JP2003191363A - 積層体、これを用いた袋体および半導体製品または半導体材料用包装材 - Google Patents
積層体、これを用いた袋体および半導体製品または半導体材料用包装材Info
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Abstract
い袋体、半導体製品・半導体材料用包装材、およびこれ
らに用いられる積層体を提供する。 【解決手段】 少なくともバリア層13およびシーラン
ト層11を有し、不純物溶出試験によってシーラント層
11から0.5重量%硝酸水溶液に溶出する鉄、アルミ
ニウム、銅、ニッケル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウ
ムのイオン溶出量X(0.5重量%硝酸水溶液に接する
シーラント層11の面積1000cm2 当たり)が各々
1ng/ml以下、または不純物溶出試験によってシー
ラント層11から純水に溶出するNH4 +、Cl- 、NO
2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y(純水に接するシ
ーラント層11の面積1000cm2 当たり)が各々1
ng/ml以下である積層体10、これを用いた袋体、
半導体製品・半導体材料用包装材。
Description
ートシール可能なシーラント層を有する積層体およびこ
れを用いた袋体に関し、特に、半導体製品や半導体材料
の包装材料として好適な積層体に関する。
の飲食品用袋、医薬品用袋、樹脂ペレット搬送用袋など
のように、光、酸素、湿気等の侵入を防ぐ必要のある袋
体には、用途に応じて光遮断性、酸素ガスバリア性、水
蒸気バリア性などを有するバリア層が設けられた積層体
が使用されている。
品用袋、医薬品用袋などのように、内部が異物等で汚染
されていてはならない袋に用いられる積層体としては、
例えば、特開平10−235773号公報に、チューブ
状のシーラントフィルムを2方向からバリア層等を有す
るフィルムで挟み込み、積層体の製造工程でシーラント
層が異物等で汚染されないようにされた積層体が提案さ
れている。
でも、半導体製品や半導体材料の包装材料として用いら
れる積層体においては、異物等で汚染されていないこと
はもちろんのこと、さらに、鉄、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムなどの微量の
金属、その化合物および金属イオンや、NH4 +、Cl
- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- などの微量のイオン
さえも半導体製品や半導体材料に移行しないことが必要
とされ、このような積層体の開発が求められていた。
の不純物がほとんど内容物に移行することがないクリー
ンな袋体、およびこのような袋体に用いられるクリーン
な積層体を提供することにある。また、本発明の目的
は、金属やイオン等の不純物がほとんど半導体製品や半
導体材料に移行することがないクリーンな半導体製品・
半導体材料用包装材を提供することにある。
くともバリア層およびシーラント層を有し、下記不純物
溶出試験(1)によってシーラント層から0.5重量%
硝酸水溶液に溶出する鉄、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムのイオン溶出量X
(0.5重量%硝酸水溶液に接するシーラント層の面積
1000cm2 当たり)が、各々1ng/ml以下であ
ることを特徴とする。 〔不純物溶出試験(1)〕シーラント層が内側となるよ
うに積層体から袋体を作製し、袋体内部に0.5重量%
硝酸水溶液を100ml注入し、この袋体を常温(23
℃)下で激しく30回振とうし、袋体内部の0.5重量
%硝酸水溶液に溶出した鉄、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムの溶出量X’をI
CP/MS分析によってそれぞれ測定し、下記式により
溶出量Xを求める。 溶出量X(ng/ml)=溶出量X’(ng/ml)×
1000(cm2 )/0.5重量%硝酸水溶液に接する
シーラント層の面積(cm2 )
ア層およびシーラント層を有し、下記不純物溶出試験
(2)によってシーラント層から純水に溶出するN
H4 +、Cl - 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量
Y(純水に接するシーラント層の面積1000cm2 当
たり)が、各々1ng/ml以下であることを特徴とす
る。 〔不純物溶出試験(2)〕シーラント層が内側となるよ
うに積層体から袋体を作製し、袋体内部に純水を100
ml注入し、この袋体を常温(23℃)下で激しく30
回振とうし、袋体内部の純水に溶出したNH4 +、Cl
- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y’をイオ
ンクロマトグラフ分析によってそれぞれ測定し、下記式
