JP2003201187A - 酸化珪素からなる多孔体及びその製造方法 - Google Patents

酸化珪素からなる多孔体及びその製造方法

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JP2003201187A
JP2003201187A JP2001397964A JP2001397964A JP2003201187A JP 2003201187 A JP2003201187 A JP 2003201187A JP 2001397964 A JP2001397964 A JP 2001397964A JP 2001397964 A JP2001397964 A JP 2001397964A JP 2003201187 A JP2003201187 A JP 2003201187A
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Atsushi Sato
厚志 佐藤
Osamu Itoi
修 糸井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度が強く、フィルター用、触媒担体
用、吸収材用、吸着剤用、断熱材用、吸音体用、色鉛筆
芯用、化粧鉛筆芯用等に有用な酸化珪素からなる多孔
体、並びに所定の形状となる酸化珪素からなる多孔体を
容易に製造することができる酸化珪素からなる多孔体の
製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくともシリコーンゴム10重量%含
む組成物を焼成処理することによって得られることを特
徴とする酸化珪素からなる多孔体。用いるシリコーンゴ
ムとしては、例えば、熱加硫型シリコーンゴム、液状シ
リコーンゴムから選ばれる少なくとも1種が挙げられ
る。また、製造方法は、少なくともシリコーンゴム10
重量%含む組成物を所定形状に成形後、該成形物を酸化
雰囲気下及び/又は非酸化雰囲気下で温度300〜14
00℃で焼成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化珪素からなる
多孔体及びその製造方法に関し、機械的強度が強く、フ
ィルター用、触媒担体用、吸収材用、吸着剤用、断熱材
用、吸音体用、色鉛筆芯用、化粧鉛筆芯用等に有用な酸
化珪素からなる多孔体、並びに所定の形状となる酸化珪
素からなる多孔体を容易に製造することができる酸化珪
素からなる多孔体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、酸化珪素からなる多孔体は、他
のものを汚染しにくく、熱的、化学的にも安定な材料で
あり、さらに表面は水や有機物に対する高い吸着作用、
酸化触媒作用等の特異な性質を有しており、各種フィル
ター、吸着剤等の各種用途に用いられている。また、酸
化珪素からなる多孔体は、良好な機械的強度を持つこと
より、触媒担体等の構造形成材としても用いられてい
る。
【0003】従来における酸化珪素からなる多孔体の製
造方法としては、例えば、珪酸ソーダ溶液を酸あるいは
他の沈殿剤で処理して珪藻土質セラミック多孔体として
得る方法、シリカ粉体に硼酸や水ガラスを添加して混練
して、成形・焼成する方法、又はエチルシリケート等の
珪酸エステルを加水分解して得られるシリカゲルの成形
体を脱水焼成して得る方法等が知られている。
【0004】しかしながら、従来の酸化珪素からなる多
孔体の製造方法のうち、粒状シリカゲルや珪藻土質セラ
ミック多孔体の製造方法、並びに、硼酸や水ガラスを用
いる酸化珪素からなる多孔体の製造方法等は、比較的容
易に酸化珪素からなる多孔体を得ることができるもの
の、不純物の混入の問題や成形体の成形性等に課題を有
している。また、高純度の酸化珪素粉体のみを成形し、
焼成して焼結体を得ようとした場合、水や有機物バイン
ダーを添加して成形されるため、通常の結晶質セラミッ
クスのような表面張力による焼成機構がほとんど働か
ず、実際に焼結が進行する温度では酸化珪素粉体粒子自
体が軟化流動してしまう等の課題を生じ、気孔率等の制
御が困難であったり、変形が著しくなる等の課題を有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、様
々な形状の酸化珪素からなる多孔体を容易に形成するこ
とができ、かつ、優れた造形性、保形性、均質性を持っ
た酸化珪素からなる多孔体及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
