JP2003189189A - ビデオカメラ - Google Patents
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Abstract
誤判定を避けるための被写体の判別に多くの演算と複雑
な回路が必要であり、処理の負担と製品コストの増大を
招いていた。 【解決手段】 欠陥画素の特性と被写体の信号レベルを
利用することによって、固体撮像素子に含まれる欠陥画
素を検出するためのしきい値を2つ設定し、それを被写
体の明るさに応じて制御することで、欠陥画素と被写体
のエッヂを効果的に判定することで、画質への弊害を抑
えて欠陥画素を正確に検出する。
Description
たビデオカメラに係り、特に固体撮像素子の画素欠陥を
信号処理で補正する機能を有するビデオカメラに関す
る。
て様々な要因に起因する結晶格子の欠陥等により、入射
光に応じた出力信号が出力されない欠陥画素が発生し、
画質を劣化させる原因となっている。しかし、近年の固
体撮像素子は数百万画素もの画素数を持つものが多くな
ってきており、欠陥画素の数も画素数に比例して増えて
いる。欠陥画素の発生を完全に無くそうとするのはコス
トアップにつながるため、ある程度の数の欠陥画素を含
んだ固体撮像素子がビデオカメラ等の製品に使用されて
いる。そこで、欠陥画素による画質の劣化を避けるた
め、従来から欠陥画素の検出・補正方法が様々提案され
ている。
素子またはビデオカメラの、出荷時または機器の電源投
入時等に欠陥画素を検出し、その欠陥画素の位置データ
を機器内部のメモリに記憶させておき、撮影時にその位
置データに基づいて欠陥画素を補正する方法がある。こ
の例としては、例えば、特開2000−83119号公
報に記載されている。しかしながら、上記方法では、位
置データの記憶用にメモリを使用しており、近年のよう
に撮像素子の画素数が多くなった場合には大きなメモリ
が必要となりコストアップになってしまうという問題が
あった。
7−23297号公報の技術がある。この技術による
と、ビデオカメラの動作中に撮像された任意の画素の信
号と周辺画素とのレベル差と任意に設定したしきい値と
を比較することにより欠陥画素を検出し、リアルタイム
に補正する方法が示されている。これは、周辺画素に比
べて検査画素のレベルが突出している場合は欠陥画素で
ある可能性が高いという考えに基づいている。さらにこ
の技術では、欠陥画素の検出に用いるしきい値は、検査
画素信号のレベルに基づいて可変できる値であり、検査
画素の信号レベルに比例して増大するようになってい
る。また、検査画素の信号レベルが所定の値よりも小さ
いときは、あらかじめ設定した固定値に切り替えること
を特徴としており、この固定値は、AGC回路の利得の
値に応じてしきい値を可変できるようになっている。
の判定には、正常な画素への誤判定が問題になるが、こ
こではさらに検査画素の周辺の信号分布を詳しく調べ
て、周辺画素間の変化に比べて検査画素の信号がどのよ
うに突出しているかを検出することで、検査画素のレベ
ル差が欠陥画素によるものなのか、被写体のエッヂによ
るものなのかを判定することができ、正常な画素への誤
判定を防ぐことで画質への弊害を抑えている。
7−23297号に示してある方法では、誤判定を防止
するために検査画素が欠陥画素らしいときにはエッヂに
よる判定を行う必要がある。このため、欠陥画素の判定
に対してエッヂ判定回路、エッヂ欠陥判定回路、エッジ
演算回路等の多くの回路及び演算が必要になる。さらに
は、ビデオカメラでは撮像された被写体に対する出力信
号を遅らせることなくリアルタイムで出力することが不
可欠であるため、固体撮像素子の欠陥画素検出は、それ
だけ高速な演算処理が要求されることになる。これは、
