JP2003202276A - 機械設備又は機器の異常診断方法 - Google Patents

機械設備又は機器の異常診断方法

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JP2003202276A JP2001371448A JP2001371448A JP2003202276A JP 2003202276 A JP2003202276 A JP 2003202276A JP 2001371448 A JP2001371448 A JP 2001371448A JP 2001371448 A JP2001371448 A JP 2001371448A JP 2003202276 A JP2003202276 A JP 2003202276A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常診断のための計算負荷を軽減するととも
に、異常の有無を精度よく短時間で検出できる異常診断
方法を提供する。 【解決手段】 センサ1で検出された音又は振動を表す
信号は、増幅器2で増幅され、AD変換器でデジタル信
号に変換され、診断用コンピュータ4に入力される。診
断用コンピュータ4は、周波数解析プログラムを内蔵
し、診断を行う。診断は、検出した信号又はそのエンベ
ロープ信号の周波数スペクトルを求め、周波数スペクト
ルから、回転体又は前記回転体関連部材の異常に起因す
る周波数成分のみを抽出し、抽出した周波数成分の大き
さにより、異常を判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動部材を含む機
械設備又は機器の異常診断を行う異常診断方法に関し、
特に、機械設備の摺動部材又は機械設備の摺動部材関連
部材から発生する音又は振動を利用して機械設備の異常
診断を行う機械設備の異常診断方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、機械設備の摺動部材又は機械設備
の摺動部材関連部材から発生する音又は振動を表す信号
を用いた機械設備の異常診断は、音又は振動を表す信号
又はそのエンベロープ信号の周波数スペクトル等の解析
によって行われている。周波数スペクトルの解析による
場合、異常の有無及び異常箇所の判断は、周波数スペク
トルのピークの大きさ及びその周波数により行っている
が、周波数スペクトルレベルの大きい周波数成分から順
に抽出して、異常に起因する周波数であるかどうかの比
較照合を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、周波数分析後
のスペクトルレベルの大きい方から前記機械設備の摺動
部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材に起因する周
波数成分かどうかを比較照合していくため、計算能力の
負荷や時間のロスがあった。ノイズや機械設備の摺動部
材等に起因しない周波数成分のピークの影響が大きい場
合は特にこの傾向が顕著である。また、前記機械設備の
摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材に起因す
る周波数成分のスペクトルレベルのピークが小さい場合
には抽出できなかったり、スペクトルレベルの谷である
にも関わらず、そのレベルが大きいということで抽出さ
れてしまったり、更には摺動部材の動作状態や構造物の
影響などもあって、ノイズの多い音や非定常な音などの
場合では異音部分の的確な選択が困難になったりして、
誤診断の虞もあった。
【0004】また、従来の異常診断方法では、前記機械
設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材の
異常に起因する周波数成分の高調波にノイズが乗ってい
る場合、あるいは、前記摺動部材又は摺動部材関連部材
における回転成分などの周波数成分が重なる場合、更に
は、前記前記摺動部材又は摺動部材関連部材の異常に起
因しない周波数成分の高調波と異常に起因する周波数成
分とが重なる場合は、これらの高調波の影響で、実際に
は前記摺動部材又は摺動部材関連部材等に異常がなくて
も、異常と誤診断する虞があった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決するもので、
異常診断のための計算負荷を低減するとともに、異常の
有無を精度よく短時間で検出できる機械設備又は機器の
異常診断方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
異常診断方法は、機械設備から発生する音又は振動の分
析によって機械設備に使用されている摺動部材における
異常の有無を診断する異常診断方法であって、前記機械
設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材か
らの音又は振動を表す信号を検出し、前記検出した信号
又はそのエンベロープ信号の周波数スペクトルを求め、
前記求めた周波数スペクトルから、前記機械設備の摺動
部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因
する周波数成分のみを抽出し、前記抽出した周波数成分
の大きさにより、前記機械設備に使用されている摺動部
材における異常の有無を診断することを特徴とする。な
お、上記の機械設備は、1又は複数の摺動部材を含み、
これらの摺動部材の摺動によって振動が発生する機械設
備又は機器を意味している。また、摺動部材としては、
例えば、転がり軸受の他に、ボールねじ、リニアガイ
ド、モータ等が該当する。
【0007】本発明の請求項2に係る異常診断方法は、
請求項1記載の異常診断方法において、前記異常の判断
は、前記検出した信号又はそのエンベロープ信号の実効
値に応じて定められる基準値との比較によって行われる
ものである。
【0008】このように構成された機械設備の異常診断
方法においては、軸受から発生する振動のエンベロープ
信号の周波数スペクトルから特定の周波数成分のみを抽
出し、エンベロープ信号の実効値に応じて定められる基
準値と比較するので、周波数分析後のスペクトルレベル
の大きい方から機械設備の摺動部材に起因する周波数成
分かどうかを順に比較照合していく従来方法と比べて、
演算処理量が軽減して、診断処理の迅速化を促進するこ
とができる。また、機械設備の摺動部材に起因する周波
数成分のスペクトルレベルのピークが小さい場合でも抽
出できるので、精度の高い診断が可能になる。
【0009】また、本発明の請求項3に係る異常診断方
法は、機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材
関連部材から発生する音又は振動を検出し、検出した信
号を解析して、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設
備の摺動部材関連部材に起因する異常の有無を診断する
異常診断方法であって、前記機械設備の摺動部材又は前