により溶出量Yを求める。 溶出量Y(ng/ml)=溶出量Y’(ng/ml)×
1000(cm2 )/純水に接するシーラント層の面積
(cm2 )
ア層およびシーラント層を有し、上記不純物溶出試験
(1)によってシーラント層から0.5重量%硝酸水溶
液に溶出する鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、
ナトリウムおよびカリウムのイオン溶出量X(0.5重
量%硝酸水溶液に接するシーラント層の面積1000c
m2 当たり)が、各々1ng/ml以下であり、かつ上
記不純物溶出試験(2)によってシーラント層から純水
に溶出するNH4 +、Cl- 、NO2 -、NO3 -およびSO
4 2- の溶出量Y(純水に接するシーラント層の面積10
00cm2 当たり)が、各々1ng/ml以下であるこ
とを特徴とする。
0〜200℃の範囲の過酸化物系ラジカル開始剤単体あ
るいは2種類以上を複合して用いた高圧ラジカル重合法
によって製造された、メルトフローレートが0.3〜5
g/10分である低密度ポリエチレンを、130〜17
0℃の成形温度でL/D比が15以上の押出機から押し
出して成形されたフィルムであることが望ましい。ま
た、前記シーラント層のフィルムは、ホッパー内を窒素
で置換し、チューブラーブローン用ダイを取り付けた押
出機から前記低密度ポリエチレンをチューブ状に押し出
し、清浄な空気を入れて成形されたものであることが望
ましい。
ることが望ましく、特にシリカ蒸着ポリエチレンテレフ
タレートフィルムであることが望ましい。もしくは、前
記バリア層は、アルミニウム箔を有するものであっても
よい。また、前記シーラント層は、無延伸フィルムであ
ることが望ましい。また、前記シーラント層に添加剤が
添加されていないことが望ましい。
ドライラミネート法によって接着されていることが望ま
しい。また、前記接着剤は、シリカを含まない接着剤で
あることが望ましい。また、本発明の積層体は、シリカ
蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着剤/ナ
イロンフィルム/接着剤/シーラント層の層構成を有す
るものであることが望ましい。
らなるものであることを特徴とする。また、本発明の袋
体は、本発明の積層体を、シーラント層が内側となるよ
うにクリーンルーム内で製袋加工してなるものであるこ
とが望ましい。また、本発明の袋体は、粒径0.5μm
以上の塵埃が、1000個/cf以下であるクリーンル
ーム内で製袋加工してなるものであることが望ましい。
料用包装材は、本発明の積層体からなるものであること
を特徴とする。また、本発明の半導体製品または半導体
材料用包装材は、本発明の積層体を、シーラント層が内
側となるようにクリーンルーム内で製袋加工してなるも
のであることが望ましい。
図1は、本発明の積層体の一例を示す断面図である。こ
の積層体10は、シーラント層11と、このシーラント
層11を挟むように設けられた基材フィルムからなる中
間層12と、この中間層12よりも外側に設けられたバ
リア性フィルムからなるバリア層13とを有し、各層間
が接着剤14で接着されているものである。
(1)によってシーラント層11から0.5重量%硝酸
水溶液に溶出する鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、亜
鉛、ナトリウムおよびカリウムのイオン溶出量X(0.
5重量%硝酸水溶液に接するシーラント層11の面積1
000cm2 当たり)が、各々1ng/ml以下であ
る。これらイオンの溶出量Xが1ng/mlを超える
と、内容物、特に半導体製品または半導体材料にこれら
金属やそのイオンが移行し、品質の低下を招く。
的に説明する。 〔不純物溶出試験(1)〕まず、図2に示すように、積
層体10の三方をヒートシールしてシーラント層11が
内側となる袋体20を作製する。ついで、この袋体20
内部に上方の開口部から0.5重量%硝酸水溶液を10
0ml注入し、開口部をヒートシールによって閉じる。
ここで、0.5重量%硝酸水溶液としては、ICP/M
S分析によって下記の不純物が検出されないもの用い
る。
30回振とうした後、袋体20内部の0.5重量%硝酸
水溶液を取り出す。ついで、この0.5重量%硝酸水溶
液をICP/MS(高周波プラズマ質量分析)分析にか
け、シーラント層11から0.5重量%硝酸水溶液に溶
出した鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、ナトリ
ウムおよびカリウムのイオン溶出量X’をそれぞれ測定
する。下記式によりイオン溶出量X’をシーラント層1
1の面積1000cm2 当たりのイオン溶出量Xに換算
する。 溶出量X(ng/ml)=溶出量X’(ng/ml)×
1000(cm2 )/0.5重量%硝酸水溶液に接する
シーラント層の面積(cm2 )
(2)によってシーラント層11から純水に溶出するN
H4 +、Cl- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量
