JP2003185781A - 原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構 - Google Patents

原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構

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JP2003185781A JP2001383361A JP2001383361A JP2003185781A JP 2003185781 A JP2003185781 A JP 2003185781A JP 2001383361 A JP2001383361 A JP 2001383361A JP 2001383361 A JP2001383361 A JP 2001383361A JP 2003185781 A JP2003185781 A JP 2003185781A
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Makoto Yamagishi
誠 山岸
Yoshiaki Makihara
義明 牧原
Katsunori Kawai
勝則 河合
Keiko Chitose
敬子 千歳
Masayuki Goto
公志 後藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷却水が漏洩した場合には、その漏洩水によっ
て原子炉容器を冷却することによって、原子炉容器に非
常用冷却水を供給する手段を省略し、軽水炉の建設コス
トの削減を図る。 【解決手段】本発明の原子炉容器およびその格納容器の
非常用冷却機構によれば、原子炉容器1を格納し、炉心3
を冷却する冷却水が内部で漏洩した非常時に、漏洩水液
面Dが炉心3の上端部Tよりも高くなるように保持し、保
持した漏洩水によって原子炉容器1を冷却する格納容器2
と、格納容器2の上蓋4の外側面を底面とした水プール5
とを備え、原子炉容器1を冷却した漏洩水が蒸気Vとな
り、上蓋4の内側面に至るまで格納容器2内を上昇し、上
蓋4を介して水プール5に貯えられた水に冷却されること
によって復水し、自重によって格納容器2内を上蓋4の内
側面から落下することによって、格納容器2の内部およ
び原子炉容器1を冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽水炉において冷
却水漏洩事象が発生した場合に、原子炉容器およびその
格納容器を冷却する原子炉容器およびその格納容器の非
常用冷却機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軽水炉の1つの型式である加圧水型原子
力発電所(以下、「PWR」と称する)では、図11に
示すように、仮に万が一、原子炉容器1に冷却水を供給
する配管16の何れかが破断した場合には、原子炉容器
1に冷却水を十分に供給することができなくなり、炉心
3を冷却する能力が低下する。
【0003】このような事象が仮に万が一発生した場合
には、炉心3における核分裂反応を停止させることによ
って、原子炉の運転を停止する。しかしながら、核燃料
物質からは、崩壊熱が発生しているために、この崩壊熱
を冷却する必要がある。そのため、このように原子炉容
器1に冷却水を供給する配管16が破断した場合におけ
る崩壊熱を除去するために、非常用冷却装置17が設け
られている。
【0004】この非常用冷却装置17には、非常用冷却
水タンク18が備えられ、更にそこから供給される非常
用冷却水は、3系統の水供給配管19(#1〜#3)に
よって、原子炉容器1が格納された格納容器2内へと供
給される。
【0005】まず、第1の水供給配管19(#1)に
は、格納容器スプレイポンプ20が備えられており、非
常用冷却水タンク18から供給された非常用冷却水は、
この格納容器スプレイポンプ20によって格納容器2内
に供給され、格納容器2内の上部に設けられたスプレイ
21から、格納容器2内の機器に向けて噴出される。
【0006】また、第2の水供給配管19(#2)に
は、低圧注入ポンプ22が備えられており、非常用冷却
水タンク18から供給された非常用冷却水は、この低圧
注入ポンプ22によって格納容器2内の配管16を介し
て原子炉容器1内に供給される。
【0007】更に、第3の水供給配管19(#3)に
は、高圧注入ポンプ23が備えられており、非常用冷却
水タンク18から供給された非常用冷却水は、この高圧
注入ポンプ23によって格納容器2内の配管16を介し
て原子炉容器1内に供給される。
【0008】上述したように、仮に万が一、原子炉容器
1に冷却水を供給する配管16の何れかが破断し、原子
