JP2003192418A - コンクリート組成物 - Google Patents
コンクリート組成物Info
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- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/91—Use of waste materials as fillers for mortars or concrete
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
さいコンクリートとすることができ、骨材の枯渇問題の
抜本的対策となり得るマサ土の有効利用と、産業副産物
である高炉徐冷スラグの有効利用にもなるなどの効果を
奏する、主に、土木建築業界において使用されるコンク
リート組成物を提供すること。 【解決手段】 水硬性材料、高炉徐冷スラグ粉末、及び
細骨材を含有してなり、細骨材の少なくとも一部がマサ
土であるコンクリート組成物、高炉徐冷スラグ粉末が非
硫酸態イオウとして存在するイオウを0.5%以上含有し
てなる、ガラス化率が30%以下である、及び/又はブレ
ーン比表面積が4,000cm2/g以上である該コンクリート組
成物を構成とする。
Description
界において使用されるコンクリート組成物に関する。な
お、本発明のコンクリートはセメントモルタルも含有す
るものである。また、本発明における部や%は特に規定
しない限り質量基準で示す。
枯渇が問題視されている。特に、西日本では、海砂が細
骨材の主流であるが、コンクリートの耐久性に悪影響を
与えるなどの課題があった。しかも、平成10年から、広
島県の瀬戸内海における海砂の採取が全面的に禁止さ
れ、これにより、細骨材の供給不足が懸念されており、
新たなコンクリート用細骨材の検討が急務となってい
る。
サ土の細骨材としての利用が検討されている。しかしな
がら、マサ土は一部粘土化した鉱物を含有するため、骨
材として用いると、スランプロスが大きくなるという課
題があった。
保持性能に優れるコンクリート組成物を得る方法とし
て、ポリカルボン酸系高性能減水剤を必須成分としたコ
ンクリート組成物が提案されている(特開2001-048607号
公報)。しかしながら、このコンクリート組成物は、分
散能力やその保持能力が大きいポリカルボン酸系高性能
減水剤を多量に併用するものであり、砂の表面水の変動
や、洗い水の混入などの影響を敏感に受け、スランプ値
がバラツキやすいという課題があった。また、ポリカル
ボン酸系高性能減水剤はコンクリート添加剤として高価
なものであり、これを多量に添加することは不経済であ
るという課題もあった。
有用なマサ土の利用を可能としながらも、ポリカルボン
酸系高性能減水剤を必須としなくても、通常の減水剤や
AE減水剤の使用で、あるいは、減水剤等の添加なしで
も流動性の保持が容易となるコンクリートの開発が強く
待たれているのが実状である。
グ又はバラスとも呼ばれ、水硬性を示さない。そのた
め、主に路盤材として利用されてきたが、最近では再生
骨材が路盤材へ優先的に利用されるようになり、従来の
用途を失いつつあり、その有効利用方法については未だ
に模索状態にある。
グ粉末とマサ土を使用することにより、ポリカルボン酸
系高性能減水剤を併用せずにコンクリートを調製して
も、流動性の保持性能が良好なばかりでなく、多機能な
コンクリートが得られ、しかも、これら産業副産物の有
効利用にも繋がることを知見し、本発明を完成するに至
った。
材料、高炉徐冷スラグ粉末、及び細骨材を含有してな
り、細骨材の少なくとも一部がマサ土であるコンクリー
ト組成物であり、高炉徐冷スラグ粉末が非硫酸態イオウ
として存在するイオウを0.5%以上含有してなる該コン
クリート組成物であり、高炉徐冷スラグ粉末のガラス化
率が30%以下及び/又はブレーン比表面積が4,000cm2/g
以上である該コンクリート組成物である。
されるものではなく、水と水和反応して硬化する性質を
有する物質を総称するものであり、通常、セメントや潜
在水硬性物質が使用可能である。セメントとしては、普
通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトラ
ンドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉ス
ラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合
セメント、また、石灰石粉末等を混合したフィラーセメ
ント、並びに、産業廃棄物利用型セメント、いわゆるエ
コセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二
種以上が使用可能である。また、潜在水硬性物質とは、
アルカリ性雰囲気で水硬性を呈するものや、アルカリ性
物質と反応して水和物を生成する物質を総称するもので
あり、その具体例として、高炉水砕スラグ、フライアッ
シュ、シリカフューム、珪藻土、シリカダスト、及び籾
殻灰等が挙げられる。
下、徐冷スラグ粉という)は徐冷されて結晶化した高炉
スラグの粉末である。徐冷スラグ粉の成分は、高炉水砕
スラグと同様の組成を有しており、具体的にはSiO2、Ca
O、Al2O3、及びMgOなどを主要な化学成分とし、その他
