JP2003192768A - 難燃性エポキシ樹脂組成物とその成型物およびこれを用いた多層プリント配線板 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物とその成型物およびこれを用いた多層プリント配線板

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JP2003192768A
JP2003192768A JP2001395970A JP2001395970A JP2003192768A JP 2003192768 A JP2003192768 A JP 2003192768A JP 2001395970 A JP2001395970 A JP 2001395970A JP 2001395970 A JP2001395970 A JP 2001395970A JP 2003192768 A JP2003192768 A JP 2003192768A
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JP2001395970A
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Norio Kimura
紀雄 木村
Naoko Ota
尚子 太田
Takeshi Tamura
健 田村
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Taiyo Holdings Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Ink Mfg Co Ltd
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン化合物を含まず、難燃性に優れ、か
つ耐熱性、密着性、絶縁性に優れた難燃性エポキシ樹脂
組成物とその成型物およびこれを用いた多層プリント配
線板を提供する。 【解決手段】 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基
を有する樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)下記
一般式(1) 【化1】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
硫黄原子を示す。)又は、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるシクロ
アルキレンホスフィン誘導体を必須成分とする難燃性エ
ポキシ樹脂組成物である。この組成物をそのまま、又は
ワニス化し、基材に含浸・乾燥させた成型物、又は支持
フィルムに塗布・乾燥させた成型物、又は銅箔に塗布・
乾燥させた成型物を積層し、熱硬化させた多層プリント
配線板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板製造において有用なソルダーレジスト組成物及び中間
絶縁材料に関し、さらに詳しくは、耐熱性、電気絶縁特
性に優れ、かつ難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物に関
する。又、これを用いたプリント配線板製造用の成型物
に関する。更に、これら難燃性エポキシ樹脂組成物及び
/又はその成型物を用いた多層プリント配線板に関す
る。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】エポキシ
樹脂は、良好な熱的、力学特性、電気的特性を有するこ
とから、電気・電子部品および多層プリント配線板に広
く使用されている。これらエポキシ樹脂組成物は、ハロ
ゲン原子を骨格に導入したり、ハロゲン化合物、アンチ
モン化合物、有機リン化合物等を添加することにより、
難燃性を付与することが一般的である。しかし、ハロゲ
ン原子をエポキシ樹脂骨格に導入したり、ハロゲン化合
物を難燃剤として用いた場合、焼却時、ダイオキシン類
を発生する可能性がある。また、アンチモン化合物は、
発ガン性が指摘されている。また、有機リン化合物は、
エポキシ樹脂に添加した場合、可塑剤となりガラス転移
温度の低下による耐熱性低下や、吸水率、電気特性の低
下を引き起こすため、これらの物質を含まない難燃性エ
ポキシ樹脂組成物の要求が強くなっている。
【0003】本発明は、多層プリント配線板製造におい
て有用な難燃性を有し、かつ耐熱性・電気絶縁特性並び
に導体層の接着強度に優れた熱硬化性エポキシ樹脂組成
物及びこれを用いた成型物を提供することを目的として
いる。更に、これら難燃性エポキシ樹脂組成物及び/又
はその成型物を用いた多層プリント配線板を提供するこ
とを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは鋭意研究した結果、有機溶剤に難溶
で、かつはんだ付け温度より高い融点(約330℃)を
持ち、更に加水分解性の少ない特定化学式で示されるホ
スフィン誘導体を難燃剤として、エポキシ樹脂組成物に
添加することにより、所期した特性を満足し得ることを
見出し、以下に示すような発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明によれば、第一の態様とし
て、(A)1分子中に2個以上のエポキシ基を有する樹
脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)下記一般式
(1)
【化3】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
硫黄原子を示す。)又は、下記一般式(2)
【化4】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるシクロ
アルキレンホスフィン誘導体の1種又は2種以上を含有
すること特徴とする難燃性エポキシ樹脂が提供される。
好適な態様においては、前記エポキシ樹脂硬化剤(B)
が、フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化
合物であることを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物
がある。また、別の好適な態様として、前記組成物に、
(D)平均粒子径が5μm以下の無機充填剤及び/又は
有機充填材を50質量%以下の範囲で含有させることを
特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物がある。
【0006】また、第二の態様として、前記難燃性樹脂
組成物を有機溶剤に溶かしたワニスを、フィルム、又は
銅箔、又はガラスクロスに塗布又は含浸した後、乾燥し
て得られる成型物がある。更に、第三の態様として、前
記難燃性樹脂組成物及び/又はその成型物を用いて得ら
れる多層プリント配線板がある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第一の態様として、
(A)1分子内に2個以上のエポキシ基を有する樹脂、
(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)下記一般式(1)
【化5】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
硫黄原子を示す。)又は下記一般式(2)
【化6】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるシクロ
アルキレンホスフィン誘導体の1種又は2種以上を含有
することを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物が提供
される。
【0008】以下に本発明に係わる各成分について、詳
しく説明する。
【0009】本発明で用いる(A)1分子内に2個以上
のエポキシ基を有する樹脂(以下、エポキシ樹脂と、称
す。)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂、ビスフェノールA型ノボラックエポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエン型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレ
ート、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹
脂、前記エポキシ樹脂にリン化合物を付加した物など公
知慣用のエポキシ樹脂が使用できるが、これらに限定さ
れるものではなく、単独また2種類以上を組み合わせて
用いることができる。
【0010】前記(B)エポキシ樹脂硬化剤としては、
フェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合
物、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノ
ボラック樹脂、アラルキルフェノール樹脂、テルペンフ
ェノール樹脂、ナフトール変性フェノール樹脂、ジシク
ロペンタジエン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA
型ノボラックフェノール樹脂、アミノトリアジンノボラ
ック樹脂などの公知慣用のフェノール樹脂類や4−ヒド
ロキシスチレンの共重合物などが使用できる。フェノー
ル性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物の好適な
使用量は、(A)エポキシ樹脂中のエポキシ基1.0当
量に対して、フェノール樹脂の水酸基が0.2〜1.3
当量の範囲であることが望ましい。前記配合量が、0.