炉容器1に冷却水を十分に供給することができなくなっ
た場合であっても、低圧注入ポンプ22および高圧注入
ポンプ23によって非常用冷却水を供給することによっ
て原子炉容器1が冷却されている。また、格納容器スプ
レイポンプ20によって非常用冷却水を供給することに
よって格納容器2が冷却されている。
【0009】PWRとは別の型式の軽水炉である沸騰水
型原子力発電所(以下、「BWR」と称する)でもま
た、同様な構成の非常用冷却装置17が設けられてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却
装置では、以下のような問題がある。
【0011】すなわち、従来の原子炉容器およびその格
納容器の非常用冷却装置は、その構成の一例を図11に
示すように、格納容器2の外側に特別に設けられた複雑
な設備である。このため、軽水炉の大型化、および軽水
炉の構造の複雑化をもたらしてしまい、コストアップに
つながるという問題がある。
【0012】仮に万が一、原子炉容器1に冷却水を供給
する配管16のうちの何れかが破断し、この冷却水が漏
洩した場合、漏洩した冷却水を用いて原子炉容器1を冷
却することができれば、少なくとも原子炉容器1に非常
用冷却水を供給している低圧注入ポンプ22を備えた第
2の水供給配管19(#2)、および高圧注入ポンプ2
3を備えた第3の水供給配管19(#3)を削除するこ
とができ、非常用冷却装置17の構成を簡素化すること
ができるはずである。
【0013】上述したような構成をなすPWRでは、図
11に示すように、原子炉容器1の下部には、炉内計装
配管室25が設けられている。炉内計装配管室25は、
原子炉容器1の下部に接続された多くの図示しない炉内
計装管が収納された空間である。このような炉内計装配
管室25の空間体積は、原子炉容器1の体積よりも大き
い。したがって、仮に万が一、原子炉容器1に冷却水を
供給する配管16のうちの何れかが破断し、大量の冷却
水が炉内計装配管室25に漏洩した場合であっても、漏
洩水26によって原子炉容器1は浸水することはない。
【0014】一方、BWRの場合、図12に示すよう
に、原子炉容器1は、下部ドライウェル27の上部に設
けられている。そして、仮に万が一、原子炉容器1に冷
却水を供給する配管16のうちの何れかが破断した場
合、その漏洩水は、下部ドライウェル27には溜まらず
に、下部ドライウェル27の外側に設けられたサプレッ
ションプール29に溜まるような構造になっている。し
たがって、仮に万が一、原子炉容器1に冷却水を供給す
る配管16のうちの何れかが破断し、大量の冷却水が漏
洩した場合であっても、その漏洩水は下部ドライウェル
27には溜まらないために、原子炉容器1が浸水するこ
とはない。
【0015】このように、現状の軽水炉においては、P
WR、BWRともに、仮に万が一、原子炉容器1に冷却
水を供給する配管16のうちの何れかが破断した場合、
その漏洩水によって原子炉容器1が浸水することはな
い。したがって、原子炉容器1に非常用冷却水を供給す
る機構(図11における低圧注入ポンプ22を備えた第
2の水供給配管19(#2)や、高圧注入ポンプ23を
備えた第3の水供給配管19(#3))が必須となり、
軽水炉の大型化、および軽水炉の構造の複雑化をもたら
してしまい、コストアップにつながるという問題があ
る。
【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、仮に万が一、原子炉容器に冷却水を供給す
る配管のうちの何れかが破断し冷却水が漏洩した場合に
は、その漏洩水によって原子炉容器を冷却することによ
って、原子炉容器に非常用冷却水を供給する手段を省略
し、もって、軽水炉の建設コストの削減を図ることが可
能な原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0018】すなわち、請求項1の発明の原子炉容器お
よびその格納容器の非常用冷却機構は、原子炉の炉心を
収納した原子炉容器を格納し、炉心を冷却するための冷
却水が内部で漏洩した非常時に、この漏洩水の液面が炉
心の上端部高さよりも高くなるように保持し、保持した
漏洩水によって原子炉容器を冷却する格納容器と、格納
容器の上部外壁の外側面を底面とした水プールとを備
え、原子炉容器を冷却した漏洩水が蒸気となり、上部外
壁の内側面に至るまで格納容器内を上昇し、上部外壁を
介して水プールに貯えられた水に冷却されることによっ
て復水し、自重によって格納容器内を上部外壁の内側面
から落下することによって、格納容器の内部および原子
炉容器を冷却するようにしている。
【0019】請求項2の発明の原子炉容器およびその格
納容器の非常用冷却機構は、原子炉の炉心を収納した原
