JP2003194966A - 時計用文字板及びその製造方法 - Google Patents
時計用文字板及びその製造方法Info
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- JP2003194966A JP2003194966A JP2001395653A JP2001395653A JP2003194966A JP 2003194966 A JP2003194966 A JP 2003194966A JP 2001395653 A JP2001395653 A JP 2001395653A JP 2001395653 A JP2001395653 A JP 2001395653A JP 2003194966 A JP2003194966 A JP 2003194966A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 貴石文字板や貝文字板等と同質感が得られる
時計用文字板を安いコストで製造することである。 【解決手段】 文字基板11上に白色樹脂層12を形成
すると共に、該白色樹脂層12の上に平滑面なる受容層
13を形成し、この受容層13に昇華性染料を用いて石
紋様や貝紋様等のカラーの紋様模様13aを転写方法で
形成する。
時計用文字板を安いコストで製造することである。 【解決手段】 文字基板11上に白色樹脂層12を形成
すると共に、該白色樹脂層12の上に平滑面なる受容層
13を形成し、この受容層13に昇華性染料を用いて石
紋様や貝紋様等のカラーの紋様模様13aを転写方法で
形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は昇華性染料を使った
時計用文字板に関し、特に、昇華性染料で石紋様や貝紋
様、表皮紋様、木目紋様等の紋様模様を形成した文字板
に関するものである。
時計用文字板に関し、特に、昇華性染料で石紋様や貝紋
様、表皮紋様、木目紋様等の紋様模様を形成した文字板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、時計用文字板において、貴石や貝
などを使って文字板を仕上げることが行われている。貴
石や貝などを使ったものは、それぞれ独特の紋様模様や
綺麗な色調が現れるため、高級文字板の一つとしてよく
利用されている。
などを使って文字板を仕上げることが行われている。貴
石や貝などを使ったものは、それぞれ独特の紋様模様や
綺麗な色調が現れるため、高級文字板の一つとしてよく
利用されている。
【0003】従来、貴石や貝などを使った時計用文字板
は概ね図4に示すような構造を取っているものが多い。
この時計用文字板100は、2本の足101aを有して
金属メッキなどを施した文字基板101と、基板101
の上に設けた貴石102と、貴石102の上面の一部分
に取り付けた指標103とで構成されている。
は概ね図4に示すような構造を取っているものが多い。
この時計用文字板100は、2本の足101aを有して
金属メッキなどを施した文字基板101と、基板101
の上に設けた貴石102と、貴石102の上面の一部分
に取り付けた指標103とで構成されている。
【0004】文字基板101は、真鍮や洋白等の金属板
で形成されており、その中央に指針取付用の孔101b
を有し、2本の足101aが溶接されて、ニッケルメッ
キや銀メッキ等の表面処理が施されている。貴石102
は求められる色調や紋様模様などによって色々な石類が
選択される。例えば、貴石と呼ばれているサファイヤ,
ルビー,エメラルド等の石類はどちらかと云うと色合い
(色調)が重視されて使用される。また、大理石やロー
ドナイト石、グリーン縞アゲィト石等の石類は、その紋
様の模様とその紋様を成す色調が重視されて使用され
る。これらの貴石102類は、板状に加工されて表面研
磨等が施され、光沢があってカラーの紋様模様が綺麗に
現れた状態に仕上げられて、文字基板101に接着固定
される。尚、パール調の光輝感が求められるような場合
には、貴石に代わって白蝶貝やアワビ貝などの貝類を選
択使用することも行われている。指標103は、時字や
マーク等を成すもので、電鋳メッキ等が施された金属指
標を貴石102の所定の位置に接着固定する。