の課題等について鋭意検討した結果、酸化珪素からなる
多孔体となる原料を市販されている無機材料、ゴム材料
及びこれらの製品などからスクリーニングし、製造性、
成形性、要求特性などを勘案した結果、シリコーンゴム
を焼成することにより、目的の酸化珪素からなる多孔体
及びその製造方法が得られることを見い出し、本発明を
完成するに至ったのである。すなわち、本発明は、次の
(1)〜(3)に存する。 (1) 少なくともシリコーンゴム10重量%含む組成物を
焼成処理することによって得られることを特徴とする酸
化珪素からなる多孔体。 (2) シリコーンゴムが熱加硫型シリコーンゴム、液状シ
リコーンゴムから選ばれる少なくとも1種である上記
(1)記載の酸化珪素からなる多孔体。 (3) 少なくともシリコーンゴム10重量%含む組成物を
所定形状に成形後、該成形物を酸化雰囲気下及び/又は
非酸化雰囲気下で温度300〜1400℃で焼成するこ
とを特徴とする酸化珪素からなる多孔体の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。本発明の酸化珪素からなる多孔体
は、少なくともシリコーンゴム10重量%含む組成物を
焼成処理することによって得られることを特徴とするも
のであり、また、本発明の酸化珪素からなる多孔体の製
造方法は、少なくともシリコーンゴム10重量%含む組
成物を所定形状に成形後、該成形物を酸化雰囲気下及び
/又は非酸化雰囲気下で温度300〜1400℃で焼成
することを特徴とするものである。なお、以下において
「本発明」というときは、本発明の酸化珪素からなる多
孔体及びその製造方法の両方を含む場合をいう。
【0008】本発明に用いるシリコーンゴムは、酸化珪
素からなる多孔体の原料となるものである。用いること
ができるシリコーンゴムとしては、熱加硫型シリコーン
ゴム、液状シリコーンゴムのいずれも用いることがで
き、これらは単独で、または、2種以上以上を混合して
用いることも可能であり、目的とする成形体の形状や成
形方法によって適宜選択することができる。
【0009】本発明で用いることができる熱加硫型シリ
コーンゴムとしては、一般的に熱加硫型シリコーンゴム
に分類されているものであればいずれも使用することが
でき、例えば、高重合度ポリオルガノシロキサン(シリ
コーン生ゴム)に、乾式シリカや湿式シリカ等の補強充
填剤、珪藻士や石英粉末等の増量充填剤、比較的分子量
の低いポリオルガノシロキサン等の可塑剤、その他添加
剤等を加え混練されたものを使用することができるが、
必ずしもこれに限定されるものではない。具体的には、
市販のKE1551−U、KE1571−U、KE15
1−U、KE171−U、KE153−U、KE164
−U、KE174−U、KE1261−U、KE904
F−U(以上、いずれも信越シリコーン社製)、YE3
465U、TSE2571−5U、TSE2571−7
U、XE20−853U、XE20−A0784、TS
E2323−5U、TSE2323−6U、TSE23
23−7U、TSE2181U、TSE2183U、T
SE2184U(以上、いずれもGE東芝シリコーン社
製)等を用いることができる。
【0010】また、成形条件、成形体の形状や成形方法
によっては、通常用いられる有機過酸化物をペースト状
に希釈した加硫剤等をさらに添加することができる。加
硫剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、
2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ター
シャリブチルパーオキシ)ヘキサン、パラクロロベンゾ
イルパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサイ
ド、ターシャリブチルパーベンゾエート等が挙げられ、
これらは成形条件等を考慮して適宜選択することができ
るが、必ずしもこれに限定されるものではない。具体的
には、市販のC−1、C−3、C−4、C−8、C−8
A、C−8B、C−10、C−15、C−16、C−1
7、C−23、C−25A/C−25B(以上、いずれ
も信越シリコーン社製)、TC−1、TC−3、TC−
4、TC−8、TC−9、TC−12、TC−23A、
TC−23B、TC−25A、TC−25B(以上、い
ずれもGE東芝シリコーン社製)等を用いることができ
る。
【0011】本発明で用いることができる液状シリコー
ンゴムとしては、一般的に液状シリコーンゴムに分類さ
れているもの、若しくは、硬化前のシリコーンゴムの状
