JP2003193243A - 高誘電率酸化膜の形成方法及び該方法に用いる半導体製造装置 - Google Patents

高誘電率酸化膜の形成方法及び該方法に用いる半導体製造装置

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JP2003193243A JP2001397775A JP2001397775A JP2003193243A JP 2003193243 A JP2003193243 A JP 2003193243A JP 2001397775 A JP2001397775 A JP 2001397775A JP 2001397775 A JP2001397775 A JP 2001397775A JP 2003193243 A JP2003193243 A JP 2003193243A
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constant oxide
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Akira Kurokawa
明 黒河
Hidehiko Nonaka
秀彦 野中
Takeshi Nakamura
健 中村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーク電流の発生がなく長期に亘って優れた
絶縁性能が維持される高信頼性の高誘電率絶縁酸化膜を
半導体基板上に形成する方法及びその半導体製造装置を
提供する。 【解決手段】 半導体基板上に有機金属化合物を用いて
高誘電率酸化膜を形成し、得られた高誘電率酸化膜を酸
化性ガスまたはオゾン水溶液で清浄化処理してその酸化
膜形成時に発生した有機系汚染物を除去する高誘電率酸
化膜の形成方法である。この清浄化処理には、紫外線照
射を併用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
製造プロセスに用いられるゲート絶縁膜用酸化膜形成方
法およびその方法に用いる半導体製造装置に関するもの
である。とくに高誘電率酸化物を半導体のゲート絶縁膜
用酸化膜として形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路におけるトランジスター
は、半導体集積度の向上に伴って微細化が著しく進めら
れており、現状ではトランジスターを構成するゲート絶
縁膜は、厚さ数ナノメートルオーダーの超薄膜となって
いる。現在、このゲート絶縁膜の材質としては酸化シリ
コン(SiO)が使用されてきているが、SiO
用いて更なる薄膜化を進めることは、もはや物理的に困
難な状況に至っており、SiOに替わる高誘電率を持
つ絶縁膜材料の出現が求められている。最近、様々な高
誘電率材料がゲート絶縁膜用酸化膜の候補として挙げら
れているものの、これらの良好な成膜方法が課題となっ
ている。
【0003】従来、高誘電率酸化膜を形成する手法とし
ては、MOCVD(有機金属気相薄膜成長法)、パルス
レーザーデポジション(PLD法、レーザーアブレーシ
ョン成膜法ともいう)、スパッターデポジションなどの
手法が提案されている。その一つは、パルスレーザーデ
ポジション法を利用したZr酸化薄膜の形成方法である
(文献:International Electron Devices Meeting (IE
DM2000), T. Yamaguchiら、東芝)。この方法は、Zr
ターゲットにレーザーを照射して飛散させ、それを
基板に堆積させて膜を形成する手法であり、堆積工程で
は基板温度を高くする必要がないため、堆積したZrO
膜とシリコン基板との反応により形成される界面層の
厚さを薄く抑制できるという利点がある。しかし、この
方法では、近年における300mm口径という大面積シ
リコンウエハー上に均一なZr酸化膜を作製することは
困難であるという問題がある。
【0004】また、MOCVD法でZrO薄膜を作成
する例としては、ZrO の前駆体であるジルコニウ
ムテトラ−t−ブトキサイド(Zr-tetra-t-butoxide)
を用いる方法(文献:International Electron Devices
Meeting (IEDM2000)、C.H.Leeら、 University of Texa
s at Austin)が報告されている。この論文には、Zr-tet
ra-t-butoxideをZrの前駆体として用いて500℃の
