JP2003194940A - デジタル化回路及びこれを用いたレーザ測距装置ならびにギャロッピング計測装置 - Google Patents

デジタル化回路及びこれを用いたレーザ測距装置ならびにギャロッピング計測装置

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JP2003194940A
JP2003194940A JP2001393778A JP2001393778A JP2003194940A JP 2003194940 A JP2003194940 A JP 2003194940A JP 2001393778 A JP2001393778 A JP 2001393778A JP 2001393778 A JP2001393778 A JP 2001393778A JP 2003194940 A JP2003194940 A JP 2003194940A
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Iwao Sugizaki
巌 杉崎
Yoshio Chiba
好夫 千葉
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Tohoku Electric Power Co Inc
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OPUTOUEA KK
Tohoku Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ測距において受光量の変化による計測
距離の変動を防止する。 【解決手段】 受光したレーザ光を光電変換したアナロ
グ信号(S1)が入力され、時間計測に用いるデジタル信号
(D1)を出力するデジタル化回路を、アナログ信号(S1)が
入力され所定時間遅延した遅延信号A(S2)を出力する遅
延回路A212と、アナログ信号(S1)が入力され遅延回路
A212の所定時間の1/2の時間遅延した遅延信号B(S
3)を出力する遅延回路B215と、遅延信号B(S3)が入力
され、この信号レベルが所定レベル以上である間、制御
信号(G1)を出力するレベル検出回路216と、アナログ信
号(S1)と遅延信号A(S2)と制御信号(G1)とが入力可能に
構成され、制御信号(G1)が入力されているときに、入力
されたアナログ信号(S1)と遅延信号A(S2)の信号電圧が
一致したタイミングでデジタル信号(D1)を出力する比較
回路214とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力されるアナロ
グ電気信号に基づいて、所定のタイミングでデジタル信
号を出力するデジタル化回路と、これを用いたレーザ測
距装置ならびにギャロッピング計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、計測対象までの距離を求める装置
として、計測対象に極短パルスのレーザ光を照射し、そ
の反射光を受光するまでの時間を計測することにより、
レーザ光が計測対象との往復に要する時間を求め、この
時間の1/2を光速で除して計測対象までの距離を算出
するパルス検出型のレーザ測距装置が知られている。通
常、このようなレーザ測距装置は、高精度の時間計測装
置を備えており、レーザ光の射出時と受光時にこの時間
計測装置へ信号を入力することにより、時間計測の開始
と終了を行わせ、計測対象との往復に要する時間を計測
している。また、コンピュータなどの演算処理装置を備
えており、時間計測装置が計測した時間データが演算処
理装置に送られて上述した演算処理が行われ、計測対象
までの距離を算出している。
【0003】ここで、時間計測装置に入力する信号は、
パルス状のレーザ光を光電変換素子に受光させて得られ
る電気信号が用いられる。ところで、レーザ光のパルス
はピークを持つ波形となるため、光電変換して得られる
電気信号も同様のピークを有するアナログ信号となる。
また、光電変換素子に入射するレーザ光の光量は、計測
対象の反射率の違いや計測対象までの距離によって大き
く異なるため、光電変換素子の出力する電気信号のピー
ク電圧は様々な値となる。
【0004】一方、時間計測装置に時間計測の開始や終
了を実行させるために入力する電気信号は、通常、TT
Lレベルの矩形波からなるデジタル信号である。このた
め、時間計測装置に時間計測を実行させるためには、レ
ーザ光を光電変換して得られるアナログ電気信号をTT
Lレベルのデジタル信号に変換し、所定のタイミングで
出力するデジタル化回路が必要となる。
【0005】図7は、従来のデジタル化回路の1構成単
位を示すブロック図である。同図において、デジタル化
回路の1構成単位は、増幅回路211と遅延回路212
とオフセット回路213と比較回路217とからなり、
増幅回路211の出力が2分配されて遅延回路212の
入力と比較回路217の一方の入力に接続され、遅延回
路212の出力がオフセット回路213の入力に接続さ
れ、オフセット回路213の出力が比較回路214の他
方の入力に接続されている。
【0006】このような構成において、入力アナログ信
号が増幅回路211に入力されると、増幅回路211の
出力から増幅されたアナログ信号(S1)が出力され、
2分配されて遅延回路212の入力と、比較回路217
の一方の入力とに入力される。遅延回路212に入力さ
れたアナログ信号(S1)は、所定時間遅延された後、
オフセット回路213に入力され、所定のオフセット電
圧を与えられて遅延オフセット信号(S4)となり、比
較回路217の他方の入力に入力される。
【0007】比較回路217は、入力されたアナログ信
号(S1)と遅延オフセット信号(S4)を比較し、両
者の電圧が等しくなった点で一致を示す出力信号(D
1)としてTTLレベルのデジタル信号を出力する。こ
こで、時間遅延したアナログ信号にオフセット電圧を与
えるのは、アナログ入力信号が入力されていないときに
比較回路217の2つの入力に同相のノイズがのって出
