JP2003187432A - 磁気転写装置 - Google Patents

磁気転写装置

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JP2003187432A
JP2003187432A JP2001382823A JP2001382823A JP2003187432A JP 2003187432 A JP2003187432 A JP 2003187432A JP 2001382823 A JP2001382823 A JP 2001382823A JP 2001382823 A JP2001382823 A JP 2001382823A JP 2003187432 A JP2003187432 A JP 2003187432A
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pole
pattern
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JP2001382823A
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English (en)
Inventor
Yasushi Endo
靖 遠藤
Shoichi Nishikawa
正一 西川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気転写装置において、磁界印加部から発生
しセンターコアを通る磁力線による磁気記録面への転写
パターンの磁化を防止する。 【解決手段】 同心円状の転写パターンが磁性体によっ
て形成されているマスター担体10と、この転写パター
ンの転写を受ける磁気記録面を有し金属製のセンターコ
ア23を中央部に備えるスレーブ媒体20とを密着させ
て密着手段30内に収容し、磁界印加部40の一対の磁
極であるN極41およびS極42、および磁界印加部5
0の一対の磁極であるN極51およびS極52を、N極
41とS極52、およびN極51とS極42とを密接さ
せて配置し、上記密着手段30を磁界印加部40、50
に対して回転させつつ、この磁界印加部40、50によ
り転写用磁界を印加することにより転写パターン11を
磁気記録面21に転写させる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気転写装置に関
し、詳しくは、金属製のセンターコアを中央部に備える
スレーブ媒体上の磁気記録面に、マスター担体の同心円
状の転写パターンを磁気転写する磁気転写装置に関する
ものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、同心円状の転写パターンが磁
性体によって形成されている円盤状のマスター担体とこ
の転写パターンの転写を受ける磁気記録面を有する円盤
状のスレーブ媒体とを密着させた状態で、このマスター
担体とスレーブ媒体とに転写用磁界を印加してマスター
担体に形成されている同心円状の転写パターン(例えば
サーボ信号、アドレス信号等を表す同心円状のパター
ン)をスレーブ媒体に磁気転写する手法が知られてい
る。この磁気転写方式は、例えば特開平10−4054
4号公報、特開平10−269566号公報等に開示さ
れている。 【0003】上記磁気転写方式は、スレーブ媒体の片面
または両面にマスター担体を密着させた状態で、その片
側または両側に電磁石装置、永久磁石装置等の転写磁界
印加手段を配設して上記同心円状の転写パターンの円周
方向に磁界を印加しつつ、この転写磁界印加手段を上記
密着されているスレーブ媒体とマスター担体とに対して
上記同心円状の転写パターン同心円の中心(以後、転写
中心と呼ぶ)の周りに回転させて上記転写パターンをス
レーブ媒体の磁気記録面に磁気転写させるものである。 【0004】この磁気転写により、スレーブ媒体の磁気
記録面の上記同心円の円周方向(以後、転写円周方向と
呼ぶ)に情報を記録する記録トラックが形成され、この
スレーブ媒体を磁気記録媒体として使用することが可能
となる。なお、上記スレーブ媒体は、予め上記転写円周
方向の1方向に初期磁化(直流磁化)された後、上記転
写磁界印加手段によってこの転写円周方向の1方向とは
逆の所定の方向に磁化されることにより上記転写パター
ンが磁気転写される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記磁
気転写を受けるスレーブ媒体にはマグネットに引き寄せ
