JP2003201143A - 光学ガラス、プレス成形用プリフォームおよび光学部品 - Google Patents

光学ガラス、プレス成形用プリフォームおよび光学部品

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JP2003201143A JP2002289125A JP2002289125A JP2003201143A JP 2003201143 A JP2003201143 A JP 2003201143A JP 2002289125 A JP2002289125 A JP 2002289125A JP 2002289125 A JP2002289125 A JP 2002289125A JP 2003201143 A JP2003201143 A JP 2003201143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温成形性に優れ、精密プレス成形に好適な
プレス成形プリフォームを与えることができる高屈折率
・低分散特性を有する光学ガラスを提供する。 【解決手段】 必須成分として、B23 25〜45モ
ル%、SiO2 2〜20モル%、La23 5〜22
モル%、Gd23 2〜20モル%、ZnO 15〜2
9モル%、Li2O 1〜10モル%およびZrO2
0.5〜8モル%を含むと共に、B23/SiO2モル
比が2〜5.5、La23とGd23との合計含有量が
12〜24モル%およびZnOとLi2Oとの合計含有
量が25〜30モル%であり、かつ屈折率(nd)が
1.75〜1.85で、アッベ数(νd)が40〜55
である光学ガラス、並びに必須成分として、B23、S
iO2、La23、Gd23、ZnO、Li2OおよびZ
rO2を含み、かつ液相温度における粘度が6dPa・
s以上、ガラス転移温度(Tg)が600℃以下、屈折
率(nd)が1.75〜1.85およびアッベ数(ν
d)が40〜55である光学ガラスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス、プレ
ス成形用プリフォーム、その製造方法、光学部品および
光学部品の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、B23−SiO2−La23−Gd23−ZnO−
Li2O系組成を有し、プレス成形用プリフォーム、プ
リフォームの熱間成形が可能な粘性特性を持ち、屈折率
(nd)が1.75〜1.85、アッべ数(νd)が4
0〜55の範囲の光学恒数を有し、かつ低転移温度を付
与したモールドプレス成形に有用な光学ガラス、この光
学ガラスからなるプレス成形用プリフォーム、該プリフ
ォームを効率よく製造する方法、前記光学ガラスからな
る光学部品、および前記プレス成形用プリフォームを用
いる光学部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルカメラの登場により光学
系を使用する機器の高集積化、高機能化が急速に進めら
れる中で、光学系に対する高精度化、軽量・小型化の要
求もますます強まっており、この要求を実現するため
に、非球面レンズを使用した光学設計が主流となりつつ
ある。このため、高機能性ガラスを使用した非球面レン
ズを低コストで大量に安定供給するために、プレス成形
で直接に光学面を形成し、研削・研磨工程を必要としな
いモールド成形技術が注目され、高機能性(例えば、高
屈折率・低分散; 高屈折率・高分散)を有するモール
ド成形に適した光学ガラスに対する要求が年々増加して
いる。
【0003】従来、高屈折率(nd≧1.75)、低分
散(νd≧40)の光学恒数を有する光学ガラスとして
は、B23、La23などを必須成分とするガラスが知
られている。しかしながら、これらはいずれも化学的耐
久性や耐熱失透性や熱間成形性の向上に重点がおかれて
おり、熱間プレス成形に必要となるガラスゴブプリフォ
ームの高温成形性については、十分の配慮がなされてお
らず、特に屈折率nd≧1.75、νd≧45のような
高屈折率・低分散光学ガラスはゴブプリフォームの成形
に適したものが未だなく、精密プレスによる非球面レン
ズの量産化の障害となっている。これらは、一般にガラ
スが高い液相温度または低い高温粘性をもつため、ゴブ
プリフォームの高温成形性の悪化を招き、高精度のゴブ
プリフォームを作製することが困難であるためである。
【0004】ガラスの精密プレス成形は、所定形状のキ
ャビティを有する成形型を用いてガラス成形予備体(ゴ
ブプリフォーム)を高温下で加圧成形することにより、
最終製品形状またはそれに極めて近い形状及び面精度を
有するガラス成形品を得る手法であり、当該精密プレス
成形によれば所望形状の成形品を高い生産性の下に製造
することが可能である。このため、現在では球面レン
ズ、非球面レンズ、回折格子など、種々の光学ガラス部
品が精密プレス成形によって製造されている。当然、精
密プレス成形により光学ガラス部品を得るためには、上
記のようにガラス成形予備体を高温下で加圧成形するこ
とが必要であるので、プレスに使用される成形型は高温
に曝され、かつ高い圧力が加えられる。このため、ガラ
ス成形用ゴブプリフォームについては、プレス成形の高
温環境によって成形型自体や当該成形型の内側表面に設
