JP2003192922A - 帯電防止性樹脂組成物及び帯電防止性組成物 - Google Patents

帯電防止性樹脂組成物及び帯電防止性組成物

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JP2003192922A
JP2003192922A JP2002302162A JP2002302162A JP2003192922A JP 2003192922 A JP2003192922 A JP 2003192922A JP 2002302162 A JP2002302162 A JP 2002302162A JP 2002302162 A JP2002302162 A JP 2002302162A JP 2003192922 A JP2003192922 A JP 2003192922A
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ester compound
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JP2002302162A
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Mikihiko Horioka
幹彦 堀岡
Masaya Shiozaki
正弥 塩崎
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高いレベルの帯電防止性を長期間持続して発現
するとともに、用いた帯電防止性組成物が長期に亘って
ブリードすることのない帯電防止性樹脂組成物、及びこ
の樹脂組成物に用いられる帯電防止性組成物を提供す
る。 【解決手段】 熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)100重量部
に対して、分子中にエーテル結合を有するエステル化合
物(b)(好ましくは、ジヘキシルグリコールアジペート又
は、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエ
ート)1〜50重量部と、特定の一般式(1) で示される第4
級アンモニウム塩(c)1〜20量部と、層状珪酸塩(d)1〜50
重量部とを含有してなる帯電防止性樹脂組成物、及びこ
の樹脂組成物に用いられる、上記エステル化合物(b)1〜
50重量部と、アンモニウム塩(c)1〜20量部と、層状珪酸
塩(d)1〜50重量部とを含有してなる帯電防止性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性樹脂組
成物及び帯電防止性組成物に関し、詳しくは、帯電防止
性能の持続性と非ブリード性とを兼ね備えた帯電防止性
樹脂組成物及びこのような樹脂組成物を提供し得る帯電
防止性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器及びその周辺部材、電化製品、
医療器具及びその周辺部材、並びに自動車部品等には、
静電気対策や汚れの付着防止という観点から帯電防止性
が必要とされる。このような帯電防止性を樹脂に付与す
るために、古くから界面活性剤やカーボン(粉末、繊
維)を練り込むことが知られており(例えば、特許文献
1参照)、この特許文献1には、特定の第4級アンモニ
ウム塩を帯電防止剤として樹脂中に混合分散させる方法
が記載されている。
【0003】しかし、この第4級アンモニウム塩には確
かに或る程度の帯電防止性が認められるものの、実際の
樹脂製品に適応させるには、更に高い帯電防止性を必要
とするものであり、多量に配合すると経時によって樹脂
表面にブリードするという問題点があった。カーボン
(粉末、繊維)の練り込みの場合は、上記第4級アンモ
ニウム塩とほぼ同様の問題点がある他、使用状況によっ
てはカーボンが樹脂成形品から脱落する場合があった。
【0004】一方、特に電子機器類は、近年、構成部品
の高集積化、微細化が進んでおり、その結果、静電気に
よる部品の破壊や帯電防止剤のブリードによる表面の汚
染等が大きな問題として顕在化しているため、例えば表
面抵抗率として1.0×10 8 (Ω/□)未満という高
い帯電防止性が要請される場合がある。
【0005】このような要請に応えるものとして、、ポ
リプロピレン系樹脂に、イオン導電性又は電荷移動錯体
の性質により導電性を発現する帯電防止樹脂と異方形状
を有する無機充填材とを添加して得た樹脂組成物が、長
期間持続的に帯電防止性能を発揮できることが報告され
ている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特公昭40−7366号公報
【特許文献2】特開2001−206995号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者等の検討によれば、上記特許文献2記載の樹脂組成物
においても、ポリプロピレン系樹脂と帯電防止樹脂との
相溶性が必ずしも充分でないことから、帯電防止樹脂の
ブリードを十分に抑制することができないため、長期間
安定的に帯電防止性を発揮することができず、また、帯
電防止樹脂として比較的特殊な樹脂を用いているので、
樹脂組成物のコストが高く付くという実用面の問題点を
抱えていた。上述の如く、帯電防止効果の持続性に優れ
