JP2003190820A - 電気式脱塩装置 - Google Patents

電気式脱塩装置

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JP2003190820A
JP2003190820A JP2001396562A JP2001396562A JP2003190820A JP 2003190820 A JP2003190820 A JP 2003190820A JP 2001396562 A JP2001396562 A JP 2001396562A JP 2001396562 A JP2001396562 A JP 2001396562A JP 2003190820 A JP2003190820 A JP 2003190820A
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chamber
ion
anion
cation
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JP2001396562A
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Takayoshi Kawamoto
孝善 川本
Osamu Nakanishi
收 中西
Toru Akiyama
徹 秋山
Kunio Fujiwara
邦夫 藤原
Yohei Takahashi
洋平 高橋
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 長期に安定して高純度の脱塩水を得るこ
とができる電気式脱塩装置及び該装置に装填するイオン
交換を提供する。 【解決手段】 陽極(+)及び陰極(−)の間に陽イオ
ン交換膜C及び陰イオン交換膜Aを少なくとも一部交互
に配列することによって脱塩室と濃縮室とが形成されて
いる電気式脱塩装置において、脱塩室及び/又は濃縮室
には、連通空孔を有する多孔性基材にイオン交換基を導
入してなるイオン交換体が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気式脱塩装置及
び電気式脱塩装置用イオン交換体に関し、特に被処理水
の流抵抗を低減させることができ、且つ被処理水中のイ
オンと十分に接触することができる新規なイオン交換体
及び該イオン交換体を具備する電気式脱塩装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電気式脱塩装置とは、陽極及び陰極の間
に陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を配列して濃縮室
及び脱塩室を交互に形成し、電位勾配を駆動源として、
脱塩室内において被処理液体中のイオンをイオン交換膜
を通して濃縮室へと移動・分離させることによって、液
体中のイオン成分を除去するものである。
【0003】図1に典型的な電気式脱塩装置の概念を示
す。図1に示す電気式脱塩装置は、陰極(−)と陽極
(+)の間に、陰イオン交換膜A、陽イオン交換膜Cが
交互に配列されて、脱塩室及び濃縮室が形成されてい
る。この陰イオン交換膜と陽イオン交換膜との交互配列
を更に繰り返すことにより、複数の脱塩室が並列に形成
される。必要に応じて、脱塩室や濃縮室内にはイオン交
換体が充填されて、これにより室内でのイオンの移動が
促進される。また、両端の陽極及び陰極に接する区画は
一般に陽極室及び陰極室と称される。これら極室は、最
も電極側の濃縮室が極室として用いられる場合もある
し、あるいは、最も電極側の濃縮室の更に電極側に更に
イオン交換膜を配置して独立して極室を形成する場合も
ある。前者の場合には、最も陰極側のイオン交換膜は陽
イオン交換膜、最も陽極側のイオン交換膜は陰イオン交
換膜であり、後者の場合には、最も陰極側のイオン交換
膜は陰イオン交換膜、最も陰極側のイオン交換膜は陽イ
オン交換膜である。
【0004】このような電気式脱塩装置の運転において
は、陽極及び陰極に電圧を印加すると共に、脱塩室、濃
縮室、両極室に水が供給される。濃縮室に供給される水
は濃縮水、脱塩室に供給される水は被処理水と称され
る。このように被処理水及び濃縮水を脱塩室及び濃縮室
にそれぞれ導入すると、水中のカチオン及びアニオンは
それぞれ陰極側及び陽極側に引かれるが、イオン交換膜
が同種のイオンのみを選択的に透過するため、被処理水
中のカチオン(Ca2+、Na+、Mg2+、H+など)は、
陽イオン交換膜Cを通して陰極側の濃縮室へ、またアニ
オン(Cl-、SO4 2-、HSiO3 -、CO3 2-、HCO3
-、OH-など)は、陰イオン交換膜Aを通して陽極側の
濃縮室へ移動する。一方、濃縮室から脱塩室へのアニオ
ンの移動及び濃縮室から脱塩室へのカチオンの移動は、
イオン交換膜の異種イオン遮断性のために阻止される。
この結果、脱塩室においては、イオン濃度の低められた
脱塩水が得られ、濃縮室においては、イオン濃度の高め
られた濃縮水が得られる。
【0005】このような電気式脱塩装置によれば、被処