で形成されており、その中央に指針取付用の孔101b
を有し、2本の足101aが溶接されて、ニッケルメッ
キや銀メッキ等の表面処理が施されている。貴石102
は求められる色調や紋様模様などによって色々な石類が
選択される。例えば、貴石と呼ばれているサファイヤ,
ルビー,エメラルド等の石類はどちらかと云うと色合い
(色調)が重視されて使用される。また、大理石やロー
ドナイト石、グリーン縞アゲィト石等の石類は、その紋
様の模様とその紋様を成す色調が重視されて使用され
る。これらの貴石102類は、板状に加工されて表面研
磨等が施され、光沢があってカラーの紋様模様が綺麗に
現れた状態に仕上げられて、文字基板101に接着固定
される。尚、パール調の光輝感が求められるような場合
には、貴石に代わって白蝶貝やアワビ貝などの貝類を選
択使用することも行われている。指標103は、時字や
マーク等を成すもので、電鋳メッキ等が施された金属指
標を貴石102の所定の位置に接着固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の貴
石や貝等を使った文字板は、貴石や貝等の材料を加工し
て文字板に仕上げて使うので、綺麗なカラー色調の下で
高級感が十分現れたものが得られる。しかしながら、材
料コストや加工コストの面で実際に非常に高いものにな
ってしまうと云う問題を有していた。また、貴石や貝類
等は切削加工を行うと割れ等の問題が発生して小孔の加
工ができないと云う問題があり、従って、指標の固定は
殆ど接着固定する構造を取っていた。このため、接着強
度が不足して指標が剥がれたり、接着剤がはみ出すと云
う問題が生じ、しばしば外観不良等が発生することもあ
った。
石や貝等を使った文字板は、貴石や貝等の材料を加工し
て文字板に仕上げて使うので、綺麗なカラー色調の下で
高級感が十分現れたものが得られる。しかしながら、材
料コストや加工コストの面で実際に非常に高いものにな
ってしまうと云う問題を有していた。また、貴石や貝類
等は切削加工を行うと割れ等の問題が発生して小孔の加
工ができないと云う問題があり、従って、指標の固定は
殆ど接着固定する構造を取っていた。このため、接着強
度が不足して指標が剥がれたり、接着剤がはみ出すと云
う問題が生じ、しばしば外観不良等が発生することもあ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題に鑑み
て成されたもので、その目的とするところは、非常に簡
単な方法で従来と同じ質感の有る貴石文字板、或いは貝
文字板等を提供することにある。そして、上記課題を解
決するために、本発明の時計用文字板は、文字基板上に
白色樹脂層と、その上に昇華性染料で石紋様や貝紋様等
のカラーの紋様模様を形成した受容層を有することを特
徴とするものである。白色の樹脂等で形成した白色樹脂
層の上に受容層を形成し、この受容層に昇華性染料で形
成した石や貝等のカラーの紋様模様を形成することによ
って、このカラーの紋様模様が白色樹脂層でもって反射
されて石や貝等のカラー紋様と殆ど同じ紋様で、且つ同
じ色調のカラー紋様の模様が得られる。
て成されたもので、その目的とするところは、非常に簡
単な方法で従来と同じ質感の有る貴石文字板、或いは貝
文字板等を提供することにある。そして、上記課題を解
決するために、本発明の時計用文字板は、文字基板上に
白色樹脂層と、その上に昇華性染料で石紋様や貝紋様等
のカラーの紋様模様を形成した受容層を有することを特
徴とするものである。白色の樹脂等で形成した白色樹脂
層の上に受容層を形成し、この受容層に昇華性染料で形
成した石や貝等のカラーの紋様模様を形成することによ
って、このカラーの紋様模様が白色樹脂層でもって反射
されて石や貝等のカラー紋様と殆ど同じ紋様で、且つ同
じ色調のカラー紋様の模様が得られる。
【0007】また、本発明の時計用文字板は、紋様模様
を形成した受容層が平滑面になっていることを特徴とす
る。平滑面になっていると、昇華性染料で形成する石や
貝等のカラーの紋様模様の色調に色調ムラのない綺麗な
模様に仕上げることができる。また、その模様にも光沢
が現れて高級感を出現させる。
を形成した受容層が平滑面になっていることを特徴とす
る。平滑面になっていると、昇華性染料で形成する石や
貝等のカラーの紋様模様の色調に色調ムラのない綺麗な