力信号(D1)が出力されるのを防止するためである。
デジタル化回路は、この構成単位を1つ又は複数有す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7で示した回路によ
れば、オフセット電圧を選ぶことによりノイズの影響を
受けずに時間計測装置に時間計測の開始や終了を実行さ
せる出力信号(D1)を出力することが可能となる。し
かしながら、図7に示した回路では一方の信号にオフセ
ット電圧を与えているため、図8に示すように、入力信
号の大小により出力信号の出力タイミングがずれるとい
う問題があった。
【0009】ここで、図8は、図7の回路の動作を説明
する原理図であり、(a)と(c)が比較回路217に
入力される、アナログ信号(S1)と遅延オフセット信
号(S4)の相互関係を示し、(b)と(d)がこれら
の入力に対するデジタル信号(D1)の出力タイミング
を示す。同図において、(a)と(b)はレーザパルス
の光量が大きい場合を示し、(c)と(d)はレーザパ
ルスの光量が小さい場合を示す。
【0010】図8に示すように、この回路は入力信号の
電圧レベルが低くなるほど出力信号の出力タイミングが
早くなるため、このデジタル化回路を用いたレーザ測距
装置は、受光量が少ないと距離が短く計測されることが
分かる。このように、図7に示した回路を用いたレーザ
測距装置は、受光量の変化により計測対象の計測距離が
変動するという問題があった。本発明は、このような問
題を解決するためになされたものであり、レーザ測距に
おいて受光量の変化による計測距離の変動を防止するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明のデジタル化回路は、アナログ電気信号
が入力され、このアナログ電気信号を所定時間遅延した
第1の遅延信号を出力する第1の遅延回路と、前記アナ
ログ電気信号が入力され、このアナログ電気信号を第1
の遅延回路の所定時間よりも短い所定時間遅延した第2
の遅延信号を出力する第2の遅延回路と、第2の遅延信
号が入力され、この第2の遅延信号の信号レベルが所定
レベル以上である間、所定の制御信号を出力するレベル
検出回路と、前記アナログ電気信号と第1の遅延信号と
制御信号とが入力可能に構成され、制御信号が入力され
ているときに、入力された前記アナログ電気信号と第1
の遅延信号の信号電圧が一致したタイミングでデジタル
信号を出力する比較回路とを有することによって特徴づ
けられる。第2の遅延回路の一構成例は、前記アナログ
電気信号を第1の遅延回路の遅延時間の1/2の遅延時
間分遅延させる。
【0012】また、本発明のレーザ測距装置は、パルス
状のレーザ光を射出するレーザ光射出手段と、射出され
たレーザ光の一部と射出されたレーザ光が計測対象で反
射された反射レーザ光とを受光し、それぞれが受光され
た時間差を求めて記録する信号処理手段と、信号処理手
段に記録された時間差に基づいて、計測対象との距離を
算出する演算処理手段とを備え、信号処理手段は、受光
したレーザ光をアナログ電気信号に変換し出力する受光
回路と、この受光回路の出力するアナログ電気信号が入
力され、このアナログ電気信号に基づいて、所定のタイ
ミングでデジタル信号を出力する前記デジタル化回路
と、このデジタル化回路の出力するデジタル信号の入力
により時間計測を行い記録する時間計測装置とを有する
ことによって特徴づけられる。
【0013】また、本発明のギャロッピング計測装置
は、パルス状のレーザ光を連続して射出するレーザ光射
出手段と、レーザ光を所定のレンジ内で走査させながら
計測対象物に向けて投光する走査手段と、この走査手段
を制御するとともにレーザ光の投光時の走査角度を出力
する制御手段と、射出されたレーザ光の一部と投光され
たレーザ光が計測対象物で反射された反射レーザ光とを
受光し、それぞれが受光された時間差を求めて記録する
信号処理手段と、制御手段から入力されるレーザ光の投
光時の走査角度と、信号処理手段に記録された時間差と
に基づいて、計測対象物の座標を求める演算処理部とを
備え、信号処理手段は、受光したレーザ光をアナログ電
気信号に変換し出力する受光回路と、この受光回路の出
力するアナログ電気信号が入力され、このアナログ電気
信号に基づいて、所定のタイミングでデジタル信号を出
力する前記デジタル化回路と、このデジタル化回路の出
力するデジタル信号の入力により時間計測を行い記録す
る時間計測装置とを有することによって特徴づけられ
る。このギャロッピング計測装置の一構成例は、演算処
理部がさらに計測対象物の座標から複数の架空送電線を
判別する相判別手段を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、本発明に係るデジタル化回路を用いたレーザ測距装
置の一実施形態であるギャロッピング計測装置を例に説
明する。まず、ギャロッピングについて説明する。ギャ
ロッピングとは、鉄塔などの支持塔間に架設されている
架空送電線に発生する低周波数で大振幅の振動現象のこ
とであり、架空送電線に氷雪が付着した状態で強風を受
けると発生することが知られている。ギャロッピングが
発生すると、送電線間の距離が近接して放電が生じた
り、送電線同士の接触による短絡事故が発生するなど極
めて危険な事態を引き起こす恐れがあるため、これを早
期に発見し、送電電力を迂回路に切り替えるなどの迅速
な対処を行う必要がある。
【0015】この実施の形態のギャロッピング計測装置
は、送電線を含む所定の領域をパルス状のレーザ光で走
査し、送電線に反射して戻ってきた反射レーザ光を受信
したときのレーザ光の走査角とレーザ光の射出から受光
までの時間とを計測するとともに、これらのデータに基
づいて演算処理を行いリアルタイムで送電線の座標を算
出することにより、送電線の挙動をリアルタイムで知る
ことを可能としたものである。
【0016】図1は、本発明に係るギャロッピング計測
装置の一構成例を示すブロック図である。同図に示すよ
うに、このギャロッピング計測装置は、レーザ計測部1
と、信号処理部2と、レーザ計測部1と信号処理部2の