Y(純水に接するシーラント層11の面積1000cm
2 当たり)が、各々1ng/ml以下である。溶出量Y
が1ng/mlを超えると、内容物、特に半導体製品ま
たは半導体材料にこれらイオンが移行し、品質の低下を
招く。
的に説明する。 〔不純物溶出試験(2)〕まず、図2に示すように、積
層体10の三方をヒートシールしてシーラント層11が
内側となる袋体20を作製する。ついで、この袋体20
内部に上方の開口部から純水を100ml注入し、開口
部をヒートシールによって閉じる。ここで、純水として
は、イオンクロマトグラフ分析によって下記の不純物が
検出されないもの用いる。
30回振とうした後、袋体20内部の純水を取り出す。
ついで、この純水をイオンクロマトグラフ分析にかけ、
シーラント層11から純水に溶出したNH4 +、Cl- 、
NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y’をそれぞれ
測定する。下記式により溶出量Y’をシーラント層11
の面積1000cm2 当たりの溶出量Yに換算する。 溶出量Y(ng/ml)=溶出量Y’(ng/ml)×
1000(cm2 )/純水に接するシーラント層の面積
(cm2 )
する樹脂をチューブラーブローン法でチューブ状に成形
したものである。ヒートシール性を有する樹脂として
は、例えば、低密度ポリエチレン等のエチレン系重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
体、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
物、ナイロン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ここ
で、低密度ポリエチレンとは、ラジカル重合によって得
られる、密度が0.92g/cm 3 以下のエチレン単独
重合体またはエチレン−α−オレフィン共重合体(エチ
レン85重量%以上)である。
も、半減期が150〜200℃の範囲の過酸化物系ラジ
カル開始剤単体あるいは2種類以上を複合して用いた高
圧ラジカル重合法によって製造された低密度ポリエチレ
ンが好ましい。このような低密度ポリエチレンは、その
製造に金属含有触媒を用いないため、金属等の不純物の
含有量が極めて少ない。また、このエチレン系重合体の
メルトフローレートは、成形加工性の点から、0.3〜
5g/10分であることが好ましい。
添加剤が添加されていないことが好ましい。このような
ヒートシール性を有する樹脂を用いることにより、シー
ラント層11中の不純物の含有量を低減させることがで
きる。ここでいう添加剤とは、滑剤、アンチブロッキン
グ剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のポリ
マー用の添加剤である。また、シーラント層11は、無
延伸フィルムからなることが好ましい。無延伸フィルム
からなるシーラント層11は、突き刺し強度に優れる、
柔軟である、ヒートシール加工性に優れる等の利点があ
る。
て用途に応じて光遮蔽性、酸素ガスバリア性、水蒸気バ
リア性などを有するバリア性フィルムからなるものであ
る。バリア層13としては、積層体10からなる袋体に
収納した内容物を確認できる点で、透明フィルムからな
ることが好ましい。なお、内容物が光によって変質する
など、光による悪影響を受ける場合は、バリア層13と
しては、光バリア性を有するものが用いられる。
よび酸素ガスバリア性を必要とするときは、例えば、酸
化ケイ素(シリカ)や金属酸化物が蒸着された二軸延伸
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、二軸
延伸ポリプロピレン(PP)フィルム、二軸延伸ポリア
ミドフィルム(NY);ポリ塩化ビニリデンやポリビニ
ルアルコールをコーティングした二軸延伸PETフィル
ム、二軸延伸PPフィルム;エチレン−酢酸ビニル共重
合体鹸化物のフィルム、ポリビニルアルコールフィル
ム、ポリカーボネートフィルムなどを用いることができ
る。中でも、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムが、透明性および酸素ガスバリア性に優れること
から好適に用いられる。
および酸素ガスバリア性を必要とするときは、例えば、
アルミニウム箔、アルミニウム箔が貼着された二軸延伸
PETフィルム、二軸延伸PPフィルム;金属アルミニ
ウムが蒸着された二軸延伸PETフィルム、二軸延伸P
Pフィルム(部分蒸着を含む)を用いることができる。
中でもアルミニウム箔を有するフィルムが、光遮蔽性お
よび酸素ガスバリア性に優れることから好適に用いられ
る。
基材フィルムからなり、積層体10の機械的強度、各種
バリア性を補うための層である。中間層12に用いられ
る基材フィルムとしては、例えば、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン−
