0067】
【数8】
【0068】(交差する場合)
【0069】
【数9】
【0070】これらの結果は、平行と交差の場合に対し
て必要な最小ピッチが、ωに関して逆特性になってお
り、両者をともに満足する最小ピッチは、あるωで最
小値をとることを示している。このピッチ最小を与える
ωは、上記の(6)式と(7)式のPmin が等しいこ
とから、以下のとおり求められる。
【0071】
【数10】
【0072】また、あるクロストークXTを得る最小ピ
ッチは、以下のとおり求められる。
【0073】
【数11】
【0074】すなわち、メインスラブ導波路長2*z
を決めると、ピッチを最小とするビームのスポットサイ
ズω0minは決まる。また、所望のクロストークを得る最
小ピッチPminも決まることになる。付け加えると、上
記の(3)式と(8)式を比較してわかるように、本光
スイッチにおけるビーム結合系では、光ビーム変換部
2、2を最小にする条件と、最小ピッチを与える条件
が、どちらも同一のスポットサイズωmin を与えるこ
とである。すなわち、ωmin のスポットサイズをもつ
ビームを形成することにより、所望のクロストークを得
る条件のもとで、光ビーム変換部2、2のサイズ、ピッ
チをともに最小にすることができ、これにより最大ポー
ト数を得ることができる。このような設計が可能となっ
たのは、本発明が連続分布波源を用いることにより、光
ビーム変換部2、2のサイズの設計の自由度が格段に向
上した効果でもある。例えば、従来例のアレイ導波路の
場合には、形成するビーム数と導波路間ピッチの条件か
ら、光ビーム変換部のサイズは決まってしまうため、本
発明のこのような最適設計は困難である。
【0075】一方、ある最大ビームステア角θdif を決
めると、とりうるポート数の最大値Nmax は
【0076】
【数12】
【0077】と決まる。(9)式と(10)式から、
【0078】
【数13】
【0079】であり、最大ポート数Nmaxはメインスラ
ブ導波路長2*zに対して平方根に比例し、ステア角
θdifに対しては、正比例する。このことから、ポート
数を増大するためには、ビーム偏向角をいかに大きくと
るかが重要であることがわかる。
【0080】次に、光ビーム変換部2、2の設計につい
て述べる。上述したとおり、メインスラブ導波路長2*
を決めると、最大ポート数を得るビームの設計が決
まり、光ビーム変換部2、2の入出射端での最小ビーム
径ωmin が決まる。このビームを入出力導波路(入出
力ポート)3、4に接続するため、前述したレンズ23
とスラブ導波路22を用いて、波面、振幅分布の変換を
行い、メインスラブ光導波路1中のビームを光導波路
3、4の伝播モードに効率よく結合させる。ここで、光
導波路3、4中の伝播モードの半径をωg、光ビーム変
換部2のスラブ導波路22の屈折率nb、スラブ長をz
bとすると、(1)式と同様にレンズ面でのビーム半径
ωg は、
【0081】
【数14】
【0082】と書ける。このωg がメインスラブ光導
波路1の設計から得られたωmin と整合する条件か
ら、スラブ長zbを決めることができる。なお、レンズ
23の設計に関しては、通常と同様であるので省略す
る。
【0083】さて、上述の設計指針に沿って、以下に具
体的な設計例を示す。
【0084】まず、石英系光導波路の屈折率nは1.4
6、光の波長λは1.55μmとする。石英系光導波路
基板(図示しない)のサイズを4〜6インチ(約10〜
15cm)程度と想定し、そのサイズで十分形成可能な
値としてメインスラブ光導波路1のメインスラブ導波路
長2*zを5cmとする。
【0085】上記の(3)式、または(8)式から、光
ビーム変換部2、2のサイズおよび最小隣接光ビーム変
換部ピッチを与えるビームとして、メインスラブ光導波
路1の中央付近にビームウエストを有し、スポットサイ
ズωが〜92μmのガウスビームを形成すればよい。
このとき、光ビーム変換部2、2の入出射端でのビーム
半径ωは〜130μmとなる。また、クロストーク−
50dBを得る最小光ビーム変換部ピッチPmin は〜3
12μmである。このとき得られる最大ポート数は、ビ
ームステア角10°(±5°)、20°(±10°)、4
0°(±20°)のとき、それぞれおよそ、28、5
6、112本と大きな値が得られる。また、このときの
メインスラブ光導波路1の幅は、各々9mm、17m
m、35mmであり、十分小型に集積化できる。
【0086】本実施形態では、一例としてビームステア
角10°として、16×16スイッチを構成することを
考える。光ビーム変換部2、2の設計は、導波路のモー
ドフィールド半径を〜4μmとすると、スラブ長zbは
〜1.5mmである。ビームステア角10°の場合に、
必要なスラブ導波路22の幅(1×16スイッチに続く
導波路との接続部のサイズ)は268μmであり、この
接続部に18μm程度の間隔で1×16スイッチ21に
つながる16本の導波路を接続することにより、約10
°の範囲に16個のビームが形成でき、16×16スイ