制御手段であるコントロール回路3と、演算処理手段で
あるパーソナルコンピュータ4と、表示手段である表示
モニタ5とによって構成されている。
【0017】レーザ計測部1は、レーザヘッド11と、
レーザコントローラ12と、投光光学系13と、走査系
14と、スキャナ制御回路15と、受光光学系16と、
受光回路17とを有する。ここで、レーザヘッド11、
レーザコントローラ12及び投光光学系13は、後述す
るような所定の特性を有するパルス状のレーザ光(以
後、投光パルスと記す)を生成するレーザ光射出手段を
構成する。走査系14とスキャナ制御回路15は、レー
ザ光射出手段が生成した投光パルスで計測対象が含まれ
た所定の角度範囲内を所定周期で走査する走査手段を構
成する。受光光学系16と受光回路17は、投光パルス
の一部と、反射又は散乱され走査手段を介して入射され
た投光パルス(以後、反射パルスと記す)とを受光し電
気信号に変換する受光手段を構成する。
【0018】レーザヘッド11は、所定のパルス幅の光
パルスを所定のパルス周波数で射出するレーザ光源であ
る。ここでは、出力とパルス周波数を可変制御可能で入
手しやすく信頼性の高い、レーザダイオード励起Nd:
YVO4レーザを用いて、波長1064nm、ビーム径
0.3mm、広がり角4.5mradのレーザ光を射出
するものとする。レーザコントローラ12は、レーザヘ
ッド11が射出するレーザ光の出力、パルス幅、パルス
周波数などを制御する制御機器であり、レーザヘッド1
1が射出するレーザ光をピーク出力が0〜10kW、パ
ルス周波数が0〜100kHzの範囲で可変可能であ
る。
【0019】このレーザコントローラ12は、Nd:Y
VO4励起媒体が吸収する波長810nm付近のレーザ
光を発するレーザダイオードを内蔵するとともに、レー
ザヘッド11と光ファイバケーブルによって接続されて
おり、レーザダイオードが発するレーザ光が光ファイバ
ケーブルを通してレーザヘッド11内のNd:YVO 4
励起媒体に照射されるように構成されている。この実施
の形態では、レーザコントローラ12により、レーザヘ
ッド11が波長1064nm、ピーク出力1kW、パル
ス幅10nsの光パルスを3.5kHzのパルス周波数
で射出するように制御される。
【0020】投光光学系13は、レーザヘッド11から
射出されたレーザ光のビーム径と広がり角を所定値に変
換し走査系14へ導くとともに、レーザ光の一部を受光
回路17に導くように構成された光路である。レーザ光
のビーム径と広がり角を変換する理由は、レーザヘッド
11から射出されるレーザ光は、ビーム径が直径0.3
mm、広がり角が4.5mradであるため、100m
先ではビーム径の直径が45cmとなり、計測誤差が大
きくなるためである。
【0021】この場合、レーザヘッド11から射出され
たレーザ光を焦点距離20mmのレンズで集光した後、
レンズ間距離170mmの位置に光軸を合わせて配置し
た焦点距離150mmのレンズで平行光に戻すように構
成することにより、ビーム径の直径が2.25cmで広
がり角が0.6mradのレーザ光に変換するようにし
た。これにより、100m先でビーム径が直径6cmと
なる投光パルスが得られる。なお、これらのレンズは、
YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レ
ーザ用に設計されたレンズを用いることができる。
【0022】広がり角は、レンズ位置を光軸方向に動か
すことにより調整できるので、計測対象との距離や許容
される計測誤差に合わせて所望のビーム径が得られる光
学系を構成できる。この実施の形態では、投光パルスの
ビーム径が100m先で直径3〜30cmとなるように
レンズ間距離を変更可能に構成している。また、ビーム
径と広がり角が変換された投光パルスを45度入射のホ
ットミラー(ハーフミラー)に照射し、ホットミラーで
反射された投光パルスが走査系14へ導かれるように構
成するとともに、ホットミラーを透過した一部の投光パ
ルスを光学ミラーで受光回路17に導くように構成して
いる。
【0023】走査系14は、所定周期で所定の角度範囲
を走査するように投光光学系13から導かれた投光パル
スを外部に射出すると同時に、反射又は散乱されて戻っ
た投光パルス(反射パルス)を受光光学系16へ導くよ
うに構成されている。この場合、走査系14は、投光用
鏡面と受光用鏡面とを有するミラーと、このミラーを光
学角で25度の範囲で1秒間に10回走査するように反
復回転させるモータと、モータに取り付けられてミラー
の角度を検出する角度センサとから構成され、ミラーの
回転軸上の投光用鏡面に投光光学系13の光軸が、受光
用鏡面に受光光学系16の光軸がそれぞれ合致するよう
に配置されている。
【0024】スキャナ制御回路15は、走査系14を構
成するモータに取り付けられた角度センサが出力する信
号に基づいてミラーの角度を検出し、この角度がコント
ロール回路3からの制御目標信号であるスキャナ信号と
合致するようにモータを駆動する。また、検出したミラ
ーの角度を走査角度としてアナログ信号でコントロール
回路3に送出する。
【0025】受光光学系16は、走査系14から導かれ
た反射パルスを集光し、受光回路17へ導くように構成
された光路である。この場合、反射パルスの集光には焦
点距離50mmのYAGレーザ用に設計されたレンズを
用い、光学ミラーを用いて反射パルスを所定の光路に沿
って導いている。
【0026】受光回路17は、入射した反射パルスをア
ナログ電気信号に変換して出力する回路であり、微弱光
を受光し増幅して電気信号に変換するアバランシェフォ
トダイオードにより、反射パルスの波形に対応したアナ
ログ信号を出力する。この場合、受光回路17は、投光
光学系13から入射された投光パルスを受光し、電気信
号に変換して出力する投光光学系受光用回路と、受光光
学系16から入射された反射パルスを受光し、電気信号
に変換して出力する受光光学系受光用回路の2系統の回
路を備えており、これらの回路の出力が信号処理部2の
入力に接続されている。ここで、2系統の回路を備えた
のは、投光光学系のレーザパルスの強度と受光光学系の
