JP2003198364A - Pll回路 - Google Patents

Pll回路

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JP2003198364A
JP2003198364A JP2001393903A JP2001393903A JP2003198364A JP 2003198364 A JP2003198364 A JP 2003198364A JP 2001393903 A JP2001393903 A JP 2001393903A JP 2001393903 A JP2001393903 A JP 2001393903A JP 2003198364 A JP2003198364 A JP 2003198364A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PLL回路において、電圧制御発振器(VC
O)の広い周波数可変範囲と適切なKvを周波数のバン
ド数やそのオーバーラップなどの影響を受けずにシンプ
ルな制御により実現する。 【解決手段】 VCO60は入力された電圧により発振
周波数が変化し、その出力を分周器4でN分周する。分
周器で分周した信号を基準信号発生器1の基準周波数信
号と位相比較器2で位相比較し、その出力をループフィ
ルタで平滑化する。その出力信号をVCO60に入力す
ることで、基準周波数のN倍の信号がVCOから出力さ
れる。そこで、第1のロックでは、スイッチにより、容
量変化の大きいバラクタダイオード14,15を選択し
てVCO60の制御電圧に対する発振周波数の変化量を
大きくし、第1のロック状態後の第2のロックでは、容
量変化の小さいバラクタダイオード16,17を選択し
て発振周波数の変化量を小さくするようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チューナや通信機
器に使用されるPLL回路に関し、特に、発振回路をI
Cに内蔵する場合において、広帯域な発振周波数が要求
される場合に好適なPLL回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のチューナや通信機器に使用されて
いる周波数バンド切り替え型の電圧制御発振器(以降V
COと記載)を使用して、そのVCOをICに内蔵した
PLL回路の構成を図5に示す。
【0003】図5において、1は基準信号発生器、2は
位相比較器、3はループフィルタ、4は分周器、60は
VCOである。
【0004】通常PLL回路は、VCO60、位相比較
器2、分周器4、水晶などの基準信号発生器1から構成
されており、その動作は、基準信号発生器1の信号とV
COの信号を分周した信号とを位相比較器2にて比較
し、位相比較の出力をループフィルタ3にて平滑化し、
その出力をVCO60に与えるという構成をとってい
る。この構成によりVCOの発振周波数が一定になるよ
うに制御され、またVCOの発振周波数を変える場合に
は、分周器4の分周比を変えることにより実現できる。
【0005】従来、バンド切り替え機能付きの内蔵VC
Oの場合、共振コンデンサの容量値をスイッチにより切
り替えることで、複数の周波数可変バンドをもたせ、必
要な発振周波数帯域をカバーするようにしている。
【0006】これは、PLL回路の特性として、Kv
(VCOの発振周波数/制御電圧(単位Hz/V)以下
Kvと記載)が大きければ大きいほど電源やグランド、
制御電圧ラインにのるノイズの影響をVCOが受けやす
く、ロック時のC/N特性が劣化するという特性を持っ
ているからである。例えば携帯電話等のPLLではKv
が40MHz/Vで必要C/Nを満たすような設計にな
っている。
【0007】位相比較器2の出力でリニアに使用できる
電圧の範囲は0.5vから2.5vなので、必要な周波
数帯域をカバーするためには複数の周波数のバンド切り
替えが必要となる。
【0008】またVCOのインダクタ、バリキャップを
ICに内蔵する場合、素子のバラツキによりVCOの可
変周波数帯域が変わってしまうという問題もある。一般
的にICに内蔵した場合、インダクタで5%、バリキャ
ップで10%のバラツキがあると言われている。
【0009】このバラツキのために、さらに多くの周波
数バンド切り替えが必要となり、各バンドの周波数可変
範囲をオーバーラップさせなければならないことにな
る。そのため、広い周波数帯域をカバーするためにはバ
ンド数も多くなってしまうという問題点がある。
【0010】図6は、ループフィルタ出力電圧対VCO
の発振周波数の特性を示したものである。図5の回路に
おける容量22〜25をスイッチ18〜21のON,O
FFによりVCOの発振周波数のバンドを切り替えるこ
とができ、バンド切り替えを行うことにより必要発振周
波数帯域をカバーしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のPLL回路で
