JP2003188132A - 研磨レシピ決定方法 - Google Patents

研磨レシピ決定方法

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JP2003188132A
JP2003188132A JP2001383082A JP2001383082A JP2003188132A JP 2003188132 A JP2003188132 A JP 2003188132A JP 2001383082 A JP2001383082 A JP 2001383082A JP 2001383082 A JP2001383082 A JP 2001383082A JP 2003188132 A JP2003188132 A JP 2003188132A
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Norio Okuya
憲男 奥谷
Masashi Hamanaka
雅司 濱中
Mitsunari Satake
光成 佐竹
Katsuki Shingu
克喜 新宮
Shoji Nakatani
祥二 中谷
Naomi Nishiki
直巳 西木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板に形成された膜の表面を被研磨面とし、
被研磨面に凹凸が形成されているワークを研磨するに際
し、その研磨レシピを容易に且つ所望の研磨加工が実施
されるように決定する。 【解決手段】 ワークを研磨パッドに押し付けながら、
研磨パッドをワークに対して相対運動させることにより
被研磨面を研磨する研磨装置Xを用いて、ワークAを研
磨する際に、1)ワークAの研磨速度、および2)ワー
クAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量を、研
磨装置の研磨速度情報およびワークの形状情報に基づい
て予測し、ワークAの予測される研磨速度、ワークAの
研磨前と研磨後の形状の予測される変化量、ならびにワ
ークAの初期膜厚および目標残膜厚からワークAの研磨
時間を決定し、この研磨時間に基づいて研磨レシピを決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の表面に形成
された膜の表面を被研磨面とするワークを研磨する際の
研磨レシピ方法に関する。本発明は特に、半導体デバイ
ス(半導体集積回路装置)の製造工程で採用されるCM
P(化学的機械研磨)に適用される。
【0002】
【従来の技術】近年、ワークの表面を研磨により平坦化
する技術は、多種多様な分野において利用されている。
その一例としてICおよびLSI等の半導体デバイスの
製造工程における研磨加工を挙げることができる。
【0003】半導体デバイスの製造過程において、研磨
加工は、例えば、配線およびトランジスタ等の素子の上
に層間絶縁膜が形成された基板(この基板を半導体デバ
イス用基板とも呼ぶ)の表面(即ち、層間絶縁膜の露出
表面)を平坦化するために実施される。配線は、アルミ
ニウムまたは銅等の導電材料を用いてエッチング等によ
り形成される。層間絶縁膜は配線等の上にCVD等によ
り積層される。層間絶縁膜の平坦化は、表面の凹凸段差
を露光工程における焦点深度よりも小さくするために実
施される。半導体デバイスには、配線等と層間絶縁膜が
交互に積層された多層構造のものがある。かかる構造の
半導体デバイスの製造工程においては、各層間絶縁膜の
露出表面が平坦化される。
【0004】層間絶縁膜の研磨手法として、最近では、
層間絶縁膜と研磨剤の化学反応を伴うケミカルメカニカ
ルポリッシング(化学的機械研磨;CMP)法が採用さ
れつつある。CMP法によれば層間絶縁膜の表面全体を
極めて平滑にできる。
【0005】また、半導体デバイスの製造工程において
は、金属材料を基板等に形成された溝に埋め込んだ後、
研磨加工して、溝部外にある余剰金属を除去するととも
に表面を平坦化することにより配線パターンを形成する
ことも行われている。このようにして配線パターンを形
成する方法は、ダマシン法と呼ばれる。ダマシン法にお
いても余剰金属の除去にCMP法が利用される。
【0006】このように、CMPに代表される研磨加工
は半導体デバイスの製造過程において種々の工程で実施
されている。そして、半導体デバイスの分野において
は、CMPによって、より平坦な表面を、より効率的に
得ようとするための試みがなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】CMPにより層間絶縁
膜を平坦化する工程においては、研磨後の層間絶縁膜の
厚さが所定の厚さとなるまで、層間絶縁膜を研磨する。
層間絶縁膜の厚さは、一般に、ウエハの表面から層間絶
縁膜の露出表面までの距離で表される。多層構造の半導
体デバイス用基板において、2層目から上の層間絶縁膜
の厚さは、その下の層間絶縁膜の表面(ウエハから最も
遠い面)から当該層間絶縁膜の露出表面までの距離で表
される。層間絶縁膜の厚さはまた、一般に、ウエハ(ま
たはその下の層間絶縁膜)の表面と層間絶縁膜の露出表
面との間に配線および素子等が位置しない部分にて測定
される。また、研磨(加工)前の膜の厚さは、初期膜厚
とも呼ばれ、研磨(加工)後の膜の厚さは残膜厚とも呼
ばれる。
【0008】CMPの実施に際しては、残膜厚が所定の
範囲内にあるように、ワークを研磨する必要がある。残
膜厚が所定範囲内にないと、例えば層間絶縁膜の表面に
大きな段差が残り、後の工程に好ましくない影響を及ぼ
す。したがって、CMPにおいては、ワークが所望の量
だけ研磨され、残膜厚が目標の厚さとなるように、研磨
終点を正しく検出することが要求される。
【0009】そこで、CMP法による平坦化加工におい
て、加工中計測法による研磨終点検出技術が種々検討さ
れている。例えば、特開平6−342778号公報に
は、研磨時の機械的な振動をモニタして研磨終点を判定
しようとする技術が開示されている。しかし、振動と終
点との相関関係が必ずしも明瞭ではないため、当該公報
に記載の方法で正確な終点を検出することは原理的に困
難であると考えられる。別法として、温度測定およびト
ルク測定等による研磨終点の検出が提案されている。こ
れらは、研磨終点において材料が変化する加工には適し
ている。しかし、研磨前後で被研磨面の材料が変化しな
い平坦化加工(例えば配線等の上に形成された層間絶縁
膜の平坦化)に、これらの研磨終点検出技術を適用する
ことは困難である。このように、正確な研磨終点を検出
することは難しく、加工中計測法による研磨終点技術は
未だ確立していないのが実情である。
【0010】そのため、研磨終点は、一般に研磨時間
(加工時間)で管理される。具体的には、研磨すべきワ
ークの研磨速度を予め実験的に求め、研磨速度から所望
の研磨量(即ち、厚さ)を除去するのに必要な研磨時間
(以下、所要研磨時間ともいう)を算出し、算出した研
磨時間に従って平坦化加工を実施し、それにより研磨終
点を制御している。ここで、研磨速度とは、単位時間あ
たりに除去されるワークの厚さに相当し、表面除去速度
または研磨レートと称されることもある。研磨速度は、
半導体デバイス用基板の層間絶縁膜を研磨する場合に
は、単位時間あたりに除去される層間絶縁膜の厚さに相
当する。
【0011】以下、半導体デバイス用基板の層間絶縁膜
をCMP法により研磨するときの研磨時間の決定方法の
一例を図面を参照して説明する。
【0012】図5に半導体デバイス用基板の一例の平面
図を、図6にその断面の一部を拡大して模式的に示す。
半導体デバイス用基板(1)は、直径8インチまたは1
2インチの円盤形態である。半導体デバイス用基板
(1)は1枚の基板に50〜1000個のセル(100)
を有し、最終的に各セル(100)は分割されて半導体デ
バイスを形成する。図示した半導体デバイス用基板
(1)は、半導体ウエハ(2)の上に配線等(4)が形
成され、配線等(4)の上に層間絶縁膜(6)が形成さ
れたものである。この基板(1)においては、層間絶縁
膜(6)の表面が被研磨面となる。被研磨面は、配線の
パターン等に起因して形成された凹凸を有する。凹凸の
凸部(8)はその下に配線等(4)が位置する部分であ
る。図6において、研磨前の層間絶縁膜の露出表面は実
線(12)で示され、研磨後の層間絶縁膜の露出表面は実
線(14)で示される。
【0013】さらに、図7に半導体デバイス用基板をC
MP法により研磨する研磨装置の一例を示す。図7に示
す研磨装置において、研磨パッド(202)はステンレス
スチールベルト(204)に接着され、ワーク(201)はホ
ルダ(206)に装着されている。ワーク(201)の裏面
(被研磨面とは反対の面)には、エアー(図示せず)の
圧力が加えられ、それによりワーク(201)が研磨パッ
ド(202)に押し付けられている。ステンレススチール
ベルト(204)の裏面にもエアーにより圧力が加えら
れ、それにより研磨パッド(202)がワーク(201)に押
し付けられている。このように、ワーク(201)と研磨
パッド(202)が互いに押し付けられた状態にて、ベル
ト駆動ドラム(208)を回転させてスチールベルト(20
4)を走行させるとともに、研磨パッド(202)の表面に
スラリー(図示せず)を供給しながら、CMP法による
研磨を実施する。このとき、ホルダー(206)を中心軸
(k)を回転軸として回転(自転)させることにより、
ワーク(201)の被研磨面において、研磨パッド(202)
の走行方向と直交する方向で研磨ムラが発生することを
抑制できる。研磨パッド(202)が走行している間に、
ベルト駆動ドラム(208)上に配置されたドレッサー(2
10)により、研磨パッド(202)のフォーミング、即ち
ドレッシングが行われる。
【0014】研磨時間の決定に際しては、最初に、製品
となる半導体デバイスの層間絶縁膜と同じ材料を使用し
て、いわゆるベタ膜のワーク(配線等が形成されていな
い半導体ウエハに平坦な層間絶縁膜を形成したワーク)
を作製し、このベタ膜のワークを、実際の研磨に用いら
れる所定条件下で所定時間研磨したときの研磨量(膜厚
の変化量)を求める。求めた研磨量を研磨時間で除すこ
とにより、研磨速度(PR)が求められる。
【0015】次に、製品となる半導体デバイス用基板に
おいて、研磨により除去すべき層間絶縁膜の量(研磨
量)を決定する。まず、層間絶縁膜の初期膜厚tiを測
定する。一般に、層間絶縁膜の厚さは、その下に配線等
が存在しない凹部にて光学的な方法で測定される。半導
体デバイス用基板の層間絶縁膜の膜厚測定部(10)は、