模様に仕上げることができる。また、その模様にも光沢
が現れて高級感を出現させる。
【0008】また、本発明の時計用文字板は、紋様模様
を形成した受容層が平滑面を有する保護膜層に覆われて
いることを特徴とする。石や貝等のカラーの紋様模様が
保護膜によって長期間に渡って保護されると共に、石や
貝等のカラーの紋様模様に光沢が現れて高級感を出現さ
せる。
を形成した受容層が平滑面を有する保護膜層に覆われて
いることを特徴とする。石や貝等のカラーの紋様模様が
保護膜によって長期間に渡って保護されると共に、石や
貝等のカラーの紋様模様に光沢が現れて高級感を出現さ
せる。
【0009】また、本発明の時計用文字板の製造方法
は、文字基板上に白色樹脂層を形成する工程と、該白色
樹脂層の上に受容層を形成する工程と、該受容層の上面
を平滑面に仕上げる工程と、カラーの紋様模様を読み取
って画面上に表示する工程と、画面上に表示されたカラ
ーの紋様模様のカラー色調を調整する工程と、該調整し
たカラー色調の紋様模様を転写紙に印刷する工程と、こ
の転写紙を前記平滑面に仕上げられた受容層の上に載置
し、加熱・加圧の下で転写紙のカラーの紋様模様を受容
層に転写して受容層にカラーの紋様模様を形成する工程
と、を備えたことを特徴とする。
は、文字基板上に白色樹脂層を形成する工程と、該白色
樹脂層の上に受容層を形成する工程と、該受容層の上面
を平滑面に仕上げる工程と、カラーの紋様模様を読み取
って画面上に表示する工程と、画面上に表示されたカラ
ーの紋様模様のカラー色調を調整する工程と、該調整し
たカラー色調の紋様模様を転写紙に印刷する工程と、こ
の転写紙を前記平滑面に仕上げられた受容層の上に載置
し、加熱・加圧の下で転写紙のカラーの紋様模様を受容
層に転写して受容層にカラーの紋様模様を形成する工程
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】前記白色樹脂層および受容層は塗装又は印
刷方法などによって形成されることが多く、受容層の上
面はラッピング方法で平滑面に仕上げられる。また、石
紋様や貝紋様等のカラーの紋様模様はスキャナーによっ
て読み取られ、この紋様模様がパソコン画面に表示され
る。色調が調整されたカラーの紋様模様は昇華性染料を
使ったインクジェットプリンターによって転写紙に印刷
される。
刷方法などによって形成されることが多く、受容層の上
面はラッピング方法で平滑面に仕上げられる。また、石
紋様や貝紋様等のカラーの紋様模様はスキャナーによっ
て読み取られ、この紋様模様がパソコン画面に表示され
る。色調が調整されたカラーの紋様模様は昇華性染料を
使ったインクジェットプリンターによって転写紙に印刷
される。
【0011】また、本発明の時計用文字板においては、
石紋様や貝紋様の外に、ワニ皮,蛇皮等の表皮紋様や樹
木の木目紋様等も全く同様に適用できて、同じ効果を生
むものである。
石紋様や貝紋様の外に、ワニ皮,蛇皮等の表皮紋様や樹
木の木目紋様等も全く同様に適用できて、同じ効果を生
むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至3を用いて本発明
の実施の形態を説明する。図1は本発明の時計用文字板
の要部断面図、図2は本発明の時計用文字板の製造方法
の手順を示したフローチャート、図3は石や貝等のカラ
ーの紋様模様の転写方法を説明する説明図を示してい
る。
の実施の形態を説明する。図1は本発明の時計用文字板
の要部断面図、図2は本発明の時計用文字板の製造方法
の手順を示したフローチャート、図3は石や貝等のカラ
ーの紋様模様の転写方法を説明する説明図を示してい
る。
【0013】図1において、本発明の時計用文字板10
は、真鍮や洋白等の金属で形成されて2本の足11aを
設けた文字基板11と、この文字基板11の上面に形成
された白色樹脂層12と、この白色樹脂層12の上に形
成されて石紋様や貝紋様等のカラーの紋様模様13aを
内部に形成した受容層13と、受容層13の上面に被覆
した透明な保護膜層14と、保護膜層14の上面の一部
分に形成した時字,マーク等の指標15とで構成されて
いる。
は、真鍮や洋白等の金属で形成されて2本の足11aを
設けた文字基板11と、この文字基板11の上面に形成
された白色樹脂層12と、この白色樹脂層12の上に形