の成分として、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3
などの微量成分が挙げられる。化学成分の割合は特に限
定されるものではないが、通常、主成分である、SiO2は
25〜45%、CaOは30〜50%、Al2O3は10〜20%、及びMgO
は3〜10%程度であり、微量成分はそれぞれ2%以下で
ある。また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3
・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、
いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシ
ウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、
及びワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケー
ト、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・
MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、ア
ノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)
・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe
3O4、並びに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeSなどの硫
化物等を含む場合がある。
ば、硫化物、多硫化物、イオウ、チオ硫酸、及び亜硫酸
等のように非硫酸態イオウとして存在するイオウ(以
下、単に非硫酸態イオウという)を0.5%以上含むものを
粉末化した徐冷スラグ粉が好ましい。非硫酸態イオウが
0.5%未満では、本発明の効果、即ち、流動性の保持性
能が充分に得られない場合がある。非硫酸態イオウは、
0.5%以上が好ましく、0.7%以上がより好ましく、0.9
%以上が最も好ましい。非硫酸態イオウ量は、全イオウ
量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオ
ウ量、及び硫酸態イオウ(三酸化イオウ)量を山口と小野
の方法により定量することによって、また、硫酸態イオ
ウ量(三酸化イオウ)と硫化物態イオウ量については、JI
S R 5202に定められた方法により定量することによって
も求めることができる(「高炉スラグ中硫黄の状態分
析」、山口直治、小野昭紘:製鉄研究、第301号、pp.37
-40、1980参照)。
好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率が30%
を越えると、本発明の効果、すなわち、流動性の保持性
能が充分に得られない場合がある。本発明でいうガラス
化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求めら
れる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる徐
冷スラグ粉中の主要な結晶性化合物であるメリライト
(ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・M
gO・2SiO2の混晶)のメインピークの面積であり、S0は徐
冷スラグ粉を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/
分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピー
クの面積を表す。
のではないが、ブレーン比表面積(以下、ブレーン値と
いう)で、4,000cm2/g以上が好ましく、4,500cm2/g以上
がより好ましく、5,000cm2/g以上が最も好ましい。4,00
0cm2/g未満では、本発明の効果、即ち、流動性の保持性
能が充分に得られない場合がある。
のではないが、通常、水硬性材料と徐冷スラグ粉からな
る混合物100部中、3〜60部が好ましく、5〜50部がよ
り好ましい。3部未満では本発明の効果が充分に得られ
ない場合があり、60部を超えて使用すると強度発現性が
悪くなる場合がある。
のではなく、いわゆる風化花崗岩を総称するものであ
る。マサ土とは、花崗岩質岩石の結晶性深成岩又はこれ
と同質の片麻岩が風化してその場に残留した残積土、さ
らに、これらからもたらされる崩積土等である。花崗岩
類は、主に、石英や長石などのFeやMgを含まない無色鉱
物や、カンラン石、輝石、角セン石、及び黒雲母等のFe
やMgを含む有色鉱物からなり、風化に伴って長石と有色
鉱物が粘土化したもので、通常、骨材としては使用され
てにくいものである。また、マサ土の鉱物組成は地域や
採取場所によって異なる。マサ土は、洗浄して微粒分を
除去して使用することが考えられるが、本発明では、水
で洗浄したもの、あるいは洗浄していないもののいずれ
も使用可能であるが、洗浄していないものが経済性の面
から好ましく、洗浄していない、流動性の低下が顕著で
あるマサ土を使用しても、流動性の保持性能に優れるコ
ンクリート組成物が得られる点が大きな特徴である。マ
