JP2003198229A - チップアンテナの製造方法 - Google Patents

チップアンテナの製造方法

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JP2003198229A
JP2003198229A JP2001400500A JP2001400500A JP2003198229A JP 2003198229 A JP2003198229 A JP 2003198229A JP 2001400500 A JP2001400500 A JP 2001400500A JP 2001400500 A JP2001400500 A JP 2001400500A JP 2003198229 A JP2003198229 A JP 2003198229A
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forming
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terminal electrode
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Michiko Takahashi
美千子 高橋
Keiichi Wakabayashi
敬一 若林
Kaoru Nishizawa
薫 西澤
Eiichiro Hirose
英一郎 広瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端子電極を構成する材料層を可能な限り薄く
しつつ十分な耐熱性を維持し、各材料層の厚みを均一化
できるチップアンテナの製造方法を提供する。 【解決手段】 チップアンテナの端子電極3は、基体1
の側面に形成されている凸部4に導体材料からなる第1
層31を形成する工程と、第1層31に対して導体材料
より耐熱性を有する耐熱性材料を用いて無電解メッキ処
理することにより、第1層31の上層に第2層32を形
成する工程とを有する製造プロセスによって製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
等に取り付けられるチップアンテナの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板等に取り付けられるチ
ップアンテナ、例えば1/4波長モノポールチップアン
テナは、誘電体あるいは磁性体からなる基体の表面、裏
面、および側面に所定長の導体パターンを周回させるこ
とによってアンテナ素子を形成し、所定の周波数に同調
するようにしている。
【0003】図5はチップアンテナの一例を示す図であ
る。このうち、図5(a)はチップアンテナの表面側か
ら見た平面図、図5(b)はチップアンテナの一方の側
面図であって図5(a)のB−B矢視図、図5(c)は
チップアンテナの裏面側から見た平面図であって図5
(b)のC−C矢視図、図5(d)はチップアンテナの
もう一方の側面図であって図5(c)のD−D矢視図で
ある。図5において、誘電体あるいは磁性体からなる基
体1は側面に複数の凸部4を有している。凸部4は基体
1の両側面のそれぞれに同じ数だけ互いに対向するよう
に形成されている。そして、基体1の表面及び裏面には
所定の導体パターン5a〜5dが形成されており、基体
1の凸部4のそれぞれの端面にも導体パターン5eが形
成されている。
【0004】導体パターンは、基体1の表面の長手方向
一端側に設けられた幅広導体パターン5aと、基体1の
裏面の長手方向一端部からほぼ中央部に亘って、基体1
の両側面のうち互いに対向する凸部4どうしを結ぶよう
に設けられた横断導体パターン5bと、基体1の表面の
長手方向中央部に、基体1の両側面のうち1つずれた凸
部4どうしを結ぶように設けられた斜め導体パターン5
cと、基体1の表面の長手方向他端部側に設けられた幅
広導体パターン5dと、基体1の凸部4の端面に設けら
れた導体パターン5eとからなり、これらの導体パター
ン5a〜5eは全体として基体1を螺旋状に取り巻く螺
旋導体パターンとなっている。
【0005】また、凸部4の端面に設けられた複数の導
体パターン5eのうち、所定の導体パターン5eは、基
体1の表裏面に形成されている導体パターンと接続さ
れ、端子電極3を形成している。すなわち、端子電極3
は、複数の凸部4のうち、一部の凸部4に形成されてお
り、この端子電極3によって表面の導体パターンと裏面
の導体パターンとが接続されている。つまり、図5にお
けるハッチングを施した部分が導体部分であり、それぞ
れの導体部分が電気的に接続することによりアンテナと
して機能する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図6は図5の端子電極
3を示す拡大斜視図であり、図7は断面図である。端子
