JP2003195816A - 有機el表示装置およびその制御方法 - Google Patents
有機el表示装置およびその制御方法Info
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Abstract
ず常に一定の条件で行うと、高輝度化、高コントラスト
化については発光素子の特性に依存する割合が大きく、
低消費電力化についても発光素子の特性に依存せざるを
得ない。 【解決手段】 発光画素が行列状に配置されてなる有機
EL表示装置において、画素領域の全画素の総電流値を
画素電流検出回路15で検出し、その検出出力に基づい
て、映像信号処理回路12でアナログRGB映像信号の
信号レベル、具体的にはクランプレベルとピークレベル
とを制御(ブライト型ABL/ピーク型ABL)するこ
とによって発光画素に流れる電流を制御するとともに、
発光時間制御回路16によって発光画素の発光時間を制
御するようにする。
Description
子(電気光学素子)として、有機材料のエレクトロルミ
ネッセンス(以下、有機EL(electroluminescence)と記
す)素子を用いた有機EL表示装置およびその制御方法
に関する。
で奥行きがなく、軽量なディスプレイであり、今後のマ
ルチメディア時代を支えるデバイスとして期待されてい
る。フラットパネルディスプレイとしては、液晶ディス
プレイ、有機ELディスプレイなどが代表的なものとし
て挙げられる。現在、フラットパネルディスプレイとし
て最も普及しているのが液晶ディスプレイである。ただ
し、この液晶ディスプレイについては、高画質化の妨げ
となる問題点がいくつか挙げられる。
バックライトを必要とするため、高輝度を得るにはその
発光輝度を上げる必要がある。発光輝度を上げると、表
示輝度は高くなるものの、液晶により完全に光を遮断す
ることが不可能なため、黒色の表示性能が悪化する。ま
た、液晶ディスプレイの最高輝度はバックライトにより
規定されるため、コントラストはバックライトの輝度で
必然的に決まる。したがって、ブラウン管(以下、CR
T(cathode ray tube)と記す)によるディスプレイのよ
うに、入力信号以外の方法により意図的にコントラスト
や輝度をコントロールすることは非常に困難である。
込まれた情報を1フィールド期間ホールドするホールド
型ディスプレイであるため、動画表示の画質という観点
からするとCRTによるディスプレイに比べて大きく劣
っている。これは、CRTの表示光がインパルス的であ
るのに対して、液晶ディスプレイでは1フィールド期間
のホールドによって表示光の変化が原理的には階段状
(実際には、デバイスの応答時間の存在によって指数関
数的に変化)になり、動画を表示するとボケが知覚され
るからである。
画素の発光素子として、10V以下の駆動電圧で、数1
00〜数10000cd/m2の輝度を得ることが可能
な有機EL素子を用いていることから、自発光タイプで
視野角依存性がなく、しかもコントラスト比が高く、か
つホールド型ディスプレイに比べて動画の表示性能が優
れているなどの特長を持つため、次世代のフラットパネ
ルディスプレイとして有望視されている。
は、単純(パッシブ)マトリクス方式とアクティブマト
リクス方式とが挙げられる。ディスプレイの大型化・高
精細化を実現するには、単純マトリクス方式の場合は、
各画素の発光期間が走査線(即ち、垂直方向の画素数)
の増加によって減少するため、瞬間的に各画素の有機E
L素子が高輝度で発光することが要求される。一方、ア
クティブマトリクス方式の場合は、各画素が1フレーム
の期間に亘って発光を持続するため、ディスプレイの大
型化・高精細化が容易である。
クス型有機ELディスプレイにおいては、従来、発光画
素の駆動については入力信号(映像信号)レベルにかか
わらず常に一定の条件で行っていた。そのため、高輝度
化、高コントラスト化については有機EL素子の特性に
依存する割合が大きく、同様に低消費電力化についても
有機EL素子の特性に依存せざるを得なかった。しか
も、高輝度化のために有機EL素子に対して高い電圧を
印加したり、あるいは大きい電流を流し続けると、有機
EL素子の特性が劣化する傾向にあり、さらには消費電
力も増大するという問題が発生する。
であり、その目的とするところは、有機EL素子の特性
に依存することなく、高コントラスト化および低消費電
力化が可能な有機EL表示装置およびその制御方法を提
供することにある。
