JP2003304613A - ギャロッピング計測装置 - Google Patents

ギャロッピング計測装置

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JP2003304613A
JP2003304613A JP2002103559A JP2002103559A JP2003304613A JP 2003304613 A JP2003304613 A JP 2003304613A JP 2002103559 A JP2002103559 A JP 2002103559A JP 2002103559 A JP2002103559 A JP 2002103559A JP 2003304613 A JP2003304613 A JP 2003304613A
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signal
laser
angle
circuit
scanning
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JP2002103559A
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English (en)
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Iwao Sugizaki
巌 杉崎
Katsu Tashiro
克 田代
Yoshio Chiba
好夫 千葉
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OPUTOUEA KK
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
OPUTOUEA KK
Tohoku Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ギャロッピングの発生を迅速かつ正確に捉え
る。 【解決手段】 このギャロッピング計測装置は、方位角
と上下角を変化させながらレーザ光を射出し送電線を含
む所定空間を走査するレーザ射出手段、反射レーザ光の
往復時間を計測するレーザ計測手段、往復時間と方位角
と上下角に基づいて送電線の位置情報を算出する演算処
理手段、位置情報に基づいて送電線の3次元画像を生成
する画像生成手段及び3次元画像を表示する画像表示手
段を有し、レーザ射出手段はレーザヘッド11、レーザ
コントローラ12、投光光学系13、走査系14、スキ
ャナ制御回路15、姿勢検出センサー部18及びコント
ロール回路3で、レーザ計測手段は受光光学系16、受
光回路17、デジタル化回路21、ゲート回路22、タ
イムインターバルアナライザ23及びコントロール回路
3で、演算処理手段と画像生成手段はパーソナルコンピ
ュータ4で、画像表示手段は表示モニタ5で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持塔間の架空送
電線に発生するギャロッピングを計測するギャロッピン
グ計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄塔などの支持塔間に架設されている架
空送電線(以後、単に送電線と記す)は、氷雪が付着し
た状態で強風を受けると振れを起こし、ギャロッピング
と呼ばれる低周波数で大振幅の振動が発生することが知
られている。ギャロッピングが発生するのは、降雪時、
送電線に横方向から強風が吹きつけると、送電線の風上
側に氷雪が付着し、送電線と付着した氷雪とを合わせた
全体の断面形状がほぼ翼状となり、揚力が生じるためで
あると考えられている。
【0003】ギャロッピングが発生すると、送電線間の
距離が近接して放電が生じたり、送電線同士の接触によ
る短絡事故が発生するなど極めて危険な事態を引き起こ
す恐れがあるため、これを早期に発見し、送電電力を迂
回路に切り替えるなどの迅速な対処が必要となる。従
来、こうした送電線のギャロッピングを観測する場合に
は、ビデオカメラを設置して送電線を監視したり、ある
いは張力センサ、加速度センサ、振れ角センサなどの各
種センサを送電線に取り付けて計測データを取得し電子
計算機に入力することにより、所定のモデルに基づいて
電子計算機が送電線の動きを推定する、という方法がと
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ビデオ
カメラを用いた観測方法は、夜間の観測ができないとい
う問題や、送電線が降雪や雪雲に隠されて観測できなく
なることがあるという問題があった。このため、時間帯
や天候等の外部条件の影響を受けることなく迅速に送電
線の状況を把握することができなかった。また、送電線
に各種センサを取り付ける方法は、モデルと実際の環境
が異なったり、センサの検出する張力変動などの計測デ
ータが相殺されるなどの理由で、送電線が動く現象を十
分に捉えられず正確に送電線の状態を推定することがで
きないという問題があった。このように、これら従来の
方法では、ギャロッピングの発生を迅速かつ正確に捉え
ることができないため、的確に対処することができない
という問題があった。本発明は、このような問題を解決
するためになされたものであり、実設備におけるギャロ
ッピングの発生を迅速かつ正確に捉えることが可能なギ
ャロッピング計測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明のギャロッピング計測装置は、方位角と
上下角を変化させながらパルス状のレーザ光を射出し架
空送電線を含む所定空間を走査するレーザ射出手段と、
架空送電線に反射して戻るレーザ光の往復時間を計測す
るレーザ計測手段と、往復時間と方位角と上下角とに基
づいて所定の演算処理を行い、レーザ光を反射した架空
送電線の3次元直交座標における位置情報を算出する演
算処理手段とを有することによって特徴づけられる。
【0006】このギャロッピング計測装置のレーザ射出
手段の一構成例は、パルス状のレーザ光を連続して射出
するレーザ光源と、射出されたレーザ光を鉛直線方向に
走査するとともに走査角を上下角として出力する第1の
走査手段と、第1の走査手段から射出されたレーザ光を
架空送電線の架設方向に走査するとともに走査角を方位