ッチ21が実現できる。
【0087】以上述べたように、本実施形態により、従
来は不可能であった16×16ビームステア型光スイッ
チが実現可能となった。また、本実施形態により、小型
集積化のみならず、クロストーク性能も従来より格段に
向上している。これは、本発明が、連続分布波源を適用
することにより、従来の本質的な問題であった偏向角度
の飛躍的な増大を可能にしたことと、高性能、小型化を
両立するビーム結合径の最適化を行ったことの効果であ
る。
【0088】(第2の実施の形態)図3は本発明の第2
の実施の形態の光スイッチの構成を示す平面図である。
本実施形態の特徴は、光ビーム変換部2の構成部分にあ
り、とりわけ偏向付与部として、メインスラブ光導波路
1内に設けたプリズム型の可変屈折率変化領域30から
なる可変ビーム偏向器34を用いる点が、上述の第1の
実施の形態と大きく異なる点である。すなわち、この第
2の実施の形態の光ビーム変換部2は、1本の入出力導
波路3、4がスラブ導波路32に接続され、続いてエッ
チングにより導波路端面形状を成形されてなるレンズ3
3を介して可変ビーム偏向器34に接続された構成であ
る。
【0089】本光ビーム変換部2の動作を入力の場合に
ついて説明する。入力導波路3からの入力光はスラブ導
波路32中で2次元の自由伝播を行い、所望の広がりに
達したところでレンズ33に入射する。レンズ33で
は、メインスラブ光導波路1中で所望のビームウエスト
までの距離とスポットサイズを有するビームになるよう
波面変換され、可変ビーム偏向器34に入力される。可
変ビーム偏向器34はメインスラブ光導波路1内に設け
たプリズム型の領域30に所望の屈折率変化を生じさせ
る構成のものであり、光ビームはこの屈折により所望の
偏向方向を与えられて出射される。
【0090】可変ビーム偏向器34のこのような、ビー
ム偏向機能は、種々の材料および形態で実現できる。例
えば、石英系光導波路や、熱光学効果をもつ有機導波路
では、所望の領域上に三角形状の薄膜ヒータを設ければ
よい。また、電気光学効果を有する強誘電体材料(Li
NbO、PLZT、KTPなど)や、E0ポリマー
(AANPなど)、半導体材料などでは、同様に三角電
極や櫛型電極によって所望の形状に電界を印加すればよ
い。
【0091】なお、熱光学効果などの屈折率が正負いず
れか一方向に限られる場合には、後述の図6に示すよう
に、正負逆向きの偏向角に対応する2つの三角電極を設
けることが、大きなビーム偏向角を得るためには有効で
ある。
【0092】以下、一例として可変ビーム偏向器34に
強誘電体材料のPLZTを用いた場合の偏向角と回路規
模について見積もる。
【0093】一段の可変ビーム偏向器34で大きな偏向
角を得るためには、電気光学係数の大きな電気光学材料
を用いるのが有効である。たとえば、PLZTは数十〜
数百という大きな電気光学係数が報告されており、偏波
依存性の小さい薄膜光導波路や、ビーム偏向器の作製報
告もなされている(文献[2]:梨本恵一、「PLZT
薄膜導波路光スイッチ」、Optoronics, no. 2, pp. 118
-123, 2001参照)。報告されている電気光学係数として
50pm/V〜600pm/Vの値を用いた場合、導波
路構造にもよるが、30V程度の電界印加で−10^-2
程度から最大−10^-1までの大きな屈折率変化が得ら
れることになる。また、さらに2次の電気光学効果を用
いれば、小さな電界の変化で大きな屈折率変化を生じる
ことも期待できる。
【0094】上記PLZT導波路を用いた場合、ビーム
偏向角は±4°〜±20°と大きな値が得られる。この
とき、前述の第1の実施の形態で説明した設計指針に従
えば、メインスラブ導波路長を5cmとした場合でも、
22〜112本と極めて大きなポート数が、1段の可変
ビーム偏向器34で達成できることになる。
【0095】以上のように、メインスラブ光導波路1中
に設けたプリズム型可変屈折率領域30からなる可変ビ
ーム偏向器34を用いることにより、極めて小型に光ビ
ーム変換部を実現することが可能となる。
【0096】前述の第1の実施形態で示しように、本発
明によれば、ビーム偏向器をカスケード接続する構成
を、極めて効果的に利用できることから、必ずしも1段
の可変ビーム偏向器34ですべての偏向角を満足させる
必要はない。しかしながら、極めて大きな偏向角を得る
場合や、小型集積化、省電力化、および偏向角の微調整
の観点からは、本実施形態の図3で示すような1段の可
変ビーム偏向器構成が望ましい。
【0097】(第3の実施の形態)図4は、本発明の第
3の実施の形態の光スイッチの構成を示す平面図であ
る。本実施形態が、上述の第2の実施の形態と異なる点
は、第1に、石英系光導波路と電気光学材料とのハイブ
リッド集積構成である点、第2に、光ビーム変換部2
が、2つの偏向付与部を有する点である。
【0098】まず第1の点について説明する。本実施の
形態では、メインスラブ光導波路1をはじめとする多く