に、本発明では、発光画素として有機EL素子が行列状
に配置されてなる有機EL表示装置において、発光画素
に流れる電流値を検出し、その検出した電流値に基づい
て発光画素に流れる電流を制御する構成を採っている。
好ましくは、発光画素に流れる電流の制御に加えて、検
出した電流値に基づいて発光画素の発光時間を制御する
ようにする。
CRTによる一般的なテレビジョン受像機において、過
電流保護や画質改善のために使用されているビーム電流
制御の技術である。ただし、その制御をかけ過ぎると、
黒階調あるいは白階調がつぶれてしまう。そこで、黒階
調あるいは白階調のつぶれが目立たない範囲内で発光画
素に流れる電流の制御を行う。好ましくは、その制御の
足りない分を発光時間の制御で補うようにする。この発
光時間の制御において、検出した電流値が大きいときに
は、発光画素の発光時間を短く設定することで、画面全
体の発光輝度および消費電力が抑制される。一方、検出
した電流値が小さいときには、発光画素の発光時間を長
く設定することで、高輝度化が図られる。
て図面を参照して詳細に説明する。
施形態に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すブロ
ック図である。図1から明らかなように、本実施形態に
係る有機EL表示装置は、有機ELパネル11、映像信
号処理回路12、A/D変換回路13、駆動回路14、
画素電流検出回路15および発光時間制御回路16を有
する構成となっている。
す。ここでは、図面の簡略化のために、R(赤)G
(緑)B(青)の各画素回路のうち、1色の画素回路の
みを例に採って示している。同図において、有機ELパ
ネル11は、透明ガラスなどの基板上に有機EL素子2
1を含む画素回路が行列状に多数配列された構成となっ
ている。具体的には、基板上に、透明導電膜からなる第
1の電極(例えば、陽極)が形成され、その上にさらに
正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層が順
次堆積されることで有機層が形成され、この有機層上に
さらに低仕事関数の金属からなる第2の電極(例えば、
陰極)が形成されることで有機EL素子21が形成され
ている。
極と第2の電極との間に直流電圧を印加することによ
り、正孔が第1の電極(陽極)から正孔輸送層を経て、
電子が第2の電極(陰極)から電子輸送層を経てそれぞ
れ発光層内に注入され、この注入された正負のキャリア
によって発光層内の蛍光分子が励起状態となり、この励
起分子の緩和過程で発光が得られるようになっている。
て、有機EL素子21を駆動する能動素子として、一般
的に、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TF
T)が用いられる。画素回路は、通常、TFTを複数個
有するとともに、画素情報(輝度情報)を保持するキャ
パシタを有する構成となっている。ただし、ここでは、
図面の簡略化のために、画素回路として、有機EL素子
21に対して直列に接続されて当該素子を駆動するため
のTFT22のみを代表して示している。
パネル11の基板上には垂直画素数に対応した本数のゲ
ート線と水平画素数に対応した本数のデータ線とがマト
リクス状に配線されており、その交差部分に有機EL素
子21を含む画素回路が配されることになる。そして、
これら画素回路が垂直走査回路(図示せず)によって行
単位で順次選択され、その選択された1行分の画素回路
に対して図1の駆動回路14から各列ごとにデータ線を
通して輝度情報が与えられることになる。
て、データ線から駆動用TFT22を通して輝度情報が
選択的に与えられることによって有機EL素子21の駆
動が行われる。ここで、有機EL素子21が例えば流れ
る電流によって輝度が変化する構成のデバイスであると
すると、有機EL素子21に流れる電流は、駆動用TF
T22とは別のTFT(図示せず)によって各画素の輝
度情報に応じて制御されることになる。
ード)は全画素共通に接続され、さらに図1の画素電流
検出回路15の入力端に接続されている。これにより、
画素電流検出回路15には、全画素の有機EL素子21
に流れる電流(総画素電流)が流入することになる。画
素電流検出回路15は、全画素に流れる総画素電流を映
像信号の垂直周期、即ち1フィールド期間に亘って検出
し、かつ検出した電流値をその出力段の電流−電圧変換
回路部分にて電圧値(検出電圧)に変換して出力する。