今後固体撮像素子が高画素化するにともなって演算回数
も比例して増大するため、処理の負担が大きくなって行
き、高速な演算処理と回路追加はコストアップや回路規
模の増大になるという問題があった。また、可変するし
きい値の値は、上記技術ではAGC回路の利得に比例し
て直線的に一意に決まる値であり、さまざまな被写体や
撮影状況を考慮すると誤判別を防ぐためにはさらに細か
な制御必要となるが、この点配慮されていないという問
題があった。
で被写体の状況時応じた欠陥画素の検出を行い、同時に
正常画素への誤判定を改善してより正確に欠陥画素を検
出及び補正することのできるビデオカメラを提供するこ
とにある。
め、本発明による第1の発明は、入射光を電気信号に変
換する固体撮像素子と、該固体撮像素子から撮像される
画像信号を増幅する自動利得制御手段(以下AGC手段
と略す)と、該固体撮像素子からのアナログ画像信号を
各画素ごとのデジタル信号に変換するA/D変換手段
と、任意の1画素と該任意の1画素と同色フィルタを持
つ周辺画素との信号レベルを比較するレベル差演算手段
と、該レベル差演算手段で演算されたレベル差と任意に
設定されたしきい値とを比較して欠陥画素を判定する欠
陥検出手段と、検出された欠陥画素を当該欠陥画素と隣
接する周辺画素の信号もしくは演算値で置換する欠陥補
正手段とを備えたビデオカメラにおいて、欠陥画素を検
出するためのしきい値を2つ設け、2つのしきい値を基
に欠陥画素を検出することを特徴とした。
値1及び第2のしきい値2であり、該レベル差演算手段
で演算されたレベル差が、第1のしきい値1より大きく
かつ第2のしきい値2より小さい場合は欠陥画素として
判定し、第1のしきい値1より大きくかつ第2のしきい
値2よりも大きい場合は欠陥画素とは判定しないことを
特徴とした。任意の1画素とその周辺画素とのレベル差
が第1のしきい値より大きい場合は欠陥画素であると判
定するのは従来の手段であるが、本第1の発明において
は周辺画素とのレベル差が第2のしきい値以上の場合に
はその画素は正常な画素であるとして補正を行わないこ
ととする。これは、実際に撮像される被写体において、
正常な画素の誤判定の要因のほとんどが、高輝度な被写
体を撮像したときに起きる信号レベルの飽和により周辺
画素とのレベル差が突出してしまうことにあり、この高
輝度被写体への誤判定を避けるためにしきい値をもう1
つ設定するのである。本第1の発明により、従来の欠陥
画素の判定に加えて、周辺画素とのレベル差が極大の時
には高輝度被写体のエッヂ部分であると判定し欠陥補正
は行わないとすることで、欠陥画素と高輝度被写体のエ
ッヂを区別することが可能となり、エッヂ判定などの複
雑な演算を行わなくても従来と同程度に誤判定を抑える
ことができる。本発明による第2の発明は、入射光を電
気信号に変換する固体撮像素子と、該固体撮像素子から
撮像される画像信号を増幅するAGC手段と、該固体撮
像素子からのアナログ画像信号を各画素ごとのデジタル
信号に変換するA/D変換手段と、任意の1画素とその
画素と同色フィルタを持つ周辺画素との信号レベルを比
較するレベル差演算手段と、該レベル差演算回路で演算
されたレベル差と任意に設定されたしきい値とを比較し
て欠陥画素を判定する欠陥検出手段と、検出された欠陥
画素当該欠陥画素と隣接する周辺画素の信号もしくは演
算値で置換する欠陥補正手段とを備えたビデオカメラに
おいて、欠陥画素を判定するためのしきい値を可変制御
するしきい値制御手段を設け、該AGC手段の利得に応
じて該しきい値を可変制御することを特徴とした。さら
に、請求項3記載のビデオカメラにおいて、該しきい値
制御手段によるしきい値は、該AGC手段の利得の可変
範囲を複数の領域に分割し、該分割領域ごとにしきい値