の部分は石英系光導波路として基板5上に一括形成され
ている石英系平面光回路である。図5に示すように、2
つの偏向付与部41、42には大きな屈折率変化を得る
ために、電気光学材料を用いたスラブ導波路型のビーム
偏向器のチップ43、44を用いており、このビーム偏
向器チップ43、44は、エッチングにより形成した石
英系光導波路の所定の搭載部に、搭載、固定されてい
る。
【0099】ポート数を増大するためには、メインスラ
ブ光導波路1をはじめとして、回路全体が必然的に大型
化するため、低損失な導波路が必要である。とりわけ、
第1の実施の形態で述べた(11)式からもわかるとお
り、本発明の光スイッチで得られる最大ポート数は、メ
インスラブ導波路長と、屈折率のどちらに対しても、そ
の平方根に比例する関係にある。つまり、ポート数を2
倍にするにはメインスラブ導波路長は4倍必要になり、
また、屈折率の2倍大きな材料系を用いてもポート数は
√2倍しか増加できない。このことから、特にメインス
ラブ光導波路1に関しては、できる限り低損失で、かつ
大面積の回路を作製できる材料を選ぶことが肝要であ
る。
【0100】石英系光導波路は6〜8インチ基板を用い
た大面積回路の作製が可能であり、かつ導波路損失も他
の材料と比較して格段に小さい。その反面、石英系導波
路のT0効果による屈折率変化は1×10^-5程度であ
り、ビーム偏向器を構成するのは難しい。
【0101】以上の理由から、本実施の形態のように、
石英系光導波路をベースとして、ビーム偏向器43、4
4等の必要な部分のみ異なる材料で構成する、ハイブリ
ッド集積構成が実用上極めて有効である。なお、この例
のようにスラブ光導波路型のビーム偏向器を集積する場
合には、スラブ光導波路面内方向には高精度な位置合わ
せは不要であり、光結合損失も小さく抑えられる利点が
ある。
【0102】次に、第2の特徴である光ビーム変換部に
ついて説明する。その構造は図5に示すとおりである。
本実施形態では、偏向付与部を41と42の2つ用い
て、偏向角の増大を図っている。すなわち、第1の偏向
付与部41は、振幅分布変換部であるスラブ導波路45
への入射角度が異なる複数の導波路のいずれかを選択す
る。入射角度によってあらかじめ粗く偏向を付与された
光ビームは、第2の偏向付与部42のビーム偏向器チッ
プ44によってより微細な偏向を付与された後にメイン
スラブ光導波路1に出射される構成である。
【0103】ここで、第1の偏向付与部41は、入出力
2つのスラブ導波路46、47と、その中間に配置した
ビーム偏向器チップ43、さらにビーム偏向器チップ4
3の両端に設けたレンズ部48、49によって構成され
る。また、第2の偏向付与部42は、メインスラブ光導
波路1の近くに設けたビーム偏向器チップ44とその両
端に設けたレンズ部51、52によって構成される。
【0104】具体的な設計例について説明する。本例で
は、2つのビーム偏向器チップ43、44は、どちらも
偏向角±2°を得られるものを用いる。第1の偏向付与
部41は、全幅20°で2.9°間隔の8本の異なる偏
向を与える。このビーム偏向器チップ43の最大偏向角
は±2°であるが、たとえば、導波路のモードフィール
ド径が〜2μm、入出力スラブ長が1mmとすれば、8
本の導波路53にふりわけることが可能である。これら
の導波路53を、メインスラブ光導波路1への偏向角が
2.9°間隔となるように、振幅分布変換部である後段
のスラブ導波路45に接続する。
【0105】第2の偏向付与部42は、その各々に±2
°の範囲で、およそ0.4°間隔の偏向を付与する。こ
のようにして、全体としては、全幅24°の偏向角の中
に64本のビームが形成できることとなり、64×64
光スイッチを構成できる。
【0106】(第4の実施の形態)図6は、上述した本
発明の第2および第3の実施の形態に示した、プリズム
型可変屈折率領域を有するスラブ導波路からなるビーム
偏向器の一変形例を第4の実施形態として示しており、
本例のビーム偏向器チップ61は、上述したビーム偏向
器44を分割して、小さなプリズム形状を並べた構成に
より、小型化、省電力化を図っている。
【0107】注意するべき点は、第2および第3の実施
の形態のビーム偏向器34、44は、光ビームに完全に
連続な位相波面を与えるのに対して、本第4の実施の形
態のビーム偏向器61で得られる位相波面は、周期的な
不連続点を持つことである。このような周期的な不連続
点を持つ位相波面を生成するビーム偏向器は、広い意味
でのフェーズドアレイであり、フェーズドアレイの性質
を持つこととなる。すなわち、構造的には波源(アレイ
素子)の開口がアレイ間隔に等しい場合に相当し、不連
続点の周期に応じてグレーティングローブが発生するこ
とになる。また、アレイファクタについては、グレーテ
ィングローブ周期的に不連続点数と等しい分解したビー
ムを形成することになる。
【0108】しかしながら、その動作は、従来技術で説
明したアレイ導波路を用いた光フェーズドアレイとは全
く異なり、実用上ビーム偏向角の大きな制約は発生しな
