JP2003193882A - ターボ過給機付エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

ターボ過給機付エンジンの燃料噴射制御装置

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JP2003193882A JP2001391610A JP2001391610A JP2003193882A JP 2003193882 A JP2003193882 A JP 2003193882A JP 2001391610 A JP2001391610 A JP 2001391610A JP 2001391610 A JP2001391610 A JP 2001391610A JP 2003193882 A JP2003193882 A JP 2003193882A
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fuel injection
egr
valve
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Satoshi Ushikubo
聡 丑久保
Takaharu Shimizu
隆治 清水
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Hino Motors Ltd
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    • F02M26/09Constructional details, e.g. structural combinations of EGR systems and supercharger systems; Arrangement of the EGR and supercharger systems with respect to the engine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンに常に最適な量の燃料を噴射する。 【解決手段】 コントローラ44はブースト圧、エンジ
ン回転速度及びエンジン負荷に応じて燃料噴射ポンプ4
6及びEGR弁13bを制御する。メモリ44aに記憶
された第1マップには、EGR弁を開いたときのブース
ト圧等の変化に対応する最適な燃料噴射量の変化が設定
され、第2マップには、EGR弁を閉じたときのブース
ト圧等の変化に対応する最適な燃料噴射量の変化が設定
される。コントローラは、エンジンが定常運転状態から
過渡運転状態に移行するときであってEGR弁を閉じた
ときに、燃料噴射量を第2マップの目標燃料噴射量に一
致させるように燃料噴射ポンプを制御し、エンジンが過
渡運転状態から定常運転状態に移行するときであってE
GR弁を徐々に開いたときに、燃料噴射量を第1マップ
の目標燃料噴射量に一致させるように燃料噴射量を段階
的に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ターボ過給機とE
GR装置とを有するエンジンへの燃料噴射量を制御する
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ブーストコンペンセータのブーコ
ンレバーが過給機付エンジンのブースト圧により燃料噴
射ポンプのコントロールラックのフルラック位置を規制
可能に構成され、ブーコン解除手段がブーコンレバーを
ブースト圧の変化に拘らず強制的に燃料噴射量を増大す
る方向に移動させるとともにコントロールラックの規制
を解除可能に構成され、更にエンジン回転センサの検出
出力に基づいてコントローラがブーコン解除手段を制御
するように構成された過給機付汎用エンジンのブースト
コンペンセータの制御装置が開示されている(特開平9
−280074号)。
【0003】このように構成された過給機付汎用エンジ
ンのブーストコンペンセータの制御装置では、無負荷状
態から急激な加速及び負荷がエンジンに作用すると、エ
ンジンの回転速度が所定値になったときに、コントロー
ラがブーコン解除手段を作動させて、ブーコンレバーに
よるコントロールラックのフルラック位置の規制を解除
する。この結果、フリー加速煙の濃度を低く抑えられ、
ブーストコンペンセータの作動遅れに起因する応答遅れ
を防止できる。またエンジンが高負荷状態から無負荷状