を演算するための基準となるしきい値を持ち、該AGC
手段の利得の値に応じて該基準しきい値から演算した値
をしきい値とすることを特徴とした。本第2の発明によ
り、さまざまな被写体や撮影状況に対応できるように、
複数に分割したAGC領域ごとに基準しきい値を持ち、
単純な計算で最適なしきい値を細かく制御でき、誤判別
を防ぐことができる。さらに、欠陥画素を判定するため
のしきい値を可変制御するしきい値制御手段を設け、該
2つのしきい値の少なくとも1つのしきい値を、該AG
C手段の利得に応じて可変制御することを特徴とした。
これにより、2つのしきい値のうち少なくとも1つをA
GCの利得に応じて変動させることにより、被写体の状
況に適したしきい値を設定することができ、更なる誤動
作を防止できる。
て、実施例を用い、図面を参照しながら説明する。
例を示すブロック図である。図1において、1はレン
ズ、2はアイリス、3は固体撮像素子、4は自動利得制
御回路(以下、AGC回路と略す)、5はアナログ−デ
ジタル変換器(以下、A/D変換器と略す)、6は遅延
回路を有する欠陥検出回路、7は欠陥補正回路、8は制
御マイコン、9は不揮発性メモリ、10は信号処理回
路、11はデジタル−アナログ変換器(以下、D/A変
換器と略す)である。また、制御マイコン8はRAM第
1の領域15、RAM第2の領域16、信号増幅量演算
17、しきい値演算器18から構成される。
た信号はアイリス2で露出を調整されたあと、固体撮像
素子3で電気信号に変換され、AGC回路4を通り被写
体の明るさに応じて利得が変化されて、撮像信号レベル
の可変増幅処理が行なわれる。そして、A/D変換器5
で画素毎にデジタル信号へと変換され、信号処理回路1
0に出力される。そのあと信号処理回路10で色分離、
白バランス、ガンマ補正等の映像信号処理を受け、D/
A変換器11でアナログ信号に変換され、輝度信号Yお
よびクロマ信号Cとして出力される。
6は遅延回路を備えており、この遅延回路と組合わせて
できる画素配列を用いて周辺画素とのレベル差を演算
し、検査画素を欠陥画素と判定するためのしきい値と比
較して判定した後、欠陥画素を欠陥補正回路7で補正す
る。そのとき、制御マイコン8はAGCの利得の値に応
じて不揮発性メモリ9より基準しきい値を読み出してし
きい値を演算し、欠陥検出回路6に転送する。なお、不
揮発性メモリ9には、AGCの利得値に応じたしきい値
を演算するための基となる基準しきい値が記憶されてお
り、さらに各AGC領域ごとの基準しきい値が予め設定
されている。
いて、図2のフローチャートを用いて説明する。図2は
欠陥画素の検出処理動作の一実施例を示すフローチャー
トである。セット電源投入後、ステップ21で所定の初
期設定を行うとともに通常出画モード、即ち撮影待機状
態に設定され撮像できる状態になる。撮像された信号は
AGC回路4、A/D変換器5を通過したあと、ステッ
プ22で、信号処理回路10によって固体撮像素子3に
撮像されている被写体の輝度を算出し、ステップ23で
制御マイコン8は被写体の輝度情報と、撮影するのに最
適な輝度信号レベルの目標値とを比較してAGC回路4
に設定するAGCの利得値を演算する。ステップ24で
制御マイコン8がAGCの利得値をRAM第1の領域1
5へ転送する。即ち、信号処理回路10からの信号レベ
ルをRAM第1の領域15に入力し、この値から信号増
幅量演算器17でAGC利得値を計算してAGC回路4
に入力する。また、このAGC利得値はRAM第1の領
域にメモする。そしてステップ25でAGC回路4にA
GCの利得値を転送することで、常に最適な輝度信号レ
ベルを得るという増幅処理が行われている。なお、AG
C回路4の制御の詳細については図3で後述する。
きい値演算部18は制御マイコン8のRAM第1の領域
