JP2003199288A - 磁気浮上モータ、及び磁気軸受装置 - Google Patents

磁気浮上モータ、及び磁気軸受装置

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JP2003199288A
JP2003199288A JP2001401715A JP2001401715A JP2003199288A JP 2003199288 A JP2003199288 A JP 2003199288A JP 2001401715 A JP2001401715 A JP 2001401715A JP 2001401715 A JP2001401715 A JP 2001401715A JP 2003199288 A JP2003199288 A JP 2003199288A
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rotor
stator
magnetic flux
radial
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JP2001401715A
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Hideki Kanebako
秀樹 金箱
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Nidec Instruments Corp
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/044Active magnetic bearings

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラジアル磁気軸受又はモータとスラスト磁気
軸受とを複合化して小型化を可能にした磁気軸受装置又
は磁気浮上モータを得る。 【解決手段】 少なくともラジアル磁気軸受を複合化し
た装置に対して、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジ
アル浮上力を発生させるためのバイアス磁束B1,B2
をループ状に通過させるロータ13側とステータ4側と
の対向部分に、凸部13a,4a及び凹部13b,4b
を設け、それらの凸部13a,4a及び凹部13b,4
bによる磁気作用によってスラスト方向の軸受支持作用
を安定的に得るように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータを浮上制御
するためのラジアル磁気軸受及びスラスト磁気軸受を備
えた磁気浮上モータ及び磁気軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種機器において広く用いられている軸
受装置には、一般的な接触型の軸受のほかに、磁力を利
用して回転軸等の回転体を浮上させ、これを無接触で支
持するようにした磁気軸受装置がある。磁気軸受装置を
用いれば、軸受部の摩擦係数がほぼゼロに近いため高速
回転が可能になる。また、磁気軸受は潤滑油を必要とし
ないため、高温、低温あるいは真空中など、特殊環境下
での使用が可能となり、さらに、メンテナンスを要しな
いという利点がある。
【0003】このような利点から、磁気軸受装置をモー
タのロータ支持に用いることが考えられている。磁気軸
受装置を有するモータの基本的構成は、磁気軸受装置、
回転力発生機構すなわちモータ部、磁気軸受装置、とい
う順序で、それらを回転軸線方向に配置したものであ
る。しかしながら、このような配置では、モータ部の両
側に磁気軸受を配置するため軸長が増加し、固有振動数
が低くなって危険速度が低下するという難点がある。
【0004】そこで、磁気軸受装置のステータが交流モ
ータのステータとほぼ同じ構造であることに着目し、磁
気軸受装置とモータとを一体化した磁気浮上モータの提
案が従来からなされている。その磁気浮上モータの一形
式として、ハイブリッド型磁気浮上モータがあるが、こ
のものは、永久磁石を用いてロータ内部から放射状に広
がる一定磁束を作り、ロータの浮上制御を一般的な磁気
軸受装置と同様に2極の直流磁場で行うことができるよ
うにしたものである。このハイブリッド型磁気浮上モー
タによれば、永久磁石で一定の磁束を作り出すので、電
力を消費することなくバイアス吸引力を発生させること
ができ、電磁石は制御力のみを分担すればよいという利
点がある。
【0005】このとき、従来のハイブリッド型磁気浮上
モータは、ラジアル磁気軸受とモータとのハイブリッド
であり、スラスト軸受については、磁気浮上式スラスト
軸受としてのみ機能する磁気軸受をモータに付加した構
成になっている。一方、磁気軸受としては、磁気回路を
工夫することにより、ラジアル磁気軸受とスラスト磁気
軸受とを複合した磁気軸受が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の磁気軸受とモータとを一体化した磁気浮上モータは、
ラジアル磁気軸受とモータとの複合であって、スラスト
軸受は、スラスト軸受として単独に機能するスラスト磁
気軸受を付加しただけのものである。スラスト磁気軸受
は、モータ全体の中で大きな部分を占めており、磁気浮
上モータの小型化の妨げとなっている。また、ラジアル
磁気軸受とスラスト磁気軸受とを複合した磁気軸受を用
いた場合も、モータは別個に必要となるから、やはり、
磁気浮上モータの小型化の妨げとなっている。
【0007】なお、本願発明者は、特願2000−00
0388号において、ハイブリッド型ラジアル磁気浮上
モータとスラスト磁気軸受とを磁気回路的に一体化し、
スラスト磁気磁気受のバイアス磁束をハイブリッド型ラ
ジアル磁気浮上モータと兼用させるようにした構成を既
に提案しているが、このものでは、バイアス磁束が大き
くなるとスラスト方向の負の磁気バネ特性が大きくなる
傾向があり、スラスト磁気軸受の制御が不安定になる問
題がある。
【0008】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解消するためになされたもので、ハイブリッド型磁気
浮上モータ、又は磁気軸受装置のバイアス磁束を用い
て、その磁路内にスラスト軸受を配置し、これによっ
て、磁気浮上モータとスラスト磁気軸受とを複合化し小
型化を可能にしつつ、スラスト方向において安定した軸
支持制御を行わせることができるようにした磁気浮上モ
ータ及び磁気軸受装置を提供することを目的とする。本
発明はまた、バイアス磁束を用いることにより、一つの
コイルでスラスト軸受の制御が可能となるとともに、バ
イアス電流を必要としないため、消費電力を小さくする
ことができる磁気浮上モータ及び磁気軸受装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1にかかる磁気浮上モータでは、ラジアル浮上制
御磁束に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバ
イアス磁束の磁束ループ中であって、ロータとステータ
の突極コア部との両対向面の少なくとも一方側の対向面
に、他方側の対向面に向かって突出する凸部と、上記他
方側の対向面から離間するように窪む凹部とが、軸方向
に隣接して段差状をなすように設けられ、これら凸部及
び凹部による磁気作用によって前記ロータを軸方向の所
定位置に保持させる構成になされている。このような構
成を有する磁気浮上モータによれば、ラジアル磁気軸受
とモータとを複合化した磁気浮上モータにおいて、ロー
タ側とステータ側との対向部分に設けられた凸部及び凹
部の磁気作用によるスラスト方向の軸受作用が得られ、
特に、上記凸部によってバイアス磁束の磁束密度が増大
すると同時に、凹部によってバイアス磁束の磁束密度が
減少し、当該対向部分における磁束密度が軸方向に変化
する。そして、上記凸部に集中する磁束に基づいて発生
する大きな磁気的吸引作用によって、スラスト方向の軸
受支持作用が安定的に得られることとなり、良好なスラ
スト軸受特性を備えたスラスト磁気軸受が複合化される
ようになっている。
【0010】また、請求項2にかかる磁気浮上モータで
は、ロータ及びステータには、半径方向に対向するロー
タ側スラスト軸受用磁路部及びステータ側スラスト軸受
用磁路部がそれぞれ設けられ、ラジアル浮上制御磁束に
作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁
束が、上記ロータ側スラスト軸受用磁路部とステータ側
スラスト軸受用磁路部との間に形成された半径方向ギャ
ップを通過するように構成されているとともに、上記バ
イアス磁束の磁束ループ中であって、前記ロータとステ
ータの突極コア部との両対向面の少なくとも一方側の対
向面、又は前記ロータ側スラスト軸受用磁路部とステー
タ側スラスト軸受用磁路部との両対向面の少なくとも一
方側の対向面には、他方側の対向面に向かって突出する
凸部と、上記他方側の対向面から離間するように窪む凹
部とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設けら
れ、これら凸部及び凹部による磁気作用によって前記ロ
ータを軸方向の所定位置に保持させる構成になされてい
る。このような構成を有する磁気浮上モータによれば、
ラジアル磁気軸受とモータとを複合化した磁気浮上モー
タにおいて、ロータ側とステータ側との対向部分に設け
られた凸部及び凹部の磁気作用によるスラスト方向の軸
受作用が得られ、特に、上記凸部によってバイアス磁束
の磁束密度が増大すると同時に、凹部によってバイアス
磁束の磁束密度が減少し、当該対向部分における磁束密
度が軸方向に変化する。そして、上記凸部に集中する磁
束に基づいて発生する大きな磁気的吸引作用によって、
スラスト方向の軸受支持作用が安定的に得られることと
なり、良好なスラスト軸受特性を備えたスラスト磁気軸
受が複合化されるようになっている。
【0011】また、請求項3にかかる磁気浮上モータで
は、請求項1又は2における凸部及び凹部が、軸方向に
複数組にわたって設けられていることから、上述したス
ラスト方向の軸受支持作用がより一層良好に得られる。
【0012】さらに、請求項4にかかる磁気浮上モータ
では、請求項1又は2におけるラジアル浮上制御磁束に
作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁
束の磁束ループ中に、スラスト軸受荷重の支持力を生成