態へ移行するときには、エンジン回転速度が上記所定値
以上であれば、ブーコンレバーによるコントロールラッ
クのフルラック位置の規制が解除されているので、ブー
スト圧の下がり方が緩慢であっても、エンジン回転速度
がふらつくことなく、スムーズに減速できるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の特
開平9−280074号公報に記載された過給機付汎用
エンジンのブーストコンペンセータの制御装置では、定
常運転時及び過渡運転時のいずれも同一の目標燃料噴射
量が用いられているため、定常運転時におけるエンジン
への燃料噴射量を最適な量に設定すると、過渡運転時に
おけるエンジンへの燃料噴射量が少なくなって、エンジ
ンの出力が低下するおそれがあった。また過渡運転時に
おけるエンジンへの燃料噴射量を最適な量に設定する
と、定常運転時におけるエンジンへの燃料噴射量が多く
なって、黒煙の排出が増大するおそれがあった。本発明
の目的は、エンジンの定常運転時に最適な量の燃料をエ
ンジンに噴射できるとともに、エンジンの過渡運転時で
も最適な量の燃料をエンジンに噴射することにより、エ
ンジン出力の低下の防止や、黒煙の排出の防止を図るこ
とができる、ターボ過給機付エンジンの燃料噴射制御装
置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、ターボ過給機12を有するエンジン
11に燃料を噴射する燃料噴射ポンプ46と、エンジン
11に排ガスを還流可能に構成されかつ排ガスの還流量
を調整可能なEGR弁13bを有するEGR装置13
と、エンジン11の吸気通路39のブースト圧、エンジ
ン11の回転速度及びエンジン11の負荷に応じて燃料
噴射ポンプ46の燃料噴射量及びEGR弁13bの開度
をそれぞれ制御するコントローラ44とを備えたターボ
過給機付エンジンの燃料噴射制御装置の改良である。そ
の特徴ある構成は、コントローラ44が、EGR弁13
bを開いたときのブースト圧、エンジン回転速度及びエ
ンジン負荷の変化に対応する最適な燃料噴射量の変化が
設定された第1マップと、EGR弁13bを閉じたとき
のブースト圧、エンジン回転速度及びエンジン負荷の変
化に対応する最適な燃料噴射量の変化が設定された第2
マップとを記憶するメモリ44aを有し、エンジン11
が定常運転状態から過渡運転状態に移行するときであっ
てEGR弁13bを閉じたときに、コントローラ44が
燃料噴射量を第2マップに一致させるように燃料噴射ポ
ンプ46を制御し、エンジン11が過渡運転状態から定
常運転状態に移行するときであってEGR弁13bを徐
々に開いたときに、コントローラ44が燃料噴射量を第
1マップに一致させるように燃料噴射ポンプ46を徐々
に制御するところにある。
【0006】この請求項1に記載されたターボ過給機付
エンジンの燃料噴射制御装置では、エンジン11が定常
運転状態から過渡運転状態に移行するときにEGR弁1
3bが閉じられると、コントローラ44はブースト圧、
エンジン回転速度及びエンジン負荷とメモリ44aの第
2マップとを比較し、燃料噴射ポンプ46を制御して燃
料噴射量を第2マップの目標燃料噴射量に一致させる。
一方、エンジン11が過渡運転状態から定常運転状態に
移行するときにEGR弁13bが徐々に開かれると、コ
ントローラ44は、EGR弁13bの実際の開度を読込
み、ブースト圧、エンジン回転速度及びエンジン負荷と
メモリ44aの第1マップとを比較し、燃料噴射ポンプ
46を制御して燃料噴射量を第1マップの目標燃料噴射
量に徐々に又は段階的に一致させる。
【0007】また、ターボ過給機は、可変容量型ターボ
過給機又はウェイストゲート式ターボ過給機であること
が好ましい。また図1に示すように、EGR装置13
は、エンジン11の排気ポートに接続された排気通路1
8とエンジン11の吸気ポートに接続された吸気通路3
9とを連通接続するEGR通路13aと、EGR通路1
3aに設けられ排気通路18からEGR通路13aを通
って吸気通路39に還流される排ガスの流量を調整可能
なEGR弁13bとを有することが好ましい。
【0008】またEGR装置は、吸気行程でエンジンの
シリンダの吸気弁を開作動させる吸気用ロッカーアーム
により作動するEGR用マスタピストンと、EGR用マ
スタピストンに対し油通路を介して接続されかつ油通路
にEGR用マスタピストンの作動により圧力が発生した
際に吸気弁と同じシリンダに設けられた排気弁を開作動