た樹脂組成物であって、且つ、用いられた帯電防止剤が
非ブリード性を有する樹脂組成物については、現実には
報告されていないのが実情である。
【0008】本発明者等は帯電防止性樹脂組成物につい
て鋭意検討の結果、特定のアンモニウム塩と分子中にエ
ーテル結合を有するエステル化合物とともに層状珪酸塩
を樹脂中に分散させることにより、帯電防止性を発現す
る特定のアンモニウム塩と前記エステル化合物とのブリ
ードを抑制できることを見出し、本発明を完成させるに
至った。本発明は、上記従来の帯電防止性樹脂組成物な
どの問題点に鑑み、高いレベルの帯電防止性を長期間持
続して発現するとともに、用いた帯電防止性組成物が長
期に亘ってブリードすることのない帯電防止性樹脂組成
物、及びこの樹脂組成物に用いられる帯電防止性組成物
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂もしくはゴム
(a)100重量部に対して、分子中にエーテル結合を
有するエステル化合物(b)1〜50重量部と、下記一
般式(1)で示される第4級アンモニウム塩(c)1〜
20重量部と、層状珪酸塩(d)1〜50重量部とを含
有してなる帯電防止性樹脂組成物を提供する。
【化5】 (式中、R1 ,R2 及びR3 の内1個は炭素数が5〜2
4のアルキル基、他は炭素数1〜5のアルキル基、R4
は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜15の整数、
Xは塩酸、塩素酸又は、過塩素酸のアニオンを表す)
【0010】請求項2の発明は、分子中にエーテル結合
を有するエステル化合物(b)が下記一般式(2)で示
されるエステル化合物である請求項1記載の帯電防止性
樹脂組成物を提供する。
【化6】 (式中、R5 及びR7 は炭素数が4〜12のアルキル
基、R6 は水素又はメチル基、nは3〜10の整数を表
す)
【0011】請求項3の発明は、分子中にエーテル結合
を有するエステル化合物(b)1〜50重量部と、下記
一般式(1)で示される第4級アンモニウム塩(c)1
〜20重量部と、層状珪酸塩(d)1〜50重量部とを
含有してなり、請求項1又は2記載の帯電防止性樹脂組
成物に用いられるものである帯電防止性組成物を提供す
る。
【化7】 (式中、R1 ,R2 及びR3 の内1個は炭素数が5〜2
4のアルキル基、他は炭素数1〜5のアルキル基、R4
は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜15の整数、
Xは塩酸、塩素酸又は、過塩素酸のアニオンを表す)
【0012】請求項4の発明は、分子中にエーテル結合
を有するエステル化合物(b)が下記一般式(2)で示
されるエステル化合物である請求項3記載の帯電防止性
組成物を提供する。
【化8】 (式中、R5 及びR7 は炭素数が4〜12のアルキル
基、R6 は水素又はメチル基、nは3〜10の整数を表
す) 以下、本発明について更に詳細に説明する。
【0013】本発明の帯電防止性樹脂組成物において用
いられる熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)の内、熱可塑
性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレ
ン系樹脂に代表されるポリオレフィン系樹脂、、ポリス
チレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂等が挙げ
られ、ゴムとしては、天然ゴムであっても合成ゴムであ
ってもよく、又、架橋ゴムであってもよい。これらの熱
可塑性樹脂もしくはゴムは、各々、例えば、上記種類の
1種又は2種以上が適宜選択される。
【0014】これらの内、上記ポリオレフィン系樹脂に
ついて詳述すると、例えば、プロピレンの単独重合体、
プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、プロピレン
とエチレンとのランダム又はブロック共重合体、エチレ
ンの単独重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合
体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、エチ
レンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、エチ
レンと酢酸ビニルとの共重合体、ブテンの単独重合体、
イソプレンの単独重合体、ブタジエン等のジエン類の単
独重合体及び共重合体、ノルボルネンに代表されるノル
ボルネン系単量体の単独重合体もしくは共重合体等が挙
げられる。なかでもプロピレンの単独重合体、プロピレ
ンと炭素数3以外のα−オレフィンとの共重合体、エチ
レンの単独重合体、エチレンと炭素数3以上のα−オレ
フィン、アクリル酸エステル、酢酸ビニルとの共重合体
等が好適に用いられる。
【0015】また、上記塩化ビニル系樹脂について詳述
すると、塩化ビニルの単独重合体でも、塩化ビニルと他
の塩化ビニルと共重合可能なモノマーとの共重合体であ
ってもよい。共重合可能なモノマーとしては、例えば、
エチレン、プロピレン、ブチレンなどのαーオレフィン
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステ
ル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等
のビニルエーテル類;メチルアクリレート、ブチルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル
酸エステル類;メチルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル類;スチレン、αーメチルスチレン等の芳
香族ビニル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化
ビニリデン等のハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マ
レイミド類等が挙げられる。これらは単独で使用されて
もよく、2種以上が併用されてもよいが、共重合可能な
モノマーの割合は、20重量%以下が好ましい。
【0016】上記の分子中にエーテル結合を有するエス
テル(b)は、汎用可塑剤として知られているエーテル
結合を有しないエステルに比して帯電防止性は一般に高
い。上記エステル(b)としては、例えば、多価カル
ボン酸とグリコール類のモノアルキルエーテルとのエス
テル化反応によって得ることが出来るエステルや脂肪
族モノカルボン酸と脂肪族グリコール類とのジエステル
化反応によって得ることが出来るエステル等を挙げるこ
とができる。
【0017】に示したエステルの製造に用いられる、
上記多価カルボン酸としては、例えばアジピン酸等の脂
肪族多価カルボン酸等が挙げられる。上記グリコール類
のモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレン又
はプロピレングリコール等のモノアルキルエーテル等が
挙げられ、具体例としては、例えば、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノー2
−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコール−n−
ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテル、ジエチルグリコール−n−ヘキ
シルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等が挙げられる。上記の好ましいエステルの具体
例としては、例えば、下記式(3)で表される、ジヘキ
シルグリコールアジペート等が挙げられる。
【0018】
【化9】
【0019】また、に示したエステルの製造に用いら
れる、上記脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、オクタン酸、
ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレ
イン酸等が挙げられる。
【0020】本発明の帯電防止性樹脂組成物又は帯電防
止性組成物においては、分子中にエーテル結合を有する
エステル化合物(b)として、好ましくは、上述の一般
式(2)で示されるエステルが用いられる。このエステ
ルは、エステルとしての環境負荷が低く、また、生産性
が高いので、本発明の組成物を安価に提供することが可
能となる。導電性能、耐ブリード性にも優れている。具
体的には、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサ
ノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘキサノエ
ート及びジエチレングリコールジ−n−ヘキサノエー
ト、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエ
ート等が挙げられる。一般式(2)で示されるエステル
は、例えば、上記に示した製造方法によって得られ
る。特に好ましいエステルとしては、下記式(4)で表
される、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサ
ノエート(略称3GO又はG260)等が挙げられる。
【0021】
【化10】
【0022】上記エステル化反応の条件は公知であり、
反応温度及び圧力は、ともに広範囲にわたり適宜決定さ
れ、エステル化反応の反応温度は80〜250℃が好ま
しく、より好ましくは160〜230℃である。反応物
の熱分解を最小にするために、通常、250℃以下とさ
れる。
【0023】本発明においては上記一般式(1)で表さ
れる第4級アンモニウム塩(c)が必須成分として用い
られる。
【化11】 (式中、R1 ,R2 及びR3 の内1個は炭素数が5〜2
4のアルキル基、他は炭素数1〜5のアルキル基、R4
は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜15の整数、
Xは塩酸、塩素酸又は、過塩素酸のアニオンを表す)
【0024】上記R1,R2 及びR3 のうち、いずれか1
つのアルキル基の炭素数が5未満であると帯電防止性が
著しく低下し、24を超えると得られる帯電防止性樹脂
組成物の表面にブリードアウトし帯電防止性と外観が低
下するので、上記範囲に限定される。好ましくは、炭素
数8〜18のアルキル基である。
【0025】上記R1 、R2 及びR3 のうち、上記以外
の他の2つのアルキル基の炭素数が5を超えると、得ら
