JP3871596B2 - スラリー状セメント混和材及びそれを用いたセメントコンクリート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に土木・建築分野で使用されるスラリー状セメント混和材及びそれを用いたセメントコンクリートに関する。
なお、本発明のセメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称するものである。
また、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
【0002】
【従来の技術とその課題】
ガラス化した高炉水砕スラグは、セメントクリンカーに多量混和しても長期強度は低下しないという優れた潜在水硬性を有しているため、高強度コンクリートや高流動コンクリートなど様々な分野で研究がなされている(安戸賢一他、「高炉スラグ粉末の高強度コンクリートへの適用性について」、第45回セメント技術大会講演集、pp.184-189、1991など参照)。
しかしながら、ガラス化した高炉水砕スラグは強度発現性を示す反面、それに伴う水和発熱と自己収縮が大きくなるという課題を有していた。
水和発熱と自己収縮が大きくなることは、ひび割れを誘発する要因であるため、耐久的な鉄筋コンクリート構造物を構築する上で好ましくない現象である。
【0003】
一方、高炉水砕スラグと同様、高炉スラグの一種であるが、溶融した高炉スラグを徐冷した、高炉徐冷スラグは別名結晶化スラグとも呼ばれ、水硬性を示さない。そのため、主に路盤材として利用されてきたが、最近では再生骨材が路盤材へ優先的に利用されるようになり、従来の用途を失いつつある(「高炉スラグのセメント・コンクリートへの利用」、無機マテリアル、Vol.6、pp.62-67、1999)。
【0004】
また、近年、コンクリートの耐久性が大きくクローズアップされ、耐久的なコンクリートに関する指針や標準示方書が各学術団体より発行されている。
特に、コンクリートの水/セメント比が耐久性に大きな影響をおよぼすことから、単位水量の低減を目的として、高性能減水剤や高性能AE減水剤の使用頻度が急増し、その指針も出されている。
しかしながら、単位水量を低減すればするほど、コンシステンシーの経時変化が大きく、流動性が低下しやすいという課題があり、この課題に対して抜本的な対策がないのが現状である。
【0005】
特に流動性の低下が大きな課題として取り上げられる例は高流動コンクリートである。
高流動コンクリートは、施工の良否の影響を受けないように開発されたコンクリートであり、自己充填性が良好であることが最大の特徴である。
通常、コンクリートは、生コンプラントから施工現場まで搬送し、さらに一定時間流動性を維持することが必要となる。
ところが、現場で何らかのトラブルや交通渋滞に巻き込まれた場合には、所定の時間を大きく上回ることになり、コンクリートの流動性が所定の規格外になってしまうことが多い。このような場合には、減水剤等を追加添加して再び流動させる、いわゆる再流動化処理を行う以外に方法がないのが現状である。
しかしながら、この再流動化処理は、減水剤等の添加量の調節が難しく、添加しすぎた場合には材料分離等の危険性があり、熟練した技術が必要となるなどの課題があった。
【0006】
一方、環境問題の観点から、人体に悪影響をおよぼす6価クロムの低減に関しても大きな期待が寄せられている。汚染された土壌中やコンクリート排水中の6価クロムは還元剤や吸着剤等によってその溶出量を低減する方法が提案されているが、いずれの素材も高価であり、ほとんど利用されていないのが現状である。
【0007】
そこで本発明者は、高炉徐冷スラグ中に含まれる非硫酸態イオウが所定条件下で6価クロムの還元性能を持つことを知見し、セメント混和材として用いることにより6価クロムを低減する技術を提案した(特願2001-324640号)。
【0008】
さらに、本発明者は、前記の流動性の保持性能や6価クロムの低減効果が、徐冷スラグを粉体で混和するよりも、あらかじめ水と混ぜたスラリー状にして添加することにより、さらに効果的に作用することを知見し、本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、非硫酸態イオウが0.5%以上である高炉徐冷スラグ粉末を含有してなるスラリー状セメント混和材であり、高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%以下である該セメント混和材であり、高炉徐冷スラグ粉末の粉末度がブレーン比表面積値で2,000cm2/g以上である該セメント混和材であり、水/高炉徐冷スラグ粉末比が0.3〜10である該セメント混和材であり、セメントと該セメント混和材とを含有してなるセメントコンクリートであり、高炉徐冷スラグ粉末が、セメントと高炉徐冷スラグ粉末の合計100部中、3〜60部である該セメントコンクリートである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0011】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ粉末(以下、本スラグ粉という)は徐冷されて結晶化した高炉スラグの粉末である。
高炉徐冷スラグの成分は、高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的にはSiO2、CaO、Al2O3、及びMgOなどを主要な化学成分とし、その他の成分として、TiO2、MnO、Na2O、S、P2O5、及びFe2O3などが挙げられる。