するスラスト制御用コイルが配置され、上記スラスト制
御用コイルは、前記ロータ側スラスト軸受用磁路部又は
ステータ側スラスト軸受用磁路部の一方側に対して回転
の軸を中心として巻回されている。このような構成を有
する磁気浮上モータによれば、上述した凸部及び凹部に
よるスラスト方向の軸受支持作用に加えて、軸を中心と
して巻回されたVCM(ボイスコイルモータ)方式によ
る良好なスラスト軸受特性更に得ることが可能となる。
【0013】さらにまた、請求項5にかかる磁気浮上モ
ータでは、請求項3に加えて、ロータ側スラスト軸受用
磁路部及びステータ側スラスト軸受用磁路部が、回転の
軸を中心とした略円筒状の部材から形成されているとと
もに、前記凸部及び凹部が、上記略円筒状の部材の周面
に形成され、その凸部又は凹部をガイドとして前記スラ
スト制御用コイルが巻回されていることから、スラスト
制御用コイルが容易かつ正確に巻回され、しかも、小さ
いスペース内にスラスト制御用コイルが収容されるよう
になっている。
【0014】また、請求項6にかかる磁気浮上モータで
は、請求項4におけるスラスト制御用コイルが短絡され
ていることから、スラスト方向の振動に対して、電力を
消費することなくスラスト方向のダンパー作用が得られ
るようになっている。
【0015】さらに、請求項7にかかる磁気浮上モータ
では、請求項1又は2に加えて、ステータの突極コア部
が、軸方向に二つ並べて配置されているとともに、その
二つのステータの突極コア部の間に、前記ロータ側スラ
スト軸受用磁路部とステータ側スラスト軸受用磁路部と
の半径方向対向部分が配置されていることから、実質的
に二つのモータ部が設けられ、この二つのモータ部のス
ラスト荷重を一つのスラスト磁気軸受で支持する構造に
なり、スラスト磁気軸受までも有していながら、大きな
出力が得られる割にコンパクト化されるようになってい
る。
【0016】さらにまた、請求項8にかかる磁気浮上モ
ータでは、請求項1又は2に加えて、ステータの突極コ
ア部とステータ側スラスト軸受用磁路部とが、軸方向に
並べて配置されていることから、スラスト方向の制御力
が大きくされてスラスト方向の制御を迅速かつ安定的に
行われるようになっている。
【0017】また、請求項9にかかる磁気浮上モータで
は、請求項1又は2におけるロータが、アウタロータ型
またはインナーロータ型のいずれかであり、請求項10
にかかる磁気浮上モータでは、請求項1又は2における
バイアス磁束を発生させるバイアスマグネットがロータ
側に配置されているとともに、ロータ側にはステータの
突極コア部と対向して回転トルクを発生させるリング状
ロータマグネットが配置され、請求項11にかかる磁気
浮上モータでは、請求項1又は2におけるバイアス磁束
を発生させるバイアスマグネットがステータ側に配置さ
れ、ロータ側にはステータの突極コア部と対向して回転
トルクを発生させるリング状ロータマグネットが配置さ
れている。
【0018】一方、請求項12にかかる磁気軸受装置で
は、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を
発生させるためのバイアス磁束の磁束ループ中であっ
て、ロータとステータの突極コア部との両対向面の少な
くとも一方側の対向面に、他方側の対向面に向かって突
出する凸部と、上記他方側の対向面から離間するように
窪む凹部とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設
けられ、これら凸部及び凹部による磁気作用によって前
記ロータを軸方向の所定位置に保持させる構成になされ
ている。このような構成を有する磁気軸受装置によれ
ば、ラジアル磁気軸受装置において、ロータ側とステー
タ側との対向部分に設けられた凸部及び凹部によるスラ
スト方向の軸受作用が得られ、特に、上記凸部によって
バイアス磁束の磁束密度が増大すると同時に、凹部によ
ってバイアス磁束の磁束密度が減少し、当該対向部分に
おける磁束密度が軸方向に変化する。そして、上記凸部
に集中する磁束に基づいて発生する大きな磁気的吸引作
用によって、スラスト方向の軸受支持作用が安定的に得
られることとなり、良好なスラスト軸受特性を備えたス
ラスト磁気軸受が複合化されるようになっている。
【0019】また、請求項13にかかる磁気軸受装置で
は、ロータ及びステータには、半径方向に対向するロー
タ側スラスト軸受用磁路部及びステータ側スラスト軸受
用磁路部がそれぞれ設けられ、ラジアル浮上制御磁束に
作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁
束が、上記ロータ側スラスト軸受用磁路部とステータ側
スラスト軸受用磁路部との間に形成された半径方向ギャ
ップを通過するように構成されているとともに、上記バ
イアス磁束の磁束ループ中であって、前記ロータとステ
ータの突極コア部との両対向面の少なくとも一方側の対
向面、又は前記ロータ側スラスト軸受用磁路部とステー
タ側スラスト軸受用磁路部との両対向面の少なくとも一
方側の対向面には、他方側の対向面に向かって突出する
凸部と、上記他方側の対向面から離間するように窪む凹
部とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設けら
れ、これら凸部及び凹部による磁気作用によって前記ロ
ータを軸方向の所定位置に保持させる構成になされてい
る。このような構成を有する磁気軸受装置によれば、ラ
ジアル磁気軸受装置において、ロータ側とステータ側と
の対向部分に設けられた凸部及び凹部によるスラスト方
向の軸受作用が得られ、特に、上記凸部によってバイア
ス磁束の磁束密度が増大すると同時に、凹部によってバ
イアス磁束の磁束密度が減少し、当該対向部分における
磁束密度が軸方向に変化する。そして、上記凸部に集中
する磁束に基づいて発生する大きな磁気的吸引作用によ
って、スラスト方向の軸受支持作用が安定的に得られる
こととなり、良好なスラスト軸受特性を備えたスラスト
磁気軸受が複合化されるようになっている。
【0020】また、請求項14にかかる磁気軸受装置で
は、請求項12又は13における凸部及び凹部が、軸方
向に複数組にわたって設けられていることから、上述し
たスラスト方向の軸受支持作用がより一層良好に得られ
る。
【0021】さらに、請求項15にかかる磁気軸受装置
では、請求項12又は13におけるラジアル浮上制御磁
束に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイア
ス磁束の磁束ループ中に、スラスト軸受荷重の支持力を
生成するスラスト制御用コイルが配置され、上記スラス
ト制御用コイルは、前記ロータ側スラスト軸受用磁路部
又はステータ側スラスト軸受用磁路部の一方側に対して
回転の軸を中心として巻回されている。このような構成
を有する磁気軸受装置によれば、上述した凸部及び凹部
によるスラスト方向の軸受支持作用に加えて、軸を中心
として巻回されたVCM(ボイスコイルモータ)方式に
よる良好なスラスト軸受特性更に得ることが可能とな
る。
【0022】さらにまた、請求項16にかかる磁気軸受
装置では、請求項15に加えて、ロータ側スラスト軸受
用磁路部及びステータ側スラスト軸受用磁路部が、回転
の軸を中心とした略円筒状の部材から形成されていると
ともに、前記凸部及び凹部が、上記略円筒状の部材の周
面に形成され、その凸部又は凹部をガイドとして前記ス
ラスト制御用コイルが巻回されていることから、スラス
ト制御用コイルが容易かつ正確に巻回され、しかも、小
さいスペース内にスラスト制御用コイルが収容されるよ
うになっている。
【0023】また、請求項17にかかる磁気軸受装置で
は、請求項12又は13におけるスラスト制御用コイル
が短絡されていることから、スラスト方向の振動に対し
て、電力を消費することなくスラスト方向のダンパー作
用が得られるようになっている。
【0024】さらに、請求項18にかかる磁気軸受装置
では、請求項12又は13に加えて、ステータの突極コ
ア部とステータ側スラスト軸受用磁路部とが、軸方向に
並べて配置されていることから、スラスト方向の制御力
が大きくされてスラスト方向の制御を迅速かつ安定的に
行われるようになっている。
【0025】さらにまた、請求項19にかかる磁気軸受
装置では、請求項12又は13におけるロータが、アウ
タロータ型またはインナーロータ型のいずれかであり、
請求項20にかかる磁気軸受装置では、請求項12又は
13におけるバイアス磁束を発生させるバイアスマグネ
ットがロータ側に配置されており、請求項21にかかる
磁気軸受装置では、請求項12又は13におけるバイア
ス磁束を発生させるバイアスマグネットがステータ側に
配置されている。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
にかかる磁気浮上モータの実施の形態について説明す
る。まず、図1にかかる磁気浮上モータは、アウターロ
ータ型の磁気浮上モータに対して本発明を適用したもの
であって、基台フレーム1から図示上方に向かって一体
に延びた固定軸2には、軸方向(図示上方向)に沿っ
て、第1のステータコア3、ステータヨーク4、及び第
2のステータコア5が、順に挿通するようにして装着さ
れている。上記第1のステータコア3は、前記固定軸2
の図示下部側に設けられた段部2aに対して軸方向に当
接して位置決めされているとともに、上記固定軸2の図
示上端部分にネジ止め固定されたクランプ部材6によっ
て、上記第2のステータコア5が軸方向に押さえられ、
それによって上記各部材3,4,5が固定軸2に固定さ
れている。
【0027】上記ステータヨーク4は、略円筒状の部材
から形成されたステータ側スラスト軸受用磁路部を構成
するものであって、そのコイルボビン形状をなすステー
タヨーク4の外周部には、軸を中心として巻回された形
でスラスト制御用コイル7が絶縁体(図示省略)を介し
て配置されている。また、上記各第1及び第2のステー
タコア3,5の突極コア部には、ステータ巻線8,9が
それぞれ巻き回されている。これらの各ステータ巻線
8,9は、後で詳細に説明するロータ11をラジアル方
向に浮上制御するための2極の浮上制御磁束を発生する
第1のステータ巻線と、上記ロータ11に対して回転磁
界を発生させる第2のステータ巻線とからなる。
【0028】さらに、上記第1及び第2のステータコア
3,5及びステータヨーク4等を有するステータの外周
側には、ロータ11が回転可能に支持されている。この
ロータ11は、円筒状の磁性材からなるロータスリーブ
12を主体としてなるものであって、そのロータスリー