2当量未満の場合、未反応のエポキシ基が多く残存し、
耐熱性が低下するので、好ましくない。又、前記配合量
が、1.3当量以上の場合、未反応の水酸基が多く残存
し、絶縁性の低下などので、好ましくない。これらフェ
ノール樹脂類の硬化促進剤としては、トリフェニルホス
フィンなどのホスフィン類;イミダゾール類などの3級
アミン類が使用できる。これらフェノール性水酸基を1
分子中に2個以上有する化合物を、(B)エポキシ硬化
剤として用いた場合、耐熱性、電気絶縁性、耐水性に優
れた硬化物が得られることから、特に好ましい。
【0011】その他の(B)エポキシ樹脂硬化剤として
は、脂肪族、脂環式、芳香族アミンなどのアミン化合
物;ポリカルボン酸およびその無水物;ジシアンジアミ
ド;イミダゾール類などがある。上記脂肪族、脂環式、
芳香族アミンなどのアミン化合物としては、例えばエチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラアミン、2,2,4−ト
リメチル−1,6 ヘキサンジアミン、ポリアミドアミ
ンなどがあり、これらアミン化合物を使用する場合に
は、通常、エポキシ基1当量当たり、アミンの活性水素
当量が、0.3〜1.3当量の範囲で使用される。上記
ポリカルボン酸およびその無水物としては、例えば無水
フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒド
ロフタル酸、およびピロメリト酸二無水物などがあり、
これらは、エポキシ基1当量当たり、酸無水物当量が、
0.4〜1.1当量の範囲で使用される。これらには、
特に好適な促進剤としては、イミダゾール類、例えば2
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が
用いられる。上記イミダゾール類としては、例えば2−
エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−
2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4−ジメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ルなどの触媒系硬化剤がある。
【0012】本発明で使用される(C)成分のシクロア
ルキレンホスフィン誘導体は前記一般式(1)又は
(2)で示されるものであり、式中のR1は、炭素数4
〜9、好ましくは5〜8のシクロアルキレン基であり、
具体的には、シクロブチレン基、シクロペンタメチレン
基、シクロヘキサメチレン基、シクロヘプタメチレン
基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基等を挙げる
ことができる。また、式中のXは酸素原子又は硫黄原子
を示し、好ましくは酸素原子である。前記一般式(1)
又は(2)で表されるシクロアルキレンホスフィン誘導
体の具体的な化合物を例示すると、1,4−シクロペン
チレンホスホニル−1,4−ハイドロキノン、1,4−
シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハイドロキノ
ン、1,5−シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハ
イドロキノン、2−(1,4−シクロペンチレンホスホ
ニル)−1,4−ナフタレンジオール、2−(1,4−
シクロオクチレンホスホニル)−1,4−ナフタレンジ
オール、2−(1,5−シクロオクチレンホスホニル)
−1,4−ナフタレンジオール等を例示することが出来
る。なお、本発明において、前記したシクロアルキレン
ホスフィン誘導体は、反応原料から由来する該シクロア
ルキレンホスフィン誘導体同士の混合物であってもよ
い。
【0013】前記一般式(1)又は(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体は、下記反応式(1)
【化7】 (式中、R1及びXは前記と同義。)に従って、第2級
ホスフィン誘導体(化合物(3))と、ベンゾキノン
(化合物(4))又はナフトキノン(化合物(5))と
を反応させることにより製造できる。
【0014】また、前記した原料の第2級ホスフィン誘
導体(化合物(3))は、公知の方法により製造するこ
とができる。例えばシクロアルキレンホスフィンオキシ
ドの一例を示せば、下記反応式(2)
【化8】 で表される反応により、ホスフィン(化合物(6))
と、1,5−シクロオクタジエン(化合物(7))とを
ラジカル発生触媒の存在下に反応させて、1,4−シク
ロオクチレンホスフィン(化合物(8))と、1,5−
シクロオクチレンホスフィン(化合物(9))の混合物
を得た後(特開昭55−122790号公報参照)、こ
れを酸化することにより、目的とする1,4−シクロオ