子炉容器を格納する格納容器と、格納容器の内部であっ
て、原子炉容器の下方に配置され、炉心を冷却するため
の冷却水が格納容器内部で漏洩した非常時に、この漏洩
水の液面が炉心の上端部高さよりも高くなるように保持
し、保持した漏洩水による原子炉容器の冷却を可能とし
た漏洩水保持部と、格納容器の上部外壁の外側面を底面
とした水プールとを備え、漏洩水保持部によって保持さ
れた漏洩水が、原子炉容器を冷却して蒸気となり、上部
外壁の内側面に至るまで格納容器内を上昇し、上部外壁
を介して水プールに貯えられた水に冷却されることによ
って復水し、自重によって格納容器内を上部外壁の内側
面から落下することによって、格納容器の内部および原
子炉容器を冷却するようにしている。
【0020】請求項3の発明では、請求項1または請求
項2の発明の原子炉容器およびその格納容器の非常用冷
却機構において、非常時にのみ、水プールに水を貯水す
るようにした。
【0021】請求項4の発明では、請求項1または請求
項2の発明の原子炉容器およびその格納容器の非常用冷
却機構において、水プールよりも上方に設けられ、水プ
ールに供給するための水を貯水した貯水タンクと、水プ
ールと貯水タンクとを連通した水供給配管と、水供給配
管に設けられた注水弁とを備え、非常時に注水弁を開
き、貯水タンクに貯水された水を、水供給配管を介して
水プールへと重力により導入するようにした。
【0022】請求項5の発明では、請求項1または請求
項2の発明の原子炉容器およびその格納容器の非常用冷
却機構において、水プールよりも上方に設けられ、水プ
ールに供給するための水を貯水した貯水タンクと、水プ
ールと貯水タンクとを連通した水供給配管と、水供給配
管に設けられた注水弁と、格納容器内に設けられ、格納
容器内の圧力を検出する圧力計とを備え、圧力計によっ
て検出された圧力が、予め定めた非常時に相当する所定
値に達した場合には、注水弁を開き、貯水タンクに貯水
された水を、水供給配管を介して水プールへと重力によ
り導入するようにした。
【0023】請求項6の発明では、請求項1または請求
項2の発明の原子炉容器およびその格納容器の非常用冷
却機構において、水プールに供給するための水を貯水し
た貯水タンクと、水プールと貯水タンクとを連通した水
供給配管と、水供給配管に設けられたポンプとを備え、
非常時にポンプを起動し、貯水タンクに貯水された水
を、水供給配管を介して水プールへとポンプにより導入
するようにした。
【0024】請求項7の発明では、請求項1または請求
項2の発明の原子炉容器およびその格納容器の非常用冷
却機構において、水プールに供給するための水を貯水し
た貯水タンクと、水プールと貯水タンクとを連通した水
供給配管と、水供給配管に設けられたポンプと、格納容
器内に設けられ、格納容器内の圧力を検出する圧力計と
を備え、圧力計によって検出された圧力が、予め定めた
非常時に相当する所定値に達した場合には、ポンプを起
動し、貯水タンクに貯水された水を、水供給配管を介し
て水プールへとポンプにより導入するようにした。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図1から図10を参照しながら説明する。
【0026】なお、以下の実施の形態の説明に用いる図
中の符号は、図11および図12と同一部分については
同一符号を付して示すことにする。
【0027】図1は、本発明の実施の形態に係る原子炉
容器およびその格納容器の非常用冷却機構の構成例を示
す概念図である。
【0028】すなわち、本発明の実施の形態に係る原子
炉容器および格納容器の冷却装置は、図1(a)に示す
ように、原子炉容器1に冷却水を供給する何れかの配管
16に破断が生じ、冷却水が漏洩する事象である冷却水
漏洩事象が発生した場合には、その漏洩水26を保持す
る機能を有する格納容器2を備えている。そしてこの格
納容器2内に、図1(b)に示すように、その漏洩水2
6の液面Dが、炉心3の上端高さTよりも高くなるよう
に、原子炉容器1を配置している。
【0029】なお、このように、漏洩水26の液面D
が、炉心3の上端高さTよりも高くなるように格納容器
2内に原子炉容器1を配置するためには、格納容器2の
縦横寸法が、原子炉容器1の直径に対してある程度以上
大きくならないように、かつ原子炉容器1の底面を、格
納容器2の底面に近接して配置する必要がある。あるい
は、図2に示すように、漏洩水26を貯水する貯水材1
0を格納容器2内に設けることによって、これらの制約
を排除することも可能である。
【0030】更には、図3に示すように、原子炉容器1
の下部を覆うような形状の漏洩水受けプール11を、格
納容器2の下部に設けるようにしても良い。図3に示す
ような漏洩水受けプール11を設けた場合、図4に示す