記機械設備の摺動部材関連部材から発生した音又は振動
のアナログ信号をデジタル変換して実測デジタルデータ
を生成し、生成した実測デジタルデータに対して周波数
分析及びエンベロープ分析等の適宜解析処理を行って実
測周波数スペクトルデータを生成し、生成した実測周波
数スペクトルデータに対して、任意のデータポイント毎
にその直前のデータポイントとのレベル差及び傾きを計
算してピーク値を求め、前記機械設備の摺動部材又は前
記機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因した周波数
成分に対する前記実測周波数スペクトルデータ上のピー
ク値との比較照合により、前記機械設備の摺動部材又は
前記機械設備の摺動部材関連部材に対する異常の有無を
診断する。
【0010】このように構成された機械設備の異常診断
方法においては、軸受使用箇所の音又は振動を検出して
得られた信号を周波数分析又はエンベロープ分析し、こ
れにより得られた実測周波数スペクトルデータに対して
周波数ピークを抽出する場合、実測周波数スペクトルデ
ータに対して、任意のデータポイント毎にその直前のデ
ータポイントとのレベル差及び傾きを計算してピーク値
を求めるので、スペクトルレベルの大きい周波数成分か
ら抽出する場合と比べて、谷を抽出してしまうのを回避
でき、より精度の高い診断が可能になる。
【0011】また、本発明の請求項4に係る異常診断方
法は、機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材
関連部材から発生する音又は振動を検出し、検出した信
号を解析して、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設
備の摺動部材関連部材に起因する異常の有無を診断する
異常診断方法であって、前記機械設備の摺動部材又は前
記機械設備の摺動部材関連部材から発生した音又は振動
のアナログ信号をデジタル変換して実測デジタルデータ
を生成し、生成した実測デジタルデータに対して所望の
時間領域を選択し、選択した時間領域のデータに対して
周波数分析又はエンベロープ分析等の適宜解析処理を行
って実測周波数スペクトルデータを生成し、生成した実
測周波数スペクトルデータに対して任意のデータポイン
ト毎にその直前のデータポイントとのレベル差及び傾き
を計算してピーク値を求め、前記機械設備の摺動部材又
は前記機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因した周
波数成分に対する前記実測周波数スペクトルデータ上の
ピーク値との比較照合により、前記機械設備の摺動部材
又は前記機械設備の摺動部材関連部材に対する異常の有
無の診断を行うことを特徴とする。
【0012】また、本発明の請求項5に係る異常診断方
法は、機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材
関連部材から発生する音又は振動を検出し、検出した信
号を解析して、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設
備の摺動部材関連部材に起因する異常の有無を診断する
異常診断方法であって、前記機械設備の摺動部材又は前
記機械設備の摺動部材関連部材から発生した音又は振動
のアナログ信号をデジタル変換して実測デジタルデータ
を生成し、生成した実測デジタルデータに対して所望の
時間領域を選択し、選択した時間領域のデータに対して
周波数分析又はエンベロープ分析等の適宜解析処理を行
って実測周波数スペクトルデータを生成し、生成した実
測スペクトルデータに対して所望の周波数領域を選択
し、選択した周波数領域をフィルタ帯域と見なしたフィ
ルタ処理を行って新たな実測周波数スペクトルデータを
生成し、生成した実測周波数スペクトルデータに対して
任意のデータポイント毎にその直前のデータポイントと
のレベル差及び傾きを計算してピーク値を求め、前記機
械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材
の異常に起因した周波数成分に対する前記実測周波数ス
ペクトルデータ上のピーク値との比較照合により、前記
機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関連部
材に対する異常の有無の診断を行うことを特徴とする。
【0013】このように請求項4又は5に記載された機
械設備の異常診断方法においては、AD変換後の時間波
形及び周波数分析後のスペクトル波形における任意の波
形範囲に対する解析範囲やフィルタ範囲を、マウスなど
のポインティングデバイス5で選択できるので、簡単な
操作によって高S/N比の信号を抽出することができ、
より精度の高い診断が可能となる。
【0014】本発明の請求項6に係る異常診断方法は、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の異常診断方
法において、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備
の摺動部材関連部材の異常に起因する周波数成分は、前
記機械設備又は機器の異常箇所に対応するものであるこ
とを特徴とする。
【0015】また、本発明の請求項7に係る異常診断方
法は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の異常
診断方法において、前記機械設備の摺動部材又は前記機
械設備の摺動部材関連部材の異常に起因する周波数成分
は、前記機械設備に用いている軸受の異常に起因する周
波数成分であることを特徴とする。
【0016】なお、本発明の請求項8に係る異常診断方
法において、診断処理時の計算負荷の低減や診断の信頼
性向上に有用な判断基準となるピーク値は、前述したよ
うに周波数分析又はエンベロープ分析を済ませた波形に
対して求めるのではなく、まず、機械設備の摺動部材又
は前記機械設備の摺動部材関連部材から発生する音又は
振動を検出し、次いで、検出した音又は振動のアナログ
信号をデジタル変換して実測デジタルデータを生成した
ら、生成した実測デジタルデータに対して、任意のデー
タポイント毎にその直前のデータポイントとのレベル差
及び傾きを計算してピーク値を求めるようにしても良
い。
【0017】また、本発明の請求項9に係る異常診断方
法は、摺動部材を含む機械設備が発生する音又は振動の
分析によって前記機械設備の摺動部材等における異常の
有無を診断する機械設備の異常診断方法であって、前記
機械設備の摺動部材等の発生する音又は振動を表す信号
を検出し、前記検出した信号又はそのエンベロープ信号
の周波数スペクトルである実測周波数スペクトルデータ
を生成し、前記実測周波数スペクトルデータ上の基準レ
ベル以上のピークの表出箇所の周波数が前記摺動部材等
の特定部位の異常に起因したピークが表出する基本周波
数に一致するか否かを調べる基本周波数成分照合処理を
実施し、この基本周波数成分照合処理において、前記実