理水として例えばRO(逆浸透)処理水相当の不純物の
少ない水を用いることで、脱塩水として、さらに純度の
高い純水を得ることができる。しかし、最近では、例え
ば半導体製造用超純水など、より高度な超純水が要求さ
れるようになっている。
【0006】そこで、このようなより高純度の超純水を
得るべく、種々の提案がなされている、例えば、脱塩室
及び/又は濃縮室にイオン交換体としてカチオン交換樹
脂ビーズとアニオン交換樹脂ビーズとを混合して充填す
ることにより、これらの室内におけるイオンの移動を促
進させるという方法が提案されている。さらに、イオン
交換体として、脱塩室及び/又は濃縮室内において、陽
イオン交換膜側にカチオン交換繊維材料(不織布など)
を、陰イオン交換膜側にアニオン交換繊維材料を、それ
ぞれ向かい合わせて配置したり、これらイオン交換繊維
材料の間にスペーサもしくはイオン伝導性を付与したイ
オン伝導スペーサを充填するという方法も提案されてい
る(国際出願PCT/JP99/01391 国際公報WO99/48820参
照)。
【0007】しかし、イオン交換体として、イオン交換
樹脂ビーズを用いる場合には、ビーズを均一に混合する
という煩雑な作業が必要であること、脱塩室内を被処理
水が短絡して流通しないようにビーズを緊密充填すると
いう煩雑な作業が必要であること、などのイオン交換体
装填上の問題があった。また、脱塩室内にビーズを緊密
充填させているために脱塩室への流入圧力を高く保持す
る必要があること、アニオン交換樹脂ビーズとカチオン
交換樹脂ビーズとを混合充填する場合には脱塩室に通水
する際の被処理液の流量変動により混合状態が不均一に
なる(偏在する)おそれがあること、使用中にビーズの
破損のおそれがあること、などの装置運転上の問題があ
り、長期に安定して高純度の脱塩水を得ることが困難で
あった。
【0008】また、イオン交換体として、従来用いられ
ている不織布(厚さ:0.1〜1.0mm、目付10〜100g/m2
繊維径10〜70μm)を基材とするイオン交換繊維材料だ
けを配置する場合には、被処理水などの流抵抗が生じる
ので被処理水などの流入圧力を高く保持する必要がある
こと、イオン交換体から有機体炭素(TOC)が溶出しない
ように十分な洗浄をするのが困難であること等の問題が
あり、長期に安定して高純度の脱塩水を得ることが困難
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記問題点を解決することができる新規なイオン交換体及
び該イオン交換体を配置してなる電気式脱塩装置を提供
することを目的とする。
【0010】特に、本発明の目的は、作製が容易で、ビ
ーズの場合のような煩雑な充填作業を必要とせずに容易
に充填することができ、被処理水中のイオンと充分に接
触することができる程度のイオン交換基が導入されてい
て、且つ被処理水の流路を確保することができ、被処理
液の流入圧力を高く保持する必要がなく、流量変動によ
っても偏在することなく、脱塩室内での被処理水の短絡
を防止することができ、長期に安定して高純度の脱塩水
を得ることができるイオン交換体及び該イオン交換体を
配置してなる電気式脱塩装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、従来のイオン交換樹脂ビー
ズ、イオン交換不織布及びイオン伝導スペーサなどのイ
オン交換体に代えて、連通空孔を有する多孔性基材にイ
オン交換基を導入してなるイオン交換体を用いることを
特徴とする。
【0012】すなわち、本発明によれば、陽極及び陰極
の間に陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を少なくとも
一部交互に配列することによって脱塩室と濃縮室とが形
成されている電気式脱塩装置の脱塩室及び/又は濃縮室
に配置されるイオン交換体において、該イオン交換体
は、連続気泡発泡体及び三次元織布から選択される連通
空孔を有する多孔性基材にイオン交換基を導入してなる
連通空孔型イオン交換体であることを特徴とするイオン
交換体、及び該イオン交換体が脱塩室及び/又は濃縮室
に、好ましくは少なくとも脱塩室に配置されていること
を特徴とする電気式脱塩装置が提供される。
【0013】本明細書において「連通空孔を有する多孔
性基材」とは、基材の一面側から反対側の他面側まで内
部を貫通して連続してつながった空孔を有する構造体全
般を意味し、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どオレフィン性合成樹脂からなる連続気泡発泡体、海綿
など天然の連続気泡発泡体、縦方向及び横方向に繊維を
織ってなる平面織りにさらに厚み方向にも繊維が織られ
てなる三次元織布などを含む。
【0014】本発明の電気式脱塩装置において用いるイ
オン交換体は、連通空孔を有する多孔性基材に、イオン
交換基を導入してなる連通空孔型イオン交換体である。
本発明において用いることができる連通空孔を有する多
孔性基材は、連続気泡発泡体及び三次元織布から選択さ
れる連通空孔を有する多孔性基材である。連続気泡発泡