レーザパルスの強度とが大きく異なるため、同じ回路で
変換することができないためである。
【0027】信号処理部2は、デジタル化回路21と、
ゲート回路22と、タイムインターバルアナライザ23
とを有し、デジタル化回路21の入力が信号処理部2の
入力として受光回路17の出力に接続され、デジタル化
回路21の出力がゲート回路22の入力に接続され、ゲ
ート回路22の出力がタイムインターバルアナライザ2
3の入力に接続されている。ここで、デジタル化回路2
1とゲート回路22は、タイムインターバルアナライザ
23が投光パルスと反射パルスの間の正確な時間間隔を
計測可能とするために必要な信号処理を行う入力信号処
理部を構成する。また、タイムインターバルアナライザ
23は、投光パルスと反射パルスの間の時間間隔を計測
するパルス間隔計測部を構成する。また、投光光学系1
3の一部を構成するレーザ光の一部を受光回路17に導
く光路と受光光学系16と受光回路17と信号処理部2
とにより信号処理手段を構成する。
【0028】デジタル化回路21は、受光回路17から
出力されたアナログ電気信号をTTLレベルのデジタル
信号に変換して出力する回路であり、投光パルスに対応
するアナログ電気信号からTTLレベルのデジタル信号
である投光信号を生成し、反射パルスに対応するアナロ
グ電気信号からTTLレベルのデジタル信号である受光
信号を生成する。図2は、デジタル化回路21の1構成
単位を示すブロック図であり、この実施の形態では、図
2に示す回路を投光パルス用と反射パルス用の2系統備
えている。
【0029】ここで、デジタル化回路21の1構成単位
は、入力されたアナログ電気信号を増幅して出力する増
幅回路211と、入力されたアナログ電気信号を所定時
間遅延させ出力する遅延回路A212と、2つのアナロ
グ信号入力と1つの制御信号入力と1つのデジタル信号
出力とを有し、制御信号入力に所定の制御信号が入力さ
れているときに2つのアナログ信号入力に入力された信
号電圧が一致したタイミングでデジタル信号出力からT
TLレベルの矩形波であるデジタル信号を出力する比較
回路214と、入力されたアナログ電気信号を遅延回路
A212の1/2の遅延時間分遅延させ出力する遅延回
路B215と、入力されたアナログ電気信号の信号レベ
ルが所定レベル以上である間、所定の制御信号を出力す
るレベル検出回路216とによって構成されている。
【0030】この場合、図2に示すように、増幅回路2
11の出力が遅延回路A212の入力と、比較回路21
4の一方のアナログ信号入力と、遅延回路B215の入
力とに接続され、遅延回路A212の出力が比較回路2
14の他方のアナログ信号入力に接続され、遅延回路B
215の出力がレベル検出回路216の入力に接続さ
れ、レベル検出回路216の出力が比較回路214の制
御信号入力に接続されている。
【0031】このような構成において、入力アナログ信
号が増幅回路211に入力されると、増幅回路211の
出力から増幅されたアナログ信号(S1)が出力され、
遅延回路A212の入力と、比較回路214の一方のア
ナログ信号入力と、遅延回路B215の入力とに入力さ
れる。遅延回路A212に入力されたアナログ信号(S
1)は、所定時間遅延されて遅延信号A(S2)とな
り、比較回路214の他方のアナログ信号入力に入力さ
れる。さらに、遅延回路B215に入力されたアナログ
信号(S1)は、遅延回路A212の1/2の遅延時間
分遅延されて遅延信号B(S3)となり、レベル検出回
路216に入力される。レベル検出回路216では、入
力された遅延信号B(S3)が所定の閾値(下限閾値)
以上の電圧である間、制御信号(G1)が出力され、比
較回路214の制御信号入力に入力される。
【0032】これにより、図3に示すように、比較回路
214の制御信号入力に制御信号(G1)が入力され、
かつ増幅回路211から出力されたアナログ信号(S
1)と、遅延回路A212から出力された遅延信号A
(S2)の電圧が等しくなった点で比較回路214から
一致を示す出力信号(D1)としてTTLレベルのデジ
タル信号が出力される。ここで、図3は、図2の回路の
動作を説明する原理図であり、(a)と(d)が比較回
路214に入力される、アナログ信号(S1)及び遅延
信号A(S2)と、レベル検出回路216に入力される
遅延信号B(S3)との相互関係を示し、(c)と
(f)が比較回路214に入力される制御信号(G1)
のタイミングを示し、(b)と(e)がこれらの入力に
対する比較回路214の出力信号(D1)の出力タイミ
ングを示す。また、同図において(a)〜(c)はレー
ザパルスの光量が大きい場合を示し、(d)〜(f)は
レーザパルスの光量が小さい場合を示す。なお、図3の
(b)と(e)に示す出力信号は、アクティブ・ハイと
しているが、これに限られるものではなく、次段の回路
に合わせて適宜出力信号の形式を変更してもよいことは
言うまでもない。
【0033】また、出力レベルをTTLレベルとした
が、これに限られるものではなく、必要とする任意の出
力レベルとしてよい。また、遅延回路B215の遅延時
間を遅延回路A212の1/2の遅延時間としたが、遅
延回路B215の遅延時間は、遅延回路A212の遅延
時間よりも短い時間であれば、ノイズによる誤信号の出
力を防止可能であるので、1/2でなくともよい。ここ
で遅延回路B215の遅延時間を遅延回路A212の1
/2の遅延時間としたのは、2つの遅延回路B215を
直列接続して遅延回路A212を構成し、先頭の遅延回
路B215の出力をレベル検出回路216の入力に接続
し、後の遅延回路B215の出力を比較回路214の信
号入力に接続することにより、回路部品の削減ができる
ためである。
【0034】このような回路構成とすることにより、図
3に示したように、光量の大小によって出力信号(D
1)の出力タイミングが変化することなくアナログ信号
をデジタル化することができる。また、ノイズの影響を
受けやすい、光量の少ないときほど、比較回路214の
出力が有効となる領域が狭まるため、ノイズに対する耐
性を高くすることができる。これにより、受光量の大小