測周波数スペクトルデータ上の基準レベル以上のピーク
の表出箇所の周波数が前記基本周波数に一致するときに
は、前記実測周波数スペクトルデータ上の前記基本周波
数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピークを持
つ周波数成分の有無を調べる低周波成分照合処理を実施
し、前記低周波成分照合処理において、前記実測周波数
スペクトルデータが前記基本周波数以下の低周波数域で
前記基準レベル以上のピークを持たないときには前記特
定部位に異常有りと診断し、前記低周波成分照合処理に
おいて、前記実測周波数スペクトルデータが前記基本周
波数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピークを
持つときには、更に、基本周波数以下の低周波数域で前
記基準レベル以上のピークを持つ周波数成分の高調波が
基本周波数に一致するか否かを判定する高調波成分照合
処理を実施し、前記高調波成分照合処理において、基本
周波数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピーク
を持つ周波数成分の高調波が基本周波数に一致しないと
きには前記特定部位に異常有りと診断し、一致するとき
には前記特定部位に異常無しと診断することを特徴とす
る。
【0018】なお、上記の機械設備の摺動部材等とは、
前記機械設備の摺動部材と、前記機械設備上において前
記摺動部材に連結されたり、あるいは前記摺動部材の支
持を行う摺動部材関連部材とを含むことを意図してい
る。また、摺動部材としては、例えば、軸受、ボールね
じ、リニアガイド、モータ等が該当する。
【0019】このように構成された機械設備の異常診断
方法においては、実測周波数スペクトルデータ上の基準
レベル以上のピークの表出箇所の周波数が前記摺動部材
等の特定部位の異常に起因してピークが表出する基本周
波数に一致するか否かを調べる基本周波数成分照合処理
を実施する。そして、この基本周波数成分照合処理にお
いて、前記実測周波数スペクトルデータ上の基準レベル
以上のピークの表出箇所の周波数が前記基本周波数に一
致する場合には、直ちに異常とは診断せずに、続いて、
低周波成分照合処理や、高調波成分照合処理を実施す
る。低周波成分照合処理や高調波成分照合処理を実施す
ると、実測周波数スペクトルデータ上の基本周波数箇所
に基準レベル以上のピークが、摺動部材の損傷等の異常
によるものではなく、例えば摺動部材等の回転成分など
の周波数成分の重なりや高調波の影響等の他の要因に起
因するか否かを識別・判定することができる。
【0020】そのため、基本周波数成分照合処理におい
て、前記実測周波数スペクトルデータ上の基準レベル以
上のピークの表出箇所の周波数が前記基本周波数に一致
する場合に、更に、低周波成分照合処理や、高調波成分
照合処理を実施することで、摺動部材等の回転成分など
の周波数成分の重なりや高調波の影響等の他の要因に起
因したピークを、摺動部材等の異常に起因するものと見
なして誤診断を下すことを回避することができ、摺動部
材等に対する異常の有無の診断の信頼性を向上させるこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、転がり軸受で支持された回転体を含む機械設備を対
象とし、使用される転がり軸受の傷の有無を診断する場
合を例に説明する。
【0022】転がり軸受の傷の有無は、軸受から発生す
る振動のエンベロープ信号が特定の周波数成分でピーク
をもつかどうかによって判断できることが知られてい
る。この周波数は、軸受の諸元から計算できるもので、
図3に示されるような傷の個所と周波数の関係が知られ
ている。したがって、軸受から発生する振動のエンベロ
ープ信号の周波数スペクトルから、上記周波数成分のみ
を抽出し、エンベロープ信号の実効値に応じて定められ
る基準値と比較するだけで、軸受の傷の有無を判断でき
る。なお、上記周波数の計算は、診断を行う際に諸元デ
ータの入力を待って行う。同じ設備又は機器の診断を行
う場合は、過去に計算したデータを保持しておき、それ
を読み出して利用してもよい。
【0023】図1は、本発明に係る異常診断方法の第1
の実施の形態を実施するための装置の概略構成である。
本装置は、音又は振動を検出するセンサ1、増幅器2、
AD変換器3、診断用コンピュータ4を含む。センサ1
は、診断対象となる機械設備又は機器の診断箇所近傍の
音又は振動を検出するもので、マイクロホン、振動加速
度センサ等が用いられる。センサ1で検出された信号
は、増幅器2で増幅された後、AD変換器3でデジタル
信号に変換され、診断用コンピュータ4に入力される。
診断用コンピュータ4は、周波数解析プログラムを内蔵
し、異常診断を行うものである。音又は振動データに基
づく異常診断に用いる周波数解析については、各種方法
が周知であるので説明を省略する。本発明は、周波数解
析データに基づく異常の有無及び異常箇所の判断手順を
改良したものである。
【0024】図1の装置を用いて、異常診断を行う場合
のフローを図2に示す。異常診断を行いたいユーザは、
軸受使用箇所の音又は振動データを、センサ1で検出し
(ステップ101)、検出したアナログデータを、AD
変換器3でデジタル化して(ステップ102)、診断用
コンピュータ4に入力する。そして、診断用コンピュー
タ4は所定形式のファイル例えばWAVファイルにする
(ステップ103。以下、ファイル化された音又は振動
データは、単に「デジタルデータ」と記述する。)。な
お、デジタル化は、診断用コンピュータ4に内蔵したA
D変換部(図示略)を用いてもよい。また、センサ1か
らのアナログデータは、直接デジタル化してもよいし、
一旦、磁気テープ等に録音したものを使用してデジタル
化してもよい。
【0025】次いで、診断用コンピュータ4は取り込ま
れたデジタルデータの周波数分析を行って、入力データ
の主たる周波数帯域を判断する(ステップ104)。そ
して、判断した周波数帯域に応じてフィルタの帯域を決
定し(ステップ105)、デジタルデータのフィルタ処
理を行う(ステップ106)。このステップは、入力し
た音または振動データのS/N向上のために行われるも
ので、入力信号のS/Nが充分であれば不用である。
【0026】続いて、エンベロープ処理(ステップ10
7)を実施して得られるエンベロープデータに対して、
周波数分析処理を施す(ステップ108)と共に、その
実効値を計算する(ステップ109)。ステップ109
で得られた実効値は、異常を判断するための基準値の算
出処理(ステップ112)に利用される。基準値は、例
えば、基準値=実効値+α(α:可変)、基準値=実効
値×β(β:可変)等の式によって求める。
【0027】ステップ110では、診断箇所に使用され
た軸受の設計諸元や使用条件に基づいて、図3に示した
演算を行い、軸受の特定箇所での異常時に発生する周波
数成分値を算出する。算出される周波数は、内輪傷、外
輪傷、転動体傷、保持器音に対応するものである。な
お、この周波数成分値の算出は、これより前に行っても
