JP2003192945A - インクジェット記録液 - Google Patents

インクジェット記録液

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JP2003192945A
JP2003192945A JP2001392357A JP2001392357A JP2003192945A JP 2003192945 A JP2003192945 A JP 2003192945A JP 2001392357 A JP2001392357 A JP 2001392357A JP 2001392357 A JP2001392357 A JP 2001392357A JP 2003192945 A JP2003192945 A JP 2003192945A
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JP
Japan
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recording liquid
ink jet
jet recording
polyketone resin
fluorescent material
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Application number
JP2001392357A
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English (en)
Inventor
Shinichi Sato
伸一 佐藤
Kazumichi Haraguchi
一道 原口
Shinya Fujimatsu
慎也 藤松
Yasuharu Iida
保春 飯田
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紫外線にて赤色に発光する耐水性の良好な記録
物が得られ、非ポーラスな対象物に対しても、優れた乾
燥性、密着性および透明性を有し、低臭気な記録液を提
供する。 【解決手段】下記式(1)で示される蛍光材0.2 〜
3重量%と、水酸基価100〜300mgKOH/gのポ
リケトン樹脂3〜35重量%と、アルコール50〜95
重量%とを含有するインクジェット記録液。式(1) 【化1】 (式中、Xは、メチル基、フリル基、フェニル基、ナフ
チル基またはチオニル基を表し、Yは、(n−C4
94 Nまたは(H2 O)nを表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は、紙および非ポーラスな
記録媒体に対して良好な印字乾燥性および密着性を有
し、紫外線を照射すると赤色に発光して印字部が可視化
するインクジェット記録液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の特殊用途において、可視光
では確認がしにくいが特殊な光によって可視化したり、
センサーでの読み取りを可能にする記録液の開発が行わ
れている。このような用途には、蛍光増白剤のように紫
色に発光するものが用いられていたが、蛍光増白剤は水
性の染料であるため耐水性に劣る欠点があった。又、蛍
光増白剤は、発光が一般に紫色であり、紙、繊維等に広
く用いられているため、それらの発光との区別がつけに
くいという欠点もあった。
【0003】特公昭54−22336号公報には、紫外
線照射により赤橙色に発光する記録液が記載されてい
る。この記録液は、水および親水性のグリコールエーテ
ル類を主体とする記録液であり高速で印刷処理する用途
においては水の量が多く、またグルコールエーテル類の
乾燥も遅いことから、十分な乾燥が得られなかった。特
に被記録媒体が紙以外の非ポーラスなフィルム等におい
ては、特に十分な乾燥速度は得られなかった。
【0004】また、非可視な材料とともに用いる樹脂と
してポリビニル樹脂類を用いることが公知であるが、こ
れらの樹脂は、溶剤の離脱が遅く、乾燥面のベタ付きが
残留する。また、乾燥時に乾燥の良好な吸湿性の溶剤を
使用すると、空気中の水分による印刷記録面の白化とい
う問題を生じる。この白化は、非可視材料等のバインダ
ー成分となる樹脂としては好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非ポーラス
な被記録媒体に対しても、十分な密着性を有し、臭気が
少なく、乾燥性に優れ、白化を起こさず、又紫外線を照
射すると赤色に発光する耐水性の良好な記録物が得られ
るインクジェット記録液を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記式(1)で示される蛍光材料と、ポリケトン樹脂と、