による計測誤差をなくすことが可能となる。また、図7
に示した回路では、一方の信号にオフセット電圧を与え
ているため、入力信号の電圧がオフセット電圧以下では
出力信号(D1)を出力することができないので、計測
可能な受光レベルがオフセット電圧に左右され、反射率
の低い物体の距離測定が難しいという問題があるが、こ
のデジタル化回路では、このような問題もない。
【0035】ゲート回路22は、タイムインターバルア
ナライザ23が時間間隔を正しく計測するためにコント
ロール回路3からのゲート信号が入力されている間の
み、受光信号を通過させるように構成されている。この
ようなゲート回路22を設ける理由は、投光時に投光パ
ルスによって受光信号が発生し、タイムインターバルア
ナライザ23に入力されて本来の反射光によるパルス間
の時間計測ができなくなることを防止するためである。
投光時に投光パルスによって受光信号が発生するのは、
投光パルスの光量が極めて大きいため、投光用光路と受
光用光路を分離しても微量の投光パルスが受光用光路に
入り込むことは避けられず、この投光パルスが微弱な反
射パルスを識別できるように高感度に設定された受光回
路に入射して電気信号を発生させるためである。
【0036】また、このゲート回路22は、投光信号が
入力されてから所定時間経過後に受光信号と同じ構成の
リセット信号を出力するように構成されている。これに
より、反射パルスが入射されなかったときでもタイムイ
ンターバルアナライザ23の時間計測を終了させること
ができる。この場合、タイムインターバルアナライザ2
3は、リセット信号を受光信号と見なし、所定時間を計
測時間として記録するので、所定時間は反射パルスと容
易に識別できるようにするため、想定される反射パルス
入射時間よりも十分長くとるとよい。このように、この
ゲート回路22により、投光パルスによる誤信号をブロ
ックすることができ、本来の反射光によるパルス間の時
間計測を行うことが可能となる。また、無反射時に時間
計測不能となることを防ぐことができる。
【0037】タイムインターバルアナライザ23は、2
つのパルス間の時間間隔を計測し、記録する市販の計測
機器である。このタイムインターバルアナライザ23
は、コントロール回路3からの信号により時間計測可能
となり、ゲート回路22から出力される投光信号が投光
信号入力に入力されると時間計測を開始し、受光信号又
はリセット信号が受光信号入力に入力されると時間計測
を終了して、計測した時間を内蔵メモリに記録する。こ
れにより、投光パルス射出から反射パルス入射までの時
間又は、投光パルス射出から所定時間経過後の時間が記
録される。なお、計測終了後に入力される信号は無視さ
れるので、受光信号入力後にリセット信号が入力されて
も問題は生じない。このタイムインターバルアナライザ
23は、IEEE488規格のGPIBインタフェース
を備えており、このインタフェースを介して記録された
計測データの送信が可能である。また、時間計測分解能
は25ps、時間計測範囲は0ns〜20msである。
【0038】コントロール回路3は、レーザコントロー
ラ12へレーザパルスの射出を指示するレーザパルス信
号を送出する機能と、スキャナ制御回路15へスキャナ
の動作波形を示すスキャナ信号を送出する機能と、スキ
ャナ制御回路15の出力するスキャナ角度データを示す
アナログ電圧をデジタルデータに変換して記録する機能
と、パーソナルコンピュータ4へ記録されたスキャナ角
度データを送信する機能と、ゲート回路22へ受光信号
の通過を許可するゲート信号を送出する機能と、タイム
インターバルアナライザ23へ計測開始を指示するアー
ミング信号を送出する機能とを備えており、パーソナル
コンピュータ4からの命令により、これらの機能を実行
し、送電線のレーザ計測を行う。
【0039】この場合、コントロール回路3は、図示し
ない相互に接続されたロジック回路とメモリと入出力イ
ンタフェースとを備えている。ロジック回路は、FPG
A(Fieid Programmable Gate Array)を含む半導体集
積回路で構成され、FPGAに書き込まれたプログラム
により、これらの機能を実現する論理回路が形成されて
いる。メモリは、ロジック回路によってスキャナ角度デ
ータを記録する記録手段として用いられる。
【0040】入出力インタフェースは、デジタル出力と
アナログ入力とアナログ出力とPCI(Peripheral Com
ponent Interconnect)バスとを有する。デジタル出力
は、レーザパルス信号とゲート信号とアーミング信号の
出力として用いられる。アナログ入力は、スキャナ制御
回路15から出力されるスキャナ角度データを示すアナ
ログ電圧の入力に用いられ、アナログ出力は、スキャナ
の動作波形を示すスキャナ信号の出力に用いられる。P
CIバスは、パーソナルコンピュータ4との接続に用い
られる。
【0041】ここで、レーザ計測の際に生成される各信
号について説明する。図4は、レーザ計測の際に生成さ
れる各信号の関連を示すタイムチャートである。スキャ
ナ信号は、コントロール回路3からスキャナ制御回路1
5に送出するモータ駆動時の制御目標信号であり、コン
トロール回路3は光学角で25度の範囲を1秒間に10
回走査させるため、10Hzの三角波をレーザパルス信
号と同期して出力する。図4の(a)は、スキャナ信号
の波形を示し、図4の(b)〜(h)はスキャナ信号に
対し、時間軸を拡大して示している。なお、スキャナ制
御回路15の出力するスキャナ角度データを示すアナロ
グ電圧は、スキャナ信号と同様の波形となる。
【0042】レーザパルス信号は、コントロール回路3
で生成されレーザコントローラ12へ送出される3.5
kHzのTTL信号であり、レーザコントローラ12
は、この信号に基づいてレーザヘッド11を制御し、パ
ルス幅10nsの投光パルスを射出する。なお、レーザ
パルス信号のパルス間隔は285μsであり、パルス幅
は数μsである。射出された投光パルスは、送電線で反
射又は散乱されて反射パルスとして受光回路17に入射
する。投光から受光までの時間は、距離100mで0.