よいし、以前に同様の診断を行っている場合は、そのデ
ータを用いてもよい。また、算出に用いる諸元データ
は、事前に入力しておく。
【0028】次いで、ステップ108で得られた周波数
スペクトルデータから、ステップ110で算出した周波
数成分値に応じて、内輪傷成分Si(Zfi)、外輪傷
成分So(Zfc)、転動体傷成分Sb(2fb)、保
持器成分Sc(fc)を抽出し(ステップ111)、ス
テップ112で算出した基準値と比較する(ステップ1
13)。そして、すべての成分が基準値より小の時は、
軸受に異常なしと判断する(ステップ114)。いずれ
かの成分が基準値より大の時は、その部分に異常ありと
判断し、その旨出力する(ステップ115)。
【0029】次に、異常診断の具体例を示す。例えば、
外輪固定で、内輪が毎分1500回転、アキシアル荷重
9.8Nの運転条件下の単列深溝玉軸受から音を収録し
て得られた実測周波数スペクトル及びエンベロープ処理
した波形は、図4及び図5のように得られる。図4にお
いて、この軸受に起因する周波数成分を抽出し、基準値
(−29.3dB)との大小を比較すると、基準値より
小である。すなわち、基準値を超えている周波数成分
は、軸受に起因するものではないことがわかるため、こ
の軸受には異常がないことと判定できる。一方、図5の
例においては、特定部位である外輪の損傷に起因したZ
fc成分が基準値(−19.5dB)より大であるの
で、この異常音は、外輪傷音であると判断される。な
お、この例では、基準値=実効値+10dBとした。
【0030】同様に、外輪固定で、内輪が毎分2400
回転、アキシアル荷重9.8Nの運転条件下の単列深溝
玉軸受(名番は図4、図5のものと異なる。)の場合
は、例えば図6のように得られる。この軸受に起因する
成分を抽出し、基準値(−12.6dB)と比較する
と、特定部位である保持器損傷に起因したfc成分が基
準値よりも大であり、保持器音の異常であることがわか
る。この例でも、基準値=実効値+10dBとした。
【0031】発生周波数のピークの有無は、軸受に起因
する周波数との一致度及び基準値との大小によって行う
ので、図6のようにピークレベルが小さいような場合で
も、診断が可能であることがわかる。
【0032】このように、本発明の第1の実施の形態に
よる異常診断方法によれば、軸受から発生する振動のエ
ンベロープ信号の周波数スペクトルから特定の周波数成
分のみを抽出し、エンベロープ信号の実効値に応じて定
められる基準値と比較するので、周波数分析後のスペク
トルレベルの大きい方から回転体に起因する周波数成分
かどうかを順に比較照合していく従来方法と比べて、演
算処理量が軽減して、診断処理の迅速化を促進すること
ができる。また、回転体に起因する周波数成分のスペク
トルレベルのピークが小さい場合でも抽出できるので、
精度の高い診断が可能になる。
【0033】なお、以上の説明では、音又は振動のエン
ベロープ信号を用いて、軸受の傷の有無を判断したが、
音又は振動を表す信号を直接用いて、軸受のびびり音の
有無を診断することもできる。
【0034】本発明に係る異常診断方法の第2の実施の
形態を実施するための装置は、上述した第1の実施の形
態の異常診断方法での装置と診断プログラムの内容が異
なるものの、構成は同一であるので、図1を援用するも
のとする。
【0035】本発明に係る第2の実施の形態の異常診断
方法を実施する装置は、センサ1で軸受使用個所の音又
は振動を検出し、検出したアナログ信号を、AD変換器
3でデジタル化して実測デジタルデータを生成し、生成
した実測デジタルデータを診断用コンピュータ4に入力
する。診断用コンピュータ4は、入力された実測デジタ
ルデータに対して周波数分析及びエンベロープ分析等の
適宜解析処理を行って実測周波数スペクトルデータを生
成し、生成した実測周波数スペクトルデータに対して、
任意のデータポイント毎にその直前のデータポイントと
のレベル差及び傾きを計算してピーク値を求める。
【0036】ここで、ピーク値を求めることができる理
由について説明する。実測周波数スペクトルデータはデ
ジタル化されているため、当然ながら各周波数及びスペ
クトルレベルデータは離散的に存在している。このた
め、曲線の式即ち関数は必要なく、各データポイントで
のレベル差を利用することでピーク値を求めることがで
きる。具体的には、図7において、ある周波数成分のレ
ベル(Y 1)とその周波数成分より1データ前のレベル
(Y0)の値との差を算出し、その結果を差データ(δ
=Y1−Y0)として獲得する。
【0037】差データ(δ)の符号が正から負(場合に
よっては零)に変るときが変曲点を示すので、その正負
の基になった差データに関与している周波数データ及び
スペクトルレベルデータがピーク値である。このピーク
値は山が急であろうとなかろうと関係なく算出される。
ところで、診断に必要なピーク値は鋭い波形のみを対象
とするため、さらに周波数データ(x)及びスペクトル
レベルデータ(y)の成す傾きが1を超える時(dy/
dx>1)、もしくは−1より小さい時(dy/dx<
−1)のデータをピーク値と定める。このようにして求
めたピーク値を基に軸受に起因する周波数成分と比較照
合を行うことで、異常の有無とその部位を診断できる。
【0038】図8は、AD変換後のデータを周波数分析
した結果について、スペクトルレベルの大きい周波数成
分からピーク値を抽出する方法を用いてスペクトルレベ
ルの大きい10点を順次抽出した一例である。また、図
9は、この実施の形態のピーク値抽出方法によりスペク
トルレベルの大きい10点を抽出した一例である。図8
に示すように、スペクトルレベルの大きい周波数成分か
らピーク値を順に抽出する方法では、レベルは高いがス
ペクトルの谷の点(値)である140Hz近傍で3点ほ
ど抽出しているのがわかる。
【0039】これに対して、本実施の形態のピーク値抽
出方法では、図9に示すようにピークのみのを抽出し、
スペクトルレベルの大きい10点として、60Hz近傍
のピークを抽出できることがわかる。このピーク値抽出
方法を採用すると、ピークのみを抽出するため、必要な
データがスペクトルの谷の点(値)を抽出することによ
って埋没してしまうのを防ぐことができる。
【0040】このようにして、実測周波数スペクトルデ
ータに対してピーク値を求めた後、軸受の異常に起因し
た周波数成分に対する実測周波数スペクトルデータ上の
ピーク値とを比較照合し、軸受の異常の有無を判断す
る。
【0041】図10は、この第2の実施の形態の異常診
断方法を実施する装置の異常診断を行う場合のフローで
ある。この図において、ステップ101〜ステップ10
7は、図2で説明した内容と同一であるので省略する。
エンベロープ処理(ステップ107)によって得られた
エンベロープデータに対して周波数分析処理を施し(ス
テップ108)、実測周波数スペクトルデータを生成す
る。そして、生成した実測周波数スペクトルデータに対
して、任意のデータポイント毎にその直前のデータポイ
ントとのレベル差及び傾きを計算してピーク値を算出す
る(ステップ201)。
【0042】ステップ202では、診断箇所に使用され