また、化合物としては、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶である、いわゆるメリライトを主成分とし、その他、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、及びワラストナイトCaO・SiO2などのカルシウムシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiO2やモンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・SiO2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4、さらに、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeSなどの硫化物等を含む場合がある。
これら硫化物は徐冷スラグを粉砕することにより粒子表面に露出し、水と接した際にチオ硫酸イオウや亜硫酸イオウとして溶出し、流動性の保持効果や6価クロム低減効果を発揮する。
【0012】
本スラグ粉の粉末度は、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で2,000cm2/g以上が好ましく、4,000cm2/g以上がより好ましい。2,000cm2/g未満では所定の6価クロム低減効果が得られない場合がある。この粒度によって、チオ硫酸イオウや亜硫酸イオウ等の溶出量をコントロールすることが可能であり、粉末度を高めることにより初期の流動性や6価クロム低減効果が高まり、逆に、粉末度を低くすることで長期にわたる流動性の保持性能や6価クロム低減効果を与えることが可能となる。
【0013】
本スラグ粉のガラス化率は、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率がこの範囲外では所定の6価クロム低減効果が得られない場合がある。ガラス化率が高い場合、ほぼ同量の非硫酸態イオウを含有していても、結晶質である徐冷スラグに比しガラス化率の高いスラグ粉はチオ硫酸イオウ等の溶出が極めて少なく、流動性の保持性能や6価クロムの低減効果は小さい。
本発明でいうガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S0)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線回折法により求められる本スラグ粉の主要な結晶性化合物であるメリライト(ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2とアケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2の混晶)のメインピークの面積であり、S0は本スラグ粉を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したもののメリライトのメインピークの面積を表す。
【0014】
本スラグ粉中の非硫酸態イオウの含有量は、0.5%以上が好ましい。この範囲外では、所定の流動性の保持性能や6価クロム低減効果が得られない場合がある。
非硫酸態イオウ量は、全イオウ量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオウ量、及び硫酸態イオウ(三酸化イオウ)量を山口と小野の方法で定量することによって、また、硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)と硫化物態イオウ量については、JIS R 5202に定められた方法で定量することによっても求めることができる(「高炉スラグ中イオウの状態分析」、山口直治、小野昭紘:製鉄研究、第301号、pp.37-40、1980参照)。
本スラグ粉は、非硫酸態イオウを含有することにより、流動性の保持性や6価クロムを低減する効果を発揮するものであるが、単に、非硫酸態イオウを含まないスラグに、多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩、及び亜硫酸塩等を添加したのでは、本発明の優れた流動性の保持効果や6価クロム低減効果は得られない。
【0015】
本発明のスラリー状セメント混和材(以下、本混和材という)は、本スラグ粉と水を混合したもので、ペースト状のものも本混和材として使用可能である。
本発明における水と本スラグ粉の混合比は特に限定されるものではないが、通常、水/本スラグ粉比0.3〜10が好ましく、0.5〜10がより好ましい。0.3未満では本混和材の粘性が強く、コンクリート中への混和が難しくなる恐れがあり、10を超えると単位水量に合わせて本混和材を配合した際、本スラグ粉の混和量が少なく、流動性の保持性や6価クロムの低減に効果が見られない場合がある。
本スラグ粉をスラリー状とすることにより、流動性の保持や6価クロムの還元に寄与する非硫酸態イオウが溶液中にあらかじめ溶出し、初期の減水剤使用量をさらに低減することが可能である。
また、この場合でも、非硫酸態イオウの溶出は長期にわたることから、流動性の保持性能はそのまま維持される。
【0016】
本混和材の使用量は特に限定されるものではないが、通常、本混和材から供給される本スラグ粉とセメントの合計100部中、本スラグ粉が3〜60部、好ましくは5〜50部となるように使用することが好ましい。3部未満では本発明の効果が充分に得られない場合があり、60部を超えて使用すると強度発現性が悪くなる場合がある。