電圧は、映像信号処理回路12および発光時間制御回路
16に供給される。映像信号処理回路12は、入力され
る複合映像信号に対して、同期分離や色信号処理などの
各種の信号処理を行う。この映像信号処理回路12で分
離された水平同期信号(H−SYNC)および垂直同期
信号(V−SYNC)は発光時間制御回路16に供給さ
れ、また生成されたアナログRGB映像信号はA/D変
換回路13でデジタルRGB映像信号に変換されて駆動
回路14に供給される。
電流検出回路15から出力される検出電圧に基づいてア
ナログRGB映像信号の信号レベルを制御する処理も行
う。アナログRGB映像信号の信号レベルを制御するこ
とにより、有機EL素子21に流れる電流が制御され
る。すなわち、画素電流検出回路15→映像信号処理回
路12→A/D変換回路13→駆動回路14により、画
素電流検出回路15が検出した電流値に基づいて有機E
L素子21に流れる電流を制御するフィードバック制御
系が構成されている。
いて述べる。この信号レベルの制御の技術は、CRTに
よる一般的なテレビジョン受像機において、過電流保護
や画質改善のために使用されているビーム電流制御、即
ちABL(Automatic Brightness Limitter;自動輝度制
限)の技術である。したがって、映像信号処理回路12
における信号レベルの制御系については、一例として、
特表2001−508556号公報に記載された制御装
置を用いることが可能である。
1H(Hは水平走査期間)の複合映像信号の波形図にお
いて、クランプレベル(ペデスタルレベル)をコントロ
ールするブライト型ABLと、コントラスト(ピークレ
ベル)をコントロールするピーク型ABLとに分けられ
る。
ス(輝度)を制御するため、クランプレベルを下げる方
向に大きく変化させると黒階調がつぶれてしまう欠点を
持っている。逆に、ピーク型ABLは、コントラストを
上げる方向に大きく変化させるとダイナミックレンジを
外れ、白階調がつぶれてしまう欠点を持っている。した
がって、アナログRGB映像信号の信号レベルを制御す
るに当たっては、ブライト型ABLとピーク型ABLと
をバランス良く用いることが重要である。
御回路16→駆動回路14により、画素電流検出回路1
5が検出した電流値に基づいて有機EL素子21の発光
時間を制御するフィードバック制御系が構成されてい
る。図4に、発光時間制御回路16の構成の一例を示
す。本例に係る発光時間制御回路16は、画素電流検出
回路15から出力される検出電圧Vdetを基準電圧V
refと比較する比較器161と、この比較器161の
比較結果に基づいて有機EL素子21の発光時間を制御
するデューティ制御回路162とを有する構成となって
いる。
ら出力される検出電圧Vdetを基準電圧Vrefと比
較し、例えば、検出電圧Vdetが基準電圧Vrefよ
りも高いときに高レベル、検出電圧Vdetが基準電圧
Vref以下のときに低レベルの比較結果(デジタル信
号)を出力する。デューティ制御回路162は、比較器
161の比較結果が高レベルのときは有機EL素子21
の発光時間を短く設定し、当該比較結果が低レベルのと
きは発光時間を長く設定するようにデューティ制御を行
う。
御回路16→駆動回路14によるフィードバック制御系
の動作について、図5および図6の各波形図を用いて説
明する。なお、図5は、1フィールドにおける映像信号
と基準電圧Vrefとの関係を示す波形図である。ま
た、図6は、1フィールドにおけるデューティ制御によ
る発光期間−非発光期間の関係を示す波形図である。
れる電流値を1フィールド期間に亘って検出する。通
常、映像信号には垂直ブランキング区間が存在するた
め、入力信号(表示信号)と全画素に流れる電流とを比
較した場合、この垂直ブランキング区間において電流は
減少する。それ以外の部分については、入力信号および
画素の発光時間との関係に比例した出力が得られる。
は、その出力段部分で電圧値に変換されて発光時間制御
回路16に供給される。なお、画素電流検出回路15の
出力段部分(電流−電圧変換回路部分)では、検出電圧
Vdetが入力信号に比例した成分と垂直ブランキング
区間の成分とを含んでいるため、それらの影響を考慮し
て電圧変換を行うようにする。
て、比較器161は、任意に設定した基準電圧Vref
と検出電圧Vdetとを比較する。この比較において、
比較器161は例えば、検出電圧Vdetが基準電圧V
refよりも高いときに高レベル、検出電圧Vdetが
基準電圧Vref以下のときに低レベルのデジタル信号