6、ナイロン−6,6など)、セルロースアセテート、
エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネー
トなどのプラスチックの延伸または未延伸フィルム、
紙、アルミニウム箔などが用いられる。
ン、ウェットラミネーション、サンドイッチラミネーシ
ョン等にそれぞれ用いられる公知の各種接着剤、熱可塑
性樹脂等を用いることができる。積層体10からなる袋
体に収納する内容物が半導体製品や半導体用材料の場
合、接着剤としてはシリカを含まないノンシリカタイプ
の接着剤が好ましい。
的強度の低下防止、および外観上の問題の点から、その
シーラント層11にフィッシュアイ、ゲル等の練り込み
異物が少ないものが好ましい。具体的には、粒径0.5
〜1.0mmの異物が、30個/m3 以下の積層体が好
ましく、20個/m3 以下のものがより好ましく、10
個/m3 以下のものがさらに好ましい。
製袋加工時、内容物充填作業時にある程度の滑り性が要
求される。具体的には、シーラント層11表面の動摩擦
係数は、好ましくは0.5以下であり、より好ましくは
0.45以下であり、さらに好ましくは0.4以下であ
る。
する。まず、ヒートシール性を有する樹脂をチューブラ
ーブローン用ダイを取り付けた押出機から溶融状態で押
し出し、清浄な空気を入れてチューブ状のシーラントフ
ィルムに成形する。このチューブ状のシーラントフィル
ム(シーラント層11)を平面状に開いて1枚にし、そ
の片面に接着剤14を介して基材フィルム(中間層1
2)、バリア性フィルム(バリア層13)を順次積層し
て積層体10を得る。
ることが好ましく、また、ヒートシール性を有する樹脂
を押出機から押し出す際の温度(成形温度)は、130
〜170℃の範囲が好ましい。このような条件で、メル
トフローレートが0.3〜5g/10分である低密度ポ
リエチレンを押し出すことにより、滑剤やアンチブロッ
キング剤などの添加剤を低密度ポリエチレンに添加しな
くとも、良好な成形加工性を維持することができる。ま
た、押出機のホッパー内を窒素で置換しておくことが好
ましい。ホッパー内を窒素で置換しておけば、ヒートシ
ール性を有する樹脂の押出機内における酸化を抑えるこ
とができ、酸化防止剤などの添加剤を添加する必要がな
くなる。
法としては、ドライラミネート法、ウェットラミネート
法、サンドイッチラミネート法、押出ラミネート法など
が挙げられる。中でも、クリーン度の保持の点で、ドラ
イラミネート法が好適である。なお、押出ラミネート法
による場合、その成形温度は250℃以下とすることが
好ましい。
せは、具体的には、各層を構成するフィルムの表面にド
ライラミネート用の接着剤を塗布し、接着剤を乾燥させ
て接着剤の揮発分を揮発させた後、各フィルムを貼り合
わせ、熱ロールによって圧着させることによって行われ
る。
0にあっては、上記不純物溶出試験(1)によってシー
ラント層11から0.5重量%硝酸水溶液に溶出する
鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、ナトリウムお
よびカリウムのイオン溶出量X(0.5重量%硝酸水溶
液に接するシーラント層11の面積1000cm2 当た
り)が、各々1ng/ml以下であり、上記不純物溶出
試験(2)によってシーラント層11から純水に溶出す
るNH4 +、Cl- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2 - の溶
出量Y(純水に接するシーラント層11の面積1000
cm2 当たり)が、各々1ng/ml以下であるので、
金属やイオン等の不純物がほとんど内容物に移行するこ
とがない袋体を提供することができる。
減期が150〜200℃のラジカル開始剤を用いた高圧
ラジカル重合法によって製造された、メルトフローレー
トが0.3〜5g/10分である低密度ポリエチレンを
ヒートシール性を有する樹脂として用い、この低密度ポ
リエチレンを130〜170℃の成形温度でL/D比が
15以上の押出機から押し出してシーラントフィルムを
成形し、このシーラントフィルムをシーラント層11と
して用いることによって得ることができる。
のように必ずしも中間層を設ける必要はなく、少なくと
もバリア層およびシーラント層を有するものであればよ
い。また、本発明の積層体においては、各層を積層する
際に、各層の表面にオゾン処理などの接着性を向上させ
る処理を施しても構わない。
発明の袋体は、本発明の積層体からなるものである。本
発明の袋体としては、例えば、図2に示すように、シー
ラント層が内側となるようにして積層体10の三方をヒ
ートシールした袋体20が挙げられる。また、本発明の
袋体としては、図3に示すような袋体30が例示でき
る。この袋体30は、図4で示すように、広げると略立
方体状となる袋であって、側面フィルム31,32とガ
ゼット側面フィルム33,34とから概略構成されてい
る。側面フィルム31,32及びガゼット側面フィルム
33,34は、例えば、上述の積層体10からなるフィ