体としては、ポリエチレン系多孔体、ポリプロピレン系
多孔体などのポリオレフィン系連続気泡発泡体を好まし
く用いることができ、三次元織布としては、ポリエチレ
ン繊維、ポリプロピレン繊維などが三次元に織られてな
るポリオレフィン系三次元織布を好ましく用いることが
できる。
【0015】本発明において用いることができる連通空
孔を有する多孔性基材は、脱塩室及び/又は濃縮室内に
充填して使用する際に、被処理液などの流体の流通を阻
害しないことが必要であり、且つこの多孔性基材にイオ
ン交換基を可能な限り多量に導入して単位表面積当たり
のイオン交換基の量を多くすることが必要である。その
ため本発明において用いることができる連通空孔を有す
る多孔性基材は、空隙率:93〜96%、平均孔径:0.6〜
2.6mm、比表面積:21000〜38000 m2/m3、特に30000m2/m
3を有することが好ましい。また、イオン交換基を導入
する基材として機能することが必要であり、ポリオレフ
ィン系高分子、例えばポリエチレン、ポリプロピレン及
びこれらの複合体からなることが好ましい。具体的に
は、空隙率:93〜96%、平均孔径:0.6〜2.6mm、比表面
積:約30000m2/m3のポリエチレン系多孔体(積水化学工
業(株)製)を特に好ましく用いることができる。本発
明においては、このような連通空孔を有する多孔性基材
にイオン交換基を導入してなるイオン交換体を用いるこ
とによって、被処理液の流通を阻害せずにイオン交換体
中を通過させ、被処理液の流入圧力を高く保持する必要
なく、被処理液をイオン交換体と充分に接触させること
ができる。
【0016】本発明のイオン交換体は、上述のような連
通空孔を有する多孔性基材に、イオン交換基が導入され
てなるものである。イオン交換基の導入は、アニオン交
換体の場合には中性塩分解容量が2.8〜3.3meq/g、カチ
オン交換体の場合には中性塩分解容量が2.7〜3.0meq/g
となるように行うことが好ましい。イオン交換体の中性
塩分解容量が上述の範囲にあれば、被処理水中のイオン
と接触可能なイオン交換基が多く、良好なイオン交換機
能を奏することができる。
【0017】イオン交換基の導入は、好ましくはグラフ
ト重合法、特に好ましくは放射線グラフト重合法により
行うことができる。ここで、放射線グラフト重合法と
は、高分子基材に放射線を照射してラジカルを形成さ
せ、これにモノマーを反応させることによってモノマー
を基材中に導入するという技法である。グラフト重合法
又は放射線グラフト重合法によりイオン交換基を導入す
る場合には、本発明において用いられる連通空孔を有す
る多孔性基材は、グラフト重合基材として好ましく用い
られているポリオレフィン系樹脂などの連通空孔を有す
る多孔性基材であることが好ましい。
【0018】放射線グラフト重合法に用いることができ
る放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、紫外線
等を挙げることができるが、本発明においてはγ線や電
子線を好ましく用いる。放射線グラフト重合法には、グ
ラフト基材に予め放射線を照射した後、グラフトモノマ
ーと接触させて反応させる前照射グラフト重合法と、基
材とモノマーの共存下に放射線を照射する同時照射グラ
フト重合法とがあるが、本発明においては、いずれの方
法も用いることができる。また、モノマーと基材との接
触方法により、モノマー溶液に基材を浸漬させたまま重
合を行う液相グラフト重合法、モノマーの蒸気に基材を
接触させて重合を行う気相グラフト重合法、基材をモノ
マー溶液に浸漬した後モノマー溶液から取り出して気相
中で反応を行わせる含浸気相グラフト重合法などを挙げ
ることができるが、いずれの方法も本発明において用い
ることができる。
【0019】本発明において連通空孔を有する多孔性基
材に導入するイオン交換基としては、特に限定されるこ
となく種々のカチオン交換基又はアニオン交換基を用い
ることができる。例えば、カチオン交換基としては、ス
ルホン基などの強酸性カチオン交換基、リン酸基などの
中酸性カチオン交換基、カルボキシル基、フェノール性
水酸基などの弱酸性カチオン交換基、アニオン交換基と
しては、第1級〜第3級アミノ基などの弱塩基性アニオ
ン交換基、第4アンモニウム基などの強塩基性アニオン
交換基を用いることができ、或いは、上記カチオン交換
基及びアニオン交換基の両方を併有するイオン交換体を
用いることもできる。
【0020】これらの各種イオン交換基は、これらのイ
オン交換基を有するモノマーを用いてグラフト重合、好
ましくは放射線グラフト重合を行うか、又はこれらのイ
オン交換基に転換可能な基を有する重合性モノマーを用
いてグラフト重合を行った後に当該基をイオン交換基に
転換することによって、連通空孔を有する多孔性基材に
導入することができる。この目的で用いることのできる
イオン交換基を有するモノマーとしては、アクリル酸
(AAc)、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ナトリ