れる帯電防止性樹脂組成物の表面にブリードアウトし帯
電防止性と外観が低下するので、上記範囲に限定され
る。好ましくは、炭素数1〜2のアルキル基である。
【0026】上記R4 で表されるアルキレン基の炭素数
が2未満であると、充分な帯電防止性が得られず、4を
超えると、得られる帯電防止性樹脂組成物の表面にブリ
ードアウトし帯電防止性と外観が低下するので、上記範
囲に限定される。好ましくは、炭素数2〜3のアルキレ
ン基である。
【0027】上記mが15を超えると、得られる帯電防
止性樹脂組成物の表面にブリードアウトし帯電防止性と
外観が低下するので、上記範囲に限定される。好ましく
は、1〜5の整数である。
【0028】第4級アンモニウム塩(c)の好ましい例
としては、例えば、下記式(5)で表されるもの等が挙
げられる。
【0029】
【化12】
【0030】本発明において用いられる層状珪酸塩
(d)は層間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物であ
れば特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポ
ナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイ
ト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘度鉱物、ハー
ミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げら
れる。
【0031】なかでも、機械強度の点から下記式(A)
で定義される形状異方性効果が大きいモンモリロナイ
ト、膨潤性マイカが好ましい。形状異方性効果=層状結
晶表面の面積/層状結晶側面の面積 (A)上記層状
珪酸塩(d)は天然物又は合成物のいずれであってもよ
く、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されても
よい。
【0032】層状珪酸塩(d)の層状結晶の層間に存在
する交換性陽イオンとは、層状結晶表面上のナトリウム
やカルシウム等のイオンであり、これらのイオンは、カ
チオン性物質とイオン交換性を有するため、カチオン性
を有する種々の物質を上記層状珪酸塩の層状結晶の層間
に挿入することができる。上記層状珪酸塩(d)の陽イ
オン交換容量としては特に限定されないが、50〜20
0ミリ等量/100gであることが好ましい。
【0033】本発明において、熱可塑性樹脂もしくはゴ
ム(a)として、ポリオレフィン系樹脂を用いる場合
は、上記層状珪酸塩(d)の層状結晶の層間を予めカチ
オン性界面活性剤で陽イオン交換し疎水化しておくこと
によって、層状珪酸塩(d)とポリオレフィン系樹脂と
の親和性を高め、ポリオレフィン系樹脂中に均一に微分
散させることができる。
【0034】上記カチオン性界面活性剤としては特に限
定されず、例えば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニ
ウム塩等が挙げられる。なかでも炭素数が6以上である
アルキル鎖を有する4級アンモニウム塩、すなわちアル
キルアンモニウム塩は、層状珪酸塩の層状結晶の層間を
充分に非極性化し得るので好適に用いられる。上記4級
アンモニウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチル
アンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム
塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられ
る。
【0035】本発明の帯電防止性樹脂組成物には、上記
熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)、エステル化合物
(b)、アンモニウム塩(c)、層状珪酸塩(d)の他
に、更に必要に応じて、可塑剤、充填剤、着色剤、酸化
防止剤、耐光剤、滑剤、紫外線吸収剤等が配合されてい
ても良い。上記可塑剤としては特に限定されず、例え
ば、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等
のフタル酸エステル類、アジピン酸ジオクチルなどの脂
肪族二塩基酸エステル類、燐酸トリオクチル、燐酸オク
チルジフェニルなどの燐酸脂肪族エステル類等を単独で
又は併用して用いても良い。充填剤としては特に限定さ
れず、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タ
ルク、クレー等が挙げられる。
【0036】本発明の帯電防止性樹脂組成物における各
成分の配合割合は、熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)1
00重量部に対して、エステル化合物(b)1〜50重
量部と、第4級アンモニウム塩(c)1〜20重量部
と、層状珪酸塩(d)1〜50重量部であり、好ましく
は、ゴムもしくは熱可塑性樹脂100重量部に対して、
エステル化合物(b)1〜40重量部と、アンモニウム
塩(c)1〜10重量部と層状珪酸塩(d)5〜30重
量部である。
【0037】熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)100重
