JP2003194658A - 洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置 - Google Patents

洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置

Info

Publication number
JP2003194658A
JP2003194658A JP2001399735A JP2001399735A JP2003194658A JP 2003194658 A JP2003194658 A JP 2003194658A JP 2001399735 A JP2001399735 A JP 2001399735A JP 2001399735 A JP2001399735 A JP 2001399735A JP 2003194658 A JP2003194658 A JP 2003194658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
leak
inspection
master tank
under test
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001399735A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Furuse
昭男 古瀬
Toshimitsu Furuse
敏充 古瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Cosmo Instruments Co Ltd
Original Assignee
Cosmo Instruments Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Cosmo Instruments Co Ltd filed Critical Cosmo Instruments Co Ltd
Priority to JP2001399735A priority Critical patent/JP2003194658A/ja
Publication of JP2003194658A publication Critical patent/JP2003194658A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洩れ検査装置で発生する初期誤差を除去す
る。 【解決手段】 被検査体の開口部にシール治具を圧接
し、被検査体を密封した状態で被検査体とマスタタンク
に空気圧を印加し、被検査体とマスタタンクとの間に圧
力差が発生することを検出して被検査体に洩れが有ると
判定する洩れ検査装置の誤差補正方法において、上記マ
スタタンク側に、擬似的に洩れを発生させこのこの洩れ
量を検査が繰返される毎に漸次低下する特性を付加した
洩れ検査装置の初期誤差補正方法を提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は例えばエンジンの
シリンダブロック、或はガス器具の部品、容器等の洩れ
の有無を検査する洩れ検査装置に関し、特に検査開始直
後に発生する初期誤差を除去する洩れ検査装置の初期誤
差補正方法及び洩れ検査装置を提案しようとするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図5に一般的な洩れ検査装置の概略の構
成を示す。図中11は空気圧源を示す。空気圧源11で
発生した空気圧は調圧弁12で調圧され、三方電磁弁1
4を通じて電磁弁15,16に印加される。電磁弁15
の出口側にはシール治具18を介して被検査体19が接
続される。また電磁弁16の出口側にはマスタタンク2
0が接続される。被検査体19とマスタタンク20に通
じる配管21と22の間に差圧計17が接続され、被検
査体19とマスタタンク20内の空気圧に差が発生する
か否かを計測する。23はこの差圧計17で計測した差
圧値に応じて被検査体19の洩れの有無を判定する検査
装置を示す。
【0003】すなわち、空気圧源11で発生した空気圧
は、圧力計13の指示に従って調圧弁12を操作し、一
定値に設定される。三方電磁弁14は常時はA−B間が
導通状態に制御されているが、被検査体19の検査が終
了する毎にB−C間が導通状態に制御され、被検査体1
9とマスタタンク20に印加した空気圧を排気口Cを通