た軸受の設計諸元や使用条件に基づいて、図3に示した
演算を行い、軸受の特定箇所での異常時に発生する周波
数成分値を算出する。算出される周波数は、内輪傷、外
輪傷、転動体傷、保持器音に対応するものである。な
お、この周波数成分値の算出は、これより前に行っても
よいし。以前に同様の診断を行っている場合は、そのデ
ータを用いてもよい。また、算出に用いる諸元データ
は、事前に入力しておく。
【0043】次いで、ステップ108で得られた周波数
スペクトルデータから、ステップ202で算出した周波
数成分値に応じて、内輪傷成分Si(Zfi)、外輪傷
成分So(Zfc)、転動体傷成分Sb(2fb)、保
持器成分Sc(fc)を抽出し(ステップ203)、ス
テップ201で算出したピーク値と比較する(ステップ
204)。そして、すべての成分でピーク値が無けれ
ば、軸受に異常無しと判断する(ステップ205)。い
ずれかの成分でピーク値が有れば、その部分に異常あり
と判断し、その旨出力する(ステップ206)。
【0044】すなわち、内輪傷成分Si(Zfi)に対
してピーク値があれば、内輪に傷等の異常があると判断
する。また、外輪傷成分So(Zfc)に対してピーク
値があれば、外輪に傷等の異常があると判断する。ま
た、転動体傷成分Sb(2fb)に対してピーク値があ
れば、転動体に傷等の異常があると判断する。また、保
持器成分Sc(fc)に対してピーク値があれば、保持
器に傷等の異常があると判断する。また、ピーク値が複
数の周波数成分に対して存在すれば、異常個所が複数あ
ると判断できる。例えば、内輪傷成分Si(Zfi)と
外輪傷成分So(Zfc)それぞれにピーク値があれ
ば、内輪と外輪とのそれぞれに異常があると判断でき
る。
【0045】このように、第2の実施の形態の異常診断
方法によれば、軸受使用箇所の音又は振動を検出して得
られた信号を周波数分析又はエンベロープ分析し、これ
により得られた実測周波数スペクトルデータに対して周
波数ピークを抽出する場合、実測周波数スペクトルデー
タに対して、任意のデータポイント毎にその直前のデー
タポイントとのレベル差及び傾きを計算してピーク値を
求めるので、スペクトルレベルの大きい周波数成分から
抽出する場合と比べて、谷を抽出してしまうのを回避で
き、より精度の高い診断が可能になる。
【0046】なお、本実施の形態においては、回転体か
ら発生する信号を処理するようにしたが、それ以外の粗
さなどの形状信号をデジタル量にAD変換した形態につ
いても適用可能である。また、本実施の形態において
は、周波数分析又はエンベロープ分析後の波形に対して
ピーク値を求めるようにしたが、軸受から発生する音又
は振動を検出して、デジタル変換した実測デジタルデー
タからピーク値の抽出を行うようにしても構わない。
【0047】図11は、本発明の第3の実施の形態の異
常診断方法を実施するための装置の概略構成を示すブロ
ック図である。なお、この図において、図1と共通する
部分には同一の符号を付けている。
【0048】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法
を実施する装置は、センサ1で軸受使用箇所の音又は振
動を検出し、検出したアナログ信号を、AD変換器3で
デジタル化して実測デジタルデータを生成し、生成した
実測デジタルデータを診断用コンピュータ4に入力す
る。診断用コンピュータ4は、マウス等のポインティン
グデバイス5と、ポインティングデバイス5より出力さ
れるX,Y座標データ夫々をデジタル化するAD変換器
6を備えている。
【0049】また、診断用コンピュータ4は、更にグラ
フィカルユーザインターフェース7を備えていて、ユー
ザがポインティングデバイス5を使用して、以下で説明
するように、AD変換後の波形データに基づいた時間領
域波形に対して、所望の時間領域の選択、又はAD変換
後の波形データを周波数分析した波形データに基づいた
周波数領域波形に対して、所望の周波数領域の選択を可
能にしている。AD変換後の波形データやAD変換後の
波形データを周波数分析した波形データは、診断用コン
ピュータ4の図示せぬモニタ装置に表示され、ユーザは
その表示を見ながらポインティングデバイス5を操作し
て所望の時間領域波形又は周波数領域波形を指定する。
【0050】モニタ装置上に視覚表示された波形データ
からユーザがポインティングデバイス5を使用して所望
の周波数領域部を指定すると、診断用コンピュータ4
は、その周波数領域部をフィルタ帯域とみなしたフィル
タ処理を実測デジタルデータに対して行い、モニタ装置
上に視覚表示する。次いで、モニタ装置上に視覚表示さ
れたフィルタ処理後の時間領域波形において、ユーザが
ポインティングデバイス5を使用して所望の時間領域部
を選択すると、その時間領域部のデータに対して周波数
分析又はエンベロープ分析等の適宜解析処理を行って実
測周波数スペクトルデータを生成する。
【0051】実測周波数スペクトルデータを生成した
後、周波数の低い方から各データポイント毎にその直前
のデータポイントとのレベル差及び傾きを計算してピー
ク値を求める。ピーク値を求めた後は、軸受の特定箇所
での異常時に発生する周波数成分に対する実測周波数ス
ペクトルデータ上のピーク値との比較照合を行って軸受
に対する異常の有無の診断を行う。
【0052】ここで、図を参照して具体例について説明
する。図12は、AD変換後の生の信号データ波形図で
ある。この信号データ波形に対して、ユーザがポインテ
ィングデバイス5を使用して、ノイズなどの影響が少な
いと思われる部分をドラッグすることにより所望の時間
領域を選択する。この図で網掛けしている部分が選択部
分(時間領域部)である。時間領域部の選択後、自動的
又は簡単な操作により、選択した範囲の信号データの生
波形が視覚表示される(図13参照)。ここで必要なら
ば、さらに範囲選択を行うこと、あるいは拡大表示も可
能である。この選択した信号データに関してエンベロー
プ処理や周波数分析が自動的又は簡単な操作により行わ
れ、周波数スペクトル(図14参照)及びエンベロープ
周波数スペクトル(図15参照)が視覚表示される。
【0053】そして、この周波数スペクトルに対して、
ユーザがポインティングデバイス5を使用して所望の周
波数領域(図16参照)をドラッグすると、その選択範
囲をフィルタ帯域とするフィルタ処理、包絡線処理、周
波数解析を自動的又は簡単な操作により行われ、周波数
スペクトル(図17参照)及びエンベロープ周波数スペ
クトル(図18参照)が視覚表示される。
【0054】このように、本発明の第3の実施の形態の
異常診断方法によれば、AD変換後の時間波形及び周波
数分析後のスペクトル波形における任意の波形範囲に対
する解析範囲やフィルタ範囲を、マウスなどのポインテ
ィングデバイス5で選択できるので、簡単な操作によっ
て高S/N比の信号を抽出することができ、より精度の
高い診断が可能となる。
【0055】なお、この際にフィルタ処理後の音データ
を聞くこともでき、聴感による判定も可能である。
【0056】図19は、本発明に係る異常診断装置の第