クチレンホスフィンオキシドと1,5−シクロオクチレ
ンホスフィンオキシドの混合物を得ることができる。ま
た、前記一般式(1)又は(2)で表されるシクロアル
キレンホスフィン誘導体の製造方法において、前記原料
の第2級ホスフィン誘導体(化合物(3))に代えて、
下記一般式(3a)
【化9】 (式中、R1、Xは前記と同義である。)で表される第
2級ホスフィン誘導体を用いてもよい。また、前記一般
式(3)及び一般式(3a)で表される第2級ホスフィ
ン誘導体の互変異性体は温度によって一方の誘導体とな
るが、反応原料としては一般式(3)又は(3a)で表
される第2級ホスフィン誘導体のいずれか一方でもよ
く、また両者の混合物であってもよい。前記一般式(3
a)で表される第2級ホスフィン誘導体は、公地の方法
によって製造することができる。その一例を示すと、
“KOZOLAPOFF”,Vol.4,475頁に記
載されている方法により製造することができる。
【0015】前記一般式(1)又は(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体は、前記一般式(3)
及び(3a)で表されるシクロアルキレンホスフィン誘
導体から選ばれる少なくとも1種と、前記ベンゾキノン
(化合物(4))又は前記ナフトキノン(化合物
(5))の化合物とを不活性溶媒の存在下に反応させる
ことにより目的とする前記一般式(1)又は/及び
(2)で表されるシクロアルキレンホスフィン誘導体を
得ることができる。具体的には、前記一般式(3)及び
(3a)で表される第2級ホスフィン誘導体に対する前
記ベンゾキノン(化合物(4))又は前記ナフトキノン
(化合物(5))の化合物とのモル比は、第2級ホスフ
ィン誘導体1モルに対して1.0〜1.5、好ましくは
1.0〜1.2で、反応温度は、反応原料にもよるが、
0〜150℃、好ましくは25〜100℃であり、ま
た、反応時間は1〜8時間、好ましくは2〜5時間であ
る。不活性溶媒としては、前記した反応原料と目的生成
物とが不活性な溶媒であれば特に限定はないが、例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、
石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、ジアルキルエーテ
ル等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル
等のニトリル類、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族
炭化水素及び塩化メチレン、クロロホルム等のハロアル
カン類等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組合
わせて用いることができる。また、かかる製造方法にお
いて、所望により酸触媒や塩基性触媒を用いて、反応を
促進させることが出来る。酸触媒としては、例えば、塩
酸、硫酸、蓚酸、燐酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、フッ化
水素、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベ
ンゼンスルホン酸、トルフルオロ酢酸、氷酢酸等の1種
又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。塩基
性触媒としては、例えばナトリウム、カリウム又はリチ
ウム等のアルカリ金属、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコキ
シド、t−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルア
ミド等のアルキル金属化合物等の1種又は2種以上を組
み合わせて用いることが出来る。この場合、触媒の添加
量は、前記ベンゾキノン(化合物(4))又は前記ナフ
トキノン(化合物(5))の化合物に対して通常1〜1
0mol%、好ましくは1〜5mol%である。反応終
了後、濾過、乾燥し所望により粉砕、分級して製品とす
ることが出来るが、必要により常法の精製手段により精
製を行ってもよい。なお、前記一般式(1)又は(2)
で表されるシクロアルキレンホスフィン誘導体は、レー
ザー法により求められる平均粒径が100μm以下、好
ましくは0.1〜50μm、特に好ましくは1〜20μ
mのものを用いることが樹脂に対する分散性および優れ
た難燃効果を得る上で好ましい。かくすることにより、
前記一般式(1)又は(2)で表されるシクロアルキレ
ンホスフィン誘導体を製造することが出来る。
【0016】前記一般式(1)又は(2)で表されるシ
クロアルキレンホスフィン誘導体は、ヘキサン、トルエ
