JP2007201963A - 撮像装置 - Google Patents

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兼史 杵築
Yoko Mitsugi
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Abstract

【課題】撮像画像内に人物の顔領域が存在する場合に、同領域を検出して画質補正を行う監視カメラ等の撮像装置において、逆光等によるハイコントラスト状態になっても顔領域を精度良く検出できるようにする。
【解決手段】撮像画像のフレームデータについてヒストグラムを作成し、ヒストグラムの輝度レベルを暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲に分け、暗部範囲/明部範囲で累積画素数が閾値Nth以上となる輝度レベルがあれば、撮像素子12のシャッタ速度とアナログ信号処理部13での設定ガンマ値を補正制御して輝度・コントラストを上昇/低下させ、補正後の次のフレームについてフレームメモリ16上で顔領域を検出して同領域の画質を補正する。そのままでは顔領域が黒つぶれや白トビになる可能性があるフレームであっても、補正により確実に顔領域の検出が可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は撮像装置に係り、特に、顔の画像領域を検出して輝度やコントラストの調整を行う機能を有している場合に、逆光等によるハイコントラスト状態で暗領域と明領域のいずれに顔の画像が含まれていても、精度良くその画像領域を検出できるようにするための改良に関する。
防犯・防災のための監視システムが工場や商店等の施設だけでなく家庭にも導入されるようになり、監視カメラにも様々な機能が付加されるようになっている。特に、デジタルカメラでは撮影した画像の中から顔の画像領域を検出して輝度やコントラストの調整を行う機能が従来より採用されているが、監視カメラにおいても同様の機能をもたせて、顔画像を適正な画質で再生することが行われている。
例えば、下記特許文献1では、被写体の画像を1枚分記憶する画像メモリと、そのメモリから所定の単位で他のメモリあるいはレジスタに取り込む画像取り込み部と、全体の制御を司る制御部と、複数の顔の特徴を格納する顔特徴記憶部と、画像取り込み部からのデータと顔特徴記憶部からのデータを比較してその結果を制御部に伝える比較部とを備え、制御部が比較結果に基づいて顔画像を検出するようにしたデジタルカメラが提案されている。
また、下記特許文献2においては、カラー原画像上の多数箇所を複数の成分色に分解して測光し、その測光によって得られたデータが表す原画像上の各箇所における色相が肌色の範囲に含まれるか否かを判断し、原画像を肌色領域と非肌色領域とに分割すると共に、前記測光によって得られたデータに基づいて原画像中のエッジを検出し、原画像中の各箇所をエッジ部分又は非エッジ部分に分類し、前記肌色領域内に位置しており、かつ非エッジ部分と分類した箇所の集まりで構成される原画像中の領域を顔候補領域として抽出し、抽出した顔候補領域が人物の顔に相当する領域か否か判定し、人物の顔に相当する領域であると判定した顔候補領域を抽出するという方式(下記特許文献3に開示)を適用したデジタルカメラが提案されている。
更に、下記特許文献4,5においては、顔画像の検出機能を備えた監視カメラ(特定人物検出システム,監視装置)が開示されている。
特開2003−92700号公報 特開2004−153315号公報 特開平09−101579号公報 特開2003−102003号公報 特開2003−187352号公報
ところで、顔画像の検出においては、前記のように、撮像データと予め用意した顔の特徴データとを比較するパターンマッチングによる方法や、肌色等の色情報と非エッジ部分の検出に基づいて顔候補領域を抽出する方法が採用されているが、逆光等によりハイコントラストの撮影条件になった場合にはそれらの方法が有効に機能しなくなる。即ち、ハイコントラストになると、顔部分が暗過ぎたり、逆に明る過ぎたりするために、パターンマッチングに必要となる顔の輪郭や目・鼻・口の位置が不鮮明になり、また肌色等の色情報を用いる場合にも色相が不明瞭になって、顔画像を検出することが困難になる。
その問題に対して、パターン測光やスポット測光等の公知の露出補正方法によって逆光補正を行うことが考えられるが、一般にそれらの方法では撮像画像中の暗部領域の明度をあげるために、暗部領域に顔がある場合には顔画像の検出が可能であっても、明部領域にある場合には白トビして検出が不可能になる。特に、監視カメラにおいては、昼夜を問わず監視区域を撮像し続けるような使用条件になる場合が多く、また外部からの制御信号によってパン・チルト制御がなされることもあるため、如何なる露光条件でも顔画像が正確に検出できるようにすることが望まれる。