けられている離型膜の損傷を抑制するという観点から、
ガラスの転移温度(Tg)及び屈伏点温度(Ts)をな
るべく低くすることが望まれている。また、精密プレス
成形するためのガラス予備体を熱間成形にて製造する場
合、液相温度(LT)が高いと失透しやすくなり、量産
性に欠けるため、LTをなるべく低くしたほうが望まし
い。さらに、このような精密プレス用予備体を熱間成形
により精密かつ均一的に製造するためには、ガラスの液
相温度における高温粘性が6dPa・s以上になること
が必要である。
【0005】従来の光学ガラス、特に精密プレス成形用
光学ガラスは、屈折率(nd)>1.75、アッベ数(ν
d)>40となるとその液相温度が1000℃を大きく
超え、熱的な安定性も悪化し、ゴブプリフォーム成形時
に失透しやすくなるので、量産性が悪く、プレス成形用
ガラスゴブプリフォームを精密的かつ均一的に作ること
が困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、高屈折率および低分散の光学恒数を有す
ると共に、プレス成形用プリフォームを量産性よく作製
可能な高温粘性を有し、かつ転移温度および液相温度が
共に低い光学ガラス、この光学ガラスからなるプレス成
形用プリフォーム、その製造方法、上記光学ガラスから
なる光学部品および該光学部品を量産性よく製造する方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定のガラス
組成と、特定の範囲の屈折率およびアッベ数を有する光
学ガラス、あるいは特定の必須成分、高温粘性、ガラス
転移温度、屈折率およびアッベ数を有する光学ガラス
が、プレス成形用プリフォームを量産性よく与えるこ
と、この光学ガラスに特定の操作を施すことによりプレ
ス成形用プリフォームを効率よく製造し得ること、該プ
レス成形用プリフォームを加熱、軟化し、精密プレス成
形することにより、所望形状の光学部品が量産性よく得
られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、 (1)必須成分として、B23 25〜45モル%、S
iO2 2〜20モル%、La23 5〜22モル%、
Gd23 2〜20モル%、ZnO 15〜29モル
%、Li2O 1〜10モル%およびZrO2 0.5〜
8モル%を含むと共に、B23/SiO2モル比が2〜
5.5、La23とGd23との合計含有量が12〜2
4モル%およびZnOとLi2Oとの合計含有量が25
〜30モル%であり、かつ屈折率(nd)が1.75〜
1.85で、アッベ数(νd)が40〜55であること
を特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラスIと称す
る。)、
【0009】(2)任意成分として、Ta25 0〜8
モル%、WO3 0〜8モル%、Nb25 0〜8モル
%、Y23 0〜8モル%、Yb23 0〜8モル%お
よびSb23 0〜1モル%を含み、かつ必須成分と任
意成分との合計含有量が95モル%以上である上記
(1)項に記載の光学ガラス、 (3)液相温度における粘度が6dPa・s以上である
上記(1)または(2)項に記載の光学ガラス、
【0010】(4)ガラス転移温度(Tg)が600℃
以下である上記(1)、(2)または(3)項に記載の
光学ガラス、 (5)必須成分として、B23、SiO2、La23
Gd23、ZnO、Li2OおよびZrO2を含み、かつ
液相温度における粘度が6dPa・s以上、ガラス転移
温度(Tg)が600℃以下、屈折率(nd)が1.7
5〜1.85およびアッベ数(νd)が40〜55であ
ることを特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラスIIと
称する。)、
【0011】(6)B23/SiO2モル比が2〜5.
5である上記(5)項に記載の光学ガラス、 (7)La23とGd23との合計含有量が12〜24
モル%およびZnOとLi2Oとの合計含有量が25〜
30モル%である上記(5)または(6)項に記載の光
学ガラス、
【0012】(8)加熱、軟化してプレス成形するため
のプレス成形用プリフォームであって、上記(1)ない
し(7)項のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる
ことを特徴とするプレス成形用プリフォーム、 (9)加熱、軟化してプレス成形するためのプレス成形
用プリフォームの製造方法において、流出パイプより流
出した所定量の上記(1)ないし(7)項のいずれか1
項に記載の光学ガラスからなる溶融ガラスを、軟化状態
にある間に成形したのち、冷却することを特徴とするプ
レス成形用プリフォームの製造方法、
【0013】(10)上記(1)ないし(7)項のいず
れか1項に記載の光学ガラスからなる光学部品、および (11)上記(8)項に記載のプレス成形用プリフォー
ムまたは上記(9)項に記載の方法により製造されたプ
レス成形用プリフォームを加熱、軟化し、精密プレス成
形することを特徴とする光学部品の製造方法、を提供す
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本件明細書中において、ガラスの