られて位置決めされる金属製のセンターコア(チャッキ
ングハブ)を中央部に備えるもの、例えばフレキシブル
ディスク(FD)があり、このような透磁率の高い材料
で形成されているセンターコアを有するスレーブ媒体に
マスター担体の転写パターンを転写させようとすると、
磁極からの漏れ磁界による影響や、転写磁界印加手段か
ら発生する磁力線がセンターコアに引き寄せられること
によって、このセンターコア近傍の磁気記録面の内周側
においては、磁気転写される転写パターンの磁化方向が
上記転写円周方向の所定方向とは異なる方向となってし
まうことがある。このように転写円周方向の所定方向と
は異なる方向の磁化によって上記転写パターンが磁気転
写されて磁気記録面に形成された磁化パターンは、上記
転写円周方向の所定方向への磁化の強さが不十分であ
り、上記転写パターンの正確な情報を表す信号として良
好なS/Nで読み出すことができない虞があるという問
題がある。 【0006】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、磁極からの漏れ磁界の影響や転写磁界印加手段
から発生しセンターコアを通る磁力線による磁気記録面
への転写パターンの磁化を防止することができる磁気転
写装置を提供することを目的とするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の磁気転写装置
は、同心円状の転写パターンが磁性体によって形成され
ているマスター担体に、この転写パターンの転写を受け
る磁気記録面を有し、金属製のセンターコアを中央部に
備えるスレーブ媒体を密着させる密着手段と、上記密着
されたマスター担体とスレーブ媒体とに転写用磁界を印
加する転写磁界印加手段とを備え、同心円状の転写パタ
ーンの中心の周りに、上記密着されたマスター担体とス
レーブ媒体とを転写磁界印加手段に対して相対的に回転
させつつ、転写用磁界の印加による上記同心円状の転写
パターンの円周方向への磁化によってこの転写パターン
を磁気記録面に転写させる磁気転写装置であって、転写
磁界印加手段が、同心円状の転写パターンの中心を通り
磁気記録面に直交する第1の面を挟んで互いに密接して
配置された第1の磁界印加部と第2の磁界印加部とを備
え、この第1の磁界印加部が同心円状の転写パターンの
中心を通り磁気記録面および第1の面に直交する第2の
面を挟んで対向する互いに極性の異なる一対の磁極から
なるものであり、第2の磁界印加部が、第2の面を挟ん
で対向する互いに極性の異なる一対の磁極からなり、か
つこの一対の磁極の極性が第2の面の同じ側においてそ
れぞれ第1の磁界印加部の磁極の極性と逆の極性である
ことを特徴とするものである。 【0008】上記第1および第2の磁界印加部は、保磁
力によって磁界を形成するもの(永久磁石装置)であっ
てもよいし、外部から供給される電気エネルギーによっ
て磁界を形成するもの(電磁石装置)であってもよい。 【0009】 【発明の効果】本発明の磁気転写装置によれば、転写磁
界印加手段の、第1の磁界印加部を、第1の面に直交す
る第2の面を挟んで対向する互いに極性の異なる一対の
磁極からなるものとし、第2の磁界印加部を、第1の面
に直交する第2の面を挟んで対向する互いに極性の異な
る一対の磁極からなり、かつ、この一対の磁極の極性が
第2の面の同じ側においてそれぞれ第1の磁界印加部の
磁極の極性と逆の極性となるものとしたので、第1の磁
界印加部の磁極である第1のN極および第1のS極と、
第2の磁界印加部の磁極である第2のS極および第2の
N極と間、すなわち第1の面を挟んで第2の面の同じ側
に密接して配置された、第1のN極と第2のS極との
間、および第2のN極と第1のS極との間からの磁力線
の漏れを殆ど発生させることなく、これらのN極とS極
との間に各磁界印加部から発生した磁力線を通すことが
できるようになる。これにより、従来転写磁界印加手段
から発生しセンターコアに引きこまれていた磁力線が上
記密接して配置された磁極間を通るようになるので、転
写磁界印加手段から発生しセンターコアを通る磁力線の
量を減少させることができ、磁極からの漏れ磁界の影響
やセンターコアを通る磁力線による磁気記録面への転写
パターンの磁化を防止することができる。さらに、同心
円状の転写パターンの中心を通る上記第2の面を挟んで
対向する一対の磁極からなる第1の磁界印加部と第2の
磁界印加部の2つの磁界印加部によって、マスター担体
の転写パターンをスレーブ媒体の磁気記録面に磁気転写
させるので、磁気転写させる際に、密着されたマスター