実質的に水を含有しない溶剤とからなることを特徴とす
るインクジェット記録液に関する。 式(1)
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Xは、置換基を有してもよいメチ
ル基、置換基を有してもよいフリル基、置換基を有して
もよいフェニル基、置換基を有してもよいナフチル基ま
たは置換基を有してもよいチオニル基を表し、Yは、
(n−C494 Nまたは(H 2 O)nを表す。)
【0009】更に本発明は、ポリケトン樹脂が、水酸基
価100〜300mgKOH/gのポリケトン樹脂である
上記インクジェット記録液に関する。
【0010】ポリケトン樹脂が、アセトン、メチルエチ
ルケトンまたはシクロヘキサノンから選ばれる少なくと
も1種のケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物であ
る上記インクジェット記録液に関する。
【0011】更に本発明は、実質的に水を含有しない溶
剤がアルコールである上記インクジェット記録液に関す
る。
【0012】更に本発明は、蛍光材料0.2 〜3重量
%と、ポリケトン樹脂3〜35重量%と、アルコール5
0〜95重量%とを含有する上記インクジェット記録液
に関する。
【0013】更に本発明は、更に、電導度調整剤を含有
する上記インクジェット記録液に関する。
【0014】更に本発明は、更に、下記式(2)で示さ
れるシリコン化合物を含有する上記インクジェット記録
液に関する。
【0015】式(2)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、m は40〜50の整数、n は4〜
7の整数、p は1〜5の整数、r は10〜20の整数を
表す。)
【0018】本発明の蛍光材料は、式(1)に示される
テトラ−n−ブチルアンモニウム塩あるいは水を対イオ
ンに有するユーロピウムの錯体であり、Xに置換する置
換基としては低級アルキル基、フェニル基、ハロゲン原
子、水酸基等がある。
【0019】本発明の蛍光材料の具体例としては、テト
ラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−(2−フラニル)
−1,3−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テト
ラ〔4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3
−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,
4,4−トリフルオロ−1−(2−チオニル)−1,3
−ブタンジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,
4,4−トリフルオロ−1−ナフチル−1,3−ブタン
ジオナート〕ユーロピウム錯体、テトラ〔4,4,4−
トリフルオロ−1−メチル−1,3−ブタンジオナー
ト〕ユーロピウム錯体等があり、これらの化合物は、可
視光で無色ないし淡黄色であり紫外光のもとでは赤色に
発色する特性を有しており、発光強度が大きく、耐久性
にも優れる。また溶剤に対する溶解性も有している。
【0020】本発明の蛍光材料は、4,4,4−トリフ
ルオロ−1−(2−フラニル)−1,3−ブタンジオン
化合物、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−
1,3−ブタンジオン化合物、4,4,4−トリフルオ
ロ−1−(2−チオニル)−1,3−ブタンジオン化合
物、4,4,4−トリフルオロ−1−ナフチル−1,3
−ブタンジオン化合物、4,4,4−トリフルオロ−1
−メチル−1,3−ブタンジオン化合物等のブタンジオ
ン化合物と、過塩素酸ユーロピウムとを水酸化ナトリウ
ムとともにアセトン中にて反応させることにより製造で
きる。
【0021】本発明の蛍光材料は、発光強度が強いので
記録液中に0.2〜3重量%用いることにより印字物と
しての所望の検知が可能である。これよりも少ないと発
光の読み取りが十分でなく、また、これよりも多いと記
録の跡が判別しやすくなってくる。記録液は、蛍光材料
と溶剤とによりプリンターに適した記録液に調整できる
が、被記録媒体に応じて溶剤の種類、バインダー樹脂の
使用の有無、種類、量等の調整が可能である。
【0022】本発明のポリケトン樹脂は、アセトン、メ
チルエチルケトンまたはクロヘキサノンから選ばれる1
種以上のケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物であ