急速加熱CVD法で成膜した結果、リーク電流の少ない
(20 mAcm-2@Vg=-1V)酸化膜が得られたことが示されてい
る。このMOCVDプロセスの特長は、パルスレーザー
デポジション法に比べて大面積のウエハー上に均一な膜
を形成できること、スパッター蒸着法に比べて飛来する
粒子エネルギーが小さいために基板や酸化膜への膜損が
小さいことなどであり、大面積ウエハーを取り扱う半導
体プロセスには好都合であるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、MOCVD法
では、金属を供給するためのガス状前駆体を選択するこ
とが重要であって、蒸気圧や成分などの制約から絶縁膜
形成に好適なガス状物は極めて限定されている。唯一候
補としてあげられる有機金属化合物を用いて成膜する
と、得られた形成膜中に炭化水素系有機物が多量(数%
程度)に残存するという重大な問題があった。これを解
決する一つの手法は、有機物が混入する可能性のない前
駆体を開発することであるが、このような前駆体は未だ
見出されていないのが実状である。
【0006】さらに、デバイス中の酸化絶縁膜は、極薄
であるにも関わらず、高い電界が印加されても長期にわ
たり絶縁性能を維持できるという長期信頼性が求められ
る。例えば、酸化絶縁膜中に炭素系汚染物が存在する
と、膜中の汚染物存在箇所の付近には、絶縁膜の漏れ電
流通路の核が形成されて洩れ電流が発生し、絶縁膜の長
期信頼性が低下することが懸念される。図6は、炭素が
極薄の絶縁膜中に混入しそれが電流の通り道となって絶
縁膜が劣化している模様を示す模式図である。図6にお
いて、1は半導体基板、2は高誘電率酸化膜、14は炭
素系汚染物、16は電極、15は1と16の間に電圧を
加えたときの漏れ電流の通路である。このように、有機
物汚染物が酸化絶縁膜に混入するため長期信頼性に懸念
があり、MOCVD法で形成された高誘電率絶縁膜は、
実用デバイスの作製に問題があった。
【0007】本発明は、従来の半導体プロセスにおいて
高誘電率酸化物をゲート絶縁酸化膜として形成する際の
上記した問題点を解決するためになされたものである。
すなわち、本発明の目的は、高誘電率絶縁酸化膜中の有
機系汚染物が効率的に取り除かれて、リーク電流の発生
がなく長期に亘って優れた絶縁性能が維持される高信頼
性の高誘電率絶縁酸化膜を半導体基板上に形成する方法
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そ
れぞれのプロセス装置が大気から遮蔽された環境で連結
された高誘電率絶縁酸化膜の作製に用いられる半導体製
造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、半導体基板
上にMOCVD法等で形成された高誘電率酸化膜中の有
機系汚染物は、特定の化学処理を施すことによって容易
に除去されることを見出し、本発明を完成させるに至っ
た。すなわち、本発明の高誘電率酸化膜の形成方法は、
半導体基板上に有機金属化合物を用いて高誘電率酸化膜
を形成し、得られた高誘電率酸化膜を酸化性ガスで清浄
化処理して該酸化膜形成時に発生した有機系汚染物を除
去することを特徴とする。
【0009】また、本発明の半導体製造装置は、少なく
とも半導体基板上に有機金属化合物を用いて高誘電率酸
化膜を形成する酸化膜形成手段と、その酸化膜の形成時
に混入した有機系汚染物を酸化性ガスまたはオゾン水溶
液で処理して除去する清浄化手段と、該酸化膜中の有機
汚染物を測定する評価手段とを有し、これら全ての手段
が一つの搬送路で連結されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。まず、本発明において、半導体基板上に高誘電率
酸化膜を作製する酸化膜形成工程では、高誘電率酸化膜
を構成する金属を含むガス状又は溶液状の有機金属化合
物を前駆体として用い、この前駆体を金属供給源とし
て、MOCVD法、スパッター蒸着法、レーザースパッ
ター蒸着法(PLD)などの手法を用いて酸化膜を形成
することができる。その半導体基板としては、ゲート絶
縁膜などの絶縁用酸化膜が設けられる従来公知の材料で
あれば如何なるものも使用可能であって、例えば、シリ
コン、ゲルマニウム、SiC、GaAsなどが挙げられ
る。
【0011】本発明によって形成される高誘電率酸化膜
は、高誘電率を有する遷移金属などを含む金属酸化物で
あって、具体的にはZrO、HfO、SrRu