本発明は、そのような問題点に鑑みてなされたものであり、顔画像を検出してその画質調整を行う機能を備えた撮像装置において、顔画像が逆光等のハイコントラスト状態となった撮像画像中の暗部領域や明部領域のいずれの領域に位置していても精度良く検出して画質調整ができるようにすることを目的とする。
本発明は、撮像素子と、前記撮像素子が出力する撮像信号を処理する信号処理手段と、前記信号処理手段で処理されたフレームデータを記憶するフレーム記憶手段と、前記フレーム記憶手段が記憶したフレームデータに人物の顔の画像データが含まれているか否かを解析し、含まれている場合にその画像データの領域を検出する顔領域検出手段と、前記顔領域検出手段が検出した領域の画像データの輝度情報及びコントラスト情報の少なくとも一方に基づいて、前記領域の画像データを調整することにより画質を補正する顔画質補正手段と、前記フレーム記憶手段のフレームデータを出力させるフレーム出力手段とを有する撮像装置において、2フレーム毎に前記信号処理手段が処理したフレームデータのヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、前記ヒストグラムの輝度レベルを暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲に分割し、前記ヒストグラムが作成される度に前記暗部範囲と前記明部範囲を交互に選択して、その選択した範囲にある各輝度レベルに対応する累積画素数の内に予め設定された閾値以上となるものがあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が暗部範囲の輝度レベルに対応する累積画素数の内に前記閾値以上となるものがあると判定した場合には、前記撮像素子と前記信号処理手段を制御することにより次のフレームデータに係る輝度とコントラストを上昇させ、前記判定手段が明部範囲の輝度レベルに対応する累積画素数の内に前記閾値以上となるものがあると判定した場合には、前記撮像素子と前記信号処理手段を制御することにより次のフレームデータに係る輝度とコントラストを低下させる補正制御手段とを設け、前記フレーム出力手段が前記ヒストグラムの作成対象となったフレームデータの次のフレームデータだけを出力させることを特徴とする撮像装置に係る。
本発明によれば、フレームデータの画像の明るさの状態をヒストグラムの暗部範囲と明部範囲における累積画素数の現れ方に基づいて判定し、その判定結果により撮像素子と信号処理手段を制御して輝度とコントラストを補正する。即ち、暗部範囲/明部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内に予め設定した閾値以上となるものがあれば、フレームの画像に黒つぶれ/白トビを生じる部分が発生するとみなして、輝度とコントラストを上昇/低下させるように制御する。従って、逆光等のハイコントラスト状態での撮影条件になっても、前記ヒストグラムの作成に用いたフレームの次のフレームに関しては、顔領域を検出する前に黒つぶれや白トビの状態にならないように画像データが補正されており、顔領域を精度良く検出して画質を調整することができる。
また、前記判定手段が、前記ヒストグラムが作成される度に、前記ヒストグラムの輝度レベルに係る暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲を順次選択して、その選択した範囲にある各輝度レベルに対応する累積画素数の内に予め設定された閾値以上となるものがあるか否かを判定し、前記中間輝度範囲に係る前記判定のための前記ヒストグラムの作成対象となったフレームデータの次のフレームデータについては、前記判定手段で前記中間輝度範囲にある各輝度レベルに対応する累積画素数の内に前記閾値以上となるものがあると判定された場合にだけ出力させるようにしてもよい。本発明ではヒストグラムにおける暗部範囲や明部範囲に累積画素数が集中している場合に黒つぶれや白トビが生じると推定しているが、中間輝度範囲に累積画素数が集中しているような場合には補正しないフレームデータが顔領域を検出する上で有効な場合もあるため、その場合には非補正フレームを出力させるようにする。
本発明の撮像装置は、監視カメラ等のビデオカメラにおいて、逆光等のハイコントラスト状態で撮影された場合であっても、顔の画像領域を高い精度で検出して、その領域の画質を調整することを可能にする。