ように、炉心3の上端高さTまで漏洩水26が溜まった
時点tでは、格納容器2内には炉心3の上端高さT以上
の水位を形成する。したがって、炉心3が露出する前に
原子炉容器1の下部を漏洩水26で冷却することを可能
としている。
【0031】原子炉容器1の底面を、格納容器2の底面
に近接して配置する場合、図2に示すように貯水材10
を用いる場合、あるいは図3に示すように漏洩水受けプ
ール11を用いる場合の何れの場合であっても、原子炉
容器1の下部の空間は、従来技術に比べて狭くなる。し
たがって、PWRの場合、図11に示すような炉内計装
配管室25を原子炉容器1の下部に設けることはできな
くなるが、図5に示すように、炉内計装管12を原子炉
容器1の上側に接続する。BWRの場合、図12に図示
しない制御棒駆動装置を原子炉容器1の上側に設置す
る。
【0032】格納容器2の上部は、取り外し可能な半球
形状の格納容器上蓋4によって格納容器2を密封してい
るとともに、この格納容器上蓋4を底面とした水プール
5を形成している。冷却水漏洩事象が生じると、漏洩水
が炉心3の上端高さTよりも高い液面Dになるように格
納容器2内に溜まる。さらに、この漏洩水は、炉心3か
ら放出される崩壊熱によって加熱された原子炉容器1を
冷却するとともに、自らは気化して蒸気Vとなり、格納
容器2内を格納容器上蓋4まで上昇する。
【0033】そして、この蒸気Vは、格納容器上蓋4に
おいて、水プール5内の水と熱交換を行うことによって
冷却され、液体に戻って落下する。これによって格納容
器2の内部を冷却する。
【0034】なお、格納容器上蓋4の形状は図1に示す
ような半球形状に限るものではなく、図6に示すような
断面凸面形状や、図7に示すような平板形状などでも良
く、格納容器2内の蒸気Vと、水プール5内の水との熱
交換が可能な形状であれば、如何なる形状であっても良
い。
【0035】なお、崩壊熱による原子炉容器1およびそ
の格納容器2の加熱は、緩慢な事象である。よって、水
プール5は、常時貯水する必要はなく、冷却水漏洩事象
が生じた場合にのみ、貯水するようにすればよい。した
がって、図8(a)に示すように、通常時には、水プー
ル5よりも高い場所に設けられた非常用冷却水タンク7
に貯水しており、冷却水漏洩事象を確認した場合には、
操作員が手動でバルブ6を開くことによって、非常用冷
却水タンク7から水プール5内に水を、重力を利用して
導入するようにする。あるいは、図8(b)に示すよう
に、通常時には、水プール5よりも低い場所に設けられ
た非常用冷却水タンク7に貯水しており、冷却水漏洩事
象を確認した後には、操作員が手動でポンプ8を起動さ
せることによって、非常用冷却水タンク7から水プール
5内に水を導入するようにしている。
【0036】また、図9(a)に示すように、格納容器
2内に圧力センサ9を備え、冷却水漏洩事象が発生して
漏洩水が格納容器2内に溜まり、この漏洩水から蒸気V
が発生することによって、格納容器2内が所定圧力に達
したことを圧力センサ9が検知することに連動してバル
ブ6を開き、非常用冷却水タンク7から水プール5内に
水を導入するようにしても良い。同様に、図9(b)に
示すように、格納容器2内が所定圧力に達したことを圧
力センサ9が検知することに連動してポンプ8を起動さ
せ、非常用冷却水タンク7から水プール5内に水を導入
するようにしても良い。
【0037】なお、炉心3に装荷された図示しない燃料
集合体を交換する場合には、格納容器上蓋4を取り外
し、原子炉容器1の上に水張りを行い、更に、原子炉容
器1の原子炉容器上蓋13を取り外し、図示しない燃料
交換装置によって炉心3から使用済みの燃料集合体を取
り出すと共に、新たな燃料集合体を炉心3に装荷する。
そして、新たな燃料集合体の炉心3への装荷を完了する
と、原子炉容器1に原子炉容器上蓋13を取り付け、更
に格納容器上蓋4を取り付ける。
【0038】このように、本発明の実施の形態に係る原
子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構では、格
納容器2内に漏洩水を溜め、この漏洩水を用いて原子炉
容器1を冷却し、格納容器2の上側に備えられた水プー
ル5によって格納容器2の内部を冷却するようにしてい
る。したがって、図11に示すような、格納容器スプレ
イポンプ20とスプレイ21とを備えた第1の水供給配
管19(#1)、低圧注入ポンプ22を備えた第2の水
供給配管19(#2)、および高圧注入ポンプ23を備
えた第3の水供給配管19(#3)を要しない。
【0039】次に、以上のように構成した本発明の実施
の形態に係る原子炉容器およびその格納容器の非常用冷
却機構の作用について、図10に示すフローチャートを
用いて説明する。
【0040】まず、原子炉容器1に水を供給する何れか