成されて石紋様や貝紋様等のカラーの紋様模様13aを
内部に形成した受容層13と、受容層13の上面に被覆
した透明な保護膜層14と、保護膜層14の上面の一部
分に形成した時字,マーク等の指標15とで構成されて
いる。
【0014】文字基板11は真鍮や洋白等の金属材料か
らなり、その下面側に2本の足11aとその中心部に小
孔11bが形成されている。2本の足11aはムーブメ
ント(図示せず)に取付けるために設けられており、中
心部の小孔11bは指針を取付けるために設けられてい
るものである。また、この文字基板11にはメッキ等の
表面処理が施されている。
らなり、その下面側に2本の足11aとその中心部に小
孔11bが形成されている。2本の足11aはムーブメ
ント(図示せず)に取付けるために設けられており、中
心部の小孔11bは指針を取付けるために設けられてい
るものである。また、この文字基板11にはメッキ等の
表面処理が施されている。
【0015】文字基板11の上面に形成される白色樹脂
層12は、白色顔料を分散させた樹脂塗料またはインク
によって塗装または印刷方法で形成した白色の樹脂層で
ある。この白色樹脂層12は文字基板11に施した表面
処理の色調が十分に見えない程度の厚みに形成するのが
好ましい。文字基板11の表面処理の色調が見えると、
後述する昇華性染料で形成した石や貝等のカラーの紋様
模様の色調と調色がおきて本来の紋様模様の色調が得ら
れなくなるからである。
層12は、白色顔料を分散させた樹脂塗料またはインク
によって塗装または印刷方法で形成した白色の樹脂層で
ある。この白色樹脂層12は文字基板11に施した表面
処理の色調が十分に見えない程度の厚みに形成するのが
好ましい。文字基板11の表面処理の色調が見えると、
後述する昇華性染料で形成した石や貝等のカラーの紋様
模様の色調と調色がおきて本来の紋様模様の色調が得ら
れなくなるからである。
【0016】受容層13は、透明なアクリル樹脂,エポ
キシ樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂等の塗
料で印刷又は塗装方法等で少なくとも20μm以上の厚
みに形成される。そして、その上面はラッピングが施さ
れて光沢のある平滑面に仕上げられている。また、この
受容層13の内部には昇華性染料によって石や貝等のカ
ラーの紋様模様13aが形成されている。
キシ樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂等の塗
料で印刷又は塗装方法等で少なくとも20μm以上の厚
みに形成される。そして、その上面はラッピングが施さ
れて光沢のある平滑面に仕上げられている。また、この
受容層13の内部には昇華性染料によって石や貝等のカ
ラーの紋様模様13aが形成されている。
【0017】上記石や貝等のカラーの紋様模様13a
は、図2のフローチャートに示す手順で形成する。先ず
転写紙の制作は、スキャナーで石や貝等のカラーの紋様
模様を読み取り、パソコン画面にその紋様模様を表示す
る(手順1)。これは、スキャナー上に石や貝等を載置
してそのカラーの紋様模様を読み取り、その読み取った
カラーの紋様模様をパソコン画面に表示するものであ
る。次に、パソコン画面に表示されたカラーの紋様模様
の色調の調整を行う(手順2)。印刷はインクジェット
プリンターを使って昇華性染料で転写紙に印刷する方法
を取る。画面に表示されたカラーの紋様模様を昇華性染
料で転写紙に印刷した場合に、印刷された紋様模様のカ
ラー色調は画面に表示された紋様模様のカラー色調より
かなり薄い色調で現れてくる。画面に表示された紋様模
様のカラー色調は、ほぼ実物の紋様模様のカラー色調と
殆ど同じであるが、実物と殆ど同一の印刷色調を得るに
は画面に表示された紋様模様のカラー色調を少し濃い目
に調整する必要がある。この手順2で紋様模様のカラー
色調の調整を行っている。次に、インクジェットプリン
ターにて転写紙にカラーの紋様模様を印刷する(手順
3)。手順2で調整した色調でのカラーの紋様模様をイ
ンクジェットプリンターで転写紙に印刷して、石や貝等
のカラーの紋様模様が印刷された転写紙を得る。
は、図2のフローチャートに示す手順で形成する。先ず
転写紙の制作は、スキャナーで石や貝等のカラーの紋様