以下、本発明の撮像装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1は監視カメラ10のブロック図であり、11は対物レンズを含む光学系、12はCCDで構成された撮像素子、13は撮像素子12からの撮像信号をアナログ画像信号に変換してノイズ削減やゲイン調整等を行うアナログ信号処理回路、14はアナログ信号処理回路13で処理された画像信号をデジタル信号へ変換するA/D変換部、15はA/D変換後の画像信号に対してガンマ調整やホワイトバランス調整等の画質調整を行うデジタル信号処理回路、16は信号処理を経たフレームデータを記憶するフレームメモリ、17はフレームメモリ16のフレームデータから人物の顔領域を検出する顔領域検出部、18は顔領域検出部17が検出した顔領域の画像の画質を補正する画質補正部、19はフレームメモリ16からフレームデータを読み出すフレーム出力部、20は出力されたフレームデータをJPEG(又はMPEG)方式で符号化する符号化部、21は符号化されたフレームデータを伝送データに変換すると共に通信回線を介して集中監視室等へ伝送するデータ伝送部を示す。
ここで、顔領域検出部17は、予め人物の顔のパターンについての特徴量を学習しておき、フレームの画像データとパターンマッチングを行うことによりフレームデータにおける顔領域を検出する。また、前記特許文献2に示されているように、肌色等の色情報に基づいてパターンマッチングの領域を限定することにより、領域検出の処理速度を向上させてもよい。画質補正部18は、顔領域検出部17から得られる顔領域の情報を用いてその領域に限定したヒストグラムを作成し、明度の分布状態の解析結果に基づいて、顔画像が明瞭に視認できるようにフレームメモリ16上の顔領域の輝度とコントラストを調整して画質を補正する。
ところで、監視カメラ10における以上に説明した構成と機能については従来から実施されているものであるが、その構成において撮像条件が逆光等のハイコントラスト状態になった場合にはフレーム画像中に両極端な露光条件が混在することになり、デジタル信号処理回路5では画像中の暗部領域又は明部領域の一方に対応した画質調整しかできないため、フレームメモリ16の画像には黒つぶれ又は白トビが発生する。一方、顔領域検出部17は前記のようにパターンマッチングによるため、顔領域に黒つぶれや白トビが発生していると顔領域の検出が困難になり、結果的に顔画像の画質調整ができなくなる。この実施形態の監視カメラ10は、前記構成に加えてヒストグラム作成部31と補正制御部32とを設けた点に特徴があり、暗部領域での黒つぶれがないフレームデータと、明部領域での白トビがないフレームデータとをそれぞれ独立に出力させて、顔領域検出部17により顔領域を確実に検出できるようする。
以下、ヒストグラム作成部31と補正制御部32によって実行されるフレームデータの輝度及びコントラストの制御手順を図2のフローチャートを参照しながら説明する。先ず、監視カメラ10は通常のシャッタ速度とガンマ値の設定状態で監視場所を撮像している(S0,S1)。そして、撮像素子12から出力される画像信号がアナログ信号処理部13からA/D変換部14とデジタル信号処理部15を経て所定処理を施されたフレームF(i)のデータがデジタル信号処理部15から出力されると、ヒストグラム作成部31がフレームデータの各画素情報に基づいてヒストグラムを作成する(S2,S3)。
ヒストグラムが作成されると、補正制御部32は、ヒストグラムにおける輝度レベルを暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲に分けて、暗部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内で閾値Nth以上のものがあるか否かを判定する(S4)。例えば、図3及び図4は撮像条件が逆光等のハイコントラスト状態になった場合のフレームに係るヒストグラムを示すが、その状態では暗部範囲と明部範囲において前記累積画素数が閾値Nthを超えた輝度レベルが存在する。ここに、暗部範囲と明部範囲及び閾値Nthはそれぞれ黒つぶれや白トビを生じて顔画像の検出率が悪くなる輝度範囲と累積画素数の関係において経験的に設定される。また、閾値Nthについては、顔領域を検出すべき画像領域が固定的であればその画像領域が大きさも考慮され、画像領域が大きければ高い値に、小さければ低い値とされる。
そして、暗部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内で閾値Nth以上のものがあると、補正制御部32はデジタル信号処理部15に対して補正制御信号を出力する。デジタル信号処理部15では、その補正制御信号に基づいて撮像素子12とアナログ信号処理部13へそれぞれ補正量を含む補正信号を出力し、撮像素子12のシャッタ速度を遅くして輝度を上昇させると共に、デジタル信号処理部15自体とアナログ信号処理部13でのゲインとガンマ値の調整によりコントラストを上昇させる(S5)。即ち、ヒストグラムは、図3及び図4に示すように輝度を256階調で与えているが、例えば、図5に示すように、その最低輝度レベル[0]を暗部範囲の最高輝度レベル[32]まで引き上げ、コントラストを[30]だけ高くなるように設定する。