膜厚測定ポイントとして各セルごとに予め設けられてい
る。膜厚は、例えばオプティプローブで測定される。な
お、凸部(8)の層間絶縁膜の厚さは、配線が存在する
ために光学的な方法で測定することは困難である。
【0016】次に、研磨後の膜厚規格中心値をtsを決
定する。tsは、所定の厚さの層間絶縁膜が配線の上に
残るように決定される。それから、残膜厚tfをtsと
するために必要な研磨量を求める。その際、留意すべき
ことは、図6に示すように、所定の残膜を得るために必
要な研磨量(即ち、研磨される厚さ)が膜厚測定部(1
0)と凹凸の凸部(8)とでは異なることである。即
ち、凸部(8)においては、図6に示す凸部(8)の部
分の突出高さ(d)にほぼ相当する量だけ、膜厚測定部
(10)より多く層間絶縁膜を研磨する必要がある。した
がって、研磨すべき層間絶縁膜の量(厚さ)は、初期膜
厚から膜厚規格中心値を差し引いた(ti−ts)に、
凸部に相当する量を加えた量となる。
【0017】一般に、余分に研磨すべき量は、配線
(4)の高さ(d)に相当すると仮定される。また、一
般に、凸部が除去される間の研磨速度はベタ膜のワーク
で測定した研磨速度PRよりも大きい。即ち、高さ
(d)の凸部を除去するのに必要な研磨時間は、ベタ膜
のワークから同じ厚さ(d)の層間絶縁膜を除去するの
に必要な時間よりも短い。そこで、凸部(8)がウエハ
(2)上でその高さよりも薄い平坦な膜を形成している
と仮定し、この仮定した平坦な膜の厚さを(ti−t
s)に加えて研磨すべき層間絶縁膜の量を決定し、その
研磨すべき量に基づいて研磨時間を求めることが行われ
ている。
【0018】上述のように凸部により形成されたと仮定
される平坦な膜の厚さをRsとし、これと先に求めた研
磨速度PRとから、研磨時間Tは、下記の式(a):
【数2】 T=(Rs+(ti−ts))/PR ...(a) に従って決定される。
【0019】上記の式(a)において、Rsは凸部の高
さよりも小さい値をとるから、これをPRで除した値
は、凸部の高さをPRで除した値よりも小さい。即ち、
式(a)において、Rsは、ある高さを有する凸部の除
去に必要な研磨時間が、その高さと同じ厚さのベタ膜を
除去するのに必要な研磨時間よりも短いことを反映させ
るために用いられる項である。換言すれば、Rsは、凸
部が除去される間の研磨速度がベタ膜のワークのそれよ
りも大きいことについての補正項とも呼べるものであ
る。Rsは、例えば、配線等(4)の高さ(d)等に基
づいて経験的に求めることが多い。
【0020】しかし、このようにして研磨時間を決定し
ても、残膜厚が膜厚規格中心値からずれることがある。
その理由の1つとして、Rsが余分に研磨すべき層間絶
縁膜の量を正確に反映していないことが挙げられる。
【0021】別の理由として、研磨速度が、研磨装置の
状態(例えば、研磨パッドの目詰まり、摩耗および変形
等)の影響を受けて変化することが挙げられる。例え
ば、研磨パッドの目詰まりおよび摩耗等は、研磨パッド
の使用時間が長くなるほどひどくなり、それに伴って研
磨速度も低下する。研磨速度はまた、研磨パッド以外の
要因(例えば、スラリーの劣化および変動)による影響
も受ける。
【0022】そこで、半導体デバイスの製造現場におい
ては、これらの原因により研磨速度が変化することを考
慮して、上記の式(a)で求められた研磨時間にさらに
補正を加えることが行われている。具体的には、例え
ば、1つのロットの中で後で研磨されるワークの研磨時
間がより長くなるような補正、あるいは配線のパターン
密度に応じて研磨時間が長く又は短くなるような補正が
加えられている。しかし、かかる補正は、特定のワーク
を特定の研磨装置で加工するときにのみ有効なものであ
り、ワークの種類(例えばパターン密度)および/また
は研磨装置が異なると適用することができない。そのた
め、上記の式(a)より求められる研磨時間に対して
は、ロットごとに補正を加える必要がある。この補正は
多くの時間を要する作業であり、場合によっては多くの
テストワークを必要とする。このことはCMP工程の処
理能力(スループット)の低下および製品コストの上昇
を招いている。
【0023】スループットの低下等の問題は、最近、特
に顕著になりつつある。それは、近年、半導体デバイス
が、システムLSIとして種々多様な分野で使用されて
いることに伴い、半導体デバイスの生産が多品種・小ロ
ット生産に移行しつつあることによる。多品種・小ロッ
ト生産に対応するには、研磨加工においても多品種・小
ロット加工を実施する必要がある。そのため、ロットが
変わるごとに、ワークの種類に応じて、上記の式(a)
に従って適切な研磨時間を決定することが必要となる。
上記のように、従来のやり方で補正を加えると、ロット
の数が多いほど、研磨時間の決定に要する時間はより長
くなり、したがって、CMP工程の処理能力(スループ
ット)の低下および製品コストの上昇は、より無視し得
ないものとなる。
【0024】このように、従来の研磨時間の決定手法
は、研磨終点の制御の点で改善を要するとともに、多品
種・小ロット加工への対応が十分でないという問題を有
している。そこで、本発明者らは、凹凸が形成された被
研磨面を有するワークについて、より高い精度で残膜厚
を制御し得るように研磨時間を決定できるとともに、多
品種・小ロット加工にも対応できる研磨時間の決定手法
について検討した。その結果、特定の情報を利用するこ
とにより、ロットが変わったときでも、研磨時間を効率
良く且つ適切に決定し得ることを見出した。そして、こ
の研磨時間に基づいて研磨レシピを設定し、当該研磨レ
シピに従って研磨加工を実施すると、残膜厚を精度良く
制御できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、被研磨面に凹
凸が形成されているワークを研磨パッドに押し付けなが
ら、研磨パッドをワークに対して相対運動させることに
より被研磨面を研磨する研磨装置Xを用いて、基板に形
成された膜の表面を被研磨面とするワークAを研磨する
際の研磨レシピを決定する方法であって、ワークAの研
磨速度を予測すること、ならびにワークAの研磨前と研
磨後の被研磨面の形状の変化量を予測することを含み、
さらに、ワークAの予測される研磨速度、ワークAの研
磨前と研磨後の形状の予測される変化量、ならびにワー
クAの初期膜厚および目標残膜厚に基づいて、ワークA
の研磨時間を決定することを含む研磨レシピ決定方法を
提供する。
【0026】本発明の研磨方法において、研磨されるワ
ークは被研磨面に凹凸を有する。この凹凸は、その段差
量(即ち、凸部の頂面と凹部の底面との間の距離)が5
0〜500nm程度のものである。この凹凸は、例えば、
ワークが半導体デバイス用基板である場合において、ウ
エハ上に形成された配線に起因して形成されるものであ
る。
【0027】研磨レシピとは、ワークを研磨するときの
条件(研磨パッドの回転数、ワークを研磨パッドに押し
付けるときの圧力、研磨液の温度、および研磨時間等)
ならびに手順(シーケンス)に相当する。研磨加工する
際、ワークは特定の研磨レシピに従って研磨される。本
発明の研磨レシピ決定方法は、研磨レシピを構成する1
つのパラメータである研磨時間を、上述の予測した研磨
速度等に基いて決定し、この研磨時間に基づいて研磨レ
シピを決定する方法である。
【0028】研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
は、研磨前後の被研磨面の三次元的な輪郭の変化に基づ
いて求められる量である。この変化量は、本発明におい
ては凹凸の凸部全体または一部の体積の変化量に相当す
る。
【0029】研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
は、具体的には、研磨前の膜の領域を、厚さ方向で、2
つの部分、即ち、研磨により凹凸の段差が最終的に緩和
されるまでの部分であるパターン部と、膜全体が均一に
研磨される部分である平坦部とに区分し、ワークの被研
磨面の少なくとも一部分であって、かつ凹凸を含む部分
を形状測定部として選択したときに、凹凸の段差が最終
的に緩和されるまでに形状測定部において研磨により除
去される膜の体積、即ちパターン部の体積(この体積は
「パターン部除去体積」とも称される)を形状測定部全
体の面積で除した値tpとすることができる。
【0030】tpを研磨前と研磨後の被研磨面の形状の
変化量とする場合には、ワークの膜がパターン部および
平坦部の2つの部分から構成されると想定したモデルを
導入する。このモデルにおいて、パターン部および平坦
部は互いに影響を及ぼすことなく、独立して研磨され
る。このようなモデルの導入は、研磨パッドが2つの異
なる作用を及ぼしながらワークを研磨する、即ち、研磨
パッドが、固定砥粒のような剛体として作用するととも
に、軟質体として作用しながら、ワークを研磨すると考
えることにより、可能となる。
【0031】ここで、研磨パッドが剛体として作用して
ワークを研磨するとは、ワークに存在する凹凸の段差を
専ら無くすように、ワークを研磨することをいう。一
方、研磨パッドが軟質体として作用してワークを研磨す
るとは、ワークに存在する凹凸に追随しながら、凹凸の
段差を変化させることなく、ワークを研磨することをい
う。凹凸を有する膜の表面を被研磨面として研磨すると
き、研磨パッドは、これらの2つの作用を同時に及ぼし
ながらワークを研磨する。なお、研磨パッドは、ワーク
が例えば半導体デバイス用基板のようにうねり(即ち、
グローバルな凹凸)を有する場合には、ワークのうねり
に追随する性質を有する。この追随性は、研磨パッドが
剛体として作用する場合および軟質体として作用する場
合のいずれにおいても発揮される。したがって、研磨速
度の決定に際し、この追随性を考慮しなくても問題は生
じない。
【0032】この態様で導入されるモデルにおいて、パ
ターン部は、研磨パッドが剛体として作用して凹凸の凸
部だけが先に除去されるように研磨が進行すると仮定し
たときに、研磨により凹凸の段差が最終的に緩和される
までに、研磨によって除去される部分である。凹凸の段
差が最終的に緩和されるとは、研磨によって凹凸の段差
量が最大限緩和されることをいう。凹凸の段差量が緩和
されるとは、凹凸の段差量が小さくなることをいう。凹
凸の段差量が最大限に緩和されるとは、研磨を続けても
凹凸の段差量がそれ以上実質的に小さくならないことを
いう。凹凸の段差量が最大限に緩和される場合には、例
えば凹凸の段差量が実質的に0になる場合も含まれる。
【0033】平坦部は、研磨により膜の厚さが膜の全面
にわたって均一に減少していく領域をいう。平坦部は、