電極3の導体としては銀あるいは銀とパラジウムとを含
む合金が用いられており、導体層(導体パターン)を形
成するには導体材料をペースト状とし、この導体ペース
トを塗布することによって形成している。ここで、銀は
十分な耐熱性を有しておらず、例えばプリント配線基板
に端子電極を半田付けで取り付けようとした場合、半田
付け作業時における熱で導体層が剥がれたり劣化したり
するおそれがある。そこで、従来においては、図7に示
すように、導体ペーストを複数回(例えば3回程度)繰
り返し塗布することによって導体層厚みを厚くし、導体
層の耐熱性を向上させるようにしていた。
【0007】しかしながら、このときの端子電極3の導
体層の厚みは、図7に示すように30〜40μm程度と
なり、オーバハングにより端部に鋭利なエッジEが生じ
る。すると、端子電極3の入出力特性を測定するときに
検査装置のプローブを傷つける等の悪影響を及ぼす。ま
た、銀は比較的高価であるために導体層厚みを厚くする
と製造コストの上昇につながり、更に、厚み寸法にもバ
ラツキが生じて基板実装時の作業性が低下するおそれが
ある。
【0008】一方、銀(あるいは銀を含む合金)からな
る導体層の上層にニッケルなど、耐熱性を有する金属材
料によって耐熱層を設けることも考えられる。この場
合、ニッケルを用いて導体層の上層に電気メッキ処理を
施すことによって耐熱層を設けることが考えられる。し
かしながら、図5に示すチップアンテナは、それぞれの
導体パターンが端子電極3を介して連続している連続端
子部A1と、それぞれの導体パターンが不連続である独
立端子部A2とを有している。このような電気的に連続
している部分と不連続である部分とが一体となっている
チップアンテナに対してニッケルを用いて電気メッキ処
理を行うと、連続端子部A1では複数ある端子電極3の
うちいずれかの端子電極3、あるいは表裏面の導体パタ
ーン5a〜5dのいずれかに通電用のダミーボールが接
触すれば全ての端子電極3(導体パターン)にメッキが
施されるのでニッケルからなる耐熱層が厚く形成され、
一方、独立端子部A2では複数ある端子電極3のうちそ
れぞれの端子電極3にダミーボールが接触しないと端子
電極3にはメッキが施されないので連続端子部A1に比
べて耐熱層が薄く形成されてしまう。ニッケルからなる
耐熱層が厚く形成されるとクラック発生の要因となり、
一方、耐熱層が薄く形成されると耐熱層としての所望の
機能を有しなくなるため、端子電極3のそれぞれに所望
の層厚みを有する耐熱層を形成するのに多大な労力を要
する。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、端子電極を構成する材料層を可能な限り
薄くしつつ十分な耐熱性を維持し、しかも各材料層の厚
みを均一化できるチップアンテナの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め本発明のチップアンテナの製造方法は、側面に凸部を
備えた基体の表面及び裏面に所定の導体パターンを形成
する導体パターン形成工程と、前記凸部に前記導体パタ
ーンと接続する端子電極を形成する端子電極形成工程と
を有するチップアンテナの製造方法において、前記端子
電極形成工程は、前記凸部に導体材料からなる第1層を
形成する工程と、前記第1層に対して前記導体材料より
耐熱性を有する耐熱性材料を用いて無電解メッキ処理す
ることにより、前記第1層の上層に第2層を形成する工
程とを有することを特徴とする。
【0011】本発明によれば、銀などの導体材料からな
る第1層の上層に、無電解メッキ処理によってニッケル
などの耐熱性材料からなる第2層を形成するので、第1
層の層厚みを薄く設定した状態で高い耐熱性を有する端
子電極を形成できる。したがって、プリント配線基板等
に例えば半田付けで端子電極を取り付ける際の作業性は
向上する。更に、第1層を可能な限り薄く形成できるの
でエッジが立つことがなくなるため、チップアンテナの
入出力特性等を測定する際の測定装置を傷つけることも
なくなる。また、第2層を形成する際、無電解メッキ処
理によって第2層を形成するようにしたので、チップア
ンテナが連続端子部と独立端子部とを有している場合で
も、第2層を均一な厚みに形成できる。したがって、第
2層は所望の耐熱性を有しつつ、クラックの発生や剥離
の発生といった不具合の発生を防止できる。また、凸部
に導体層である第1層と耐熱層である第2層とを設ける
ことにより、これら第1層は凸部に対する密着性が向上
され、また、第2層はメッキ化が容易となる。ここで、
導体材料としては、銀、銀とパラジウムとの合金、その
他銀を含む合金などが挙げられる。また、耐熱性材料と
しては、ニッケルなどが挙げられる。
【0012】この場合において、前記第2層の上層に、
前記第2層の酸化を防止する酸化防止材料からなる第3