態が液状であるもの(低温硬化型、室温硬化型)であれ
ばいずれも使用することができ、前者としては、例え
ば、ポリジメチルシロキサン等のポリマー、シリカ等の
補強又は増量無機充填剤、架橋を可能にするための架橋
剤及び触媒等から構成されるタイプ、具体的には、ビニ
ル基末端を有するポリジメチルシロキサン(A液)に珪
素原子結合水素原子を有するポリジメチルシロキサン
(B液)との付加反応により硬化が進むタイプ等を用い
ることができるが、必ずしもこれに限定されるものでは
ない。具体的には、市販のKE1950−10(A・
B)、KE2000−20(A・B)、KE−1971
−60(A・B)、KE1990−40(A・B)、K
E1935(A・B)、KE1987(A・B)(以
上、いずれも信越シリコーン社製)、TSE3221、
TSE322SX、TSE3212、TSE3940、
TSE3941、TSE3945、TSE3941M、
TSE384−B、TSE3840−G、TSE384
3−W、XE16−508、XE16−610、TSE
3925、TSE3976−B、XE11−A158
4、YE5505、YE5942、YE5842K(以
上、いずれもGE東芝シリコーン社製)等を用いること
ができる。
【0012】また、後者のうち低温硬化型としては、一
般的に低温硬化型に分類されているものであればいずれ
も使用することができ、1液型であっても2液型であっ
ても使用することができる。2液型の低温硬化型として
は、例えば、主剤(A液)と硬化剤(B液)とから構成
され、具体的には、主剤(A液)としては、一般には末
端にビニル基を持ったポリジオルガノシロキサン(ベー
スポリマー)及び白金化合物等の硬化触媒とからなり、
硬化剤(B液)としては、主として珪素原子結合水素原
子を持つポリオルガノシロキサン等の架橋剤からなるも
のが挙げられるが、場合によってはB液には更にべース
ポリマーが添加されたものを使用することもできる。更
にまた、必要に応じて2液の両方ないしは何れかに補
強、増量等のための充填剤やその他添加剤を加えたもの
であっても良い。一方、1液型の低温硬化型としては、
例えば、2液型のA液、B液(又は主剤と硬化剤)の各
成分が最初から全量混合されているものであり、硬化遅
延剤等の反応制御剤を添加して硬化を制御したものを使
用することができる。具体的には、市販のKE42、K
E42S、KE420、FE123、KE45、KE4
41、KE45S、KE4525、KE402、KE4
560、KE4576、KE4588、KE348、K
E3475、KE3490、KE3491、KE349
3、KE3494、KE4898、KE4890、KE
4866、KE4805、KE1830(以上、いずれ
も信越シリコーン社製)等を用いることができる。
【0013】更にまた、室温硬化型としては、一般的に
室温硬化型に分類されているものであれば、いずれも使
用することができ、1成分形であっても2成分形であっ
ても、さらにこれらが各々縮合反応型であっても付加反
応型であっても使用することができる。1成分形の室温
硬化型シリコーンゴムとしては、例えば、反応性ポリシ
ロキサン、シリカ等の充填剤、加水分解可能な基(アセ
トキシ基、アルコキシ基、ケトキシム基等)を有する多
官能シラン化合物等の架橋剤、硬化触媒、その他添加剤
等からなるもので、空気中の湿気で硬化反応が起こるタ
イプを使用することができる。一方、2成分形の室温硬
化型シリコーンゴムとしては、例えば、末端に官能基を
もったポリジオルガノシロキサン(ベースポリマー)と
3官能以上のシラン又はシロキサン等の架橋剤からなる
主剤と硬化触媒等からなる硬化剤を使用前に一定の割合
で混合して使用するタイプを用いることができる。具体
的には、市販のKE119、KE1091、KE120
6、KE66、KE66SE、KE103、KE109
(A・B)、KE109E(A・B)、KE1051
(A・B)、KE1204(A・B)、KE10、KE
12、KE17、KE20、KE111、KE130
0、KE1603(A・B)(以上、いずれも信越シリ
コーン社製)、TSE3453、TSE3455T、T
SE3456T、TSE3457T、YE5630、T
SE3475T、TSE3477T、TSE3450、
YE5626、TSE3466、TSE3402(以
上、いずれもGE東芝シリコーン社製)等を用いること
ができる。
【0014】本発明の組成物におけるシリコーンゴムの
含有量としては、組成物全量に対して、少なくとも10
重量%以上であることが必要である。シリコーンゴムの
含有量が10重量%未満では、成形時の造形性や均質性