ウム(SSS)、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリ
ルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウ
ム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
(VBTAC)、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどを挙げ
ることができる。例えば、スチレンスルホン酸ナトリウ
ムをモノマーとして用いて放射線グラフト重合を行うこ
とにより、基材に直接、強酸性カチオン交換基であるス
ルホン基を導入することができ、また、ビニルベンジル
トリメチルアンモニウムクロライドをモノマーとして用
いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直
接、強塩基性アニオン交換基である第4級アンモニウム
基を導入することができる。また、イオン交換基に転換
可能な基を有するモノマーとしては、アクリロニトリ
ル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロ
メチルスチレン、メタクリル酸グリシジル(GMA)な
どが挙げられる。例えば、メタクリル酸グリシジルを放
射線グラフト重合によって基材に導入し、次に亜硫酸ナ
トリウムなどのスルホン化剤を反応させることによって
強酸性カチオン交換基であるスルホン基を基材に導入し
たり、又はクロロメチルスチレンをグラフト重合した後
に、基材をトリメチルアミン水溶液に浸漬して4級アン
モニウム化を行うことによって、強塩基性アニオン交換
基である第4級アンモニウム基を基材に導入することが
できる。
【0021】本発明の連通空孔を有する多孔性基材にイ
オン交換基を導入してなるイオン交換体は、弾力性に富
む基材を1ユニットとしているので、脱塩室及び/又は
濃縮室に圧密充填することが容易であり、室内での流体
の流を阻害せず、流体圧力損失を軽減できる。また、連
通空孔を有する多孔性基材にイオン交換基が好ましくは
グラフト重合により導入されているので、連通空孔中を
流通する被処理水中のイオンとイオン交換体のイオン交
換基とが充分に接触し、イオンの分離移動を促進し、十
分な脱塩処理を施すことができる。
【0022】また、本発明によれば、上述の本発明の連
続空孔を有する多孔性基材にイオン交換基を導入してな
るイオン交換体を、陽極及び陰極の間に陽イオン交換膜
及び陰イオン交換膜を少なくとも一部交互に配列するこ
とによって脱塩室と濃縮室とが形成されている電気式脱
塩装置において、脱塩室及び/又は濃縮室、好ましくは
少なくとも脱塩室に配置してなる電気式脱塩装置が提供
される。
【0023】本発明の電気式脱塩装置において用いるこ
とができる陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜として
は、公知のイオン交換膜、例えば、(株)トクヤマ製
「CMB」、「NEOSEPTA CM1」など、陰イオン交換膜とし
ては例えば(株)トクヤマ製「AHA」、「NEOSEPTA AM
1」など、市販のイオン交換膜を制限なく使用すること
ができる。
【0024】本発明の電気式脱塩装置においては、特
に、脱塩室及び/又は濃縮室内に、好ましくは少なくと
も脱塩室内に、陽イオン交換膜側には連通空孔を有する
多孔性基材にカチオン交換基を導入してなるカチオン交
換体が、陰イオン交換膜側には連通空孔を有する多孔性
基材にアニオン交換基を導入してなるアニオン交換体
が、それぞれ配置されていることが好ましい。この場合
には、被処理水を脱塩室及び/又は濃縮室に流通させる
際に、被処理水はその流方向に沿って連通空孔内を流通
するので、被処理水中のイオンは被処理水の流れ方向に
沿って存在する連通空孔を有する多孔性基材に導入され
たイオン交換基と充分に接触しながら室内を流通する
が、カチオン交換体を陽イオン交換膜側に配置し、アニ
オン交換体を陰イオン交換膜側に配置することで、被処
理水中のカチオンはカチオン交換体及び陽イオン交換膜
側に移動して、アニオンはアニオン交換体及び陰イオン
交換膜側に移動するので、イオンの分離及び移動が促進
される。
【0025】あるいは本発明の電気式脱塩装置において
は、少なくとも脱塩室内に、連通空孔を有する多孔性基
材にアニオン交換基を導入してなるアニオン交換体及び
連通空孔を有する多孔性基材にカチオン交換基を導入し
てなるカチオン交換体が、被処理水の流方向に直交する
態様で交互に積層されてもよい。アニオン交換体及びカ
チオン交換体の積層の順番はいずれでもよい。例えば、
脱塩室で、シリカ、炭酸成分などの弱解離性イオンを多
量に含む被処理水を脱塩処理することが望ましい場合に
は、脱塩室に流入する被処理水が最初にアニオン交換体
を通過し、次いでカチオン交換体を通過するように積層
することが好ましい。最初にアニオン交換体を通過させ
ることで、被処理水中のHCO3 -、CO3 2-、Si2-
アニオン交換体を介して陰イオン交換膜側に移動させて