ルムであって、最内層がシーラント層11であるもので
あればよい。
と、折り込まれたガゼット側面フィルム33とはそれぞ
れの側縁部において、ヒートシールにより溶着して側縁
ヒートシール部35を形成し、側面フィルム32とガゼ
ット側面フィルム33も側縁部にてヒートシールにより
溶着している。同様に、側面フィルム31と、折り込ま
れたガゼット側面フィルム34もそれぞれの側縁部にて
ヒートシールにより溶着して側縁ヒートシール部36を
形成し、側面フィルム32とガゼット側面フィルム34
も側縁部にてヒートシールにより溶着している。
おいて、側面フィルム31,32はそれぞれガゼット側
面フィルム33,34と、袋の短手方向に沿って直線状
にヒートシールにより溶着一体化して底辺ヒートシール
部37を形成している。また、ガゼット側面フィルム3
3,34が介在しない底辺中央部38においては、側面
フィルム31と側面フィルム32とがヒートシールによ
り溶着一体化している。さらにまた、その底辺中央部3
8近傍から斜め上方に側縁部まで向かう線と、底辺ヒー
トシール部37と、側縁ヒートシール部35(36)と
で囲まれる部分が三角形状にヒートシールされ、図4に
示すように、底面が四角形状に広げやすくなっている。
この三角形状のヒートシールには、縞状に非ヒートシー
ル部39が形成されている。これは、大面積のヒートシ
ールを行うことによる波打ちを抑制する為である。さら
に、底辺ヒートシール部37内の側方近傍の2ヵ所にお
いてスポットシール40,40により、ガゼット側面フ
ィルム33同し及びガゼット側面フィルム34同しが溶
着され、袋を略立方体状に広げやすくなっている。図示
例の袋体30では開封を容易とする為の切欠41が形成
されている。
は、クリーンルーム内で行うことが好ましい。クリーン
ルーム内で製袋加工することにより、異物が積層体10
表面、特にシーラント層11表面に付着することを抑え
ることができ、内容物に移行する金属やイオン等の不純
物をさらに減らすことができる。特に、粒径0.5μm
以上の塵埃の数が、1000個/cf(cf:キュービ
ックフィート(1立方フィート)以下であるクリーンル
ーム内で製袋加工を行うことが好ましい。
ては、これらに用いられる積層体が、上記不純物溶出試
験(1)によってシーラント層11から0.5重量%硝
酸水溶液に溶出する鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、
亜鉛、ナトリウムおよびカリウムのイオン溶出量X
(0.5重量%硝酸水溶液に接するシーラント層11の
面積1000cm2 当たり)が、各々1ng/ml以下
であり、上記不純物溶出試験(2)によってシーラント
層11から純水に溶出するNH4 +、Cl- 、NO2 -、N
O3 -およびSO4 2- の溶出量Y(純水に接するシーラン
ト層11の面積1000cm2 当たり)が、各々1ng
/ml以下であるものであるので、金属やイオン等の不
純物がほとんど内容物に移行することがない。このよう
な袋体は、特に、半導体製品または半導体材料用包装材
として好適に用いることができる。
のに限定はされず、本発明の積層体を用い、かつシーラ
ント層が最内層とされているものであれば、いかなる形
状のものであっても構わない。また、本発明の半導体製
品または半導体材料用包装材は、図示例のような袋体に
限定はされず、例えば、2枚のテープ状の本発明の積層
体によって電子部品等の複数の半導体製品を挟む形態の
もの、いわゆるキャリアテープなどであっても構わな
い。
る。 [実施例1]シーラントフィルムとして、厚さ50μm
の無添加タイプの低密度ポリエチレンフィルムを用意し
た。この無添加低密度ポリエチレンフィルムは、半減期
が175℃の過酸化物系のラジカル開始剤を用いた高圧
ラジカル重合法によって製造され、メルトフローレート
が0.8g/10分であり、添加剤が添加されていない
低密度ポリエチレンを、140℃の成形温度でL/D比
が22であり、ホッパー内が窒素で置換され、かつチュ
ーブラーブローン用ダイを取り付けた押出機から押し出
し、清浄な空気を入れて成形されたチューブを開いたフ
ィルムである。
プ接着剤を乾燥時の塗布量が3.0g/m3 となるよう
に用いて、上記無添加低密度ポリエチレンフィルムに、
厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルムおよび厚さ1
2μmのシリカ蒸着二軸延伸PETフィルムを順次ドラ
イラミネーション法で積層して、図1に示すような積層
体を得た。この積層体のシーラント層について、粒径
0.5〜1.0mmの異物の数(フィッシュアイおよび
ゲル)、動摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
00個/cf以下であるクリーンルーム内でこの積層体
の三方をシーラント層が内側となるようにヒートシール
して、図2に示すような袋体を得た。この袋体内部のシ
ーラント層の表面積(接触面積)は、53(cm)×3