7μs程度であり、タイムインターバルアナライザ23
で計測可能である。
【0043】投光パルスと反射パルスは、それぞれ受光
回路17でアナログ電気信号に変換された後、デジタル
化回路21でTTLレベルの投光信号と受光信号に変換
され、ゲート回路22を介してそれぞれタイムインター
バルアナライザ23に入力され、投光信号と受光信号の
間の時間間隔が計測され、記録される。リセット信号
は、ゲート回路22で投光信号が入力されてから所定時
間経過後に生成されてタイムインターバルアナライザ2
3の受信信号入力に入力され、反射パルスが入射しない
ときの計測終了信号として用いられる。
【0044】ゲート信号は、コントロール回路3で生成
されゲート回路22へ送出される所定幅のTTL信号で
あり、ゲート回路22は、この信号の入力中のみ受光信
号を通過させる。この信号は、投光パルスによる誤信号
の通過を阻止するため、投光パルス射出から所定時間経
過後に出力される。
【0045】パーソナルコンピュータ4は、コントロー
ル回路3に計測の開始・終了を指示し、計測終了後にコ
ントロール回路3に記録されたスキャナ角度データとタ
イムインターバルアナライザ23に記録されたパルス間
の時間間隔データとを読み出して計測データファイルを
作成し記録する計測機能と、所定のアルゴリズムに基づ
いて計測データファイルのデータを処理しギャロッピン
グ検出を行うギャロッピング検出機能と、ギャロッピン
グ検出結果を表示するための画像表示データを作成し記
録するとともに表示モニタ5に表示する表示機能とを有
し、これらの機能が順次実行され、ギャロッピング計測
装置の演算処理手段として動作する。この場合、パーソ
ナルコンピュータ4は、外部記憶装置としてハードディ
スクドライブ(以下、HDDと記す)を備え、HDDに
記録されたこれらの機能を実現するコンピュータプログ
ラムを実行することによりギャロッピング計測装置を動
作させる。
【0046】図5は、パーソナルコンピュータ4の動作
を説明するフローチャートである。まず、コントロール
回路3に送電線のレーザ計測を行わせる(ステップS0
1)。送電線のレーザ計測に当たっては、図6(a)に
示すように、鉄塔60間に架設された送電線61と直交
する方向に所定距離離間し、かつ投光されるレーザ光6
2が送電線61と直交するようにギャロッピング計測装
置63を設置する。この場合、ギャロッピング計測装置
63は、図6(b)に示すように、地面64と平行な基
準線65から所定のオフセット角度66だけ上方に傾け
たところからさらに上方に向かって所定の走査角度67
の範囲を走査するようにレーザ光62を投光する。ここ
で、図6(a)は上方から見た鉄塔60間に架設された
送電線61とギャロッピング計測装置63の配置を示す
説明図であり、図6(b)は図6(a)のA−A線断面
で見たレーザ光の投光範囲を示す説明図である。
【0047】計測終了後、タイムインターバルアナライ
ザ23に記録されたタイムインターバルデータと、コン
トロール回路3に記録されたスキャナ角度データとを記
録順に読み出して個々の組にしたデータを作成する、タ
イムインターバルデータとスキャナ角度データの対応付
けを行う(ステップS02)。対応付け後、データの記
録順に対応した時間データを生成し、対応する対応付け
データの組に付加する時間データ作成を行う(ステップ
S03)。
【0048】次に、時間データ作成された対応付けデー
タから、リセット信号により計測終了されたことを示す
所定時間のタイムインターバルデータを有する組を削除
することにより、投光パルスが送電線に当たらなかった
無反射データを削除する(ステップS04)。続いて、
タイムインターバルデータを距離データに変換する(ス
テップS05)。ここで、投光パルスから反射パルスま
での時間差をt、光速をcとすると、光がt秒間に進む
距離sは、c×tで求められる。距離sは、ギャロッピ
ング計測装置と計測対象物との距離rの往復距離に等し
いので、距離rは、c×t÷2で求められる。よって、
タイムインターバルデータを距離データに変換するに
は、タイムインターバルデータと光速の積を求め、2で
除す演算を行えばよい。これにより、タイムインターバ
ルデータとスキャナ角度データの組合せから、距離デー
タとスキャナ角度データの組合せを得る。
【0049】次に、送電線が存在しうる領域を示す距離
データとスキャナ角度データの組合せから外れる対応付
けデータの組を、塵や埃、鳥など他の要因による送電線
の位置とは無関係に起こる反射で生じたエリア外データ
として削除する(ステップS06)。ここで、送電線が
存在しうる領域とは、無風時における送電線の位置を基
準に設定された送電線が触れ回り可能な半径内の領域で
あり、計測前にあらかじめ設定しておく。設定方法とし
ては、例えば、無風に近い状態のときに送電線までの距
離と水平線からの角度を距離計などで計測して静止時の
位置として設定するとともに、この位置を基準に触れ回
り可能半径を設定し、これらの設定データから送電線が
存在しうる領域を示す距離データとスキャナ角度データ
の組合せを算出し保存するプログラムを用いる方法など
がある。
【0050】さらに、エリア内の塵や埃などによるノイ
ズ反射を削除するため、データの連続性を利用したノイ
ズデータ削除を行う(ステップS07)。この場合、距
離データに比べ角度データは誤差が少ないため、送電線
の反射によるデータでは角度データが連続していること
を利用し、角度データが連続していないデータをノイズ
データとして削除する。さらに距離データが予想される
ばらつき範囲から外れているデータを削除する。ただ
し、複数相の送電線がある場合には、まず距離データが
互いに近いものに分類し、近いもの同士で角度データの