は、VCOのKvを低くしたまま広い周波数範囲をカバ
ーするために、バンド数を多くする必要がある。VCO
が複数の発振周波数バンドを持っているために、どのバ
ンドを使用するか決めるための回路も必要となってい
る。現在では、出荷検査の時に発振周波数ごとにどのバ
ンドを使用するかのデータをROMに持たせるか、周波
数調整回路として、初めにあるバンドでロック動作をさ
せ、そのときの発振周波数のずれを検出して、どの周波
数バンドを使用するか選択するような回路を持ってお
り、回路が複雑になっている。複数のバンドを持たせた
場合、周波数の低い側のバンドではバリキャップによる
発振周波数の可変範囲が下がるという問題もある。
【0012】本発明の目的は、広いVCOの周波数可変
範囲と適切なKvを周波数のバンド数やそのオーバーラ
ップなどの影響を受けずにシンプルな制御により実現す
るPLL回路を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のPLL回路においては、複数のKvの異な
ったロックループが形成されており、初めにKvの大き
いループで広い発振周波数範囲を実現しつつロックを行
い、その後そのロック電圧を維持しつつ、Kvの小さい
ループに切り替えることにより、ロック状態でのVCO
の特性を満足することを目的としている。
【0014】図1にそって説明を行う。具体的な回路と
してはループフィルタ3の出力を2系統に分け、第1の
ロックでは、その出力は電圧対容量変化の大きいバラク
タダイオード14,15に接続され、広い周波数可変範
囲を実現し、目標となる周波数にVCO60の発振周波
数を急峻に引き込みロックする。その後、第2のロック
として、ループフィルタ3出力を電圧対容量変化の小さ
いバラクタダイオード16,17に接続、ロック時のノ
イズに対する特性を満足することができるという構成を
している。
【0015】第1のロック状態から第2のロック状態へ
変化するタイミングを制御するために、容量変化の小さ
いバラクタダイオード16,17に印加されている電圧
を検知する電圧検知回路30を備えており、第2のロッ
ク状態に変化する瞬間にループフィルタ3の電圧を変化
させ、電圧源9の電圧にした後にスイッチ8を開放する
機能をもっている。
【0016】また、長時間第2のループでロックしてい
る時は、バラクタダイオード14,15に印加している
電圧が、容量10の電荷が変化することにより変化する
ことが考えられる。この電圧を補正するために、図2の
ように電圧検知回路30と補正回路31を組み合わせる
ことによりバラクタダイオード14,15の印加電圧を
一定にする機能を備えている。
【0017】上記のバラクタダイオード14,15の印
加電圧の補正は、図3のように、電荷をチャージ、ディ
スチャージすることによっても実現できる。
【0018】さらに、第1のループと第2のループとで
Kvが大きく違い、2つのKvにおいてループフィルタ
定数を変化させる必要がある場合は、図4のようにフィ
ルタ回路を切り替える。
【0019】これらの構成により、広い周波数可変範囲
と適切なKvを両立することのできるPLL回路を実現
することができる。ちなみに図7は、本発明のPLL回
路におけるVCOの制御特性を示したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるPLL回路
について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0021】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1におけるPLL回路を示したものである。図1に
おいて、1は基準信号発生器、2は位相比較器、3はル
ープフィルタ、4は分周器、6,7,8はスイッチ、9
は電圧源、10は容量、30は電圧検知回路、60はV
COであり、VCO中の14,15,16,17はバラ
クタダイオード、12,13はインダクタ、11は電圧
源、5は出力回路である。
【0022】バラクタダイオードの電圧に対する容量変
化は、バラクタダイオード14,15は大きく、バラク
タダイオード16,17は小さくなるように設定されて
いる(バラクタダイオード14と15,16と17はそ
れぞれ同じ容量変化を行う)。
【0023】PLLがロックする前は、スイッチ6、ス
イッチ8は閉じており、スイッチ7は開いた状態になっ
ている。電圧源9は今回の場合VCC/2の電圧である
1.5vに設定されている。
【0024】この電圧源9の電圧によりバラクタダイオ
ード16,17はある容量値に固定されている。この状
態であると、可変できる容量はバリキャップ14,15
だけになっており、この状態でロック動作に入ると、あ
るループフィルタ出力電圧でPLLがロックし、VCO