、La酸化物及びそれらのシリケートから選ばれる
少なくとも1種からなるものが好ましい。そこで、これ
らの高誘電率酸化膜を形成するには、金属供給源として
上記した金属を含む有機金属化合物を前駆体として用い
る。本発明で前駆体として用いる有機金属化合物として
は、ガス状又は溶液状で使用可能なものであり、例えば
ジルコニウムテトラアルコキシドなどの金属アルコキシ
ド、有機金属塩などであって、具体的には、ジルコニウ
ムテトラブトキシド(Zr(OC)4、Pr(dp
m)、Eu(dpm)、Sm(dpm)、Tb(dpm) 、Ho
(dpm)、Yb(dpm) [ここで、dpmはtris2,2,6,6-te
tramethylheptane-3,5-dioxinateである。]などが挙げ
られる。また、それらのシリケートとしては、それらの
金属酸化物と二酸化珪素とからなる塩である。
【0012】また、その高誘電率酸化膜の形成は、有機
金属化合物のガス状物が半導体基板上に堆積されて、所
望の膜厚を有する金属酸化膜が容易に作成されるような
温度条件下で行われるから基板温度の低温化が可能であ
り、酸素雰囲気下にジルコニウムテトラブトキシドを用
いてZrO膜を堆積させる場合には、通常450〜6
00℃の温度範囲で行う。オゾンを用いた場合には室温
から600℃の温度範囲で行う。
【0013】次に、半導体基板上に形成された高誘電率
酸化膜を酸化性ガスまたはオゾン水溶液で処理する清浄
化工程によって、その酸化膜形成時に発生した有機系汚
染物を除去した高誘電率酸化膜が得られる。本発明にお
ける清浄化工程では、高誘電率酸化膜の形成時に発生
し、その膜表面及び膜内部に残留した未反応物、有機化
合物及び炭素等の有機系汚染物を酸化性ガスまたはオゾ
ン水溶液を用いて処理される。この処理を行うことによ
り、有機系汚染物との分解反応が起こって有機汚染物が
分解除去され、清浄な高誘電率酸化膜が形成される。
【0014】その清浄化処理に酸化性ガスを用いる場
合、大きな酸化力を有するオゾン、基底状態の酸素原子
(O(3P))及び励起状態の酸素原子(O(1D))から選
ばれる少なくとも1種を含むガスまたはそれらの混合ガ
スを、半導体基板上に形成された高誘電率酸化膜に吹き
込むことにより行う。この基底状態の酸素原子は、基板
表面でオゾンが分解することにより生成され、また励起
状態の酸素原子は、オゾンに紫外線照射することなどに
より生成するものである。また、オゾン水溶液を用いる
場合、オゾン水溶液中に高誘電率酸化膜が表面に形成さ
れた半導体基板を浸漬するなどの方法により行う。
【0015】さらに、有機系汚染物の除去には、酸化性
ガスまたはオゾン水溶液とともに、紫外線照射を併用す
ると炭素除去反応がより一層促進されることから好まし
い。紫外線を基板に直接照射すると紫外線支援により有
機物除去作用が向上する。また基板自体には全く照射し
なくても紫外線によって雰囲気ガスの反応活性度が向上
するため有機物除去作用を促進させることができる。こ
の紫外線照射の形態としては、基板に直接照射する方法
のほか、基板自体には全く照射することなく雰囲気ガス
中に照射する方法などが含まれる。
【0016】本発明の清浄化工程において、酸化膜から
有機系汚染物を取り除く際の基板温度は、従来の熱酸化
プロセスで採用されている高温(通常700℃以上)で
も使用可能であるが、室温〜550℃の低い温度で行う
ことが好ましい。また、その際、基板周囲の雰囲気は、
有機系汚染物の除去反応を促進させるには大気圧で行わ
れるが、反応活性種の寿命を延ばすには減圧状態で行う
ことが好ましい。その雰囲気を減圧にすると、他の気体
と反応し易いより活性な反応活性種が使用できるように
もなるため、有機汚染物除去反応が向上する。
【0017】本発明における半導体製造装置は、少なく
とも半導体基板上にガス状の有機金属化合物を用いて高
誘電率酸化膜を形成する酸化膜形成手段と、高誘電率酸
化膜の形成時に混入した有機系汚染物を酸化性ガスまた
はオゾン水溶液で処理して除去する清浄化手段と、該酸
化膜中の有機汚染物を測定する評価手段とを有するとと
もに、これら全ての手段が一つの搬送路で連結されてい
るものである。
【0018】本発明の半導体製造装置について図面を参
照して説明する。図4に示すように、まず、半導体基板
を配置する導入チャンバー7から、搬送路を経て高誘電
率酸化膜を形成する酸化膜形成チャンバー8に送り込ま
れて半導体基板の表面に高誘電率酸化膜が形成された
後、搬送路を経て清浄化チャンバー9に送り込んで化学