角として出力する第2の走査手段と、レーザ光源と第1
の走査手段と第2の走査手段とを同期させて制御する制
御手段とからなる。このギャロッピング計測装置の別の
構成例は、レーザ射出手段がピッチ角センサとロール角
センサとをさらに有し、演算処理手段が算出した位置情
報をピッチ角センサとロール角センサが検出した角度に
応じて補正する補正手段を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に図を用いて本発明の実施の
形態を説明する。図1は、本発明にかかるギャロッピン
グ計測装置の実施の形態を示すブロック図である。同図
に示すように、このギャロッピング計測装置は、レーザ
計測部1、信号処理部2、コントロール回路3、パーソ
ナルコンピュータ4及び表示モニタ5から構成されてお
り、レーザ計測部1はレーザヘッド11、レーザコント
ローラ12、投光光学系13、走査系14、スキャナ制
御回路15、受光光学系16、受光回路17及び姿勢検
出センサー部18を有し、信号処理部2はデジタル化回
路21、ゲート回路22及びタイムインターバルアナラ
イザ23を有する。
【0008】この実施の形態において、レーザヘッド1
1、レーザコントローラ12、投光光学系13、走査系
14、スキャナ制御回路15、姿勢検出センサー部18
及びコントロール回路3はレーザ射出手段を構成し、受
光光学系16、受光回路17、デジタル化回路21、ゲ
ート回路22、タイムインターバルアナライザ23及び
コントロール回路3はレーザ計測手段を構成する。ま
た、パーソナルコンピュータ4は演算処理手段と画像生
成手段を構成し、表示モニタ5は画像表示手段を構成す
る。以下に各部の詳細について説明する。
【0009】[レーザ計測部]レーザヘッド11は、所
定のパルス幅の光パルスを所定のパルス周波数で射出す
るレーザ光源である。ここでは、出力とパルス周波数を
可変制御可能で入手しやすく信頼性の高い、レーザダイ
オード励起Nd:YVO4レーザを用いて、波長106
4nm、ビーム径0.3mm、広がり角4.5mrad
のレーザ光を射出するものとする。レーザコントローラ
12は、レーザヘッド11が射出するレーザ光の出力、
パルス幅、パルス周波数などを制御する制御機器であ
り、レーザヘッド11が射出するレーザ光をピーク出力
が0〜10kW、パルス周波数が0〜100kHzの範
囲で可変可能である。
【0010】このレーザコントローラ12は、Nd:Y
VO4励起媒体が吸収する波長810nm付近のレーザ
光を発するレーザダイオードを内蔵するとともに、レー
ザヘッド11と光ファイバケーブルによって接続されて
おり、レーザダイオードが発するレーザ光が光ファイバ
ケーブルを通してレーザヘッド11内のNd:YVO 4
励起媒体に照射されるように構成されている。この実施
の形態では、レーザコントローラ12は、レーザヘッド
11が波長1064nm、ピーク出力1kW、パルス幅
10nsの光パルスを3.5kHzのパルス周波数で射
出するように制御する。
【0011】投光光学系13は、レーザヘッド11から
射出されたレーザ光のビーム径と広がり角を所定値に変
換し走査系14へ導くとともに、レーザ光の一部を受光
回路17に導くように構成された光路である。レーザ光
のビーム径と広がり角を変換する理由は、レーザヘッド
11から射出されるレーザ光は、ビーム径が直径0.3
mm、広がり角が4.5mradであるため、100m
先ではビーム径の直径が45cmとなり、計測誤差が大
きくなるためである。
【0012】この場合、レーザヘッド11から射出され
たレーザ光を焦点距離20mmのレンズで集光した後、
レンズ間距離170mmの位置に光軸を合わせて配置し
た焦点距離150mmのレンズで平行光に戻すように構
成することにより、ビーム径の直径が2.25cmで広
がり角が0.6mradのレーザ光に変換するようにし
た。これにより、100m先でビーム径が直径6cmと
なる投光パルスが得られる。なお、これらのレンズは、
YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レ
ーザ用に設計されたレンズを用いることができる。
【0013】広がり角は、レンズ位置を光軸方向に動か
すことにより調整できるので、計測対象との距離や許容
される計測誤差に合わせて所望のビーム径が得られる光
学系を構成できる。この実施の形態では、投光パルスの
ビーム径が100m先で直径3〜30cmとなるように
レンズ間距離を変更可能に構成している。また、ビーム
径と広がり角が変換された投光パルスを45度入射のホ
ットミラー(ハーフミラー)に照射し、ホットミラーで
反射された投光パルスが走査系14へ導かれるように構
成するとともに、ホットミラーを透過した一部の投光パ
ルスを光学ミラーで受光回路17に導くように構成して
いる。
【0014】走査系14は、上下角走査を行う主スキャ
ナと方位角走査を行う副スキャナとから構成されてい
る。主スキャナと副スキャナは、投光用鏡面と受光用鏡
面とを一体に兼ねる走査ミラーと、走査ミラーを所定の
角度範囲で反復回転させるモータと、走査ミラーの角度
を検出する角度センサとから構成されている。この場
合、走査ミラーは板状で一方の平面に鏡面が形成されて
おり、長さ方向の中心線を中心として回転するようにモ
ータの回転軸と結合されている。モータは直流サーボモ
ータであり、回転軸の走査ミラーと反対側に角度センサ
を結合している。角度センサとしては、例えば回転数に
比例して抵抗値が変化するポテンショメータや回転数に
応じた所定数のパルスを出力するロータリーエンコーダ
などを用いることができる。
【0015】図2は、図1の走査系14における走査ミ
ラーの配置と動作を示す説明図である。同図において主
スキャナと副スキャナの走査ミラーを区別するため、以
後主スキャナの走査ミラーを主走査ミラー141、副ス
キャナの走査ミラーを副走査ミラー142と記す。ここ
で、主走査ミラー141と副走査ミラー142は、共に
鏡面のモータ側を投光用鏡面として用い、モータと反対
側を受光用鏡面として用いる。
【0016】ここで、主スキャナが載置された基台(図
示せず)の上面をレーザ計測部1の基準面と規定する
と、主走査ミラー141は長さ方向の中心線がレーザ計
測部1の基準面と平行で、かつ投光光学系13から導か
れた投光パルスがこの基準面に垂直な方向から投光用鏡