除去するためである。また、アニオン交換体及びカチオ
ン交換体の比率は、被処理水の水質にも依存するが、例
えばシリカ、炭酸成分などの弱解離性イオンを含む被処
理水の場合には、イオン交換容量でアニオン交換体:カ
チオン交換体=3:1〜4:1が好ましい。
【0026】また本発明の電気式脱塩装置においては、
少なくとも脱塩室に、連通空孔を有する多孔性基材にイ
オン交換基を導入してなるイオン交換体が圧密充填状態
に配置されていることが好ましい。イオン交換体の連通
空孔を有する多孔性基材は、適度な弾性を有するので、
容易に圧縮でき、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜との
間に圧密充填、さらには所望の厚さに充填することが容
易である。例えば、厚さ2.5〜5mmの脱塩室に対して、
厚さ1〜8mmのイオン交換体を1枚又は複数枚、充填す
ることができる。ここで、圧密充填は、イオン交換体の
充填前の厚さに対して85〜95%となるように圧縮して充
填することが好ましく、イオン交換体の連通空孔を有す
る多孔性基材の空隙率は、80%以上となることが好まし
い。このようにイオン交換体を圧密充填させると、イオ
ン交換膜とイオン交換体との間、及びイオン交換体を複
数枚充填する場合にはイオン交換体とイオン交換体との
間は圧密状態になるが、被処理水などの流体はイオン交
換体の連通空孔を通過することができるので、流体の移
動は妨げられない。また、イオン交換体を圧密充填する
ことにより、イオン交換体同士、又はイオン交換体とイ
オン交換膜との間に間隙が形成されず、脱塩室入口から
脱塩室出口まで被処理水がイオン交換体と接触せずに通
過してしまう空間が発生しないので、被処理水中のイオ
ンとイオン交換体中のイオン交換基との接触をさらに向
上させることができる。
【0027】また、イオン交換体を複数枚充填する場合
には、上述のように、アニオン交換膜側にアニオン交換
体を、カチオン交換膜側にカチオン交換体をそれぞれ流
体の流方向と平行に配置させるように予め組み合わせ
て、例えば脱塩室に装填することが好ましい。この場合
には、脱塩室を構成するアニオン交換膜及びカチオン交
換膜によって、アニオン交換体及びカチオン交換体が押
圧されるが、これらイオン交換体は弾力性のある連通空
孔を有する多孔性基材からなるので、両者の接触部にお
いて、これらイオン交換体は互いに押圧されて相互に食
い込む態様で圧密充填される。この場合には、アニオン
交換体とカチオン交換体との接触部において、アニオン
交換基とカチオン交換基とが混在する部分が生じ、被処
理水中に混在するアニオンとカチオンとがそれぞれアニ
オン交換体側及びカチオン交換体側に分離移動するよう
になるので、被処理水中イオンの分離移動がさらに促進
される。
【0028】あるいは、本発明のイオン連通空孔を有す
る多孔性基材にイオン交換基を導入してなるイオン交換
体の間に、従来のイオン伝導スペーサを介在させて配置
してもよい。イオン伝導スペーサとしては、ポリオレフ
ィン系高分子性樹脂、例えば、従来電気透析槽において
使用されていたポリエチレン製の斜交網(ネット)を基
材として、これに、上述の放射線グラフト法を用いてイ
オン交換機能を付与したものが、イオン伝導性に優れ、
被処理水の分散性に優れているので、好ましい。本発明
の電気式脱塩装置において好ましく用いることができる
イオン伝導スペーサとしては、被処理水が乱流を起こし
ながら分散して流れやすいこと、スペーサとイオン交換
体とが十分に密着することができること、溶出物や粒子
の発生が少ないこと、圧力損失が少ないこと等の条件を
満たすものであればよく、形状、寸法は適宜設定するこ
とができる。処理流量を大きくすることができ、圧力損
失が小さい好ましい網の全厚としては、0.3〜1.5mmを挙
げることができ、全体としてこの範囲内であれば非常に
肉薄のスペーサを複数枚用いることもできる。複数枚の
イオン伝導スペーサを用いる場合には、アニオン交換体
側にはアニオン伝導スペーサを配設し、カチオン交換体
側にはカチオン伝導スペーサを配設することが好まし
い。しかし、イオン伝導スペーサの配置はこれに限定さ
れるものではなく、被処理水の水質に依存して変動し、
イオン交換体の間に、アニオン伝導スペーサのみ、ある
いはカチオン伝導スペーサのみを、複数枚、配設しても
よい。
【0029】本発明の電気式脱塩装置においては、好ま
しくは2.5〜5mm厚の脱塩室及び/又は好ましくは0.5〜
3.5mm厚の濃縮室の中に、アニオン交換体、カチオン交
換体、及び場合によってはイオン伝導スペーサを挟み込
む。それぞれの厚さは、被処理水流量、圧力損失、被処
理水の水質、電圧等を考慮して、適宜決定することがで
きる。
【0030】本発明の連通空孔を有する多孔性基材にイ
オン交換基を導入してなるイオン交換体を脱塩室及び/
又は濃縮室に配置してなる電気式脱塩装置によれば、弾
力性に富む基材を1ユニットとしているので脱塩室及び
/又は濃縮室への圧密充填が容易で結果的に装置の組立
が容易であり、室内での流体の流が阻害されないので、
流体圧力損失が軽減され、また、イオン交換体の連通空