処理されることにより有機系汚染物が除去され、次に、
搬送路を経て評価チャンバー10に移されて酸化膜中の
有機汚染物の残留量などを測定するものである。
【0019】また、他の半導体製造装置としては、図5
に示すように、図4における酸化膜形成チャンバー8と
清浄化チャンバー9の両機能を兼ね備えたチャンバー1
2を設けることもできる。この場合、チャンバー12
は、高誘電率酸化膜の形成と有機系汚染物の除去を行う
清浄化処理とを交互に繰り返し行うチャンバーである。
さらに、高誘電率酸化膜の形成と得られた酸化膜の清浄
化処理とを、時間的に交互もしくは同時に行う制御方式
を備えることが望ましい。膜形成工程と清浄化工程を交
互に行うことは、薄膜の堆積とその清浄化を繰り返すこ
ととなり、膜全体の含有炭素量が抑制できるように作用
する。また同時に行った場合は、膜の形成時間を短縮で
きるため、プロセスのスループットを向上させることが
できる。
【0020】上記の半導体製造装置は、一つの搬送路に
よって全てのチャンバーが、減圧もしくは大気圧で連結
されており、かつ大気から隔離されて用いられることが
望ましい。また、その酸化膜形成と清浄化処理とを、交
互にまたは同時に行う制御方式を備えることもできる。
さらに、酸化膜形成チャンバー8には、半導体基板の加
熱装置を設けて酸化膜の形成に好適な温度に半導体基板
を加熱すること、清浄化チャンバー9には、酸化性ガス
の導入装置及び必要に応じて紫外線照射装置を設けるこ
とができる。
【0021】図1及び図2は、ともに本発明における半
導体基板上に清浄な高誘電率酸化膜が形成される過程を
示す概念図である。図中において、1はシリコン基板、
2は高誘電率酸化膜、3は有機物汚染層、4は酸化性ガ
ス、5は紫外線である。図1においては、紫外線5が有
機物汚染層及び酸化膜に向けて直接照射されていること
を示し、他方、図2においては、紫外線5が酸化性ガス
に向けて照射されていることを示している。
【0022】以下、本発明をより具体的に説明する。 実施例1 まず、シリコン基板をRCA法により化学洗浄し、直ち
に導入チャンバーに搬入して真空状態にした。次に、こ
のシリコン基板を酸化膜形成チャンバーに真空搬送路を
経て導入した。その膜形成チャンバー内に、ジルコニウ
ムテトラブトキシドのガスを導入し、基板温度500
℃、酸素分圧10−4Paにおいて酸化膜を堆積させる
ことにより、シリコン基板上に有機汚染物を含む厚さ約
10nmのZr酸化薄膜が形成された[図1(a)]。
次に、そのシリコン基板を清浄化チャンバーに真空搬送
し、清浄化チャンバー内に高濃度オゾンガス(オゾン濃
度約30%、残留成分は酸素)を照射すると同時に、清
浄化チャンバーに設置したランプから紫外線(ピーク波
長250nm、出力強度180mW、ビーム形状20×
1mmの長方形、180mm以下及び800mm以上の
波長光を遮断したもの)をも併せて照射した。その際、
紫外線は酸化膜面に向けて直接照射した。この清浄化処
理条件は、基板温度を室温とし、オゾンガスの照射圧力
は100Paとした。また、この処理時間としては20
分程度で十分な効果が得られた。次に、このようにして
有機汚染物の除去されたZr酸化膜が表面に形成された
シリコン基板を汚染物評価チャンバーに真空中を搬送
し、ここでXPS(X線光電子分光法)により表面の除
去度合いを観測したところ、表面の有機物が除去された
清浄なZr酸化膜であることが確認された。
【0023】以上の各工程は、図4で示す装置を用いて
行ったので、図4を参照してさらに説明する。図4にお
いて、導入チャンバー7を真空に排気して装置内にシリ
コン基板を導入した。次に、その基板は搬送路11を経
由して高誘電率酸化膜形成チャンバー8に搬送され、こ
こで基板の表面にZr酸化膜を形成した。次に、その基
板は搬送路11を経て汚染物評価チャンバー10に搬送
され、ここでXPS(X線光電子分光法)により表面の
汚染度合いを観測した。次いで、搬送路11を経て清浄
化チャンバー9に試料を搬入し、膜表面の残留炭素除去
による清浄化処理を行った。次に、再び汚染物評価チャ
ンバー10で表面汚染の除去度合いを測定した。表面の
清浄を確認した後、基板は導入チャンバーに搬入され、
ここから基板を大気中に取り出した。これら各工程にお
ける全てのチャンバー及び搬送路は真空に保持され、大
気から隔離した環境で結ばれているため、工程中に大気
に含まれる炭化水素や水などの汚染ガスが付着すること
なくZr酸化膜が形成された。上記各工程における真空