層を形成する工程を有することにより、ニッケルなどか
らなる第2層は酸化を防止され、端子電極は高い耐熱性
を維持できる。ここで、酸化防止材料としては、錫、錫
と鉛とを含む合金、金などが挙げられる。なお、第3層
は無電解メッキ処理で形成してもよいし、電気メッキ処
理で形成してもよい。
【0013】前記導体パターン形成工程は、前記表面及
び前記裏面に対して導体ペーストをスクリーン印刷する
工程を有しており、スクリーン印刷法によって所望の導
体パターンを精度良く形成できる。
【0014】前記第1層を形成する工程は、前記凸部に
対し前記導体材料を含むペーストをロールコータで塗布
する工程を有しており、凸部の端面に形成される第1層
を均一な膜厚にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のチップアンテナの
製造方法について図面を参照しながら説明する。図1は
本発明のチップアンテナの製造方法によって製造された
端子電極の拡大斜視図、図2はその断面図である。ここ
で、図1及び図2は、図5に示したチップアンテナの端
子電極部分であり、以下の説明において、図5を用いて
説明した部分と同一又は同等の構成部分についてはその
説明を簡略もしくは省略する。
【0016】図1,図2,図5において、基体1は、例
えば、アルミナ系セラミックなど、高周波帯において比
誘電率(εr)、比透磁率(μr)が安定し、低損失で
共振周波数の温度係数(τr)の小さい材料によって構
成されている。
【0017】基体1の表面及び裏面に形成されている導
体パターン5a〜5dは、銀、銀とパラジウムとの合
金、あるいは銀を含む合金、銅、金ニッケルなど、導体
抵抗の低い所定の導体材料によって構成されている。基
体1の表裏面の導体パターン5a〜5dを形成する際に
は、前記導体材料を所定のバインダー及び有機溶剤を用
いてペースト化し、このペースト化された導体ペースト
をスクリーン印刷し、乾燥することにより形成される。
なお、図5におけるチップの寸法は、一例として、長さ
13.5mm、幅3.0mm、厚さ0.8mmであり、
導体パターン幅は1mm、導体間ピッチは1.5mmで
ある。
【0018】図5に示す基体1の側面(凸部4の端面)
の導電パターン5eは、銀、銀とパラジウムとの合金、
あるいは銀を含む合金、銅、金ニッケルなど、導体抵抗
の低い所定の導体材料によって構成されている。凸部4
の端面の導体パターン5eを形成する際には、前記導体
材料を所定のバインダー及び有機溶剤を用いてペースト
化し、このペースト化された導体ペーストをロールコー
タによって塗布し、乾燥することによって形成される。
【0019】更に、凸部4に形成される端子電極3にお
いては、基体1の表裏面の導体パターンと凸部4の端面
の導体パターンとが導体材料によって接続されている。
すなわち、表面の導体パターンと裏面の導体パターンと
が端子電極3を介して電気的に接続されている。
【0020】そして、複数の凸部のうち、一部の凸部4
は、外部との入出力接続端子(すなわち端子電極)とし
て使用され、また、表面の導電パターンと裏面の導電パ
ターンとの接続に使用されない凸部4のうちいくつか
は、チップアンテナの配線基板への固定用として用いら
れる。この構造によって小型、軽量化が達成され、表面
実装が可能になっている。
【0021】図1,図2に示すように、端子電極3を構
成する端子電極層は、凸部4に設けられ、導体損失の低
い導体材料からなる第1層31と、この第1層31を構
成する導体材料よりも高い耐熱性を有する耐熱性材料か
らなる第2層32と、この第2層32の酸化を防止する
酸化防止材料からなる第3層33とによって構成されて
いる。
【0022】第1層31は導体層(導電体層、磁性体
層)であり、第1層31を構成する導体材料としては、
銀(Ag)、銀とパラジウムとの合金(Ag/Pd)、
銀と白金との合金(Ag/Pt)、その他銀(Ag)を
含む合金などが挙げられる。
【0023】第2層32は耐熱層であり、端子電極3を
プリント配線基板等に半田付けする際、半田付けによる
熱から第1層31を保護するものである。第2層32を
構成する耐熱性材料としては、ニッケル(Ni)などが
挙げられる。
【0024】第3層33は酸化防止層であり、第2層3
2の酸化を防止することによって半田付けの作業性を向
上させるとともに、第2層32の劣化を防止するもので
ある。第3層33を構成する酸化防止材料としては、錫
(Sn)、錫と鉛との合金(Sn/Pb)、金(Au)
などが挙げられる。この中でも、半田との接着性が良い
錫あるいは錫を含む合金を用いることが好ましい。
【0025】次に、図3を参照しながら本発明のチップ
アンテナの製造方法について説明する。まず、基体1の
表面及び裏面に導体ペーストを所定のパターンとなるよ
うにスクリーン印刷する(ステップS1)。次いで、印
刷された導体パターンを乾燥し、溶剤等を除去する。