するスレーブピストンと、油通路の油圧の保持及び解放
を切換えるEGR弁とを有することが好ましい。更にE
GR装置は、排気行程でエンジンのシリンダの排気弁を
開作動させる排気用ロッカーアームにより作動するEG
R用マスタピストンと、EGR用マスタピストンに対し
油通路を介して接続されかつ油通路にEGR用マスタピ
ストンの作動により圧力が発生した際に排気弁と同じシ
リンダに設けられた吸気弁を開作動するスレーブピスト
ンと、油通路の油圧の保持及び解放を切換えるEGR弁
とを有することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1に示すように、ディーゼルエン
ジン11には、このエンジン11から排出される排ガス
のエネルギにより吸気を圧縮するターボ過給機12と、
エンジン11に排ガスを還流するEGR装置13とが設
けられる。ターボ過給機12は、図2〜図4に詳しく示
すように、エンジン11から排出された排ガスのエネル
ギにより回転するタービンホイール14と、タービンホ
イール14に連結軸16を介して連結され吸気を圧縮し
てエンジン11に供給するコンプレッサホイール(図示
せず)とを有する。タービンホイール14は排気管18
に設けられたタービンハウジング19に回転可能に収容
され、タービンハウジング19の外面には多段式のエア
シリンダ21が取付けられる(図2)。このエアシリン
ダ21のピストンロッド21aはリンク機構22、揺動
レバー23及び回動リング24を介して静翼26に連結
される(図2〜図4)。静翼26はタービンホイール1
4の排ガス入口に設けられ、タービンホイール14の排
ガス入口のノズル27面積を変更可能に構成される(図
3及び図4)。
【0010】上記エアシリンダ21は、この実施の形態
では、6個のポート21b〜21gを有する12段式の
エアシリンダであり、上記各ポート21b〜21gはシ
リンダ用管路28a〜28f及びノズル調整弁29を介
してエアタンク31に接続される(図2)。ノズル調整
弁29は6個の電磁弁29a〜29fからなり、これら
の電磁弁29a〜29fをそれぞれオンオフして、各シ
リンダ用管路28a〜28fを連通又は遮断することに
より、上記エアシリンダ21へのエアタンク31内の圧
縮空気の給排を切換え、ピストンロッド21aの突出長
を変更可能に構成される。
【0011】上記リンク機構22は、一端がピストンロ
ッド21aの先端に取付けられた第1リンク22aと、
一端が第1リンク22aの他端に枢着された第2リンク
22bと、一端が第2リンク22bの他端に枢着され他
端がタービンハウジング19に枢着された第3リンク2
2cとからなる(図2〜図4)。タービンハウジング1
9には支軸32が回動可能に取付けられ、第3リンク2
2cの他端はこの支軸32に固着される(図2)。また
第3リンク22cの他端にはストッパレバー33が突設
され、タービンハウジング19には上記ストッパレバー
33の回動を制限する一対のストッパブロック34,3
4が設けられる。これらのストッパブロック34,34
にはストッパレバー33の回動範囲を調整可能な調整ボ
ルト36,36がそれぞれ螺着される。上記揺動レバー
23の基端は支軸32のうちタービンハウジング19内
に挿入された部分に固着され、先端には第1切欠き23
aが形成される(図3及び図4)。
【0012】また回動リング24はタービンホイール1
4の外径より大きな内径を有し、タービンホイール14
と同軸にタービンハウジング19内に回動可能に取付け
られる(図3及び図4)。この回動リング24には、上
記揺動レバー23の第1切欠き23aに係止可能な単一
の第1ピン24aと、連結軸16を中心とする同一円周
上に等間隔に突設された複数の第2ピン24bとが突設
される。またタービンハウジング19には回動リング2
4とタービンホイール14との間に位置しかつ連結軸1
6を中心とする同一円周上に等間隔に複数の静翼保持ピ
ン19aが突設される。これらの静翼保持ピン19aに
は静翼26の中央が回動可能にそれぞれ嵌入される。静
翼26の基端には上記第2ピン24bに係止可能な第2
切欠き26aが形成され、静翼26はその中央から先端
に向うに従って先細りに形成される。ノズル調整弁29
は、静翼26間のノズル27面積を多段式のエアシリン
ダ21を介して調整することにより、タービンホイール
14の排ガス入口のノズル27面積を調整可能に構成さ
れる(図2〜図4)。
【0013】図1に戻って、EGR装置13は、エンジ