ン等の炭化水素系溶剤や水に不溶であり、アセトン、D
MF等の極性溶媒に対しても、溶解度が1g/溶媒10
0g以下と難溶性であり、又、融点(分解点)が約33
0℃ある事から、はんだ付けなどのプリント配線板製造
工程中でも、有機フィラーとして固体のまま存在し、溶
出等の悪影響を及ばさない。更に、リン原子が直接炭素
原子と結合したP−C骨格を有していることから、加水
分解性も低く耐水性も良好となる。この前記一般式
(1)又は(2)で表されるシクロアルキレンホスフィ
ン誘導体の配合量は、難燃性エポキシ樹脂組成物の中の
リン含有量として0.3〜10質量%、さらに好ましく
は、1〜8質量%の範囲が適当である。0.3質量%以
下では難燃性の効果が不十分であり、10質量%以上で
は、耐熱性、耐湿性、密着性等が低下するので好ましく
ない。
【0017】上記の難燃性エポキシ樹脂組成物には、
(D)平均粒子径が5μm以下で、無機及び/又は有機
充填材を、50質量%以下の範囲で含有させることがで
きる。(D)無機充填剤としては、例えば硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、チタ
ン酸バリウム、酸化ケイ素粉、球状シリカ、無定形シリ
カ、タルク、クレー、雲母粉などを用いることができ
る。また(D)有機充填剤としては、シリコンパウダ
ー、ナイロンパウダー、フッ素パウダー、ウレタンパウ
ダーやあらかじめ硬化したエポキシ樹脂の粉体、架橋ア
クリルポリマー微粒子、メラミン樹脂、グアナミン樹
脂、尿素樹脂やこれらのアルキルエーテル化樹脂などの
アミノ樹脂を熱硬化させた後、微粉砕したものなどが挙
げられる。また、フタロシアニン・ブルー、フタロシア
ニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエ
ロー、酸化チタン、カーボンブラック、染料等の公知公
用の着色剤を使用いることができる。これら無機または
有機充填材はこれらに限定されるものではなく、単独ま
た数種類を同時に用いても差し支えない。
【0018】更に必要に応じて、オルベン、ベントン等
の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系の消泡剤
及び/又はレベリング剤、イミダゾール系、チアゾール
系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性
付与剤のような添加剤を使用できる。更に、前記(A)
エポキシ樹脂や(B)エポキシ硬化剤を液状化するた
め、或いは各種塗布工程に合わせて粘度・調整するた
め、有機溶剤を希釈剤として用いても良い。これら有機
溶剤としては、公知慣用の溶剤、例えばアセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸
エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビト
ールアセテート等の酢酸エステル類;セロソルブ、ブチ
ルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチル
カルビトール等のカルビトール類;トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素類;その他、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなど
の極性溶媒類を単独又は2種以上組み合わせて使用する
ことができる。
【0019】更にまた、成型物の機械的強度、可とう性
を向上させるため、高分子ビスフェノールAエポキシ樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹
脂等を添加しても良い。これらを単独又は2種以上組み
合わせて使用することも可能である。
【0020】第2の態様として、本発明の難燃性エポキ
シ樹脂を用含むワニスを、フィルム又は銅箔又はガラス
クロスに塗布又は含浸させた成型物について説明する。
難燃性エポキシ樹脂組成物を含むワニスを、フィルム又
は銅箔に塗布・乾燥した成型物は、所定の有機溶剤で稀
釈し、フィルムコーター等で塗布・乾燥し作製する事が
できる。フィルムの材質としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどがある。また、銅箔としては、圧延銅
箔、電解銅箔などが挙げられる。またフィルムは、各種
前処理(マッド、コロナ処理)を行っても良く、フィル
ム厚は、5〜100μmが一般的である。この難燃性エ
ポキシ樹脂組成物を含むワニスをフィルムに塗布・乾燥
した成型物(以下、ドライフィルムと称す。)、または
銅箔に塗布・乾燥した成型物(以下、樹脂付銅箔と称
す。)は、保護フィルム等を貼り、シート状またはロー
ル状で保管される。