ブ12が、上記ステータを環状に囲むようにして回転可
能に配置されている。このロータスリーブ12の内周壁
面側には、軸方向の略中央部分に内方側に突出するフラ
ンジ状ヨーク13が、ロータ側スラスト軸受用磁路部を
構成するように一体的に形成されている。このフランジ
状ヨーク13の内周面は、上述したステータヨーク4の
外周面に巻回されたスラスト制御用コイル7に対して、
半径方向外方側から近接対向するように配置されてい
る。
【0029】また、上記ロータスリーブ12の内周壁面
における軸方向両端(図示上下端)部分には、リング状
の永久磁石からなる第1のロータマグネット14及び第
2のロータマグネット15が、それぞれ第1のロータヨ
ーク16及び第2のロータヨーク17を介在して固着さ
れている。これらの第1及び第2のロータマグネット1
4,15は、上述した第1及び第2のステータコア3,
4の外周側端面に対して半径方向に近接するように配置
されている。
【0030】さらに、上述したロータスリーブ12にお
ける前記フランジ状ヨーク13の軸方向両側部分には、
第1のバイアスマグネット21及び第2のバイアスマグ
ネット22が配置されている。これらの各バイアスマグ
ネット21,22は、リング状に形成されていて、軸方
向に沿って着磁が施されており、そのうちの第1のバイ
アスマグネット21に関しては、当該第1のバイアスマ
グネット21−第1のロータヨーク16−第1のステー
タコア3−ステータヨーク4−スラスト制御用コイル7
−フランジ状ヨーク13−第1のバイアスマグネット2
1の順に巡るバイアス磁束B1が形成される。また、前
記第2のバイアスマグネット22に関しては、当該第2
のバイアスマグネット22−第2のロータヨーク17−
第2のステータコア5−ステータヨーク4−スラスト制
御用コイル7−フランジ状ヨーク13−第2のバイアス
マグネット22の順に巡るバイアス磁束B2が形成され
る。
【0031】これら両バイアス磁束B1,B2の磁路
は、スラスト軸受用の磁路であって、それぞれステータ
側スラスト軸受用磁路とロータ側スラスト軸受用磁路に
分けることができる。そして、前記ロータスリーブ12
側のフランジ状ヨーク13と、ステータ側のステータヨ
ーク4に設けられたスラスト制御用コイル7との間に、
半径方向のギャップが形成されており、その半径方向ギ
ャップを、上記両バイアス磁束B1,B2がそれぞれ通
過するように構成されている。
【0032】このとき、図2にも示されているように、
上記ステータ側スラスト軸受用磁路部としてのステータ
ヨーク4、及びそれに対向するロータ側スラスト軸受用
磁路部としてのフランジ状ヨーク13の軸方向(図示上
下方向)両端縁部分には、互いに半径方向に近づくよう
にして対面方向に突出する凸部4a,13aが各々一対
づつ設けられているとともに、それら一対の凸部4a,
4aどうしの間部分、及び一対の凸部13a,13aど
うしの間部分に、凹部4b,13bがそれぞれ形成され
ている。すなわち、それらの凹部4b及び凹部13bの
各々は、前記一対の凸部4a,4a及び凸部13a,1
3aと軸方向に隣接して連続的に配置されており、これ
らの凹凸部によって横断面略コの字状の段差が形成され
ている。そして、上記凸部4a,13aどうしが半径方
向に対向するように配置されているとともに、凹部4
b,13bどうしが半径方向に対向する配置関係なされ
ている。ここで、上述したスラスト制御用コイル7は、
ステータヨーク4側に設けられた凹部4b内に、凸部4
a,4aをガイドとして容易かつ正確に巻回されてい
る。
【0033】一方、これらの凸部4a,13a及び凹部
4b,13bは、前述したラジアル浮上制御磁束に作用
してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁束B
1,B2の磁束ループ中に配置されており、そのバイア
ス磁束B1,B2に対する凸部4a,13a及び凹部4
b,13bによる磁気作用によって、前記ロータ11を
軸方向の所定位置に保持させるように構成されている。
すなわち、前記ステータヨーク4とフランジ状ヨーク1
3との半径方向対向面において、互いに近接するように
配置された凸部4a,13aによって、当該凸部4a,
13aの対向部分における上記バイアス磁束B1,B2
の磁束密度が増大させられる一方、離間するように配置
された凹部4b,13bによって、当該凹部4b,13
bの対向部分におけるバイアス磁束B1,B2の磁束密
度が減少させられる。
【0034】従って、前記ステータヨーク4とフランジ
状ヨーク13との対向部分における磁束密度は、図3に
示されているように軸方向に変化しており、凸部4a,
13aの近接対向部分において大きく、凹部4b,13
bの離間対向部分において小さくなる。つまり、上記凸
部4a,13aの近接対向部分に集中した磁束に基づい
て大きな磁気的吸引作用が発生し、その凸部4a,13
aの近接対向部分における大きな磁気的吸引作用によっ
て、スラスト方向の軸受支持作用が安定的に得られ、良
好なスラスト軸受特性を備えたスラスト磁気軸受が複合
化されるようになっている。
【0035】加えて、上述したスラスト制御用コイル7
は、VCM(ボイスコイルモータ)方式によるスラスト
軸受装置を構成するものであり、そのスラスト制御用コ
イル7への通電を制御することによって、当該スラスト
制御用コイル7を横切る上記両バイアス磁束B1,B2
とあいまってスラスト制御用コイル7にローレンツ力が
発生し、そのときの反力の大きさによって、上記ロータ
11の軸方向の位置が制御されるように構成されてい
る。より具体的には、スラストセンサ23が、ロータ1
1の軸方向の位置を検知し、ロータ11の軸方向の位置
が一方に偏ろうとすると、上記スラストセンサ23から
の出力に基づいてスラスト制御用コイル7の正逆方向の
通電およびその電流を制御し、ロータ11の軸方向の位
置(スラスト方向の位置)を所定位置に制御する。
【0036】一方、ラジアル方向に関しては、上述した
第1のステータコア3及び第2のステータコア5と、ス
テータ巻線8,9と、前記第1のロータマグネット14
及び第2のロータマグネット15とによって、ラジアル
磁気軸受とモータとが複合化されている。すなわち、上
記ステータ巻線8,9は、それぞれ第1のステータ巻線
と第2のステータ巻線とから構成されており、ラジアル
センサ24がロータ11のラジアル方向の位置を検知
し、ロータ11のラジアル方向の位置が一方に偏ろうと
すると、上記ラジアルセンサ24からの出力に基づいて
上記第1のステータ巻線の通電を制御し、上述したバイ
アス磁束B1,B2と、第1のステータ巻線から発生す
る2極のラジアル浮上制御磁束との相互作用によって上
記ロータ11をラジアル方向に浮上制御し、そのロータ
11のラジアル方向位置を所定位置に保って、ラジアル
方向に非接触で支持する。また、上記第2のステータ巻
線の通電を制御することにより、上記ロータ11に対し
て回転磁界を発生させ、ロータマグネット14,15と
の相互作用によりロータ11を回転駆動する。
【0037】以上説明したとおり、図1及び図2に示さ
れた実施の形態は、ラジアル磁気軸受とモータとを複合
化した磁気浮上モータに対して、ロータ側スラスト軸受
用磁路部としてのフランジ状ヨーク13と、そのフラン
ジ状ヨーク13に半径方向に対向するステータ側スラス
ト軸受用磁路部としてのステータヨーク4とを設けてお
き、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を
発生させるためのバイアス磁束B1,B2が、上記フラ
ンジ状ヨーク13とステータヨーク4との対向面に形成
された凸部4a,13a及び凹部4b,13b、並びに
VCM(ボイスコイルモータ)方式によるスラスト制御
用コイル7を通過するように構成されたものであって、
上記凸部4a,13aにおける磁気的吸引作用、及びス
ラスト制御用コイル7への通電によるスラスト軸受荷重
を支持する構成になされている。そのため、ラジアル磁
気軸受とモータとを複合化した磁気浮上モータに対し
て、スラスト磁気軸受も複合化することが可能となって
おり、その結果、小型化して軸長を短くすることができ
るとともに、高速化を図ることができ、上述した凸部4
a,13aにおける磁気的吸引作用、及びVCM(ボイ
スコイルモータ)方式による良好なスラスト軸受特性が
得られる。
【0038】特に、本実施形態にかかる磁気浮上モータ
では、ロータ側スラスト軸受用磁路部とステータ側スラ
スト軸受用磁路部との対向面に形成された凸部4a,1
3a及び凹部4b,13bが軸方向に複数設けられてい
ることから、上述したスラスト方向の軸受支持作用が良
好に得られる。また、上記凸部4a,13a又は凹部4
b,13bをガイドとしてスラスト制御用コイル7が巻
回されていることから、スラスト制御用コイル7が容易
かつ正確に巻回され、しかも、小さいスペース内にスラ
スト制御用コイル7が収容されるようになっている。
【0039】さらに、上記実施の形態によれば、第1の
ステータコア3及び第2のステータコア5を軸方向に二
つ並べて配置するとともに、この二つの第1のステータ
コア3及び第2のステータコア5の間に、ロータ側スラ
スト軸受用磁路部とロータ側スラスト軸受用磁路部との
半径方向ギャップを形成しているため、実質的に二つの
モータ部が設けられているため、スラスト磁気軸受まで
も有していながら、大きな出力が得られる割にコンパク
トな磁気浮上モータを得ることができる。
【0040】さらに、第1のステータコア3及び第2の
ステータコア5とステータ側スラスト軸受用磁路部とを
軸方向に並べて配置したため、スラスト方向の制御力が
大きく、スラスト方向の制御を迅速かつ安定に行うこと
ができる。
【0041】一方、上述した第1の実施形態と同一の構
成物を同一の符号で表した図4に示された第2の実施形
態では、上述した第1の実施形態におけるステータヨー
ク4及びフランジ状ヨーク13の軸方向両端部分に設け
られた凸部4a,13aに加えて、上記フランジ状ヨー
ク13の軸方向略中央部分に、ステータヨーク4の外周
面に巻回されたスラスト制御用コイル7に向かって突出
する凸部13a’が設けられている。
【0042】さらに、この第2の実施形態では、図示上
側の第2のロータヨーク17の内周面と、それに対して
半径方向に対向するように配置された第2のステータコ
ア5における突極コア部の外周面に、上述したラジアル
浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を発生させる一
方側のバイアス磁束B2の磁束ループ中に、互いに半径