面の長さ方向の中心線上に入射するように配置されてい
る。副走査ミラー142は長さ方向の中心線がレーザ計
測部1の基準面と垂直で、かつ投光用鏡面の長さ方向の
中心線上に主走査ミラー141で反射された投光パルス
が入射するように配置されている。
【0017】このような構成を有する走査系14におい
ては、投光光学系13から導かれた投光パルスは主走査
ミラー141の回転によりレーザ計測部1の基準面と垂
直な方向に走査され、かつ副走査ミラー142の回転に
よりレーザ計測部1の基準面と平行な方向に走査され
る。また、副走査ミラー142から外部へ射出され、外
部で反射又は散乱されて戻ってきた投光パルス(以後、
反射パルスと記す)は、副走査ミラー142の受光用鏡
面に入射して反射され、主走査ミラー141の受光用鏡
面へ入射する。主走査ミラー141の受光用鏡面へ入射
した反射パルスは、反射され受光光学系16へ導かれ
る。
【0018】スキャナ制御回路15は、走査系14を構
成する主スキャナと副スキャナの各モータに取り付けら
れた角度センサによって主走査ミラー141と副走査ミ
ラー142の回転角を検出し、これらの回転角が後述す
るコントロール回路3からの制御目標信号である主スキ
ャナ信号と副スキャナ信号に合致するようにそれぞれの
モータを駆動する。また、検出した主走査ミラー141
と副走査ミラー142の回転角をコントロール回路3に
送出する。この場合、回転角は角度に比例して変化する
電圧で与えられる。
【0019】受光光学系16は、走査系14から導かれ
た反射パルスを集光し、受光回路17へ導くように構成
された光路である。この場合、反射パルスの集光には焦
点距離50mmのYAGレーザ用に設計されたレンズを
用い、光学ミラーを用いて反射パルスを所定の光路に沿
って導いている。受光回路17は、入射したレーザパル
スを電気信号に変換して出力する回路であり、微弱光を
受光し増幅して電気信号に変換するアバランシェフォト
ダイオードにより、レーザパルスの波形に対応したアナ
ログ信号を出力する。
【0020】この場合、受光回路17は、投光光学系1
3から入射された投光パルスを受光し、電気信号に変換
して出力する投光光学系受光用回路と、受光光学系16
から入射された反射パルスを受光し、電気信号に変換し
て出力する受光光学系受光用回路の2系統の回路を備え
ており、これらの回路の出力が信号処理部2の入力に接
続されている。
【0021】姿勢検出センサー部18は、レーザ計測部
1の仰角を計測するピッチ角センサーと、レーザ計測部
1の中心軸まわりの傾きを検出するロール角センサーと
から構成される。ピッチ角センサーとロール角センサー
は、レーザ計測部1の基準面に取り付けられており、計
測結果を常時コントロール回路3へ出力している。これ
らのセンサーには、例えば測定面と重力方向(鉛直線方
向)のなす角度を計測し、角度に比例した直流電圧を出
力する角度センサーを用いることができる。
【0022】[信号処理部]信号処理部2は、デジタル
化回路21と、ゲート回路22と、タイムインターバル
アナライザ23とを有し、デジタル化回路21の入力が
信号処理部2の入力として受光回路17の出力に接続さ
れ、デジタル化回路21の出力がゲート回路22の入力
に接続され、ゲート回路22の出力がタイムインターバ
ルアナライザ23の入力に接続されている。ここで、デ
ジタル化回路21とゲート回路22は、タイムインター
バルアナライザ23が投光パルスと反射パルスの間の正
確な時間間隔を計測可能とするために必要な信号処理を
行い、タイムインターバルアナライザ23は、投光パル
スと反射パルスの間の時間間隔を計測することでレーザ
光の往復時間を計測し記録する。
【0023】デジタル化回路21は、受光回路17から
出力されたアナログ電気信号をTTLレベルのデジタル
信号に変換して出力する回路であり、投光パルスに対応
するアナログ電気信号からTTLレベルのデジタル信号
である投光信号を生成し、反射パルスに対応するアナロ
グ電気信号からTTLレベルのデジタル信号である受光
信号を生成する。図3は、デジタル化回路21の1構成
単位を示すブロック図である。
【0024】ここで、デジタル化回路21の1構成単位
は、増幅回路211、遅延回路A212、遅延回路B2
13、比較回路214、レベル検出回路215及び飽和
レベル検出回路216からなる。増幅回路211は入力
端子と出力端子を有し、入力端子に入力されたアナログ
電気信号を所定の増幅率で増幅し出力端子に出力する。
遅延回路A212及び遅延回路B213は入力端子と出
力端子を有し、入力端子に入力された信号を所定時間遅
延させ出力端子に出力する。この場合、遅延回路B21
3の遅延時間は、遅延回路A212の遅延時間の1/2
に設定する。
【0025】比較回路214は、2つのアナログ信号入
力端子と、2つの制御信号入力端子と、1つのデジタル
信号出力端子とを有する。この比較回路214は、2つ
の制御信号入力端子の両方に有効信号が入力されている
状態で2つのアナログ信号入力端子に入力される信号電
圧が等しくなったときのみ、デジタル信号出力端子から
TTLレベルの矩形波であるデジタル信号を出力する。
この比較回路214は、一方の制御信号入力端子におけ
る有効信号の定義が後述するレベル検出回路215の出
力する有効信号に対応し、他方の制御信号入力端子にお
ける有効信号の定義が後述する飽和レベル検出回路21
6の出力する有効信号に対応している。
【0026】レベル検出回路215は、入力端子と出力
端子を有し、入力端子に入力された信号電圧が所定の閾
値(下限閾値)以上の電圧である間は有効信号を出力
し、閾値未満の電圧である間は無効信号を出力する。こ
のレベル検出回路215は、有効信号がHighレベル
のTTL信号であり、無効信号がLowレベルのTTL
信号である。飽和レベル検出回路216は、入力端子と
出力端子を有し、出力端子から常時有効信号を出力して
おり、入力端子に入力された信号電圧が所定の閾値(上
限閾値)以上の電圧になったときのみ、無効信号を所定
期間出力する。この飽和レベル検出回路216は、有効
信号がLowレベルのTTL信号であり、無効信号がH
ighレベルのTTL信号である。
【0027】図3において、増幅回路211の出力端子
は、遅延回路A212の入力端子、遅延回路B213の
入力端子、比較回路214の一方のアナログ信号入力端