精密プレス成形とは、所定形状のキャビティを有する成
形型を用いて再加熱されたプレス成形予備体(プレス成
形用プリフォーム又はゴブプリフォームという)を加圧
成形することにより、最終製品形状、又はそれに極めて
近い形状及び面精度を有するガラス成形品を得る手法を
意味する。また、プレス成形用プリフォームの熱間成形
とは、溶融ガラス(ガラス融液)を用いて、そのガラス
が軟化状態にある間に、プリフォーム形状に成形する方
法のことである。
【0015】精密プレス成形によれば所望形状の成形品
を高い生産性のもとに製造することが可能である。その
ため、現在では球面レンズ、非球面レンズ、回折格子な
ど、種々のガラス製の光学部品が精密プレス成形によっ
て製造されている。精密プレス成形では、プレスに使用
される成形型が高温高圧状態に曝される。このため、精
密プレス成形に使用されるガラスには、プレス成形時の
高温環境によって成形型自体や当該成形型の成形面に設
けられている離型膜の損傷を抑制するという観点から、
ガラスの転移温度(Tg)や屈伏点温度(Ts)をなる
べく低くすることが望まれている。
【0016】本発明の光学ガラスには、このような要求
を満たすものとして、2つの態様、すなわち光学ガラス
Iおよび光学ガラスIIがある。まず、光学ガラスIにつ
いて説明する。
【0017】本発明の光学ガラスIは、必須成分とし
て、B23 25〜45モル%、SiO2 2〜20モ
ル%、La23 5〜22モル%、Gd23 2〜20
モル%、ZnO 15〜29モル%、Li2O 1〜1
0モル%およびZrO2 0.5〜8モル%を含むと共
に、B23/SiO2モル比が2〜5.5、La23
Gd23との合計含有量が12〜24モル%およびZn
OとLi2Oとの合計含有量が25〜30モル%であ
り、かつ屈折率(nd)が1.75〜1.85で、アッ
ベ数(νd)が40〜55の光学ガラスである。
【0018】この光学ガラスIとしては、任意成分とし
て、Ta25 0〜8モル%、WO 3 0〜8モル%、
Nb25 0〜8モル%、Y23 0〜8モル%、Yb
230〜8モル%およびSb23 0〜1モル%を含
み、かつ必須成分と上記任意成分との合計含有量が95
モル%以上である光学ガラスが好ましく、また、液相温
度における粘度が6dPa・s以上、ガラス転移温度
(Tg)が600℃以下のものが好適である。
【0019】以下、精密プレス成形可能であり、高屈折
率・低分散特性を有する光学ガラスIの物理的物性及び
ガラス組成範囲を上記のようにした理由を示す。まず、
液相温度における粘性について述べる。後述する光学ガ
ラスIIでも同様であるが、プレス成形用プリフォームを
熱間成形する場合、特に、精密プレス成形用プリフォー
ムを液滴浮上法(後述する)で作製するには、ガラスの
作業温度における粘性が厳しく規定される。実験の結
果、作業温度における粘性は6dPa・s以上が肝要で
あり、好ましくは6.5dPa・s以上、さらに好まし
くは9〜25dPa・s、特に好ましくは10〜25d
Pa・sである。ガラスの液相温度における粘性が6d
Pa・sを達成できない場合、さらに作業温度を下げる
ことにより粘性を上げると、融液の温度が液相温度以下
となるため、ガラスが失透してしまい、最悪の場合、溶
融ガラスを流出する流出パイプが詰まってしまう恐れが
ある。従って、光学ガラスIの液相温度における粘性
は、6dPa・s以上のより高粘性範囲とすることが肝
要である。
【0020】次に、上記組成範囲は、実験化学的に見出
されたものであり、組成範囲限定の理由は次の通りであ
る。なお、含有量は、すべてモル%表示である。B23
はガラスの網目構造形成酸化物であり、本発明において
必須成分である。特にLa23、Gd23などの高屈折
率成分を多く導入すると、ガラスの安定性を保つため、
SiO2よりB23を多くする必要があるが、45%を
超えて導入すると、ガラスの屈折率が低下するのに対
し、25%未満では失透に対して十分な安定性が得られ
ないため、その導入量は25〜45%に制限される。よ
り好ましくは30〜44%の範囲である。
【0021】SiO2はB23と同様、ガラス網目構造
の形成物で、主成分B23の代わりに少量添加すると、
ガラスの液相温度を低下させ、高温粘性をも向上させる
が、2%未満では上記のような効果が薄くなり、逆に2
0%を超えて多く導入すると、ガラスの屈折率が下が
り、屈伏点温度も高くなってプリフォームの作製および
精密プレスのいずれも難しくなるため、その導入量は2
〜20%の範囲に限定される。より好ましくは3〜15
%の範囲である。
【0022】また、本系のガラス組成では、低ガラス転
移温度化を達成するための成分であるLi2OやZnO
が多量に含有されているので、所望の光学恒数を達成す
るためにB23の含有量が45%以下に制限されてい
る。そのため、ガラスの失透に対する安定性を高めるた
めに、比較的多量のSiO2の添加が必要とされる。そ
の添加量の指針として、同じ網目形成酸化物であるB2
3とのモル比率B23/SiO2を設定することができ
るが、この比率が大きすぎる、すなわち相対的なSiO
2添加量が少なすぎると、ガラスの安定性が悪く、ま
た、液相温度における粘性も十分でなくなる。したがっ
て、B23 /SiO2モル比は5.5以下、好ましくは
5以下に制限される。一方、B23 /SiO2モル比が