方向に近づくように突出する凸部17a,5aと、半径
方向に互いに離間するように窪む凹部17b,5bとが
それぞれ設けられている。これらの凸部17a,5a及
び凹部17b,5bも、軸方向に隣接して凹凸状の段差
形状をなすようにそれぞれ形成されていて、それらの凸
部17a,5aどうし、及び凹部17b,5bどうし
が、各々半径方向に対向するように配置されている。
【0043】このような図4に示す第2の実施形態によ
れば、前述した第1の実施形態に加えて、フランジ状ヨ
ーク13側に設けられた凸部13a’によって、スラス
ト制御用コイル7への磁束密度が増大されることとな
り、そのスラスト制御用コイル7におけるスラスト軸受
荷重への支持作用が一層良好に行われるようになってい
る。また、上記ロータヨーク17及び第2のステータコ
ア5の突極コア部にそれぞれ設けられた凸部17a,5
a側に磁束が集中されることによって、より大きな磁気
的吸引作用が得られ、スラスト方向の軸受支持作用が一
層安定的に得られるようになっている。
【0044】さらに、この第2の実施形態と同一の構成
物を同一の符号で表した図5に示された第3の実施形態
では、前述した第2の実施形態において設けられてい
た、第2のロータヨーク17及び第2のステータコア5
の凸部17a,5a及び凹部17b,5bは備えておら
ず、第2のロータヨーク17の内周面と、それに対して
半径方向に対向するように配置された第2のステータコ
ア5の外周面に、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジ
アル浮上力を発生させる一方側のバイアス磁束B2の磁
束ループ中に、互いに半径方向に近づくように突出する
凸部17a,5aと、半径方向に互いに離間するように
窪む凹部17b,5bとがそれぞれ設けられている。こ
のような構成を有する第3の実施形態においても、上述
した各実施形態とほぼ同様な作用・効果が得られる。
【0045】さらにまた、前述した第1の実施形態と同
一の構成物を同一の符号で表した図6にかかる第4の実
施形態においては、ステータヨーク4及びフランジ状ヨ
ーク13に、凸部4a,13aが各々2組づつ設けられ
ている。このように本実施形態では、凸部4a,13a
が軸方向に2組にわたって設けられていることから、第
1の実施形態において述べたスラスト方向の軸受支持作
用が、より一層良好に得られる。
【0046】また、前述した各実施形態と同一の構成物
を同一の符号で表した図7に示された第5の実施形態で
は、上述した第1の実施形態におけるステータヨーク4
及びスラスト制御用コイル7は設けられておらず、ラジ
アル浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を発生させ
るためのバイアス磁束B3が、第1のステータコア3と
第2のステータコア5との双方を含む1つの磁束ループ
を形成するように構成されている。そして、第1及び第
2のロータヨーク16,17の内周面と、それと半径方
向に対向する第1及び第2のステータコア3,5におけ
る突極コア部の外周面には、上記ラジアル浮上制御磁束
に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス
磁束B3の磁束ループ中に、半径方向に互いに近づくよ
うに突出する凸部16a,17a,3a,5a、及び半
径方向に互いに離間するように窪む凹部16b,17
b,3b,5bが、それぞれ設けられている。これらの
凸部16a,17a,3a,5aと凹部16b,17
b,3b,5bとは、軸方向に隣接して段差状をなすよ
うにそれぞれ形成されていて、当該凸部16a,3aど
うし、凸部17a,5aどうし、凹部16b,3bどう
し、凹部17b,5bどうしが、互いに半径方向に対向
する配置半径なされている。このような実施形態におい
ても、上述した各実施形態とほぼ同様な作用・効果が得
られることとなる。
【0047】一方、図8に示された第6実施形態にかか
る磁気浮上モータは、インナーロータ型の磁気浮上モー
タに本発明を適用したものであって、ステータ31を構
成する中空円筒状の磁性材からなるステータスリーブ3
2の内周壁面に、軸方向に沿って、第1のステータコア
33、第1のバイアスマグネット34、ステータヨーク
35、第2のバイアスマグネット36及び第2ステータ
コア37が、順に挿通されるようにして装着されてい
る。上記第1のステータコア33及び第2ステータコア
37は、前記ステータスリーブ32の軸方向両端部分に
取り付けられた固定部材32a,32bと軸方向に当接
することによって位置決めされており、その位置決めさ
れた第1のステータコア33とステータヨーク35との
間に、上記第1のバイアスマグネット34が介挿されて
いるとともに、ステータヨーク35と第2ステータコア
37との間に、上記第2のバイアスマグネット36が介
挿されている。
【0048】上記ステータヨーク35は、略円筒状の部
材から形成されたステータ側スラスト軸受用磁路部を構
成するものであって、そのコイルボビン形状をなすステ
ータヨーク35の内周部には、中心軸の周りに巻回され
た形でスラスト制御用コイル38が絶縁体(図示省略)
を介して配置されている。また、上記各第1及び第2の
ステータコア33,37における突極コア部には、ステ
ータ巻線41,42がそれぞれ巻き回されている。これ
らの各ステータ巻線41,42は、上記ステータスリー
ブ32の内部中心位置に配置された回転軸43を、ラジ
アル方向に浮上制御するための2極の浮上制御磁束を発
生する第1のステータ巻線と、上記回転軸43に対して
回転磁界を発生させる第2のステータ巻線とからなる。
【0049】すなわち、上記第1及び第2のステータコ
ア33,37、及びステータヨーク38等を有するステ
ータの内周側には、上記回転軸43が回転可能に支持さ
れており、その回転軸43における外周壁面の軸方向略
中央部分には、外方側に突出するフランジ状ヨーク44
が、ロータ側スラスト軸受用磁路部を構成するように一
体的に形成されている。このフランジ状ヨーク44の外
周端面は、上述したステータヨーク35の内周面に巻回
されたスラスト制御用コイル38に対して、半径方向内
方側から近接対向するように配置されている。
【0050】また、上記回転軸43の外周側壁面には、
上記フランジ状ヨーク44を軸方向に挟んで、リング状
の永久磁石からなる第1のロータマグネット45及び第
2のロータマグネット46がそれぞれ固着されている。
これら第1及び第2のロータマグネット45,46は、
上述した第1及び第2のステータコア33,37の内周
側端面に対して半径方向に近接するように配置されてい
る。
【0051】ここで、上述したリング状に形成された第
1のバイアスマグネット34及び第2のバイアスマグネ
ット36には、それぞれ軸方向に着磁が施されていて、
上記第1のバイアスマグネット34に関しては、当該第
1のバイアスマグネット34−第1のステータコア33
−第1のロータマグネット45−回転軸43−フランジ
状ヨーク44−スラスト制御用コイル38−ステータヨ
ーク35−第1のバイアスマグネット34の順に巡るバ
イアス磁束B1が形成される。また、第2のバイアスマ
グネット36に関しては、当該第2のバイアスマグネッ
ト36−第2のステータコア37−第2のロータマグネ
ット46−回転軸43−フランジ状ヨーク44−スラス
ト制御用コイル38−ステータヨーク35−第2のバイ
アスマグネット37の順に巡るバイアス磁束B2が形成
される。
【0052】上記両バイアス磁束B1,B2の磁路は、
スラスト軸受用の磁路であって、それぞれステータ側ス
ラスト軸受用磁路とロータ側スラスト軸受用磁路に分け
ることができる。そして、上記回転軸34側に設けられ
たフランジ状ヨーク44と、ステータスリーブ32側の
ステータヨーク35に設けられたスラスト制御用コイル
38との間に、半径方向のギャップが形成されており、
その半径方向ギャップを、上述した両バイアス磁束B
1,B2がそれぞれ通過するように構成されている。
【0053】このとき、上記ロータ側スラスト軸受用磁
路部としてのフランジ状ヨーク44、及びそれに対向す
るステータ側スラスト軸受用磁路部としてのステータヨ
ーク35の軸方向(図示上下方向)両端縁部分には、互
いに半径方向に近づくように突出する凸部44a,35
aが各々一対づつ設けられている。このうち、上記フラ
ンジ状ヨーク44側の両凸部44a,44aには、それ
ぞれ隣接するようにして、一対の凹部44b,44bが
連設されているとともに、上記フランジ状ヨーク44の
軸方向(図示上下方向)中央部分には、前記凹部44
b,44bに隣接するようにして一つの凸部44a’が
形成されている。これらの凹部44bは、前記各凸部4
4a,44a’と軸方向に隣接して連続的に配置されて
おり、これらの凹凸部によって横断面略コの字状の段差
が形成されている。
【0054】また、上記ステータヨーク35の軸方向中
央部分には、前記凸部35a,35aに隣接するように
して凹部35bがそれぞれ形成されている。これらの凹
部35bの各々は、前記各凸部35aと軸方向に隣接し
て連続的に配置されており、これらの凹凸部によって横
断面略コの字状の段差が形成されている。
【0055】一方、上記凸部44a,44a’,35a
及び凹部44b,35bは、前述したラジアル浮上制御
磁束に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイ
アス磁束B1,B2の磁束ループ中に配置されており、
そのバイアス磁束B1,B2に対する凸部44a,44
a’,35a及び凹部44b,35bによる磁気作用に
よって、前記ロータ11を軸方向の所定位置に保持させ
るように構成されている。すなわち、前記ステータヨー
ク35とフランジ状ヨーク44との半径方向対向面にお
いて、互いに近接するように配置された凸部44a,3
5aによって、当該凸部44a,35aの対向部分にお
ける上記バイアス磁束B1,B2の磁束密度が増大させ
られる一方、互いに離間するように配置された凹部44
b,35bによって、当該凹部44b,35bの対向部
分におけるバイアス磁束B1,B2の磁束密度が減少さ
せられる。そして、上記凸部44a,35aの近接対向
部分に集中した磁束に基づいて大きな磁気的吸引作用が
発生し、その凸部44a,35aの近接対向部分におけ
る大きな磁気的吸引作用によって、上記回転軸43に対
するスラスト方向の軸受支持作用が安定的に得られ、良
好なスラスト軸受特性を備えたスラスト磁気軸受が複合
化されるようになっている。