ン11の排気ポートに排気マニホルド37を介して接続
された排気管18とエンジン11の吸気ポートに吸気マ
ニホルド38を介して接続された吸気管39とを連通接
続するEGR通路13aと、このEGR通路13aに設
けられたEGR弁13bとを有する。EGR通路13a
の一端はタービンハウジング19より排ガス下流側の排
気管18に接続され、他端はコンプレッサホイールを回
転可能に収容するコンプレッサハウジング40より吸気
上流側の吸気管39に接続される。またEGR弁13は
排気管18からEGR通路13aを通って吸気管39に
還流される排ガスの流量を調整可能な流量調整弁であ
る。エンジン11の回転速度は回転センサ42により検
出され、エンジン11の負荷(アクセルペダルの踏込み
量)は負荷センサ43により検出される。更にエンジン
11の吸気管39のブースト圧(吸気圧)は吸気管39
に設けられた圧力センサ45により検出される。
【0014】図5に詳しく示すように、エンジン11に
は、このエンジン11に燃料を噴射する燃料噴射ポンプ
46が設けられる。この燃料噴射ポンプ46は、エンジ
ン11への燃料噴射量を調整するコントロールラック4
7aが摺動可能に挿通されたポンプ本体47と、コント
ロールラック47aを駆動する電子ガバナ48と、コン
トロールラック47aのフルラック位置を調整するブー
ストコンペンセータ49とを備える。コントロールラッ
ク47aの一端は電子ガバナ48に接続され、他端はポ
ンプ本体47から突設される。またブーストコンペンセ
ータ49は、ポンプ本体47に取付けられたケース49
aに収容されコントロールラック47aのフルラック位
置を規制するラックストッパ49bと、ケース49aに
収容されラックストッパ49bを伝達機構49cを介し
て駆動するアクチュエータ49dとを有する。アクチュ
エータ49dは、この実施の形態では、ステッピングモ
ータであり、ラックストッパ49bを駆動するアクチュ
エータとしての機能と、ラックストッパ49bの位置を
検出する位置センサとしての機能を兼ね備える。伝達機
構49cはラックストッパ49bに固着されたストッパ
用ラック49eと、アクチュエータ49dの出力軸49
fに嵌着されストッパ用ラック49eに噛合する駆動歯
車49gとからなる。なお、アクチュエータとして、ス
テッピングモータではなく、リニアソレノイド等を用い
てもよい。
【0015】回転センサ42、負荷センサ43及び圧力
センサ45の各検出出力はコントローラ44の制御入力
に接続され、コントローラ44の制御出力は上記ノズル
調整弁29の6個の電磁弁29a〜29f、EGR弁1
3b及び燃料噴射ポンプ46にそれぞれ接続される。コ
ントローラ44は第1及び第2マップが記憶されたメモ
リ44aを有する。第1マップには、EGR弁13bを
開いたときの(EGR弁13bの開度をパラメータとす
る。)ブースト圧、エンジン11の回転速度及びエンジ
ン11の負荷の変化に対応する最適な燃料噴射量の変化
(この実施の形態では、最適なラックストッパ49bの
位置の変化)が設定され、第2マップには、EGR弁1
3bを閉じたときのブースト圧、エンジン11の回転速
度及びエンジン11の負荷の変化に対応する最適な燃料
噴射量の変化(この実施の形態では、最適なラックスト
ッパ49bの位置の変化)が設定される。
【0016】このように構成されたエンジン11の燃料
噴射制御装置の動作を図1〜図7に基づいて説明する。
エンジン11が定常運転状態になると、例えば信号待ち
等でアイドリング状態になると、コントローラ44は圧
力センサ45、回転センサ42及び負荷センサ43の各
検出出力とメモリ44aの第1マップとを比較して、E
GR弁13bを所定の開度で開く。同時にコントローラ
44はアクチュエータ49dに所定のパルス信号を送出
するので、アクチュエータ49dはこの信号に基づいて
所定のステップ角だけ回転し、ラックストッパ49bを
所定の位置まで移動させる。この結果、コントロールラ
ック47aが燃料を増加又は減少する方向に移動可能に
なるので、コントローラ44は電子ガバナ48を制御し
て、コントロールラック47aを増加又は減少する方向
に移動させる。従って、エンジン11の運転状態に見合
った最適な量の燃料が噴射される、即ちエンジン11へ
の燃料噴射量が第1マップの目標燃料噴射量Aに一致す
るので、運転状態に応じて最適なエンジン出力を得るこ
とができる。
【0017】エンジン11が過渡運転状態になると、例