0(cm)×2(面)=3180cm2 であった。
(1)によってシーラント層から0.5重量%硝酸水溶
液に溶出する鉄、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛、
ナトリウムおよびカリウムのイオン溶出量X(0.5重
量%硝酸水溶液に接するシーラント層の面積1000c
m2 当たり)、および上述の不純物溶出試験(2)によ
ってシーラント層から純水に溶出するNH4 +、Cl- 、
NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y(純水に接す
るシーラント層の面積1000cm2 当たり)を求め
た。それぞれの試験を3回ずつ行い、それぞれの溶出量
の平均値を求めた。結果を表1に示す。ここで、ICP
/MS分析には、セイコーインスツルメンツ(株)製の
SPG−9000を用い、イオンクロマトグラフ分析に
は、ダイオネクス製のDX300/DX500を用い
た。
厚さ50μmの無添加タイプの低密度ポリエチレンフィ
ルムを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体およ
び袋体を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
結果を表1に示す。この無添加低密度ポリエチレンフィ
ルムは、半減期が170℃の過酸化物系のラジカル開始
剤を用いた高圧ラジカル重合法によって製造され、メル
トフローレートが0.5g/10分であり、添加剤が添
加されていない低密度ポリエチレンを、150℃の成形
温度でL/D比が20であり、ホッパー内が窒素で置換
され、かつチューブラーブローン用ダイを取り付けた押
出機から押し出し、清浄な空気を入れて成形されたチュ
ーブを開いたフィルムである。
厚さ50μmのアンチブロッキング剤、抗酸化剤の添加
された、無滑剤タイプの直鎖状低密度ポリエチレンフィ
ルムを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体およ
び袋体を製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
結果を表1に示す。比較例1の積層体は、シーラント層
を構成するシーラントフィルムに、アンチブロッキング
剤、抗酸化剤が添加されており、添加剤に起因する金属
イオン、陰イオンおよび陽イオンの溶出が多かった。
厚さ50μmの添加剤低減タイプの直鎖状低密度ポリエ
チレンフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして
積層体および袋体を製造し、実施例1と同様にして評価
を行った。結果を表1に示す。参考例1の積層体は、シ
ーラント層を構成するシーラントフィルムに少量ながら
添加剤が添加されており、添加剤に起因する陰イオンお
よび陽イオンの溶出が多かった。
厚さ50μmの添加剤低減タイプの低密度ポリエチレン
フィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして積層体
および袋体を製造し、実施例1と同様にして評価を行っ
た。結果を表1に示す。参考例2の積層体は、シーラン
ト層を構成するシーラントフィルムに少量ながら添加剤
が添加されており、添加剤に起因する金属イオン、陰イ
オンおよび陽イオンの溶出が多かった。
は、少なくともバリア層およびシーラント層を有し、上
述の不純物溶出試験(1)によってシーラント層から
0.5重量%硝酸水溶液に溶出する鉄、アルミニウム、
銅、ニッケル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムのイオ
ン溶出量X(0.5重量%硝酸水溶液に接するシーラン
ト層の面積1000cm2 当たり)が、各々1ng/m
l以下であるので、金属やイオン等の不純物がほとんど
内容物に移行することがない袋体、半導体製品・半導体
材料用包装材を提供することができる。
ア層およびシーラント層を有し、上述の不純物溶出試験
(2)によってシーラント層から純水に溶出するN
H4 +、Cl- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量
Y(純水に接するシーラント層の面積1000cm2 当
たり)が、各々1ng/ml以下であるので、金属やイ
オン等の不純物がほとんど内容物に移行することがない
袋体、半導体製品・半導体材料用包装材を提供すること
ができる。
0〜200℃の範囲の過酸化物系ラジカル開始剤単体あ
るいは2種類以上を複合して用いた高圧ラジカル重合法
によって製造された、メルトフローレートが0.3〜5
g/10分である低密度ポリエチレンを、130〜17
0℃の成形温度でL/D比が15以上の押出機から押し
出し、清浄な空気を入れて成形されたフィルムであれ
ば、上述の不純物溶出試験(1)によってシーラント層
から0.5重量%硝酸水溶液に溶出する鉄、アルミニウ