小さすぎる場合には、屈折率の低下あるいはガラス転移
温度の上昇を招くため、B23 /SiO2モル比は2以
上に制限される。したがって、B23 /SiO2モル比
を2〜5.5、好ましくは2〜5とする。
【0023】La23は上述したようにガラスの失透に
対する安定性を低下せず、さらに分散を高めずに、屈折
率を高くし、化学的耐久性を向上させる必須成分であ
る。しかし、5%未満では十分な効果が得られないのに
対し、22%を超えると失透に対する安定性が著しく悪
化し、転移温度も屈伏点温度も上昇し、ゴブプリフォー
ムの作製にも、精密プレス成形にも困難となるため、そ
の導入量は5〜22%の範囲に限定される。より好まし
くは7〜20%の範囲である。
【0024】Gd23はLa23と同様、ガラスの失透
に対する安定性や低分散の特性を悪化せずにガラスの屈
折率や化学耐久性を向上させる働きをする。しかし、G
23の含有量が2%未満では、十分の効果が得られな
いのに対し、20%を超えると、失透に対する安定性も
悪化し、転移温度や屈伏点温度が上昇してゴブプリフォ
ームの作製および精密プレス成形が難しくなるため、そ
の導入量は2〜20%の範囲に限定される。より好まし
くは4〜15%の範囲である。通常、B23−La23
(Gd23)−ZnO−Li2O系ガラスにおいて、高
屈折率(nd>1.75)、低分散(νd>40)の高
機能性を保つためにはLa23とGd 23との合計量が
12%(35wt%超)以上が必要となる。このような
多量のLa23あるいはGd23を含有するガラスの転
移温度及び屈伏点温度を下げるためには、Li2O、N
2O、K2Oなどのアルカリ成分の導入が必要である。
アルカリ酸化物の導入による屈折率の低下を補うために
は、さらにLa23あるいはGd23を増やさなければ
ならない。しかし、La23及びGd23、アルカリ含
有量の増加にともなって、ガラスの安定性が悪化し、液
相温度が高くなって液相温度における粘性が低くなる傾
向がある。特にLa23とGd23との合計量が24%
を超えると、ガラスの失透傾向がかなり強くなり、液相
温度における粘性も相当低くなるため、ゴブプリフォー
ムの作製ができなくなってしまう恐れがある。したがっ
て、La23とGd23との合計量を24%以下に抑え
る必要がある。より好ましくは14〜23%の範囲であ
る。
【0025】ZrO2は高屈折率成分として使われる。
La23やGd23の代わりに少量のZrO2を導入す
ると、ガラスの屈折率が低下せずに、分散を大きくしな
いで特性や高温粘性や失透に対する安定性を改善する効
果があるため、本発明では、少量のZrO2を導入す
る。しかし、0.5%未満ではZrO2の添加効果が見
られないのに対し、8%を超えて多く導入すると、液相
温度が急激に上昇し、失透に対する安定性も悪化するの
で、その導入量は、0.5〜8%の範囲に限定される。
より好ましくは1〜6%の範囲である。
【0026】ZnOはガラスの溶融温度や液相温度及び
転移温度を低下させ、屈折率の調整にも欠かせない必須
成分であるが、15%未満では、上記の期待された効果
が得られないのに対し、29%を超えて導入すると、分
散も大きくなり、失透に対する安定性も悪化し、化学的
耐久性も低下するので、その導入量は15〜29%の範
囲に限定される。より好ましくは17〜28%の範囲で
ある。
【0027】Li2Oは他のアルカリ酸化物成分に比
べ、大幅な屈折率の低下及び化学的耐久性の低下を伴う
ことが無く、ガラスの転移温度を大幅に低下させる成分
である。特に少量で導入する場合、その効果が大きく、
ガラスの熱的な物性を調整するための有効な成分であ
る。しかし、1%未満ではLi2Oの添加効果が小さい
のに対し、10%より多くのLi2Oを導入すると、ガ
ラスの失透に対する安定性が急激に低下し、液相温度も
上昇するので、その導入量は1〜10%の範囲に制限さ
れる。より好ましくは2〜8%の範囲である。
【0028】なお、ZnOとLi2Oの合計含有量は、
25〜30%とする。前記合計含有量が25%に満たな
いとガラス転移温度(Tg)の低下が不十分となり、3
0%を超えると液相温度における粘性が低下してしま
う。したがって、低ガラス転移温度化とプリフォームの
熱間成形性に配慮した高温粘性条件を両立する上から、
ZnOとLi2Oの合計含有量は、25〜30%とす
る。
【0029】上記組成範囲にあって、さらに好ましい組
成は次のとおりである。 B23 30〜44% SiO2 3〜15% B23/SiO2モル比 2〜5 La23 7〜20% Gd23 4〜15% La23+Gd23 14〜23% ZrO2 1〜6% ZnO 17〜28% Li2O 2〜8% ZnO+Li2O 25〜30%
【0030】さらに、本発明の光学ガラスIにおいて、
Ta25、WO3、Nb25、Y2 3およびYb23
いずれもガラスの安定性や屈折率を改善するために使わ
れる任意成分であるが、それぞれの導入量が8%を超え
ると、分散が大きくなるのに加え、失透に対する安定性
も悪化するので、その導入量を8%以下に限定する。よ
り好ましくは5%以下である。Ta25、WO3、Nb2
5、Y23、Yb2 3のうち、上記観点から最も好ま
しい成分は、Ta25であるので、Ta25を0.5〜
8%導入することが好ましく、1〜8%導入することが