担体とスレーブ媒体とを転写中心の周りに回転させる角
度を従来の略半分にすることができ、磁気転写の実行時
間を短縮することができるので、磁気転写の生産性を向
上させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。図1は本発明の磁気転写装置の概略構成を
示す斜視図、図2はマスター担体とスレーブ媒体とが密
着される前の状態における主要部の側面の断面図、図3
はマスター担体とスレーブ媒体とが密着された状態にお
ける主要部の側面の断面図、図4は密着されたマスター
担体とスレーブ媒体とに対する各磁極の配置を示す平面
図、図5はマスター担体の同心円状の転写パターンを示
す平面図、図6はスレーブ媒体の初期磁化(直流消磁)
の方向を上から見た様子を示す平面図である。なお、各
図は概略図であり、その厚み等は実際の寸法とは異なる
比率で示している。 【0011】図1〜図6に示すように、上記磁気転写装
置は、同心円状の転写パターン11が磁性体によって形
成されているマスター担体10に、転写パターン11の
転写を受ける磁気記録面21を有し金属製のセンターコ
ア23を中央部に備えるスレーブ媒体20を密着させる
密着手段30と、密着されたマスター担体10とスレー
ブ媒体20とに転写用磁界を印加する転写磁界印加手段
60とを備えている。 【0012】この磁気転写装置は、上記同心円状の転写
パターン11の中心(転写中心C)の周りに、上記密着
させたマスター担体10とスレーブ媒体20とを転写磁
界印加手段60に対して回転させつつ、転写用磁界の印
加による上記同心円状の転写パターン11の円周方向、
すなわち転写円周方向(図中矢印R方向)への磁界の付
与によってこの転写パターン11を磁気記録面21に磁
気転写させるものである。 【0013】転写磁界印加手段60は、転写中心を通り
磁気記録面21に直交する第1の面U1を挟んで互いに
密接して配置された第1の磁界印加部40と第2の磁界
印加部50とを備え、第1の磁界印加部40は、転写中
心を通り磁気記録面21および第1の面U1に直交する
第2の面U2を挟んで対向する互いに極性の異なる一対
の磁極からなるものであり、第2の磁界印加部50は、
第2の面U2を挟んで対向する互いに極性の異なる一対
の磁極からなり、かつこの一対の磁極の極性が第2の面
U2の同じ側においてそれぞれ第1の磁界印加部40の
磁極の極性と逆の極性を持つものである。すなわち、第
1の磁界印加部40は、互いに極性の異なる一対の磁極
である第1のN極41および第1のS極42からなり、
第2の磁界印加部50は、互いに極性の異なる一対の磁
極である第2のN極51および第2のS極52からな
り、これらの磁極は、第1の面U1を挟んで第2の面U
2の一方の側に第1のN極41と第2のS極52とが密
接して配置され、第1の面を挟んで第2の面の他方の側
に第2のN極51と第1のS極42とが密接して配置さ
れている。 【0014】上記マスター担体10の転写パターン11
はサーボ信号やアドレス信号等を示すものである。ま
た、マスター担体10は中央部に貫通孔P1を備えてい
る。 【0015】密着手段30は、上記円盤状のマスター担
体10とスレーブ媒体20とを外形基準に位置決めする
円筒形状の凹部31を有する密着ベース33と、この凹
部31に嵌合する凸部34を有し、凹部31の底面上に
載置されるマスター担体10およびスレーブ媒体20を
押圧する押圧ヘッド35とを備え、上記凹部31と凸部
34とは、これらによって囲まれる空間Qを形成してい
る。なお、密着ベース33および押圧ヘッド35は透磁
率の低い材料例えばアルミニウム等によって形成されて
いる。上記密着手段30は、回転軸71と嵌合する密着
ベース33の下面側に配置されている嵌合部36が中空
円筒状の回転軸71上に嵌合されて、この回転軸71上
に配置され、回転軸71の回転により、この密着手段3
0内に配置れている上記転写パターン11の転写中心C
を通る軸Gの周りに回転される。この回転軸71は、例
えば図示しないが、ギア付モータ等の回転手段によって
回転される。なお、密着ベース33および押圧ヘッド3
5の中央には、上記空間Qから空気を排気する通気孔3
7、38がそれぞれ形成されている。 【0016】転写磁界印加手段60の第1の磁界印加部
40は、上記密着手段30内の空間Q中に配置されたス
レーブ媒体20およびマスター担体10の半径方向に磁
極間ギャップ43を間に挟んで延びる互いに極性の異な
る第1のN極41および第1のS極42を有する電磁石
ユニットからなるものであり、転写磁界印加手段60の