つまり、水/本スラグ粉比1.0の本混和材を用いる場合、セメント90部に対して、本混和材20部を配合すると、セメントと本スラグ粉合計100部中、本スラグ粉は10部配合されたことになる。
【0017】
水の使用量は特に限定されるものではないが、通常、セメントコンクリート1m3あたり、125kg〜225kgが好ましく、140〜185kgがより好ましい。125kg未満では、コンクリートのバサツキが発生する場合があり、225kgを超えると材料分離が生じやすく、結果的にジャンカなどの欠陥が生じる場合がある。
【0018】
本混和材の特徴の1つに、製品の劣化が生じにくいことが挙げられる。
通常、本スラグ粉中の非硫酸態イオウは、空気中の酸素と反応して酸化し、流動性の保持性や6価クロムの低減効果が徐々に低下する。
そのため、劣化を防止するためにはアルカリ性物質を共存させ、空気中の酸素と選択的に反応させるなどの対策が必要となる。
しかしながら、本混和材は、スラリ状であるため、空気との接触がないことから、本スラグ粉が酸化して劣化する恐れがない。
【0019】
本発明で使用するセメントとしては、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉水砕スラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合セメント、並びに、石灰石粉末を混合したフィラーセメントなどが挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上が使用可能である。
【0020】
本混和材には、従来から6価クロムの還元剤として用いられている各種材料を併用することが可能である。
具体的には以下のような物質が挙げられる。例えば、硫化アンモニウム、硫化カルシウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、二硫化鉄、硫化銅、硫化ニッケル、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化ジルコニウム、硫化水素アンモニウム、硫化水素亜鉛、硫化水素カリウム、硫化水素カルシウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素リチウム、及びポリ硫化アンモニウムなどの硫化物、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、及び亜硫酸水素カリウムなどの亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸塩、二酸化イオウやイオウなどのイオウ化合物、並びに、硫酸第一鉄塩等が挙げられ、そのうち、硫酸第一鉄塩が好ましい。
これら還元剤の一種又は二種以上を本スラグ粉と併用することは、6価クロムの低減効果がさらに高まることから好ましい。
なお、還元剤は、あらかじめ本混和材中に添加しておいても良いし、施工時に混合しても良い。
還元剤の使用量は、本混和材中の本スラグ粉と還元剤の合計100部中、0.1〜50部が好ましい。この範囲外では併用の効果がみられない場合がある。
【0021】
本混和材に使用する水の種類は特に限定されるものではなく、水道水でもよいし、地下水でも良いし、酸性水でもアルカリ性水でも良い。特に酸性条件下ではチオ硫酸イオウの6価クロム低減効果が高まるのでより好ましい。
【0022】
通常、高流動コンクリートを調整する際には、通常の減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、及び高性能AE減水剤等の減水剤を用いて高流動化することが好ましい。
減水剤は液状や粉末状のものが市販されており、いずれも使用可能である。
減水剤の使用範囲は特に限定されるものではなく、通常、各メーカーの指定する範囲内であればよく、具体的には、セメントや本混和材中の本スラグ粉からなる粉体100部に対して、0.5〜3.0部程度である。0.5部未満では所定のスランプを確保するために必要な水量が増えて材料分離を引き起こす場合があり、3.0部を超えるとコンクリートが柔らかくなりすぎ、材料分離を引き起こす場合がある。
【0023】
本発明では、セメント、本混和材、砂や砂利等の骨材、及び減水剤の他に、従来高流動コンクリートに用いられてきた、高炉水砕スラグ粉末、石灰石微粉末、フライアッシュ、及びシリカフュームなどの混和材料、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、収縮低減剤、エマルジョン、凝結調整剤、粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用することが可能である。
【実施例】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0024】
実験例1
本スラグ粉や高炉水砕スラグ粉を含む、表1に示す各種スラグを用い水/スラグ比1.0のセメント混和材を調製した。
単位セメント量245kg/m3、単位水量175kg/m3、単位砂量804kg/m3、単位砂利量951kg/m3、及び単位スラグ量が105kg/m3になるように混和材を配合し、セメントとスラグからなるセメント組成物の単位量350kg/m3、S/a=46%、及び空気量4.5±1.5%のコンクリート配合で、コンクリートを調製し、スランプロスを測定した。結果を表1に併記する。
また、本混和材の6価クロム低減効果を6価クロム残存濃度を測定することによって評価した。結果を表1に併記する。