る水酸基価100〜300mgKOH/gのポリケトン樹
脂が適している。
【0023】本発明のポリケトン樹脂は、紙への定着ば
かりでなく、非ポーラスなフィルム等の被記録媒体に対
しても良好な定着性を得る。又、溶液としたときに着色
せず、溶剤の離脱性にも優れる。
【0024】更に、本発明のポリケトン樹脂は、水を吸
収しやすいアルコールを溶剤とした場合、記録液の乾燥
時の白化という現象も起こりにくいという特性を有して
いる。これは、特に被記録媒体表面でのステルス性(非
可視性)を要求される用途においてきわめて重要な特性
であり、本発明のポリケトン樹脂はこの要求に対して満
足する性能を発揮することができる。またポリケトン樹
脂は、非ポーラスな被記録媒体上においても、乾燥時の
体積収縮による内部応力が少なく、定着性に優れる。
【0025】本発明に用いられるポリケトン樹脂は、ア
ルコールに対して十分な溶解性を有し、且つ乾燥後は良
好な耐水性を示す。また溶解性に優れるがゆえに樹脂溶
液粘度が比較的低く、インクジェット用記録液に要求さ
れる低粘度記録液の調整が可能となる。また溶剤への再
溶解性に優れるため、プリンターでの連続吐出性におい
て高い信頼性が確保される。以上のように、ポリケトン
樹脂を使用することによって、プリンターでの吐出安定
性、被記録媒体上での定着性、 耐水性のバランスに優
れた記録液を形成することができる。
【0026】本発明のポリケトン樹脂は、上記特性のバ
ランスを良好とするために、水酸基価が100〜300
mgKOH/g、好ましくは130〜280mgKOH/g、
軟化点が60〜130℃、好ましくは90〜105℃、
分子量としては、重量平均分子量300〜5000、好
ましく500〜3000の樹脂を使用することが好まし
い。
【0027】本発明のポリケトン樹脂は、インクジェッ
ト記録液中に3〜35重量%、好ましくは5〜30重量
%用いる。下限量よりも少ないと非浸透性の被記録媒体
に対して蛍光材料の十分な定着ができないため、好まし
くなく、この上限量よりも多くなると、記録液の粘度が
高くなり、吐出安定性を低下させ、また、蛍光材料の周
囲を樹脂層が厚く覆うことになり、化合物の発光の低下
を招く恐れがあるばかりか、樹脂に起因する蛍光の発生
も障害になる可能性があるため好ましくない。
【0028】本発明のポリケトン樹脂は、それを単独で
使用してもよいが、定着性、記録液の粘度、溶解性等の
調整のために他の樹脂と混合して用いてもよい。これら
の樹脂としては、例えば、セルロース系、フェノール
系、エポキシ系、エポキシフェノール系、ポリエステル
系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ブチラール系、シ
リコン系、ロジン、ロジン変性樹脂(フェノール変性、
マレイン酸変性,フマル酸変性等)、アクリルアミド、
アルキッド系、シェラック、アクリル系、スチレンーア
クリル系等の樹脂が例示でき、溶剤に対する溶解性が良
好で、記録液の粘度を適度に調整できるものを選択す
る。これらの樹脂は記録液中に0〜3重量%で使用する
ことができる。
【0029】本発明の記録液に使用する溶剤としては、
蛍光材料への溶解性とポリケトン樹脂への溶解性に優れ
るものであれば制限されない。たとえばアルコール系、
ケトン系、エステル系、セロソルブ系等の溶剤が使用で
きるが、臭気および衛生性の観点からメタノール、エタ
ノール、プロパノール等の低級アルコール系を用いるこ
とが好ましい。特にエタノールを用いることが好まし
い。被記録媒体上での乾燥性を特に重要視する場合は、
アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等の溶剤も単独または低級アルコールと
混合して用いることもできる。しかしながら、これらの
溶剤は低級アルコールに比べて臭気や危険有害性が問題
とされることがあり、記録液中に5重量%以下で用いら
れることが好ましい。
【0030】本発明の溶剤として、樹脂および蛍光材料
の溶解安定性を増加させるため、N−メチル−2−ピロ
リドン、γ−ブチルラクトン等のような溶剤を0〜5重
量%の範囲で併用することができる。しかしながら、こ
れらの併用は、乾燥性の低下を招くこともあり、高速乾
燥性を重要視する場合は、使用量を最小限に留めること
が好ましい。
【0031】本発明のインクジェット記録液には、記録
液の循環あるいは移動、又、記録液の製造時の泡の発生
を防止するため消泡剤を添加することもできる。さらに
記録液の吐出安定性、記録画像の向上のため、アニオン
性、非イオン性、カチオン性、両イオン性の界面活性剤
を用いることができる。