第1の磁界印加部40は、上記密着手段30内の空間Q
中に配置されたスレーブ媒体20およびマスター担体1
0の半径方向に磁極間ギャップ53を間に挟んで延びる
互いに極性の異なる第2のN極51および第2のS極5
2を有する電磁石ユニットからなるものである。この転
写磁界印加手段60は上記空間Q中に配置されたマスタ
ー担体10およびスレーブ媒体20の転写円周方向に転
写用磁界を印加する。 【0017】また、転写磁界印加手段60は、密着手段
30内に密着配置されたスレーブ媒体20およびマスタ
ー担体10に転写用磁界を印加するときには、密着手段
30に近接して配置されるが、この転写磁界印加手段6
0は、密着手段30内の空間Qにスレーブ媒体20とマ
スター担体10とをセッティングするとき、およびこの
空間Qからスレーブ媒体20とマスター担体10とを取
り出すときには、押圧ヘッド35の開閉動作が許容され
るように待避移動される。 【0018】なお、上記スレーブ媒体20は、初期磁化
が施されているものが用いられ、このスレーブ媒体20
は、図6に示すように、予め上記転写円周方向の1方向
に沿って初期磁化(直流消磁)が施され矢印H1で示さ
れる方向に磁化されている。 【0019】次に上記実施の形態における作用について
説明する。 【0020】まず始めに、転写磁界印加手段60が待避
移動されている状態において、マスター担体10の転写
パターン11が形成されている面の反対側の面が密着ベ
ース33側を向くように、このマスター担体10を密着
ベース33の凹部31の底面に配置する。さらに、スレ
ーブ媒体20の磁気記録面21が密着ベース33側を向
くように、このスレーブ媒体20を上記凹部31に配置
されたマスター担体10上に重ねて配置し、押圧ヘッド
35の凸部34を密着ベース33の凹部31に挿入す
る。これにより、スレーブ媒体20とマスター担体10
とが上記凸部34と凹部31との間に挟まれて密着され
る。 【0021】次に、待避移動されていた転写磁界印加手
段60を押圧ヘッド35の近傍に移動させると共に、回
転軸71の回転により密着手段30を回転させることに
より、上記軸Gの周りに、上記密着配置されているマス
ター担体10とスレーブ媒体20とを転写磁界印加手段
60に対して回転させつつ、この転写磁界印加手段60
による転写用磁界の印加による上記転写円周方向への磁
化によって転写パターン11を磁気記録面21に磁気転
写させる。このとき、転写磁界印加手段60の第1の磁
界印加部40、および第2の磁界印加部50によって発
生される磁界の向きが上記転写円周方向に向くように、
この転写磁界印加手段60が密着手段30に対して配置
され、転写パターン11の磁気記録面21への磁気転写
は、上記初期磁化の方向とは逆方向への磁化によって実
施される。 【0022】磁気記録面21への転写パターン11の磁
気転写が終了した後、転写磁界印加手段60を待避移動
させて、押圧ヘッド35を密着ベース33から取り外し
てスレーブ媒体20とマスター担体10との密着を開放
し、スレーブ媒体20を取り出す。 【0023】上記磁気転写の様子を詳しく説明する。図
7(a)〜(c)は磁気転写の基本態様を示す図であり、図
7(a) は初期磁化されているスレーブ媒体の側面を示
す断面図、図7(b)はマスター担体の転写パターンがス
レーブ媒体の磁気記録面に磁気転写される様子を示す側
面の断面図、図7(c) は転写パターンが磁気転写され
たスレーブ媒体の側面を示す断面図、図8は転写パター
ンが磁気転写されたスレーブ媒体の磁化の方向を上から
見た様子を示す平面図である。 【0024】図7(a)に示すように、スレーブ媒体20
の基板22上に形成されている磁気記録面21は予め初
期磁化(直流消磁)されており、上記転写円周方向の一方
向であるH1方向に磁化されている(図6参照)。次
に、図7(b)に示すように、この初期磁化されている磁
気記録面21と、微細凹凸が形成されている基板12上
に磁性層13が被覆されてなるマスター担体10の転写
パターン11とを密着させ、上記転写円周方向への初期
磁界の磁化方向H1とは逆方向であるH2方向に転写用
磁界を印加して磁気転写を行う。その結果、図7(c)お
よび図8に示すように、H1方向に初期磁化されている
磁気記録面21中の転写パターン11に密着されている
領域が、H2方向に磁化されて、上記転写パターン11
が磁気記録面21に磁気転写される。 【0025】なお、上記マスター担体10の転写パター
ン11が、図7(b)の凹凸形状によって示されるポジパ