【0026】そして、基体1の表面及び裏面に形成され
た導体パターンに対してガラスのレジストパターンを焼
き付ける(ステップS2)。こうすることにより、表面
及び裏面の導体パターンに半田が付着しない。
【0027】基体1の表面及び裏面に導体パターンを形
成し、ガラスのレジストパターンを焼き付けたら、この
基体1のダイシングを行なうことによって基体1を所定
数分割する(ステップS3)。
【0028】次に、基体1の凸部4の端面に対し、ロー
ルコータによって導体ペーストを塗布する。そして、塗
布された導体ペーストを乾燥し、溶剤を除去する。ここ
で、端子電極3においては、凸部4の端面の導体パター
ンと基体1の表面及び裏面の導体パターンとが接続され
るように導体ペーストを塗布し、これを乾燥する(ステ
ップS4)。こうすることにより、凸部4に導体材料か
らなる第1層31が形成される。ここで、第1層31の
層厚みは可能な限り薄く設定される。また、平面に第1
層31を形成する構成と異なり、凸部4に第1層31を
形成する構成であるので、第1層31は凸部4に対して
剥がれたりすることなく安定して形成される。
【0029】第1層31が形成されたら、この第1層3
1に対して耐熱性材料を用いて無電解メッキ処理し、第
1層31の上層に第2層32を形成する(ステップS
5)。
【0030】無電解メッキ処理とは、電源を用いずに、
溶液中での還元反応を利用して、被メッキ物の表面にメ
ッキ金属を析出させる方法で、形状などによらず、均一
な膜厚の被膜を形成できる。したがって、チップアンテ
ナに連続端子部A1と独立端子部A2とが存在していて
も、第2層32を均一な膜厚にすることができる。ここ
で、無電解メッキ処理を行うに際の材料としては、ニッ
ケル単体でもよいし、ニッケル−リン合金を用いてもよ
い。メッキ前処理としてアクチベータ(塩化パラジウム
水溶液)に浸漬する。このとき、 2Ag+PdCl2 →2Ag+ +2Cl- +Pd との反応によりAg導体が若干溶解し、Ag導体上にの
み選択的にPd微粒子を析出・付着させられるものと推
定される。無電解ニッケルメッキは、製品に付着したP
d微粒子が還元触媒として作用することで析出・成膜す
る。従って、本製品ではAg導体(端子電極)上のみに
無電解Ni膜の形成が可能となり、通常の無電解メッキ
加工で不可欠であるメッキ非形成部分へのマスキングが
不要であった。また、平面に第2層32を形成する構成
と異なり、凸部4に第2層32をメッキ処理によって形
成する構成であるので、第2層32のメッキ化は容易と
なり、第2層32は安定して形成される。
【0031】第2層32が形成されたら、この第2層3
2の上層に第3層33を形成する(ステップS6)。こ
こで、第3層33を形成するには、上記無電解メッキ処
理を用いることができる。あるいは、錫(Sn)はニッ
ケル(Ni)に比べて均一な厚みで成膜されやすいの
で、通常の電気メッキ処理を用いて第3層33を形成す
るようにしてもよい。電気メッキ処理とは、電解溶液中
で被メッキ物を陰極として通電し、その表面にメッキ金
属を電気の性質を利用して析出させる方法である。
【0032】図4は、端子電極層を構成する第1層3
1、第2層32、第3層33の材料成分を示したもので
ある。図4に示すように、下地となる第1層31は、A
gとPdの合金でもよく、また、第3層33は、Snに
代えてSnとPbの合金、あるいはAuでも構わない。
本発明によれば、第1層31は10μm程度、第2層3
2は3μm程度、第3層33は5μm程度、全体として
18μm程度の厚みとなり、従来における第1層のAg
層の厚み40μmに比較して大幅に薄型化されることが
分かる。なお、図4に示す材料の任意の組み合わせによ
り、導通性、半田耐熱性、メッキによる固着強度に若干
の差異が見られる。
【0033】以上説明したように、銀などの導体材料か
らなる第1層31の上層に、無電解メッキ処理によって
ニッケルなどの耐熱性材料からなる第2層32を形成す
るので、第1層31の層厚みを薄く設定した状態で高い
耐熱性を有する端子電極3を形成できる。したがって、
プリント配線基盤等に例えば半田付けで端子電極3を取
り付ける際の作業性は向上する。更に、第1層32を可
能な限り薄く形成できるのでエッジが立つことがなくな
るため、チップアンテナの入出力特性等を測定する際の
測定装置を傷つけることもなくなる。
【0034】また、第2層32を形成する際、無電解メ
ッキ処理によって第2層32を形成するようにしたの
で、チップアンテナが連続端子部A1と独立端子部A2
とを有していたり、あるいは凸部4の形状がそれぞれ異
なっているような場合でも、第2層32を均一な厚みに
形成できる。したがって、第2層32は所望の耐熱性を
有しつつ、クラックの発生や剥離の発生といった不具合
の発生を防止できる。
【0035】また、凸部4に導体層である第1層31と