等が著しく損なわれ、一定形状の成形体を得ることが難
しくなり、また該成形体の強度も著しく弱いものとな
り、好ましくない。本発明の組成物におけるシリコーン
ゴムの含有量は、組成物全量に対して、少なくとも10
重量%以上、すなわち、10〜100重量%であれば、
目的の酸化珪素からなる多孔体が得られるものである。
なお、酸化珪素からなる多孔体の用途、各種特性付与の
ため、後述する添加物を含有せしめることが望ましく、
これらの添加物を含有せしめる場合は、適宜シリコーン
ゴムの含有量を調整することができるものである。これ
らの場合のシリコーンゴムの含有量は、多孔体の用途、
各種特性付与の相違により、一概には規定できないが、
好ましくは、20〜90重量%、特に好ましくは、30
〜60重量%とすることが望ましい。
【0015】本発明の組成物には、成形時における成形
性、造形性、離型性、可塑性等の付与や、酸化珪素から
なる多孔体の高強度化、気孔径制御、気孔容積制御、構
造形成、増量、潤滑性、摩耗性、触媒機能等の各種特性
付与のために、シリコーンゴム以外の添加物を適宜添加
することができる。例えば、構造形成や高強度化のため
の湿式シリカ、乾式シリカ、アルミナ等の無機材料、気
孔径や気孔容積の制御のためのポリメチルメタクリレー
ト等の有機物の粒子やポリ塩化ビニル等の有機樹脂、ア
ゾイソブチロニトリル等のシリコーンゴム用発泡剤等、
構造形成や増量のための炭酸カルシウムやタルク等の無
機材料、潤滑や摩耗性付与のための窒化硼素等、触媒機
能等付与のための白金等金属類や酸化チタン等の金属化
合物類、その他各種材料等を添加することができるが、
必ずしもこれらに限定されるものではない。これらの添
加物は、成形方法、成形条件、焼成条件、酸化珪素から
なる多孔体に求められる性能等を総合的に考慮して決定
されるものである。
【0016】本発明におけるシリコーンゴムを含む組成
物の成形方法としては、シリコーンゴムの成形方法とし
て一般的に用いられているいずれの方法を用いることも
できる。成形方法としては、成形体の形状と用いるシリ
コーンゴム種によって適宜最適なものが選択される。例
えば、熱加硫型シリコーンゴムの成形方法としては、圧
縮成形、射出成形、トランスファー成形、押出成形、カ
レンダー成形、コーティング成形、巻きむし成形、スポ
ンジ成形等の成形方法を用いることができ、液状シリコ
ーンゴムの成形方法としては、射出成形、圧縮成形、押
出成形等を用いることができ、低温硬化型シリコーンゴ
ム、室温硬化型シリコーンゴムとしては、この他キャス
ティング等を用いることができる。
【0017】上記のように、本発明におけるシリコーン
ゴムを含む組成物の成形体は、シリコーンゴムの成形に
用いられているいずれの方法を用いても成形することが
可能であり、目的とする形状、例えば、フィルター用、
触媒担体用、吸収材用、吸着剤用、断熱材用、吸音体
用、色鉛筆芯用、化粧鉛筆芯用等の用途毎の形状に合わ
せてシリコーンゴム種、成形方法を適宜選択することが
できるため、複雑な形状であってもシリコーンゴムの成
形と同様に行うことで、極めて容易に、かつ成形性の良
い成形体を形成することができる。
【0018】本発明における酸化珪素からなる多孔体
は、上記のシリコーンゴムを含む組成物の成形体を酸化
雰囲気下及び/又は非酸化雰囲気下で温度300〜14
00℃で焼成することによって得られる。一般に、シリ
コーンゴムはその構造にシロキサン骨格を有しており、
さらに側鎖にはメチル基等の有機官能基を持っている。
すなわち、シリコーンゴムは元々酸化珪素の骨格である
−O−Si−O−骨格を有しているため、焼成すること
により比較的簡単に酸化珪素を形成することができる。
また、側鎖の有機官能基は焼成段階で分解、焼成してい
き、これらの除去に伴って細孔が生成するため、酸化珪
素からなる多孔体を容易に得ることができる。
【0019】シリコーンゴムを含む組成物の成形体の焼
成としては、酸化雰囲気下では300℃以上の温度で、
好ましくは、360〜1100℃で、また、非酸化雰囲
気下では500℃以上の温度で、好ましくは、600〜
1400℃の温度で焼成することが好ましい。シリコー
ンゴムの耐熱性は、有機合成ゴムと比べても高く、一般
的に260℃程度まで耐熱性を有している。従つて、酸
化雰囲気での焼成を300℃未満の低い温度で、また、
非酸化雰囲気下での焼成を500℃未満の低い温度で行
うと、側鎖の有機官能基を十分に分解、燃焼することが
できず、酸化珪素が十分に生成せず、多孔体としての強
度を十分に発揮できないこととなる。更に、酸化雰囲気