じて大気に開放させる動作を行なう。電磁弁15,16
は常時は閉の状態に維持されるが、被検査体19の洩れ
の有無を検査する場合は所定の時間(数秒程度)開の状
態に制御され、空気圧源11で発生した空気圧を被検査
体19とマスタタンク20に印加する。所定の圧力印加
時間が経過すると電磁弁15,16は閉じた状態に戻さ
れ、その直後から検査装置23は差圧計17の計測値を
監視する。この監視期間中に被検査体19側の内圧が低
下する現象が発生した場合は、検査装置23はその被検
査体19に「洩れ有り」と判定する。
【0004】図6を用いて洩れ検査装置の動作状況を説
明する。先ずシール治具18に被検査体19の開口部が
圧接された状態で電磁弁15,16が開かれ被検査体1
9とマスタタンク20に時点t0からt1までの間空気
圧を印加する。この期間を加圧期間と称す。加圧期間か
ら所定の時間の平衡期間を経て時点t2から検査期間に
入る。検査期間の開始時に検査装置23は差圧計17で
検出している差圧計測値を電気的にゼロにリセットし、
検出感度を上昇させて差圧の発生を監視する。尚、平衡
期間中に大きな差圧が発生した場合は被検査体19に大
きな洩れが有ると判定し、その被検査体19に対しては
検査は中止され、被検査体19の交換作業が行なわれ
る。図中曲線A1とA2が差圧発生曲線を示す。曲線A
1は差圧の発生量が小さく「洩れなし」と判定される場
合の差圧発生曲線、曲線A2は差圧の発生量が大きく、
特に設定値NGを越えていることから「洩れ有り」と判
定される場合の差圧発生曲線を示す。
【0005】ここで図5に示したマスタタンク20を装
備した洩れ検査装置では被検査体19に洩れが全く無い
にも係わらず、曲線A1に示すような差圧の発生が見ら
れる。この現象は被検査体19とマスタタンク20との
間の熱的なアンバランスによって発生するものと考えら
れている。つまり、マスタタンク20は被検査体19の
内容積にほぼ近い内容積に選定されるが、その周面には
放熱用のフィン等が形成され、空気圧の印加毎に蓄積さ
れる熱を放熱させる構造が付加されていたり、また空気
圧の供給用配管22には接続されたままの状態に維持さ
れており、被検査体19とは熱的に異なる環境下におか
れている。
【0006】検査のために被検査体19とマスタタンク
20に空気圧を印加すると被検査体19に洩れが無いに
も係わらずマスタタンク20との間に空気圧の差が発生
する。このようにして発生する圧力差を一般にドリフト
(誤差)と称し、このドリフトの値が大きいと洩れのな
い被検査体を「洩れ有り」とする誤判定を下すおそれが
ある。本出願人は、このドリフトによる影響を軽減する
方法を種々提案し、解決に至る領域に達している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の洩
れ検査装置で充分長い休止期間(少なくとも数分〜数1
0分程度)の後に検査を開始すると、検査開始直後はド
リフトの発生量が大きく、被検査体を何回か検査する間
に漸次ドリフト量が低下する現象が見られる。この現象
のために検査開始直後の検査結果は信頼性が低い不都合
が生じる。この現象を図7を用いて説明する。図7にお
いて曲線B1は検査の1回目に発生する差圧発生曲線、
B2は2回目の検査時に発生する差圧発生曲線、B3は
3回目の検査時に発生する差圧発生曲線をそれぞれ示
す。被検査体19として洩れの無い被検査体を用いたと
しても差圧発生曲線がB1,B2,B3…に示すように
変化し、検査回数が或る回数まで達すると、その差圧の
発生量は或る範囲に収束する現象が見られる。この現象
を以下では初期誤差と称すことにする。
【0008】図8に実際の検査モードで発生した初期誤
差の様子を示す。時点t0で検査が開始される。この状
態では大きな誤差D1が発生する。検査が開始される
と、約10秒間隔程度の周期で検査が繰返される。検査
の回数が増えるに従って誤差はD2,D3,D4と漸次
低下し、或る値の範囲に収束する。ここで時点t1で検
査を中断し、2分間休止して時点t2で検査を再開する
と、その再開の1回目の検査では誤差が再び大きな値に
なる。更に時点t3では5分間休止し、時点t4で検査
を再開した。この直後の検査では前回の休止時間(2分
間)の場合より初期誤差が大きくなった。
【0009】この実例から休止時間が入る毎に初期誤差
が発生し、更に休止時間が或る程度の時間(5分程度)
に達すると充分長い時間休止した場合と同じ程度の初期
誤差が発生することが解る。また10秒程度の時間間隔