い。つまり、アレイ導波路を用いた光フェーズドアレイ
では、アレイ素子となる光導波路の出射ビームは不変で
あり、アレイ間での位相波面によってビームの偏向を得
るのに対して、本実施の形態で示す分割プリズム型のビ
ーム偏向器61の場合には、アレイ素子に相当する不連
続点間の領域で連続的な可変の位相波面を形成し、逆に
アレイ間(不連続周期間の対応する点間)においては、
位相波面は固定となる。この結果、不連続点で形成する
アレイファクタは常に一定であり、不連続点の周期によ
って決まる間隔で複数のグレーティングローブ(メイン
ローブを含む)を形成することになる。一方、不連続点
間の領域は可変で連続的な位相波面を形成し、所望の偏
向をもつビームを形成する。ここにおいて、前述したよ
うに、全体としてのビーム偏向方向は、アレイ素子の指
向性とアレイファクタとの積であり、この場合には、ア
レイ素子が形成するビームとグレーティングローブとの
重なりとして所望のビームが形成できることになる。
【0109】このように分割プリズム型のビーム偏向器
61は光ビーム変換部2の小型化に大変有効である。ま
た、このような分割プリズム型のビーム偏向器61は完
全に連続な位相波面を形成するものではなく、いくつか
の不連続点は含むものの、不連続点間の領域が可変で連
続な位相波面を形成し、これがビームの振る舞いを決め
る重要な要素となっている点で、離散波源であるアレイ
導波路を用いた光フェーズドアレイとは本質的に異な
る。
【0110】本発明では、光ビーム変換部2が、すなわ
ちX−Z面内で空間的に概ね連続な振幅・位相分布を与
えて光ビームを出射または受光する、いわゆる連続分布
波源であることを主要な特徴としているが、光ビーム変
換部2が、上記のようにいくつかの不連続点を含む場合
であってもそれが本質的な役割を担うものでない限り
は、本発明の権利範囲の範疇であることを明記してお
く。
【0111】(第5の実施の形態)図7は、本発明の第
5の実施の形態の光スイッチの構成を示す平面図であ
る。本実施形態の特徴は、メインスラブ光導波路1が、
その光ビーム伝播経路上に複数の反射ミラー71を備え
ている点である。この反射ミラー71によって光ビーム
伝播経路を折り返すことにより、長大なスラブ導波路を
コンパクトに平面回路に形成することが可能となる。
【0112】上述した通り、最大ビーム偏向角が一定の
場合、ポート数を2倍増大するためには、4倍のメイン
スラブ導波路長が必要となる。例えば、上記第1の実施
の形態の場合には、5cmのメインスラブ導波路長で1
6×16スイッチを構成できることを示したが、図7に
示すように3個の反射ミラー71によりメインスラブ光
導波路を折り返して構成することにより、メインスラブ
導波路長を4倍にすれば、32×32スイッチが実現可
能である。なお、この場合、メインスラブ光導波路1の
幅(すなわち、片側の光ビーム変換部2の総数の占める
幅)も4倍の概ね2cmとなるが、4インチ程度の基板
サイズで、十分一括形成可能な範囲である。また、この
ような反射ミラー71は、いくつかの方法で容易に実現
可能である。例えば、エッチングにより導波路薄膜の端
面を形成し、この端面に金など反射率の高いメタル膜を
蒸着等により形成すれば反射ミラー71が得られる。
【0113】以上のように、メインスラブ光導波路1中
に複数の反射ミラー71を設ける構成により、ポート数
の増大が可能となる。なお、このような構成は、メイン
スラブ光導波路1の幅が基板サイズに比べて十分小さい
ときに有効であり、本発明の特徴である連続分布波源を
用いた光ビーム変換部2の大幅な小型化と合わせて、よ
り大きな効果が得られていることも注記しておく。
【0114】(第6の実施の形態)図8は、本発明の第
6の実施の形態の光スイッチの構成を示す平面図であ
る。本実施形態のものは、メインスラブ光導波路1が、
その途中で分割され、複数の平面回路81、82、83
で構成されている点が特徴である。すなわち、ここで
は、メインスラブ光導波路1が、その途中の2個所で分
割され、3チップの石英系平面光回路81、82、83
で個別に形成され、これら3チップが端面同士を直接接
続されている。符号84はその2個所の分割・接続部を
示す。このような平面回路端面間の直接接続は、従来報
告されている通り、接着剤等により容易に実現できる。
【0115】このような構成をとることにより、1枚の
平面回路では形成困難な極めて大きなメインスラブ光導
波路を有する光スイッチが容易に実現できる。例えば、
前述の第3の実施の形態では、5cmのメインスラブ導
波路長で64×64スイッチを構成できることを示した
が、図8に示すように第1のチップ81には光ビーム変
換部2と5cm長のスラブ導波路、第2のチップ82に
は10cm長のスラブ導波路、第3のチップ83には5
cm長のスラブ導波路と光ビーム変換部2を集積し、こ
れら3チップ81、82、83をその順で互いに接続す
ることによって、4倍のスラブ長が得られる。したがっ