えば運転者がアクセルペダルを急激に踏込んでエンジン
11が加速状態になると、コントローラ44はEGR弁
13bを瞬時に閉じる。同時にコントローラ44は圧力
センサ45、回転センサ42及び負荷センサ43の各検
出出力とメモリ44aの第2マップとを比較し、アクチ
ュエータ49dに所定のパルス信号を送出するので、ア
クチュエータ49dはこの信号に基づいて所定のステッ
プ角だけ回転し、ラックストッパ49bを所定の位置、
例えば図5の実線で示す位置まで移動させる。この結
果、コントロールラック47aが燃料を増大する方向に
移動可能になるので、コントローラ44は電子ガバナ4
8を制御してコントロールラック47aを燃料を増大す
る方向に移動させる。従って、EGR弁13bの閉止に
伴う吸入空気量の増大に見合った量の燃料がエンジン1
1に供給される、即ちエンジン11への燃料噴射量が第
2マップの目標燃料噴射量Bまで増大できるので、エン
ジン11の出力は低下しない。
【0018】エンジン11が過渡運転状態から定常運転
状態に移行するときには、コントローラ44はEGR弁
13bを徐々に開く。同時にコントローラ44はEGR
弁13bが開き始めてから所定の短時間経過後にEGR
弁13bの実際の開度を読込み、圧力センサ45、回転
センサ42及び負荷センサ43の各検出出力とメモリ4
4aの第1及び第2マップとを比較し、次式(1)から
目標燃料噴射量E(最適なラックストッパ49bの位
置)を算出する。E=B+(EGR弁の実際の開度/
A)×(A−B) ……(1)ここでBは第2マップに
基づく目標燃料噴射量(最適なラックストッパ49bの
位置)であり、Aは第1マップに基づく目標燃料噴射量
(最適なラックストッパ49bの位置)である。
【0019】次にコントローラ44は圧力センサ45、
回転センサ42及び負荷センサ43の各検出出力とメモ
リ44aの第2マップとを比較し、アクチュエータ49
dに所定のパルス信号を送出するので、アクチュエータ
49dはこの信号に基づいて僅かなステップ角だけ回転
し、ラックストッパ49bを燃料減の方向に僅かに移動
させる。この結果、コントロールラック47aがラック
ストッパ49bの上記移動に伴って、燃料減の方向に僅
かに移動するので、エンジン11への燃料噴射量が僅か
に減少する。
【0020】更にコントローラ44は上記EGR弁13
bの実際の開度を読込んだときから所定の短時間経過後
にEGR弁13bの実際の開度を読込み、式(1)から
目標燃料噴射量E(最適なラックストッパ49bの位
置)を算出し、ラックストッパ49bの位置を燃料減の
方向に僅かに移動させることにより、コントロールラッ
ク47aを燃料減の方向に僅かに移動させる。これによ
りエンジン11への燃料噴射量が更に僅かに減少する。
このような制御をEGR弁13bが目標の開度に達する
まで繰返す。この結果、エンジン11への燃料噴射量が
EGR弁13bの開度に応じて徐々に減少するので、エ
ンジンから黒煙が排出されることはない。
【0021】なお、上記実施の形態では、EGR装置と
して、EGR通路とEGR弁とを有する外部EGR装置
を挙げたが、内部EGR装置であってもよい。この内部
EGR装置は、吸気行程でエンジンのシリンダの吸気弁
を開作動させる吸気用ロッカーアームにより作動するE
GR用マスタピストンと、EGR用マスタピストンに対
し油通路を介して接続されかつ油通路にEGR用マスタ
ピストンの作動により圧力が発生した際に吸気弁と同じ
シリンダに設けられた排気弁を開作動するスレーブピス
トンと、油通路の油圧の保持及び解放を切換えるEGR
弁とを有することが好ましい。
【0022】また、内部EGR装置は、排気行程でエン
ジンのシリンダの排気弁を開作動させる排気用ロッカー
アームにより作動するEGR用マスタピストンと、EG
R用マスタピストンに対し油通路を介して接続されかつ
油通路にEGR用マスタピストンの作動により圧力が発
生した際に排気弁と同じシリンダに設けられた吸気弁を
開作動するスレーブピストンと、油通路の油圧の保持及
び解放を切換えるEGR弁とを有するものでもよい。
【0023】また、上記実施の形態では、エンジンとし
てディーゼルエンジンを挙げたが、ガソリンエンジンで
あってもよい。また、上記実施の形態では、ターボ過給
機として、可変容量型ターボ過給機を挙げたが、タービ
ンハウジングに流入する排ガスの一部をタービンホイー
ルをバイパスさせることにより、タービンホイールの回
転速度を制御して、吸気管のブースト圧(吸気圧)が設