一方、暗部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数が全て閾値Nthより小さければ、補正制御部32はデジタル信号処理部15へ補正制御信号を出力させず、撮像素子12のシャッタ速度とアナログ信号処理部13での設定ガンマ値はそのままとされるが(S4→S6)、その場合は黒つぶれが生じていないものとみなせるために問題はない。尚、フレームF(i)自体は顔領域に黒つぶれや白トビを生じている可能性があるためにフレームメモリ16に書き込まれても出力されず、次のフレームF(i+1)によって上書きされる。
いずれにしても、次のフレームF(i+1)は黒つぶれのない画像データとしてフレームメモリ16に書き込まれ、撮像画像の暗部領域に人物の顔があったとしても、顔領域検出部17によってその顔領域が確実に検出でき、画質補正部18によって顔領域の輝度とコントラストが適正に調整される。そして、調整後のフレームF(i+1)の画像データはフレーム出力部19によって符号化部20へ読み出され、符号化された後、データ伝送部21によって集中監視室側へ伝送される。尚、シャッタ速度とゲイン・ガンマ値を制御した場合においては、次のフレームF(i+1)がフレームメモリ16に書き込まれた段階で補正制御部32がデジタル信号処理部15へ補正解除信号を出力させ、撮像素子12とアナログ信号処理部13の制御状態を解除させて通常のシャッタ速度とゲイン・ガンマ値の設定状態に戻す(S7)。
次に、フレームF(i+2)のデータがデジタル信号処理部15から出力されると、前記と同様にヒストグラム作成部31がフレームデータの各画素データに基づいてヒストグラムを作成するが、このフレームF(i+2)のヒストグラムについては、補正制御部32が中間輝度範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内で閾値Nth以上のものがあるか否かを判定する(S8〜S10)。そして、この場合は判定結果の如何に拘わらず撮像素子12のシャッタ速度及びアナログ信号処理部13とデジタル信号処理回路15が設定しているゲイン・ガンマ値はそのままとされるが、閾値Nth以上となる累積画素数があった場合には、フレーム出力部19に対して非補正フレーム有効信号を出力する(S10,S11)。
前記フレームF(i+2)はヒストグラムの作成に用いるだけであり、フレームメモリ16に一旦書き込まれるが、次のフレームF(i+3)によって上書きされ、上書きした次のフレームF(i+3)が顔領域の検出と画質補正の対象となる(S12)。この場合、撮像素子12のシャッタ速度及びアナログ信号処理部13とデジタル信号処理回路15が設定しているゲイン・ガンマ値は通常の状態であり、画像に黒つぶれや白トビが生じている可能性があるため、顔領域の検出が正確に行えないことがある。しかし、図4に示すように、中間輝度範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内で閾値Nth以上のものがあるときには、顔領域が中間輝度の画像になっている可能性が高く、そのフレームでも顔領域の検出が行える。補正制御部32が非補正フレーム有効信号をフレーム出力部19へ出力させるのはそのためであり、フレーム出力部19はフレームF(i+3)をフレームメモリ16から符号化部20へ読み出し、同フレームF(i+3)は符号化されてデータ伝送部21から集中監視室側へ伝送される。
次に、フレームF(i+4)がデジタル信号処理部15から出力されると、上記と同様に、ヒストグラム作成部31がフレームデータの各画素情報に基づいてヒストグラムを作成する(S13,S14)。そして、このフレームF(i+4)のヒストグラムについては、補正制御部32が、輝度レベルを暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲に分けて、明部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内で閾値Nth以上のものがあるか否かを判定する(S15)。即ち、ステップS4においては暗部範囲について判定を行ったのに対して、このステップS15では明部範囲を対象としている。