の発振周波数が固定される(この状態を第1のロック状
態とする)。第1のロック状態では、Kvが大きいため
に広い周波数可変範囲を持っている。
【0025】第1のロック状態の後、スイッチ6を開
き、スイッチ7を閉じる。切り替えた瞬間は、ループフ
ィルタ3の出力電圧は第1のロック時の電圧が保持され
ている。この電圧を電圧源9で変化させ、その電圧変化
を電圧検知回路30にて検知、1.5Vの前後ある範囲
(今回の場合は1.3vから1.7v)に入った時点で
スイッチ8を開き、第2のロック状態に移行する。バラ
クタダイオード14,15へ印加されている電圧は、容
量10により第1のロック状態での電圧が保持されてい
る。
【0026】第1のロック状態から第2のロック状態へ
理想どおりに変化すならば、第2のロック時におけるル
ープフィルタ3の出力電圧は電圧源9の電圧となり、位
相比較器2のほぼセンターの電圧でロックさせることが
できる(この状態を第2のロック状態とする)。第2の
ロック状態では、Kvが小さいためノイズの影響を受け
にくくC/N特性はさらによくなる。
【0027】このように、第1のロック状態において広
い周波数範囲をカバーし、その後に第2のロック動作を
行うことにより、発振特性をさらに改善することが可能
となる。
【0028】本発明におけるPLL回路では、従来の発
振周波数のバンドを切り替えるタイプのVCOを使用し
たPLLに比べ、素子のバラツキによるバンドのオーバ
ーラップや、発振周波数に応じてどのバンドを使用する
かを選択するための回路やデータを必要としないため
に、トータルの回路をシンプルにすることができる。
【0029】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の
形態2におけるPLL回路を示したもので、実施の形態
1に対し、バラクタダイオード14,15への印加電圧
が第2のロック時にずれた場合に補正するための補正回
路31を付け加えたものである。
【0030】動作は、第2のロックを行うまでは、図1
の回路と同様であり、第2のロック時、バラクタダイオ
ード14,15へ印加されている電圧が容量10のリー
クや回路におけるリーク等により変動した場合、その電
圧を補正するために、補正回路31の電流源32または
33をONさせることにより行う。制御は検知回路30
によりバラクタダイオード16,17への印加電圧を検
知することにより行う。
【0031】電圧検知回路30の動作としては、第2の
ロック状態において、バラクタダイオード14,15へ
の印加電圧が変化するのに伴い、ループフィルタ3の出
力電圧が変動するが、この変動を検知することにより行
う。この電圧変動がある範囲(ここでは1v以下、2v
以上に設定)を越えた時に電圧検知回路30が補正回路
31を動作させ、バラクタダイオード14,15への印
加電圧を範囲内に戻す補正をかける。補正回路31はル
ープフィルタ3の出力電圧が1vから2vの間にある場
合は動作せず、ロック時の特性はKvの低いループ特性
で決定される。
【0032】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の
形態3におけるPLL回路を示したものであり、図2の
回路に対し、補正を電荷のチャージ、ディスチャージに
て行う回路である。
【0033】補正回路41について説明する。第2のロ
ックまでの動作および電圧検知回路30の制御は、図
1,図2の場合と同様である。補正回路41は電圧源4
3とスイッチ44、容量42から構成されており、電圧
源43の電圧はループフィルタ3の出力電圧に応じて変
化する。
【0034】ループフィルタ3の出力電圧が1vから2
vの時にはスイッチ44が電圧源43に接続されてい
る。ループフィルタ3の出力電圧が1v以下もしくは2
v以上になった時に補正回路41が動作し、スイッチ4
4により電圧源43が切り離され、容量42にたまった
電荷を容量10にチャージ、もしくはディスチャージす
る動作を行う。この電荷の移動によりバラクタダイオー
ドに印加される電圧の補正を行う。
【0035】(実施の形態4)図4は、本発明の実施の
形態4におけるPLL回路を示したものである。ここで
は、ループフィルタの定数を第1のロック時と、第2の
ロック時とで切り替えるようにしており、図1から図3
の回路と併用して使用される。2つのループにおけるK
vの差によりロック時の特性、ダンピングファクタやロ
ックアップタイム等を理想の定数に近づけるためのもの
で、フィルタ定数可変部50を第1のロック状態、第2
のロック状態で、スイッチ51を閉じたり、開けたりす
ることにより実現する。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
VCOをICに内蔵したPLL回路において、広い周波
数可変範囲とKvをシステムに応じて自由に設定するこ