下で1400℃、並びに、非酸化雰囲気下で1400℃
を越える温度で焼成すると、結晶構造の変化により成形
体の形状の変化が生じ、また、多孔体の強度が低下して
くることとなり、好ましくない。
【0020】また、焼成に際しては、シリコーンゴム以
外の添加物の熱的特性等にも十分に配慮する必要があ
る。例えば、窒化硼素等を添加した場合には、700℃
を超えた温度で酸化雰囲気下で焼成することで徐々に酸
化硼素に変わってしまうため、700℃以上では窒素雰
囲気下で焼成しなければ、要求される性質が失われてし
まうといったことがある。更に、光触媒作用を有する酸
化チタンを添加した場合には、焼成温度によってアナタ
ーゼ型からルチル型に結晶構造が変わってしまい、光触
媒効果が低下してしまうため、触媒効果の低下が生じな
い温度域での焼成が必要である。
【0021】以上のように、本発明による酸化珪素から
なる多孔体は、シリコーンゴムに用いられている成形方
法を用いて成形体を形成することができるため、サイズ
の小さいもの、複雑な形状を有するものであっても、非
常に精度、成形性、造形性、均質性の優れたシリコーン
ゴム含有組成物の成形体として得ることができ、該成形
体を焼成することにより、従来の方法では簡単に得るこ
とができなかった複雑な形状を有する酸化珪素からなる
多孔体であっても、容易に形成することができるものと
なる。更に、シリコーンゴム含有組成物に各種添加剤を
添加することにより、各種性能を有する、複雑な形状の
酸化珪素からなる多孔体を容易に得ることができる。得
られる酸化珪素からなる多孔体は、フィルター用、触媒
担体用、吸収材用、吸着剤用、断熱材用、吸音体用、色
鉛筆芯用、化粧鉛筆芯用等の幅広い用途に有用な各種性
能を有するものとなる。
【0022】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって何
等限定されるものではない。
【0023】 (実施例1) 配合組成物: 熱加硫型シリコーンゴム 50.0重量部 〔KE1261−U(信越シリコーン社製)〕 窒化ホウ素 50.0重量部 加硫剤〔C−23(信越シリコーン社製)〕 1.5重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで混練した後、この混練物を直径4mmの細線状に押
出成形し、酸化雰囲気で700℃まで昇温して焼成し、
更に窒素雰囲気中で1100℃まで昇温して焼成した。
【0024】 (実施例2) 配合組成物: 室温硬化型シリコーンゴム 50.0重量部 〔KE1300(信越シリコーン社製)〕 酸化チタン 50.0重量部 硬化剤〔CAT−1300(信越シリコーン社製)〕 5.0重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで混練した後、この混練物を直径4mmの細線状に押
出成形し、酸化雰囲気で700℃まで昇温して焼成し、
更に窒素雰囲気中で1100℃まで昇温して焼成した。
【0025】 (実施例3) 配合組成物: 室温硬化型シリコーンゴム 50.0重量部 〔KE12(信越シリコーン社製)〕 窒化ホウ素 50.0重量部 硬化剤〔CAT−RM(信越シリコーン社製)〕 0.3重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで混練した後、この混練物を直径4mmの細線状に押
出成形し、酸化雰囲気で700℃まで昇温して焼成し、
更に窒素雰囲気中で1100℃まで昇温して焼成した。
【0026】 (実施例4) 配合組成物: 室温硬化型シリコーンゴム 50.0重量部 〔KE1300(信越シリコーン社製)〕 窒化ホウ素 50.0重量部 硬化剤〔CAT−1300(信越シリコーン社製)〕 5.0重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで分散した後、この分散液を1辺の長さが5mmの星
型の金型に注入し、直後に減圧して脱気した後、80℃
で硬化させて型から取り出した後、酸化雰囲気で700
℃まで昇温して焼成し、更に窒素雰囲気中で1100℃
まで昇温して焼成した。
【0027】 (実施例5) 配合組成物: 室温硬化型シリコーンゴム 50.0重量部 〔KE12(信越シリコーン社製)〕 酸化チタン 50.0重量部 硬化剤〔CAT−RM(信越シリコーン社製)〕 0.3重量部 RTVシンナー(信越シリコーン社製) 50.0重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで分散した後、この分散液を1辺の長さが5mmの星