度は、導入チャンバー7内で10−6Paであり、搬送
路11、高誘電率酸化膜形成チャンバー8(ガス未導入
時)及び汚染物評価チャンバー10で10−8Paであ
り、清浄化チャンバー9(ガス未導入時)で10−7
aであった。また、導入チャンバーの大気圧へのパージ
ガスは窒素ガスであり、大気から10−4Pa真空まで
の排気時間は5分であり、10−6Paまだは30分で
あった。
【0024】上記工程中の評価チャンバー10内におけ
る酸化膜表面の観察結果を図3に示す。図3(a)には、
汚染物評価チャンバーで得られたZr酸化膜形成直後の
膜のX線光電子分光(XPS)スペクトルの1例である。こ
れは、Zr酸化膜形成直後のであるため、酸化膜の構成
元素であるZrや酸素の他に、除去すべき残留炭素が見
られる。この残留炭素の量は、清浄化処理によって図3
(b)に見られるように減少する。図3(b)では、ま
ずオゾン照射を15分間行った後、さらに30分間行
い、その後、紫外線を照射しながらオゾンを10分間照
射し、さらに40分間照射したときの薄膜中の残留炭素
量の減少を示している。この結果から、オゾン照射によ
り残留炭素を半減させることができ、さらに紫外線とオ
ゾンの併用で完全に炭素を除去できた。
【0025】実施例2 実施例1の清浄化工程における汚染物除去において、図
2(b)に示すように紫外線(ピーク波長250nm、
出力強度180mW、ビーム形状20×1mmの長方
形、180mm以下及び800mm以上の波長光を遮断
したもの)を基板と平行に5mm離して照射し、酸化膜
に直接光を照射しないようにしつつ紫外線とオゾンの併
用による清浄化を行った。その結果、オゾンの照射量が
実施例1よりも数倍必要になるものの、炭素除去清浄化
の効果は、実施例1(紫外線を試料に直接照射する)と
遜色のないものが得られた。
【0026】実施例3 実施例1のZr酸化膜形成工程である高誘電率酸化膜形
成チャンバー8において内部を超高純度窒素雰囲気と
し、シリコン基板上にジルコニウムテトラブトキシド溶
液をスピンコート塗布した。チャンバー8を真空に排気
し、10−4Pa酸素雰囲気下基板温度500℃で酸化
処理した後、実施例1と同様にして清浄化処理を行っ
た。得られた酸化膜厚は、実施例1のものよりも数倍厚
いZr酸化膜が形成されたが、この酸化膜に対しても炭
素除去清浄化の効果が見られた。
【0027】実施例4 図4に示す装置を用いて、実施例1の方法でZr酸化膜
の形成、汚染物除去及び表面清浄度確認の工程を、3回
繰り返し行った。ここで形成工程は20分であり、汚染
物除去工程は10分であり、表面清浄度確認工程は15
分であった。また、いずれの酸化膜形成清浄化処理後の
工程においても表面が清浄であることが確認できた。こ
の方法により、膜中に炭素のないことが確認された厚さ
約20ナノメートルのZr酸化膜を作製した。さらに、
この工程を繰り返すと、より膜厚の清浄なZr酸化膜の
形成が可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、半導体基板上に炭素汚
染のない清浄な高誘電率の酸化膜を簡易に作製されるか
ら、リーク電流が抑制された高信頼性の高誘電率酸化膜
を有する半導体を容易に得ることができる。また、本発
明では、大面積ウエハー処理に適したCVDプロセスを
用いて形成された高誘電率酸化膜を簡易に清浄化できる
から、大面積ウエハーに清浄な高誘電率酸化膜の形成が
可能である。本発明の半導体製造装置では、高誘電率酸
化膜を形成する全ての工程が一つの搬送路で連結されて
いるうえに、設備が簡素であり、また大面積ウエハーも
取り扱えるから、工業的生産に容易に適用可能である。
また、全ての工程が大気から隔離されたチャンバー内で
行われるので、大気中に含まれる微粒子、水、炭化水素
ガスなどの汚染物が付着しないという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体基板上に清浄な高誘電率
酸化膜が形成される過程を示す一例の概念図である。
【図2】本発明における半導体基板上に清浄な高誘電率
酸化膜が形成される過程を示す他の一例の概念図であ
る。
【図3】(a)実施例1におけるZr酸化膜形成直後の
膜のX線光電子分光(XPS)スペクトル図である。 (b)実施例1におけるオゾン照射及び紫外線併用オゾ
ン照射と薄膜中の残留炭素量との関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の半導体製造装置の一例を示す概略図で