暗部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数の内で閾値Nth以上のものがあると、補正制御部32はデジタル信号処理部15に対して補正制御信号を出力する。デジタル信号処理部15では、その補正制御信号に基づいて撮像素子12とアナログ信号処理部13へそれぞれ補正量を含む補正信号を出力するが、暗部範囲についての判定の場合と異なり、この場合には、撮像素子12のシャッタ速度を早くすると共に、アナログ信号処理部13とデジタル信号処理回路15でコントラストを下げるようにゲイン・ガンマ値を調整する(S16)。即ち、図6に示すように、最高輝度レベル[256]を明部範囲の最低輝度レベル[232]まで引き上げ、コントラストを[5]だけ低くなるように設定する。
一方、明部範囲の各輝度レベルに対応する累積画素数が全て閾値Nthより小さいときには、暗部範囲についての判定の場合と同様に、補正制御部32はデジタル信号処理部15へ補正制御信号を出力させず、撮像素子12のシャッタ速度及びアナログ信号処理部13とデジタル信号処理回路15で設定されているゲイン・ガンマ値はステップS7で戻した通常状態のままとされるが(S15→S17)、その場合は白トビが生じていないものとみなせるために問題はない。尚、フレームF(i+4)自体は顔領域に黒つぶれや白トビを生じている可能性があるためにフレームメモリ16に書き込まれても出力されず、次のフレームF(i+5)によって上書きされる。
従って、いずれにしても、次のフレームF(i+5)は白トビのない画像データとしてフレームメモリ16に書き込まれ、撮像画像の明部領域に人物の顔があったとしても、上記の暗部範囲での処理と同様に、顔領域検出部17ではその顔領域が確実に検出でき、画質補正部18で顔領域の輝度とコントラストが適正に調整されることになり(S17)、調整後のフレームF(i+5)の画像データが符号化されて集中監視室側へ伝送される。尚、シャッタ速度とゲイン・ガンマ値を制御した場合において、フレームF(i+5)がフレームメモリ16に書き込み後に通常のシャッタ速度とゲイン・ガンマ値の設定状態に戻されることについても、上記ステップS7の場合と同様である(S18)。
以降、次のフレームF(i+6)からも以上のステップS2からステップS18までの手順が繰り返し実行され、たとえ監視カメラ10による撮像条件が逆光等のハイコントラスト状態になることがあっても、人物の顔が撮像画像内にあった場合には常にその領域を正確に検出して、顔領域を適正な画質に補正したフレームデータを集中監視室側へ伝送する。
例えば、図7の(A)と(A’)に示す撮像画像はそれぞれ図3と図4のヒストグラムに対応したものであるが、双方ともヒストグラムにおける暗部範囲と明部範囲で累積画素数が閾値Nthを超えた輝度レベルが存在している。また、図7の(A)は完全なハイコントラスト状態であり、黒つぶれと白トビが生じており、(A’)は中間輝度範囲で累積画素数が閾値Nthを超えており、中間輝度領域が比較的多い画像であるために極端な黒つぶれと白トビは生じておらず、顔領域をある程度視認できる状態になっている。
一方、図7の(B)と(C)は、撮像画像(A)を図2の手順でシャッタ速度とガンマ値を制御して得られるフレームデータから顔領域を検出して、その領域の画質を補正したものであり、(B)は図2のステップS2からステップS6の手順によるもの、(C)はステップS13からステップS17の手順によるものである。通常の撮像条件では黒つぶれと白トビによって顔領域を視認できない画像データしか得られないが、黒つぶれ領域にある顔も白トビ領域にある顔もそれぞれ明瞭に視認できる状態になっている。
そして、フレーム出力部19によるフレームメモリ16からのフレームデータの出力パターンには図8に示す6通りのパターンがある。但し、同図の(An’),(Bn),(Cn)における「A’」,「B」,「C」は図7の各図に付した英文字に対応し、「n」は図2におけるステップS2からステップS19までの手順の繰り返し数に対応する。従って、監視カメラ10からフレームデータの伝送を受ける集中監視室側では、監視カメラ10の撮像条件が逆光等のハイコントラスト状態になっていても、(An’),(Bn),(Cn)のいずれかのフレームから撮像画像内に存在する顔領域を良好な輝度・コントラスト条件で確認することができる。尚、フレーム画像(An’)については、監視カメラ10の撮像場所等の条件によっては、それを出力させることが有効でない場合もあるため、そのような場合には予めフレーム出力部19に対して同フレームを出力させない動作条件を設定しておけばよい。
本発明は、監視カメラ等のように、撮像した画像フレーム内に人物の顔領域が存在する場合に、その領域の画質を補正して顔領域を明瞭に視認できるようにする機能を備えた撮像装置に適用できる。
