JP2003190291A - 医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法および医療用ガイドワイヤ - Google Patents
医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法および医療用ガイドワイヤInfo
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Abstract
材とトルク伝達性を備えた導入部材とを、製造コストの
上昇を抑えて容易に接合できる製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】化学組成の異なる、形態順応性を備えた挿
入部材1とトルク伝達性を備えた導入部材3とを管状接
続部材3で以て一体に接合した医療用ガイドワイヤ用芯
材の製造方法であって、上記挿入部材1および導入部材
2の接合部1a、2aを切削により細径加工し、これら
を管状接続部材3に挿入しした後、管状接続部材3にレ
ーザーAを照射して、挿入部材1および導入部材2と管
状接続部材3とを接合する。
Description
とする血管、消化管、気管、その他体腔(以下、要治療
管という)内に導入する細い管状のカテーテルを案内す
るのに用いる医療用ガイドワイヤ用芯材(以下、芯材と
もいう)の製造方法及びその製造方法により製造された
芯材を用いた医療用ガイドワイヤ(以下、ガイドワイヤ
ともいう)に関する。
のものがあるが、一般的には、図2(a)に示すよう
に、所定長さの芯材10の周囲を合成樹脂11で被覆し
たものと、図2(b)に示すように、所定長さの芯材1
2の周囲をコイルスプリング13で被包したものとがあ
る。そして、図2(a)(b)に示すように、芯材10
と12にはガイドワイヤとしての挿入部分に柔軟性を付
与するため、挿入部10aと12aは次第に断面積が減
少する先細形状に形成されている。
ノ線が従来から用いられている。しかし、この種の芯材
を用いたガイドワイヤは、先端部分を先細形状にしても
柔軟性に欠け、複雑に蛇行する分岐血管等に対しては適
用し難いという問題があった。
(1)Ti−Ni−Fe系合金を用いたガイドワイヤ
(例えば、特公平4−2273号公報)、(2)Ti−
Ni系合金を用いたガイドワイヤ(例えば、特公平4−
8065号公報)、(3)Co−Ni−Cr−Fe系合
金を用いたガイドワイヤ(例えば、特開平6−6315
1号公報)等が提案されている。
1号公報第1欄第50行〜第2欄第7行にも記載されて
いるように、回復可能な弾性歪みが数%から数十%と大
きく、しかも歪みが増加しても荷重の大きさが変わらな
いという特性を意味する。
なりの範囲までの変形(約8%の歪み)に対しても復元
性を有するため、手元操作中、折れ曲がりが生じ難く、
且つ曲がりぐせがつきにくいなどの利点を有している。
は、手元操作によって要治療管内にスムーズに挿入でき
て、カテーテルを目的部位に正確に案内導入できること
である。このため、ガイドワイヤに用いる芯材には、挿
入部が複雑に蛇行する要治療管に対応し、且つ要治療管
の内壁を傷つけることなく挿入し得る形態順応性を備
え、これに続く導入部が手元での微妙な操作量でも挿入
部に正確に伝達するトルク伝達性を備えていることが要
求されている。
複雑な分岐血管に対しても適用できるようにするため、
ガイドワイヤの芯材には、挿入部の形態順応性と導入部
のトルク伝達性を、より一層向上することが求められて
いる。
用いたガイドワイヤは、芯材が超弾性の単一材料からな
るため、全体として、超弾性があって形態順応性を充分
に備えているが、伝達可能トルク及びねじり剛性がステ
ンレス鋼線またはピアノ線に比較して劣るため、導入部
のトルク伝達性に難点がある。
イヤは、超弾性合金の単一材料で構成した芯材の挿入部
と導入部の熱処理条件を変えることにより、挿入部に形
態順応性を付与し、導入部にトルク伝達性を付与したも
のであるが、高価な超弾性合金を用いて熱処理している
ため、材料コストおよび処理コストが高くなり、製造コ
ストが上昇する。
性を備えた線材とトルク伝達性を備えた線材とを管状接
合部材により接合したガイドワイヤが提案されている。
例えば、特開平4−9162号公報には、環状接合部材
(管状接合部材)の内径が第1の線条体(挿入部材)の
先端の外径および第2の線条体(導入部材)の後端部の
外径より若干小さい内径を有する形状を記憶しており、
内径を強制的に拡径することにより、内径を拡大した
後、上記の線条体の接合部に被嵌し、そして、所定温度
に加熱あるいは冷却することにより、記憶している形状
に復元させて両線条体を固着させたガイドワイヤが提案
されている。また、特開平11−57014号公報に
は、先端に向かって徐々に細径にした第1のワイヤ(挿
入部材)の後端部に1〜10μm厚みの金属薄膜を、蒸
着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、プ
ラズマCVD法、電解メッキ法等により形成させ、この
金属薄膜を接合補助用として、接合部材の内面と挿入部
材との外面間(ろう充填空間)に充填したろうによりろ
う付けして固着するガイドワイヤが提案されている。
ガイドワイヤは、管状接合部材の内径を強制的に拡径し
て製造されるものであって、管状接合部材の内径は0.