ム、銅、ニッケル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムの
イオン溶出量X(0.5重量%硝酸水溶液に接するシー
ラント層の面積1000cm2 当たり)が1ng/ml
以下である積層体、または上述の不純物溶出試験(2)
によってシーラント層から純水に溶出するNH4 +、Cl
- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2-の溶出量Y(純水に
接するシーラント層の面積1000cm2 当たり)が、
1ng/ml以下である積層体を得ることが可能とな
る。
ッパー内を窒素で置換し、チューブラーブローン用ダイ
を取り付けた押出機から前記低密度ポリエチレンをチュ
ーブ状に押し出し、清浄な空気を入れて成形されたもの
であれば、さらにシーラント層からの不純物の溶出を抑
えることができる。
らなるものであるので、金属やイオン等の不純物がほと
んど内容物に移行することがない。また、本発明の半導
体製品または半導体材料用包装材は、本発明の積層体か
らなるものであるので、金属やイオン等の不純物がほと
んど半導体製品や半導体材料に移行することがない。
る。
Claims (18)
- 【請求項1】 少なくともバリア層およびシーラント層
を有し、 下記不純物溶出試験(1)によってシーラント層から
0.5重量%硝酸水溶液に溶出する鉄、アルミニウム、
銅、ニッケル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムのイオ
ン溶出量X(0.5重量%硝酸水溶液に接するシーラン
ト層の面積1000cm2 当たり)が、各々1ng/m
l以下であることを特徴とする積層体。 〔不純物溶出試験(1)〕シーラント層が内側となるよ
うに積層体から袋体を作製し、袋体内部に0.5重量%
硝酸水溶液を100ml注入し、この袋体を常温(23
℃)下で激しく30回振とうし、袋体内部の0.5重量
%硝酸水溶液に溶出した鉄、アルミニウム、銅、ニッケ
ル、亜鉛、ナトリウムおよびカリウムのイオン溶出量
X’をICP/MS分析によってそれぞれ測定し、下記
式により溶出量Xを求める。 溶出量X(ng/ml)=溶出量X’(ng/ml)×
1000(cm2 )/0.5重量%硝酸水溶液に接する
シーラント層の面積(cm2 ) - 【請求項2】 少なくともバリア層およびシーラント層
を有し、 下記不純物溶出試験(2)によってシーラント層から純
水に溶出するNH4 +、Cl- 、NO2 -、NO3 -およびS
O4 2- の溶出量Y(純水に接するシーラント層の面積1
000cm2 当たり)が、各々1ng/ml以下である
ことを特徴とする積層体。 〔不純物溶出試験(2)〕シーラント層が内側となるよ
うに積層体から袋体を作製し、袋体内部に純水を100
ml注入し、この袋体を常温(23℃)下で激しく30
回振とうし、袋体内部の純水に溶出したNH4 +、Cl
- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y’をイオ
ンクロマトグラフ分析によってそれぞれ測定し、下記式
により溶出量Yを求める。 溶出量Y(ng/ml)=溶出量Y’(ng/ml)×
1000(cm2 )/純水に接するシーラント層の面積
(cm2 ) - 【請求項3】 下記不純物溶出試験(2)によってシー
ラント層から純水に溶出するNH4 +、Cl- 、NO2 -、
NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y(純水に接するシーラ
ント層の面積1000cm2 当たり)が、各々1ng/
ml以下であることを特徴とする請求項1記載の積層
体。 〔不純物溶出試験(2)〕シーラント層が内側となるよ
うに積層体から袋体を作製し、袋体内部に純水を100
ml注入し、この袋体を常温(23℃)下で激しく30
回振とうし、袋体内部の純水に溶出したNH4 +、Cl
- 、NO2 -、NO3 -およびSO4 2- の溶出量Y’をイオ
ンクロマトグラフ分析によってそれぞれ測定し、下記式
により溶出量Yを求める。 溶出量Y(ng/ml)=溶出量Y’(ng/ml)×
1000(cm2 )/純水に接するシーラント層の面積
(cm2 ) - 【請求項4】 前記シーラント層が、半減期が150〜
200℃の範囲の過酸化物系ラジカル開始剤単体あるい
は2種類以上を複合して用いた高圧ラジカル重合法によ
って製造された、メルトフローレートが0.3〜5g/
10分である低密度ポリエチレンを、130〜170℃
の成形温度でL/D比が15以上の押出機から押し出し
て成形されたフィルムであることを特徴とする請求項1
ないし3いずれか一項に記載の積層体。 - 【請求項5】 前記フィルムが、ホッパー内を窒素で置
換し、チューブラーブローン用ダイを取り付けた押出機
から前記低密度ポリエチレンをチューブ状に押し出し、
清浄な空気を入れて成形されたものであることを特徴と
する請求項4記載の積層体。 - 【請求項6】 前記バリア層が、透明フィルムであるこ