を出力する。これにより、以降、すべてデジタル処理と
なるため、アナログ的なバラツキや偏差などを考慮する
必要はない。
1の比較結果が高レベルのとき、即ち検出電圧Vdet
が基準電圧Vrefよりも高いときには、有機EL素子
21の発光時間を短く設定することで、画面全体の発光
輝度および消費電力を抑制する。発光時間が短くなるこ
とにより、一般的な動作状態における消費電力の削減が
可能となる。
のとき、即ち検出電圧Vdetが基準電圧Vref以下
のときには、有機EL素子21の発光時間を長く設定す
ることで、高輝度化を図る。発光時間を長く設定するこ
とで、一般的な動作状態における最大輝度を大きくする
ことが可能となる。
画素が行列状に配列されてなる有機ELパネル11にお
いて、全画素の総画素電流を検出し、その検出した総画
素電流に基づく検出電圧Vdetと基準電圧Vrefと
の比較結果に応じて有機EL素子21の発光時間を制御
するようにし、発光期間/非発光期間を適宜組み合わせ
ることにより、高コントラスト化と低消費電力化という
相反する条件を両立させることが可能となる。
光期間を長く設定し、高輝度で有機EL素子21を発光
させることにより、コントラスト感のあるインパクトの
ある画像を表示できる。また、大面積の明るい画面にお
いては、輝度を抑制することにより、画質を損なうこと
なく、有機EL素子21の発熱や駆動電流による有機E
L素子21の劣化を抑制することができるため、本有機
EL表示装置の長寿命化を図ることができる。
器161の基準電圧Vrefの設定により、最大輝度と
消費電力とのどちらを重要視するかを任意に選択するこ
とができる。さらに、上記の制御においては、有機EL
素子21の発光時間のみを制御するようにしているた
め、信号の階調表現に影響を与えることなく、入力信号
(表示信号)に応じた発光時間の最適な設定が可能とな
る。
おいては、検出電圧Vdetを比較器161で単一の基
準電圧Vrefと比較し、その比較結果に基づいて有機
EL素子21の発光時間を2段階に制御するとしたが、
この2段階制御に限られるものではなく、電圧値が異な
るn個の基準電圧Vref1〜Vrefnを用意し、こ
れらn個の基準電圧Vref1〜Vrefnとの比較結
果に基づいて発光時間を多段階に制御する構成を採るこ
とも可能である。
し、入力信号に応じてその電圧値を切り替えるようにす
ることも可能である。一例として、テキスト表示と動画
表示とで基準電圧Vrefの電圧値を切り替えるように
することで、入力信号(表示する画像)に応じた最適な
表示を実現できる。
示装置において、その特徴とするところは、画素電流検
出回路15が検出した電流値に基づいて、有機EL素子
21に流れる電流を制御するフィードバック制御系と、
有機EL素子21の発光時間を制御するフィードバック
制御系とを併用するようにした点にある。
による制御(ブライト型ABL/ピーク型ABL)で
は、先述したように、映像信号処理回路12において、
アナログRGB映像信号の信号レベルをコントロールす
ることになるが、クランプレベルを下げる方向に大きく
変化させると黒階調がつぶれ、逆にコントラストを上げ
る方向に大きく変化させると白階調がつぶれてしまう。
ク型ABLでは、黒階調がつぶれたり、白階調がつぶれ
たりする欠点が目立たない範囲内でアナログRGB映像
信号の信号レベルをコントロールする。そして、アナロ
グRGB映像信号の信号レベルのコントロールで足りな
い分を、後者のフィードバック制御系による発光時間の
制御、即ち画素電流検出回路15が検出した電流値に基
づく有機EL素子21の発光時間の制御を行うようにす
る。
流の制御と発光時間の制御とを組み合わせることによ
り、それぞれの欠点を補いつつ適正な量を制御すること
ができるため、最終的な有機EL素子21の発光輝度の
制御幅を大きくすることができるとともに、視覚的に
も、発光画素の特性的にも最適な条件で、また寿命など
を意識した意図的な条件で有機EL素子21を発光させ
ることができる。
使用することができるため、動画表示に適した発光時間
と階調表現とを両立させることができる。すなわち、発
光時間を長くし過ぎると、液晶ディスプレイに代表され
るホールド型ディスプレイに比べて優れている筈の動画
の表示性能を悪化させることになる。したがって、デュ
ーティ制御の可変幅をあまり大きく設定せずに、動画表
示に適した発光時間を設定することが重要となる。具体
的には、発光時間をフィールド周波数(リフレッシュレ