子及び飽和レベル検出回路216の入力端子に接続され
ている。遅延回路A212の出力端子は比較回路214
の他方のアナログ信号入力端子に接続されており、遅延
回路B213の出力端子はレベル検出回路215の入力
端子に接続されている。レベル検出回路215の出力端
子は比較回路214の一方の制御信号入力端子に接続さ
れており、飽和レベル検出回路216の出力端子は比較
回路214の他方の制御信号入力端子に接続されてい
る。
【0028】このような構成において、入力アナログ信
号(アナログ電気信号)が増幅回路211に入力される
と、増幅回路211の出力端子から増幅信号(S1)が
出力され、遅延回路A212の入力端子と遅延回路B2
13の入力端子と比較回路214の一方のアナログ信号
入力端子と飽和レベル検出回路216の入力端子とに入
力される。遅延回路A212に入力された増幅信号(S
1)は、所定時間遅延されて遅延信号A(S2)とな
り、比較回路214の他方のアナログ信号入力端子に入
力される。
【0029】遅延回路B213に入力された増幅信号
(S1)は、遅延回路A212の1/2の遅延時間分遅
延されて遅延信号B(S3)となり、レベル検出回路2
15に入力される。レベル検出回路215では、入力さ
れた遅延信号B(S3)が所定の閾値(下限閾値)以上
の電圧である間、制御信号A(G1)が出力され、比較
回路214の一方の制御信号入力端子に入力される。飽
和レベル検出回路216では、入力された増幅信号(S
1)が所定の閾値(上限閾値)以上の電圧となったとき
に制御信号B(G2)が所定期間出力され、比較回路2
14の他方の制御信号入力端子に入力される。この場
合、制御信号A(G1)は有効信号、制御信号B(G
2)は無効信号である。
【0030】ここで、比較回路214の動作を図4と図
5を参照して説明する。図4は増幅回路211の出力端
子から出力される増幅信号(S1)の最大信号電圧が上
限閾値未満のときの比較回路214の入出力波形を示
し、図5は増幅信号(S1)の最大信号電圧が上限閾値
以上のときの比較回路214の入出力波形を示す。図4
と図5において、(a)は比較回路214のアナログ信
号入力端子に入力される、増幅信号(S1)及び遅延信
号A(S2)と、レベル検出回路215に入力される遅
延信号B(S3)との相互関係を示し、(c)は比較回
路214に入力される制御信号A(G1)のタイミング
を示し、(d)は比較回路214に入力される制御信号
B(G2)のタイミングを示し、(b)はこれらの入力
に対する比較回路214の出力信号(D1)の出力タイ
ミングを示す。
【0031】図4に示すように、増幅信号(S1)の最
大信号電圧が上限閾値未満の場合、飽和レベル検出回路
216が常に有効信号を出力しているので、比較回路2
14の出力の可否はレベル検出回路215の出力信号に
より制御される。レベル検出回路215は、有効信号で
ある制御信号A(G1)を遅延信号B(S3)が下限閾
値以上の電圧である間のみ出力するので、この期間の
み、比較回路214は増幅信号(S1)と遅延信号A
(S2)の電圧が等しくなった点で一致を示す出力信号
(D1)としてTTLレベルのデジタル信号を出力す
る。
【0032】また、図5に示すように、増幅信号(S
1)の最大信号電圧が上限閾値以上の場合、飽和レベル
検出回路216が無効信号である制御信号B(G2)を
増幅信号(S1)が上限閾値以上の電圧となったときか
ら所定期間出力するので、比較回路214は増幅信号
(S1)と遅延信号A(S2)の電圧が等しくなっても
出力信号(D1)の出力を抑止する。
【0033】このように構成したので、制御信号A(G
1)によって増幅信号(S1)と遅延信号A(S2)の
信号電圧が下限閾値未満でノイズの影響を受けやすいと
きの誤信号出力を防止することができる。また、制御信
号B(G2)によって増幅信号(S1)の飽和による非
線形応答により非飽和波形と異なる波形が入力されても
出力信号(D1)が誤ったタイミングで出力されること
がない。これにより、繰り返し測定を行うことにより正
確な計測情報のみを収集することができるので、受光量
の変化による計測距離の誤差発生を防止することができ
る。
【0034】このデジタル化回路21では、出力レベル
をTTLレベルとしたが、これに限られるものではな
く、必要とする任意の出力レベルとしてよい。また、遅
延回路B213の遅延時間を遅延回路A212の1/2
の遅延時間としたが、遅延回路B213の遅延時間は、
遅延回路A212の遅延時間よりも短い時間であれば、
ノイズによる誤信号の出力を防止可能であるので、1/
2でなくともよい。ここで遅延回路B213の遅延時間
を遅延回路A212の1/2の遅延時間としたのは、2
つの遅延回路B213を直列接続して遅延回路A212
を構成し、先頭の遅延回路B213の出力をレベル検出
回路215の入力に接続し、後の遅延回路B213の出
力を比較回路214の信号入力に接続することにより、
回路部品の削減ができるためである。なお、デジタル化
回路21の出力信号(D1)をアクティブ・ハイとして
いるが、これに限られるものではなく、次段の回路に合
わせて適宜出力信号の形式を変更してもよいことは言う
までもない。
【0035】ゲート回路22は、投光信号入力端子、投
光信号出力端子、受光信号入力端子、受光信号出力端子
及びゲート信号入力端子を有し、投光信号をそのまま通
過させるとともに、コントロール回路3からのゲート信
号が入力されている間のみ受光信号を通過させるように
構成されている。また、このゲート回路22は、投光信
号が入力されてから所定時間経過後に受光信号と同じ構
成のリセット信号を受光信号出力端子から出力するよう
に構成されている。
【0036】ここで、ゲート回路22の一構成例を図6
に示す。同図において、ゲート回路はバッファ221と
イネーブル付きバッファ222と遅延回路223とから
なり、投光信号入力端子がバッファ221の入力に接続
され、バッファ221の出力が投光信号出力端子と遅延
回路223の入力に接続されている。また、受光信号入
力端子がイネーブル付きバッファ222の入力に、ゲー
ト信号入力端子がイネーブル付きバッファ222の制御
入力にそれぞれ接続され、イネーブル付きバッファ22
2の出力と遅延回路223の出力がそれぞれ受光信号出
力端子に接続されている。
【0037】ギャロッピング計測装置では、投光パルス