定圧を越えることを阻止する、ウェイストゲート式のタ
ーボ過給機であってもよい。更に、上記実施の形態で
は、タービンホイールの排ガス入口に設けられた静翼を
駆動する多段式シリンダとして、多段式のエアシリンダ
を挙げたが、多段式の油圧シリンダを用いてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、E
GR弁を開いたときのブースト圧、エンジンの回転速度
及びエンジンの負荷の変化に対応する最適な燃料噴射量
の変化を第1マップに設定し、EGR弁を閉じたときの
ブースト圧、エンジンの回転速度及びエンジンの負荷の
変化に対応する最適な燃料噴射量の変化を第2マップに
設定したので、エンジンが定常運転状態から過渡運転状
態に移行するときにEGR弁が閉じられると、コントロ
ーラは燃料噴射量を第2マップに一致させるように燃料
噴射ポンプを制御する。またエンジンが過渡運転状態か
ら定常運転状態に移行するときにEGR弁が開かれる
と、コントローラは燃料噴射量を第1マップに一致させ
るように燃料噴射ポンプを制御する。この結果、エンジ
ンが定常運転時であっても、或いは過渡運転時であって
も、常に最適な量の燃料をエンジンに噴射できるので、
エンジン出力の低下の防止や、黒煙の排出の防止を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施形態のターボ過給機付エンジンの燃
料噴射制御装置を示す構成図。
【図2】そのターボ過給機の要部破断拡大図。
【図3】そのターボ過給機のタービンホイールの排ガス
入口のノズル面積を多段式のエアシリンダにより狭めた
状態を示す要部断面図。
【図4】そのターボ過給機のタービンホイールの排ガス
入口のノズル面積を多段式のエアシリンダにより拡げた
状態を示す要部断面図。
【図5】その燃料噴射ポンプの要部破断拡大図。
【図6】EGR弁の開度の変化に対するラックストッパ
位置の変化を示す図。
【図7】エンジンの運転状況に応じてコントローラによ
るエンジンへの燃料噴射量の制御手順を示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
11 エンジン 12 ターボ過給機 13 EGR装置 13a EGR通路 13b EGR弁 18 排気管(排気通路) 39 吸気管(吸気通路) 44 コントローラ 44a メモリ 46 燃料噴射ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 21/08 301 F02D 23/00 J 311 K 23/00 N 41/14 330Z 43/00 301H 41/14 330 301N 43/00 301 301W F02M 25/07 510B 550C F02M 25/07 510 550F 550 550R 570J F02B 37/12 301Q 570 37/00 301G Fターム(参考) 3G005 DA02 EA15 FA04 FA35 GA04 GB25 GB28 GC04 GD01 GE08 HA05 HA12 JA02 JA05 JA24 JA39 JA42 3G062 AA01 AA05 AA10 BA04 BA09 CA03 CA04 CA06 DA01 DA02 EA01 EA04 EA10 ED01 ED04 ED06 ED10 FA02 FA05 FA06 FA13 FA23 GA04 GA06 GA12 GA14 GA15 3G084 AA01 BA08 BA13 BA20 BA23 CA03 CA04 CA05 DA01 DA10 EA04 EA11 EB08 EB12 EC01 EC03 FA10 FA11 FA12 FA13 FA33 3G092 AA02 AA06 AA11 AA17 AA18 BB01 DA03 DA12 DB03 DC08 DE03S DE07S DG01 DG08 EA01 EA02 EB05 EC01 EC09 FA01 FA15 GA03 GA08 GA12 GA16 HA05Z HA16Z HB01X HE01Z HF08Z 3G301 HA02 HA04 HA11 HA13 HA19 JA01 JA21 KA06 KA12 KA21 LA07 LB11 LB14 LC03 LC07 LC08 MA11 NA08 NB03 NC02 ND02 NE01 NE06 PA07Z PA16Z PB01Z PB04A PB04Z PF03Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボ過給機(12)を有するエンジン(11)