【0032】アニオン性活性剤の具体例としては、脂肪
酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキ
ルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフ
タレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチ
レンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪
酸エステル等を例示できる。
【0033】非イオン性活性剤の具体例としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシ
プロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、
シリコン系等の非イオン性活性剤が例示できる。
【0034】カチオン性活性剤としては、アルキルアミ
ン塩,第4級アンモニウム塩,アルキルピリジニウム
塩,アルキルイミダゾリウム塩等を例示できる。
【0035】両イオン性活性剤の具体例としては、アル
キルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジ
ルコリン等が例示できる。
【0036】本発明のインクジェット記録液は、フィル
ム等の非ポーラスな被記録媒体上での記録液の適度なひ
ろがり、はじきの防止を目的として、シリコン化合物を
添加することが好ましい。好ましくは式(2)で示され
るシリコン化合物を記録液中0.01〜0.5重量%添
加することにより、ドット形成性が向上し、高精度な光
学読み取りが可能となる画像形成が実現できる。
【0037】本発明のインクジェット記録液は、蛍光材
料、溶剤、樹脂、必要に応じて添加剤等を混合し、撹拌
溶解した後に、さらに必要に応じて希釈、他の添加剤を
混合することによって得られる。撹拌溶解には、通常の
撹拌羽を用いた撹拌機のほか、高速の分散機、乳化機等
を用いることができる。このようにして得られた溶解液
ないし分散液は、希釈の前あるいは後で孔径3μm以
下、好ましくは1μm以下のフィルターにて十分濾過し
て、記録液となる。フィルターの濾過に先立って、遠心
分離による濾過を用いることもでき、これはフィルター
による濾過における目詰まりを少なくし、フィルター交
換回数が減るなど生産効率上の効果が得られる。
【0038】本発明のインクジェット記録液の特性は、
プリンターの種類に応じて粘度、表面張力、電導度、乾
燥性等の調節もできるが、一般に粘度0.8〜15mP
a・s、表面張力20〜45mN/mである。
【0039】本発明のインクジェット記録液をコンティ
ニュアス方式のプリンターにおいて使用する場合は、電
導度を0.1〜20ミリジーメンス(mS/cm)、さら
には0.5〜10ミリジーメンス(mS/cm)に調整す
ることが好ましい。電導度調整剤としては、チオシアン
酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ア
ンモニウム、硝酸リチウム、テトラブチルアンモニウム
ブロミド等が使用できるが、経時での安定性の観点から
テトラブチルアンモニウムブロミドが特に好ましい。こ
のような電導度の調整剤は、記録液中5重量%以下、好
ましくは0.2〜5重量%で用いることが好ましい。
【0040】本発明のインクジェット記録液をコンティ
ニュアス方式のプリンターにおいて使用する場合は、記
録液の吐出および回収による連続しようにより記録液中
の溶剤が揮発し、記録液の固形分が時間と共に濃縮さ
れ、粘度が上昇する。このため本発明のインクジェット
記録液においては、記録液中の揮発成分を補充して樹脂
および蛍光材料の溶解性と粘度を調整するための希釈剤
を必要とする。希釈剤としては、記録液中の溶剤成分と
同様であり、且つ揮発性の高い溶剤成分を記録液よりも
多く含む組成であることが好ましい。
【0041】本発明のインクジェット記録液は、光学読
み取りを目的としたバリアブル情報やバーコードの高速
印字、オフィスにおける書類の隠し文字や記号の記録、
ダンボールのマーキングやナンバリング、バーコード情
報等の認識しにくい記録、セキュリティー機能を有する
記録など広範な分野に利用することができる。また、本
発明のインクジェット記録液による記録物は、蛍光増白
剤等の染料を蛍光材料として含有する記録液から得られ
た記録物に較べて耐水性も良好であるため、記録物の保
存性を要求される特殊な画像形成用途にも用いることが
できる。
【0042】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に