パターン部の下に位置する。平坦部は、凹凸を有する場
合でも、その凹凸の段差が維持されたまま研磨される。
平坦部は、ベタ膜のワークを構成する平坦な膜に相当す
るといえる。
【0034】形状測定部は、ワークの被研磨面から代表
的に選択される領域であって、パターン部および平坦部
を含む。上述のように、パターン部は凹凸を有し、パタ
ーン部の厚さ(または突出高さ、即ち、パターン部と平
坦部との境界からパターン部の表面までの厚さ方向の距
離)は形状測定部において一定でない。したがって、形
状測定部におけるパターン部除去体積(即ち、研磨によ
り除去されるパターン部の体積)を形状測定部の面積で
除した値tpは、形状測定部に含まれるパターン部全体
の体積に等しい体積を有し、かつ形状測定部の面積と同
じ面積を有する凹凸のない平坦な膜を有するワーク(ベ
タ膜のワーク)から、そのような膜を除去したとみなし
たときの除去量(除去された厚さ)に相当する。即ち、
tpは、パターン部の凹凸を形状測定部全体にわたって
均すことにより形成される膜(この膜はパターン部の体
積に等しい体積を有する)の厚さに相当する。以下の説
明を含む本明細書において、tpはパターン部除去体積
等価膜厚とも呼ぶ。
【0035】形状測定部は、tpを決定するために、所
定の面積を有する部分として意図的に選択される領域で
ある。形状測定部をより広い面積を有するように選択す
ると、被研磨面の形状変化をより正確に把握することが
できる。また、形状測定部としては、凹凸の凸部の占め
る割合が他の部分と比較して小さすぎる又は大きすぎる
部分ではなく、凹凸の凸部の占める割合が平均的である
部分(即ち、ワークの代表的な部分)を選択することが
好ましい。
【0036】ワークAの研磨前と研磨後の形状の変化量
を予測することは、ワークAの形状測定部のパターン部
除去体積を予測し、予測される形状測定部のパターン部
除去体積に基づいてパターン部除去体積等価膜厚を予測
することである。本明細書では、「予測される」パター
ン部除去体積等価膜厚をupで表し、「実際の」パター
ン部除去体積等価膜厚(tp)との混同を避ける。
【0037】膜厚は、研磨によりその一部が除去されて
平坦化される膜の厚さをいい、基板の表面から膜の露出
表面(即ち、被研磨面)までの距離に相当する。多層配
線構造の半導体デバイス用基板のように、膜が複数層形
成されている場合、2層目から上の膜の厚さは、その下
に位置する膜の表面(基板から最も遠い面)から当該膜
の露出表面までの距離で表される。膜厚は、ワークの被
研磨面の凹部から選択される膜厚測定部にて測定され
る。膜厚測定部は、その底面(即ち、凹部を形成する被
研磨面に平行な面)の寸法が比較的大きい(例えば50
〜100μm□である)凹部から選択される。膜厚測定
部は1つのワークにおいて1または複数選択してよい。
ワークが半導体デバイス用基板である場合、前述のよう
に膜厚は膜厚測定ポイントとして予め設けられた膜厚測
定部にて測定される。初期膜厚は、研磨される前の膜の
厚さに相当する。目標残膜厚は、研磨後に得ようとする
膜の厚さであり、先に述べた「膜厚規格中心値」と同義
である。
【0038】ワークAの予測される研磨速度をPRA
し、ワークAの研磨前の膜厚(即ち初期膜厚)をtiA
とし、ワークAの目標残膜厚をtsAとし、ワークAの
研磨前と研磨後の形状の予測される変化量を、予測され
るパターン部除去体積等価膜厚upAとすれば、ワーク
Aの研磨時間TAは、下記の式(1):
【数3】 TA=(tiA−tsA+upA)/PRA ...(1) で求められる。
【0039】本発明の研磨レシピの決定方法において
は、上記PRA、tiAおよびupAを求めるために、
「ワークの形状情報」および「研磨装置の研磨速度情
報」が用いられる。目標残膜厚tsAはワークの種類に
応じて予め設定される。
【0040】「ワークの形状情報」とは、ワークの形状
に関する情報であり、膜厚に関する情報および被研磨面
の形状に関する情報を含む。「ワークの形状情報」は、
ワークを研磨する前およびワークを研磨した後に得られ
る。本明細書において、ワークωを研磨する前のワーク
ωの形状に関する情報を「ワークωの研磨前の形状情
報」と呼び、ワークωを研磨した後のワークωの形状に
関する情報を「ワークωの研磨後の形状情報」と呼ぶ。
ωはワークの種類を表す。ワークの被研磨面の形状に関
する情報は、特に「ワークの被研磨面の形状情報」と呼
ぶ。ワークの被研磨面の形状情報は、パターン部除去体
積等価膜厚を求める、あるいはそれを予測するために用
いられる。
【0041】「研磨装置の研磨速度情報」とは、ある研
磨装置を用いて、あるワークを研磨することにより求め
られる当該ワークの研磨速度である。本発明において用
いられる研磨装置の研磨速度情報は、ワークωを研磨す
る直前に研磨した別のワークφの研磨速度、および、ワ
ークωを研磨した後で求められる当該ワークωの研磨速
度である。本明細書において、前者を「ワークωの研磨
前の研磨装置χの研磨速度情報」と呼び、後者を「ワー
クωの研磨後の研磨装置χの研磨速度情報」と呼ぶ。ω
はワークの種類を表し、χは研磨装置の種類を示す。
【0042】研磨装置の研磨速度情報(即ち、ワークの
研磨速度)は、好ましくは、後述するように、ワークの
研磨前後の膜厚の変化量、およびワークの被研磨面の研
磨前後の形状の変化量(即ち、パターン部除去体積等価
膜厚)に基づいて決定される。その結果、従来、研磨速
度を求めることが困難であった凹凸を有するワークの研
磨速度を、より精度良く決定することが可能となる。
【0043】ここで、ワークの形状情報を得る方法、ワ
ークの被研磨面の形状情報に基いてパターン部除去体積
等価膜厚を決定する方法、および研磨装置の研磨速度情
報(即ち、ワークの研磨速度)を得る方法を、ワークが
半導体デバイス用基板である場合を例に挙げて説明す
る。
【0044】図1および2は、本発明の研磨レシピ決定
方法が適用される半導体デバイス用基板を示す。図1は
先に説明した図5と同様のものであり、図1において図
5で使用した符号と同じ符号は同じ要素を示す。図1に
は、さらに膜厚が測定される5つのセル(100a〜100
e)を示している。図2は、半導体デバイス用基板の断
面を示す。図2において図6で使用した符号と同じ符号
は同じ要素を示す。図2には、後述するパターン部初期
段差量(hi)およびパターン部残存段差量(hf)を
さらに示し、層間絶縁膜(6)内の一点鎖線によって層
間絶縁膜(6)のパターン部(6a)と平坦部(6b)
との境界を示している。この半導体デバイス用基板もま
た、図7に示す研磨装置で研磨される。
【0045】まず、ワークの形状情報を得る方法を説明
する。ワークの形状情報のうち、膜厚は、測定分解能が
好ましくは1nmである膜厚測定器(例えばオプティプロ
ーブ)を用いて測定する。膜厚は、1枚のワークにおい
て複数箇所にて測定した膜厚の平均値とすることが好ま
しい。膜厚は、例えば図1に示す5箇所のセル(100a
〜100e)に設けられた膜厚測定部にて測定される。ワ
ークを研磨する前に測定される膜厚は初期膜厚tiであ
り、ワークを研磨した後に測定される膜厚は残膜厚tf
である。
【0046】ワークの形状情報のうち、ワークの被研磨
面の形状情報は、ワークの被研磨面から上述の形状測定
部を選択し、形状測定部の形状を測定することによって
得る。形状測定部は適当な面積を有するように選択され
る。ここでは1つのセル(約7mm□)を形状測定部と
して選択する。別の態様においては、セルの一部または
複数のセルを合わせた領域を、1つの形状測定部として
選択してよい。形状測定部の形状は、例えば、原子間力
顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)を用いて
測定される。使用できるAFMは、例えば、日立製作所
社製の「WA200」である。形状測定部の形状は、A
FMの平面2D分解能を10μm、縦分解能を1nmに設
定して、図3に示すようなAFM3D画像が得られるよ
うに測定される。
【0047】ワークの研磨前および研磨後に被研磨面を
測定して得たAFM3D画像から、ワークの研磨前およ
び研磨後の凹凸の段差量を求める。凹凸の段差量とは、
凸部(8)の頂面(8a)とそれに隣接する凹部の底面
(8b)との間の距離をいう。ワークの研磨前の凹凸の
段差量は、パターン部初期段差量と呼ばれる。ワークの
研磨後の凹凸の段差量は、パターン部残存段差量と呼ば
れる。即ち、ワークの研磨前の被研磨面の形状情報は、
パターン部初期段差量であるといえ、ワークの研磨後の
被研磨面の形状情報は、パターン部残存段差量であると
いえる。ワークの研磨前の形状測定部において段差量の
異なる凹凸が存在する場合には、最も大きい段差量を求
め、それをパターン部初期段差量とする。ワークの研磨
後の形状測定部において段差量の異なる凹凸が存在する
場合も同様に、最も大きい段差量をパターン部残存段差
量とする。
【0048】一般に、図2に示すような半導体デバイス
用基板において、パターン部初期段差量は膜厚測定部
(10)の底面(10a)と凸部(8)の頂面(8a)との
間の距離に相当し、図2において符号hiで示される距
離に相当する。パターン部初期段差量もまた、初期膜厚
と同様に複数箇所(図1に示す5箇所のセル(100a〜1
00e))にて測定した形状から求めた平均値とすること
が好ましい。
【0049】一般に、半導体デバイス用基板を研磨によ
り平坦化するとき、凹凸は完全に平坦化されず、数〜数
十nmの段差が残った状態で最終的に段差が緩和された状
態となり、その後、段差が残ったままで膜全体にわたっ
て平坦化が進行する。そのため、半導体デバイス用基板
は完全に平坦化されず、段差が残る。この最終的に残る
段差の高さがパターン部残存段差量に相当する。パター
ン部残存段差量は図2においてhfで示される距離に相
当する。
【0050】したがって、図2に示すような半導体デバ
イス用基板において、パターン部のみが先に除去されて
から平坦部が除去されるように研磨が進行すると仮定す
れば、凸部(8)が研磨されて、凹凸の段差量がパター
ン部残存段差量(hf)に等しくなったときにパターン
部が除去された状態(図中の一点鎖線で示される)とな
る。その後研磨される部分は膜の厚さが膜の全面にわた
って均一に減少していく。即ち、図2の層間絶縁膜
(6)内の一点鎖線はパターン部(6a)と平坦部(6
b)との境界に相当するといえる。
【0051】上記の仮定は理解を容易にするためのもの
であり、実際の研磨は平坦部とパターン部が同時に研磨
されるように進行する。但し、前述のように平坦部にお
ける研磨とパターン部における研磨は互いに独立してお