模様を読み取り、パソコン画面にその紋様模様を表示す
る(手順1)。これは、スキャナー上に石や貝等を載置
してそのカラーの紋様模様を読み取り、その読み取った
カラーの紋様模様をパソコン画面に表示するものであ
る。次に、パソコン画面に表示されたカラーの紋様模様
の色調の調整を行う(手順2)。印刷はインクジェット
プリンターを使って昇華性染料で転写紙に印刷する方法
を取る。画面に表示されたカラーの紋様模様を昇華性染
料で転写紙に印刷した場合に、印刷された紋様模様のカ
ラー色調は画面に表示された紋様模様のカラー色調より
かなり薄い色調で現れてくる。画面に表示された紋様模
様のカラー色調は、ほぼ実物の紋様模様のカラー色調と
殆ど同じであるが、実物と殆ど同一の印刷色調を得るに
は画面に表示された紋様模様のカラー色調を少し濃い目
に調整する必要がある。この手順2で紋様模様のカラー
色調の調整を行っている。次に、インクジェットプリン
ターにて転写紙にカラーの紋様模様を印刷する(手順
3)。手順2で調整した色調でのカラーの紋様模様をイ
ンクジェットプリンターで転写紙に印刷して、石や貝等
のカラーの紋様模様が印刷された転写紙を得る。
【0018】ここで使用される石や貝等は、色々なカラ
ーや色々な紋様模様を示すものが選択される。例えば、
ルビーやエメラルド等の貴石はむしろその単一色のカラ
ー色調が好まれて使用される。また、それ独特のカラー
の紋様模様を示すものとしては、大理石,ロードナイト
石,グリーン縞アゲート石,ヘマタイト石,赤縞アゲー
ト石等、沢山の種類の石が選択使用することができる。
また、パール調のカラー紋様を得たい場合には白蝶貝や
アワビ貝等、それぞれ求めるカラー紋様に合った貝類を
選択して使用することもできる。また、カラーの紋様模
様を得るものとして石や貝等に限定するものではなく、
ワニ皮や蛇皮等の模様の入った動物の表皮紋様、樹木の
木目紋様等も適用できるものである。
ーや色々な紋様模様を示すものが選択される。例えば、
ルビーやエメラルド等の貴石はむしろその単一色のカラ
ー色調が好まれて使用される。また、それ独特のカラー
の紋様模様を示すものとしては、大理石,ロードナイト
石,グリーン縞アゲート石,ヘマタイト石,赤縞アゲー
ト石等、沢山の種類の石が選択使用することができる。
また、パール調のカラー紋様を得たい場合には白蝶貝や
アワビ貝等、それぞれ求めるカラー紋様に合った貝類を
選択して使用することもできる。また、カラーの紋様模
様を得るものとして石や貝等に限定するものではなく、
ワニ皮や蛇皮等の模様の入った動物の表皮紋様、樹木の
木目紋様等も適用できるものである。
【0019】次に、時計用文字板の制作手順を説明す
る。先ず、文字基板に白色樹脂層を形成する(手順
a)。これは、2本の足にメッキを施した文字基板に白
色顔料が分散した塗料やインクで塗装または印刷手段に
よって白色樹脂層を形成するものである。次に、白色樹
脂層の上に透明な受容層を形成する(手順b)。これ
は、透明なポリウレタン樹脂塗料またはインクで塗装ま
たは印刷手段によって受容層を形成するものである。次
に、受容層の上面をラッピングする(手順c)。これは、
ラッピング装置で受容層の上面をラッピングして表面を
平滑面に仕上げるものである。次に、石や貝等のカラー
の紋様模様を受容層に転写する(手順d)。ここでは、
印刷された転写紙の石や貝等のカラーの紋様模様を文字
板の受容層に転写する工程を示すもので、転写方法は図
3に示す方法を取る。手順a、b、cの工程を経た文字
基板11を転写装置内の載物台51上に受容層13を上
に向けて載置し、更にその上に石や貝等のカラーの紋様
模様を印刷形成した転写紙50を載置し、加熱下で加圧
具52によって転写紙50を加圧する。略180℃の加
熱温度、略10〜20g/cm2 の加圧力の下で略60
〜90秒位の加圧時間を取ることによって受容層13の
十分な深さに昇華性染料が浸透して、図1に示すよう
に、受容層13の内部に石や貝等の綺麗なカラーの紋様
模様13aが転写形成される。
る。先ず、文字基板に白色樹脂層を形成する(手順
a)。これは、2本の足にメッキを施した文字基板に白
色顔料が分散した塗料やインクで塗装または印刷手段に
よって白色樹脂層を形成するものである。次に、白色樹
脂層の上に透明な受容層を形成する(手順b)。これ