4の実施の形態が実施する異常診断方法の診断処理手順
を示すフローチャートである。装置自体の基本的なハー
ドウエア構成は、図1に示した第1の実施の形態のもの
と同様で良いので、ハードウエア構成についての説明は
省略する。
【0057】この第4の実施の形態による異常診断方法
は、摺動部材を含む機械設備が発生する音又は振動の分
析によって前記機械設備の摺動部材等における異常の有
無を診断する。ここに、機械設備の摺動部材等とは、機
械設備の摺動部材と、機械設備上において前記摺動部材
に連結されたり、あるいは前記摺動部材の支持を行う摺
動部材関連部材とを含むことを意図している。また、摺
動部材としては、例えば、軸受、ボールねじ、リニアガ
イド、モータ等が該当する。
【0058】この第4の実施の形態による異常診断方法
では、まず、機械設備の摺動部材等の発生する音又は振
動を表す信号を検出し、前記検出した信号又はそのエン
ベロープ信号の周波数スペクトルである実測周波数スペ
クトルデータを生成する。その後の処理は、図19に示
す手順で行う。即ち、まず、実測周波数スペクトルデー
タ上の基準レベル以上のピークの表出箇所の周波数が前
記摺動部材等の特定部位の異常に起因してピークが表出
する基本周波数に一致するか否かを調べる基本周波数成
分照合処理を実施し(ステップ301)、この基本周波
数成分照合処理において、前記実測周波数スペクトルデ
ータ上の基準レベル以上のピークの表出箇所の周波数が
前記基本周波数に一致しないときには、異常無しと診断
する(ステップ302)。
【0059】また、ステップ301の基本周波数成分照
合処理において、前記実測周波数スペクトルデータ上の
基準レベル以上のピークの表出箇所の周波数が前記基本
周波数に一致するときには、ステップ303に進んで、
前記実測周波数スペクトルデータ上の前記基本周波数以
下の低周波数域で前記基準レベル以上のピークを持つ周
波数成分の有無を調べる低周波成分照合処理を実施す
る。そして、ステップ303の低周波成分照合処理にお
いて、前記実測周波数スペクトルデータが前記基本周波
数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピークを持
たないときには、前記特定部位に異常有りと診断する
(ステップ304)。
【0060】一方、ステップ303の低周波成分照合処
理において、前記実測周波数スペクトルデータが前記基
本周波数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピー
クを持つときには、ステップ305に進み、基本周波数
以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピークを持つ
周波数成分の高調波が基本周波数に一致するか否かを判
定する高調波成分照合処理を実施する。
【0061】そして、ステップ305の高調波成分照合
処理において、基本周波数以下の低周波数域で前記基準
レベル以上のピークを持つ周波数成分の高調波が基本周
波数に一致しないときには、前記特定部位に異常有りと
診断し(ステップ306)、一致するときには、前記特
定部位に異常無しと診断する(ステップ307)。
【0062】実測周波数スペクトルデータ上のピークレ
ベルが基準レベル超える状況は、摺動部材等に損傷等の
異常が発生している場合だけでなく、機械設備に含まれ
る摺動部材等の回転成分などの周波数成分の重なりや高
調波の影響等の他の要因によっても発生する。そのた
め、基本周波数成分照合処理において、摺動部材等の特
定部位の異常に起因してピークが表出する基本周波数
と、実測周波数スペクトルデータ上のピークとを照合し
て、両者が一致したというだけで異常有りと診断する
と、実際は、基準レベル以上のピークが、上記の他の要
因に起因したもので、摺動部材等には異常が発生してい
ない場合があり、診断の信頼性低下を招く虞がある。
【0063】しかし、本実施の形態のように、基本周波
数成分照合処理で一致が見られた場合に、更に低周波成
分照合処理や高調波成分照合処理を実施すると、実測周
波数スペクトルデータ上の基本周波数箇所に基準レベル
以上のピークが、摺動部材の損傷等の異常によるもので
はなく、例えば摺動部材等の回転成分などの周波数成分
の重なりや高調波の影響等の他の要因に起因するか否か
を識別・判定することができる。そのため、摺動部材等
の回転成分などの周波数成分の重なりや高調波の影響等
の他の要因に起因したピークを摺動部材等の異常に起因
するものと見なして誤診断を下すことを、回避すること
ができ、摺動部材等に対する異常の有無の診断の信頼性
を向上させることができる。
【0064】次に、診断を行う摺動部材の実測周波数ス
ペクトルの波形図と、その波形図に対する本実施の形態
による診断過程を例示して説明する。図20は、摺動部
材としての転がり軸受において、損傷がある軸受の内輪
について図19の診断処理が実施された場合の波形の説
明図である。基本周波数成分照合処理において、内輪損
傷に起因するピークの基本周波数(Zfi:89.9H
z)に基準レベル以上のピ ークが一致していることが
確認される。そのため、低周波成分照合処理が実施され
る。低周波成分照合処理では、基本周波数(Zfi:8
9.9Hz)以下の低周波数域にレベルが 高い成分が
見られないことが確認されるため、基本周波数における
大きなピークの発生は上記の他の要因が原因とは見なさ
れず、ステップ304に進んで、内輪に異常有りと診断
される。
【0065】図21は、摺動部材としての転がり軸受に
おいて、損傷がない軸受の外輪について図19の診断処
理が実施された場合の波形の説明図である。基本周波数
成分照合処理において、外輪損傷に起因するピークの基
本周波数(Zfc:194.7Hz)に基準レベル以上の
ピークが一致していることが確認される。そのため、低
周波成分照合処理が実施される。そして、低周波成分照
合処理では、基本周波数(Zfc:194.7Hz)より
低周波数域 にレベルが高い成分f1(64.5Hz)
が存在することが確認されるため、ステップ305に示
した高調波成分照合処理が実施される。高調波成分照合
処理では、低周波数域の高レベル成分f1(64.5H
z)の高調波が、基本周波数と略一致することが確認さ
れるため、基本周波数における大きなピークの発生は上
記の他の要因が原因と見なされ、ステップ307に進ん
で、外輪には異常なしと診断される。
【0066】図22は、摺動部材としての転がり軸受に
おいて、損傷がある軸受の内輪について図19の診断処
理が実施された場合の波形の説明図である。基本周波数
成分照合処理において、内輪損傷に起因するピークの基
本周波数(Zfi:150.7Hz)に基準レベル以上の
ピークが一致していることが確認される。そのため、低
周波成分照合処理が実施される。低周波成分照合処理で
は、基本周波数(Zfi:150.7Hz)以下の低周波
数域に基準 レベル以上にレベルが高い成分f2(3
0.1Hz)が見られる。そのため、ステップ305に
進んで、高調波成分照合処理が実施される。高調波成分
照合処理では、低周波数域の高レベル成分f2(30.