り、平坦部における研磨の進行は、凹凸の段差量の緩和
に影響を及ぼさない。平坦部が研磨されると、それに伴
って、凸部の頂面および凹部の底面の位置(レベル)が
同じだけ変化するからである。したがって、図2に示す
ワークにおいてパターン部と平坦部とが同時に研磨され
るとしても、図2に示すパターン部と平坦部との境界の
位置(レベル)は変わらない。パターン部と平坦部との
境界は、研磨後の凹部の底面の包絡面を、研磨前の凹部
の底面の包絡面に仮想的に一致させるまで平行移動させ
たときの、研磨後の被研磨面の表面であるともいえる。
【0052】なお、図2に示すように、半導体デバイス
用基板において、例えば配線等が密に形成された部分の
上には、段差量が数〜数十nmの微細な凹凸(16)が形
成されることがある。図2において、微細な凹凸(1
6)は1つの大きな凸部(8)の頂面に形成されている
ともいえる。この微細な凹凸(16)は研磨の初期段階
で平坦化されるため、研磨速度を決定するに際し、その
段差量の変化は無視することができる。
【0053】次に、パターン部除去体積およびパターン
部除去体積等価膜厚tpを求める方法を説明する。パタ
ーン部除去体積は、形状測定部の等高線面積を所定の段
差増分(例えば10nm)ごとに、パターン部残存段差量
からパターン部初期段差量まで(即ち、図2において層
間絶縁膜の表面から一点鎖線に至るまで)求め、求めた
等高線面積と段差増分の積の和を算出することにより求
められる。ここで、形状測定部の等高線面積とは、基板
表面に平行な面であって基準点(例えば基板の表面)か
ら所定距離だけ離れた面に沿って形状測定部を切断した
ときの切断面の面積をいう。
【0054】したがって、パターン部除去体積は、段差
増分をdhとしたときに下記の式(2):
【数4】 により求められる。
【0055】先に例示したAFM「WA−200」によ
れば、研磨前の形状測定部のAFM3D画像から、凹凸
の段差量hがパターン部初期段差量hiからパターン部
残存段差量hf(hfは0であってもよい)までのいず
れかの任意の値をとるときの被研磨面の形状を、2次元
うねり補正処理および画像解析処理コマンドで求めるこ
とができる。したがって、段差量の変化に伴う被研磨面
の形状の変化を見るために、ワークを少しずつ研磨し
て、都度、形状を測定する必要はない。等高線面積は、
画像解析処理および二値化処理コマンドにより段差増分
ごとに図4に示すような二値画像を得、二値画像におい
て白く表示される部分の面積をデジタイジングすること
により求められる。二値画像は段差増分ごとに得る。
【0056】AFM3D画像から二値画像を得る具体的
な手順は次のとおりである。一般に、半導体デバイス用
基板に形成された膜に存在する凹凸は、うねりを有する
面、即ち傾斜した曲面上に存在する場合が多い。そこ
で、3D画像から2D画像に変換するに際しては、凹凸
の凸部の頂面の包絡面を平面化してAFM測定基準面と
ワークの被研磨面を一致させるために、AFMの画像処
理ソフトを用いて2次元傾斜補正および2次元うねり補
正処理を施す必要がある。これらの補正により、傾斜を
有する曲面が平面化される。
【0057】2D画像の濃淡データは、一旦高さデータ
に変換する。この変換したデータを処理して、ほぼノイ
ズ除去できる量(凹凸の最も高い部分から10nm)だけ
凹部側によったオフセット面について等高線面積が求め
られるようにする。さらに、処理したデータを濃淡デー
タに再変換し、濃淡値に基づいて画像処理ソフトで二値
化処理し、図4に示すような二値画像を得る。二値化処
理は、適当な画像処理ソフト(例えば市販の「プリント
ショップ」等)を利用して実施する。
【0058】パターン部除去体積等価膜厚tpは、形状
測定部のパターン部除去体積を形状測定部の面積で除す
ことにより求められる。したがって、パターン部除去体
積等価膜厚tpは、下記の式(3)に従って算出され
る。
【数5】
【0059】上記の等高線面積は、研磨中、研磨パッド
とワークとが接触する部分の面積と考えることもでき
る。また、等高線面積を形状測定部の面積で除した値
は、研磨パッドとワークが接触する面積の割合、即ち、
研磨パッドにより実際に研磨される面積の割合を示す研
磨面積率と考えることができる。したがって、上記の式
(2)および式(3)をまとめて、パターン除去体積等
価膜厚tpを下記の式(3’)に従って算出することも
できる。
【数6】
【0060】続いて、研磨装置の研磨速度情報、即ち、
ワークの研磨速度を求める方法を説明する。ワークの研
磨速度は、ワークの研磨前および研磨後の形状情報、お
よびそれらから得られるパターン除去体積等価膜厚を用
いて、下記の式(4):
【数7】 PR=(ti−tf+tp)/T ...(4) (式中、PRはワークの研磨速度を示し、tiは初期膜
厚を示し、tfは残膜厚を示し、tpはパターン部除去
体積等価膜厚を示し、Tは研磨時間を示す)により求め
られる。初期膜厚および残膜厚は、ワークの研磨前およ
び研磨後の形状情報により与えられる。パターン部除去
体積等価膜厚tpは実際に除去されるパターン部の量を
より正確に与えるから、これを用いて式(4)に基づい
て求めた研磨速度はより正確である。
【0061】上記の式において、(ti−tf)/Tを
平坦部の研磨速度PReとし、tp)/Tをパターン部
の研磨速度PRpとすれば、ワークの研磨速度は、下記
の式(4’):
【数8】PR=PRe+PRp ...(4’) のように、平坦部の研磨速度とパターン部の研磨速度の
和として求めることができる。
【0062】研磨速度を決定するに際し、パターン部全
部を完全に除去しないで、即ち、パターン部の凹凸の段
差量がパターン部残存段差量よりも大きい状態にて、研
磨を止めて研磨速度を決定してもよい。その場合、式
(2)または式(3’)において、パターン部残存段差
量に代えて、研磨を止めた時点のパターン部の凹凸の段
差量を代入するとよい。そのようにして求められる値
は、研磨パッドが剛体として作用することにより除去さ
れたパターン部の一部を、形状測定部全体にわたって均
すことにより形成される膜(この膜は除去されたパター
ン部の体積に等しい体積を有する)の厚さに相当し、パ
ターン部の部分除去体積等価膜厚と呼べる。
【0063】また、研磨速度を決定するに際し、ワーク
は、必ずしも未加工のものである必要は無く、既に一部
研磨されたワークを使用して研磨速度を決定してよい。
その場合、式(2)または式(3’)において、パター
ン部初期段差量に代えて、再度研磨する前のパターン部
の凹凸の段差量を代入するとよい。そのようにして求め
られる値もまた、パターン部の部分除去体積等価膜厚と
いえる。
【0064】既に研磨されたワークを使用する場合にお
いても、パターン部の凹凸の段差量がパターン部残存段
差量よりも大きい状態にて、研磨を止めて研磨速度を決
定してもよい。その場合、式(2)または式(3’)に
おいて、パターン部初期段差量およびパターン部残存段
差量に代えて、再度研磨する前のパターン部の凹凸の段
差量および研磨を止めた時点のパターン部の凹凸の段差
量を代入するとよい。そのようにして求められる値もま
た、パターン部の部分除去体積等価膜厚といえる。
【0065】本発明の研磨レシピ決定方法においては、
上記のようにして得られる、ワークの形状情報および研
磨装置の研磨速度情報が利用される。これらの情報を利
用して研磨レシピを決定する方法を以下に具体的に説明
する。
【0066】
【発明の実施の形態】本発明の研磨レシピ決定方法は、
ワークのロットが変わるときに(即ち、ワークAの直前
に研磨されるワークがワークAとは異なる種類のもので
ある場合に)、次のロットのワーク(即ち、ワークA)
の研磨レシピを決定するのに有用な方法である。以下
に、ロットが変わるケースとして想定されるものを幾つ
か示し、各ケースにおいて、上記の情報を利用して研磨
レシピを決定する方法を説明する。また、以下の説明
は、ワークが図1および図2に示すような半導体デバイ
ス用基板であると想定して行う。
【0067】[ケース1] ワークAを研磨する直前に
研磨したワークBが、ワークAが有する膜と同じ材料か
ら成る膜を有するものであり、過去研磨装置Xでワーク
Aを研磨した実績がある場合を想定する。以下の説明に
おいて、過去研磨装置Xで研磨したワークAをワークA
bと呼び、研磨レシピを決定する対象となるワークAと
区別する。
【0068】ワークAの研磨速度の予測 研磨装置Xを用いる場合のワークAの研磨速度は、ワー
クAを研磨するときの研磨装置Xの状態の影響を受け
る。したがって、ワークAの研磨速度を予測するときに
は、ワークAを研磨する直前に研磨したワークの研磨速
度を求め、この研磨速度を予測のための情報として活用
することが好ましい。これはケース1に限られず、他の
ケースについてもあてはまる。ケース1においては、研
磨される膜の材料がワークAおよびワークBとも同じで
あるため、ワークBの研磨速度、即ち、ワークAの研磨
前の研磨装置Xの研磨速度情報を、そのままワークAの
予測される研磨速度PRAとして用いることができる。
【0069】ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
形状の変化量の予測 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量の
予測は、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚を予測
することによって行う。以下に、具体的な予測方法を説
明する。
【0070】a)方法1:ワークAbの研磨前および研
磨後の被研磨面の形状情報から、ワークAbのパターン
部除去体積等価膜厚tpを上記の式(3)に従って求め
る。ワークAbのパターン部除去体積等価膜厚tpと、
ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報であるワークA
のパターン部初期段差量hi、ワークAbの研磨前およ
び研磨後の被研磨面の形状情報であるワークAbのパタ
ーン部初期段差量hiおよびパターン部残存段差量hf
から、下記の式(5)に従ってワークAのパターン部除
去体積等価膜厚を予測する。
【0071】
【数9】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0072】b)方法2:ワークAのパターン部残存段
差量hfが0であると仮定したときの、ワークAのパタ
ーン部除去体積等価膜厚tpをワークAの研磨前の被研
磨面の形状情報に基づいて求める。求めたワークAのパ
ターン部除去体積等価膜厚tp(パターン部残存段差量