とを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記載の
積層体。 - 【請求項7】 前記透明フィルムが、シリカ蒸着ポリエ
チレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする
請求項6記載の積層体。 - 【請求項8】 前記バリア層が、アルミニウム箔を有す
ることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一項に記
載の積層体。 - 【請求項9】 前記シーラント層が、無延伸フィルムで
あることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一項に
記載の積層体。 - 【請求項10】 前記シーラント層に添加剤が添加され
ていないことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一
項に記載の積層体。 - 【請求項11】 各層間が、接着剤を用いたドライラミ
ネート法によって接着されていることを特徴とする請求
項1ないし10いずれか一項に記載の積層体。 - 【請求項12】 前記接着剤が、ノンシリカの接着剤で
あることを特徴とする請求項11記載の積層体。 - 【請求項13】 シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレー
トフィルム/接着剤/ナイロンフィルム/接着剤/シー
ラント層の層構成を有する請求項11または請求項12
記載の積層体。 - 【請求項14】 請求項1ないし13いずれか一項に記
載の積層体からなることを特徴とする袋体。 - 【請求項15】 前記積層体を、シーラント層が内側と
なるようにクリーンルーム内で製袋加工してなることを
特徴とする請求項14記載の袋体。 - 【請求項16】 前記積層体を、粒径0.5μm以上の
塵埃が、1000個/cf以下であるクリーンルーム内
で製袋加工してなることを特徴とする請求項15記載の
袋体。 - 【請求項17】 請求項1ないし13いずれか一項に記
載の積層体からなることを特徴とする半導体製品または
半導体材料用包装材。 - 【請求項18】 前記積層体を、シーラント層が内側と
なるようにクリーンルーム内で製袋加工してなることを
特徴とする請求項17記載の半導体製品または半導体材
料用包装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001396080A JP4098520B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 積層体、これを用いた袋体および半導体製品または半導体材料用包装材 |
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---|---|
JP2003191363A true JP2003191363A (ja) | 2003-07-08 |
JP4098520B2 JP4098520B2 (ja) | 2008-06-11 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006021450A (ja) * | 2004-07-08 | 2006-01-26 | Kureha Corp | 帯電防止性を有するガスバリア性フィルムおよびそれからなる袋 |
JP2018177286A (ja) * | 2017-04-11 | 2018-11-15 | 昭和電工パッケージング株式会社 | 無塵包装袋 |
US10266964B2 (en) * | 2014-12-17 | 2019-04-23 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Storage bag for polycrystalline silicon ingot, method for packing polycrystalline silicon ingot, and method for producing CZ silicon single crystal |
JP2020152457A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-09-24 | 大日本印刷株式会社 | 液体収納容器 |
DE112005002793B4 (de) | 2004-11-10 | 2021-12-30 | Showa Denko Packaging Co. | Verpackungsbeutel mit einem in ihn verpackten elektronischen Produkt |
-
2001
- 2001-12-27 JP JP2001396080A patent/JP4098520B2/ja not_active Expired - Fee Related
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