孔中を流通する被処理水中のイオンとイオン交換体のイ
オン交換基とが充分に接触するようになり、イオンの分
離移動が促進されるので、十分な脱塩処理が達成され
る。
【0031】
【好ましい実施形態の説明】以下、添付図面を参照しな
がら本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0032】図2に、本発明の連通空孔を有する多孔性
基材にイオン交換基を導入してなるイオン交換体を被処
理水の流方向と平行に配置した場合の電気式脱塩装置の
模式図を示す。なお、図中、本発明の特徴を説明する目
的で、脱塩室1室及び濃縮室2室の形態で示すが、脱塩
室及び濃縮室の数は、必要に応じて適宜増やすことがで
きる。 図2において、電気式脱塩装置は、陽極(+)
と陰極(−)との間に、陰イオン交換膜(A)と陽イオ
ン交換膜(C)とを交互に配置して、脱塩室及び濃縮室
を形成している。図中、Kは極室を表す。脱塩室及び濃
縮室内には、陰イオン交換膜(A)側に、連通空孔を有
する多孔性基材にアニオン交換基を導入してなるアニオ
ン交換体が、陽イオン交換膜(C)側に連通空孔を有す
る多孔性基材にカチオン交換基を導入してなるカチオン
交換体がそれぞれ圧密充填されている。特に、脱塩室に
おいては、カチオン交換体とアニオン交換体とが互いに
食い込む態様で圧密充填されていて、脱塩室中央部に
は、アニオン交換体とカチオン交換体とが互いに食い込
んだ態様で混在する部分が形成される。
【0033】図2に示す電気式脱塩装置の運転時には、
陽極(+)及び陰極(−)に電圧を印加しながら、図
中、下から矢印の方向に向けて、脱塩室に被処理水を、
濃縮室に水をそれぞれ通水させる。脱塩室内において
は、被処理水がカチオン交換体及びアニオン交換体を通
過して脱塩室出口に向かって(図中、上方向)流れる。
このとき、脱塩室中央部のアニオン交換体及びカチオン
交換体混在部分では、被処理水中のアニオンはアニオン
交換体側に移動し、カチオンはカチオン交換体側に移動
するので、イオンの分離移動が促進される。被処理水が
脱塩室を通過する間に、アニオンは、アニオン交換体の
連通空孔を通過してアニオン交換膜(A)側に移動し
て、隣接する濃縮室に通過し、カチオンは、カチオン交
換体の連通空孔を通過してカチオン交換膜(C)側に移
動して、隣接する濃縮室に通過し、被処理水からイオン
が除去されて、脱塩室出口からは脱塩処理水が得られ
る。ここで、イオン交換体が連通空孔構造であるから、
流体の移動は妨げられず、流体圧力の損失は非常に少な
い。
【0034】また本発明の電気式脱塩装置の他の実施態
様として、図3に、本発明の連通空孔を有する多孔性基
材にイオン交換基を導入してなるイオン交換体を被処理
水の流方向と直行する態様に積層配置した場合の電気式
脱塩装置の模式図を示す。
【0035】図3に示す電気式脱塩装置は、脱塩室内の
イオン交換体の充填態様を除いて、図2に示す電気式脱
塩装置と同様の構成である。脱塩室内には、本発明のイ
オン交換体が、脱塩室入口(図中、装置底部)側から、
アニオン交換体、カチオン交換体、アニオン交換体、カ
チオン交換体及びアニオン交換体の順序で積層充填され
ている。
【0036】図3に示す電気式脱塩装置の運転時には、
図2に示す電気式脱塩装置と同様に、両電極間に電圧を
印加しながら、脱塩室及び濃縮室に通水させる。脱塩室
内では、被処理水がアニオン交換体、カチオン交換体、
アニオン交換体、カチオン交換体及びアニオン交換体を
この順序で通過して脱塩室出口に向かって(図中、上方
向)流れる。被処理水がアニオン交換体中の連通空孔を
通過する際に、被処理水中のアニオンはアニオン交換膜
側に移動し、被処理水がカチオン交換体中の連通空孔を
通過する際に、被処理水中のカチオンはカチオン交換膜
側に移動して、それぞれ隣接する濃縮室に通過する。さ
らに、被処理水が最初のアニオン交換体を通過する際
に、被処理水中のSi2-、HCO3 -、CO3 2-などのイ
オンもアニオン交換体中の連通空孔を通過してアニオン
交換膜側に移動して、隣接する濃縮室に通過する。こう
して、脱塩室出口からは、被処理水中のイオンに加えて
シリカや炭酸成分も除去された脱塩水が得られる。
【0037】
【実施例】
【0038】
製造例1−アニオン交換体の製造 連通空孔を有する多孔性基材として、ポリエチレン系多
孔体(積水化学工業(株)製、、平均孔径0.6〜2.6mm、
空隙率96%、比表面積30000m2/m3)を用いた。この連通
空孔を有する多孔性基材に、窒素雰囲気下で、γ線(15
0kGy)を照射した。照射済みの連通空孔を有する多孔性
基材を、予め活性アルミナによって重合禁止剤を取り除
いたクロロメチルスチレン(m体70%:p体30%、セイ
ミケミカル社製、商品名CMS-AM)中に浸漬して、50℃で
6時間反応させて、クロロメチルスチレングラフト連通
空孔を有する多孔性基材(グラフト率:205%)を得
た。このグラフト連通空孔を有する多孔性基材をトリメ
チルアミン水溶液(10wt%)にて4級アンモニウム化を
行い、水酸化ナトリウム水溶液で再生して、アニオン交