【0021】次に、本発明の難燃性エポキシ樹脂を含む
ワニスを、ガラスクロスに塗布又は含浸させた成型物に
ついて説明する。難燃性エポキシ樹脂組成物を含むワニ
スをガラスクロスに塗布又は含浸させた成型物は、所定
の有機溶剤で稀釈し、ロールコーター等で塗布、又は浸
積法等により含浸させた後乾燥し、作製する事ができ
る。この難燃性エポキシ樹脂組成物を含むワニスを、ガ
ラスクロスに塗布又は含浸させた成型物(以下、プリプ
レグと称す。)は、適切な大きさに切断され、冷暗所に
保管される。
【0022】本発明の第3の態様について説明する。即
ち、本発明の難燃性樹脂組成物、又前記の難燃性エポキ
シ樹脂を含むワニスを、フィルム又は銅箔又はガラスク
ロスに塗布又は含浸させた成型物を用いた多層プリント
配線板の製造方法に関して説明する。本発明の難燃性エ
ポキシ樹脂組成物を、各種塗布工程に合わせ有機溶剤を
用い稀釈した後、内層導体回路が形成されたプリント配
線板上に、スクリーン印刷・カーテンコート・ロールコ
ート・スプレーコートなど公知慣用の方法を用いて塗布
・乾燥する。乾燥条件は、使用する溶剤により異なる
が、60〜150℃で、5〜60分の範囲が好ましい。
乾燥後、必要に応じて、熱硬化する。熱硬化条件は、1
30℃〜200℃で、15〜90分の範囲が好ましい。
このようにして、多層プリント配線板の中間絶縁層が形
成される。
【0023】また、前記のように作製されたドライフィ
ルムは、パターン形成されたプリント配線板に両面から
張り合わせる。さらに加圧することにより基板の平滑性
が増す。一般的なラミネート条件としては、温度が70
〜150℃、圧着圧力が1〜20MPaであり、減圧下で
ラミネートすることが好ましい。ラミネート後、必要に
応じ熱硬化を行う。熱硬化条件は130℃〜200℃で
15〜90分の範囲が好ましい。このようにして、多層
プリント配線板の中間絶縁層が形成される。
【0024】上記のような本発明の難燃性エポキシ樹脂
組成物で形成された絶縁層を最外層に持つプリント配線
板は、スルホール及びバイアホール部をドリルまたはレ
ーザーで穴開けを行い、絶縁層表面を粗化剤処理し微妙
な凹凸を形成する。絶縁層の粗化方法としては、絶縁樹
脂層が形成された基板を酸化剤等の溶液中に浸漬する方
法や、酸化剤等の溶液をスプレーする方法などの仕様に
応じて、実施することができる。粗化処理剤の具体例と
しては、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン、過酸
化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤、N−メチル−2−ピロ
リドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メトキシプロ
パノール等の有機溶剤、また苛性ソーダ、苛性カリ等の
アルカリ性水溶液、硫酸、塩酸などの酸性水溶液、又は
各種プラズマ処理などを用いることができる。またこれ
らの処理は併用して用いてもよい。
【0025】上記のように、絶縁層が粗化されたプリン
ト配線板上は、次いで蒸着、スパッタリング、イオンプ
レーティング等の乾式めっき、もしくは無電解・電解め
っき等の湿式めっきにより導体層を形成する。この時導
体層とは逆パターンのめっきレジストを形成し、無電解
めっきのみで導体層を形成してもよい。このように導体
層が形成された後、アニール処理することにより、熱硬
化性樹脂の硬化が進行し導体層のピール強度をさらに向
上させることもできる。このようにして、最外層に導体
層を形成することができる。
【0026】また、前記の樹脂付銅箔およびプリブレグ
は、真空プレスで積層する事により、多層化できる。樹
脂付銅箔は、内層回路が形成されたプリント配線板上
に、真空プレスで積層し、最外層が導体層のプリント配
線板が出来る。また、プリプレグは、銅箔と供に、内層
回路が形成されたプリント配線板上に、真空プレスで積
層し、最外層が導体層のプリント配線板が出来る。コン
ホーマル工法等で所定のスルーホール及びバイアホール
部をドリルまたはレーザーで穴開けを行い、スルホール
及びバイアホール内をデスミア処理し、微細な凹凸を形
成する。次に、無電解・電解めっき等の湿式めっきによ
り、層間の導通を取る。
【0027】さらに、必要に応じてこれらの工程を数回
繰り返し、更に、最外層の回路形成が終了した後、難燃
性エポキシ樹脂組成物からなるソルダーレジストを、ス
クリーン印刷法によるパターン印刷・熱硬化、又はカー
テンコート・ロールコート・スプレーコートによる全面
印刷・熱硬化後レーザーでパターンを形成することによ
り、所望の多層プリント配線板を得る。
【0028】以下に、実施例及び比較例示して本発明を
より詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるも
のではない。
【0029】
【合成例1】反応容器に1,5−シクロオクタジエン1
843g(16.69mol)とトルエン3750ml
を仕込み、十分に窒素置換した。続いてホスフィン73
1g(21.50mol)を仕込み、60℃に昇温し
た。ラジカル開始剤として、2,2−アゾビス−(2,
4−ジメチルバレロニトリル)58.8g(0.237
mol)を3時間かけて圧入し、60℃にて一晩熟成
し、1,4−シクロオクチレンホスフィンと1,5−シ
クロオクチレンホスフィンよりなる混合物のトルエン溶
液を得た。(混合物の純度31.9wt%、1,4−シ
クロオクチレンホスフィン:1,5−シクロオクチレン
ホスフィン=38.4:61.6(GC相対面積比)) 攪拌機、コンデンサー、滴下ロートを備え付けた200
0mlの4つ口フラスコを十分に窒素置換した後、上記
反応液の一部434.6g(0.975mol)を室温
下にて仕込んだ。さらにメタノール440gを仕込み氷
浴にて約5℃に冷却した後、過酸化水素106.5g
(1.05mol)を滴下ロートより約3時間かけて滴
下した。反応の終点はガスクロマトグラフ法にて判断し
た。酸化反応終了後、ロータリーエバポレーターで濃縮
して、無色の結晶1,4−シクロオクチレンホスフィン
オキシドと1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシ
ドよりなる混合物152.8g(0.966mol、
1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシド:1,5
−シクロオクチレンホスフィンオキシド=39.4:6
0.6(NMR相対面積比))を得た。かき混ぜ装置,
温度計を備えた反応容器に、室温下、トルエン900m
lに、1,4−シクロオクチレンホスフィンオキシド及
び1,5−シクロオクチレンホスフィンオキシドの混合
物183.5g(純度87.0%,1.00mol)を
仕込み、攪拌して溶解させた。この反応液を70℃へ昇
温した後、微粉末の1,4−ベンソキノン108.7g
(1.00mol)を約3時間かけて少量づつ添加し
た。添加終了後、70℃で約1時間熟成した後、室温ま
で冷却して生じた析出物をろ過、冷メタノールで3回洗
浄した後に80℃で減圧乾燥することにより、1,4−
シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハイドロキノン
及び1,5−シクロオクチレンホスホニル−1,4−ハ
イドロキノンの混合物192.7g(0.724mo
l)を淡黄色結晶性粉末として得た(以下、「CPHO
−HQ」と称す)。収率72.4%。更に、これをミキ
サーにより粉砕を行ってレーザー散乱式粒度測定法(マ
イクロトラック)により求められる平均粒径が11.6
μmの粉末とした。1 H NMR(300MHz,CD3 OD) δ 1.4
3〜2.83(m,14H),6.77〜6.91
(m,3H)31 P NMR(121.5MHz,CD3 OD) δ 4
2.5(s),66.8(s) FAB−MS(Pos.,m/z)267[M+H]+ IR(KBr,cm-1)3157(υOH),3080
(arom υC−H),1225(υP=O)
【0030】
【合成例2】合成例1と同様に1,4−シクロオクチレ
ンホスフィンオキシドと1,5−シクロオクチレンホス
フィンオキシドよりなる混合物を得た後、合成例1と同
じ装置に、室温下、トルエン750mlに、1,4−シ
クロオクチレンホスフィンオキシド及び1,5−シクロ
オクチレンホスフィンオキシドの混合物263.6g
(合計純度90.0%、1.50mol)を仕込み、攪
拌して溶解させた。この溶液を100℃に昇温した後、
1,4−ナフトキノン237.4g(1.50mol)
とトルエン1100mlのスラリー状態のものを約6時
間かけて少量づつ滴下した。滴下終了後、100℃で2
時間熟成、次いで室温まで冷却して生じた析出物をろ
過、冷メタノールで3回洗浄した後に80℃で減圧乾燥
することにより、2−(1,4−シクロオクチレンホス
ホニル)−1,4−ナフタレンジオール及び2−(1,
5−シクロオクチレンホスホニル)−1,4−ナフタレ
ンジオールの混合物302.22g(0.955mo
l)を淡黄色結晶性粉末として得た(以下、「CPHO
−NQ」と称す)。収率63.6%。更に、これをミキ
サーにより粉砕を行ってレーザー散乱式粒度測定法(マ
イクロトラック)により求められる平均粒径が9.8μ
mの粉末とした。1 H NMR(300MHz,CD3 OD) δ 1.6
7〜2.70(m,14H),6.63(s,1H)、
7.40(m,1H),7.81(m,1H)、8.1
0(m,2H)31 P NMR(121.5MHz,CD3 OD) δ 5
5.3(s),79.8(s) DI−EI(m/z)316 IR(KBr,cm-1)3179(υOH),3090