15に転送されたAGCの利得値を取得して、ステップ
27でAGCの利得値を基にAGC領域を判定する。な
お、AGC領域の詳細については図3で後述する。次
に、ステップ28で制御マイコン8は判定されたAGC
領域の両側の境界にある基準しきい値を不揮発性メモリ
9よりRAM第2の領域16に転送する。ステップ29
でRAM第2の領域16にある基準しきい値を基に、A
GCの利得値に応じ、しきい値演算器18で、2つのし
きい値TH1とTH2を演算する。なお、しきい値の演
算の詳細については図4で後述する。
欠陥検出回路6に転送し、これらのしきい値を基に、ス
テップ31で欠陥検出回路6は入力された検査画素それ
ぞれに対して欠陥画素の判定を行う。ステップ31で検
査画素が欠陥画素と判断された場合は、ステップ32に
おいて検査画素を周辺画素に置換、または周辺画素の平
均値を演算して置換することにより欠陥画素を補正す
る。さらに、ステップ33により欠陥画素の検出を1画
面分行ったあと、ステップ22に戻り次の1画面に対す
る欠陥検出を繰り返す。なお、しきい値TH1、TH2
を使用した欠陥画素の判定の詳細については図5〜図7
を用いて後述する。
びAGC領域の詳細について説明する。図3はAGC利
得と出力信号レベルの関係を示すグラフであり、横軸に
AGC回路4のAGC利得を、縦軸に出力信号レベルを
示す。出力信号を図3のように、AGC利得によって、
領域0〜領域4に分けて制御するのは、撮像する被写体
が自然に見えるようにするためであり、被写体が暗いと
きにも出力信号が不自然に明るくならないようにしてい
る。AGC回路4は、撮像された信号に対して自動的に
利得を制御することで最適な信号レベルを得るためであ
るが、本実施例においてはAGCの制御はその利得に応
じて図3のように5つの領域に分割している。これは、
AGCの領域を分けることで、後述の欠陥画素の検出に
おいて、使用されるしきい値の細かな可変制御処理の負
担を軽減するためのものである。
り、この領域ではAGC回路4への入力信号はアイリス
2の露出制御によりレベル調整がなされるため出力レベ
ルは一定である。そして、アイリス2と固体撮像素子3
による露出が最大になっても入力信号のレベルが足りな
くなるとAGC回路4による増幅がなされ、以降AGC
回路4の利得は増大し、最大利得になるまで続く。本実
施例ではAGCの利得の可変範囲、すなわち最小利得か
ら最大利得までを1/3ずつに分割し、それぞれ領域
1、領域2、領域3と定義する。領域0はAGC利得が
最小の領域であり、領域4はAGCが最大利得になった
あとの領域である。
いて説明する。図4はAGC利得と欠陥画素を検出する
ためのしきい値の関係を示すグラフであり、横軸にAG
C回路4のAGC利得を、縦軸にしきい値を示す。本実
施例におけるしきい値の可変制御は、AGC領域を基
に、AGCの利得値に応じて図4のように設定する。こ
れは、前述のようにしきい値の制御カーブ線とAGC領
域の境界におけるそれぞれのクロスポイントを基準しき
い値として設定し、その値を不揮発性メモリ9にあらか
じめ保持しておく。制御マイコン8は、入力信号に対す
るAGCの利得の値を得てAGC領域を判定し、その領
域の両側の境界に設定した2つの基準しきい値の間は比
例演算することにより、簡単な演算で曲線に近似した制
御ができ、AGCの利得値に応じたしきい値を設定す
る。ここで、しきい値TH1の演算に必要な各領域の基
準しきい値をそれぞれa1、b1、c1、d1、e1と
し、しきい値TH2の演算に必要な各領域の基準しきい
値をそれぞれa2、b2、c2、d2、e2とする。
αである場合を例に取って具体的に説明する。制御マイ
コン8はAGC領域が領域2に判定されることから、領