=0と仮定したとき)、ワークAの研磨前の被研磨面の
形状情報(即ち、ワークAのパターン部初期段差量h
i)、およびワークAbの研磨後の被研磨面の形状情報
(即ち、ワークAbのパターン部残存段差量hf)か
ら、下記の式(6)に従ってワークAのパターン部除去
体積等価膜厚を予測する。
【数10】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0073】c)方法3:研磨装置Xにより研磨される
ワークの段差緩和性が研磨速度による影響を受け、研磨
速度の大小によってワークのパターン部残存段差量が変
化する場合において、研磨速度とワークのパターン部残
存段差量との関係が既知であるときを想定する。そのと
きのワークAのパターン部除去体積等価膜厚は次のよう
にして予測する。まず、ワークAbの研磨後の被研磨面
の形状情報(即ち、ワークAbのパターン部残存段差量
hf)、ワークAbの研磨後の研磨装置Xの研磨速度情
報(即ち、ワークAbの研磨速度)およびワークAの研
磨前の研磨装置Xの研磨速度情報(即ち、ワークBの研
磨速度)から、研磨速度がPRAであるときに得られた
であろうワークAbのパターン部残存段差量hfを予測
する。この予測は、ワークの段差緩和性と研磨速度との
関係を示す既知の換算式または換算表等を利用して行
う。また、ワークAbの研磨後の研磨装置Xの研磨速度
情報に代えて、ワークAbの研磨前の研磨装置Xの研磨
速度情報を使用してよい。
【0074】このワークAbの予測されるパターン部残
存段差量hf、ならびに上述のワークAbのパターン部
除去体積等価膜厚tp、ワークAの研磨前の被研磨面の
形状情報であるワークAのパターン部初期段差量hi、
ワークAbの研磨前および研磨後の被研磨面の形状情報
であるワークAbのパターン部初期段差量hiおよびパ
ターン部残存段差量hfから、下記の式(7)に従っ
て、研磨速度による影響を考慮に入れて、ワークAのパ
ターン部除去体積等価膜厚を予測することができる。
【0075】
【数11】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0076】あるいは、このワークAbの予測されるパ
ターン部残存段差量hf、ならびに上述のワークAのパ
ターン部除去体積等価膜厚tp(パターン部残存段差量
=0と仮定したとき)およびワークAの研磨前の被研磨
面の形状情報(即ち、ワークAのパターン部初期段差量
hi)から、下記の式(8)に従って、研磨速度による
影響を考慮に入れて、ワークAのパターン部除去体積等
価膜厚を予測することができる。
【0077】
【数12】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0078】以上のようにして得たおよびの予測結
果(RPAおよびワークAのup(upA))、ワークA
の研磨前の形状情報から得られる初期膜厚tiA、なら
びに目標残膜厚tsAから、上記の式(1)に従って研
磨時間TAを算出し、この研磨時間に基いて研磨レシピ
を決定する。
【0079】[ケース2] ワークAを研磨する直前に
研磨したワークBが、ワークAが有する膜と同じ材料か
ら成る膜を有するものであり、過去研磨装置Xでワーク
Aを研磨した実績がなく、ワークAが有する膜と同じ材
料から成る膜を有するが、ワークAとは研磨前の形状が
異なるワークCを研磨した実績がある場合を想定する。
研磨前の形状が異なるワークとは、配線およびトランジ
スタ等の素子のパターンが異なるために、研磨前の膜厚
および/または被研磨面の形状(即ち、凹凸形状)が異
なるワークをいう。
【0080】ワークAの研磨速度PRAの予測 ケース2においては、研磨される膜の材料がワークAお
よびワークBとも同じであるため、ワークBの研磨速
度、即ち、ワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情
報を、そのままPRAとして用いることができる。
【0081】ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
形状の変化量の予測 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量の
予測は、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚を予測
することによって行う。一般に、ワークの段差緩和性
(即ち、ワークのパターン部残存段差量)は、研磨装置
が同じであれば、膜の材料および研磨前のワークの形状
の如何によらず、同じになる傾向にある。即ち、ワーク
の段差緩和性は研磨装置のみの影響を受ける。ケース2
に関して説明する以下の予測方法は、このことを前提と
した予測方法である。
【0082】a)方法1:ワークAのパターン部残存段
差量が0であると仮定したときの、ワークAのパターン
部除去体積等価膜厚tpをワークAの研磨前の被研磨面
の形状情報に基づいて求める。求めたワークAのパター
ン部除去体積等価膜厚tp(パターン部残存段差量=0
と仮定したとき)、ワークAの研磨前の被研磨面の形状
情報(即ち、ワークAのパターン部初期段差量hi)、
およびワークCの研磨後の被研磨面の形状情報(即ち、
ワークCのパターン部残存段差量hf)から、下記の式
(9)に従ってワークAのパターン部除去体積等価膜厚
を予測する。
【0083】
【数13】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0084】b)方法2:研磨装置Xにより研磨される
ワークの段差緩和性が研磨速度による影響を受け、研磨
速度の大小によってワークのパターン部残存段差量が変
化する場合において、研磨速度とワークのパターン部残
存段差量との関係が既知であるときを想定する。そのと
きのワークAのパターン部除去体積等価膜厚は次のよう
にして予測する。まず、ワークCの研磨後の被研磨面の
形状情報(即ち、ワークCのパターン部残存段差量h
f)、ワークCの研磨後の研磨装置Xの研磨速度情報
(即ち、ワークCの研磨速度)およびワークAの研磨前
の研磨装置Xの研磨速度情報(即ち、ワークBの研磨速
度)から、研磨速度がPRAであるときに得られたであ
ろうワークCのパターン部残存段差量hfを予測する。
この予測は、ワークの段差緩和性と研磨速度との関係を
示す既知の換算式または換算表等を利用して行う。ま
た、ワークCの研磨後の研磨装置Xの研磨速度情報に代
えて、ワークCの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情報を
使用してよい。
【0085】このワークCの予測されるパターン部残存
段差量hf、ならびに上述のワークAのパターン部除去
体積等価膜厚tp(パターン部残存段差量=0と仮定し
たとき)、およびワークAの研磨前の被研磨面の形状情
報(即ち、ワークAのパターン部初期段差量hi)か
ら、下記の式(10)に従って、研磨速度による影響を
考慮に入れて、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚
を予測することができる。
【0086】
【数14】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0087】上述のように、式(9)および(10)に
よる予測は、同じ研磨装置Xを用いてワークを研磨した
場合に、膜の材料および研磨前の形状の如何によらず、
パターン部残存段差量が全て、実質的に同じ量となると
きに有効である。研磨前の形状によってパターン部残存
段差量が変化する場合には、それを考慮して、式(9)
および(10)に適当な補正を加える必要がある。
【0088】以上のようにして得たおよびの予測結
果(RPAおよびワークAのup(upA))、ワークA
の研磨前の形状情報から得られる初期膜厚tiA、なら
びに目標残膜厚tsAから、上記の式(1)に従って研
磨時間TAを算出し、この研磨時間に基いて研磨レシピ
を決定する。なお、ケース2において、ワークCはワー
クBであってよい。即ち、ワークCの研磨後の被研磨面
の形状情報はワークBの研磨後の被研磨面の形状情報で
あってよい。
【0089】[ケース3] ワークAを研磨する直前に
研磨したワークDが、ワークAが有する膜とは異なる材
料から成る膜を有するものであり、過去研磨装置Xでワ
ークDを研磨した直後にワークAを研磨した実績がある
場合を想定する。以下の説明において、過去研磨装置X
で研磨したワークAおよびワークDを、それぞれワーク
AbおよびワークDbと呼び、研磨レシピを決定する対象
となるワークAおよびその直前に研磨したワークDと区
別する。
【0090】ワークAの研磨速度PRAの予測 ケース3においては、ワークの膜の材料の変化(即ち、
ワークがワークDからワークAに変わること)が研磨装
置Xに与える影響を考慮してPRAを予測する。予測に
必要な情報は、ワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速
度情報(即ち、ワークDの研磨速度PR)、ワークAb
の研磨前の研磨装置Xの研磨速度情報(即ち、ワークD
bの研磨速度PR)およびワークAbの研磨後の研磨装置
Xの研磨速度情報(即ち、ワークAbの研磨速度PR)
であり、それらからPRAを下記の式(11)に従って
求める。
【0091】
【数15】 (式中、PRAはワークAの予測される研磨速度を示
し、PRは研磨速度を示す。)
【0092】ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
形状の変化量の予測 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量の
予測は、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚を予測
することによって行う。ケース3においても、ケース2
と同様にワークの段差緩和性は研磨装置のみの影響を受
けるという前提の下で、ワークAのパターン部除去体積
等価膜厚の予測方法を説明する。
【0093】a)方法1:ワークAのパターン部残存段
差量が0であると仮定したときの、ワークAのパターン
部除去体積等価膜厚をワークAの研磨前の被研磨面の形
状情報に基づいて求める。求めたワークAのパターン部
除去体積等価膜厚tp(パターン部残存段差量=0と仮
定したとき)、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報
(即ち、ワークAのパターン部初期段差量hi)、およ