説明する。実施例中、部および%は、重量部および重量
%をそれぞれ表す。
【0043】〔蛍光材料(1)、(2)の合成〕酸化ユ
ーロピウム3.6部、水10部中に過塩素酸(60%水
溶液)12.8部を加え、室温にて30分攪拌した。こ
の水溶液を4,4,4−トリフルオロ−1−(2−チオ
ニル)−1,3−ブタンジオン16.5部、水酸化ナト
リウム3.2部、水5部、アセトン250部の混合液中
に室温で滴下し1時間攪拌した。反応終了後、エバポレ
ーターでアセトンを除き、生成した黄色のペースト状固
体をエタノール50部で溶解し、攪拌下、水300部中
に滴下した。析出した白色固体を濾別乾燥し蛍光材料
(1)を15.5部得た。この蛍光材料(1)10部を
エタノール200部に溶解し、テトラ−n−ブチルアン
モニウムブロミド6部を加え、室温で1時間攪拌し、そ
の後、水500部を加え析出した固体を濾別、50℃に
て減圧乾燥し11.5部の蛍光材料(2)を得た。
【0044】〔蛍光材料(3)、(4)の合成〕酸化ユ
ーロピウム3.6部、水10部中に過塩素酸(60%水
溶液)12.8部を加え、室温にて30分攪拌した。こ
の水溶液を4,4,4−トリフルオロ−1−(2−フェ
ニル)−1,3−ブタンジオン16.5部、水酸化ナト
リウム3.2部、水5部、アセトン250部の混合液中
に室温で滴下し1時間攪拌した。反応終了後、エバポレ
ーターでアセトンを除き、生成した黄色のペースト状固
体をエタノール50部で溶解し、攪拌下、水300部中
に滴下した。析出した白色固体を濾別乾燥し蛍光材料
(3)を15.5部得た。この蛍光材料(3)10部を
エタノール200部に溶解し、テトラ−n−ブチルアン
モニウムブロミド6部を加え、室温で1時間攪拌し、そ
の後、水500部をくわえ析出した固体を濾別、50℃
にて減圧乾燥し11.5部の蛍光材料(4)を得た。
【0045】〔実施例1〕下記の原料を混合し記録液を
作製した。
【0046】 蛍光材料(1) 1.5部 ポリケトン樹脂(1) 15.0部 (LAWTER社製K−1717;水酸基価270mgKOH/g,軟化点100 ℃) エタノール 82.45部 チオシアン酸ナトリウム 1.0部 シリコン添加剤 0.05部 原料は撹拌機にて十分溶解した後、孔径0.80μmの
メンブランフィルターにて濾過し、粘度3.1mPa・
sの記録液を得た。この記録液を日立製作所社製「日立
IJプリンター」に入れてポリスチレンの透明フィルム
に記録を行った。
【0047】記録物は可視光下では識別できないが、紫
外線を照射したところ赤色の発光(615nm付近)が
確認できた。記録面に水を垂らして記録液のにじみを調
べたが、記録液のにじみ、流れ出しはなく充分な耐水性
を有していた。
【0048】記録液の連続印字をしたところ、記録液の
粘度上昇がみられたため、記録液の消費量に応じた希釈
液(エタノール)の添加をおこなった。この希釈液(エ
タノール)の添加は、記録液の消費量の約0.6倍量を
追加することで対応した。これにより、記録液の粘度を
印刷初期と同様に維持できた。
【0049】〔実施例2〕下記の原料を混合し記録液を
作製した。
【0050】 蛍光材料(2) 1.5部 ポリケトン樹脂(1) 15.0部 (LAWTER社製K−1717;水酸基価270mgKOH/g,軟化点100 ℃) エタノール 79.4部 メチルイソブチルケトン 2.55部 チオシアン酸カリウム 1.5部 シリコン添加剤 0.05部 原料は撹拌機にて十分溶解したのち、孔径0.8μmの
メンブランフィルターにて濾過し、粘度3.0mPa・
sの記録液を得た。
【0051】この記録液を日立製作所社製「日立IJプ
リンター」に入れてポリスチレンフィルムに記録を行っ
た。記録液の連続印字により記録液の粘度上昇がみられ
たため、記録液の消費量に応じた希釈液(エタノール)
の添加をおこなった。希釈液(エタノール)の添加は、
記録液の消費量の約0.6倍量を追加することで対応し
た。これにより、インキの粘度を印刷初期と同様に維持
できた。記録物に紫外線を照射したところ、オレンジか
かった赤色の発光が確認できた。記録面に水を垂らして
インキのにじみを調べたが、インキのにじみ、流れ出し
はなく充分な耐水性を有していた。ポリエステルフィル
ム、処理ポリプロピレンフィルム、処理ポリオレフィン
フィルム等にこの記録液をドローダウンして乾燥を確認
したが、乾燥面での白化の現象はなかった。
【0052】〔実施例3〜9〕表1に記載する配合組成
の記録液を実施例1と同様の方法にて作成した。
【0053】
【表1】
【0054】〔比較例1〜6〕表2に記載する配合組成
の記録液を実施例1と同様の方法にて作成した。
【0055】
【表2】