は、透明なポリウレタン樹脂塗料またはインクで塗装ま
たは印刷手段によって受容層を形成するものである。次
に、受容層の上面をラッピングする(手順c)。これは、
ラッピング装置で受容層の上面をラッピングして表面を
平滑面に仕上げるものである。次に、石や貝等のカラー
の紋様模様を受容層に転写する(手順d)。ここでは、
印刷された転写紙の石や貝等のカラーの紋様模様を文字
板の受容層に転写する工程を示すもので、転写方法は図
3に示す方法を取る。手順a、b、cの工程を経た文字
基板11を転写装置内の載物台51上に受容層13を上
に向けて載置し、更にその上に石や貝等のカラーの紋様
模様を印刷形成した転写紙50を載置し、加熱下で加圧
具52によって転写紙50を加圧する。略180℃の加
熱温度、略10〜20g/cm2 の加圧力の下で略60
〜90秒位の加圧時間を取ることによって受容層13の
十分な深さに昇華性染料が浸透して、図1に示すよう
に、受容層13の内部に石や貝等の綺麗なカラーの紋様
模様13aが転写形成される。
【0020】以上の工程手順を経ることによって文字板
の受容層13に石や貝等のカラーの紋様模様13aが形
成される。ここで、受容層13の上面が平滑面になって
いると転写紙50に加圧される圧力はどの面も均一にな
るので、転写紙の石や貝等のカラー紋様の模様を形成す
る昇華性染料が均一な圧力の下で受容層13に浸透して
いく。その結果、受容層13の内部に浸透して形成され
た石や貝等のカラーの紋様模様13aに色調ムラのない
綺麗な模様が得られることになる。また、受容層13が
平滑面であることによって光沢が現れる。これによっ
て、綺麗なカラーの紋様模様13aの形成面に光沢が現
れて石や貝そのものの質感を感じさせる。
の受容層13に石や貝等のカラーの紋様模様13aが形
成される。ここで、受容層13の上面が平滑面になって
いると転写紙50に加圧される圧力はどの面も均一にな
るので、転写紙の石や貝等のカラー紋様の模様を形成す
る昇華性染料が均一な圧力の下で受容層13に浸透して
いく。その結果、受容層13の内部に浸透して形成され
た石や貝等のカラーの紋様模様13aに色調ムラのない
綺麗な模様が得られることになる。また、受容層13が
平滑面であることによって光沢が現れる。これによっ
て、綺麗なカラーの紋様模様13aの形成面に光沢が現
れて石や貝そのものの質感を感じさせる。
【0021】受容層13の厚みは20〜80μmの範囲
で設定するのが好ましい厚みと云える。20μmより薄
いと昇華性染料の浸透深さが浅くなり染料の蒸散が早い
ものとなって色あせが早く起こる。また、厚い方は80
μmもあれば十分である。これ以上厚くしても耐候性が
殆ど変わらず、受容層の形成コストを増やすことになる
からである。
で設定するのが好ましい厚みと云える。20μmより薄
いと昇華性染料の浸透深さが浅くなり染料の蒸散が早い
ものとなって色あせが早く起こる。また、厚い方は80
μmもあれば十分である。これ以上厚くしても耐候性が
殆ど変わらず、受容層の形成コストを増やすことになる
からである。
【0022】以上のように形成することによって、受容
層13に形成した石や貝等のカラーの紋様模様13aは
実物のカラー紋様模様と殆ど遜色のない模様が得られ、
また光沢性も伴って、実際に石や貝等を貼り付けた文字
板仕様に見えて、高級感を感じさせる。また、本発明の
製造方法は非常に簡単で、且つ、少ない工程でできるの
で、非常に安いコストで製造することができる。
層13に形成した石や貝等のカラーの紋様模様13aは
実物のカラー紋様模様と殆ど遜色のない模様が得られ、
また光沢性も伴って、実際に石や貝等を貼り付けた文字
板仕様に見えて、高級感を感じさせる。また、本発明の
製造方法は非常に簡単で、且つ、少ない工程でできるの
で、非常に安いコストで製造することができる。
【0023】図1に示したように、前記受容層13の上
にはカラーの紋様模様13aを保護する目的で透明の保
護膜層14が設けられる。そして、この保護膜層14に
紫外線吸収剤を分散させることによって、昇華性染料で
形成したカラーの紋様模様13aの紫外線による退色を
防止することができる。また、この紫外線吸収剤は受容
層13に分散させても良いものである。さらに、この保
護膜層14によって受容層13に形成したカラーの紋様