で検査を繰返している定常状態では初期誤差の発生量は
小さいことが確認された。初期誤差の発生要因としては シール治具18の変形、 シール治具部分等に用いたボルト孔への内部洩れ 等が考えられる。
【0010】図9を用いての発生要因を考察する。シ
ール治具18の構造としては、被検査体19の開口部分
の構造によって種々の構造が採られるが、図9の構造が
最も一般的なシール治具の構造である。油圧或は空気圧
で動作するシリンダによって移動する圧接具18Aに例
えばゴム系の弾性材で構成されるシール部材18Bが装
着され、このシール部材18Bが被試験体19の開口部
分に圧接される。シール部材18Bの表面は当初(検査
開始時)には平坦面を形成するが、被検査体19に接触
すると、その接触部分に圧着痕18Cが形成される。圧
着痕18Cは検査が繰返される毎に漸次深くなる傾向を
呈する。つまり、検査開始時には被検査体19は平面状
のシール部材18Bに接触して加締付けられ、かつ、シ
ール部材18Bにはテスト圧が加わり、そのため変形す
る。洩れ検査中に変形現象が生じると内圧が変化する。
またシール部材18Bは繰り返し圧力が加わるとなじむ
特性を呈する。このような理由から初期誤差が発生する
ものと考えられる。
【0011】その理由を証明する一つの方法として、図
11に示すようなシール治具を用いることが考えられ
る。このシール治具は圧接具18Aにオーリング18D
を装着し、オーリング18Dを被検査体19に圧接させ
る構造とした場合を示す。このオーリング18Dを用い
た構造によれば、オーリング18Dは凹溝に嵌合してい
るため、圧縮力により変形する量は極くわずかであるこ
とと、加締の最終位置は圧接具18Aと被検査体19と
が直接接触する位置で決められるため、シール治具18
の加締のストロークは一定量に制限される。従ってシー
ル治具18を被検査体19に圧接させた場合に発生する
内容積の変化を最小限に抑えることができる利点があ
り、この構造のシール治具を用いることにより初期誤差
の発生量を抑えることができる。
【0012】従って、シール治具18を全てオーリング
18Dを用いた構造とすればよいが、オーリング18D
を用いる構造を採るには被検査体19の接触部分の肉厚
T(図11参照)が厚くなくてはならない制約がある。
このような制約が存在するため、どのような被検査体に
対してもオーリング18Dを用いたシール治具を適用す
ることはできない。然も、初期誤差の発生要因はシール
治具以外にも存在することが考えられる。つまり、オー
リングで構成したシール治具を用いた場合でもシール治
具の構造によっては初期誤差が発生することからの発
生要因の存在が考えられる。
【0013】シール部材18Bを圧接具18Aに固定す
るためにボルト或はビス等を用いた場合、ネジ山の空隙
を通じて空気が漏れ、ネジ孔に空気が蓄積される現象が
考えられる。図12にそのモデルを示す。圧接具18A
にシール部材18Bをボルト26で締付けて固定する構
造において、ボルト26の頭部に接する面に検査のため
の空気圧が印加されるものとすると、ボルト26のネジ
山の間隙を通じてボルト孔27に空気が洩れることが考
えられる。ボルト孔27の内容積がわずかであっても、
このような構造が各所に存在した場合には、その総量の
内容積は大きな値となる。またボルト26のネジ山を通
じて洩れる空気の量はわずかでも、この洩れの発生個所
の数が多ければ大きな洩れ量となり、誤差の発生要因と
なり得る。
【0014】このような締付構造は洩れ検査装置では各
所に存在し、締付部分で洩れが発生しないように組立が
行なわれるが、完全に洩れが無い状態に組立てることは
むずかしい。この締付構造において、洩れが発生したと
すると、洩れた空気がボルト孔27に蓄積される。検査
回数が進むに従ってボルト孔27内の内圧が上昇し、ボ
ルト孔27の内圧が洩れ検査に用いる空気圧に達すると
洩れがゼロに至る特性を呈する。従って、この洩れが、
被検査体19に空気圧を印加する加圧系路に存在したと
すると、被検査体19の洩れとして検出され、この洩れ
が初期誤差として検査装置23に検出される。
【0015】この洩れの発生個所を特定し、洩れの発生
を阻止することはむずかしく、また人手が掛ることから
コストの上昇は避けられない。この発明の目的は初期誤
差を低コストで除去することができる洩れ検査装置の初
期誤差補正方法及び補正装置を提案しようとするもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明では被検査体の