【0056】 記録液の原料名の説明〕 式(1)のX 式(1)のY 蛍光材料(1) : チオニル基 水 蛍光材料(2) : チオニル基 テトラブチルアンモニウム塩 蛍光材料(3) : フェニル基 水 蛍光材料(4) : フェニル基 テトラブチルアンモニウム塩 蛍光材料(5) : フリル基 テトラブチルアンモニウム塩 蛍光材料(6) : ナフチル基 テトラブチルアンモニウム塩 ポリケトン樹脂(1) : LAWTER社製K−1717 (水酸基価270 、軟化点100℃) ポリケトン樹脂(2) : LAWTER社製K−1717B(水酸基価135 、軟化点 95℃) TBAB : テトラブチルアンモニウムブロミド
【0057】実施例および比較例で得られた記録液を下
記の評価を行った。結果を表3、4に示す。
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】〔評価方法〕 濾過性:0.80μmメンブランフィルター(4.5c
mφ)での減圧濾過時の濾過量が1リットル以上。 耐水性:水に3分浸漬したときの記録液の滲み、流れ出
し、べたつき。 密着性:メンディングテープ(スリーエム社製)による
剥離テスト。 ドット形状:ポリスチレンフィルム上でのドットの形状
を顕微鏡にて確認した。 白化:ポリエステルフィルム表面に記録液をドローダウ
ンさせて乾燥させたときの乾燥状態。
【0060】比較例1の記録液は、メチルエチルケトン
の臭いが強烈であり、引火点が低い。比較例2の記録液
は、耐水性評価でべたつきを生じた。比較例3の記録液
は、ドットの形状が不十分で、耐水性評価でべたつきを
生じた。比較例4の記録液は、ドットの形成も不十分で
ある。比較例5の記録液は、フィルム面での乾燥が著し
く遅い。
【0061】
【発明の効果】本発明により、蛍光材料等の非視認性を
要求される用途において、吐出安定性の良い記録液を得
ることができ、透明性、耐水性、定着性に優れる記録物
を得ることができた。この記録物は、紙等の被記録媒体
と識別しにくい記録を行うことが可能であり、また、紫
外光により赤色の発光を生じるので特殊な記録物として
センサーでの光学読み取り、隠し文字、セキュリティー
に関する印刷等に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 保春 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA54 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 AE01 AE11 BC07 BC59 BE02 BE12 BE29 CA04 EA10 EA28 EA36 EA38 GA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で示される蛍光材料と、
    ポリケトン樹脂と、実質的に水を含有しない溶剤とから
    なることを特徴とするインクジェット記録液。 式(1) 【化1】 (式中、Xは、置換基を有してもよいメチル基、置換基
    を有してもよいフリル基、置換基を有してもよいフェニ
    ル基、置換基を有してもよいナフチル基または置換基を
    有してもよいチオニル基を表し、Yは、(n−C4
    94 Nまたは(H 2 O)nを表す。)
  2. 【請求項2】 ポリケトン樹脂が、水酸基価100〜
    300mgKOH/gのポリケトン樹脂である請求項1記載
    のインクジェット記録液。
  3. 【請求項3】 ポリケトン樹脂が、アセトン、メチル
    エチルケトンまたはシクロヘキサノンから選ばれる少な
    くとも1種のケトンとホルムアルデヒドとの重縮合化物
    である請求項1または2記載のインクジェット記録液。
  4. 【請求項4】 実質的に水を含有しない溶剤がアルコ
    ールである請求項1ないし3いずれか記載のインクジェ
    ット記録液。
  5. 【請求項5】 蛍光材料0.2 〜3重量%と、ポリ
    ケトン樹脂3〜35重量%と、アルコール50〜95重
    量%とを含有する請求項4記載のインクジェット記録
    液。
  6. 【請求項6】 更に、電導度調整剤を含有する請求項
    1ないし5いずれか記載のインクジェット記録液。
  7. 【請求項7】 更に、下記式(2)で示されるシリコ
    ン化合物を含有する請求項1ないし6いずれか記載のイ
    ンクジェット記録液。 式(2) 【化2】 (式中、m は40〜50の整数、n は4〜7の整数、p
    は1〜5の整数、r は10〜20の整数を表す。)
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