びワークDbの研磨後の被研磨面の形状情報(即ち、ワ
ークDbのパターン部残存段差量hf)から、下記の式
(12)に従ってワークAのパターン部除去体積等価膜
厚を予測する。
【0094】
【数16】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0095】b)方法2:研磨装置Xにより研磨される
ワークの段差緩和性が研磨速度による影響を受け、研磨
速度の大小によってワークのパターン部残存段差量が変
化する場合において、研磨速度とワークのパターン部残
存段差量との関係が既知であるときを想定する。そのと
きのワークAのパターン部除去体積等価膜厚は次のよう
にして予測する。まず、ワークDbの研磨後の被研磨面
の形状情報(即ち、ワークDbのパターン部残存段差量
hf)、ワークAbの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情
報(即ち、ワークDbの研磨速度)およびワークAの研
磨前の研磨装置Xの研磨速度情報(即ち、ワークDの研
磨速度)から、研磨速度がワークDの研磨速度であると
きに得られたであろうワークDbのパターン部残存段差
量hfを予測する。この予測は、ワークの段差緩和性と
研磨速度との関係を示す既知の換算式または換算表等を
利用して行う。
【0096】このワークDbの予測されるパターン部残
存段差量hf、ならびに上述のワークAのパターン部除
去体積等価膜厚tp(パターン部残存段差量=0と仮定
したとき)およびワークAの研磨前の被研磨面の形状情
報(即ち、ワークAのパターン部初期段差量hi)か
ら、式(13)に基づいて、研磨速度による影響を考慮
に入れて、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚を予
測することができる。
【0097】
【数17】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0098】上述のように、式(12)および(13)
による予測は、同じ研磨装置Xを用いてワークを研磨し
た場合に、膜の材料および研磨前の形状の如何によら
ず、パターン部残存段差量が全て同じ量となるときに有
効である。研磨前の形状によってパターン部残存段差量
が変化する場合には、それを考慮して、式(12)およ
び(13)に適当な補正を加える必要がある。
【0099】c)方法3:過去に研磨したワークAの研
磨前および研磨後の被研磨面の形状情報が存在すれば、
上記ケース1のの方法1〜3に従って、ワークAのパ
ターン部除去体積等価膜厚を予測することができる。
【0100】以上のようにして得たおよびの予測結
果(RPAおよびワークAのup(upA))、ワークA
の研磨前の形状情報から得られる初期膜厚tiA、なら
びに目標残膜厚tsAから、上記の式(1)に従って研
磨時間TAを算出し、この研磨時間に基いて研磨レシピ
を決定する。
【0101】[ケース4] ワークAを研磨する直前に
研磨したワークBが、ワークAが有する膜と同じ材料か
ら成る膜を有するものであり、過去研磨装置Xでワーク
Aを研磨した実績がなく、別の研磨装置YでワークAを
研磨した実績がある場合を想定する。以下の説明におい
て、研磨装置Yで研磨したワークAをワークAyと呼
び、研磨レシピを決定する対象となるワークAと区別す
る。
【0102】ワークAの研磨速度PRAの予測 ケース4においては、研磨される膜の材料がワークAお
よびワークBとも同じであるため、ワークBの研磨速
度、即ち、ワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情
報を、そのままPRAとして用いることができる。
【0103】ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
形状の変化量の予測 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量の
予測は、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚を予測
することによって行う。予測方法は、ワークの段差緩和
性(即ち、ワークのパターン部残存段差量)が研磨装置
による影響を受けない場合と受ける場合とでは異なる。
以下、それぞれの場合の予測方法を説明する。
【0104】A.ワークの段差緩和性が研磨装置による
影響を受けない場合 a)方法1:ワークAyの研磨前および研磨後の被研磨
面の形状情報から、ワークAyのパターン部除去体積等
価膜厚tpを上記の式(3)に従って求める。ワークA
yのパターン部除去体積等価膜厚tpと、ワークAの研
磨前の被研磨面の形状情報であるワークAのパターン部
初期段差量hi、ワークAyの研磨前および研磨後の被
研磨面の形状情報であるワークAyのパターン部初期段
差量hiおよびパターン部残存段差量hfから、下記の
式(14)に従ってワークAのパターン部除去体積等価
膜厚を予測する。
【0105】
【数18】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0106】b)方法2:研磨装置XおよびYにより研
磨されるワークの段差緩和性が研磨速度による影響を受
け、研磨速度の大小によってワークのパターン部残存段
差量が変化する場合において、研磨速度とワークのパタ
ーン部残存段差量との関係が既知であるときを想定す
る。そのときのワークAのパターン部除去体積等価膜厚
は次のようにして予測する。まず、ワークAyの研磨後
の被研磨面の形状情報(即ち、ワークAyのパターン部
残存段差量hf)、ワークAyの研磨後の研磨装置Yの
研磨速度情報(すなわち、ワークAyの研磨速度)、お
よびワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情報(即
ち、ワークBの研磨速度)から、研磨速度がPRAであ
るときに得られたであろうワークAyのパターン部残存
段差量hfを予測する。この予測は、ワークの段差緩和
性と研磨速度との関係を示す既知の換算式または換算表
等を利用して行う。また、ワークAyの研磨後の研磨装
置Yの研磨速度情報に代えて、ワークAyの研磨前の研
磨装置Yの研磨速度情報を使用してよい。
【0107】ワークAyの予測されるパターン部残存段
差量hf、ならびに上述のワークAyのパターン部除去
体積等価膜厚tp、ワークAの研磨前の被研磨面の形状
情報であるワークAのパターン部初期段差量hi、ワー
クAyの研磨前および研磨後の被研磨面の形状情報であ
るワークAyのパターン部初期段差量hiおよびパター
ン部残存段差量hfから、下記の式(15)に従って、
研磨速度による影響を考慮に入れて、ワークAのパター
ン部除去体積等価膜厚を予測することができる。
【0108】
【数19】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0109】B.ワークの段差緩和性が研磨装置による
影響を受ける場合 a)方法1:過去研磨装置Yで、ワークAだけでなくワ
ークBも研磨した実績があると想定する。研磨装置Xで
研磨したワークB(ワークBxとも呼ぶ)の研磨後の被
研磨面の形状情報(即ち、ワークBxのパターン部残存
段差量hf)、研磨装置Yで研磨したワークB(ワーク
Byとも呼ぶ)の研磨後の被研磨面の形状情報(即ち、
ワークByのパターン部残存段差量hf)、およびワー
クAyの研磨後の被研磨面の形状情報(即ち、ワークAy
のパターン部残存段差量hf)から、ワークAのパター
ン部残存段差量を下記の式(16)に従って予測する。
【0110】
【数20】 (式中、hfはパターン部残存段差量を示す。)
【0111】式(16)に従って求めたワークAの予測
されるパターン部残存段差量hfを用いて、下記の式
(17)に従って、ワークAのパターン部除去体積等価
膜厚を予測する。
【0112】
【数21】 (式中、upは予測されるパターン部除去体積等価膜厚
を、tpはパターン部除去体積等価膜厚を、hiはパタ
ーン部初期段差量を、hfはパターン部残存段差量を示
す。)
【0113】上記の式(16)および(17)を用いれ
ば、研磨装置による影響を考慮に入れて、ワークAのパ
ターン部除去体積等価膜厚を予測することができる。こ
の方法においては、ワークBxおよびByに代えて、過去
研磨装置XおよびYで研磨した別のワークE(それぞれ
ワークExおよびEyとも呼ぶ)を採用し、ワークExお
よびEyの研磨後の被研磨面の形状情報を用いてもよ
い。ワークEは、例えば、ワークAが有する膜とは異な
る材料で形成された膜を有するワークであってよい。
【0114】b)方法2:研磨装置XおよびYにより研
磨されるワークの段差緩和性が研磨速度による影響をさ
らに受け、研磨速度の大小によってワークのパターン部
残存段差量が変化する場合において、研磨速度とワーク
のパターン部残存段差量との関係が既知であるときを想
定する。そのときのワークAのパターン部除去体積等価
膜厚は次のようにして予測する。まず、ワークAyの研
磨後の被研磨面の形状情報(即ち、ワークAyのパター
ン部残存段差量hf)、ワークAyの研磨後の研磨装置
Yの研磨速度情報(すなわち、ワークAyの研磨速
度)、およびワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速度
情報(即ち、ワークBの研磨速度)から、研磨速度がP
Aであるときに得られたであろうワークAyのパターン
部残存段差量hfを予測する。この予測は、ワークの段
差緩和性と研磨速度との関係を示す既知の換算式または
換算表等を利用して行う。同様にして、研磨速度がPR
Aであるときに得られたであろうワークByのパターン部
残存段差量を予測する。ワークBxはワークAの研磨直
前に研磨したものであるから、研磨速度がPRAである
ときに得られたであろうワークBxのパターン部残存段
差量を予測する必要はない。予測したワークAyおよび
Byのパターン部残存段差量hfを式(16)に代入
し、研磨速度がPRAであるときのワークAのhfを予
測する。この予測した値を式(17)のワークAの予測
されるhfに代入すれば、研磨速度の影響を考慮に入れ
て、ワークAのパターン部除去体積等価膜厚を予測する
ことができる。
【0115】ワークBxおよびByに代えて、過去研磨装
置XおよびYで研磨した別のワークExおよびEyを採用
する場合には、研磨速度がPRAであるときに得られた
であろうワークExおよびEyのパターン部残存段差量を
それぞれ予測する。
【0116】以上のようにして得たおよびの予測結