本発明の撮像装置の実施形態に係る監視カメラのブロック図である。 ヒストグラム作成部と補正制御部によって実行されるフレームデータの輝度及びコントラストの制御手順を示すフローチャートである。 フレームデータについてのヒストグラム(暗部範囲と明部範囲において累積画素数が閾値Nthを超えた輝度レベルが存在し、中間輝度範囲では各輝度レベルに対応する累積画素数が閾値Nthより小さい場合)である。 フレームデータについてのヒストグラム(暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲において累積画素数が閾値Nthを超えた輝度レベルが存在する場合)である。 フレームデータの輝度とコントラストを補正して上昇させた場合におけるヒストグラムである。 フレームデータの輝度とコントラストを補正して低下させた場合におけるヒストグラムである。 撮像条件が逆光等のハイコントラスト状態(中間輝度範囲における全ての輝度レベルに係る累積画素数が閾値Nthより小さい場合)における補正前の画像(A)と、撮像条件が逆光等のハイコントラスト状態(中間輝度範囲における少なくとも1つの輝度レベルに係る累積瀬素数がNth以上の場合)における補正前の画像(A’)と、補正制御により輝度とコントラストを上昇させて顔領域の検出とその領域の画質補正を行った場合の画像(B)と、補正制御により輝度とコントラストを低下させて顔領域の検出とその領域の画質補正を行った場合の画像画像(C)である。 フレーム出力パターンを示す表である。
符号の説明
10…監視カメラ、11…対物レンズを含む光学系、12…撮像素子、13…アナログ信号処理部、14…A/D変換部、15…デジタル信号処理部、16…フレームメモリ、17…顔領域検出部、18…画質補正部、19…フレーム出力部、20…符号化部、21…データ伝送部、31…ヒストグラム作成部、32…補正制御部。

Claims (2)

  1. 撮像素子と、前記撮像素子が出力する撮像信号を処理する信号処理手段と、前記信号処理手段で処理されたフレームデータを記憶するフレーム記憶手段と、前記フレーム記憶手段が記憶したフレームデータに人物の顔の画像データが含まれているか否かを解析し、含まれている場合にその画像データの領域を検出する顔領域検出手段と、前記顔領域検出手段が検出した領域の画像データの輝度情報及びコントラスト情報の少なくとも一方に基づいて、前記領域の画像データを調整することにより画質を補正する顔画質補正手段と、前記フレーム記憶手段のフレームデータを出力させるフレーム出力手段とを有する撮像装置において、
    2フレーム毎に前記信号処理手段が処理したフレームデータのヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段と、
    前記ヒストグラムの輝度レベルを暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲に分割し、前記ヒストグラムが作成される度に前記暗部範囲と前記明部範囲を交互に選択して、その選択した範囲にある各輝度レベルに対応する累積画素数の内に予め設定された閾値以上となるものがあるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が暗部範囲の輝度レベルに対応する累積画素数の内に前記閾値以上となるものがあると判定した場合には、前記撮像素子と前記信号処理手段を制御することにより次のフレームデータに係る輝度とコントラストを上昇させ、前記判定手段が明部範囲の輝度レベルに対応する累積画素数の内に前記閾値以上となるものがあると判定した場合には、前記撮像素子と前記信号処理手段を制御することにより次のフレームデータに係る輝度とコントラストを低下させる補正制御手段とを設け、
    前記フレーム出力手段が前記ヒストグラムの作成対象となったフレームデータの次のフレームデータだけを出力させることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記判定手段が、前記ヒストグラムが作成される度に、前記ヒストグラムの輝度レベルに係る暗部範囲と中間輝度範囲と明部範囲を順次選択して、その選択した範囲にある各輝度レベルに対応する累積画素数の内に予め設定された閾値以上となるものがあるか否かを判定し、
    前記中間輝度範囲に係る前記判定のための前記ヒストグラムの作成対象となったフレームデータの次のフレームデータについては、前記判定手段で前記中間輝度範囲にある各輝度レベルに対応する累積画素数の内に前記閾値以上となるものがあると判定された場合にだけ出力させるようにした請求項1に記載の撮像装置。

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