【0056】加えて、上述したスラスト制御用コイル3
8は、VCM(ボイスコイルモータ)方式によるスラス
ト軸受装置を構成するものであり、そのスラスト制御用
コイル38への通電を制御することによって、当該スラ
スト制御用コイル38を横切る上記両バイアス磁束B
1,B2とあいまってスラスト制御用コイル38にロー
レンツ力が発生し、そのときの反力の大きさによって、
上記回転軸43の軸方向の位置が制御されるように構成
されている。より具体的には、図示を省略したスラスト
センサが、回転軸43の軸方向の位置を検知し、回転軸
43の軸方向位置が一方に偏ろうとすると、上記スラス
トセンサからの出力に基づいてスラスト制御用コイル3
8の正逆方向の通電およびその電流を制御し、回転軸4
3の軸方向の位置(スラスト方向の位置)を所定位置に
制御する。
【0057】このとき本実施形態では、フランジ状ヨー
ク44側に設けられた凸部44a’によって、スラスト
制御用コイル38への磁束密度が増大されており、その
スラスト制御用コイル38におけるスラスト軸受荷重へ
の支持作用が良好に行われるようにしていることから、
上述したスラスト制御用コイル38による制御が良好に
行われるようになっている。
【0058】一方、上述した第1のステータコア33及
び第2のステータコア37と、ステータ巻線41,42
と、前記第1のロータマグネット45及び第2のロータ
マグネット46とによって、ラジアル磁気軸受とモータ
とが複合化されている。すなわち、上記ステータ巻線4
1,42は、それぞれ第1のステータ巻線と第2のステ
ータ巻線とから構成されており、図示を省略したラジア
ルセンサが回転軸43のラジアル方向の位置を検知し、
回転軸43のラジアル方向の位置が一方に偏ろうとする
と、上記ラジアルセンサからの出力に基づいて上記第1
のステータ巻線の通電を制御し、上述したバイアス磁束
B1,B2と、第1のステータ巻線から発生する2極の
ラジアル浮上制御磁束との相互作用によって上記回転軸
43をラジアル方向に浮上制御し、その回転軸43のラ
ジアル方向位置を所定位置に保って、ラジアル方向に非
接触で支持する。また、上記第2のステータ巻線の通電
を制御することにより、上記回転軸43に対して回転磁
界を発生させ、ロータマグネット45,46との相互作
用により回転軸43を回転駆動する。
【0059】以上説明したとおり、図8に示された第6
の実施形態は、ラジアル磁気軸受とモータとを複合化し
た磁気浮上モータに対して、ロータ側スラスト軸受用磁
路部としてのフランジ状ヨーク44と、そのフランジ状
ヨーク44に半径方向に対向するステータ側スラスト軸
受用磁路部としてのステータヨーク35とを設けてお
き、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を
発生させるためのバイアス磁束B1,B2が、上記フラ
ンジ状ヨーク44とステータヨーク35との対向面に形
成された凸部44a,44a’,35a及び凹部44
b,35b、並びにVCM(ボイスコイルモータ)方式
によるスラスト制御用コイル38を通過するように構成
されたものであって、上記凸部44a,44a’,35
aにおける磁気的吸引作用、及びスラスト制御用コイル
38への通電によるスラスト軸受荷重を支持する構成に
なされている。そのため、ラジアル磁気軸受とモータと
を複合化した磁気浮上モータに対して、スラスト磁気軸
受も複合化することが可能となっており、その結果、小
型化して軸長を短くすることができるとともに、高速化
を図ることができ、上述した凸部44a,44a’,3
5aにおける磁気的吸引作用、及びVCM(ボイスコイ
ルモータ)方式による良好なスラスト軸受特性が得られ
る。
【0060】一方、上述した第6の実施形態と同一の構
成物を同一の符号で表した図9にかかる第7の実施形態
では、上述した第6の実施形態におけるフランジ状ヨー
ク44及びステータヨーク35に設けられた凸部44
a,35aに加えて、図示下側の第2のステータヨーク
33の内周面と、それに対して半径方向に対向する回転
軸43の外周面に、上述したラジアル浮上制御磁束に作
用してラジアル浮上力を発生させるための一方側のバイ
アス磁束B1の磁束ループ中に、互いに半径方向に近づ
くように突出する凸部33a,43aと、半径方向に互
いに離間するように窪む凹部33b,43bとがそれぞ
れ設けられている。これらの凸部33a,43a及び凹
部33b,43bも、軸方向に隣接して凹凸状の段差形
状をなすようにそれぞれ形成されていて、それらの凸部
33a,43aどうし、及び凹部33b,43bどうし
が、各々半径方向に対向するように配置されている。
【0061】このような図9に示す第7の実施形態によ
れば、前述した第6の実施形態に加えて、上記第2のス
テータヨーク33及び回転軸43にそれぞれ設けられた
凸部33a,43a側に磁束が集中されることによっ
て、より大きな磁気的吸引作用が得られ、スラスト方向
の軸受支持作用が一層安定的に得られる。
【0062】また、本発明は、図10に示されているよ
うなハイブリッド型の磁気軸受装置に対しても同様に適
用することができる。すなわち、図10にかかるハイブ
リッド型の磁気軸受装置は、アウターロータ型のハイブ
リッド型の磁気軸受装置に対して本発明を適用したもの
であって、中心位置に設けられた固定軸52には、軸方
向(図示上方向)に沿って、第1のステータコア53、
ステータヨーク54、及び第2のステータコア55が、
順に挿通するようにして装着されている。
【0063】上記ステータヨーク54は、略円筒状の部
材から形成されたステータ側スラスト軸受用磁路部を構
成するものであって、そのコイルボビン形状をなすステ
ータヨーク54の外周部には、軸を中心として巻回され
た形でスラスト制御用コイル57が絶縁体(図示省略)
を介して配置されている。また、上記各第1及び第2の
ステータコア53,55における突極コア部には、ステ
ータ巻線58,59がそれぞれ巻き回されている。これ
らの各ステータ巻線58,59は、後で詳細に説明する
ロータ61をラジアル方向に浮上制御するための2極の
浮上制御磁束を発生するステータ巻線からなる。
【0064】さらに、上記第1及び第2のステータコア
53,55及びステータヨーク54等を有するステータ
の外周側には、ロータ61が回転可能に支持されてい
る。このロータ61は、円筒状の磁性材からなるロータ
スリーブ62を主体としてなるものであって、そのロー
タスリーブ62が、上記ステータを環状に囲むようにし
て回転可能に配置されている。このロータスリーブ62
の内周壁面側には、軸方向の略中央部分に内方側に突出
するフランジ状ヨーク63が、ロータ側スラスト軸受用
磁路部を構成するように一体的に形成されている。この
フランジ状ヨーク63の内周面は、上述したステータヨ
ーク54の外周面に巻回されたスラスト制御用コイル5
7に対して、半径方向外方側から近接対向するように配
置されている。
【0065】また、上記ロータスリーブ62の内周壁面
における軸方向両端(図示上下端)部分には、第1のロ
ータヨーク66及び第2のロータヨーク67が設けられ
ており、これら第1のロータヨーク66及び第2のロー
タヨーク67が、上述した第1及び第2のステータコア
53,54の外周側端面に対して半径方向に近接するよ
うに配置されている。
【0066】さらに、上述したロータスリーブ62にお
ける前記フランジ状ヨーク63の軸方向両側部分には、
第1のバイアスマグネット71及び第2のバイアスマグ
ネット72が配置されている。これらの各バイアスマグ
ネット71,72は、リング状に形成されていて、軸方
向に沿って着磁が施されており、そのうちの第1のバイ
アスマグネット71に関しては、当該第1のバイアスマ
グネット71−第1のロータヨーク66−第1のステー
タコア53−ステータヨーク54−スラスト制御用コイ
ル57−フランジ状ヨーク63−第1のバイアスマグネ
ット61の順に巡るバイアス磁束B1が形成される。ま
た、前記第2のバイアスマグネット72に関しては、当
該第2のバイアスマグネット72−第2のロータヨーク
67−第2のステータコア65−ステータヨーク54−
スラスト制御用コイル57−フランジ状ヨーク63−第
2のバイアスマグネット72の順に巡るバイアス磁束B
2が形成される。
【0067】これら両バイアス磁束B1,B2の磁路
は、スラスト軸受用の磁路であって、それぞれステータ
側スラスト軸受用磁路とロータ側スラスト軸受用磁路に
分けることができる。そして、前記ロータスリーブ62
側のフランジ状ヨーク63と、ステータ側のステータヨ
ーク54に設けられたスラスト制御用コイル57との間
に、半径方向のギャップが形成されており、その半径方
向ギャップを、上記両バイアス磁束B1,B2がそれぞ
れ通過するように構成されている。
【0068】このとき、上記ロータ側スラスト軸受用磁
路部としてのステータヨーク54、及びそれに対向する
ステータ側スラスト軸受用磁路部としてのフランジ状ヨ
ーク63の軸方向(図示上下方向)両端縁部分には、半
径方向に互いに近づくように突出する凸部54a,63
aが各々一対づつ設けられているとともに、これら一対
の凸部54a,54aと軸方向に隣接するようにして、
一対の凹部63b,63bが連続的に設けられており、
さらに、それら一対の凹部63b,63bどうしの間
に、凸部63a’が段差状をなすように形成されてい
る。
【0069】また、上記ステータヨーク54側に設けら
れた一対の凸部54a,54aどうしの間部分には、凹
部54bが段差状をなすように形成されており、その凹
部54b内に、上述したスラスト制御用コイル57が、
凸部54a,54aをガイドとして容易かつ正確に巻回
されている。そして、上記凸部54a,63aどうしが
半径方向に対向するように配置されているとともに、前
記凹部63b,凸部63a’と、凹部54bとが半径方
向に対向する配置関係なされている。
【0070】一方、これらの凸部54a,63a,63
a’及び凹部54b,63bは、前述したラジアル浮上
制御磁束に作用してラジアル浮上力を発生させるための
バイアス磁束B1,B2の磁束ループ中に配置されてお
り、そのバイアス磁束B1,B2に対する凸部54a,
63a,63a’及び凹部54b,63bによる磁気作
用によって、前記ロータ61を軸方向の所定位置に保持
させるように構成されている。すなわち、前記ステータ
ヨーク54とフランジ状ヨーク63との半径方向対向面
において、互いに近接するように配置された凸部54
a,63aによって、当該凸部54a,63aの対向部
分における上記バイアス磁束B1,B2の磁束密度が増