の配管16に破断が生じ、水が漏洩する事象である冷却
水漏洩事象が発生した場合(S1)には、その漏洩水が
格納容器2内に溜まることによって、その漏洩水の液面
Dが、炉心3の上端高さTよりも高くなるように、原子
炉容器1の下部が浸水する(S2)。
【0041】冷却水漏洩事象が生じた場合には、全制御
棒が緊急挿入されることによって炉心3における核分裂
反応は停止する。しかしながら、核燃料物質に含まれて
いるFP等から崩壊熱が放出されるために、炉心3から
は引き続き熱が発生している。
【0042】格納容器2内に溜まった漏洩水の液面D
は、炉心3の上端高さTよりも高いために、このように
炉心3で崩壊熱が発生している原子炉容器1は、漏洩水
によって冷却される(S3)。一方、漏洩水は、崩壊熱
によって加熱され、蒸気Vとなり、格納容器2内を格納
容器上蓋4まで上昇する(S4)。
【0043】上述したような崩壊熱による原子炉容器1
およびその格納容器2の加熱は、緩慢な事象であるため
に、水プール5には、常時非常用冷却水が貯水される必
要はない。そのため、水プール5には、冷却水漏洩事象
が生じた場合に、操作員がバルブ6を開くことによっ
て、または操作員がポンプ8を起動させることによっ
て、非常用冷却水タンク7から非常用冷却水が導入され
る。あるいは、このような手動操作に代えて、格納容器
2内に圧力センサ9を備え、格納容器2内に溜まった漏
洩水から蒸気Vが発生することによって、格納容器2内
が所定圧力に達したことを圧力センサ9が検知すること
に連動したバルブ6の開操作、またはポンプ8の起動に
よって非常用冷却水タンク7から非常用冷却水が導入さ
れる。
【0044】格納容器2内を格納容器上蓋4まで上昇し
た蒸気Vは、格納容器上蓋4において、水プール5内の
非常用冷却水と熱交換を行うことによって冷却され、液
体に戻って落下する(S5)。これによって格納容器2
の内部が冷却される(S6)。
【0045】上述したステップS3からステップS6ま
での作用が繰り返されることによって、原子炉容器1
と、格納容器2の内部とが冷却される。
【0046】上述したように、本発明の実施の形態に係
る原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構にお
いては、上記のような作用により、漏洩水を格納容器2
内に溜め込み、この漏洩水で原子炉容器1を冷却するこ
とができる。
【0047】漏洩水は、崩壊熱によって加熱された原子
炉容器1を冷却する代わりに、自らは、その一部が蒸気
Vとなって格納容器2内部を上昇して、格納容器上蓋4
にまで到達する。格納容器上蓋4は、非常用冷却水が貯
えられた水プール5の底面を形成しているために、水プ
ール5に貯えられた非常用冷却水によって、格納容器上
蓋4まで到達した蒸気Vを冷却し、液体に戻すことがで
きる。
【0048】更に、この液体に戻された漏洩水が、格納
容器上蓋4から、自重によって落下することにより、格
納容器2の内部、および原子炉容器1を継続的に冷却す
ることができる。
【0049】すなわち、本発明の実施の形態に係る原子
炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構は、図11
に示すような、格納容器スプレイポンプ20とスプレイ
21とを備えた第1の水供給配管19(#1)、低圧注
入ポンプ22を備えた第2の水供給配管19(#2)、
および高圧注入ポンプ23を備えた第3の水供給配管1
9(#3)を要しないために、軽水炉の構成を簡素化で
きるようになり、建設コストの削減を図ることが可能と
なる。
【0050】以上、本発明の好適な実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかか
る構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技
術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更
例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及
び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと
了解される。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
仮に万が一、原子炉容器に冷却水を供給する配管のうち
の何れかが破断し冷却水が漏洩した場合には、その漏洩
水によって原子炉容器を冷却することができる。
【0052】以上により、原子炉容器に非常用冷却水を
供給する手段を省略することが可能となり、もって、軽
水炉の建設コストの削減を図ることが可能な原子炉容器