量部に対して、エステル化合物(b)が1重量部未満で
あると帯電防止性能が発揮されず、50重量部を越える
とブリードし易くなるとともに、帯電防止樹脂組成物の
力学物性が低下するため実用的ではない。又、第4級ア
ンモニウム塩(c)が1重量部未満であると帯電防止性
能が発揮されず、20重量部を越えるとブリードが激し
くなる。又、層状珪酸塩(d)が1重量部未満であると
エステル化合物(b)や第4級アンモニウム塩(c)の
ブリード性を抑制する効果が発現されず、50重量部を
越えると帯電防止性能が低下する場合がある。
【0038】本発明の帯電防止性組成物は、分子中にエ
ーテル結合を有するエステル化合物(b)1〜50重量
部と、上記第4級アンモニウム塩(c)1〜20重量部
と、層状珪酸塩(d)1〜50重量部とを含有してな
り、本発明の帯電防止性樹脂組成物に用いられるもので
あるので、通常、熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)10
0重量部に対して、各成分が上記配合割合となる様に混
合分散された状態で、熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)
に添加され更に混合分散されて用いられる。
【0039】本発明の帯電防止樹脂組成物を得るには、
例えば、上述の如く予め各成分を配合した帯電防止性組
成物を熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)に添加混合する
方法、熱可塑性樹脂にエステル化合物(b)、第4級ア
ンモニウム塩(c)及び層状珪酸塩(d)の所定量を直
接配合して混合する方法、熱可塑性樹脂に所定配合量以
上の層状珪酸塩(d)を配合、又は、所定配合量以上の
層状珪酸塩(d)及びエステル化合物(b)、第4級ア
ンモニウム塩(c)を配合し混合してマスターバッチを
調製し、調製されたマスターバッチに所定配合量となる
ように熱可塑性樹脂を加えて希釈する、いわゆるマスタ
ーバッチ法等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。 (実施例1) 1)帯電防止性樹脂組成物の調製 天然ゴム100重量部に、エステル化合物(b)とし
て、上述の式(3)で表されるジヘキシルグリコールア
ジペート(DHGA)20重量部、第4級アンモニウム
塩(c)として上述の式(5)で表される化合物8重量
部、層状珪酸塩(d)として ジステアリルジメチル4
級アンモニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素雲母
(コープケミカル社製、ソマシフMAE−100)6重
量部、及び、表1に記載した各種添加剤の所定量を添加
混合して、目的とする帯電防止性樹脂組成物を調製し
た。
【0041】2)評価用サンプルシートの作製 得られた帯電防止性樹脂組成物を、60℃のロールで混
錬し、プレス機を用いて厚み1.0mmのシートを作製
した。このシートを評価用サンプルとして表面抵抗率、
体積抵抗率及び耐ブリード性の測定に供した。
【0042】(実施例2、3及び比較例1〜3)実施例
1と同様にして、天然ゴム(a)にエステル化合物
(b)、アンモニウム塩(c)、及び必要により層状珪
酸塩(d)と表1に記載した各種添加剤の所定量とを添
加混合した後、厚み1.0mmのシートを作成し、評価
用サンプルとして供した。
【0043】(実施例4)エステル化合物(b)とし
て、DHGA20重量部の代わりに上述の式(4)で表
されるトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノ
エート(3GO)20重量部を用いた以外は、実施例1
と同様にして、厚み1.0mmのシートを作成し、評価
用サンプルとして供した。
【0044】(実施例5) 1)帯電防止性樹脂組成物の調製 塩化ビニル樹脂(徳山積水工業株式会社製、「TS13
00S」)100重量部に、エステル化合物(b)とし
てトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエー
ト(3GO)20重量部、第4級アンモニウム塩(c)
として上述の式(5)で表される化合物8重量部、層状
珪酸塩(d)として ジステアリルジメチル4級アンモ
ニウム塩で有機化処理した膨潤性フッ素雲母(コープケ
ミカル社製、ソマシフMAE−100)4重量部、及
び、表1に記載した各種添加剤の所定量を添加混合し
て、目的とする帯電防止性樹脂組成物を調製した。 2)評価用サンプルシートの作製 得られた帯電防止性樹脂組成物を、180℃と175℃
に設定した二本ロールで混錬し、プレス機を用いて厚み
1.0mmのシートを作製し、このシートを評価用サン
プルとして表面抵抗率、体積抵抗率及び耐ブリード性の
測定に供した。
【0045】(実施例6)トリエチレングリコールジ−
2−エチルヘキサノエート(3GO)の量を20重量部
から50重量部に変更した以外は、実施例5と同様にし
て、厚み1.0mmのシートを作成し、評価用サンプル
として供した。
【0046】(比較例4)エステル化合物(b)とし
て、3GOの20重量部をDHGAの60重量部に変更
した以外は、実施例5と同様にして、厚み1.0mmの
シートを作成し、評価用サンプルとして供した。
【0047】<評価>実施例1〜6及び比較例1〜4で