ターンと逆の凹凸形状のネガパターンの場合であって
も、初期磁界H1の方向および転写用磁界H2の方向を
上記と逆方向にすることによって同様の転写パターンを
磁気転写させることができる。 【0026】ここで、2つの磁界印加部である第1の磁
界印加部40、および第2の磁界印加部50からなる転
写磁界印加手段60を配置して、転写磁界印加手段から
発生してセンターコアを通る磁力線による磁気記録面へ
の転写パターンの磁化を防止する場合について、磁界印
加部が1つしか配設されていない場合と比較して説明す
る。図9は磁界印加部が1つしか配置されていない磁気
転写装置の概略構成を示す斜視図、図10は磁界印加部
が1つしか配置されていないときの磁気記録面上の磁界
を上から見た様子を示す平面図、図11は磁界印加部が
2つ配置されているときの磁気記録面上の磁界を上から
見た様子を示す平面図である。 【0027】図9および図10に示すように、第1の磁
界印加部40のみからなる転写磁界印加手段が備えられ
ている場合には、第1の磁界印加部40による転写用磁
界の印加によって、上記転写円周方向のH2方向に磁力
線が通る円周方向磁界領域J1が形成されると共に、磁
気記録面21の内周側においては、第1のN極41およ
び第1のS極42からの磁界の漏れの影響や上記転写用
磁界が上記センターコア23に引き寄せられることによ
って上記H2方向とは異なる方向に磁力線が通るような
円周外方向磁界領域J2が形成される。 【0028】この円周外方向磁界領域J2において上記
転写パターン11が磁気記録面21上に磁気転写されて
この磁気記録面21上にこの転写パターン11を表す磁
化パターンが形成されると、この磁化パターンは上記H
2方向とは異なる方向に磁化されたものとなって、この
磁化パターンが読み取られるときに、この磁化パターン
を高いS/Nを持つ信号として読み取ることができない
虞がある。 【0029】一方、2つの磁界印加部である第1のN極
41および第1のS極42からなる第1の磁界印加部4
0と、第2のN極51および第2のS極52からなる第
2の磁界印加部50とからなる転写磁界印加手段60が
備えられている場合には、図11に示すように、磁極か
らの漏れ磁力線は第1の磁界印加部40と第2の磁界印
加部50との作用によって互いに打ち消され、上記セン
ターコア23に引き寄せられていた上記H2方向とは異
なる方向の磁力線も第1の磁界印加部40と第2の磁界
印加部50との作用によって互いに打ち消されてしまう
ため、乱れた磁力線により上記転写パターン11が磁気
記録面に転写されることはない。 【0030】したがって、転写磁界印加手段60から発
生した磁極からの漏れ磁力線やセンターコア23を通る
磁力線の影響による磁気記録面21への転写パターン1
1の磁化を防止することができ、この磁化パターンが読
み取られるときに、この磁化パターンを高いS/Nを持
つ信号として読み取ることができる。 【0031】なお、上記マスター担体の基板用の材料と
しては、ニッケル、シリコン、石英板、ガラス、アルミ
ニウム、合金、セラミックス、合成樹脂等を使用するこ
とができる。 【0032】また、上記基板上への同心円状の転写パタ
ーン(凹凸パターン)の形成は、スタンパー法、フォト
ファブリケーション露光方式等によって行うことがで
き、基板の凹凸パターンの深さ(突起の高さ)は、80
nm〜800nmの範囲が好ましく、より好ましくは1
50nm〜600nmである。この凹凸パターンがサー
ボ信号として作成される場合は、半径方向に長いパター
ンとして形成される。例えば、半径方向の長さは0.3
〜20μm、円周方向は0.2〜5μmの凹凸パターン
として形成される。 【0033】なお、上記スタンパー法、およびフォトフ
ァブリケーション露光方式は以下のようにして上記凹凸
パターンを形成するものである。 【0034】すなわち、スタンパー法は、表面が平滑な
ガラス板(または石英板)の上にスピンコート等でフォ
トレジストを形成し、このガラス板を回転させながらサ
ーボ信号に対応して変調したレーザー光(または電子ビ
ーム)を照射し、フォトレジスト全面に所定の同心円状
の転写パターンを露光する。その後、フォトレジストを
現像処理し、露光部分を除去してフォトレジストによる
凹凸形状を有する凹凸原盤を得る。次に、この凹凸原盤
の表面にメッキ(電鋳)を施して、上記凹凸パターンを
反転させたポジ状凹凸パターンを有する凹凸ポジ基板を
作成する。そして、この凹凸ポジ基板を凹凸原盤から剥
離して、この凹凸ポジ基板をそのままマスター担体とす
るか、またはこの凹凸ポジ基板の凹凸パターン上に必要