およびその格納容器の非常用冷却機構を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る原子炉容器およびそ
の格納容器の非常用冷却機構の構成例を示す概念図
【図2】同実施の形態に係る原子炉容器およびその格納
容器の非常用冷却機構の変形例であって、貯水材を格納
容器内に設けた構成を示す概念図
【図3】同実施の形態に係る原子炉容器およびその格納
容器の非常用冷却機構の変形例であって、格納容器内に
漏洩水受けプールを設けた構成を示す概念図
【図4】冷却水漏洩事象発生時における原子炉容器内水
量と格納容器内水量との時間推移を示す図
【図5】炉内計装管を原子炉容器の上側から接続したP
WRの構成例を示す概念図
【図6】同実施の形態に係る原子炉容器およびその格納
容器の非常用冷却機構の変形例であって、断面凹面形状
の格納容器上蓋を適用した場合の構成を示す概念図
【図7】同実施の形態に係る原子炉容器およびその格納
容器の非常用冷却機構の変形例であって、平板形状の格
納容器上蓋を適用した構成例を示す概念図
【図8】非常用冷却水タンクを水プールよりも高い場所
に設けた構成例を示す概念図
【図9】非常用冷却水タンクを水プールよりも低い場所
に設けた構成例を示す概念図
【図10】同実施の形態に係る原子炉容器およびその格
納容器の非常用冷却機構の作用を示すフローチャート
【図11】従来PWRに適用されている非常用冷却装置
の構成を示す概念図
【図12】従来技術によるBWRの構成を示す概念図
【符号の説明】
1…原子炉容器 2…格納容器 3…炉心 4…格納容器上蓋 5…水プール 6…バルブ 7…非常用冷却水タンク 8…ポンプ 9…圧力センサ 10…貯水材 11…漏洩水受けプール 12…炉内計装管 13…原子炉容器上蓋 16…配管 17…非常用冷却装置 18…非常用冷却水タンク 19…水供給配管 20…格納容器スプレイポンプ 21…スプレイ 22…低圧注入ポンプ 23…高圧注入ポンプ 25…炉内計装配管室 26…漏洩水 27…下部ドライウェル 29…サプレッションプール
フロントページの続き (72)発明者 河合 勝則 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 千歳 敬子 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (72)発明者 後藤 公志 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 Fターム(参考) 2G002 AA01 AA04 BA01 CA08 DA03 EA12 EA13 EA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の炉心を収納した原子炉容器を格
    納し、前記炉心を冷却するための冷却水が内部で漏洩し
    た非常時に、この漏洩水の液面が前記炉心の上端部高さ
    よりも高くなるように保持し、前記保持した漏洩水によ
    って前記原子炉容器を冷却する格納容器と、 前記格納容器の上部外壁の外側面を底面とした水プール
    とを備え、 前記原子炉容器を冷却した漏洩水が蒸気となり、前記上
    部外壁の内側面に至るまで前記格納容器内を上昇し、前
    記上部外壁を介して前記水プールに貯えられた水に冷却
    されることによって復水し、自重によって前記格納容器
    内を前記上部外壁の内側面から落下することによって、
    前記格納容器の内部および前記原子炉容器を冷却するよ
    うにした原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機
    構。
  2. 【請求項2】 原子炉の炉心を収納した原子炉容器を格
    納する格納容器と、 前記格納容器の内部であって、前記原子炉容器の下方に
    配置され、前記炉心を冷却するための冷却水が前記格納
    容器内部で漏洩した非常時に、この漏洩水の液面が前記
    炉心の上端部高さよりも高くなるように保持し、前記保
    持した漏洩水による前記原子炉容器の冷却を可能とした
    漏洩水保持部と、 前記格納容器の上部外壁の外側面を底面とした水プール
    とを備え、 前記漏洩水保持部によって保持された漏洩水が、前記原
    子炉容器を冷却して蒸気となり、前記上部外壁の内側面
    に至るまで前記格納容器内を上昇し、前記上部外壁を介
    して前記水プールに貯えられた水に冷却されることによ
    って復水し、自重によって前記格納容器内を前記上部外
    壁の内側面から落下することによって、前記格納容器の
    内部および前記原子炉容器を冷却するようにした原子炉