の光量が極めて大きいため、投光用光路と受光用光路を
分離しても微量の投光パルスが受光用光路に入り込むこ
とは避けられず、この投光パルスが微弱な反射パルスを
識別できるように高感度に設定された受光回路に入射し
て電気信号を発生させ、誤検出が生じる恐れがある。こ
のゲート回路22は、コントロール回路3からのゲート
信号が入力されている間のみ受光信号を通過させるの
で、投光時に投光パルスによって受光信号が発生し、タ
イムインターバルアナライザ23に入力されて本来の反
射光による時間計測ができなくなることを防止する。
【0038】また、投光信号が入力されてから所定時間
経過後に受光信号用出力からリセット信号が出力される
ので、反射パルスが入射されなかったときでもタイムイ
ンターバルアナライザ23の時間計測を終了させること
ができる。この場合、タイムインターバルアナライザ2
3は、リセット信号を受光信号と見なし、所定時間を計
測時間として記録するので、所定時間は反射パルスと容
易に識別できるようにするため、想定される反射パルス
入射時間よりも十分長くとるとよい。このゲート回路2
2により、投光パルスによる誤信号をブロックすること
ができ、本来の反射光によるパルス間の時間計測を行う
ことが可能となる。また、無反射時に時間計測不能とな
ることを防ぐことができる。
【0039】タイムインターバルアナライザ23は、2
つのパルス間の時間間隔を計測し、記録する市販の計測
機器である。このタイムインターバルアナライザ23
は、コントロール回路3からの信号により時間計測可能
となり、ゲート回路22から出力される投光信号が計測
開始入力に入力されると時間計測を開始し、受光信号又
はリセット信号が計測終了入力に入力されると時間計測
を終了して、計測した時間を内蔵メモリに記録する。
【0040】これにより、投光パルス射出から反射パル
ス入射までの時間又は投光パルス射出から所定時間経過
後の時間が記録される。なお、計測終了後に入力される
信号は無視されるので、受光信号入力後にリセット信号
が入力されても問題は生じない。このタイムインターバ
ルアナライザ23は、IEEE488規格のGPIBイ
ンタフェースを備えており、このインタフェースを介し
て記録された計測データの送信が可能である。また、時
間計測分解能は25ps、時間計測範囲は0ns〜20
msである。
【0041】[コントロール回路]コントロール回路3
は、レーザコントローラ12へレーザパルスの射出を指
示するレーザパルス信号を送出する機能と、スキャナ制
御回路15へ主スキャナと副スキャナの動作波形を示す
スキャナ信号をそれぞれ送出する機能と、スキャナ制御
回路15の出力する主走査ミラー141と副走査ミラー
142の回転角を示すアナログ電圧をデジタルデータに
変換し主スキャナと副スキャナの走査角度データとして
記録する機能と、姿勢検出センサー部18のピッチ角セ
ンサーが出力するピッチ角を示すアナログ電圧とロール
角センサーが出力するロール角を示すアナログ電圧をデ
ジタルデータに変換して記録する機能と、記録された主
スキャナと副スキャナの走査角度データ、ピッチ角度デ
ータ及びロール角度データをパーソナルコンピュータ4
へ送信する機能と、ゲート回路22へ受光信号の通過を
許可するゲート信号を送出する機能と、タイムインター
バルアナライザ23へ計測開始を指示するアーミング信
号を送出する機能とを備えており、パーソナルコンピュ
ータ4からの命令により、これらの機能を実行し、送電
線のレーザ計測を行う。
【0042】ここで、スキャナ制御回路15の出力する
アナログ電圧を副走査ミラー142の回転角を示すデジ
タルデータに変換する際には、後述する座標変換での演
算処理を簡略化するため、回転範囲の中間を0°とし、
この0°を示すアナログ電圧よりスキャナ制御回路15
の出力するアナログ電圧が低いときは角度をマイナスと
し、高いときは角度をプラスとするように変換する。
【0043】また、この実施の形態ではピッチ角やロー
ル角をレーザ計測部1の基準面からの傾きと規定するの
で、ピッチ角センサーやロール角センサーに前述した測
定面と重力方向のなす角度を計測し角度に比例した直流
電圧を出力する角度センサーを用いる場合は、ピッチ角
センサーが出力するピッチ角を示すアナログ電圧とロー
ル角センサーが出力するロール角を示すアナログ電圧を
デジタルデータに変換し記録するときに、これらの角度
をレーザ計測部1の基準面からの傾きに変換する。
【0044】このコントロール回路3は、図示しない相
互に接続されたロジック回路とメモリと入出力インタフ
ェースとを備えている。ロジック回路は、FPGA(Fi
eidProgrammable Gate Array)を含む半導体集積回路で
構成され、FPGAに書き込まれたプログラムにより、
これらの機能を実現する論理回路が形成されている。メ
モリは、ロジック回路によって主スキャナと副スキャナ
の走査角度データとピッチ角度データとロール角度デー
タとを記録する記録手段として用いられる。
【0045】入出力インタフェースは、デジタル出力と
アナログ入力とアナログ出力とPCI(Peripheral Com
ponent Interconnect)バスとを有する。デジタル出力
は、レーザパルス信号とゲート信号とアーミング信号の
出力として用いられる。アナログ入力は、スキャナ制御
回路15から出力される主走査ミラー141と副走査ミ
ラー142の回転角を示すアナログ電圧と、姿勢検出セ
ンサー部18のピッチ角センサーとロール角センサーが
それぞれ出力するピッチ角度データとロール角度データ
を示すアナログ電圧との入力に用いられ、アナログ出力
は、主スキャナと副スキャナの動作波形を示すスキャナ
信号の出力に用いられる。PCIバスは、パーソナルコ
ンピュータ4との接続に用いられる。
【0046】ここで、レーザ計測の際に生成される各信
号について説明する。図7は、レーザ計測の際に生成さ
れる各信号の関連を示すタイムチャートである。同図に
おいて、(a)は副スキャナ信号、(b)は主スキャナ
信号、(c)はレーザパルス信号、(d)は投光パル
ス、(e)は反射パルス、(f)は投光信号、(g)は
受光信号、(h)はリセット信号、(i)はゲート信号
である。ここで、図7の(c)〜(i)は(a)と
(b)の各スキャナ信号に対し、時間軸を拡大して示し
てある。
【0047】図7(b)に示す主スキャナ信号と図7