大させられる一方、離間するように配置された凹部54
b,63bによって、当該凹部54b,63bの対向部
分におけるバイアス磁束B1,B2の磁束密度が減少さ
せられる。
【0071】従って、前記ステータヨーク54とフラン
ジ状ヨーク63との対向部分における磁束密度は、凸部
54a,63aの近接対向部分において大きく、凹部5
4b,63bの離間対向部分において小さくなる。つま
り、上記凸部54a,63aの近接対向部分に集中した
磁束に基づいて大きな磁気的吸引作用が発生し、その凸
部54a,63aの近接対向部分における大きな磁気的
吸引作用によって、スラスト方向の軸受支持作用が安定
的に得られ、良好なスラスト軸受特性を備えたスラスト
磁気軸受が複合化されるようになっている。
【0072】さらに、本実施形態では、前記第1及び第
2のロータヨーク66,67の内周面と、それと半径方
向に対向する第1及び第2のステータコア53,55の
外周面に、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジアル浮
上力を発生させるためのバイアス磁束B1,B2の磁束
ループ中に、半径方向に互いに近づくように突出する各
々一対の凸部66a,67a,53a,55aが軸方向
両端部分にそれぞれ設けられているとともに、それらの
各凸部66a,67a,53a,55aに連続して、半
径方向に互いに離間するように窪む各々一対の凹部66
b,67b,53b,55bがそれぞれ段差状をなすよ
うに設けられている。また、これら一対の凹部66b,
67b,53b,55bどうしの間部分には、軸方向中
心側の凸部66a’,67a’,53a’,55a’が
それぞれ段差状をなすように設けられている。
【0073】そして、上述した各凸部66a,67a,
53a,55a,66a’,67a’,53a’,55
a’、及び凹部66b,67b,53b,55bのう
ち、凸部66a,53aどうし、凸部67a,55aど
うし、凸部66a’,53a’どうし、凸部67a’,
55a’どうし、並びに凹部66b,53bどうし、凹
部67b,55bどうしが、半径方向に互いに対向する
配置関係になされている。従って、上記ロータヨーク6
6,67、並びに第1及び第2のステータコア53,5
5にそれぞれ設けられた凸部66a,67a,66
a’,67a’53a,53a’,55a,55a’側
に磁束が集中されることによって、より大きな磁気的吸
引作用が得られ、スラスト方向の軸受支持作用が一層安
定的に得られるようになっている。
【0074】加えて、上述したスラスト制御用コイル5
7は、VCM(ボイスコイルモータ)方式によるスラス
ト軸受装置を構成するものであり、そのスラスト制御用
コイル57への通電を制御することによって、当該スラ
スト制御用コイル57を横切る上記両バイアス磁束B
1,B2とあいまってスラスト制御用コイル57にロー
レンツ力が発生し、そのときの反力の大きさによって、
上記ロータ61の軸方向の位置が制御されるように構成
されている。より具体的には、図示を省略したスラスト
センサが、ロータ61の軸方向の位置を検知し、ロータ
61の軸方向の位置が一方に偏ろうとすると、上記スラ
ストセンサからの出力に基づいてスラスト制御用コイル
57の正逆方向の通電およびその電流を制御し、ロータ
61の軸方向の位置(スラスト方向の位置)を所定位置
に制御する。
【0075】一方、上述した第1及び第2のステータコ
ア53,55と、第1及び第2のステータ巻線58,5
9とによって、ラジアル磁気軸受が構成されている。す
なわち、図示しないセンサがロータ61のラジアル方向
の位置を検知し、ロータ61のラジアル方向の位置が一
方に偏ろうとすると、上記センサの出力に基づいて上記
両ステータ巻線58,59の通電を制御し、上述したバ
イアス磁束B1,B2と、ステータ巻線から発生する2
極のラジアル浮上制御磁束との相互作用によりロータ6
1をラジアル方向に浮上制御し、ロータ61のラジアル
方向の位置を所定位置に保つことによってラジアル方向
に非接触で支持する。
【0076】以上説明したとおり、図10に示された実
施の形態は、ハイブリッド型ラジアル磁気軸受に対し
て、ロータ側スラスト軸受用磁路部としてのフランジ状
ヨーク63と、そのフランジ状ヨーク63に半径方向に
対向するステータ側スラスト軸受用磁路部としてのステ
ータヨーク54とを設けておき、ラジアル浮上制御磁束
に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス
磁束B1,B2が、上記フランジ状ヨーク63とステー
タヨーク54との対向面、並びに第1及び第2のロータ
ヨーク66,67と第1及び第2のステータコア53,
55との対向面にそれぞれ形成された凸部63a,63
a’,54a,66a,66a’,54a,54a’,
67a,67a’,55a,55a’及び凹部63b,
54b,66b,53b,67b,55b、並びにVC
M(ボイスコイルモータ)方式によるスラスト制御用コ
イル57を通過するように構成されたものであって、上
記各凸部における磁気的吸引作用、及びスラスト制御用
コイル57への通電によるスラスト軸受荷重を支持する
構成になされている。そのため、ハイブリッド型ラジア
ル磁気軸受に対して、スラスト磁気軸受も複合化するこ
とが可能となっており、その結果、小型化して軸長を短
くすることができるとともに、高速化を図ることがで
き、上述した各凸部における磁気的吸引作用、及びVC
M(ボイスコイルモータ)方式による良好なスラスト軸
受特性が得られる。
【0077】また、上述した図10にかかる第8実施形
態と同一の構成物を同一の符号で表した図11にかかる
第9の実施形態においては、上述した第8の実施形態に
おけるステータヨーク54及びスラスト制御用コイル5
7は設けられおらず、ラジアル浮上制御磁束に作用して
ラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁束B3
が、第1のステータコア53と第2ステータコア55と
の双方を含む1つの磁束ループを形成するように構成さ
れている。そして、第1及び第2のロータヨーク66,
67の内周面と、それと半径方向に対向する第1及び第
2のステータコア53,55の外周面には、上記バイア
ス磁束B3の磁束ループ中に、上述した第8実施形態と
同様な凸部63a,63a’,54a,66a,66
a’,54a,54a’,67a,67a’,55a,
55a’及び凹部63b,54b,66b,53b,6
7b,55bが形成されている。このような実施形態に
おいても、上述した実施形態とほぼ同様な作用・効果が
得られる。
【0078】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変形可能であることはいうまでもない。
【0079】例えば、上述した各実施形態のように、本
発明は、アウタロータ型、インナーロータ型にかからわ
ず適用することができ、本発明にかかる磁気軸受装置
は、モータ以外の多種多様な装置に用いられる各種軸受
装置に対しても同様に用いることができる。
【0080】また、上述した各実施形態におけるVCM
(ボイスコイルモータ)方式によるスラスト制御用コイ
ルは、短絡させた状態で配置することも可能であり、そ
のように構成することによって、スラスト方向の振動に
対して電力を消費することなくダンパー作用を持たせる
ことができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1にかかる
磁気浮上モータは、ラジアル磁気軸受とモータとを複合
化した磁気浮上モータに対して、ラジアル浮上制御磁束
に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス
磁束をループ状に通過させるロータ側とステータ側との
対向部分に凸部及び凹部を設け、それらの凸部及び凹部
による磁気作用によりスラスト方向の軸受支持作用を安
定的に得ることとして、良好なスラスト軸受特性を備え
たスラスト磁気軸受を複合化させたものであるから、小
型化して軸長を短くすることが可能になり、高速化を図
ることができることに加えて、スラスト方向の軸受制御
を安定的に行わせることができ、極めて実用性の高い磁
気浮上モータを得ることができる。
【0082】また、請求項2にかかる磁気浮上モータ
は、ラジアル磁気軸受とモータとを複合化した磁気浮上
モータに対して、ラジアル浮上制御磁束に作用してラジ
アル浮上力を発生させるためのバイアス磁束をループ状
に通過させるロータ側スラスト軸受用磁路部とステータ
側スラスト軸受用磁路部とを設け、それらの対向部分に
設けた凸部及び凹部による磁気作用によりスラスト方向
の軸受支持作用を安定的に得ることによって、良好なス
ラスト軸受特性を備えたスラスト磁気軸受を複合化させ
たものであるから、小型化して軸長を短くすることが可
能になり、高速化を図ることができることに加えて、ス
ラスト方向の軸受制御を安定的に行わせることができ、
極めて実用性の高い磁気浮上モータを得ることができ
る。
【0083】さらに、請求項3にかかる磁気浮上モータ
は、請求項1又は2における凸部及び凹部を軸方向に複
数組にわたって設けて、スラスト方向の軸受支持作用を
より一層良好に得られるようにしたものであるから、上
述した効果を一層確実に得ることができる。
【0084】さらに、請求項4にかかる磁気浮上モータ
は、請求項1又は2におけるラジアル浮上制御磁束に作
用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁束
の磁束ループ中に、スラスト軸受荷重の支持力を生成す
るスラスト制御用コイルを、前記ロータ側スラスト軸受
用磁路部又はステータ側スラスト軸受用磁路部の一方側
に対して回転の軸を中心として巻回して設け、上述した
凸部及び凹部によるスラスト方向の軸受支持作用に加え
て、軸を中心として巻回したVCM(ボイスコイルモー
タ)方式による良好なスラスト軸受特性更に得ることを
可能としたものであるから、上述した効果を更に高める
ことができる。
【0085】さらにまた、請求項5にかかる磁気浮上モ
ータは、請求項3に加えて、略円筒状の部材からなるロ
ータ側スラスト軸受用磁路部及びステータ側スラスト軸
受用磁路部の周面に、凸部又は凹部をガイドとしてスラ
スト制御用コイルを巻回し、スラスト制御用コイルを容
易かつ正確に巻回可能とするとともに、小さいスペース
内にスラスト制御用コイルを収容可能としたものである
から、装置の小型化を更に図ることができるとともに、