連続性を確認する必要がある。送電線の相数は、あらか
じめ分かっているので、相数により判定方法を変えるこ
とは可能である。
【0051】以上のようにして、無効データを削除する
ことにより、連続性が確保されたデータが得られるの
で、残ったデータを角度データと距離データに分け、各
々を移動平均法などでスムージングする(ステップS0
8)。さらに、スキャナの往復動作による計測では、計
測の時間間隔が一定にならないため、時間間隔を一定に
した場合に予想されるデータを補間し、画像表示に適す
るように加工する補間処理を行う(ステップS09)。
【0052】以上の加工処理を行ったデータを、距離と
角度で位置を示す極座標から直交座標で示される位置デ
ータに変換する座標変換を行う(ステップS10)。こ
の場合、直交座標への変換に当たっては、角度データに
オフセット角度を加えた角度で演算を行う。変換後のデ
ータは、鉄塔間に架設された送電線に平行な方向をx
軸、地面に平行でかつ送電線と直交する方向をy軸、地
面に垂直でかつ送電線と直交する方向をz軸とすると、
y−z平面上のデータとして示される。さらに、変換さ
れたデータの位置と、あらかじめ分かっている各相の送
電線の存在しうる位置とを比較して、当該データが含ま
れる相を判別し、判別された相を当該データの組に組み
入れる相判別を行う(ステップS11)。
【0053】このようにして、各相の送電線の位置デー
タの軌跡が得られた後、全相の位置を同時に表示できる
ように各相のデータを合成し、一画面のデータを作成す
るデータ合成を行い(ステップS12)、得られたデー
タをデータ表示プログラムにより表示モニタ5に表示す
る(ステップS13)。これにより、各相の送電線相互
の位置関係が示されるので、実設備におけるギャロッピ
ングの発生を迅速かつ正確に捉えることができる。
【0054】以上説明したように、この実施の形態のギ
ャロッピング計測装置によれば、反射レーザ光の強弱に
よる計測距離の変動が生じないので、送電線の座標を高
精度に求めることが可能になるとともに、送電線の種類
や表面状態の違いによる計測誤差をなくすことが可能と
なる効果が得られる。この実施の形態では、本発明に係
るデジタル化回路を用いたレーザ測距装置の一実施形態
であるギャロッピング計測装置について説明したが、本
発明に係るデジタル化回路は、他のレーザ測距装置にも
適用できることは言うまでもない。
【0055】例えば、図1において、レーザ計測部1か
ら走査系14とスキャナ制御回路15を除くとともに、
投光光学系13から計測対象へレーザ光を射出し、計測
対象から反射された反射レーザ光を受光光学系16が取
り込むようにして、計測対象との距離測定に特化した構
成としてもよい。この場合、レーザヘッド11とレーザ
コントローラ12と投光光学系13とによりレーザ光射
出手段を構成する。また、投光光学系13の一部を構成
するレーザ光の一部を受光回路17に導く光路と受光光
学系16と受光回路17と信号処理部2とにより信号処
理手段を構成する。さらに、パーソナルコンピュータ4
により演算処理手段を構成する。
【0056】ここで、パーソナルコンピュータ4は、コ
ントロール回路3に計測の開始・終了を指示し、計測終
了後にタイムインターバルアナライザ23に記録された
パルス間の時間間隔データとを読み出して計測データフ
ァイルを作成し記録する計測機能と、計測データファイ
ルから時間間隔データを読み出して計測対象との往復時
間とし、この時間の1/2を光速で除して計測対象まで
の距離を算出する距離算出機能と、算出した距離を記録
するとともに表示モニタ5に表示する表示機能とを有
し、これらの機能が順次実行され、レーザ測距装置の演
算処理手段として動作させるコンピュータプログラムを
HDDに記録したものとすればよい。これにより、レー
ザ測距装置において受光量の変化による計測距離の変動
を防止することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のデジタル
化回路は、パルス状のアナログ電気信号が入力される
と、パルス幅や波高値の大小にかかわらず所定のタイミ
ングで所定の出力信号を出力するので、計測対象によっ
て入射光量が大きく異なるレーザ測距に用いて、反射レ
ーザ光の強弱による計測距離の変動を防止する効果が得
られる。
【0058】また、本発明のレーザ測距装置は、射出さ
れたレーザ光の一部と、投光されたレーザ光が計測対象
物で反射された反射レーザ光とを受光し、それぞれが受
光された時間差を求めて記録する信号処理手段が、受光
したレーザ光をアナログ電気信号に変換し出力する受光
回路と、この受光回路の出力するアナログ電気信号が入
力され、このアナログ電気信号に基づいて、所定のタイ
ミングでデジタル信号を出力する前述したデジタル化回
路と、このデジタル化回路の出力するデジタル信号の入
力により時間計測を行い記録する時間計測装置とを有す
るので、反射レーザ光の強弱による計測距離の変動が生
じない。このため、高精度の距離測定が可能となる効果
が得られる。
【0059】また、本発明のギャロッピング計測装置
は、射出されたレーザ光の一部と、投光されたレーザ光
が計測対象物で反射された反射レーザ光とを受光し、そ
れぞれが受光された時間差を求めて記録する信号処理手
段が、受光したレーザ光をアナログ電気信号に変換し出
力する受光回路と、この受光回路の出力するアナログ電
気信号が入力され、このアナログ電気信号に基づいて、
所定のタイミングでデジタル信号を出力する前述したデ
ジタル化回路と、このデジタル化回路の出力するデジタ
ル信号の入力により時間計測を行い記録する時間計測装
置とを有するので、反射レーザ光の強弱による計測距離
の変動が生じない。このため、送電線の座標を高精度に