3mm程度と非常に小さいため、これを強制的に拡径す
るには時間と熟練を要し、コストの上昇は避けられな
い。また、後者のガイドワイヤは、蒸着方法やイオンプ
レーティング方法等により表面に金属被膜を形成させて
製造されるものであって、蒸着装置やイオンプレーティ
ング装置等の金属被膜を形成させる装置は高価であり、
また、これらの装置によって数ミクロン厚の金属被膜を
形成させるには長時間を要し、しかも、ろう付けは時間
がかかるため1本当たりの製造時間が長く、製造コスト
が上昇するといった問題を有していた。
てなされたものであって、その目的は、化学組成の異な
る、形態順応性を備えた挿入部材とトルク伝達性を備え
た導入部材とを、製造コストの上昇を抑えて容易に接合
できる製造方法を提供することにある。
に本発明の医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法は、化
学組成の異なる、形態順応性を備えた挿入部材とトルク
伝達性を備えた導入部材とを管状接続部材で以て一体に
接合した医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法であっ
て、上記挿入部材および導入部材の接合部を切削により
細径加工し、これらを管状接続部材に挿入しした後、管
状接続部材にレーザーを照射して、挿入部材および導入
部材と管状接続部材とを接合することを特徴とする。
切削加工により各部材を細径化し、この細径化した接合
部を管状接合部材に挿入するだけであるから、時間と熟
練を必要とせず、高価な設備も不要である。しかも接合
手段はレーザによるので極短時間に接合を完了すること
ができる。
にも内壁を傷つけることなく容易に挿入しうる特性を意
味し、トルク伝達性とは、微妙な手元操作量を先端部
(挿入部)に正確に伝達し得る特性を意味し、具体的に
は、挿入部を、Ti−Ni系合金、Cu−Al−Ni系
合金またはCo−Ni−Cr−Fe系合金の線材で構成
し、導入部を、ステンレス鋼またはCo−Ni−Cr−
Fe系合金の線材で構成するのがよい。
材と導入部材との親和性を考えて、NiまたはNi系合
金が最も好ましい。
接合部材との接合手段は、通常の光に比較して単色性と
指向性がよく、位相が揃っており、極めて集光性がよい
という性質をもつレーザ光を利用したレーザ溶接が最も
好ましいが、電子ビームを利用した電子ビーム溶接も利
用できる。また、レーザ光あるいは電子ビームは管状接
合部材全体に照射してもよいが、挿入部材の接合部が挿
入されている箇所と導入部材の接合部が挿入されている
箇所を、別々に照射すれば、溶接がより確実となり好ま
しい。
で被覆したり、コイルスプリングで被包することによ
り、医療用ガイドワイヤを構成することができる。
いて説明する。
面図で、挿入部材1および導入部材2は接合部1a、2
aを旋盤等により細径加工し、これら接合部1a、2a
を管状接合部材3に挿入し、レーザ光Aを管状接合部材
に照射して溶接している状態を示す。
の弾性限度(形態順応性)が導入部材2の弾性限度より
大きく、導入部材2のねじり剛性(トルク伝達性)が挿
入部材1のねじり剛性より大きくなるような関係を満た
すように、化学組成の異なる線材で構成されている。線
径は0.2〜0.7mm程度である。
ではないが、2〜5mm程度が好ましい。というのは、
2mm未満であると溶接部が少なくなりすぎ接合強度が
得られないためであり、5mmを越えるとその部分の柔
軟性が極端に低下して要治療管へのスムーズな挿入に支
承をきたすからである。
材の線径の1/3〜2/3で、はめあいは0.02〜
0.05mmであることが好ましい。また管状接合部材
の外径は、挿入部材と導入部材の線径とほぼ等しいか、
それより小さくなるようにするのが好ましい。というの
は、接合部の径を1/3〜2/3としたのは、1/3未
満では細く成りすぎて切削加工が困難となったり強度が
低下するためで、2/3を越えると管状接合部材の内径
が大きくなり、肉厚が薄くなり管状接合部材自身の製造
が難しくなったり、管状接合部材の外径が大きくなりす
ぎて要治療管へのスムーズな挿入に支承をきたすように
なるからである。また、はめあいを0.02〜0.05
mmしたのは、0.02mm未満では各部材を管状接合
部材内に挿入しにくくなるためで、0.05mmを越え