生産性の向上を図ることできる。
【0086】また、請求項6にかかる磁気浮上モータ
は、請求項4におけるスラスト制御用コイルを短絡して
いることから、スラスト方向の振動に対して、電力を消
費することなくスラスト方向のダンパー作用が得られる
こととなり、上述した各効果に加えて、ランニングコス
トを低減させることができる。
【0087】さらに、請求項7にかかる磁気浮上モータ
は、請求項1又は2に加えて、ステータの突極コア部を
軸方向に二つ並べて配置して実質的に二つのモータ部を
設け、その二つのモータ部のスラスト荷重を一つのスラ
スト磁気軸受で支持する構造として大きな出力が得られ
る割にコンパクト化したものであるから、上述した効果
に加えて、より一層の小型化を図りつつモータ特性を向
上させることができる。
【0088】さらにまた、請求項8にかかる磁気浮上モ
ータは、請求項1又は2に加えて、ステータの突極コア
部とステータ側スラスト軸受用磁路部とを軸方向に並べ
て配置し、スラスト方向の制御を迅速かつ安定的に行う
ようにしたものであるから、上述した効果に加えて、ス
ラスト方向の軸受作用を更に向上させることができる。
【0089】また、請求項9にかかる磁気浮上モータの
ように、請求項1又は2におけるロータがアウタロータ
型またはインナーロータ型のいずれかであるものや、請
求項10にかかる磁気浮上モータのように、請求項1又
は2におけるバイアス磁束を発生させるバイアスマグネ
ットがロータ側に配置されて、ロータ側にステータの突
極コア部と対向して回転トルクを発生させるリング状ロ
ータマグネットが配置されたものや、請求項11にかか
る磁気浮上モータのように、請求項1又は2におけるバ
イアス磁束を発生させるバイアスマグネットがステータ
側に配置され、ロータ側にはステータの突極コア部と対
向して回転トルクを発生させるリング状ロータマグネッ
トが配置されたものにおいても、同様な効果を得ること
ができる。
【0090】一方、請求項12にかかる磁気軸受装置
は、ラジアル磁気軸受に対して、ラジアル浮上制御磁束
に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス
磁束をループ状に通過させるロータ側とステータ側との
対向部分に凸部及び凹部を設け、それらの凸部及び凹部
による磁気作用によりスラスト方向の軸受支持作用を安
定的に得ることによって、良好なスラスト軸受特性を備
えたスラスト磁気軸受を複合化させたものであるから、
小型化して軸長を短くすることが可能になり、高速化を
図ることができることに加えて、スラスト方向の軸受制
御を安定的に行わせることができ、極めて実用性の高い
磁気軸受装置を得ることができる。
【0091】また、請求項13にかかる磁気軸受装置
は、ラジアル磁気軸受に対して、ラジアル浮上制御磁束
に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス
磁束をループ状に通過させるロータ側スラスト軸受用磁
路部とステータ側スラスト軸受用磁路部とを設け、それ
らの対向部分に設けた凸部及び凹部による磁気作用によ
りスラスト方向の軸受支持作用を安定的に得ることによ
って、良好なスラスト軸受特性を備えたスラスト磁気軸
受を複合化させたものであるから、小型化して軸長を短
くすることが可能になり、高速化を図ることができるこ
とに加えて、スラスト方向の軸受制御を安定的に行わせ
ることができ、極めて実用性の高い磁気軸受装置を得る
ことができる。
【0092】さらに、請求項14にかかる磁気軸受装置
は、請求項12又は13における凸部及び凹部を軸方向
に複数組にわたって設けて、スラスト方向の軸受支持作
用をより一層良好に得られるようにしたものであるか
ら、上述した効果を一層確実に得ることができる。
【0093】さらに、請求項15にかかる磁気軸受装置
は、請求項12又は13におけるラジアル浮上制御磁束
に作用してラジアル浮上力を発生させるためのバイアス
磁束の磁束ループ中に、スラスト軸受荷重の支持力を生
成するスラスト制御用コイルを、前記ロータ側スラスト
軸受用磁路部又はステータ側スラスト軸受用磁路部の一
方側に対して回転の軸を中心として巻回して設け、上述
した凸部及び凹部によるスラスト方向の軸受支持作用に
加えて、軸を中心として巻回したVCM(ボイスコイル
モータ)方式による良好なスラスト軸受特性更に得るこ
とを可能としたものであるから、上述した効果を更に高
めることができる。
【0094】さらにまた、請求項16にかかる磁気軸受
装置は、請求項14に加えて、略円筒状の部材からなる
ロータ側スラスト軸受用磁路部及びステータ側スラスト
軸受用磁路部の周面に、凸部又は凹部をガイドとしてス
ラスト制御用コイルを巻回し、スラスト制御用コイルを
容易かつ正確に巻回可能とするとともに、小さいスペー
ス内にスラスト制御用コイルを収容可能としたものであ
るから、装置の小型化を更に図ることができるととも
に、生産性の向上を図ることできる。
【0095】また、請求項17にかかる磁気軸受装置
は、請求項15におけるスラスト制御用コイルを短絡し
ていることから、スラスト方向の振動に対して、電力を
消費することなくスラスト方向のダンパー作用が得られ
ることとなり、上述した各効果に加えて、消費電力の低
減化を図ることができる。
【0096】さらに、請求項18にかかる磁気軸受装置
は、請求項12又は13に加えて、ステータの突極コア
部とステータ側スラスト軸受用磁路部とを軸方向に並べ
て配置し、スラスト方向の制御を迅速かつ安定的に行う
ようにしたものであるから、上述した効果に加えて、ス
ラスト方向の軸受作用を更に向上させることができる。
【0097】また、請求項19にかかる磁気軸受装置の
ように、請求項12又は13におけるロータがアウタロ
ータ型またはインナーロータ型のいずれかであるもの
や、請求項20にかかる磁気軸受装置のように、請求項
12又は13におけるバイアス磁束を発生させるバイア
スマグネットがロータ側に配置されたものや、請求項2
1にかかる磁気軸受装置のように、請求項12又は13
におけるバイアス磁束を発生させるバイアスマグネット
がステータ側に配置されものにおいても、同様な効果を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる磁気浮上モータの一実施形態を
示す縦断面説明図である。
【図2】図1に表した磁気浮上モータの要部を拡大して
示した縦断面説明図である。
【図3】軸方向における磁束密度の変化を表した線図で
ある。
【図4】本発明の他の実施形態にかかる磁気浮上モータ
の構造を表した縦断面説明図である。
【図5】本発明の更に他の実施形態にかかる磁気浮上モ
ータの構造を表した縦断面説明図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態にかかる磁気浮上モ
ータの構造を表した縦断面説明図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態にかかる磁気浮上モ
ータの構造を表した縦断面説明図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態にかかる磁気浮上モ
ータの構造を表した縦断面説明図である。
【図9】本発明の更に他の実施形態にかかる磁気浮上モ
ータの構造を表した縦断面説明図である。
【図10】本発明にかかる磁気軸受装置の一実施形態を
示す縦断面説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態にかかる磁気軸受装置
の構造を表した縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 基台フレーム 2 固定軸 3 第1のステータコア 4 ステータヨーク(ステータ側スラスト軸受用磁路
部) 5 第2のステータコア 7 スラスト制御用コイル 8,9 ステータ巻線 11 ロータ 12 ロータスリーブ 13 フランジ状ヨーク(ロータ側スラスト軸受用磁路
部) 14 第1のロータマグネット 15 第2のロータマグネット 16 第1のロータヨーク 17 第2のロータヨーク 21 第1のバイアスマグネット 22 第2のバイアスマグネット B1,B2 バイアス磁束 23 スラストセンサ 24 ラジアルセンサ 17a,5a 凸部 17b,5b 凹部 4a,13a,13a’ 凸部 4b,13b 凹部 4a,13a 凸部 B3 バイアス磁束 16a,17a,3a,5a 凸部 16b,17b,3b,5b 凹部 31 ステータ 32 ステータスリーブ 33 第1のステータコア 34 第1のバイアスマグネット 35 ステータヨーク(ステータ側スラスト軸受用磁路
部) 36 第2のバイアスマグネット 37 第2ステータコア 38 スラスト制御用コイル 41,42 ステータ巻線 43 回転軸 44 フランジ状ヨーク(ロータ側スラスト軸受用磁路
部) 45 第1のロータマグネット 46 第2のロータマグネット 44a,44a’,35a 凸部 44b,35b 凹部 33a,43a 凸部 33b,43b 凹部 52 固定軸 53 第1のステータコア 54 ステータヨーク(ステータ側スラスト軸受用磁路
部) 55 第2のステータコア 57 スラスト制御用コイル 58,59 ステータ巻線 61 ロータ 62 ロータスリーブ 63 フランジ状ヨーク(ロータ側スラスト軸受用磁路
部) 66 第1のロータヨーク 67 第2のロータヨーク 71 第1のバイアスマグネット 72 第2のバイアスマグネット 54a,63a,63a’ 凸部 54b,63b 凹部 66a,67a,53a,55a 凸部 66b,67b,53b,55b 凹部 66a’,67a’,53a’,55a’ 凸部
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Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体からなり周面に永久磁石が固着さ
    れたロータと、このロータをラジアル方向に浮上制御す
    るためのラジアル浮上制御磁束を発生する第1のステー
    タ巻線及び上記ロータに対して回転磁界を発生させる第
    2のステータ巻線が巻回されたステータの突極コア部と
    が、半径方向に対向するように配置されているととも
    に、 上記ラジアル浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を
    発生させるためのバイアス磁束が、前記ロータとステー