1Hz)の高調波が、基本周波数と略一致することが確
認されるが、基本周波数のレベルの方が成分f2のレベ
ルよりも大きいため、基本周波数における大きなピーク
の発生は上記の他の要因が原因とは見なされず、ステッ
プ306に進んで、内輪に異常有りと診断される。
【0067】以上のように、基本周波数成分照合処理
に、低周波成分照合処理及び高調波成分照合処理を追加
して、高調波等の他の要因の影響の有無を検討すれば、
より信頼性の高い診断を実現することができる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、回転体
に起因する周波数成分のみで異常診断を行っているの
で、計算負荷が軽減し、解析に要する時間のロスを少な
くすることができる。また、ノイズや回転体に起因しな
い周波数成分のピークの影響を少なくすることができ、
さらに回転体に起因する周波数成分のレベルが小さいと
き(全スペクトルのピークレベルが小さいとき)でも、
確実に該当周波数成分を捕捉するため、より精度の高い
診断が可能となる。
【0069】また、実測データのピーク値のみを抽出す
ることによって、スペクトルの谷の点(値)であるにも
関わらず、スペクトルレベルが高いというだけで抽出さ
れてしまうのを防ぐことができ、より精度の高い診断が
可能となる。
【0070】また、AD変換後の時間波形、及び周波数
分析後のスペクトル波形の範囲を指定することによっ
て、ノイズの多い音や非定常な音などの場合でも異音部
分の的確な選択が可能となり、より精度の高い診断が可
能となる。
【0071】また、低周波成分照合処理や高調波成分照
合処理を実施すると、実測周波数スペクトルデータ上の
基本周波数箇所に基準レベル以上のピークが、摺動部材
の損傷等の異常によるものではなく、例えば摺動部材等
の回転成分などの周波数成分の重なりや高調波の影響等
の他の要因に起因するか否かを識別・判定することがで
きる。そのため、基本周波数成分照合処理において、前
記実測周波数スペクトルデータ上の基準レベル以上のピ
ークの表出箇所の周波数が前記基本周波数に一致する場
合に、更に、低周波成分照合処理や、高調波成分照合処
理を実施することで、摺動部材等の回転成分などの周波
数成分の重なりや高調波の影響等の他の要因に起因した
ピークを、摺動部材等の異常に起因するものと見なして
誤診断を下すことを回避することができ、摺動部材等に
対する異常の有無の診断の信頼性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の異常診断方法を実
施するための装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の装置を用いて異常診断を行う場合のフロ
ー図である。
【図3】転がり軸受における損傷の箇所と周波数の関係
を示す図である。
【図4】エンベロープ処理した波形である。
【図5】エンベロープ処理した他の波形である。
【図6】エンベロープ処理した別の波形である。
【図7】本発明のピーク値算出方法を説明するための図
である。
【図8】周波数スペクトルレベルの大きい周波数成分か
ら順にピーク値を抽出する方法を説明するための図であ
る。
【図9】本発明のピーク値算出方法によるピーク値の抽
出を説明するための図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態の異常診断方法に
より異常診断を行う場合のフロー図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
実施するための装置の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、信号データの生波形図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、信号データの生波形の選択範囲部
分拡大図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、信号データの周波数スペクトルを
示す図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、信号データのエンベロープ周波数
スペクトルを示す図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、信号データの周波数スペクトルと
選択範囲を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、フィルタ処理後の周波数スペクト
ルを示す図である。
【図18】本発明の第3の実施の形態の異常診断方法を
説明するための図で、フィルタ処理後のエンベロープ周
波数スペクトルを示す図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態により異常診断方
法を実施するための診断処理手順を示すフローチャート
である。
【図20】本発明の第4の実施の形態により、損傷があ
る軸受の内輪について診断処理を実施し、内輪損傷に起
因するピークの基本周波数との照合処理において、低周
波数域に基準レベル以上のピークが表出していない場合
の波形の説明図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態により、損傷がな
い軸受の外輪について診断処理を実施し、外輪損傷に起
因するピークの基本周波数との照合処理において、低周
波数の高調波と基本周波数とが一致している場合の波形
の説明図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態により、損傷があ
る軸受の内輪について診断処理を実施し、内輪損傷に起
因するピークの基本周波数との照合処理において、低周
波数の高調波と基本周波数とが一致している場合の波形
の説明図である。
【符号の説明】
1 センサ 2 増幅器 3、6 AD変換器 4 診断用コンピュータ 5 ポインティングデバイス 7 グラフィカルユーザインタフェース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G024 AC01 BA15 CA13 DA09 FA04 2G064 AA17 AB16 AB22 BA02 CC26 CC42 CC52 CC53 DD09 DD12

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械設備から発生する音又は振動の分析
    によって機械設備に使用されている摺動部材における異
    常の有無を診断する異常診断方法であって、 前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関
    連部材からの音又は振動を表す信号を検出し、 前記検出した信号又はそのエンベロープ信号の周波数ス
    ペクトルを求め、 前記求めた周波数スペクトルから、前記機械設備の摺動
    部材又は前記機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因
    する周波数成分のみを抽出し、前記抽出した周波数成分
    の大きさにより、前記機械設備に使用されている摺動部
    材における異常の有無を診断することを特徴とする機械
    設備の異常診断方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の異常診断方法であって、
    前記異常の診断は、前記検出した信号又はそのエンベロ
    ープ信号の実効値に応じて定められる基準値との比較に
    よって行われることを特徴とする機械設備の異常診断方
    法。
  3. 【請求項3】 機械設備の摺動部材又は前記機械設備の
    摺動部材関連部材から発生する音又は振動を検出し、検
    出した信号を解析して、前記機械設備の摺動部材又は前
    記機械設備の摺動部材関連部材に起因する異常の有無を