果(RPAおよびワークAのup(upA))、ワークA
の研磨前の形状情報から得られる初期膜厚tiA、なら
びに目標残膜厚tsAから、上記の式(1)に従って研
磨時間TAを算出し、この研磨時間に基いて研磨レシピ
を決定する。
【0117】上記ケース1〜4は例示にすぎない。しか
し、これらに関する説明から、研磨装置の研磨速度情報
およびワークの形状情報を利用して、ワークの研磨速度
およびワークの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化
量を予測する、下記の一般的な方法が理解されよう。
【0118】ワークAの研磨速度は、ワークAの前に研
磨されるワークの種類によらず、ワークAの研磨前の研
磨装置Xの研磨速度情報(即ち、ワークAの直前に研磨
したワークの研磨速度)に基づいて予測される。これ
は、ワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情報が、
ワークAが研磨されるときの研磨装置Xの状態を反映し
た情報であることによる。ケース3で説明したように、
ワークAの研磨速度は、さらに必要に応じて、過去に研
磨したワークAの研磨前および研磨後の研磨装置Xの研
磨速度情報に基づいて予測される。
【0119】ワークの段差緩和性(即ち、パターン部残
存段差量)がワークの種類、研磨速度および研磨装置の
影響を受けない場合、ワークAの研磨前と研磨後の被研
磨面の形状の変化量は、ワークAの研磨前の被研磨面の
形状情報、ならびに過去研磨装置Xで研磨したワークQ
(ワークQはワークAと同じまたは異なる種類のワーク
である)の研磨前および研磨後の被研磨面の形状情報に
基づいて予測される。この予測方法は、上記の式(5)
に従って、ワークAの予測されるパターン部除去体積等
価膜厚を求めることに相当する。
【0120】あるいは、ワークAの研磨前と研磨後の被
研磨面の形状の変化量は、ワークAの研磨前の被研磨面
の形状情報、ならびに過去研磨装置Xで研磨したワーク
Q(ワークQはワークAと同じまたは異なる種類のワー
クである)の研磨後の被研磨面の形状情報に基づいて予
測される。この予測方法は、上記の式(6)、(9)、
(12)および(14)に従って、ワークAの予測され
るパターン部除去体積等価膜厚を求めることに相当す
る。
【0121】ワークAの段差緩和性が研磨速度の影響を
受ける場合には、上記の情報に加えて、過去研磨装置X
で研磨した上記ワークQの研磨前または研磨後の研磨装
置Xの研磨速度情報に基づいて、ワークAの研磨前と研
磨後の被研磨面の形状の変化量が予測される。この予測
方法は、上記の式(7)、(8)、(10)、(13)
および(15)に従って、ワークAの予測されるパター
ン部除去体積等価膜厚を求めることに相当する。
【0122】以上、ワークの形状情報、および研磨装置
Xの研磨速度情報を利用してワークの研磨レシピを決定
する方法を説明した。研磨レシピの決定に際しては、必
要に応じて研磨装置の変化情報をさらに利用してよい。
研磨装置の変化情報とは、1枚のワークを研磨している
間の研磨速度の経時的変化に関する情報である。例え
ば、研磨装置Xでワークを研磨するときに、1枚のワー
クの研磨終了時の研磨速度が研磨開始時のそれと比較し
て減少することが予めわかっている場合には、その減少
量が研磨装置の変化情報となる。変化情報が無視できな
い場合(即ち、研磨速度の減少量が大きい場合)には、
ワークAの研磨前の研磨装置Xの研磨速度情報に加え
て、研磨装置Xの変化情報を考慮して、研磨時間を決定
することが好ましい。研磨装置の変化情報を考慮するこ
とにより、所望の残膜厚を得るのに必要な研磨時間をよ
り正確に求めることができ、研磨レシピをより適切に決
定することができる。
【0123】上記においては、研磨レシピを構成する要
素の1つである研磨時間を決定する方法を説明した。研
磨レシピは、この求めた研磨時間に基づいて、所望の残
膜厚が得られるように、他の要素を適宜変更させて最終
的に決定される。例えば、求めた研磨時間よりも短い時
間で研磨を終了させようとする場合には、ワークを研磨
パッドに押し付けるときの圧力を増加させる、あるいは
ワークに対する研磨パッドの相対速度を増加させるよう
に、研磨レシピを設定するとよい。
【0124】本発明の研磨レシピ決定方法は、配線等の
素子の上に形成された層間絶縁膜の露出表面を被研磨面
とする半導体デバイス用基板の研磨に好ましく適用され
る。したがって、本発明の研磨方法は、半導体デバイス
の製造工程に含まれる研磨工程(平坦化工程)に好まし
く適用される。本発明の研磨レシピ決定方法はまた、C
MPに好ましく適用される。
【0125】
【発明の効果】以上において説明した本発明の研磨レシ
ピ決定方法は、研磨時間を決定するのに必要な研磨速度
および形状の変化量を、過去にワークを研磨したときに
得た研磨装置の研磨速度情報およびワークの形状情報を
利用して予測することを特徴とする。この特徴により、
研磨レシピを、簡易に且つ高い精度で決定することがで
き、その結果、研磨工程のスループットが向上し、製品
コストが低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の研磨方法で研磨される半導体デバイ
ス用基板の一例の平面図である。
【図2】 本発明の研磨方法で研磨される半導体デバイ
ス用基板の一例の断面図である。
【図3】 AFMで測定した被研磨面の形状を示す3D
画像である。
【図4】 等高線面積を求めるための二値画像である。
【図5】 従来の研磨方法で研磨される半導体デバイス
用基板の一例の平面図である。
【図6】 従来の研磨方法で研磨される半導体デバイス
用基板の一例の断面図である。
【図7】 半導体デバイス用基板をCMP法により研磨
する研磨装置の一例の模式図である。
【符号の説明】 1...デバイス用基板、2...半導体ウエハ、4...配線
等、6...層間絶縁膜、6a...パターン部、6b...平
坦部、8...凸部、8a...凸部の頂面、8b...凹部の
底面、10...膜厚測定部、12...研磨前の層間絶縁膜の露
出表面、14...研磨後の層間絶縁膜の露出表面、16...微
細な凹凸、100...セル、201...ワーク、202...研磨パッ
ド、204...ステンレススチールベルト、206...ホルダ、
208...ベルト駆動ドラム、210...ドレッサー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐竹 光成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新宮 克喜 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中谷 祥二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西木 直巳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3C049 AA07 AC02 BA02 BA04 BA09 BB09 BC02 CA01 CB03 3C058 AA07 AC02 BA02 BA04 BA09 BB09 BC02 CA01 CB03 DA12

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被研磨面に凹凸が形成されているワーク
    を研磨パッドに押し付けながら、研磨パッドをワークに
    対して相対運動させることにより被研磨面を研磨する研
    磨装置Xを用いて、基板に形成された膜の表面を被研磨
    面とするワークAを研磨する際の研磨レシピを決定する
    方法であって、 ワークAの研磨速度を予測すること、ならびにワークA
    の研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量を予測する
    ことを含み、さらに、 ワークAの予測される研磨速度、ワークAの研磨前と研
    磨後の形状の予測される変化量、ならびにワークAの初
    期膜厚および目標残膜厚に基づいて、ワークAの研磨時
    間を決定することを含む研磨レシピ決定方法。
  2. 【請求項2】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
    形状の変化量を予測することが、 研磨前の膜の領域を、厚さ方向で、2つの部分、即ち、
    研磨により凹凸の段差が最終的に緩和されるまでの部分
    であるパターン部と、膜全体が均一に研磨される部分で
    ある平坦部とに区分し、 ワークの被研磨面の少なくとも一部分であって、かつ凹
    凸を含む部分を形状測定部として選択し、 形状測定部において研磨により除去されるパターン部の
    体積であるパターン部除去体積を予測し、 予測されるパターン部除去体積を形状測定部の面積で除
    した値upを求めることである請求項1に記載の研磨レ
    シピ決定方法。
  3. 【請求項3】 ワークAの予測される研磨速度(P
    A)、ワークAの研磨前の膜厚(tiA)、ワークAの
    目標残膜厚(tsA)、およびワークAの研磨前と研磨
    後の被研磨面の形状の予測される変化量(upA)か
    ら、ワークAの研磨時間(TA)を下記の式: 【数1】TA=(tiA−tsA+upA)/PRA に従って求めることを含む請求項2に記載の研磨レシピ
    決定方法。
  4. 【請求項4】 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨
    前の研磨装置Xの研磨速度情報に基づいて予測する請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  5. 【請求項5】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
    形状の変化量を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情
    報、ならびに過去研磨装置Xで研磨したワークQ(ワー
    クQはワークAと同じまたは異なる種類のワークであ
    る)の研磨前および研磨後の被研磨面の形状情報に基づ
    いて予測する請求項3または請求項4のいずれか1項に
    記載の研磨レシピ決定方法。
  6. 【請求項6】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