模様13aに直接キズなどを付けることがないため、い
つまでも綺麗なカラーの紋様模様を維持することができ
る。尚、本実施の形態における透明な保護膜層14は必
ずしも受容層13の上に設けることが必要ではなく、省
くこともできるものである。
にはカラーの紋様模様13aを保護する目的で透明の保
護膜層14が設けられる。そして、この保護膜層14に
紫外線吸収剤を分散させることによって、昇華性染料で
形成したカラーの紋様模様13aの紫外線による退色を
防止することができる。また、この紫外線吸収剤は受容
層13に分散させても良いものである。さらに、この保
護膜層14によって受容層13に形成したカラーの紋様
模様13aに直接キズなどを付けることがないため、い
つまでも綺麗なカラーの紋様模様を維持することができ
る。尚、本実施の形態における透明な保護膜層14は必
ずしも受容層13の上に設けることが必要ではなく、省
くこともできるものである。
【0024】前記の透明な保護膜層14の上面はラッピ
ング方法等によって光沢のある平滑面に仕上げられる。
平滑面になっていると受容層13に形成した石や貝等の
カラーの紋様模様が綺麗で光沢感の現れた模様となって
見える。
ング方法等によって光沢のある平滑面に仕上げられる。
平滑面になっていると受容層13に形成した石や貝等の
カラーの紋様模様が綺麗で光沢感の現れた模様となって
見える。
【0025】本実施の形態での時字,マーク等を示す指
標15は金属によって形成されており、保護膜層14の
上に接着固定してある。本発明では足の付いた植字方式
の指標を用いることもできるので、指標の足を文字基板
11にかしめることによって強固な固定構造を得ること
もできる。
標15は金属によって形成されており、保護膜層14の
上に接着固定してある。本発明では足の付いた植字方式
の指標を用いることもできるので、指標の足を文字基板
11にかしめることによって強固な固定構造を得ること
もできる。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明によれ
ば、文字基板の上に白色樹脂層を形成し、更にその上に
平滑な受容層を形成して、この受容層に昇華性染料で石
や貝等のカラーの紋様模様を転写方法で形成する構成と
したので、実際に石や貝等を貼り付けて形成した文字板
と同等の質感のある文字板が得られる。
ば、文字基板の上に白色樹脂層を形成し、更にその上に
平滑な受容層を形成して、この受容層に昇華性染料で石
や貝等のカラーの紋様模様を転写方法で形成する構成と
したので、実際に石や貝等を貼り付けて形成した文字板
と同等の質感のある文字板が得られる。
【0027】また、本発明の製造方法によれば、極めて
簡易な方法でかつ短い加工工程によって時計用文字板を
製造できるので、製造コストの低廉化を図ることができ
る。
簡易な方法でかつ短い加工工程によって時計用文字板を
製造できるので、製造コストの低廉化を図ることができ
る。
【0028】また、本発明の文字板には石や貝等を一切
使用しないので、足の付いた植字方式の指標を使用する
ことができ、指標のカシメ固定で強固な固定方法を取る
ことができる。
使用しないので、足の付いた植字方式の指標を使用する
ことができ、指標のカシメ固定で強固な固定方法を取る
ことができる。
【図1】本発明の時計用文字板の要部断面図である。
【図2】本発明の時計用文字板の製造方法の手順を示し
たフローチャートである。
たフローチャートである。
【図3】本発明における石や貝等のカラーの紋様模様の
転写方法を説明する説明図である。
転写方法を説明する説明図である。
【図4】従来の時計用文字板の要部断面図である。
10 時計用文字板
11 文字基板
11a 足
11b 小孔
12 白色樹脂層
13 受容層
13a カラーの紋様模様
14 透明な保護膜層
15 指標
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
B44C 5/06 B41M 5/26 101H
Claims (5)
- 【請求項1】 文字基板と、この文字基板上に形成され
た白色樹脂層と、この白色樹脂層上に昇華性染料によっ
てカラーの紋様模様が形成された受容層とを有すること
を特徴とする時計用文字板。 - 【請求項2】 前記受容層は、その上面が平滑面になっ