開口部にシール治具を圧接し、被検査体を密封した状態
で被検査体とマスタタンクに空気圧を印加し、被検査体
とマスタタンクとの間に圧力差が発生することを検出し
て被検査体に洩れが有ると判定する洩れ検査装置の誤差
補正方法において、マスタタンク側に、擬似的に洩れを
発生させこの洩れ量を検査が繰返される毎に漸次減少す
る特性を付加した洩れ検査装置の初期誤差補正方法を提
案する。
【0017】この発明では被検査体の開口部にシール治
具を圧接し、被検査体を密封した状態で被検査体とマス
タタンクに空気圧を印加し、被検査体とマスタタンクと
の間に圧力差が発生するか否かを計測して被検査体の洩
れの有無を判定する洩れ検査装置において、マスタタン
ク側の内容積に流量制限弁を通じて所定の容積を持つ空
洞を接続し、これら流量制限弁と空洞とによって所定の
時間の範囲内で擬似洩れ量が飽和に至る擬似洩れ発生手
段を構成した洩れ検査装置を提案する。この発明では更
に上記した洩れ検査装置において、流量制限弁の流量又
は空洞の内容積の何れか一方又は双方を任意の値に設定
変更可能な構成とした洩れ検査装置を提案する。
【0018】この発明では更に上記した洩れ検査装置に
おいて、マスタタンク側に洩れ量が飽和に至る時間が互
に異なる擬似洩れ発生手段を複数設け、これら複数の擬
似洩れ発生手段を開閉弁により選択的にマスタタンク側
に接続できる構成とした洩れ検査装置を提案する。作用 この発明によればマスタタンク側に所定の時定数で擬似
洩れ量が飽和する擬似洩れ発生特性を付加したからこの
擬似洩れ発生特性により被検査体側に発生する初期誤差
を打消すことができる。また、特に擬似洩れ特性を任意
の特性に変更し設定することができる構成にすることに
より、どのような特性の初期誤差でも確実に除去するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1にこの発明による洩れ検査装
置の初期誤差補正方法を実現することができる洩れ検査
装置の実施例を示す。図5と対応する部分には同一符号
を付して示す。この発明の特徴はマスタタンク20に擬
似洩れ発生手段30を設けた構成とした点である。この
擬似洩れ発生手段30はマスタタンク20側に擬似的に
洩れを発生させる流量制限弁31と、この流量制限弁3
1で制限した空気の漏れを蓄える空洞32とによって構
成することができる。
【0020】図2にその詳細を示す。空洞32は配管3
3によりマスタタンク20に連結される。配管33の途
中に流量制限弁31を設ける。流量制限弁31は絞りの
一方をネジ31Aにより出入り自在の構造とし、ネジ3
1Aによってその突出量を調整して検査時に印加される
圧力に対して所定の流量を得るように設定する。流量制
限弁31としては例えばマスタタンク20内の圧力がP
H の場合、毎分0.5ml程度の微少な流量に制限する
流量制限特性とする。一方、空洞32の内容積は初期誤
差が一定値に収束するまでの時間と、流量制限弁31の
流量に応じて決定される。例えば検査が10秒間隔で実
行され、6回の検査を実行すると初期誤差がほぼ収束す
るものとすると、検査の総時間は10秒×6=60秒で
ある。この結果、60秒の間に空洞32の内圧がマスタ
タンク20の内圧と等しくなればよいことになる。つま
り、擬似的な洩れの量が毎分0.5mlとした場合1分
間で空洞32の内圧がマスタタンク20の内圧にほぼ等
しくなるように空洞32の内容積を決定すればよい。こ
のようにして流量制限弁31の流量と空洞32の内容積
とを決定することにより初期誤差を除去することができ
る。
【0021】尚、図2において、空洞32はシリンダ3
2Aとピストン32Bと、このピストン32Bの位置を
調整する調整ネジ32Cとによって内容積を変化させる
ことができる構造とした場合を示す。従って調整ネジ3
2Cをツマミ32Dによって回転操作することにより、
ピストン32Bの位置を移動させることができる。ピス
トン32Bの位置を移動させることにより空洞32の内
容積を自由に設定し、変更できるように構成した場合を
示す。空洞32の内容積を変更することにより、空洞3
2の内圧がマスタタンク20の内圧と等しくなるまでの
時間(時定数)を任意の時間に設定することができる。
【0022】また流量制限弁31の流量を調整しても空
洞32の内圧とマスタタンク20内の内圧が等しくなる
までの時定数を変更することができる。図3はこの発明
の変形実施例を示す。この実施例ではマスタタンク20