(a)に示す副スキャナ信号は、コントロール回路3か
らスキャナ制御回路15に送出する主スキャナと副スキ
ャナの各モータを駆動する時の制御目標信号である。こ
の場合、コントロール回路3は、主スキャナに光学角で
12度の範囲を1秒間に25回走査させるため25Hz
の三角波を、副スキャナに光学角で60度の範囲を1秒
間に5回走査させるため5Hzの三角波を、それぞれレ
ーザパルス信号と同期して出力する。また、図示しない
が、スキャナ制御回路15からコントロール回路3に入
力されるピッチ角を示すアナログ電圧とロール角を示す
アナログ電圧は、スキャナ信号と同様の波形となる。
【0048】図7(c)に示すレーザパルス信号は、コ
ントロール回路3で生成されレーザコントローラ12へ
送出される3.5kHzのTTL信号であり、レーザコ
ントローラ12は、この信号に基づいてレーザヘッド1
1を制御し、図7(d)に示すようなパルス幅10ns
の投光パルスを射出する。射出された投光パルスは、投
光光学系13に導かれた後、走査系14に入射され所定
空間を走査するように射出される。また、投光光学系1
3に導かれた投光パルスの一部は、受光回路17に入射
されアナログ電気信号に変換される。射出された投光パ
ルスが送電線で反射又は散乱されて図7(e)に示す反
射パルスとなって走査系14に入射すると、受光光学系
16に導かれた後、受光回路17に入射されアナログ電
気信号に変換される。
【0049】投光パルスと反射パルスは、それぞれ受光
回路17でアナログ電気信号に変換された後、デジタル
化回路21で図7(f)に示すTTLレベルの投光信号
と図7(g)に示すTTLレベルの受光信号に変換さ
れ、ゲート回路22に入力される。ゲート回路22は、
投光信号を通過させるが、受光信号は図7(i)に示す
ゲート信号の入力中のみ通過させる。ここでゲート信号
は、コントロール回路3で生成されゲート回路22へ送
出される所定幅のTTL信号である。この信号は、投光
パルスによる誤信号の通過を阻止するため、投光パルス
射出から所定時間経過後に出力される。
【0050】ゲート回路22を通過した投光信号と受光
信号は、それぞれタイムインターバルアナライザ23の
計測開始入力と計測終了入力に入力され、投光信号と受
光信号の間の時間間隔が計測され記録される。また、ゲ
ート回路22は、投光信号が入力されてから所定時間経
過後に図7(h)に示すTTLレベルのリセット信号を
生成しタイムインターバルアナライザ23の計測終了入
力に出力する。このリセット信号は、反射パルスが入射
しないときの計測終了信号として用いられる。
【0051】パーソナルコンピュータ4は、コントロー
ル回路3に計測の開始・終了を指示するとともに、計測
終了後にコントロール回路3に記録された主スキャナと
副スキャナの走査角度データ、ピッチ角度データ及びロ
ール角度データと、タイムインターバルアナライザ23
に記録された時間間隔データとを読み出して計測データ
ファイルを作成し記録する計測機能と、所定のアルゴリ
ズムに基づいて計測データファイルのデータを処理しギ
ャロッピング検出を行うギャロッピング検出機能と、ギ
ャロッピング検出結果を表示するための画像表示データ
を作成し記録するとともに表示モニタ5に表示する表示
機能とを有するとともに、これらの機能を順次実行する
ギャロッピング計測装置の演算処理手段として動作す
る。
【0052】この場合、パーソナルコンピュータ4は、
外部記憶装置としてハードディスクドライブ(以下、H
DDと記す)を備え、HDDに記録されたこれらの機能
を実現するコンピュータプログラムを実行することによ
りギャロッピング計測装置を動作させる。また、HDD
は計測データファイルや画像表示データを記録する記録
装置として動作する。なお、パーソナルコンピュータ4
の構成は、周知であるから説明を省略する。
【0053】[ギャロッピング計測]次に、このギャロ
ッピング計測装置を用いたギャロッピング計測について
説明する。まず、ギャロッピング計測装置の設置につい
て図8と図9を参照して説明する。図8は上方から見た
送電線61とギャロッピング計測装置62の配置と副ス
キャナによる投光パルスの走査範囲を説明する図であ
り、図9は主スキャナによる投光パルスの走査範囲と仰
角を説明する図である。
【0054】ギャロッピング計測に当たっては、図8に
示すように、支持塔である鉄塔60間に架設された送電
線61と直交する方向に所定距離(例えば100m)離
間し、かつレーザ計測部の基準面上の中心線70が送電
線61と直交するようにギャロッピング計測装置62を
設置する。次いで、図9に示すように、計測しようとす
る送電線61が主走査角71の範囲内となるような仰角
72をギャロッピング計測装置に与える。ここで、仰角
72はレーザ計測部の基準面上の中心線70と地面63
に平行な基準線64とがなす角度である。
【0055】次に、このギャロッピング計測装置の動作
について図10を参照して説明する。図10は、この実
施の形態のギャロッピング計測装置の動作を説明するフ
ローチャートである。最初に、パーソナルコンピュータ
4がコントロール回路3に計測の開始を指示し、送電線
のレーザ計測を実行させる(ステップS01)。この場
合、計測開始指示を受けたコントロール回路3は、レー
ザコントローラ12へのレーザパルス信号、スキャナ制
御回路15への主スキャナ信号と副スキャナ信号及びタ
イムインターバルアナライザ23へのアーミング信号を
同期させて出力する。また、ゲート回路22へのゲート
信号を所定のタイミングで出力する。
【0056】これにより、投光パルスの射出、主スキャ
ナの走査及び副スキャナの走査が行われ、タイムインタ
ーバルアナライザ23による投光パルスと反射パルスの
入力時間差の計測と記録が行われる。同時に、レーザパ
ルス信号に同期してコントロール回路3がスキャナ制御
回路15から主スキャナと副スキャナの走査角度データ
を、また姿勢検出部18からピッチ角度データとロール
角度データをそれぞれ取得し記録する。
【0057】この場合、主スキャナは、図9に示したよ
うに、投光パルス65でレーザ計測部の基準面から天頂
に向かう方向へ所定の主走査角71(例えば12°)の
範囲を所定の周期(例えば40ms)で走査する。ま
た、副スキャナは、図8に示したように、投光パルス6
5でレーザ計測部の基準面の中心線70を挟んで等しい
角度θを有する副走査角73(例えば−30°から+3