域2の両側の境界にある基準しきい値b1、c1 、b
2、c2を不揮発性メモリ9よりRAM第2の領域16
に転送する。そして、RAM第2の領域16にある前記
4つの基準しきい値から、次の(数1)、(数2)を用
いてしきい値TH1とTH2を演算する。
は前述の説明から明らかなように、最大AGC利得値の
1/3であることを意味する。また、AGC利得(1/
3−2/3)はAGC利得1/3−AGC利得2/3を
意味する。また、図4の基準しきい値a1〜e1、a2
〜e2は実験により、カット・アンド・トライによって
決め、不揮発性メモリ9に記憶しておく。このように、
AGC利得がαの場合のしきい値TH1、TH2は、A
GC領域の両側の基準しきい値の間を比例演算すること
により、図4のように自由度のある曲線に近似した形で
制御することが可能になる。ここで、不揮発性メモリ9
に保持してある基準しきい値を外部からの所定の操作で
変更することにより、しきい値の変化を自由に設定しな
おすことができるようにしてもよい。
い値をAGCの利得に応じて変化させることにより、誤
判別を少なくすことができる。また、欠陥画素をより正
確に検出することのできる適切なしきい値が設定でき
る。例えば、被写体が明るい(輝度が高い)ときには、
画素信号のレベルが全体的に高くなっており、AGCの
利得は小さくAGC領域0または2に相当する。このよ
うな状況において明るい被写体の部分に欠陥画素がある
場合は、欠陥画素と周辺画素とのレベル差が少なく、明
るい被写体の中に欠陥画素がまぎれてしまうので、視覚
上目立たなくなる。そのため、しきい値を比較的大きな
値にとってもよい。また、暗い被写体の部分である信号
レベルの低い場所に欠陥画素がある場合には、欠陥画素
と周辺画素とのレベル差が大きいのでしきい値が比較的
大きくても欠陥画素の検出が可能である。また、被写体
が暗い(輝度が低い)ときにはAGCの利得が大きくA
GC領域3または4に相当する。このような状況におい
ては、欠陥画素の信号も増幅されるが、周辺画素の信号
レベルは低いため、欠陥画素と周辺画素とのレベル差が
大きく、視覚上目立つため、認識できる欠陥画素は大幅
に増える。そのため、しきい値を小さくした方がよい。
これにより欠陥画素を検出しやすくできる。以上の理由
により、同じ欠陥画素でも検出するしきい値は状況に応
じて細かく変化させることにより誤判別を改善できる。
判定の詳細について説明する。図5は固体撮像素子の画
素配列の一例を示す画素配列図である。欠陥検出回路6
では、A/D変換器5より入力された画素信号に遅延回
路を組合せて、固体撮像素子3から直列信号として伝送
されてくる信号を並列に並び替えて、周辺画素との比較
に用いる。ここで、固体撮像素子3の画素配列におい
て、図5は市松タイプの固体撮像素子を例に取った場合
の画素の配置を示しており、色フィルタはA、B、C、
Dの4色から構成されている。
定の方法について説明する。検査画素の周辺画素に対す
る突出を判定するために、遅延回路により並べられた画
素信号から検査画素A22に対する上下左右の周辺画素
をそれぞれA12、A32、A21、A23とし、A2
2が欠陥画素であるかどうか判定するのに、各画素の信
号レベルを用いて次の式(数3)、(数4)で判定を行
う。 |(A12+A32)/2−A22|≧しきい値TH1……(数3) |(A21+A23)/2−A22|≧しきい値TH1……(数4) (数3)、(数4)の2式が同時に成り立つとき、縦横
両方の差信号がしきい値を超えていれば検査した画素信
号A22が周辺画素信号と孤立して突出しており、欠陥
画素の可能性が高いことを示している。
エッヂ部分であるかどうか判定するため、しきい値TH
1よりも大きなしきい値TH2を用いて、次の式(数