より好ましい。ただし、所要の特性を損なうことなく、
アッベ数(νd)を40〜55の範囲に調整する上か
ら、Nb、WOのいずれかの含有量をゼロとす
ることが望ましく、NbおよびWOの含有量を
ゼロとすることがさらに望ましい。
【0031】一方、WOは、他の高屈折率成分と置換
して添加すると、液相温度を低下させる効果があるた
め、高屈折率を維持したままで液相温度を低下させ、プ
リフォームの熱間成形性を向上させる観点からはWO
を0〜3%導入することが好ましく、0〜2%導入する
ことがより好ましく、0〜1%導入することがさらに好
ましい。
【0032】Y23、Yb23は高屈折率・低分散の成
分として使用され、少量導入する場合、ガラスの屈折率
を高くし、化学的耐久性を向上させるが、La23やG
23に比べその効果が小さく、8%より多く導入する
とガラスの失透に対する安定性を大きく損ない、転移温
度や屈伏点温度を上昇させる欠点があるので、その導入
量を8%以下に抑える。より好ましくは7%以下であ
る。Sb23は脱泡剤として用いられる任意成分である
が、1%以下で十分の効果が得られるので、その導入量
が1%以下に限定される。
【0033】本発明の光学ガラスIにおいては、光学特
性や安定性を保つために、上記各成分の合計含有量は9
5%以上にすることが好ましいが、さらにNa2O、K2
O、CaO、SrO、BaO、Al23、TiO2など
のその他成分を、所望により導入することができる。
【0034】なお、光学ガラスIにおいて、毒性のため
環境に悪影響を与えるとともに、非酸化性ガス雰囲気中
でのプレス成形によって容易に還元され、金属として析
出する鉛成分、さらにプリフォームの高温成形を困難に
するフッ素成分を含有しないことが望ましい。光学ガラ
スIにおいて、B23、SiO2、La23、Gd
2 3、ZnO、Li2O、ZrO2、Ta25の合計含有
量を95%以上とすることが好ましく、99%以上とす
ることがより好ましく、100%とすることがさらに好
ましい。この場合においても、各成分の含有量は上記の
ような範囲とする。
【0035】この光学ガラスIは、プレス成形、特に精
密プレス成形に好適な、ガラス転移温度(Tg)が60
0℃以下という特性を有することが好ましい。ガラス転
移温度(Tg)が600℃を超えるとプレス成形時にお
いて、成形型自体や当該成形型の成形面に設けられてい
る離型膜を損傷するおそれがある。ガラス転移温度(T
g)の下限については特に制限はないが、通常400℃
以上である。
【0036】次に本発明の光学ガラスIIについて説明す
る。光学ガラスIIは、必須成分として、B23、SiO
2、La23、Gd23、ZnO、Li2OおよびZrO
2を含み、精密プレス成形性、プリフォームの熱間成形
性、高屈折率・低分散特性、ガラスの安定性に優れた光
学ガラスであり、屈折率(nd)が1.75〜1.85
およびアッベ数(νd)が40〜55の範囲であって、
ガラス転移温度(Tg)が600℃以下、液相温度にお
ける粘度が6dPa・s以上である。
【0037】この光学ガラスIIにおいては、所要の光学
恒数、屈伏点、液相温度における粘性、ガラスの安定性
などが得られる点から、B23/SiO2モル比が2〜
5.5であるもの、および/またはLa23とGd23
との合計含有量が12〜24モル%で、かつZnOとL
2Oとの合計含有量が25〜30モル%であるものが
好ましい。液相温度における粘度は、光学ガラスIと同
様の理由により設定され、6dPa・s以上、好ましく
は6.5dPa・s以上、さらに好ましくは9〜25d
Pa・s、特に好ましくは10〜25dPa・sであ
る。
【0038】この光学ガラスIIにおいても、所要の特性
を損なうことなく、アッベ数(νd)を40〜55の範
囲に調整する上から、Nb25、WO3のいずれかの含
有量をゼロとすることが望ましく、Nb25およびWO
3の含有量をゼロとすることがさらに望ましい。光学ガ
ラスIIにおいても、Ta25を加えることが好ましい。
【0039】該光学ガラスIIは、プレス成形、特に精密
プレス成形に好適な、ガラス転移温度(Tg)が600℃
以下という特性を有する。ガラス転移温度(Tg)が6
00℃を超えるとプレス成形時において、成形型自体や
当該成形型の成形面に設けられている離型膜を損傷する
おそれがある。転移温度(Tg)の下限については特に
制限はないが、通常400℃以上である。前記光学ガラ
スI、IIとも可視光領域において透明であり、レンズな
どの光学部品の材料として好適である。
【0040】次に、プレス成形用プリフォームおよびそ
の製造方法に関する実施の形態について説明する。プレ
ス成形用プリフォームの熱間成形法は、例えば、溶融、
清澄、攪拌の工程を経て、均質で泡を含まない溶融ガラ
スを作製し、この溶融ガラスをプリフォーム形状に成形
するものである。具体的には、この溶融ガラスをパイプ
の流出口から流出させ、流出する溶融ガラスが所定の量
になった時点で、流出した溶融ガラスの先端部分が分離
するように、あるいは溶融ガラスを切断・分離したガラ
スを、プリフォーム形状に成形し、冷却してプリフォー
ムを得る。流出した溶融ガラスの先端部分を分離する方
法としては、溶融ガラスをパイプ流出口より滴下させる
方法(滴下法)、溶融ガラス先端部分を支持体により支