て、この場合は、ポート数は2倍となり、128×12
8と極めて大規模なスイッチを実現できる。なお、メイ
ンスラブ光導波路1の幅は約8cmと大きくなるが、3
チップ各々は、すべて4インチ基板5上に形成できる程
度であり、石英系光導波路やポリマー導波路では、8イ
ンチ程度の基板まで利用できることから、さらにポート
数を拡大することも可能である。
【0116】このように、メインスラブ光導波路1の途
中で複数のチップ81〜83に分割し、それぞれ異なる
回路で形成した後に、再び接続する構成を用いれば、極
めて大きなポート数にも拡張が可能である。
【0117】また、ここでは説明の簡単化のために例は
示さなかったが、第5の実施の形態で述べた反射ミラー
71による折り返し構造との併用も、より効果があるこ
とは勿論である。なお、このような構成が効果的である
のは、本発明の光スイッチでは多くの面積をスラブ光導
波路が占めていることと、スラブ光導波路途中での分断
・接続では高い位置合わせ精度も不要であり、低損失な
接続が可能であることの2つが大きな理由となってい
る。
【0118】本例では、3チップ間を接着剤により直接
張り合わせる構造としたが、例えば、基板面に垂直な方
向のみ集光作用のあるロッドレンズ等により基板間を接
続してもよい。本発明でいう直接接続された構造とは、
基板間を光ファイバ等で接続するのではなく、一方のス
ラブ光導波路を伝播する光ビームが、もう一方のスラブ
光導波路に一括して接続される構造一般に該当する。ま
た、本例では、メインスラブ光導波路を概ねビーム伝播
方向に対して垂直な方向に分割したが、これに限らな
い。すなわち、図8でメインスラブ光導波路1を水平に
分断・接続してもよい。このような構造により、メイン
スラブ光導波路1の幅が基板サイズを超えた場合にも対
応可能となる。
【0119】(他の実施形態)本発明の実施形態とし
て、6例を例示したが、これらの実施形態の組み合わせ
も可能である。なお、図1等において、3を入力ポー
ト、4を出力ポートとして説明したが、本発明の光スイ
ッチは左右対称構造であるので、4から光を入れて3に
スイッチングすることも勿論可能である。従って、この
意味で、3、4は入出力ポートと呼んでもよい。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
平面ビームステアリング型光スイッチの光ビーム変換部
として、X−Z面内で空間的に概ね連続な振幅・位相分
布を与えて光ビームを出射または受光する、いわゆる連
続分布波源を用いたので、以下の主要な効果が得られ
る。 (1)大きな偏向角を得ることが可能となる。 (2)ビーム結合系の最適化が可能となる。
【0121】さらに、本発明において、メインスラブ光
導波路内に反射ミラーを有する構造や、メインスラブ光
導波路を複数の平面回路に分割して作成し、各々を直接
接続する構造を用いれば、よりポート数の増大が可能と
なる効果も得られる。
【0122】したがって、本発明によれば、従来課題と
なっていた、損失・クロストーク等の性能と、ポート数
の拡張性を併せ持つ、光スイッチを提供することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光スイッチの全体
の構成を示す平面図である。
【図2】図1の光ビーム変換部の詳細構成を示す拡大図
である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の光スイッチの全体
の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の光スイッチの全体
の構成を示す平面図である。
【図5】図4の光ビーム変換部の詳細構成を示す拡大図
である。
【図6】本発明の第4の実施の形態として、ビーム偏向
器の他の構成例を示す拡大図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態の光スイッチの全体
の構成を示す平面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態の光スイッチの全体
の構成を示す平面図である。
【図9】従来のビームステアリング型光スイッチの構成
例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 メインスラブ光導波路 2 光ビーム変換部 3、4 光入出力ポート(光入出力導波路) 5 基板(石英系平面光回路基板) 21 1X16スイッチ(偏向付与部) 22 スラブ導波路(振幅分布変換部) 23 レンズ(波面変換部) 24 エッチングによる空隙 30 プリズム型可変屈折率領域(偏向付与部) 32 スラブ導波路 33 レンズ 34 可変ビーム偏向器(例えば、三角電極) 41、42 偏向器付与部 43、44 ビーム偏向器チップ(ハイブリット集積) 45 スラブ導波路(振幅分布変換部) 46、47 スラブ導波路 48、51 レンズ部(第1波面変換部) 49、52 レンズ部(第2波面変換部) 