に応じて非磁性層、軟磁性層、保護膜を被覆してマスタ
ー担体とするものである。 【0035】なお、この凹凸ポジ基板を作成する前記メ
ッキは、無電解メッキ、電鋳、スパッタリング、イオン
プレーティングを含む各種の金属成膜法が適用できる。 【0036】また、前記凹凸原盤にメッキを施して第2
の凹凸原盤を作成し、この第2の凹凸原盤に上記と同様
にメッキを施して、ネガ状凹凸パターンを有する凹凸ネ
ガ基板を作成してもよい。さらに、第2の凹凸原盤にメ
ッキを施して第3の凹凸原盤を作成し、さらに、この第
3の凹凸原盤にメッキを施してポジ状凹凸パターンを有
する凹凸ポジ基板を作成してもよい。また、前記ガラス
板にフォトレジストによる転写パターンを形成した後、
エッチングによってガラス板に穴を形成し、その後、フ
ォトレジストを除去して凹凸原盤を得、上記と同様の手
法によって基板を形成するようにしてもよい。 【0037】また、上記凹凸原盤に樹脂液を押し付け硬
化させてた後、凹凸原盤から剥離して凹凸樹脂基板を作
製し、その表面に磁性層を被覆してマスター担体として
もよい。凹凸樹脂基板の樹脂材料としては、ポリカーボ
ネート・ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹
脂、ポリ塩化ビニル・塩化ビニル共重合体などの塩化ビ
ニル樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン
およびポリエステルなどが使用可能である。耐湿性、寸
法安定性および価格などの点からポリカーボネートが好
ましい。成形品にバリがある場合は、バーニシュまたは
ポリッシュにより除去する。ここで、紫外線硬化樹脂、
電子線硬化樹脂などを使用して、凹凸原盤にスピンコー
ト、バーコート塗布等を施して凹凸樹脂基板を作成して
もよい。樹脂基板のパターン突起の高さは、50〜10
00nmの範囲、より好ましくは200〜500nmの
範囲にすることが望ましい。 【0038】一方、フォトファブリケーション露光方式
は、以下のようにして凹凸パターンを形成するものであ
る。すなわち、例えば、平滑な表面を有する平板状の基
板にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを用いた露
光、現像処理により、凹凸パターンを形成する。次に、
エッチング工程によりこの基板のエッチングを行い、磁
性層の厚さに相当する深さの穴を形成する。つづいて、
磁性材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ
ーティング法等の真空成膜手段、メッキ法により、上記
形成した穴が埋まるように基板の表面まで磁性材料を成
膜する。その後、フォトレジストをリフトオフ法で除去
し、表面を研磨して平滑化する。 【0039】次に、上記基板に形成された凹凸パターン
上に成膜する磁性層について説明する。 【0040】上記磁性層(軟磁性層)の形成は、磁性材
料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等の真空成膜手段、メッキ法などにより成膜す
る。磁性層の磁性材料としては、Co、Co合金(Co
Ni、CoNiZr、CoNbTaZr等)、Fe、F
e合金(FeCo、FeCoNi、FeNiMo、Fe
AlSi、FeAl、FeTaN)、Ni、Ni合金
(NiFe)が用いることができる。特に好ましくはF
eCo、FeCoNiである。磁性層の厚みは、50n
m〜500nmの範囲が好ましく、さらに好ましくは1
50nm〜400nmである。また磁性層の下層に下地
層として設ける非磁性層の材料としては、Cr、CrT
i、CoCr、CrTa、CrMo、NiAl、Ru、
C、Ti、Al、Mo、W、Ta、Nb等を用いる。 【0041】上記凹凸基板がニッケルなどによる強磁性
体の場合はこの凹凸基板のみで磁気転写は可能で、磁性
層は被覆しなくてもよいが、転写特性の良い磁性層を設
けることでより良好な磁気転写を行うことができる。な
お、強磁性金属による凹凸基板に磁性層を被覆した場合
に、凹凸基板の磁性の影響を断つために、凹凸基板と磁
性層との間に非磁性層を設けることが好ましい。また、
凹凸基板が非磁性体の場合は磁性層を被覆することが必
須である。 【0042】さらに、磁性層の上にはDLC等の保護膜
を設けることが好ましく、保護膜としてさらに潤滑剤層
を設けるようにしてもよい。この保護膜としては5〜3
0nmのDLC膜と潤滑剤層が存在することが好まし