0°までの60°)の範囲を所定の周期(例えば200
ms)で走査する。このように主スキャナと副スキャナ
を同期させて動作させることにより、投光パルス65が
図11に示すような千鳥足状の走査軌跡66を描いて送
電線61を含む所定空間を走査する。
【0058】パーソナルコンピュータ4は、所定時間が
経過した後、コントロール回路3に計測の終了を指示す
る。ここでは、所定時間を1回の副走査にかかる時間と
する。計測終了後、パーソナルコンピュータ4は、タイ
ムインターバルアナライザ23に記録されたタイムイン
ターバルデータと、コントロール回路3に記録された主
スキャナと副スキャナの走査角度データ、ピッチ角度デ
ータ及びロール角度データとを記録順に読み出して個々
の組にしたデータを作成し、タイムインターバルデータ
とこれらの角度データの対応付けを行う(ステップS0
2)。対応付け後、データの記録順に対応した時間デー
タを生成し、対応する対応付けデータの組に付加する時
間データ作成を行って計測データファイルを作成し記録
する(ステップS03)。
【0059】次に、時間データ作成された対応付けデー
タから、リセット信号により計測が終了したことを示す
所定時間のタイムインターバルデータを有する組を削除
することにより、投光パルスが送電線に当たらなかった
無反射データを削除する(ステップS04)。続いて、
タイムインターバルデータを距離データに変換する(ス
テップS05)。ここで、投光パルスの受光から反射パ
ルスの受光までの時間差をt、光速をcとすると、光が
t秒間に進む距離sは、c×tで求められる。距離s
は、ギャロッピング計測装置と計測対象物との距離rの
往復距離に等しいので、距離rは、c×t÷2で求めら
れる。よって、タイムインターバルデータを距離データ
に変換するには、タイムインターバルデータと光速の積
を求め、2で除す演算を行えばよい。これにより、タイ
ムインターバルデータと角度データの組合せから、距離
データと角度データの組合せを得る。
【0060】次に、送電線が存在しうる領域を示す距離
データと角度データの組合せから外れる対応付けデータ
の組を、塵や埃、鳥など他の要因による送電線の位置と
は無関係に起こる反射で生じたエリア外データとして削
除する(ステップS06)。ここで、送電線が存在しう
る領域とは、無風時における送電線の位置を基準に設定
された送電線が触れ回り可能な半径内の領域であり、計
測前にあらかじめ設定しておく。設定方法としては、例
えば、あらかじめ無風に近い状態のときにこのギャロッ
ピング計測装置を用いて同様の測定を行って静止時の位
置として設定するとともに、この位置を基準に触れ回り
可能半径を設定し、これらの設定データから送電線が存
在しうる領域を示す距離データと角度データの組合せを
算出し保存するプログラムを用いる方法などがある。
【0061】さらに、送電線が存在しうる領域内の塵や
埃などによるノイズ反射を削除するため、データの連続
性を利用したノイズデータ削除を行う(ステップS0
7)。この場合、距離データに比べ角度データは誤差が
少ないため、送電線の反射によるデータでは角度データ
が連続していることを利用し、角度データが連続してい
ないデータをノイズデータとして削除する。さらに距離
データが予想されるばらつき範囲から外れているデータ
を削除する。ただし、複数相の送電線がある場合には、
まず距離データが互いに近いものに分類し、近いもの同
士で角度データの連続性を確認する必要がある。送電線
の相数は、あらかじめ分かっているので、相数により判
定方法を変えることは可能である。
【0062】以上のようにして、無効データを削除する
ことにより、連続性が確保されたデータが得られるの
で、残ったデータを角度データと距離データに分け、各
々を移動平均法などでスムージングする(ステップS0
8)。さらに、スキャナの往復動作による計測では、計
測の時間間隔が一定にならないため、時間間隔を一定に
した場合に予想されるデータを補間し、画像表示に適す
るように加工する補間処理を行う(ステップS09)。
ただし、ステップS08とステップS09において、ピ
ッチ角度データとロール角度データは処理を行わない。
【0063】以上の加工処理を行ったデータを、距離と
角度で位置を示す極座標から3次元直交座標で示される
位置データに変換する3次元座標変換を行う(ステップ
S10)。3次元直交座標への変換に当たっては、主走
査角度データに仰角(ピッチ角度データ)を加えた角度
で演算を行う。ここでは、3次元直交座標の原点をギャ
ロッピング計測装置にとり、鉄塔間に架設された送電線
に平行な方向をx軸、地面に平行でかつ送電線と直交す
る方向をy軸、地面に垂直な方向をz軸とする。また、
距離をr、主走査角をa、仰角をb、副走査角をcと
し、主走査角と仰角はx−y平面を0°、副走査角はy
−z平面を0°とする。この場合、パーソナルコンピュ
ータ4は送電線の3次元直交座標における位置座標(x,
y,z)を以下の関係式に基づいて算出する。
【0064】(x,y,z)=(rcos(a+b)sin(c),rcos(a+b)cos
(c),rsin(a+b))
【0065】さらに、ロール角度データを用いてギャロ
ッピング計測装置の設置状態によって発生する基準面の
y軸まわりの回転(ロール)による傾きを補正する演算
処理を行う。このように演算処理され変換された位置デ
ータをあらかじめ分かっている各相の送電線の存在しう
る位置と比較して当該データが含まれる相を判別し、判
別された相を当該データの組に組み入れる相判別を行う
(ステップS11)。
【0066】これにより各相の送電線の位置データが得
られるので、時間データを参照して相ごとに同一の副走
査で得られたと判定された位置データ同士を直線補間で
結び送電線画像を生成し、さらに全相の位置を同時に表
示できるように各相の送電線画像を1画面に合成するデ
ータ合成を行う(ステップS12)。なお、データ合成
において、送電線画像の両端に鉄塔の略図が表示される
ようにしてもよい。このようにして得られた表示画像を
記録するとともに、データ表示プログラムにより表示モ
ニタ5に順次立体表示する(ステップS13)。ここ
で、図12に表示画像の一例を示す。このように送電線
画像を立体表示することにより、各相の送電線相互の位
置関係がひとめで把握できるようになるので、実設備に
おけるギャロッピングの発生を迅速かつ正確に捉えるこ