53 導波路 61 ビーム偏向器チップ 71 反射ミラー 91 入力ポート 92 可変位相器(フェーズシフター 93 第1の2次元光ビーム偏向器(スターカプラ) 94 スラブ光導波路 95 第2の2次元光ビーム偏向器(ビームステア) 96 出力ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 俊和 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 北川 毅 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 美野 真司 東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日 本電信電話株式会社内 Fターム(参考) 2H047 KA03 LA18 MA05 RA08 TA31 TA47 2K002 AA02 AB04 BA06 BA13 CA02 CA03 CA05 CA15 DA05 EA30 HA03 HA11

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N本の光入力端子と、光接続切り替え部
    と、M本の光出力端子(N、Mは1以上の整数)とを備
    え、該光入力端子のいずれか一つから入力された光信号
    が、該光接続切り替え部を介して、選択された該光出力
    端子のいずれか一つに出力される、基板上に形成された
    光スイッチにおいて、 前記光接続切り替え部はメインスラブ光導波路、N個の
    入力側光ビーム変換部、およびM個の出力側光ビーム変
    換部からなり、 前記入力側光ビーム変換部は、前記光入力端子と前記メ
    インスラブ光導波路を接続して、該光入力端子から入射
    した光を、前記基板と平行な面内に連続的に広がった2
    次元光ビームに変換して該メインスラブ光導波路に出射
    し、 前記出力側光ビーム変換部は、前記メインスラブ光導波
    路と前記光出力端子を接続して、該メインスラブ光導波
    路から入射した前記2次元光ビームを、該光出力端子の
    導波モードに変換して該光出力端子に出射することを特
    徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 N本の光入力端子と、光接続切り替え部
    と、M本の光出力端子(N、Mは1以上の整数)とを備
    え、該光入力端子のいずれか一つから入力された光信号
    が、該光接続切り替え部を介して、選択された該光出力
    端子のいずれか一つに出力される、基板上に形成された
    光スイッチにおいて、 前記光接続切り替え部はメインスラブ光導波路、N個の
    入力側光ビーム変換部、およびM個の出力側光ビーム変
    換部からなり、 前記入力側光ビーム変換部は、前記光入力端子と前記メ
    インスラブ光導波路を接続して、該光入力端子から入射
    した光を、前記基板と平行な面内に広がり、位相分布が
    周期的な不連続点を含み、その不連続点に挟まれた領域
    では所望のビーム出射方向に応じて変化する連続的な位
    相波面を与える2次元光ビームに変換して該メインスラ
    ブ光導波路に出射し、 前記出力側光ビーム変換部は、前記メインスラブ光導波
    路と前記光出力端子を接続して、該メインスラブ光導波
    路から入射した前記2次元光ビームを、該光出力端子の
    導波モードに変換して該光出力端子に出射することを特
    徴とする光スイッチ。
  3. 【請求項3】 前記入力側光ビーム変換部と前記出力側
    光ビーム変換部は、光ビームの送受信にあたって、前記
    メインスラブ光導波路内で両光ビーム変換部を結ぶ光ビ
    ーム経路上の概ね等しい中間位置にビームウエストを持
    ち、かつ該ビームウエストにおけるスポットサイズが概
    略等しくなるように設計されていることを特徴とする請
    求項1または2に記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】 前記スポットサイズをω、前記入力側
    光ビーム変換部から前記メインスラブ光導波路に出射す
    るビームの幅および前記メインスラブ光導波路から前記
    出力側光ビーム変換部に入射するビームの幅をそれぞれ
    ωとしたとき、 前記ωは、前記メインスラブ光導波路の長さに応じて
    定まる、前記ωの最小値を与える所定の値に設計され
    ていることを特徴とする請求項3に記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】 前記メインスラブ光導波路の屈折率を
    n、その長さを2z、スイッチングされる光の波長を
    λとしたとき、前記入力側光ビーム変換部および前記出
    力側光ビーム変換部は、前記スポットサイズωがおよ