5)、(数6)で判定を行う。 |(A12+A32)/2−A22|≧しきい値TH2……(数5) |(A21+A23)/2−A22|≧しきい値TH2……(数6) 上記(数5)、(数6)の2式が同時に成り立つ場合、
検査画素A22は欠陥画素よりも高輝度被写体のエッヂ
部分である可能性が高いことを示している。(数1)、
(数2)、(数3)及び(数4)の演算はしきい値演算
器18で行う。
2と周辺画素とのレベル差がしきい値TH1以上、かつ
しきい値TH2より小さい場合は、検査画素A22を欠
陥画素であると判定する。また、検査画素A22と周辺
画素とのレベル差がしきい値TH1及びしきい値TH2
より大きい場合は、検査画素A22を欠陥画素ではない
と判定する。
する理由は、欠陥画素検出における誤認識の要因が高輝
度被写体のエッヂ部分によるものがほとんどのためであ
る。これは、高輝度の被写体が撮像されると、エッヂ部
分で周辺画素との間に大きなレベル差が生じ、正常な画
素を欠陥画素と誤認識してしまう。このエッヂ部分にで
きるレベル差は、欠陥画素の信号レベルに比べて比較的
大きく、欠陥画素を検出するしきい値TH2より大きな
値となる。このことを利用して、エッヂを判定するため
のしきい値TH2を設ける。撮像される被写体の状況か
ら、欠陥画素と高輝度被写体のエッヂを検出できるよう
な2つのしきい値TH1、TH2を設定すれば、欠陥画
素判定の誤判定を最小限に抑えることができる。
画素の信号レベルを分析するのに比べて簡単な回路で構
成することができるため、処理の負担を軽くすることが
できる。さらに、エッヂを判定するためのしきい値TH
2は、AGCの利得により欠陥画素の信号レベルが増幅
されることから、AGCの利得が大きいほどしきい値を
大きくとるように、AGCの利得に応じて可変制御す
る。
6、図7を用いて説明する。図6は所定のAGC利得に
おける任意の検査画素の出力信号レベルを示す模式図で
あり、例えば、AGCの利得がαのときの任意の検査画
素の出力信号レベルを表している。図6は横軸に画素配
列を、縦軸に出力信号レベルを示す。図において、A2
2は欠陥画素であり、B88、A89は高輝度被写体で
あるとする。
との信号レベル差を示す模式図であり、図6の各画素の
出力信号レベルから演算した、周辺画素との信号レベル
差を示す。図7において、横軸は画素配列を、縦軸は信
号レベル差を示す。所定の画素の信号レベル差は所定の
画素の周り4箇所の値の平均と所定の画素の差分をい
う。例えば、画素A22の場合は、図5を参照して説明
すると、画素A12、A21、A23、A32の平均値
と画素A22の値との差分である。この信号レベル差か
ら、図7のように欠陥画素を検出するためのしきい値T
H1とエッヂを検出するためのしきい値TH2を設定す
れば、欠陥画素を検出すると同時に高輝度被写体のエッ
ヂ部分を欠陥画素と誤検出しないようなしきい値が設定
できることがわかる。画素22はしきい値TH1とTH
2の間にあり、欠陥画素と判断する。また、画素B88
はしきい値TH2より大きいので、エッジ部分であり、
欠陥画素でないと判断する。
された場合は、検査画素を周辺画素に置換、または周辺
画素の平均値を演算して置換することにより欠陥画素を
補正する。ただし、本発明においては欠陥画素の補正の
方法についてはこれに限定されるものではなく、他の公
知の方法で構成することができる。
明をしてきたが、本発明は上記実施例で説明した細部に
限定されるものではない。また、本発明の説明における
しきい値制御は主としてソフトウェアによるとして説明
したが、これをハードウェアによる回路構成として制御
することも可能である。その他、技術思想を逸脱しない
範囲で種々の変形があることは勿論である。
5つに分割したが、これに限るものではない。また、本