持した後、支持体を溶融ガラスの流出スピードよりも速
いスピードで降下させる方法(降下切断法)などがあ
る。溶融ガラスの流出に使用されるパイプとしては、白
金または白金合金が望ましい。溶融ガラスを上記のよう
にパイプから流出してプリフォームを熱間成形するため
には、溶融ガラスがパイプから円滑に流出すること、上
記分離方法により所定量のガラスを分離することが可能
なこと、溶融ガラスの流出温度でガラスが失透しないこ
と、ガラスの流出温度が上記パイプの耐熱温度未満であ
ることが要求される。そのための条件としては、先に光
学ガラスIおよびIIの特性として説明したように、ガラ
スの液相温度における粘度を所要の範囲とすることが好
ましい。さらに、白金又は白金合金のパイプの耐熱温度
が1100℃付近であることから、1100℃における
ガラスの粘度が4Pa・s以下であることが望ましい。
【0041】本発明のプレス成形用プリフォームは、前
述の光学ガラス(IまたはII)からなるものであって、
高生産性、高重量精度のもとにプレス成形用プリフォー
ムを製造する方法としては、溶融または軟化状態のガラ
スを熱間成形する方法が優れている。したがって、本発
明のプリフォームの製造方法としては、前述の光学ガラ
ス(IまたはII)が得られるようなガラス原料を溶解、
清澄、攪拌して均一な溶融ガラスを作り、この溶融ガラ
スを白金製または白金合金製のパイプから流出させて、
所定量の溶融ガラスからガラス塊を作製し、これを用い
てプリフォームを成形する方法が用いられる。この方法
では、溶融ガラスを上記パイプの流出口から連続して流
出させ、流出口より流出したガラスの先端部分を分離し
て所定量のガラス塊を得、それをガラスが塑性変形可能
な温度範囲にある間にプリフォーム形状に成形する。流
出ガラスの先端部分の分離方法としては、先に説明した
ように滴下法と降下切断法を例示できる。いずれの場合
も、分離に当たっては切断機などによる機械切断を行う
と切断部分がプリフォームに痕跡となって残り、精密プ
レス成形品の品質を悪化させるので、機械切断は好まし
くない。上記光学ガラスを用いることにより、ガラスを
失透させることなく、パイプ流出口から流出したガラス
先端部分を機械切断することなく分離することができ
る。流出スピード、流出温度を一定に保ち、滴下条件ま
たは降下条件も一定に保つことにより、一定重量のプリ
フォームを再現性よく高精度に製造することができる。
上記方法は、1〜5000mg程度の重量範囲のプリフ
ォームを高い重量精度のもとに製造する場合に好適であ
る。
【0042】分離したガラス先端部分は、例えば、凹状
の成形面からガスが噴出する成形型で受け、前記ガスの
風圧によって浮上、回転することによって球状、楕円球
状などのプリフォームに成形される。このような成形方
法を浮上成形法と呼ぶことにするが、浮上成形法では成
形時のガラスの粘性に対する条件が厳しいが、本発明の
光学ガラスからなるプリフォームを成形する場合、ガラ
スの特性が浮上成形に適しているので、良好な浮上成形
を行うこともできる。上記のようにして製造されたプリ
フォームは、必要に応じて表面に離型膜やその他の膜を
設けてもよい。なお、前述した液滴浮上法は、滴下法に
よって得られた溶融ガラス滴を浮上成形する方法のこと
である。
【0043】次に精密プレス成形品の製造方法について
説明する。精密プレス成形とは、上述したように再加熱
されたプリフォームを所定形状のキャビティを有する成
形型によって加圧成形し、最終製品の形状と同じまたは
極めて近似した形状の成形品を作製する方法である。こ
の精密プレス成形法によれば、成形品に研削や研磨を施
さずに、あるいは研磨による除去量が極めて少ない研磨
のみを施すことによって、最終製品、特に光学部品のよ
うな極めて高い形状精度や面精度を要求される最終製品
を作製することが可能である。したがって、本発明の精
密プレス成形品の製造方法は、レンズ、レンズアレイ、
回折格子、プリズムなどの光学部品の製造に好適であ
り、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する際に
最適である。本発明の精密プレス成形品の製造方法によ
れば、高屈折率・低分散特性を有する光学素子を作製で
きるとともに、プリフォームを構成するガラスの転移温
度(Tg)が600℃以下と低く、ガラスのプレス成形
としては比較的低い温度でプレスが可能になるので、プ
レス成形型の成形面への負担が軽減され、成形型の寿命
を延ばすことができる。またプリフォームを構成するガ
ラスが高い安定性を有するので、再加熱、プレス工程に
おいてもガラスの失透を効果的に防止することができ
る。さらに、ガラス溶解から最終製品を得る一連の工程
を高生産性のもとに行うことができる。
【0044】精密プレス成形方法としては、表面が清浄
状態のプリフォームを、プリフォームを構成するガラス
の粘度が105〜1011Pa・sの範囲を示すように再
加熱し、再加熱されたプリフォームを上型、下型を備え
た成形型によってプレス成形する。成形型の成形面には
必要に応じて離型膜を設けてもよい。なお、プレス成形
は、成形型の成形面の酸化を防止する上から、窒素ガス
や不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。プレス成形