    容器およびその格納容器の非常用冷却機構。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の原子炉
    容器およびその格納容器の非常用冷却機構において、 前記非常時にのみ、前記水プールに水を貯水するように
    した原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機構。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の原子炉
    容器およびその格納容器の非常用冷却機構において、 前記水プールよりも上方に設けられ、前記水プールに供
    給するための水を貯水した貯水タンクと、 前記水プールと前記貯水タンクとを連通した水供給配管
    と、 前記水供給配管に設けられた注水弁とを備え、 前記非常時に前記注水弁を開き、前記貯水タンクに貯水
    された水を、前記水供給配管を介して前記水プールへと
    重力により導入するようにした原子炉容器およびその格
    納容器の非常用冷却機構。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の原子炉
    容器およびその格納容器の非常用冷却機構において、 前記水プールよりも上方に設けられ、前記水プールに供
    給するための水を貯水した貯水タンクと、 前記水プールと前記貯水タンクとを連通した水供給配管
    と、 前記水供給配管に設けられた注水弁と、 前記格納容器内に設けられ、前記格納容器内の圧力を検
    出する圧力計とを備え、 前記圧力計によって検出された圧力が、予め定めた前記
    非常時に相当する所定値に達した場合には、前記注水弁
    を開き、前記貯水タンクに貯水された水を、前記水供給
    配管を介して前記水プールへと重力により導入するよう
    にした原子炉容器およびその格納容器の非常用冷却機
    構。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の原子炉
    容器およびその格納容器の非常用冷却機構において、 前記水プールに供給するための水を貯水した貯水タンク
    と、 前記水プールと前記貯水タンクとを連通した水供給配管
    と、 前記水供給配管に設けられたポンプとを備え、 前記非常時に前記ポンプを起動し、前記貯水タンクに貯
    水された水を、前記水供給配管を介して前記水プールへ
    と前記ポンプにより導入するようにした原子炉容器およ
    びその格納容器の非常用冷却機構。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載の原子炉
    容器およびその格納容器の非常用冷却機構において、 前記水プールに供給するための水を貯水した貯水タンク
    と、 前記水プールと前記貯水タンクとを連通した水供給配管
    と、 前記水供給配管に設けられたポンプと、 前記格納容器内に設けられ、前記格納容器内の圧力を検
    出する圧力計とを備え、 前記圧力計によって検出された圧力が、予め定めた前記
    非常時に相当する所定値に達した場合には、前記ポンプ
    を起動し、前記貯水タンクに貯水された水を、前記水供
    給配管を介して前記水プールへと前記ポンプにより導入
    するようにした原子炉容器およびその格納容器の非常用
    冷却機構。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007205923A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Toshiba Corp 沸騰水型原子力発電設備
RU2467416C1 (ru) * 2011-10-20 2012-11-20 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Национальный исследовательский университет "МЭИ" Система пассивной безопасности ядерной энергетической установки
JP2012242375A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Motohiro Okada 原子力発電所装置。
KR101310448B1 (ko) * 2012-01-19 2013-09-24 제주대학교 산학협력단 원자력 발전소 격납용기 비상 증기배출냉각 장치

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