へ空気圧を供給する配管22に時定数が異なる値に設定
した擬似洩れ発生手段30−1と30−2を設け、これ
ら擬似洩れ発生手段30−1と30−2を電磁弁34−
1と34−2で選択的に配管22に接続できる構成とし
た場合を示す。この構成とすることにより、被検査体1
9側で発生する初期誤差の収束時間に合せて、適正な時
定数に設定された擬似洩れ発生手段30−1,30−2
を選択して使用することができる。
【0023】また、これら複数の擬似洩れ発生手段30
−1と30−2を同時に接続することにより単体では得
られない他の時定数を持つ擬似洩れ発生手段を構成する
ことができる。また、この図3に示すように、2個の擬
似洩れ発生手段30−1と30−2を設けるだけでな
く、更に多くの擬似洩れ発生手段を設けることにより、
初期誤差を補正することを可能とする被検査体の品種を
増すことができる利点が得られる。ここで、上述したこ
の発明の初期誤差補正方法の詳細を数式を用いて説明す
る。図4Aは被検査体19側で発生する初期差圧発生特
性、図4Bは定常時の差圧発生特性、図4Cはこれらの
差を表わし、ここでは内部リークによる差圧をΔP1,
ΔP2と称す。
【0024】差圧発生特性ΔPは次式のように表され
る。 ΔP=A(1−e-Kt ) ・・・(1) 内部リークΔP1とΔP2の特性データから減衰定数K
を求める。 ΔP1=A(1−e-K(t1+t2))−A(1−e-Kt1)=Ae-Kt1(1−e-Kt2)・ ・・(2) ΔP2=Ae-Kt1(1−e-2Kt2) ・・・(3) (2)と(3)式より、 ΔP1/ΔP2=(1−e-Kt2)/(1−e-2Kt2) ・・・(4) 振幅Aに関しては検出時間を充分長く採り、差圧変化が
なくなったときの差圧がΔPであれば、 A=ΔP ・・・(5) マスタタンク側に設ける擬似洩れ発生手段30は被検査
体19の初期誤差を補正するものである。被検査体19
側で発生する初期誤差はシール治具18に内部リークが
あるとき、或はシール治具に時間的遅れがあるとき、等
価的に内部リークとみなされるのでマスタタンク20側
にも類似した特性を作り出すことができれば被検査体1
9側の遅れ要素を補正することができる。マスタタンク
20は実際に使用するときはフィンを等間隔に入れ、温
度的に安定し易い状態で使用する。このときのマスタタ
ンク20の内容積をVとする。
【0025】テスト圧PH にて大気圧洩れ量Q0 の流量
制限弁31をマスタタンク20に接続し、流量制限弁3
1の出口側に空洞32を接続したときのマスタタンク2
0の内圧変化を考える。テスト圧PH がマスタタンク2
0に加わった瞬間は流量制限弁31に流れる流量は大気
圧に流れる流量と同じである。空洞32の内圧Pが次第
に高くなるため、流量制限弁31に流れる流量は次第に
小さくなる。空洞32の内圧がマスタタンク20の内圧
に等しくなると流量制限弁31に流れる流量はゼロにな
る。
【0026】ボイルの法則により PH ×V+P0 ×VO =(PH −ΔP)×V+P×V0 ・・・(6) ΔP=(V0 /V)×(P−P0 ) ・・・(7) (7)式がマスタタンク20の差圧変化特性であり、マ
スタタンク20の内圧は次式で表される。
【0027】
【数1】 (8)式を(7)式に代入
【0028】
【数2】 ここでΔP:マスタタンク20の内圧変化 PH :初期テスト圧 V:マスタタンク20の内容積 V0 :空洞32の内容積 P=P(t):空洞32の内圧 P0 :大気圧力 α:流量制限弁31で決まる流量係数 t:テスト圧PH を加えた時点からの経過時間 (9)式と(1)式を比べると、 A=(V0 /V)×(PH −P0 ) ・・・(10) K=α/V0 ・・・(11) (11)式の流量制限弁31におけるαの値を確定する
には、流量制限弁31の規定圧力における大気換算流量
と流量係数αの関係が明確になっていなければならな
い。
【0029】テスト圧PH における流量制限弁31の大
気換算流量をQ0 とすると、リーク係数とリーク量の関
係は次式が成り立っていると仮定することができる。 α′=β×Q0 ・・・(12) βを求めるためには疑似洩れ発生手段30が付加された
マスタタンク20の洩れ検査を実行し、(4)式から
K′を求め K′=(β×Q0 )/V0′ ・・・(13) β=K′×(V0′/Q0) ・・・(14) 比例定数βが求まれば、流量制限弁31のリーク係数α
は(12)式より求めることができる。
【0030】既知の流量制限弁31の流量係数をαと固