ート)の10%〜50%の時間で制御するようにするの
が好ましい。
る回路構成においては、アナログブロックにおける制御
を大きくすると、その制御分が階調表現や色再現のロス
となってしまう。したがって、極力アナログブロックに
おける制御を少なくすることが望ましいことから、上述
した組み合わせによる制御を考慮した場合には、低階調
の表現における制御については、デジタル処理にて発光
時間を制御することによってロスなく制御を行い、高階
調においてはアナログブロックで信号レベルを制御する
ようにする。
く、信号レベルについては最大に制御することで、階調
表現をロスすることなく、小面積の明るい部分を引き立
たせることが可能になる。逆に、明るいシーンにおいて
は発光時間を短く、また信号レベルを下げることによっ
て若干の階調表現のロスはあるものの、画面全体の輝度
を抑制することが可能である。どちらの制御において
も、発光時間の制御については、動画の表示特性を犠牲
にすることがないように、先述したように、フィールド
周波数の10%〜50%の時間で制御するようにする。
施形態に係る有機EL表示装置の構成の概略を示すブロ
ック図であり、図中、図1および図2と同等部分には同
一符号を付して示している。
有機EL素子12を含む発光画素が行列状に配置されて
なる有機ELパネル11の画素領域を所定の領域単位で
分割し、その分割した領域毎に有機EL素子21に流れ
る電流値を画素電流検出回路15で検出し、この検出し
た領域毎の電流値に基づいて、有機EL素子21に流れ
る電流を制御するとともに、有機EL素子21の発光時
間を制御する構成を採っている。
列の画素配列を例に採って説明するものとする。この8
行37列の画素配列の画素領域において、1行毎に行単
位で領域を8分割し、その分割した領域毎に有機EL素
子21に流れる電流値を画素電流検出回路15で検出す
るようにしている。ここでは、8行37列の画素配列を
例に採ったが、実際の有機EL表示装置においては、さ
らに多数の画素配列となることから、所定数の行毎に行
単位で領域を8分割することになる。ただし、分割数は
8分割に限られるものではなく、任意に設定可能であ
る。
に検出した電流値をその出力段の電流−電圧変換回路部
分にて電圧値(検出電圧)に変換して出力する。画素電
流検出回路15から出力される検出電圧は、映像信号処
理回路12および発光時間制御回路16に供給される。
その結果、画素電流検出回路15→映像信号処理回路1
2→A/D変換回路13→駆動回路14により、画素電
流検出回路15が検出した電流値に基づいて有機EL素
子21に流れる電流を制御するフィードバック制御系が
構成される。このフィードバック制御系での処理につい
ては、第1実施形態に係る有機EL表示装置の場合と同
様である。
御回路16→駆動回路14により、画素電流検出回路1
5が検出した電流値に基づいて有機EL素子21の発光
時間を制御するフィードバック制御系が構成される。こ
のフィードバック制御系での動作が、本実施形態の特徴
とする部分である。その動作について、図8および図9
の各波形図を用いて説明する。なお、図8は、1フィー
ルドにおける映像信号と基準電圧Vrefおよび検出デ
ータとの関係を示す波形図である。また、図9は、1フ
ィールドにおけるデューティ制御による発光期間−非発
光期間の関係を示す波形図である。
領域毎に有機EL素子21に流れる電流値を検出すると
いうことは、1画面(1フィールド)を8分割し、画素
電流を1画面当たり8回検出することを意味している。
具体的には、画素電流検出回路15は、図8のサンプリ
ングパルスに同期して、分割した領域毎に有機EL素子
21に流れる電流値(画素電流)を検出する。
電圧Vdet)に変換し、この検出電圧Vdetを、図
4の比較器161で基準電圧Vrefと比較する動作
が、分割した領域単位で順に行われる。なお、画素電流
検出回路15および発光時間制御回路16での処理動作
は、基本的に、第1実施形態の場合と同じである。そし
て、デューティ制御回路162において、比較器161
から順に供給される比較結果に基づいて有機EL素子2
1の発光時間の制御が行われる。
割し、その分割した各領域毎に画素電流を検出すること
により、1画面の全画素電流を検出するよりも検出時間
が短くなり、1画面をより細かくデューティ制御するこ
とが可能となるため、第1実施形態での発光時間制御に
係る作用効果に加えて、画面の明るさに速やかに追従す
る制御を実現できるとともに、よりダイナミックな画像