    そ 【数1】 となるように設計され、 許容される隣接ポート間のクロストーク量をXT(d
    B)としたとき、前記入力側光ビーム変換部および前記
    出力側光ビーム変換部はそれぞれ、前記メインスラブ光
    導波路との接続部において中心間隔が概ね 【数2】 で配置されていることを特徴とする請求項4に記載の光
    スイッチ。
  6. 【請求項6】 前記光スイッチは、平面基板上に一括し
    て形成された平面集積回路か、または、複数の平面光回
    路と光機能素子とが平面状に光接続されたハイブリッド
    光集積回路のいずれかであり、 かつ、少なくとも前記メインスラブ光導波路は、石英系
    平面光導波路であることを特徴とする請求項1〜5のい
    ずれかに記載の光スイッチ。
  7. 【請求項7】 前記入力側光ビーム変換部と前記出力側
    光ビーム変換部は、それぞれ、 前記光入力端子または前記光出力端子におけるモードフ
    ィールドを、所望のビーム径に拡大する振幅分布変換部
    と、 前記振幅分布変換部から出た光ビームに所望の広がり角
    に対応した位相波面を与える波面変換部と、 前記振幅分布変換部の入力側または前記波面変換部の出
    力側に接続して光ビームに所望の偏向方向を与える偏向
    付与部とを、光伝播経路上に少なくともひとつづつ備
    え、 前記振幅分布変換部の少なくとも一つが、概ね2次元の
    自由伝播によって光ビーム径を拡大または縮小するスラ
    ブ光導波路であることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れかに記載の光スイッチ。
  8. 【請求項8】 前記波面変換部の少なくとも一つが、光
    伝播経路上のX−Z面内に設けた異なる屈折率を有する
    2つの領域の境界面からなることを特徴とする請求項7
    に記載の光スイッチ。
  9. 【請求項9】 前記異なる屈折率を有する2つの領域の
    いずれか一方は、空隙であることを特徴とする請求項8
    に記載の光スイッチ。
  10. 【請求項10】 前記偏向付与部の少なくとも一つは、
    プリズム型の可変屈折率領域を有するスラブ光導波路で
    あることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の
    光スイッチ。
  11. 【請求項11】 前記メインスラブ光導波路が、光ビー
    ム伝播経路上に、少なくとも一つの反射ミラーを有する
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光
    スイッチ。
  12. 【請求項12】 前記メインスラブ光導波路が、その光
    ビーム伝播経路途中で複数個に分割され、該分割された
    各々の部分が、複数の平面回路で形成され、かつそれら
    平面回路同士を直接接続することにより該メインスラブ
    光導波路が構成されていることを特徴とする請求項1〜
    11のいずれかに記載の光スイッチ。
  13. 【請求項13】 前記偏向付与部は、前記光入力端子ま
    たは前記光出力端子と前記振幅分布変換部との間に接続
    した1×Lスイッチ(Lは1以上の整数)であることを
    特徴とする請求項7に記載の光スイッチ。
  14. 【請求項14】 前記偏向付与部の少なくとも一つは、
    ビーム偏向器を分割して小さなプリズム形状を並べた構
    成であることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記
    載の光スイッチ。
  15. 【請求項15】 前記波面変換部の少なくとも一つが、
    レンズを含むことを特徴とする請求項8に記載の光スイ
    ッチ。
JP2001401519A 2001-12-28 2001-12-28 光スイッチ Expired - Lifetime JP3936865B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001401519A JP3936865B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光スイッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001401519A JP3936865B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光スイッチ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003202606A true JP2003202606A (ja) 2003-07-18
JP3936865B2 JP3936865B2 (ja) 2007-06-27

Family