ていることを特徴とする請求項1記載の時計用文字板。 - 【請求項3】 前記受容層は、平滑面を有する透明保護
膜層に覆われていることを特徴とする請求項1又は2記
載の時計用文字板。 - 【請求項4】 前記カラーの紋様模様は、石紋様、貝紋
様、表皮紋様、木目紋様などからなることを特徴とする
請求項1記載の時計用文字板。 - 【請求項5】 文字基板上に白色樹脂層を形成する工程
と、該白色樹脂層の上に受容層を形成する工程と、該受
容層の上面を平滑面に仕上げる工程と、カラーの紋様模
様を読み取って画面上に表示する工程と、画面上に表示
されたカラーの紋様模様のカラー色調を調整する工程
と、該調整したカラー色調の紋様模様を転写紙に印刷す
る工程と、この転写紙を前記平滑面に仕上げられた受容
層の上に載置し、加熱・加圧の下で転写紙のカラーの紋
様模様を受容層に転写して受容層にカラーの紋様模様を
形成する工程と、を備えたことを特徴とする時計用文字
板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001395653A JP2003194966A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 時計用文字板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001395653A JP2003194966A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 時計用文字板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003194966A true JP2003194966A (ja) | 2003-07-09 |
Family
ID=27601969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001395653A Pending JP2003194966A (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 時計用文字板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003194966A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007064696A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Citizen Seimitsu Co Ltd | 装飾部材及びその装飾部材を設けた表示板とその製造方法。 |
WO2014173974A2 (fr) | 2013-04-23 | 2014-10-30 | Les Ateliers Horlogers Dior Sa | Pièce en nacre et procédé de fabrication de telle pièce |
CN105966139A (zh) * | 2015-03-13 | 2016-09-28 | 劳力士有限公司 | 用于装饰时钟部件的工艺和由此工艺获得的时钟部件 |
CN111615671A (zh) * | 2018-02-05 | 2020-09-01 | 蒙特雷斯拉多股份有限公司 | 用于钟表的表盘及其制造方法 |
CN112462588A (zh) * | 2019-09-09 | 2021-03-09 | 斯沃奇集团研究和开发有限公司 | 表盘和制造手表表盘的方法 |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001395653A patent/JP2003194966A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US12007718B2 (en) | 2018-02-05 | 2024-06-11 | Montres Rado Sa | Dial for a timepiece and method for manufacturing the same |
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