表示を実現できる、という作用効果が得られる。
8データすべてが基準電圧Vrefよりも高い場合、即
ち画面全体が明るい場合には、サンプリングした検出デ
ータがすべて高レベルとなる。このときは、制御ステッ
プ幅を大きくし、早く発光時間の下限値へ到達させるよ
うに制御を行う。
る。制御ステップ幅は、制御の分解能とも言える。垂直
走査周波数が例えば60Hzの場合、1フィールドは約
16.6msであり、発光時間の上限と下限との差を5
0%とし、1%ステップ幅で制御とすると、全体が白の
画面から黒の画面に急に切り替わったときに制御にかか
る時間Tは、 T=16.6ms×50=830ms となる。
光時間の制御を行うため、発光時間の上限から下限への
制御にかかる時間は、約100ms(≒830ms/
8)となる。したがって、ブラウン管のテレビジョンに
おけるビーム電流を制御することによる明るさ制御にか
かる時間がおよそ200msであることと比較しても、
動画表示においてもまったく問題ない、即ち違和感を生
じさせないレベルにすることができる。
に配置されてなる画素領域を垂直方向において行単位で
分割するとしたが、垂直方向での分割に限られるもので
はなく、水平方向において列単位で分割したり、垂直お
よび水平の両方向において分割することも可能である。
素に流れる電流の制御と発光画素の発光時間の制御とを
併用した構成を前提として説明したが、これら制御を必
ずしも併用する必要はなく、例えば発光画素に流れる電
流の制御だけを用いる構成を採ることも可能である。こ
の場合には、発光画素に過電流が流れるのを阻止できる
ため発光画素の保護を図ることができ、加えてより優れ
た画質を得ることができる。
のうちの1色についての構成を例に採って説明したが、
実際には、これら各実施形態に係るフィードバック制御
系がRGBの各色毎に設けられる。そして、各色毎に有
機EL素子に流れる電流値を検出し、その色毎の検出電
流値に基づいて、有機EL素子の電流および発光時間の
制御がRGB毎に行われることになる。
えることなく、入力信号に応じた最適な設定が可能とな
る。RGBそれぞれの発光時間が異なる場合には、一定
の係数をかけることにより、ホワイトバランスに影響を
与えないようにすることができる。発光時間制御回路1
6においては、RGBの各色に対して別々の基準電圧を
設定するようにすることも可能である。
に当たっては、RGBの有機EL素子に流れる電流値を
各色毎に検出しても良く、またRGBの有機EL素子に
流れる全画素分の総電流値を検出し、この総電流値に基
づいて有機EL素子の電流および発光時間をRGB毎に
制御するように構成することも可能である。
発光画素に流れる電流値を検出し、その検出した電流値
に基づいて発光画素に流れる電流を制御することによ
り、発光画素に過電流が流れるのを阻止できるため発光
画素の保護を図ることができ、加えてより優れた画質を
得ることができる。また、発光画素に流れる電流の制御
と発光画素の発光時間の制御とを併用することにより、
視覚的にも、発光画素の特性的にも最適な条件で、また
寿命などを意識した意図的な条件で画素を発光させるこ
とができるため、高コントラストでかつ長寿命な有機E
L表示装置を実現できる。
の構成の概略を示すブロック図である。
る。
図である。
信号と基準電圧Vrefとの関係を示す波形図である。
ーティ制御による発光期間−非発光期間の関係を示す波
形図である。
の構成の概略を示すブロック図である。
信号と基準電圧Vrefおよび検出データとの関係を示
す波形図である。
ーティ制御による発光期間−非発光期間の関係を示す波
形図である。
…駆動回路、15…画素電流検出回路、16…発光時間
制御回路、21…有機EL素子、22…TFT(薄膜ト
ランジスタ)、161…比較器、162…デューティ制
御回路
Claims (22)
- 【請求項1】 発光画素に流れる電流値を検出する検出
手段と、 前記検出手段が検出した電流値に基づいて前記発光画素
に流れる電流を制御する制御手段とを備えたことを特徴
とする有機EL表示装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は、前記検出手段が検出し
た電流値に基づいて前記発光画素を駆動するアナログ映
像信号の信号レベルを制御することを特徴とする請求項
1記載の有機EL表示装置。 - 【請求項3】 前記制御手段は、前記検出手段が検出し
た電流値に基づいて、前記アナログ映像信号のクランプ