ID=27640181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001401519A Expired - Lifetime JP3936865B2 (ja) 2001-12-28 2001-12-28 光スイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3936865B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170528A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Fujitsu Ltd 光モジュール及びその製造方法
US7546005B2 (en) 2004-11-04 2009-06-09 Nec Corporation Optical switch and path switching method
JP2014041293A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光処理回路および光処理方法
JP2014202914A (ja) * 2013-04-04 2014-10-27 日本電信電話株式会社 光信号処理回路および光信号処理方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7546005B2 (en) 2004-11-04 2009-06-09 Nec Corporation Optical switch and path switching method
JP2008170528A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Fujitsu Ltd 光モジュール及びその製造方法
JP2014041293A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光処理回路および光処理方法
JP2014202914A (ja) * 2013-04-04 2014-10-27 日本電信電話株式会社 光信号処理回路および光信号処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3936865B2 (ja) 2007-06-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3522117B2 (ja) 自己導波光回路
US11422431B2 (en) Optical switching using spatially distributed phase shifters
JP2009048021A (ja) 光偏向素子および光偏向モジュール
WO2007074876A1 (ja) 導波路の結合構造
JP2013156512A (ja) グレーティング素子及び光素子
JP2001166162A (ja) アレイ導波路型グレーティング
JP4327064B2 (ja) 光制御素子
JP3233067B2 (ja) 導波路素子及び導波路型合分波素子並びに導波路集積回路
JPH04212108A (ja) 導波型光分岐素子
JP2000221345A (ja) マルチモード干渉光素子
JP4635050B2 (ja) Y接合反射器による調整可能遅延または共振器導波路装置
JP3936865B2 (ja) 光スイッチ
JP2006301104A (ja) 光制御素子
JP3004971B1 (ja) アレイ導波路回折格子およびアレイ導波路回折格子を用いた光信号処理回路
JP2004021072A (ja) 光スイッチおよび光スイッチモジュール
JP2009198593A (ja) 可変分散補償器
JP2713358B2 (ja) ピルボックス型光共振器の波長選択フィルタ
JPH0415604A (ja) 光導波路
JP3142081B2 (ja) 導波型光分岐素子
JP2004101995A (ja) 光合分岐素子
WO2006103850A1 (ja) 導波路素子及びレーザ発生器
JP3555888B2 (ja) 自己導波光回路
JPH1130723A (ja) 合分波素子
JP4372588B2 (ja) 光制御素子
JPH049823A (ja) 光クロスバスイッチ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20031210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060519

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070316

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070326

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350