発明はビデオカメラに限定されるものではなく、デジタ
ルスチルカメラ、撮像装置等の固体撮像素子を搭載した
機器は本発明の範疇に含まれる。
ラの撮像動作中に欠陥画素の検出ができ、撮像される被
写体の状況に応じて欠陥画素の検出条件を最適に制御す
ることにより、被写体への画質の劣化を最小限に抑えて
精度よく欠陥画素の検出ができる。また、より正確に欠
陥画素を検出することができる。
像される被写体の状況に応じて欠陥画素の検出条件を最
適に制御することができ、より正確に欠陥画素を検出す
ることができる。
ロック図である。
ーチャートである。
フである。
値の関係を示すグラフである。
図である。
力信号レベルを示す模式図である。
ベル差を示す模式図である。
GC回路、5…A/D変換器、6…欠陥検出回路、7…
欠陥補正回路、8…制御マイコン、9…不揮発性メモ
リ、10…信号処理回路、11…D/A変換器。
Claims (5)
- 【請求項1】入射光を電気信号に変換する固体撮像素子
と、該固体撮像素子から撮像される画像信号を増幅する
自動利得制御手段と、該固体撮像素子からのアナログ画
像信号を画素毎にデジタル信号に変換するA/D変換手
段と、該任意の1画素と同色フィルタを持つ周辺画素と
の信号レベルを比較するレベル差演算手段と、該レベル
差演算手段で演算されたレベル差と予め設定されたしき
い値とを比較して欠陥画素を判定する欠陥検出手段と、
検出された欠陥画素を該欠陥画素と隣接する周辺画素の
信号もしくは演算値で置換する欠陥補正手段とを備え、
該欠陥画素を検出するためのしきい値を2つ設け、該2
つのしきい値を基に該欠陥画素を検出することを特徴と
するビデオカメラ。 - 【請求項2】請求項1記載のビデオカメラにおいて、該
2つのしきい値は第1のしきい値及び第2のしきい値で
あり、該レベル差演算手段で演算されたレベル差が、該
第1のしきい値1より大きく、かつ第2のしきい値2よ
り小さい場合は欠陥画素として判定し、第1のしきい値
1より大きく、かつ第2のしきい値2よりも大きい場
合、欠陥画素とは判定しないことを特徴とするビデオカ
メラ。 - 【請求項3】請求項1または2記載のビデオカメラにお
いて、該欠陥画素を判定するための該しきい値を可変制
御するしきい値制御手段を設け、該2つのしきい値の
内、少なくとも1つのしきい値を、該自動利得制御手段
の利得に応じて可変制御することを特徴とするビデオカ
メラ。 - 【請求項4】入射光を電気信号に変換する固体撮像素子
と、該固体撮像素子から撮像される画像信号を増幅する
自動利得制御手段と、該固体撮像素子からのアナログ画
像信号を画素毎にデジタル信号に変換するA/D変換手
段と、任意の1画素とその画素と同色フィルタを持つ周
辺画素との信号レベルを比較するレベル差演算手段と、
該レベル差演算手段で演算されたレベル差と予め設定さ
れたしきい値とを比較して欠陥画素を判定する欠陥検出
手段と、検出された欠陥画素を該欠陥画素と隣接する周
辺画素の信号もしくは演算値で置換する欠陥補正手段
と、欠陥画素を判定するためのしきい値を可変制御する
しきい値制御手段とを備え、該しきい値制御手段は該自
動利得制御手段の利得に応じて該しきい値を可変制御す
ることを特徴とするビデオカメラ。 - 【請求項5】請求項4記載のビデオカメラにおいて、該
しきい値制御手段によって制御されるしきい値は、該自
動利得制御手段の利得の可変範囲を複数の領域に分割
し、該分割領域ごとにしきい値を演算するための基準と
なる基準しきい値を持ち、該自動利得制御手段の利得の
値に応じて該基準しきい値から演算された値を有するこ
とを特徴とするビデオカメラ。
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