レベルとピークレベルとを制御することを特徴とする請
求項2記載の有機EL表示装置。 - 【請求項4】 前記検出手段は、前記発光画素に流れる
全画素分の総電流値を検出することを特徴とする請求項
1記載の有機EL表示装置。 - 【請求項5】 前記検出手段は、前記発光画素が行列状
に配列されてなる画素領域を所定の領域単位で分割し、
その分割した領域毎に前記発光画素に流れる電流値を検
出することを特徴とする請求項1記載の有機EL表示装
置。 - 【請求項6】 発光画素に流れる電流値を検出する検出
手段と、 前記検出手段が検出した電流値に基づいて前記発光画素
に流れる電流を制御する第1の制御手段と、 前記検出手段が検出した電流値に基づいて前記発光画素
の発光時間を制御する第2の制御手段とを備えたことを
特徴とする有機EL表示装置。 - 【請求項7】 前記第1の制御手段は、前記検出手段が
検出した電流値に基づいて前記発光画素を駆動するアナ
ログ映像信号の信号レベルを制御することを特徴とする
請求項6記載の有機EL表示装置。 - 【請求項8】 前記第1の制御手段は、前記検出手段が
検出した電流値に基づいて、前記アナログ映像信号のク
ランプレベルとピークレベルとを制御することを特徴と
する請求項7記載の有機EL表示装置。 - 【請求項9】 前記第2の制御手段は、前記検出手段が
検出した電流値を基準値と比較する比較手段を有し、そ
の比較手段の比較結果に基づいて前記発光画素の発光時
間を制御することを特徴とする請求項6記載の有機EL
表示装置。 - 【請求項10】 前記検出手段は、前記発光画素に流れ
る全画素分の総電流値を検出することを特徴とする請求
項6記載の有機EL表示装置。 - 【請求項11】 前記検出手段は、前記発光画素が行列
状に配列されてなる画素領域を所定の領域単位で分割
し、その分割した領域毎に前記発光画素に流れる電流値
を検出することを特徴とする請求項6記載の有機EL表
示装置。 - 【請求項12】 発光画素に流れる電流値を検出し、 その検出電流値に基づいて前記発光画素に流れる電流を
制御することを特徴とする有機EL表示装置の制御方
法。 - 【請求項13】 前記検出電流値に基づいて前記発光画
素を駆動するアナログ映像信号の信号レベルを制御する
ことを特徴とする請求項12記載の有機EL表示装置の
制御方法。 - 【請求項14】 前記検出電流値に基づいて前記アナロ
グ映像信号のクランプレベルとピークレベルとを制御す
ることを特徴とする請求項13記載の有機EL表示装置
の制御方法。 - 【請求項15】 前記発光画素に流れる電流値の検出に
当たって、前記発光画素に流れる全画素分の総電流値を
検出することを特徴とする請求項12記載の有機EL表
示装置の制御方法。 - 【請求項16】 前記発光画素に流れる電流値の検出に
当たって、前記発光画素が行列状に配列されてなる画素
領域を所定の領域単位で分割し、その分割した領域毎に
前記発光画素に流れる電流値を検出することを特徴とす
る請求項12記載の有機EL表示装置の制御方法。 - 【請求項17】 発光画素に流れる電流値を検出し、そ
の検出電流値に基づいて前記発光画素に流れる電流を制
御するとともに、前記発光画素の発光時間を制御するこ
とを特徴とする有機EL表示装置の制御方法。 - 【請求項18】 前記検出電流値に基づいて前記発光画
素を駆動するアナログ映像信号の信号レベルを制御する
ことを特徴とする請求項17記載の有機EL表示装置の
制御方法。 - 【請求項19】 前記検出電流値に基づいて前記アナロ
グ映像信号のクランプレベルとピークレベルとを制御す
ることを特徴とする請求項18記載の有機EL表示装置
の制御方法。 - 【請求項20】 前記検出電流値を基準値と比較し、そ
の比較結果に基づいて前記発光画素の発光時間を制御す
ることを特徴とする請求項17記載の有機EL表示装置
の制御方法。 - 【請求項21】 前記発光画素に流れる電流値の検出に
当たって、前記発光画素に流れる全画素分の総電流値を
検出することを特徴とする請求項17記載の有機EL表
示装置の制御方法。 - 【請求項22】 前記発光画素に流れる電流値の検出に
当たって、前記発光画素が行列状に配列されてなる画素
領域を所定の領域単位で分割し、その分割した領域毎に
前記発光画素に流れる電流値を検出することを特徴とす
る請求項17記載の有機EL表示装置の制御方法。
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