(arom υC−H),1205(υP=O)
【0031】
【実施例1】ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパ
ンエポキシレジン株式会社製;エピコート828)8
0.0質量部、ビフェノール型エポキシ樹脂(油化シェ
ルエポキシ株式会社製;YX−4000)20.0質量
部、フェノールノボラック樹脂(昭和高分子株式会社
製;BRG−556)60.0質量部をカルビトールア
セテート40質量部に溶かしたワニス100質量部、末
端水酸基分子内エポキシ化物(出光石油化学株式会社
製;Poly bd R−45EPI)20.0質量
部、イミダゾール(四国化成工業株式会社製;キュアゾ
ール2MZ−A)1.0質量部、合成例1で得られたC
PHO−HQ 30.0質量部、軽質炭酸カルシウム1
0.0質量部を配合したワニスを作製した。このワニス
をサブトラクティブ法により、第一の回路層を形成した
ガラスエポキシ銅張積層板上と銅箔上にスクリーン印刷
法にて塗布後、110℃×20分にて乾燥、150℃×
30分で硬化し、厚さ60μmの絶縁樹脂層を形成した
プリント配線板を作製した。また、このプリント配線板
については、膨潤液に80℃,5分間浸漬して水洗し、
次いで、粗化液に80℃,10分間浸漬して水洗し、さ
らに、還元液に50℃,5分間浸漬して水洗することに
より、絶縁樹脂層表面を粗化した。上記、絶縁樹脂表面
を粗面化したプリント配線板を、無電解めっき液に35
℃,10分間浸漬して無電解めっきを施し、水洗し、1
00℃,30分間のアニーリングを行った。ここで得ら
れた無電解銅めっきの膜厚は、0.3μmであった。さ
らに、硫酸銅溶液を用いた電解めっきにより、厚さ18
〜20μmの電解銅めっき層を形成後、最外層が銅箔の
多層プリント配線板を作製した。この最外層の銅箔上
に、エッチングレジストを用いて、IPC B−25
bクーポンのクシ電極パターン、はんだ耐熱性測定用パ
ターン、及びピール強度測定用の銅ベタパターンを形成
した。このクシ型パターン及びはんだ耐熱測定用パター
ン上に、上記ワニスをスクリーン印刷法にてパターン印
刷し、150℃で60分間のアフターベークを行い、多
層プリント配線板を作製した。
【0032】
【実施例2】実施例1の軽質炭酸カルシウムを除いたこ
と以外は、実施例1と同様の多層プリント配線板作製し
た。
【0033】
【実施例3】ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパ
ンエポキシレジン株式会社製;エピコート828)2
0.0質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャ
パンエポキシレジン株式会社製;エピコート1001)
30.0質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジ
ャパンエポキシレジン株式会社製;エピコート101
0)15.0質量部、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂(大日本インキ化学株式会社製;エピクロンN−6
90)35.0質量部、ジシアンジアミド8.0重量
部、合成例1で得られたCPHO−HQ 30質量部
に、メチルエチルケトンを加えて、不揮発成分濃度5
5.0%になるようにワニスを調整した。このワニスを
ガラス織布(日清紡績株式会社製;厚さ0.2mm)1
00質量部に対し、ワニス固形分80質量部となる様に
含浸させ、130℃〜150℃にて乾燥しプリプレグを
作製した。これを6枚重ね、両側に厚さ18μmの銅箔
を重ね、真空プレス機で170℃,120分加熱加圧
し、積層板を作製した。この積層板の最外層の銅箔に、
エッチングレジストを用いて、IPC B−25 bク
ーポンのクシ型電極パターン、はんだ耐熱性測定用パタ
ーン、及びピール強度測定用の銅ベタパターンを形成し
た。 このクシ型パターン及びはんだ耐熱測定用パター
ン上に、上記ワニスをスクリーン印刷法にてパターン印
刷し、150℃で60分間のアフターベークを行い、多
層プリント配線板を作製した。
【0034】
【実施例4】ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(東都
化成株式会社製;YP−50)30.0質量部フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式
会社製;エピコート152)30.0質量部、ビフェノ
ール型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製;
YX−4000)30.0質量部、フェノールノボラッ
ク樹脂(昭和高分子(株)製;BRG−556)37.