    に燃料を噴射する燃料噴射ポンプ(46)と、前記エンジン
    (11)に前記排ガスを還流可能に構成されかつ前記排ガス
    の還流量を調整可能なEGR弁(13b)を有するEGR装
    置(13)と、前記エンジン(11)の吸気通路(39)のブースト
    圧、前記エンジン(11)の回転速度及び前記エンジン(11)
    の負荷に応じて前記燃料噴射ポンプ(46)の燃料噴射量及
    び前記EGR弁(13b)の開度をそれぞれ制御するコント
    ローラ(44)とを備えたターボ過給機付エンジンの燃料噴
    射制御装置において、 前記コントローラ(44)は、前記EGR弁(13b)を開いた
    ときの前記ブースト圧、前記エンジン回転速度及び前記
    エンジン負荷の変化に対応する最適な前記燃料噴射量の
    変化が設定された第1マップと、前記EGR弁(13b)を
    閉じたときの前記ブースト圧、前記エンジン回転速度及
    び前記エンジン負荷の変化に対応する最適な前記燃料噴
    射量の変化が設定された第2マップとを記憶するメモリ
    (44a)を有し、 前記エンジン(11)が定常運転状態から過渡運転状態に移
    行するときであって前記EGR弁(13b)を閉じたとき
    に、前記コントローラ(44)が前記燃料噴射量を前記第2
    マップに一致させるように前記燃料噴射ポンプ(46)を制
    御し、 前記エンジン(11)が過渡運転状態から定常運転状態に移
    行するときであって前記EGR弁(13b)を徐々に開いた
    ときに、前記コントローラ(44)が前記燃料噴射量を前記
    第1マップに一致させるように前記燃料噴射ポンプ(46)
    を徐々に制御することを特徴とするターボ過給機付エン
    ジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 ターボ過給機が可変容量型ターボ過給機
    又はウェイストゲート式ターボ過給機である請求項1記
    載のターボ過給機付エンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 EGR装置(13)が、エンジン(11)の排気
    ポートに接続された排気通路(18)と前記エンジン(11)の
    吸気ポートに接続された吸気通路(39)とを連通接続する
    EGR通路(13a)と、前記EGR通路(13a)に設けられ前
    記排気通路(18)からEGR通路(13a)を通って前記吸気
    通路(39)に還流される排ガスの流量を調整可能なEGR
    弁(13b)とを有する請求項1記載のターボ過給機付エン
    ジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 EGR装置が、吸気行程でエンジンのシ
    リンダの吸気弁を開作動させる吸気用ロッカーアームに
    より作動するEGR用マスタピストンと、前記EGR用
    マスタピストンに対し油通路を介して接続されかつ前記
    油通路に前記EGR用マスタピストンの作動により圧力
    が発生した際に前記吸気弁と同じシリンダに設けられた
    排気弁を開作動するスレーブピストンと、前記油通路の
    油圧の保持及び解放を切換えるEGR弁とを有する請求
    項1記載のターボ過給機付エンジンの燃料噴射制御装
    置。
  5. 【請求項5】 EGR装置が、排気行程でエンジンのシ
    リンダの排気弁を開作動させる排気用ロッカーアームに
    より作動するEGR用マスタピストンと、前記EGR用
    マスタピストンに対し油通路を介して接続されかつ前記
    油通路に前記EGR用マスタピストンの作動により圧力
    が発生した際に前記排気弁と同じシリンダに設けられた
    吸気弁を開作動するスレーブピストンと、前記油通路の
    油圧の保持及び解放を切換えるEGR弁とを有する請求
    項1記載のターボ過給機付エンジンの燃料噴射制御装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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