    タの突極コア部との半径方向対向面を通過する磁束ルー
    プを形成するように構成された磁気浮上モータにおい
    て、 上記バイアス磁束の磁束ループ中であって、前記ロータ
    とステータの突極コア部との両対向面の少なくとも一方
    側の対向面には、他方側の対向面に向かって突出する凸
    部と、上記他方側の対向面から離間するように窪む凹部
    とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設けられ、
    これら凸部及び凹部による磁気作用によって前記ロータ
    を軸方向の所定位置に保持させる構成になされているこ
    とを特徴とする磁気浮上モータ。
  2. 【請求項2】 磁性体からなり周面に永久磁石が固着さ
    れたロータと、このロータをラジアル方向に浮上制御す
    るためのラジアル浮上制御磁束を発生する第1のステー
    タ巻線及び上記ロータに対して回転磁界を発生させる第
    2のステータ巻線が巻回されたステータの突極コア部と
    が、半径方向に対向するように配置されているととも
    に、 上記ラジアル浮上制御磁束に作用してラジアル浮上力を
    発生させるためのバイアス磁束が、前記ロータとステー
    タの突極コア部との半径方向対向面を通過する磁束ルー
    プを形成するように構成された磁気浮上モータにおい
    て、 上記ロータ及びステータには、半径方向に対向するロー
    タ側スラスト軸受用磁路部及びステータ側スラスト軸受
    用磁路部がそれぞれ設けられ、 前記バイアス磁束が、上記ロータ側スラスト軸受用磁路
    部とステータ側スラスト軸受用磁路部との間に形成され
    た半径方向ギャップを通過するように構成されていると
    ともに、 上記バイアス磁束の磁束ループ中であって、前記ロータ
    とステータの突極コア部との両対向面の少なくとも一方
    側の対向面、又は前記ロータ側スラスト軸受用磁路部と
    ステータ側スラスト軸受用磁路部との両対向面の少なく
    とも一方側の対向面には、他方側の対向面に向かって突
    出する凸部と、上記他方側の対向面から離間するように
    窪む凹部とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設
    けられ、これら凸部及び凹部による磁気作用によって前
    記ロータを軸方向の所定位置に保持させる構成になされ
    ていることを特徴とする磁気浮上モータ。
  3. 【請求項3】 前記凸部及び凹部が、軸方向に複数組に
    わたって設けられていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の磁気浮上モータ。
  4. 【請求項4】 前記ラジアル浮上制御磁束に作用してラ
    ジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁束の磁束ル
    ープ中に、スラスト軸受荷重の支持力を生成するスラス
    ト制御用コイルが配置されたものであって、 上記スラスト制御用コイルは、前記ロータ側スラスト軸
    受用磁路部又はステータ側スラスト軸受用磁路部の一方
    側に対して回転の軸を中心として巻回されていることを
    特徴とする請求項1又は2記載の磁気浮上モータ。
  5. 【請求項5】 前記ロータ側スラスト軸受用磁路部及び
    ステータ側スラスト軸受用磁路部が、回転の軸を中心と
    した略円筒状の部材から形成されているとともに、 前記凸部及び凹部が、上記略円筒状の部材の周面に形成
    され、その凸部又は凹部をガイドとして前記スラスト制
    御用コイルが巻回されていることを特徴とする請求項3
    記載の磁気浮上モータ。
  6. 【請求項6】 前記スラスト制御用コイルが短絡されて
    いることを特徴とする請求項4記載の磁気浮上モータ。
  7. 【請求項7】 前記ステータの突極コア部が、軸方向に
    二つ並べて配置されているとともに、 その二つのステータの突極コア部の間に、前記ロータ側
    スラスト軸受用磁路部とステータ側スラスト軸受用磁路
    部との半径方向対向部分が配置されていることを特徴と
    する請求項1又は2記載の磁気浮上モータ。
  8. 【請求項8】 前記ステータの突極コア部とステータ側
    スラスト軸受用磁路部とが、軸方向に並べて配置されて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の磁気浮上モ
    ータ。
  9. 【請求項9】 前記ロータは、アウタロータ型またはイ
    ンナーロータ型のいずれかであることを特徴とする請求
    項1又は2記載の磁気浮上モータ。
  10. 【請求項10】 前記バイアス磁束を発生させるバイア
    スマグネットが、ロータ側に配置されているとともに、 前記ロータ側にはステータの突極コア部と対向して回転
    トルクを発生させるリング状ロータマグネットが配置さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の磁気浮上モー
    タ。
  11. 【請求項11】 前記バイアス磁束を発生させるバイア
    スマグネットが、ステータ側に配置され、 前記ロータ側にはステータの突極コア部と対向して回転
    トルクを発生させるリング状ロータマグネットが配置さ
    れている請求項1記載の磁気浮上モータ。
  12. 【請求項12】 磁性体からなるロータと、このロータ
    をラジアル方向に浮上制御するためのラジアル浮上制御
    磁束を発生するステータ巻線が巻回されたステータの突
    極コア部とが、半径方向に対向するように配置されてい
    るとともに、上記ラジアル浮上制御磁束に作用してラジ
    アル浮上力を発生させるためのバイアス磁束が、前記ロ
    ータとステータの突極コア部との半径方向対向面を通過
    する磁束ループを形成するように構成された磁気軸受装
    置において、 上記バイアス磁束の磁束ループ中であって、前記ロータ
    とステータの突極コア部との両対向面の少なくとも一方
    側の対向面には、他方側の対向面に向かって突出する凸
    部と、上記他方側の対向面から離間するように窪む凹部
    とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設けられ、
    これら凸部及び凹部による磁気作用によって前記ロータ
    を軸方向の所定位置に保持させる構成になされているこ
    とを特徴とする磁気軸受装置。
  13. 【請求項13】 磁性体からなるロータと、このロータ
    をラジアル方向に浮上制御するためのラジアル浮上制御
    磁束を発生するステータ巻線が巻回されたステータの突
    極コア部とが、半径方向に対向するように配置されてい
    るとともに、上記ラジアル浮上制御磁束に作用してラジ
    アル浮上力を発生させるためのバイアス磁束が、前記ロ
    ータとステータの突極コア部との半径方向対向面を通過
    する磁束ループを形成するように構成された磁気軸受装
    置において、 上記ロータ及びステータには、半径方向に対向するロー
    タ側スラスト軸受用磁路部及びステータ側スラスト軸受
    用磁路部がそれぞれ設けられ、 前記バイアス磁束が、上記ロータ側スラスト軸受用磁路
    部とステータ側スラスト軸受用磁路部との間に形成され
    た半径方向ギャップを通過するように構成されていると
    ともに、 上記バイアス磁束の磁束ループ中であって、前記ロータ
    とステータの突極コア部との両対向面の少なくとも一方
    側の対向面、又は前記ロータ側スラスト軸受用磁路部と
    ステータ側スラスト軸受用磁路部との両対向面の少なく
    とも一方側の対向面には、他方側の対向面に向かって突
    出する凸部と、上記他方側の対向面から離間するように
    窪む凹部とが、軸方向に隣接して段差状をなすように設
    けられ、これら凸部及び凹部による磁気作用によって前
    記ロータを軸方向の所定位置に保持させる構成になされ
    ていることを特徴とする磁気軸受装置。
  14. 【請求項14】 前記凸部及び凹部が、軸方向に複数組
    にわたって設けられていることを特徴とする請求項12
    又は13記載の磁気軸受装置。
  15. 【請求項15】 前記ラジアル浮上制御磁束に作用して
    ラジアル浮上力を発生させるためのバイアス磁束の磁束
    ループ中に、スラスト軸受荷重の支持力を生成するスラ
    スト制御用コイルが配置されたものであって、 上記スラスト制御用コイルは、前記ロータ側スラスト軸
    受用磁路部又はステータ側スラスト軸受用磁路部の一方
    側に対して回転の軸を中心として巻回されていることを
    特徴とする請求項12又は13記載の磁気軸受装置。
  16. 【請求項16】 前記ロータ側スラスト軸受用磁路部及
    びステータ側スラスト軸受用磁路部が、回転の軸を中心
    とした略円筒状の部材から形成されているとともに、 前記凸部及び凹部が、上記略円筒状の部材の周面に形成
    され、その凸部又は凹部をガイドとして前記スラスト制
    御用コイルが巻回されていることを特徴とする請求項1
    4記載の磁気軸受装置。
  17. 【請求項17】 前記スラスト制御用コイルが短絡され
    ていることを特徴とする請求項15記載の磁気軸受装
    置。
  18. 【請求項18】 前記ステータの突極コア部とステータ
    側スラスト軸受用磁路部とが、軸方向に並べて配置され
    ていることを特徴とする請求項12又は13記載の磁気
    軸受装置。
  19. 【請求項19】 前記ロータは、アウタロータ型または
    インナーロータ型のいずれかであることを特徴とする請
    求項12又は13記載の磁気軸受装置。
  20. 【請求項20】 前記バイアス磁束を発生させるバイア
    スマグネットが、ロータ側に配置されていることを特徴
    とする請求項12又は13記載の磁気軸受装置。
  21. 【請求項21】 前記バイアス磁束を発生させるバイア
    スマグネットが、ステータ側に配置されていることを特
    徴とする請求項12又は13記載の磁気軸受装置。
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