定すれば(11)式より空洞32の容積V0 が決まる。
0 が決まれば(10)式よりマスタタンク20の容積
Vを決めることができ、これにより疑似洩れ発生手段3
0の設定条件を決めることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば
洩れ検査装置で発生する初期誤差を補正し除去すること
ができる。この結果、検査の初回から信頼性の高い検査
結果を得ることができる利点が得られ、この効果は実用
に供して頗る大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で提案する洩れ検査装置の一実施例を
説明するためのブロック図。
【図2】この発明の要部の構造を説明するための断面
図。
【図3】この発明の変形実施例を説明するためのブロッ
ク図。
【図4】この発明の補正動作を数式を用いて説明するた
めの特性曲線図。
【図5】従来の技術を説明するためのブロック図。
【図6】図5に示した従来の技術の動作を説明するため
のグラフ。
【図7】従来の洩れ検査装置で発生する初期誤差を説明
するためのグラフ。
【図8】図7と同様のグラフ。
【図9】従来の洩れ検査装置で発生する初期誤差の発生
要因を説明するための側面図。
【図10】図9に示したシール部材に発生する変形を説
明するための拡大断面図。
【図11】従来の技術で初期誤差の発生を抑えることが
できるシール部材の例を説明するための断面図。
【図12】洩れ検査装置の内部で発生する洩れの発生要
因を説明するための断面図。
【符号の説明】
11 空気圧源 18 シール治具 12 調圧弁 19 被検査体 13 圧力計 20 マスタタンク 14 三方電磁弁 30 擬似洩れ発生
手段 15,16 電磁弁 31 流量制
限弁 17 差圧計 32 空洞

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査体の開口部にシール治具を圧接
    し、被検査体を密封した状態で被検査体とマスタタンク
    に空気圧を印加し、被検査体とマスタタンクとの間に圧
    力差が発生することを検出して被検査体に洩れが有ると
    判定する洩れ検査装置の誤差補正方法において、 検査開始の初期状態において上記マスタタンク側に擬似
    的に洩れを発生させ、この洩れ量を検査が繰返される毎
    に漸次低下する特性を付加したことを特徴とする洩れ検
    査装置の初期誤差補正方法。
  2. 【請求項2】 被検査体の開口部にシール治具を圧接
    し、被検査体を密封した状態で被検査体とマスタタンク
    に空気圧を印加し、被検査体とマスタタンクとの間に圧
    力差が発生するか否かを計測して被検査体の洩れの有無
    を判定する洩れ検査装置において、 上記マスタタンク側の内容積に流量制限弁を通じて所定
    の容積を持つ空洞を接続し、これら流量制限弁と上記空
    洞とによって所定の時間の範囲内で擬似洩れ量が飽和に
    至る擬似洩れ発生手段を構成したことを特徴とする洩れ
    検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の洩れ検査装置において、
    流量制限弁の流量又は空洞の内容積の何れか一方又は双
    方を任意の値に設定変更可能な構成としたことを特徴と
    する洩れ検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の洩れ検査装置の何
    れかにおいて、上記マスタタンク側に上記洩れ量が飽和
    に至る時間が互に異なる擬似洩れ発生手段を複数設け、
    これら複数の擬似洩れ発生手段を開閉弁により選択的に
    上記マスタタンクに接続できる構成としたことを特徴と
    する洩れ検査装置。
JP2001399735A 2001-12-28 2001-12-28 洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置 Pending JP2003194658A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001399735A JP2003194658A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001399735A JP2003194658A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003194658A true JP2003194658A (ja) 2003-07-09