ると隙間が大きくなりすぎて接合強度が低下するためで
ある。さらに、管状接合部材の外径を、挿入部材と導入
部材の線径がほぼ等しいか、それより小さくするのは、
大きいと接合部分が凸形状となり、要治療管へのスムー
ズな挿入に支承をきたすからである。
の長さの1/3〜1/2が好ましい。というのは、1/
2を越えると、各部材と管状接合部材間に隙間が生じて
この部分の特性が低下するからである。1/2より小さ
い場合、接合部の端面は接触しないが、挿入部材と管状
接合部材、導入部材と管状接合部材とで溶接されるの
で、強度的に全く問題はない。ただし、接合部の強度面
から、接合部の長さは1/3以上必要である。
接合部材との接合に加えて、挿入部材および導入部材の
切削段部端面と管状接合部材の両端でも溶接されるの
で、接合強度をさらに向上させることができる。
医療用ガイドワイヤは、医療用ガイドワイヤ用芯材の全
体を合成樹脂で被覆するか、または挿入部のみを合成樹
脂で被覆することによって得ることができる。合成樹脂
としては、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、シリコーンゴム等の公知の材料を使
用することができる。
US304組成で線径が0.30mmの導入部材と、N
i51原子%で残部がTiからなるTi−Ni系合金で
線径が0.30mmの挿入部材とを製造し、これら各線
材の片端を旋盤により径0.15mmまで切削加工し
た。そして各線材の切削加工部(接合部)を、長さ3.
0mmのNiの管状接合部材に、略中央で両線材の端部
が対向するように挿入した。接合部の長さは、それぞれ
1.4mmで、管状接合部材の内径は、0.18mmで
ある。この接合部にレーザを照射して、挿入部材および
導入部材と管状接合部材とを溶接した。
イヤ用芯線を製造し、それぞれの接合強度を引張試験機
にて測定した。その結果を表1に示す。接合強度を算出
する場合の線径は管状接合部材(溶接部)の径をマイク
ロメータにより測定して使用した。接合強度が500M
Pa以上であれば使用上全く問題がない。
法によって製造した医療用ガイドワイヤ芯線は、全て要
求される接合強度を満たしていることがわかる。
入部材とトルク伝達性を備えた導入部材とを、容易にか
つ安価に製造できるとともに、挿入部材および導入部材
の切削段部端面と管状接合部材の両端でも溶接されるの
で、接合強度をさらに向上させることができる。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 化学組成の異なる、形態順応性を備えた
挿入部材とトルク伝達性を備えた導入部材とを管状接続
部材で以て一体に接合した医療用ガイドワイヤ用芯材の
製造方法であって、上記挿入部材および導入部材の接合
部を切削により細径加工し、これらを管状接続部材に挿
入した後、管状接続部材にレーザーを照射して挿入部材
および導入部材と管状接続部材とを接合することを特徴
とする医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法。 - 【請求項2】 挿入部材がNi−Ti合金、Cu−Al
−Ni系合金またはFe−Ni−Co−Ti系合金、導
入部材がステンレス鋼またはCo−Ni−Cr−Fe系
合金であり、接合部材がNiまたはNi系合金である請
求項1に記載の医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の医療用ガイドワイヤの
製造方法によって製造された芯材を用いた医療用ガイド
ワイヤ。
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JP2001400281A JP4136370B2 (ja) | 2001-12-28 | 2001-12-28 | 医療用ガイドワイヤ用芯材の製造方法および医療用ガイドワイヤ |
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-
2001
- 2001-12-28 JP JP2001400281A patent/JP4136370B2/ja not_active Expired - Lifetime
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