い。また、磁性層と保護膜の間に、Si等の密着強化層
を設けてもよい。このように、凹凸基板の最上層に保護
膜を被覆することにより、このマスター担体の接触耐久
性が向上し多数回の磁気転写が可能となる。なお、上記
潤滑剤層は、スレーブ媒体との接触過程で生じる摩擦に
よる傷の発生などの耐久性の劣化を改善する。 【0043】なお、スレーブ媒体としては、ハードディ
スクなどの剛体円盤状磁気記録媒体が使用され、その磁
気記録層には塗布型磁気記録層あるいは金属薄膜型磁気
記録層が形成されている。金属薄膜型磁気記録層の磁性
材料としては、Co、Co合金(CoPtCr、CoC
r、CoPtCrTa、CoPtCrNbTa、CoC
rB、CoNi等)、Fe、Fe合金(FeCo、Fe
Pt、FeCoNi)を用いることができる。 【0044】なお、転写用磁界を印加する際には、密着
されたマスター担体とスレーブ媒体とを転写磁界印加手
段に対して相対的に回転させようにすればよいので、転
写磁界印加手段を、密着されたマスター担体とスレーブ
媒体とに対して回転させるようにしてもよい。 【0045】また、転写磁界印加手段は、電磁石ユニッ
トに代えて永久磁石ユニットで構成することもできる。 【0046】また、2つの磁界印加部からなる転写磁界
印加手段を、密着手段の表裏両側にそれぞれ配設して磁
界を印加するようにしてもよい。 【0047】なお、上記実施の形態に加えて、センター
コアを表裏両側から挟んで、このセンターコアを磁化、
あるいは飽和磁化させる磁界形成手段を配設して、磁気
転写装置を構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態による磁気転写装置の概略
構成をを示す斜視図 【図2】マスター担体とスレーブ媒体とが密着される前
の状態における主要部の断面図 【図3】マスター担体とスレーブ媒体とが密着された状
態における主要部の断面図 【図4】密着されたマスター担体とスレーブ媒体とに対
する各磁極の配置を示す概念図 【図5】マスター担体の同心円状の転写パターンを示す
図 【図6】スレーブ媒体の初期磁化の方向を示す平面図 【図7】磁気転写の基本態様を示す側面図 【図8】転写パターンが磁気転写されたスレーブ媒体の
磁化の方向を示す平面図 【図9】第1の磁界印加部のみが配置された磁気転写装
置の概略構成をを示す斜視図 【図10】第1の磁界印加部のみが配置された磁気記録
面上の磁界の様子を示す平面図 【図11】第1および第2の磁界印加部が配置されてい
る磁気記録面上の磁界の様子を示す平面図 【符号の説明】 10 マスター担体 11 転写パターン 20 スレーブ媒体 21 磁気記録面 30 密着手段 40 第1の磁界印加部 41 第1のN極 42 第1のS極 50 第2の磁界印加部 51 第2のN極 52 第2のS極

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 同心円状の転写パターンが磁性体によっ
    て形成されているマスター担体に、前記転写パターンの
    転写を受ける磁気記録面を有し、金属製のセンターコア
    を中央部に備えるスレーブ媒体を密着させる密着手段
    と、 前記密着されたマスター担体とスレーブ媒体とに転写用
    磁界を印加する転写磁界印加手段とを備え、 前記同心円状の転写パターンの中心の周りに、前記密着
    されたマスター担体とスレーブ媒体とを前記転写磁界印
    加手段に対して相対的に回転させつつ、前記転写用磁界
    の印加による前記同心円状の転写パターンの円周方向へ
    の磁化によって前記転写パターンを前記磁気記録面に転
    写させる磁気転写装置であって、 前記転写磁界印加手段が、前記同心円状の転写パターン
    の中心を通り前記磁気記録面に直交する第1の面を挟ん
    で互いに密接して配置された第1の磁界印加部と第2の
    磁界印加部とを備え、 前記第1の磁界印加部が前記同心円状の転写パターンの
    中心を通り前記磁気記録面および第1の面に直交する第
    2の面を挟んで対向する互いに極性の異なる一対の磁極
    からなるものであり、前記第2の磁界印加部が、前記第
    2の面を挟んで対向する互いに極性の異なる一対の磁極
    からなり、かつ該一対の磁極の極性が前記第2の面の同
    じ側においてそれぞれ前記第1の磁界印加部の磁極の極
    性と逆の極性であることを特徴とする磁気転写装置。
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