とのできる優れたPLL回路を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1におけるPLL回路のブロ
ック構成図
【図2】本発明の実施形態2におけるPLL回路のブロ
ック構成図
【図3】本発明の実施形態3におけるPLL回路のブロ
ック構成図
【図4】本発明の実施形態4におけるPLL回路のブロ
ック構成図
【図5】従来技術におけるPLL回路のブロック図
【図6】従来のPLL回路におけるVCO制御特性図
【図7】本発明のPLL回路におけるVCO制御特性図
【符号の説明】
1 基準信号発生器 2 位相比較器 3 ループフィルタ 4 分周器 5 出力回路 6,7,8,44,51 スイッチ 9,11,34,43 電圧源 10,42 容量 14,15,16,17 バラクタダイオード 12,13 インダクタ 30 電圧検知回路 31,41 補正回路 32,33 電流源 50 フィルタ定数可変部 52 抵抗 60 電圧制御発振器(VCO)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された電圧により発振周波数が変化
    する電圧制御発振器と、前記電圧制御発振器の出力をN
    分周する分周器と、基準信号発生器と、前記分周器で分
    周した信号と前記基準信号発生器から発生した基準周波
    数信号とを位相比較する位相比較器と、前記位相比較器
    の出力を平滑化するループフィルタとを備え、前記ルー
    プフィルタの出力信号を前記電圧制御発振器に入力する
    ことにより前記基準周波数のN倍の信号が前記電圧制御
    発振器から出力されるようにしたPLL回路において、 第1のロックでは、前記電圧制御発振器の制御電圧に対
    する発振周波数の変化量を大きくし、第1のロック状態
    後の第2のロックでは、発振周波数の変化量を小さくす
    るようにしたことを特徴とするPLL回路。
  2. 【請求項2】 電圧制御発振器における発振周波数の変
    化量を切り替えるために、電圧に対する容量変化の異な
    った複数個のバラクタダイオードを電圧制御発振器の共
    振部として使用し、ループフィルタの出力部に前記バラ
    クタダイオードを切り替えるためのスイッチを備え、前
    記スイッチを切り替えて、第1および第2のロックの切
    り替えを行うことを特徴とする請求項1記載のPLL回
    路。
  3. 【請求項3】 電圧に対する容量変化の小さい側のバラ
    クタダイオードに電圧を印加するための電圧源と、その
    電圧源を入り切りするためのスイッチを、ループフィル
    タの出力部にあるバラクタダイオードを切り替えるため
    のスイッチの前記バラクタダイオード側に備えているこ
    とを特徴とする請求項2記載のPLL回路。
  4. 【請求項4】 電圧に対する容量変化の大きい側のバラ
    クタダイオードと接地電位間に容量を備えていることを
    特徴とする請求項2または請求項3記載のPLL回路。
  5. 【請求項5】 電圧に対する容量変化の小さい側のバラ
    クタダイオードにかかる電圧を検知し、電圧源を入り切
    りするためのスイッチを制御するための電圧検知回路を
    備えていることを特徴とする請求項3または請求項4記
    載のPLL回路。
  6. 【請求項6】 電圧に対する容量変化が小さい側のバリ
    キャップに印加されている電圧を検知し、電圧に対する
    容量変化が大きい側のバリキャップのラインに電流を供
    給する電流源を有する補正回路を備えていることを特徴
    とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のP
    LL回路。
  7. 【請求項7】 電圧に対する容量変化が小さい側のバリ
    キャップに印加されている電圧を検知し、電圧に対する
    容量変化が大きい側のバリキャップのラインに容量に貯
    められた電荷を印加することのできる、電圧源,容量お
    よびスイッチからなる補正回路を備えていることを特徴
    とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のP
    LL回路
  8. 【請求項8】 ループフィルタとバラクタダイオード間
    に、ロック時における安定性を保つための、第1のロッ
    クと第2のロックとで切り替え可能なフィルタ定数可変
    部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項7
    のいずれか1項に記載のPLL回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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