0質量部、イミダゾール(四国化成工業株式会社製;キ
ュアゾール2PHZ)1.0質量部、合成例1で得られ
たCPHO−HQ 30.0質量部、軽質炭酸カルシウ
ム10.0質量部を、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテートに溶かしたワニスを作製した。この
ワニスを厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、乾燥後厚さが60μmとなるように塗布
し、110℃〜150℃にて残溶剤量が5質量%以下と
なる接着フィルムを得た。これを実施例1で用いたもの
と同じガラスエポキシ銅張積層板上に真空ラミネーター
により70℃でラミネートし、150℃で熱硬化して、
多層プリント配線板を作製した。また実施例1と同様の
方法で、この基板に銅めっき層を形成し、熱硬化後、エ
ッチングレジストを用いて、IPC B−25 bクー
ポンのクシ型電極パターン、はんだ耐熱性測定用パター
ン、及びピール強度測定用の銅ベタパターンを形成し
た。このクシ型パターン及びはんだ耐熱測定用パターン
上に、上記ワニスをスクリーン印刷法にてパターン印刷
し、150℃で60分間のアフターベークを行い、多層
プリント配線板を作製した。
【0035】
【実施例5】実施例4のワニスを、厚さ18μmの銅箔
粗化面に乾燥後厚さ60μmとなるように塗布し、13
0℃〜150℃にて乾燥し、樹脂付き銅箔を作製した。
これを実施例1で用いたものと同じガラスエポキシ銅張
積層板上に、真空ラミネーターにより70℃でラミネー
トした後、真空プレス機で170℃,120分加熱加圧
し、積層板を作製した。この積層板の最外層の銅箔に、
エッチングレジストを用いて、IPC B−25 bク
ーポンのクシ型電極パターン、はんだ耐熱性測定用パタ
ーン、及びピール強度測定用の銅ベタパターンを形成し
た。このクシ型パターン及びはんだ耐熱測定用パターン
上に、上記ワニスをスクリーン印刷法にてパターン印刷
し、150℃で60分間のアフターベークを行い、多層
プリント配線板を作製した。
【0036】
【実施例6】実施例1のワニスにおけるCPHO−HQ
を、合成例2で得られたCPHO−NQ 30質量部に
代えたこと以外は、実施例1と同様にして多層プリント
配線板作製した。
【0037】
【比較例1】実施例1のワニスにおいて、CPHO−H
Qを添加しないこと以外は実施例1と同様にして基板を
作製した。
【0038】
【比較例2】実施例1のワニスにおいて、CPHO−H
Qの代わりにリン酸エステル(第八化学工業製株式会社
製;PX−200)20,0重量部したこと以外は、実
施例1と同様にして基板を作製した。
【0039】実施例及び比較例で作製した多層プリント
配線板を用いて、ピール強度測定、はんだ耐熱性、難燃
性、電気特性を、以下のように測定した。得られた特性
結果を、表1に示す。
【0040】(1)ピール強度 実施例及び比較例で得られた多層プリント配線板の銅ベ
タのピール強度測定用パターンを1cm幅に剥がし、J
IS C6481に準拠し、ピール強度(N/cm)を
測定した。
【0041】(2)はんだ耐熱性 実施例及び比較例で得られた多層プリント配線板に、ロ
ジン系フラックスを塗布して260℃のはんだ槽に60
秒浸漬後、セロハンテープによるピーリング試験を行っ
た後の塗膜状態を評価した。 ○:ピーリング後に塗膜に変化のないもの。 ×:ピーリング後に剥離を生じるもの。
【0042】(3)難燃性 実施例及び比較例で得られた多層プリント配線板を、U
L94燃焼性試験に準じて測定した。
【0043】(4)絶縁抵抗 IPC B−25 bクーポンのクシ型電極に、印加電
圧DC12Vを印加し、85℃,85%RHの恒温恒湿
槽に、1000時間入れた後、印加電圧DC500V、
1分値を測定した。 ○:5.0×108以上 ×:5.0×108未満
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明は、多層プリント配線板におい
て、難燃性を有し耐熱性・電気絶縁特性並びに導体層の
接着強度を同時に満足する熱硬化性エポキシ樹脂組成物
及びこれを用いた成型物を提供でき、さらには、ノンハ
ロゲンの回路形成されたプリント配線板と併用すること
により、ノンハロゲンで難燃性を有する多層プリント配
線板を提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 健 東京都江東区亀戸9丁目11番地1号 日本 化学工業株式会社研究開発本部内 Fターム(参考) 4F100 AA01A AA01H AA08H AB17B AB33B AG00B AH02A AH02H AH04A AH04H AH07A AH07H AK01B AK33 AK53A AL05A BA02 BA03 CA02A CA08A CA23A DG12B GB43 JG04 JJ03 JJ07A JK06 YY00A YY00H 4J036 DB08 DD07 FA03 FA04 FA05 FB02 FB09 FB10 FB13 FB16 JA08 5E314 AA32 AA41 BB02 BB13 CC01 FF01 GG03 GG08 GG11 5E346 AA12 AA15 AA17 AA32 BB01 CC09 CC32 DD02 DD03 DD12 EE07 EE09 EE31 GG28 HH08 HH11 HH18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基
    を有する樹脂、(B)エポキシ樹脂硬化剤、(C)下記
    一般式(1) 【化1】 (式中、R1はシクロアルキレン基、Xは酸素原子又は
    硫黄原子を示す。)又は、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R1及びXは前記と同義。)で表されるシクロ
    アルキレンホスフィン誘導体の1種又は2種以上を含有
    することを特徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記(B)エポキシ樹脂硬化剤が、フェ
    ノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の難燃性エポキシ樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記組成物において、(D)平均粒子径
    が5μm以下の無機充填剤及び/又は有機充填材を、5
    0質量%以下の範囲で含有させることを特徴とする請求
    項1又は2記載の難燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載の樹脂組成物を含むワニ
    スをフィルム又は銅箔又はガラスクロスのいずれか1つ
    に塗布又は含浸した後、乾燥して得られる成型物。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載の難燃性エポキシ樹脂組
    成物及び/又は成型物を用いて得られる多層プリント配
    線板。
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