求めることが可能になるとともに、送電線の種類や表面
状態の違いによる計測誤差をなくすことが可能となる効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るギャロッピング計測装置の一構
成例を示すブロック図である。
【図2】 図1のデジタル化回路の1構成単位を示すブ
ロック図である。
【図3】 図2の回路の動作を説明する原理図である。
【図4】 レーザ計測の際に生成される各信号の関連を
示すタイムチャートである。
【図5】 図1のパーソナルコンピュータの動作を説明
するフローチャートである。
【図6】 ギャロッピング計測装置の計測時の配置を示
す説明図である。
【図7】 従来のデジタル化回路の1構成単位を示すブ
ロック図である。
【図8】 図7の回路の動作を説明する原理図である。
【符号の説明】
1…レーザ計測部、2…信号処理部、3…コントロール
回路、4…パーソナルコンピュータ、5…表示モニタ、
11…レーザヘッド、12…レーザコントローラ、13
…投光光学系、14…走査系、15…スキャナ制御回
路、16…受光光学系、17…受光回路、21…デジタ
ル化回路、22…ゲート回路、23…タイムインターバ
ルアナライザ、60…鉄塔、61…送電線、62…レー
ザ光、63…ギャロッピング計測装置、64…地面、6
5…基準線、66…オフセット角度、67…走査角度、
211…増幅回路、212,215…遅延回路、213
…オフセット回路、214,217…比較回路、216
…レベル検出回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 好夫 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社研究開発センター内 Fターム(参考) 5J084 AA04 AA05 AA10 AB20 AD01 BA04 BA36 BA48 BB01 BB24 BB31 CA03 CA22 CA34 CA55 DA01 DA08 EA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されるアナログ電気信号に基づい
    て、所定のタイミングでデジタル信号を出力するデジタ
    ル化回路であって、 前記アナログ電気信号が入力され、このアナログ電気信
    号を所定時間遅延した第1の遅延信号を出力する第1の
    遅延回路と、 前記アナログ電気信号が入力され、このアナログ電気信
    号を第1の遅延回路の所定時間よりも短い所定時間遅延
    した第2の遅延信号を出力する第2の遅延回路と、 前記第2の遅延信号が入力され、この第2の遅延信号の
    信号レベルが所定レベル以上である間、所定の制御信号
    を出力するレベル検出回路と、 前記アナログ電気信号と前記第1の遅延信号と前記制御
    信号とが入力可能に構成され、前記制御信号が入力され
    ているときに、入力された前記アナログ電気信号と前記
    第1の遅延信号の信号電圧が一致したタイミングで前記
    デジタル信号を出力する比較回路とを有することを特徴
    とするデジタル化回路。
  2. 【請求項2】 レーザ光が計測対象との往復に要する時
    間を計測し、計測対象までの距離を算出するレーザ測距
    装置であって、 パルス状のレーザ光を射出するレーザ光射出手段と、 射出されたレーザ光の一部と、射出されたレーザ光が計
    測対象で反射された反射レーザ光とを受光し、それぞれ
    が受光された時間差を求めて記録する信号処理手段と、 前記信号処理手段に記録された時間差に基づいて、計測
    対象との距離を算出する演算処理手段とを備え、 前記信号処理手段は、 受光したレーザ光をアナログ電気信号に変換し出力する
    受光回路と、 この受光回路の出力する前記アナログ電気信号が入力さ
    れ、このアナログ電気信号に基づいて、所定のタイミン
    グでデジタル信号を出力する請求項1記載のデジタル化
    回路と、 このデジタル化回路の出力する前記デジタル信号の入力
    により時間計測を行い記録する時間計測装置とを有する
    ことを特徴とするレーザ測距装置。
  3. 【請求項3】 支持塔間の架空送電線に発生するギャロ
    ッピングを計測するギャロッピング計測装置であって、 パルス状のレーザ光を連続して射出するレーザ光射出手
    段と、 前記レーザ光を所定のレンジ内で走査させながら計測対
    象物に向けて投光する走査手段と、 この走査手段を制御するとともに前記レーザ光の投光時
    の走査角度を出力する制御手段と、 射出されたレーザ光の一部と、投光されたレーザ光が計
    測対象物で反射された反射レーザ光とを受光し、それぞ
    れが受光された時間差を求めて記録する信号処理手段
    と、 前記制御手段から入力される前記レーザ光の投光時の走
    査角度と、前記信号処理手段に記録された時間差とに基
    づいて、計測対象物の座標を求める演算処理部とを備
    え、 前記信号処理手段は、 受光したレーザ光をアナログ電気信号に変換し出力する
    受光回路と、 この受光回路の出力する前記アナログ電気信号が入力さ
    れ、このアナログ電気信号に基づいて、所定のタイミン
    グでデジタル信号を出力する請求項1記載のデジタル化
    回路と、 このデジタル化回路の出力する前記デジタル信号の入力
    により時間計測を行い記録する時間計測装置とを有する
    ことを特徴とするギャロッピング計測装置。
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