Family

ID=27604638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001399735A Pending JP2003194658A (ja) 2001-12-28 2001-12-28 洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003194658A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134180A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Cosmo Instruments Co Ltd 流量計測方法及びそれを使った流量計測装置
CN109781364A (zh) * 2019-03-28 2019-05-21 中国飞机强度研究所 漏气检测装置及方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013134180A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Cosmo Instruments Co Ltd 流量計測方法及びそれを使った流量計測装置
CN109781364A (zh) * 2019-03-28 2019-05-21 中国飞机强度研究所 漏气检测装置及方法
CN109781364B (zh) * 2019-03-28 2021-01-19 中国飞机强度研究所 漏气检测装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7448257B2 (en) Leak check apparatus for fuel vapor processing apparatus
US7290535B2 (en) Leak diagnostic device for fuel vapor treatment device
US6817346B2 (en) Evaporated fuel processing apparatus for internal combustion engine and method
US9404828B2 (en) Leak test method and leak test apparatus
JP6934099B1 (ja) ガスリーク検知装置、ガスリーク検知の設定方法、ガスリーク検知方法、プログラム
KR101489789B1 (ko) 차압식 누설 검사 장치 및 누설 검사 방법
KR920020668A (ko) 반도체 웨이퍼 처리장치 및 프로세스 가스의 흐름 속도 확인방법
TWI494554B (zh) Method and device for differential pressure measurement
JP4056818B2 (ja) リークテスト方法及び装置
TW201719065A (zh) 檢查氣體供給系統之方法
JP4923957B2 (ja) リーク検査装置
JP2005113749A (ja) 燃料処理システムの故障診断装置
JP2003194658A (ja) 洩れ検査装置の初期誤差補正方法及び装置
JP2006177810A (ja) 検査装置及び検査方法
JP2012255687A (ja) 圧力洩れ測定方法
JP2022185308A5 (ja)
US7562560B1 (en) Engine off vacuum decay method for increasing pass/fail threshold using NVLD
EP1130248B1 (en) Fuel system vapor integrity testing with temperature compensation
JP3983479B2 (ja) 電池の液漏れ検査装置
JP3715543B2 (ja) 気密性能試験方法
JP3186644B2 (ja) 気体漏洩検査方法
KR100331619B1 (ko) 차량의 연료계 누설 모니터링 방법
JP3892336B2 (ja) 洩れ検査装置の初期ドリフト誤差補正方法及び洩れ検査装置
JP2002317709A (ja) エバポパージシステムの故障診断装置
JPH0979935A (ja) 気密検査装置