耐熱層である第2層32とを設けることにより、平面部
分にこれら各層31,32を設ける構成と異なり、第1
層31の凸部4に対する密着性は向上され、また、第2
層32のメッキ化は容易となる。
【0036】更に、第2層32の上層に、第2層32の
酸化防止層としての第3層33を形成したので、第2層
32は酸化を防止され、端子電極3は高い耐熱性を維持
できる。また、第3層33を錫などの所定材料で形成す
ることにより、半田との接着性を向上できる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性を確保するため
に、従来のような導体ペーストの繰り返し塗布による厚
塗りに代え、第1層の上層に耐熱性の高い第2層を設け
たことにより、層厚みの薄い、高い耐熱性を有する端子
電極を形成できる。したがって、端子電極を半田付けで
プリント配線基板に取り付ける際の作業性や、所定の測
定装置に対する接続作業性を向上できる。そして、第2
層を、無電解メッキ処理によって形成するようにしたの
で、チップアンテナが連続端子部と独立端子部とを有し
ていたり、凸部の形状がそれぞれ異なっているような場
合でも、第2層を均一な厚みに形成できる。したがっ
て、第2層のクラックの発生や剥離の発生といった不具
合の発生を防止でき、端子電極は所望の耐熱性を長期間
維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチップアンテナの製造方法によって製
造された端子電極の拡大斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明のチップアンテナの製造方法を説明する
ためのフローチャート図である。
【図4】端子電極層の各層の形成材料を示す表図であ
る。
【図5】 チップアンテナを示す図であって、(a)は
平面図、(b)は(a)のB−B線矢視図、(c)は底
面図、(d)は(c)のD−D線矢視図である。
【図6】従来のチップアンテナの製造方法によって製造
された端子電極の拡大斜視図である。
【図7】図6の断面図である。
【符号の説明】
1 基体 3 端子電極 4 凸部 31 第1層 32 第2層 33 第3層 5a〜5e 導体パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 敬一 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス工場電 子デバイス開発センター内 (72)発明者 西澤 薫 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス工場電 子デバイス開発センター内 (72)発明者 広瀬 英一郎 埼玉県秩父郡横瀬町大字横瀬2270番地 三 菱マテリアル株式会社セラミックス工場電 子デバイス開発センター内 Fターム(参考) 5J046 AA00 AA05 AB06 AB13 PA01 PA04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側面に凸部を備えた基体の表面及び裏面
    に所定の導体パターンを形成する導体パターン形成工程
    と、前記凸部に前記導体パターンと接続する端子電極を
    形成する端子電極形成工程とを有するチップアンテナの
    製造方法において、 前記端子電極形成工程は、前記凸部に導体材料からなる
    第1層を形成する工程と、前記第1層に対して前記導体
    材料より耐熱性を有する耐熱性材料を用いて無電解メッ
    キ処理することにより、前記第1層の上層に第2層を形
    成する工程とを有することを特徴とするチップアンテナ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2層の上層に、前記第2層の酸化
    を防止する酸化防止材料からなる第3層を形成する工程
    を有することを特徴とする請求項1記載のチップアンテ
    ナの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記導体パターン形成工程は、前記表面
    及び前記裏面に対して導体ペーストをスクリーン印刷す
    る工程を有することを特徴とする請求項1又は2記載の
    チップアンテナの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1層を形成する工程は、前記凸部
    に対し前記導体材料を含むペーストをロールコータで塗
    布する工程を有することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか一項記載のチップアンテナの製造方法。
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