とが可能となる。
【0067】この実施の形態では計測したデータに基づ
いて、例えば0.2秒ごとに各相の送電線相互の位置関
係が表示されるので、時間帯や天候等の外部条件の影響
を受けることなく実設備におけるギャロッピングの発生
を迅速かつ正確に捉えることができる。なお、ここで
は、レーザ計測を行いながらほぼリアルタイムで送電線
相互の位置関係を立体的に動画表示する例を示したが、
これに限られるものではなく、例えば所定期間計測を行
った後に演算処理を行って動画表示を行うようにしても
よい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のギャロッ
ピング計測装置は、方位角と上下角を変化させながらパ
ルス状のレーザ光を射出し架空送電線を含む所定空間を
走査するレーザ射出手段と、架空送電線に反射して戻る
レーザ光の往復時間を計測するレーザ計測手段と、往復
時間と方位角と上下角とに基づいて所定の演算処理を行
いレーザ光を反射した架空送電線の3次元直交座標にお
ける位置情報を算出する演算処理手段とを有するので、
時間帯や天候等の外部条件の影響を受けることなく各相
の送電線相互の位置関係をほぼリアルタイムで把握し、
実設備におけるギャロッピングの発生を迅速かつ正確に
捉えることが可能となる効果を得られる。
【0069】また、レーザ射出手段がピッチ角センサと
ロール角センサとをさらに有し、演算処理手段が算出し
た位置情報をピッチ角センサとロール角センサが検出し
た角度に応じて補正する補正手段を有するので、ギャロ
ッピング計測装置の設置状態によって発生する仰角や基
準面の水平面からの傾きにより表示モニタに表示される
画像が傾くなどの問題を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるギャロッピング計測装置の実
施の形態を示すブロック図である。
【図2】 図1の走査系の走査ミラーの配置と動作を示
す説明図である。
【図3】 図1のデジタル化回路の1構成単位を示すブ
ロック図である。
【図4】 図3の比較回路の動作を説明する原理図であ
る。
【図5】 図3の比較回路の動作を説明する原理図であ
る。
【図6】 図1のゲート回路の一構成例を示すブロック
図である。
【図7】 レーザ計測の際に生成される各信号の関連を
示すタイムチャートである。
【図8】 上方から見た送電線とギャロッピング計測装
置の配置と副スキャナによる投光パルスの走査範囲を説
明する図である。
【図9】 主スキャナによる投光パルスの走査範囲と仰
角の説明図である。
【図10】 実施の形態のギャロッピング計測装置の動
作を説明するフローチャートである。
【図11】 実施の形態のギャロッピング計測装置が走
査する投光パルスの軌跡を示す説明図である。
【図12】 実施の形態のギャロッピング計測装置が表
示する画像の一例である。
【符号の説明】
1…レーザ計測部、2…信号処理部、3…コントロール
回路、4…パーソナルコンピュータ、5…表示モニタ、
11…レーザヘッド、12…レーザコントローラ、13
…投光光学系、14…走査系、15…スキャナ制御回
路、16…受光光学系、17…受光回路、18…姿勢検
出センサー部、21…デジタル化回路、22…ゲート回
路、23…タイムインターバルアナライザ、51…表示
モニタ画面、60…鉄塔、61…送電線、62…ギャロ
ッピング計測装置、63…地面、64…基準線、65…
投光パルス、66…走査軌跡、70…中心線、71…主
走査角、72…仰角、73…副走査角、141…主走査
ミラー、142…副走査ミラー、143…投光パルス、
144…反射パルス、211…増幅回路、212,21
3…遅延回路、214…比較回路、215…レベル検出
回路、216…飽和レベル検出回路、221…バッフ
ァ、222…イネーブル付きバッファ、223…遅延回
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 克 栃木県足利市寿町14番地1 オプトウエア 株式会社内 (72)発明者 千葉 好夫 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社研究開発センター内 Fターム(参考) 5J084 AA04 AA05 AB17 AD01 BA04 BA11 BA50 BB01 BB24 BB28 CA03 CA20 CA23 DA01 DA08 EA04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持塔間の架空送電線に発生するギャロ
    ッピングを計測するギャロッピング計測装置であって、 方位角と上下角を変化させながらパルス状のレーザ光を
    射出し前記架空送電線を含む所定空間を走査するレーザ
    射出手段と、 前記架空送電線に反射して戻る前記レーザ光の往復時間
    を計測するレーザ計測手段と、 前記往復時間と前記方位角と前記上下角とに基づいて所
    定の演算処理を行い、前記レーザ光を反射した前記架空
    送電線の3次元直交座標における位置情報を算出する演
    算処理手段とを有することを特徴とするギャロッピング
    計測装置。
  2. 【請求項2】 前記レーザ射出手段は、 パルス状のレーザ光を連続して射出するレーザ光源と、 射出された前記レーザ光を鉛直線方向に走査するととも
    に走査角を上下角として出力する第1の走査手段と、 第1の走査手段から射出された前記レーザ光を前記架空
    送電線の架設方向に走査するとともに走査角を方位角と
    して出力する第2の走査手段と、 前記レーザ光源と前記第1の走査手段と前記第2の走査
    手段とを同期させて制御する制御手段とからなることを
    特徴とする請求項1記載のギャロッピング計測装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザ射出手段は、 ピッチ角センサとロール角センサとをさらに有し、 前記演算処理手段は、 算出した前記位置情報を前記ピッチ角センサと前記ロー
    ル角センサが検出した角度に応じて補正する補正手段を
    有することを特徴とする請求項1又は2記載のギャロッ
    ピング計測装置。
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