    形状の変化量を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情
    報、ならびに過去研磨装置Xで研磨したワークQ(ワー
    クQはワークAと同じまたは異なる種類のワークであ
    る)の研磨後の被研磨面の形状情報に基づいて予測する
    請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の研磨レ
    シピ決定方法。
  7. 【請求項7】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の
    形状の変化量を、上記の情報に加えて、上記ワークQの
    研磨前または研磨後の研磨装置Xの研磨速度情報に基づ
    いて予測する請求項5または請求項6のいずれか1項に
    記載の研磨レシピ決定方法。
  8. 【請求項8】 ワークAを研磨する直前に研磨したワー
    クBが、ワークAが有する膜と同じ材料から成る膜を有
    するものであり、過去研磨装置XでワークAを研磨した
    実績がある場合において、 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨前の研磨装置X
    の研磨速度情報に基づいて予測し、 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
    を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報、ならびに
    過去研磨装置XでワークAを研磨したときのワークAの
    研磨前および研磨後の被研磨面の形状情報に基づいて予
    測し、 初期膜厚をワークAの研磨前の形状情報から求める請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  9. 【請求項9】 ワークAを研磨する直前に研磨したワー
    クBが、ワークAが有する膜と同じ材料から成る膜を有
    するものであり、過去研磨装置XでワークAを研磨した
    実績がある場合において、 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨前の研磨装置X
    の研磨速度情報に基づいて予測し、 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
    を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報、ならびに
    過去研磨装置XでワークAを研磨したときのワークAの
    研磨後の被研磨面の形状情報に基づいて予測し、 初期膜厚をワークAの研磨前の形状情報から求める請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  10. 【請求項10】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面
    の形状の変化量を、上記の情報に加えて、ワークAの研
    磨前の研磨装置Xの研磨速度情報、ならびに過去研磨装
    置XでワークAを研磨したときのワークAの研磨前また
    は研磨後の研磨装置Xの研磨速度情報に基づいて予測す
    る請求項8または請求項9のいずれか1項に記載の研磨
    レシピ決定方法。
  11. 【請求項11】 ワークAを研磨する直前に研磨したワ
    ークBが、ワークAが有する膜と同じ材料から成る膜を
    有するものであり、過去研磨装置XでワークAを研磨し
    た実績がなく、ワークAが有する膜と同じ材料から成る
    膜を有するが、ワークAとは研磨前の形状が異なるワー
    クCを研磨した実績がある場合において、 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨前の研磨装置X
    の研磨速度情報に基づいて予測し、 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
    を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報、およびワ
    ークCの研磨後の被研磨面の形状情報に基づいて予測
    し、 初期膜厚をワークAの研磨前の形状情報から求める請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  12. 【請求項12】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面
    の形状の変化量を、上記の情報に加えて、ワークAの研
    磨前の研磨装置Xの研磨速度情報、ワークCの研磨前ま
    たは研磨後の研磨装置Xの研磨速度情報に基づいて予測
    する請求項11に記載の研磨レシピ決定方法。
  13. 【請求項13】 ワークAを研磨する直前に研磨したワ
    ークDが、ワークAが有する膜とは異なる材料から成る
    膜を有するものであり、過去研磨装置XでワークDを研
    磨した直後にワークAを研磨した実績がある場合におい
    て、 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨前の研磨装置X
    の研磨速度情報、ならびに過去研磨装置XでワークAを
    研磨したときのワークAの研磨前および研磨後の研磨装
    置Xの研磨速度情報に基づいて予測し、 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
    を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報、および過
    去研磨装置Xで研磨したワークDの研磨後の被研磨面の
    形状情報に基づいて予測し、 初期膜厚をワークAの研磨前の形状情報から求める請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  14. 【請求項14】 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面
    の形状の変化量を、上記の情報に加えて、ワークAの研
    磨前の研磨装置Xの研磨速度情報、および過去研磨装置
    Xで研磨したワークAを研磨したときのワークAの研磨
    前の研磨装置Xの研磨速度情報に基づいて予測する請求
    項13に記載の研磨レシピ決定方法。
  15. 【請求項15】 ワークAを研磨する直前に研磨したワ
    ークBが、ワークAが有する膜と同じ材料から成る膜を
    有するものであり、過去研磨装置XでワークAを研磨し
    た実績がなく、別の研磨装置YでワークAを研磨した実
    績がある場合において、 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨前の研磨装置X
    の研磨速度情報に基づいて予測し、 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
    を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報、ならびに
    過去研磨装置Yで研磨したワークAの研磨前および研磨
    後の被研磨面の形状情報に基づいて予測し、 初期膜厚をワークAの研磨前の形状情報から求める請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  16. 【請求項16】 ワークAを研磨する直前に研磨したワ
    ークBが、ワークAが有する膜と同じ材料から成る膜を
    有するものであり、過去研磨装置XでワークAを研磨し
    た実績がなく、過去別の研磨装置YでワークAおよびワ
    ークBを研磨した実績がある場合において、 ワークAの研磨速度を、ワークAの研磨前の研磨装置X
    の研磨速度情報に基づいて予測し、 ワークAの研磨前と研磨後の被研磨面の形状の変化量
    を、ワークAの研磨前の被研磨面の形状情報、過去研磨
    装置YでワークAを研磨したときのワークAの研磨前お
    よび研磨後の被研磨面の形状情報、研磨装置Xでワーク
    Bを研磨したときのワークBの研磨後の被研磨面の形状
    情報、ならびに過去研磨装置YでワークBを研磨したと
    きのワークBの研磨後の被研磨面の形状情報に基づいて
    予測し、 初期膜厚をワークAの研磨前の形状情報から求める請求
    項3に記載の研磨レシピ決定方法。
  17. 【請求項17】 ワークAの研磨速度を、上記の情報に
    加えて、研磨装置Xの研磨速度情報の時間的変化に関す
    る変化情報に基づいて予測する請求項1〜16のいずれ
    か1項に記載の研磨レシピ決定方法。
  18. 【請求項18】 ワークが半導体デバイス用基板であ
    り、層間絶縁膜の表面を被研磨面とするものであり、ワ
    ークが化学的機械研磨(CMP)により研磨される請求
    項1〜17のいずれか1項に記載の研磨レシピ決定方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18の研磨レシピ決定方法
    に従って決定した研磨レシピに基づいてワークを研磨す
    るワークの研磨方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006186131A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Renesas Technology Corp 化学的機械的研磨方法
JP2006247754A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Tdk Corp 研磨装置、研磨部材、磁石の研磨方法
JP2007152452A (ja) * 2005-12-01 2007-06-21 Tdk Corp 加工条件の決定方法
JP2008307609A (ja) * 2007-06-12 2008-12-25 Nikon Corp 研磨方法
JP2010506736A (ja) * 2006-10-12 2010-03-04 ザ グリーソン ワークス 歯車のラッピング方法

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