ある。
【図5】本発明の半導体製造装置の他の一例を示す概略
図である。
【図6】絶縁膜中に不純物が混入して洩れ電流が発生し
て絶縁膜が劣化している模様を示す模式図である。
【符号の説明】
1:半導体基板 2:高誘電率酸化膜 3:有機物汚染層 4:有機汚染物除去剤 5:紫外線 7:導入チャンバー 8:高誘電率酸化膜形成チャンバー 9:清浄化チャンバー 10:汚染物評価チャンバー 11:搬送路 12:高誘電率酸化膜形成と清浄化を交互に行うチャン
バー 14:炭素系汚染物 15:電流の通路 16:電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA11 BA01 BA10 BA21 BA42 BA47 CA04 CA12 DA08 FA10 HA13 JA10 5F045 AA06 AB31 AC07 AD08 AD09 HA25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に有機金属化合物を用いて
    高誘電率酸化膜を形成し、得られた高誘電率酸化膜を酸
    化性ガスまたはオゾン水溶液で清浄化処理して該酸化膜
    形成時に発生した有機系汚染物を除去することを特徴と
    する高誘電率酸化膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 有機金属化合物を用いて形成される高誘
    電率酸化膜が、ZrO、HfO、Y、La
    、Pr、Eu、Sm、Tb
    、Ho、Yb、Lu及びそれらの
    シリケートから選ばれる少なくとも1種であることを特
    徴とする請求項1に記載の高誘電率酸化膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 酸化性ガスが、オゾン、基底状態の酸素
    原子及び励起状態の酸素原子から選ばれる少なくとも1
    種を含むガスであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の高誘電率酸化膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 清浄化処理が、前記酸化性ガスまたはオ
    ゾン水溶液と紫外線とを併用して行われることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の高誘電率酸化
    膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 清浄化処理が、室温ないし550℃の温
    度範囲で行われることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の高誘電率酸化膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも半導体基板上にガス状の有機
    金属化合物を用いて高誘電率酸化膜を形成する酸化膜形
    成手段と、該酸化膜の形成時に混入した有機系汚染物を
    酸化性ガスで処理して除去する清浄化手段と、該酸化膜
    中の有機系汚染物を測定する評価手段とを有し、これら
    全ての手段が一つの搬送路で連結されていることを特徴
    とする半導体製造装置。
  7. 【請求項7】 前記全ての手段が、減圧もしくは大気圧
    で連結され、かつ大気から隔離されたチャンバー内で行
    われることを特徴とする請求項6に記載の半導体製造装
    置。
  8. 【請求項8】 前記酸化膜形成手段と前記清浄化手段と
    を、交互にまたは同時に行う制御方式を備えたことを特
    徴とする請求項5または6に記載の半導体製造装置。
  9. 【請求項9】 半導体基板の加熱手段及び/又は紫外線
    照射手段を有することを特徴とする請求項6〜8のいず
    れか1項に記載の半導体製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9552981B2 (en) 2014-02-10 2017-01-24 Tokyo Electron Limited Method and apparatus for forming metal oxide film

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