品は成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。
成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じ
て表面に光学薄膜をコートしてもよい。
【0045】このようにして、屈折率(nd)が1.7
5〜1.85で、かつアッベ数(νd)が40〜55の
高屈折率・低分散光学ガラスからなるレンズ、レンズア
レイ、回折格子、プリズムなどの光学部品を高精度に生
産性よく製造することができる。本発明はまた、前述の
本発明の光学ガラスIまたは光学ガラスIIからなる光学
部品をも提供する。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0047】実施例1〜47 それぞれのガラス成分に対応する酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、水酸化物などをガラス原料として用い、表
1〜表8に示した組成になるように所定の割合に250
〜300g秤量し、十分に混合して調合バッチと成し、
これを白金るつぼに入れ、1200〜1250℃に保持
した電気炉中において攪拌しながら空気中2〜4時間ガ
ラスの溶解を行った。溶解後、ガラス融液を40×70
×15mmのカーボン製の金型に流し、ガラスの転移点温
度まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの
転移温度範囲で約1時間アニールした後、炉内で室温ま
で放冷した。得られたガラス中には、顕微鏡で観察でき
る結晶は析出しなかった。
【0048】得られた光学ガラスは、表1〜表8に示さ
れる組成、ガラス転移温度(Tg)、屈伏点(Ts)、
液相温度(LT)、液相温度における粘度、屈折率(n
d)およびアッベ数(νd)を有していた。なお、上記
各物性は、以下のようにして測定した。
【0049】(1)屈折率(nd)及びアッべ数(ν
d) 徐冷降温速度を−30℃/hにして得られた光学ガラス
について測定した。 (2)転移温度(Tg)及び屈伏点温度(Ts) 理学電機株式会社の熱機械分析装置により昇温速度を4
℃/分にして測定した。
【0050】(3)液相温度(LT) 400〜1100℃の温度勾配のついた失透試験炉に1
時間保持し、倍率80倍の顕微鏡により結晶の有無を観
察し、液相温度を測定した。 (4)液相温度における粘度(ηLT) JIS規格Z8803、共軸二重円筒型回転粘度計によ
る粘度測定方法により粘度を測定した。
【0051】表1〜表8に示すように、各ガラスともガ
ラス転移温度(Tg)は600℃以下、屈伏点(Ts)は6
30℃以下となっている。また液相温度(LT)は103
0℃以下、液相温度における粘度は6dPa・s以上と
なっている。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】
【表8】
【0060】比較例1、2 実施例1〜47と同様にして、表9に示す組成を有する
光学ガラスを作製し、各物性を測定した。結果を表9に
示す。両比較例とも液相温度における粘度がプリフォー
ムの熱間成形に適した範囲よりも小さくなってしまって
いることがわかる。
【0061】
【表9】
【0062】実施例48 表1〜表8に示す光学ガラスが得られる清澄、均質化さ
れた溶融ガラスを白金合金製の流出パイプから流出して
プリフォームを熱間成形し、これらのプリフォームを用
いて、図1に示す精密プレス成形装置により、非球面精
密プレスすることにより非球面レンズを成形した。
【0063】まず、実施例1〜47の各ガラスを、熱間
プリフォーム浮上成形装置を用いて、直径2〜30mm
のゴブプリフォームとした。この際、十分な粘性を有し
ていたため、重量精度・形状精度の良いゴブプリフォー
ムを得ることが可能であった。次に、このゴブプリフォ
ーム4を、非球面形状を有する下型2および上型1の間
に静置したのち、石英管7内を窒素雰囲気としてヒータ
ー8に通電して石英管7内を加熱した。成形鋳型内部の
温度をガラスの屈伏点温度+20〜60℃となる温度に
設定し、同温度を維持しつつ、押し棒9を降下させて上
型1を押して成形鋳型内のゴブプリフォーム4をプレス
成形した。成形圧力を8MPa、成形時間を30秒とし
たプレスの後、成形圧力を低下させ、非球面プレス成形
されたガラスの成形物を下型2及び上型1と接触させた
ままの状態でガラスの転移温度−30℃の温度まで徐冷
し、次いで室温まで急冷した。その後、非球面レンズに
成形されたガラスを成形鋳型から取り出し、形状の測定
および外観検査を行った。得られた非球面レンズは、き
わめて精度の高いレンズであった。なお、図1におい
て、符号3は案内型(胴型)、5は支持棒、6は支持
台、10は熱電対である。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、高温成形性及び精密プ
レス成形性に優れた高屈折率・低分散特性を有する光学
ガラス及び前記光学ガラスよりなる光学部品を提供する
ことができる。また、本発明によれば、プレス成形用プ
リフォームを上記光学ガラスによって構成することによ
り、精密プレス成形に好適なプレス成形予備体を提供す
ることができる。