    診断する異常診断方法であって、 前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関
    連部材から発生した音又は振動のアナログ信号をデジタ
    ル変換して実測デジタルデータを生成し、生成した実測
    デジタルデータに対して周波数分析及びエンベロープ分
    析等の適宜解析処理を行って実測周波数スペクトルデー
    タを生成し、生成した実測周波数スペクトルデータに対
    して、任意のデータポイント毎にその直前のデータポイ
    ントとのレベル差及び傾きを計算してピーク値を求め、
    前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関
    連部材の異常に起因した周波数成分に対する前記実測周
    波数スペクトルデータ上のピーク値との比較照合によ
    り、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部
    材関連部材に対する異常の有無の診断を行うことを特徴
    とする異常診断方法。
  4. 【請求項4】 機械設備の摺動部材又は前記機械設備の
    摺動部材関連部材から発生する音又は振動を検出し、検
    出した信号を解析して、前記機械設備の摺動部材又は前
    記機械設備の摺動部材関連部材に起因する異常の有無を
    診断する異常診断方法であって、 前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関
    連部材から発生した音又は振動のアナログ信号をデジタ
    ル変換して実測デジタルデータを生成し、生成した実測
    デジタルデータに対して所望の時間領域を選択し、選択
    した時間領域のデータに対して周波数分析又はエンベロ
    ープ分析等の適宜解析処理を行って実測周波数スペクト
    ルデータを生成し、生成した実測周波数スペクトルデー
    タに対して任意のデータポイント毎にその直前のデータ
    ポイントとのレベル差及び傾きを計算してピーク値を求
    め、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部
    材関連部材の異常に起因した周波数成分に対する前記実
    測周波数スペクトルデータ上のピーク値との比較照合に
    より、前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動
    部材関連部材に対する異常の有無の診断を行うことを特
    徴とする機械設備の異常診断方法。
  5. 【請求項5】 機械設備の摺動部材又は前記機械設備の
    摺動部材関連部材から発生する音又は振動を検出し、検
    出した信号を解析して、前記機械設備の摺動部材又は前
    記機械設備の摺動部材関連部材に起因する異常の有無を
    診断する異常診断方法であって、 前記機械設備の摺動部材又は前記機械設備の摺動部材関
    連部材から発生した音又は振動のアナログ信号をデジタ
    ル変換して実測デジタルデータを生成し、生成した実測
    デジタルデータに対して所望の時間領域を選択し、選択
    した時間領域のデータに対して周波数分析又はエンベロ
    ープ分析等の適宜解析処理を行って実測周波数スペクト
    ルデータを生成し、生成した実測スペクトルデータに対
    して所望の周波数領域を選択し、選択した周波数領域を
    フィルタ帯域と見なしたフィルタ処理を行って新たな実
    測周波数スペクトルデータを生成し、生成した実測周波
    数スペクトルデータに対して任意のデータポイント毎に
    その直前のデータポイントとのレベル差及び傾きを計算
    してピーク値を求め、前記機械設備の摺動部材又は前記
    機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因した周波数成
    分に対する前記実測周波数スペクトルデータ上のピーク
    値との比較照合により、前記機械設備の摺動部材又は前
    記機械設備の摺動部材関連部材に対する異常の有無の診
    断を行うことを特徴とする機械設備の異常診断方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記
    載の異常診断方法であって、前記機械設備の摺動部材又
    は前記機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因する周
    波数成分は、前記機械設備又は機器の異常箇所に対応す
    るものであることを特徴とする機械設備の異常診断方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれか1項記
    載の異常診断方法であって、前記機械設備の摺動部材又
    は前記機械設備の摺動部材関連部材の異常に起因する周
    波数成分は、前記機械設備に用いている軸受の異常に起
    因する周波数成分であることを特徴とする機械設備の異
    常診断方法。
  8. 【請求項8】 機械設備の摺動部材又は前記機械設備の
    摺動部材関連部材から発生する音又は振動を検出し、検
    出した音又は振動のアナログ信号をデジタル変換して実
    測デジタルデータを生成し、生成した実測デジタルデー
    タに対して、任意のデータポイント毎にその直前のデー
    タポイントとのレベル差及び傾きを計算してピーク値を
    求めることを特徴とするピーク値抽出方法。
  9. 【請求項9】 摺動部材を含む機械設備が発生する音又
    は振動の分析によって前記機械設備の摺動部材等におけ
    る異常の有無を診断する機械設備の異常診断方法であっ
    て、 前記機械設備の摺動部材等の発生する音又は振動を表す
    信号を検出し、前記検出した信号又はそのエンベロープ
    信号の周波数スペクトルである実測周波数スペクトルデ
    ータを生成し、前記実測周波数スペクトルデータ上の基
    準レベル以上のピークの表出箇所の周波数が前記摺動部
    材等の特定部位の異常に起因したピークが表出する基本
    周波数に一致するか否かを調べる基本周波数成分照合処
    理を実施し、この基本周波数成分照合処理において、前
    記実測周波数スペクトルデータ上の基準レベル以上のピ
    ークの表出箇所の周波数が前記基本周波数に一致しない
    ときには異常無しと診断し、 前記実測周波数スペクトルデータ上の基準レベル以上の
    ピークの表出箇所の周波数が前記基本周波数に一致する
    ときには、前記実測周波数スペクトルデータ上の前記基
    本周波数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピー
    クを持つ周波数成分の有無を調べる低周波成分照合処理
    を実施し、 前記低周波成分照合処理において、前記実測周波数スペ
    クトルデータが前記基本周波数以下の低周波数域で前記
    基準レベル以上のピークを持たないときには前記特定部
    位に異常有りと診断し、 前記低周波成分照合処理において、前記実測周波数スペ
    クトルデータが前記基本周波数以下の低周波数域で前記
    基準レベル以上のピークを持つときには、更に、基本周
    波数以下の低周波数域で前記基準レベル以上のピークを
    持つ周波数成分の高調波が基本周波数に一致するか否か
    を判定する高調波成分照合処理を実施し、 前記高調波成分照合処理において、基本周波数以下の低
    周波数域で前記基準レベル以上のピークを持つ周波数成
    分の高調波が基本周波数に一致しないときには前記特定
    部位に異常有りと診断し、一致するときには前記特定部
    位に異常無しと診断することを特徴とする機械設備の異
    常診断方法。
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