サ土は細骨材に置換して使用できる。マサ土の使用量は
特に限定されるものではなく、細骨材の一部あるいは全
部を置換して用いることができるが、通常、細骨材への
置換率は5〜50%が好ましく、10〜30%がより好まし
い。5%未満ではマサ土の利用率の観点から充分でな
く、50%を超えると強度発現性が極端に悪くなる場合が
ある。
及びマサ土の他に、天然に産出するマサ土以外の骨材、
再生骨材、及び各種のスラグ骨材等の骨材、減水剤、高
性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、消泡剤、
増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、ポリマー系材
料、凝結調整剤、膨張材、急硬材、ベントナイト等の粘
土鉱物、並びに、ハイドロタルサイト等のアニオン交換
体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質
的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混
合しても良いし、あらかじめ一部を、あるいは全部を混
合しておいても差し支えない。混合装置としては、既存
のいかなる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキ
サ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及
びナウタミキサなどの使用が可能である。
する。
とマサ土を表1に示す量使用し、単位セメント量350kg/
m3、単位水量175kg/m3、s/a=46%、及び空気量4.5±1.5
%のコンクリートを調製し、スランプの経時変化の測定
を行った。ただし、マサ土は細骨材に置換して配合し
た。結果を表1に併記する。なお、コンクリートのスラ
ンプ値が18±1.5cmとなるようにAE減水剤を使用し
た。また、比較のため、スラグ粉として高炉水砕スラグ
を使用して同様に実験を行った。結果を表1に併記す
る。
社製、比重3.15 スラグ粉a:徐冷スラグ粉、ブレーン値4,000cm2/g、ガ
ラス化率5%、比重3.00、非硫酸態イオウ0.9% スラグ粉b:徐冷スラグ粉、ブレーン値4,500cm2/g、ガ
ラス化率5%、比重3.00、非硫酸態イオウ0.9% スラグ粉c:徐冷スラグ粉、ブレーン値5,000cm2/g、ガ
ラス化率5%、比重3.00、非硫酸態イオウ0.9% スラグ粉d:徐冷スラグ粉、ブレーン値6,000cm2/g、ガ
ラス化率5%、比重3.00、非硫酸態イオウ0.9% スラグ粉e:徐冷スラグ粉、ブレーン値8,000cm2/g、ガ
ラス化率5%、比重3.00、非硫酸態イオウ0.9% スラグ粉f:徐冷スラグ粉、スラグ粉dを水に浸漬して
エイジングし、非硫酸態イオウを0.7%にしたもの、ブ
レーン値6,000cm2/g、ガラス化率5%、比重3.00 スラグ粉g:徐冷スラグ粉、スラグ粉dを水に浸漬して
エイジングし、非硫酸態イオウを0.5%にしたもの、ブ
レーン値6,000cm2/g、ガラス化率5%、比重3.00 スラグ粉h:徐冷スラグ粉、ブレーン値6,000cm2/g、ガ
ラス化率10%、比重2.97、非硫酸態イオウ0.7% スラグ粉i:徐冷スラグ粉、ブレーン値6,000cm2/g、ガ
ラス化率30%、比重2.94、非硫酸態イオウ0.5% スラグ粉j:高炉水砕スラグ、ブレーン値6,000cm2/g、
ガラス化率95%、比重2.90、非硫酸態イオウ0.6% マサ土 :鳥取県産、比重2.43 細骨材 :新潟県姫川産砂、比重2.62 粗骨材 :新潟県姫川産砕石、比重2.64 AE減水剤:リグニン系、市販品 水 :水道水
し、練り上がりのスランプ値から60分経過後のスランプ
値を差し引いて、スランプロス値とした。
したこと以外は実験例1と同様に行った。比較のため
に、スラグdを使用しない場合についても同様の実験を
行った。結果を表2に併記する。
を配合しているにもかかわらず、高性能減水剤を用いな
くても流動性の保持性能に優れ、スランプロスが小さい
コンクリートとすることができる。また、骨材の枯渇問
題の抜本的対策となり得るマサ土の有効利用と、産業副
産物である高炉徐冷スラグの有効利用にもなるなどの効
果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 水硬性材料、高炉徐冷スラグ粉末、及び
細骨材を含有してなり、細骨材の少なくとも一部がマサ
土であることを特徴とするコンクリート組成物。 - 【請求項2】 高炉徐冷スラグ粉末が非硫酸態イオウと
して存在するイオウを0.5%以上含有してなることを特
徴とする請求項1に記載のコンクリート組成物。 - 【請求項3】 高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%
以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコ
ンクリート組成物。 - 【請求項4】 高炉徐冷スラグ粉末のブレーン比表面積
が4,000cm2/g以上であることを特徴とする請求項1〜3
のうちの一項に記載のコンクリート組成物。
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