なお、コンクリートのスランプ値は18±1.5cmとなるように減水剤を使用した。
比較のため、スラグを使用せず、セメントのみ使用したものも同様に行った。結果を表1に併記する。
【0025】
<使用材料>
スラグA :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値500cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグB :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値2,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグC :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグD :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値6,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグE :本スラグ粉、密度3.00g/cm3、ブレーン値8,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグF :本スラグ粉、密度2.99g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率10%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグG :本スラグ粉、密度2.97g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率30%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグH :本スラグ粉、密度2.95g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率50%、非硫酸態イオウ0.9%
スラグI :本スラグ粉、密度2.95g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.2%(エージングにより調製)
スラグJ :本スラグ粉、密度2.95g/cm3、ブレーン値4,000cm2/g、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ0.5%(エージングにより調製)
スラグK :スラグBとスラグEを混合し、ブレーン値4,000cm2/gに調整したもの
スラグL :高炉水砕スラグ、ブレーン値6,000cm2/g、ガラス化率95%、比重2.90、非硫酸態イオウ0.1%
セメント :普通ポルトランドセメント、市販品
水 :水道水
砂 :新潟県姫川産、比重2.62
砂利 :新潟県姫川産、砕石、比重2.62
減水剤 :高性能AE減水剤、ポリカルボン酸系、市販品
【0026】
<測定方法>
スランプロス:JIS A 1101に準じてスランプ値を測定し、練り上がりのスランプ値から90分経過後のスランプ値を差し引いて、スランプロス値とした。
6価クロム残存濃度:6価クロム100mg/l溶液50mlに各セメント混和材20gを入れて攪拌し、練り混ぜ直後に固液分離し、液相中の残存濃度をJIS K 0102に準じICP発光分析法により測定した。
なお、本混和材はスラリー状のため水を含有し、6価クロム溶液を希釈することになる。この希釈の影響を除くため、比較対照としたスラグ粉については、6価クロム溶液50mlに各スラグ10gと水10gをそれぞれ添加した。
【0027】
【表1】
【0028】
実験例2
表2に示す単位量のセメント、水、及びスラグDを使用してコンクリートを調製し、スランプロスを測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0029】
【表2】
【0030】
実験例3
スラグDに対して、表3に示す単位量のセメント、水、及びスラグを使用してコンクリートを調製し、スランプロスを測定したこと以外は実験例1と同様に行った。結果を表2に併記する。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明のセメン混和材を使用すると、コンクリートに流動性が付与され、減水剤量が低減でき、なおかつ、流動性の保持性が良く、さらに有害な6価クロムを低減することが可能となる。
Claims (6)
- 非硫酸態イオウが0.5%以上である高炉徐冷スラグ粉末を含有してなるスラリー状セメント混和材。
- 高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%以下である請求項1に記載のスラリー状セメント混和材。
- 高炉徐冷スラグ粉末の粉末度がブレーン比表面積値で2,000cm2/g以上である請求項1又は請求項2に記載のスラリー状セメント混和材。
- 水/高炉徐冷スラグ粉末比が0.3〜10である請求項1〜請求項3のうちの一項に記載のスラリー状セメント混和材。
- セメントと請求項1〜請求項4のうちの一項に記載のスラリー状セメント混和材とを含有してなるセメントコンクリート。
- 高炉徐冷スラグ粉末が、セメントと高炉徐冷スラグ粉末の合計100部中、3〜60部である請求項5に記載のセメントコンクリート。
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