換体(中性塩分解容量:2.9meq/g(平均値))を得た。−カチオン交換体の製造 連通空孔を有する多孔性基材として、ポリエチレン系多
孔体(積水化学工業(株)製、空隙率96%、平均孔径0.6
〜2.6mm、比表面積30000m2/m3)を用いた。この連通空
孔を有する多孔性基材に、窒素雰囲気下で、γ線(150k
Gy)を照射した。この照射済みの連通空孔を有する多孔
性基材を、メタクリル酸グリシジルの10%メタノール溶
液中に浸漬し、45℃で4時間反応させて、グラフト連通
空孔を有する多孔性基材(グラフト率:195%)を得
た。このグラフト連通空孔を有する多孔性基材を、亜硫
酸ナトリウム:イソプロピルアルコール:水=1:1:
8(重量比)の溶液に浸漬し、80℃で8時間反応させ
て、カチオン交換体(中性塩分解容量:2.8meq/g(平均
値))を得た。
【0039】
比較製造例1−強塩基性アニオン交換不織布の製造 繊維径17μmのポリエチレン(鞘)/ポリプロピレン
(芯)の複合繊維よりなる目付55g/m2、厚さ0.35mmの熱
融着不織布に、窒素雰囲気下で、電子線(150kGy)を照
射した。予め活性アルミナ充填層に通液して重合禁止剤
を取り除いた後、窒素曝気して脱酸素を行ったクロロメ
チルスチレン(セイミケミカル社製、商品名:CMS-AM)
溶液中に、照射済みの不織布基材を浸漬して、50℃で6
時間反応させた。その後、溶液から不織布を取り出し
て、トルエンに3時間浸漬してホモポリマーを除去した
後、乾燥させて、グラフト不織布(グラフト率:161
%)を得た。このグラフト不織布をトリメチルアミン水
溶液(10wt%)にて、4級アンモニウム化を行い、水酸
化ナトリウム水溶液で再生して、強塩基性アニオン交換
不織布(中性塩分解容量:2.7〜3.4meq/g)を得た。−強酸性カチオン交換不織布の製造 繊維径17μmのポリエチレン(鞘)/ポリプロピレン
(芯)の複合繊維よりなる目付55g/m2、厚さ0.35mmの熱
融着不織布に、窒素雰囲気下で、電子線(150kGy)を照
射した。この照射済みの不織布を、メタクリル酸グリシ
ジルの10%メタノール溶液中に浸漬し、45℃で4時間反
応させた後、乾燥させて、グラフト不織布(グラフト
率:131%)を得た。このグラフト不織布を、亜硫酸ナ
トリウム:イソプロピルアルコール:水=1:1:8
(重量比)の溶液に浸漬し、80℃で10時間反応させて、
強酸性カチオン交換不織布(中性塩分解容量:2.72meq/
g(平均値))を得た。−アニオン伝導スペーサの製造 厚み1.2mm、ピッチ3mmのポリエチレン製の斜交網をド
ライアイスで冷却しながら、窒素雰囲気下で、γ線(15
0kGy)を照射した。この照射済み斜交網を、予め活性ア
ルミナによって重合禁止剤を取り除いたクロロメチルス
チレン(m体70%:p体30%、セイミケミカル社製、商
品名:CMS-AM)中に浸漬して、50℃で5時間反応させ
て、クロロメチルスチレングラフト斜交網(グラフト
率:90%)を得た。このグラフト斜交網をトリメチルア
ミン水溶液(10wt%)にて、4級アンモニウム化を行
い、水酸化ナトリウム水溶液で再生して、アニオン伝導
スペーサ(中性塩分解容量:1.6〜1.9meq/g)を得た。−カチオン伝導スペーサの製造 厚み1.2mm、ピッチ3mmのポリエチレン製の斜交網をド
ライアイスで冷却しながら、窒素雰囲気下で、γ線(15
0kGy)を照射した。照射済み斜交網をスチレンスルホン
酸ナトリウム25%、アクリル酸25%の混合モノマー溶液
に浸漬して、50℃で3時間反応させ、スルホン酸及びア
クリル酸導入カチオン伝導スペーサ(グラフト率:153
%、中性塩分解容量:1.5〜1.8meq/g)を得た。
【0040】
実施例1】図2に示す電気式脱塩装置の構成となるよ
うに、脱塩室及び濃縮室の陽イオン交換膜側に製造例1
で製造したカチオン交換体が、陰イオン交換膜側に製造
例1で製造したアニオン交換体が配置されるように予め
両者のイオン交換体を組み合わせて、被処理水の流方向
に平行に圧密状態に充填した。
【0041】両電極間に電流(1.5A)を印加し、被処理水
として、藤沢市水を逆浸透膜で処理したRO処理水(導
電率:0.5ms/m)を流量1m3/hで脱塩室に流入させた。
同時に、濃縮水(流量0.3m3/h)で濃縮室に流入させ
た。被処理水の流入圧力損失は0.05〜0.08MPaであっ
た。得られた処理水の比抵抗は、17.9MΩ・cmであり、
シリカ除去率は98%であった。
【0042】
比較例1】イオン交換体として、脱塩室には、陽イオ
ン交換膜側に比較製造例1で製造したカチオン交換不織
布を、陰イオン交換膜側に比較製造例1で製造したアニ
オン交換不織布を、カチオン交換不織布とアニオン交換
不織布との間に比較製造例1で製造したアニオン伝導ス
ペーサを2枚装填し、濃縮室には、陽イオン交換膜側に
比較製造例1で製造したカチオン伝導スペーサを、陰イ
オン交換膜側に比較製造例1で製造したアニオン伝導ス
ペーサを、それぞれ1枚ずつ装填した以外は、実施例1
と同様に実験を行ったところ、被処理水の流入圧力損失
は、0.06〜0.09MPaで、得られた処理水の比抵抗は、17.