作製した評価用サンプルを以下の方法により評価し、そ
の結果を表1及び表2に示した。 (1)表面抵抗率の測定 評価サンプルの表面抵抗率を絶縁計(東亜電波工業社
製、DSM−8103)を用いて測定した。 (2)耐ブリード性 評価用サンプルを70℃×90%RHの環境下で7
日間保持し、表面を目視観察した。表1においてブリー
ドが認められなかったものを○、ブリードが認められた
ものを×、と表示した。 評価用サンプルを40℃×95%RHの環境下で7
日間保持し、表面を目視観察した。表1においてブリー
ドが認められなかったものを○、ブリードが認められた
ものを×、と表示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の帯電防止性樹脂組成物は、上述
の通り構成されており、分子中にエーテル結合を有する
エステル化合物(b)、アンモニウム塩(c)とともに
層状珪酸塩(d)が、熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)
中に、所定量、含有分散されているので、高いレベルの
帯電防止性を長期間持続して発現し得るとともに、用い
た帯電防止性組成物が長期に亘ってブリードすることが
なく、従来困難とされていた帯電防止性能の持続性と非
ブリード性とを兼ね備えた実用的に大きな効果を奏する
ものである。従って、例えば、熱可塑性樹脂もしくはゴ
ムからなる電子機器及びその周辺部材の静電気による障
害の発生を長期に亘って防止するとともに、ブリードに
よる汚染も防止し得る。
【0051】本発明の帯電防止性組成物は、上記本発明
の帯電防止性樹脂組成物に用いられるものであり、エス
テル化合物(b)、アンモニウム塩(c)とともに層状
珪酸塩(d)が所定量含有されてなるので、各成分の作
用が相俟って、帯電防止性樹脂組成物における帯電防止
性の発現を可能にするとともに、長期に亘って樹脂表面
へブリードすることがないという実用的に大きな効果を
奏する。更に、本発明の帯電防止性樹脂組成物又は帯電
防止性組成物において、分子中にエーテル結合を有する
エステル化合物(b)が一般式(2)で示される物であ
る場合は、エステルとしての環境負荷が低く、また、生
産性が高いので、本発明の組成物を安価に提供すること
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/16 102 C09K 3/16 102L 104 104C 104F Fターム(参考) 4J002 AA011 AC001 AC011 AC021 BB021 BB031 BB051 BB061 BB071 BB081 BB111 BB121 BB151 BB171 BC021 BD031 BK001 BN151 DJ008 EH046 EH096 EH156 EN137 FD018 FD106 FD107 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂もしくはゴム(a)100
    重量部に対して、分子中にエーテル結合を有するエステ
    ル化合物(b)1〜50重量部と、下記一般式(1)で
    示される第4級アンモニウム塩(c)1〜20重量部
    と、層状珪酸塩(d)1〜50重量部とを含有してなる
    ことを特徴とする帯電防止性樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1 ,R2 及びR3 の内1個は炭素数が5〜2
    4のアルキル基、他は炭素数1〜5のアルキル基、R4
    は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜15の整数、
    Xは塩酸、塩素酸又は、過塩素酸のアニオンを表す)
  2. 【請求項2】 分子中にエーテル結合を有するエステル
    化合物(b)が下記一般式(2)で示されるエステル化
    合物であることを特徴とする請求項1記載の帯電防止性
    樹脂組成物。 【化2】 (式中、R5 及びR7 は炭素数が4〜12のアルキル
    基、R6 は水素又はメチル基、nは3〜10の整数を表
    す)
  3. 【請求項3】 分子中にエーテル結合を有するエステル
    化合物(b)1〜50重量部と、下記一般式(1)で示
    される第4級アンモニウム塩(c)1〜20重量部と、
    層状珪酸塩(d)1〜50重量部とを含有してなり、請
    求項1又は2記載の帯電防止性樹脂組成物に用いられる
    ものであることを特徴とする帯電防止性組成物。 【化3】 (式中、R1 ,R2 及びR3 の内1個は炭素数が5〜2
    4のアルキル基、他は炭素数1〜5のアルキル基、R4
    は炭素数2〜4のアルキレン基、mは1〜15の整数、
    Xは塩酸、塩素酸又は、過塩素酸のアニオンを表す)
  4. 【請求項4】 分子中にエーテル結合を有するエステル
    化合物(b)が下記一般式(2)で示されるエステル化
    合物であることを特徴とする請求項3記載の帯電防止性
    組成物。 【化4】 (式中、R5 及びR7 は炭素数が4〜12のアルキル
    基、R6 は水素又はメチル基、nは3〜10の整数を表
    す)
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