型の金型に注入し、直後に減圧して脱気した後、80℃
で硬化させて型から取り出した後、酸化雰囲気で700
℃まで昇温して焼成し、更に窒素雰囲気中で1100℃
まで昇温して焼成した。
【0028】 (比較例1) 配合組成物: 熱加硫型シリコーンゴム 9.0重量部 〔KE1261−U(信越シリコーン社製)〕 窒化ホウ素 91.0重量部 加硫剤〔C−23(信越シリコーン社製)〕 1.5重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで混練した後、この混練物を直径4mmの細線状に押
出成形した。
【0029】 (比較例2) 配合組成物: 室温硬化型シリコーンゴム 8.0重量部 〔KE1300(信越シリコーン社製)〕 酸化チタン 92.0重量部 硬化剤〔CAT−1300(信越シリコーン社製)〕 0.8重量部 RTVシンナー(信越シリコーン社製) 50.0重量部 上記配合組成物を2本ロールで混合し、さらに3本ロー
ルで分散した後、この分散液を1辺の長さが5mmの星
型の金型に注入し、直後に減圧して脱気した後、80℃
で硬化させて型から取り出した。
【0030】上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得ら
れた酸化珪素からなる多孔体の焼成前の寸法及び焼成後
の寸法を測定し、成形性と成形体の収縮について評価し
た。また、実施例1〜3及び比較例1については、得ら
れた細線状の成形体を用いて、3点式曲げ強度(MP
a)も測定し、評価を行った。これらの結果を下記表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1の結果から明らかなように、本発
明範囲の実施例1〜5の酸化珪素からなる多孔体は、焼
成前と焼成後で、その寸法に変化がほとんど無く、混練
後の成形体の形状を精度良く保ったまま、得られること
が判った。更に、クラック等の発生もなく、均一な酸化
珪素からなる多孔体が得られた。なお、実施例1〜3の
酸化珪素からなる多孔体は、色鉛筆芯用の芯体等として
有用なものであることが判った。一方、本発明の範囲外
となる比較例1及び2は、2本ロールでの混合段階から
ボソボソの状態で、成形体としての形態を維持すること
すらできなかった。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともシリコーン
ゴム10重量%含む組成物を焼成処理することによって
得られる酸化珪素からなる多孔体と、少なくともシリコ
ーンゴム10重量%含む組成物を所定形状に成形後、該
成形物を酸化雰囲気下及び/又は非酸化雰囲気下で温度
300〜1400℃で焼成することを特徴とする酸化珪
素からなる多孔体の製造方法により、様々な形状の酸化
珪素からなる多孔体を容易に形成することができ、か
つ、優れた造形性、保形性、均質牲を持った酸化珪素か
らなる多孔体及びその製造方法が提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともシリコーンゴム10重量%含
    む組成物を焼成処理することによって得られることを特
    徴とする酸化珪素からなる多孔体。
  2. 【請求項2】 シリコーンゴムが熱加硫型シリコーンゴ
    ム、液状シリコーンゴムから選ばれる少なくとも1種で
    ある請求項1記載の酸化珪素からなる多孔体。
  3. 【請求項3】 少なくともシリコーンゴム10重量%含
    む組成物を所定形状に成形後、該成形物を酸化雰囲気下
    及び/又は非酸化雰囲気下で温度300〜1400℃で
    焼成することを特徴とする酸化珪素からなる多孔体の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008074677A (ja) * 2006-09-22 2008-04-03 Nano Fusion Technologies Inc 電気浸透材及びその製造方法と電気浸透流ポンプ
JP2008081397A (ja) * 2006-09-01 2008-04-10 Shin Etsu Chem Co Ltd 無機成形体の製造方法、及び該方法により得られる無機成形体
KR100872766B1 (ko) 2008-06-12 2008-12-08 최기면 방화용 실리콘 조성물 및 이러한 방화용 실리콘 조성물을포함하는 가스켓의 제조방법

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