4MΩ・cmであり、シリカ除去率は96%であった。
【0043】これらの結果から、本発明の連通空孔を有
する多孔性基材にイオン交換基を導入してなるイオン交
換体を用いた場合には、従来のイオン交換繊維材料(不
織布)のみの場合に比較して、流体がより流通しやす
く、イオン交換繊維材料とイオン伝導スペーサとの組合
せと同等の流通性を示すことがわかる。また、イオン交
換繊維材料とイオン伝導スペーサとの組合せと比較し
て、製造及び充填作業が非常に容易になることがわか
る。
【0044】
実施例2】図3に示す電気式脱塩装置の構成となるよ
うに、脱塩室に、製造例1で製造したアニオン交換体及
びカチオン交換体を、容積比でアニオン交換体:カチオ
ン交換体=70%:30%(イオン交換容量比でアニオン交
換体:カチオン交換体=3:1)となるように、交互に
積層させて、脱塩室入口側にアニオン交換体が位置する
ように充填した。一方、濃縮室は、実施例1と同様に構
成した。
【0045】両電極間に電流(1.5A)を印加し、被処理水
として、藤沢市水を逆浸透膜で処理したRO処理水(導
電率:0.5ms/m)を流量1m3/hで脱塩室に流入させた。
同時に、濃縮水(流量0.3m3/h)で濃縮室に流入させ
た。被処理水流入圧力損失は、0.05〜0.08MPaであっ
た。得られた処理水の比抵抗は、18.05MΩ・cmであ
り、シリカ除去率は99%であった。
【0046】この結果より、本発明のイオン交換体を、
被処理水の通水がアニオン交換体及びイオン交換体の順
序となるように、積層充填することで、シリカの除去率
が格段に向上することがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明のイオン交換体及び該イオン交換
体を装填した電気式脱塩装置を用いれば、製造が容易
で、ビーズの場合のような煩雑な充填作業を必要とせず
に容易に充填することができ、被処理水中のイオンと充
分に接触することができる程度のイオン交換基が導入さ
れていて、被処理液の流入圧力を高く保持する必要がな
く、流量変動によっても偏在することなく、脱塩室内で
の被処理水の短絡を防止することができ、長期に安定し
て高純度の脱塩水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、典型的な電気式脱塩装置の概念を示す
模式図である。
【図2】図2は、本発明の連通空孔を有する多孔性基材
にイオン交換基を導入してなるイオン交換体を被処理水
の流方向と平行に圧密充填した場合の電気式脱塩装置の
模式図である。
【図3】図3は、本発明の連通空孔を有する多孔性基材
にイオン交換基を導入してなるイオン交換体を被処理水
の流方向と直行する態様に積層配置した場合の電気式脱
塩装置の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 9/36 CES C08L 23:00 // C08L 23:00 C02F 1/46 103 (72)発明者 秋山 徹 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 (72)発明者 藤原 邦夫 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 高橋 洋平 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA17 HA47 JA02A JA04A JA04C JA30A JA41A JA42A JA43A JA44A KE02Q KE06Q KE18Q MA03 MA13 MA14 MB07 PA01 PB02 PB25 PB26 PC02 4D061 DA02 DB13 EA09 EB01 EB19 EB39 FA08 GC02 GC12 4F074 AA16 AA17 AA24 CC10 CC48 CD20 CE15 CE16 CE27 CE93 DA13 DA47 DA49

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極及び陰極の間に陽イオン交換膜及び
    陰イオン交換膜を少なくとも一部交互に配列することに
    よって脱塩室と濃縮室とが形成されている電気式脱塩装
    置の脱塩室及び/又は濃縮室に配置されるイオン交換体
    において、該イオン交換体は、連続気泡発泡体及び三次
    元織布から選択される連通空孔を有する多孔性基材にイ
    オン交換基を導入してなる連通空孔型イオン交換体であ
    ることを特徴とするイオン交換体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のイオン交換体であっ
    て、前記多孔性基材に、放射線グラフト重合法により、
    イオン交換基が導入されてなることを特徴とするイオン
    交換体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のイオン交
    換体であって、該イオン交換体は、前記多孔性基材にカ
    チオン交換基を導入してなる連通空孔型カチオン交換体
    及び前記多孔性基材にアニオン交換基を導入してなる連
    通空孔型アニオン交換体であることを特徴とするイオン
    交換体。
  4. 【請求項4】 陽極及び陰極の間に陽イオン交換膜及び
    陰イオン交換膜を少なくとも一部交互に配列することに
    よって脱塩室と濃縮室とが形成されていて、脱塩室及び
    /又は濃縮室に、請求項1〜請求項3のいずれか1項に
    記載のイオン交換体が配置されていることを特徴とする
    電気式脱塩装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電気式脱塩装置であっ
    て、前記イオン交換体は、前記多孔性基材にカチオン交
    換基を導入してなる連通空孔型カチオン交換体及び前記
    多孔性基材にアニオン交換基を導入してなる連通空孔型
    アニオン交換体であり、脱塩室及び/又は濃縮室におい
    て、陽イオン交換膜側には連通空孔型カチオン交換体
    が、陰イオン交換膜側には連通空孔型アニオン交換体
    が、それぞれ配置されていることを特徴とする電気式脱
    塩装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の電気式脱塩装置であっ
    て、前記イオン交換体は、前記多孔性基材にカチオン交
    換基を導入してなる連通空孔型カチオン交換体及び前記
    多孔性基材にアニオン交換基を導入してなる連通空孔型
    アニオン交換体であり、少なくとも脱塩室には、連通空
    孔型アニオン交換体及び連通空孔型カチオン交換体が、
    被処理水の流方向に直交する態様で交互に積層充填され
    ていることを特徴とする電気式脱塩装置。
  7. 【請求項7】 請求項4〜請求項6のいずれか1項に記
    載の電気式脱塩装置であって、少なくとも脱塩室には、
    前記連通空孔型イオン交換体が圧密充填状態に配置され
    ていることを特徴とする電気式脱塩装置。
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