【0065】さらに、本発明によれば、液相温度におい
て所定の粘度を示す上記光学ガラスが得られる溶融ガラ
スを熱間成形することにより、高い生産性のもとにプレ
ス成形用プリフォームを製造する方法を提供することが
できる。加えて、本発明によれば、上記プレス成形予備
体を再加熱、精密プレス成形することによって、高精度
の光学部品などのプレス成形品を製造する方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した精密プレス成形装置の1例の
概略断面図である。
【符号の説明】
1 上型 2 下型 3 案内型(胴型) 4 プリフォーム 5 支持棒 6 支持台 7 石英管 8 ヒーター 9 押し棒 10 熱伝対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA04 BB01 CC10 DA03 DA04 DB01 DC04 DC05 DD01 DE04 DF01 EA03 EB01 EC01 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FB01 FC02 FC03 FD01 FE01 FF01 FG01 FG02 FG03 FH01 FH02 FH03 FJ01 FJ02 FJ03 FK03 FK04 FL01 GA01 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH08 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ04 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK04 KK05 KK07 KK08 MM02 NN02 NN03 NN29 NN40

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として、B23 25〜45モ
    ル%、SiO2 2〜20モル%、La23 5〜22
    モル%、Gd23 2〜20モル%、ZnO15〜29
    モル%、Li2O 1〜10モル%およびZrO2 0.
    5〜8モル%を含むと共に、B23/SiO2モル比が
    2〜5.5、La23とGd23との合計含有量が12
    〜24モル%およびZnOとLi2Oとの合計含有量が
    25〜30モル%であり、かつ屈折率(nd)が1.7
    5〜1.85で、アッベ数(νd)が40〜55である
    ことを特徴とする光学ガラス。
  2. 【請求項2】 任意成分として、Ta25 0〜8モル
    %、WO3 0〜8モル%、Nb25 0〜8モル%、
    23 0〜8モル%、Yb23 0〜8モル%および
    Sb23 0〜1モル%を含み、かつ必須成分と任意成
    分との合計含有量が95モル%以上である請求項1に記
    載の光学ガラス。
  3. 【請求項3】 液相温度における粘度が6dPa・s以
    上である請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 【請求項4】 ガラス転移温度(Tg)が600℃以下
    である請求項1、2または3に記載の光学ガラス。
  5. 【請求項5】 必須成分として、B23、SiO2、L
    23、Gd23、ZnO、Li2OおよびZrO2を含
    み、かつ液相温度における粘度が6dPa・s以上、ガ
    ラス転移温度(Tg)が600℃以下、屈折率(nd)
    が1.75〜1.85およびアッベ数(νd)が40〜
    55であることを特徴とする光学ガラス。
  6. 【請求項6】 B23/SiO2モル比が2〜5.5で
    ある請求項5に記載の光学ガラス。
  7. 【請求項7】 La23とGd23との合計含有量が1
    2〜24モル%およびZnOとLi2Oとの合計含有量
    が25〜30モル%である請求項5または6に記載の光
    学ガラス。
  8. 【請求項8】 加熱、軟化してプレス成形するためのプ
    レス成形用プリフォームであって、請求項1ないし7の
    いずれか1項に記載の光学ガラスからなることを特徴と
    するプレス成形用プリフォーム。
  9. 【請求項9】 加熱、軟化してプレス成形するためのプ
    レス成形用プリフォームの製造方法において、流出パイ
    プより流出した所定量の請求項1ないし7のいずれか1
    項に記載の光学ガラスからなる溶融ガラスを、軟化状態
    にある間に成形したのち、冷却することを特徴とするプ
    レス成形用プリフォームの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれか1項に記
    載の光学ガラスからなる光学部品。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載のプレス成形用プリフ
    ォームまたは請求項9に記載の方法により製造されたプ
    レス成形用プリフォームを加熱、軟化し、精密プレス成
    形することを特徴とする光学部品の製造方法。
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