JP2003185408A - 干渉測定方法及び干渉測定装置、並びに投影レンズの製造方法及び投影露光装置 - Google Patents

干渉測定方法及び干渉測定装置、並びに投影レンズの製造方法及び投影露光装置

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JP2003185408A
JP2003185408A JP2001387726A JP2001387726A JP2003185408A JP 2003185408 A JP2003185408 A JP 2003185408A JP 2001387726 A JP2001387726 A JP 2001387726A JP 2001387726 A JP2001387726 A JP 2001387726A JP 2003185408 A JP2003185408 A JP 2003185408A
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sets
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initial phase
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JP2001387726A
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Inventor
Jun Kawakami
潤 川上
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Nikon Corp
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリンジスキャンの非線形性に起因する誤差
を簡便に補償する。 【解決手段】 位相差の変化期間中に生成された複数組
の蓄積データ群のそれぞれに基づいて位相情報が複数個
取得されると共に、取得された複数個の位相情報に基づ
いて、それら位相情報に重畳されている誤差成分が低減
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉計による干渉
測定方法及びその干渉計を備えた干渉測定装置に関し、
特に、参照光と被検光との位相差を変化させる(フリン
ジスキャンする)ための縞走査機構を備えた干渉計によ
る干渉測定方法及びその干渉計を備えた干渉測定装置に
関する。また、本発明は、その干渉測定方法が適用され
る投影レンズの製造方法、及びその投影レンズが適用さ
れる投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13は、被検面72aの面形状を測定
するための干渉測定装置70の構成図である。干渉測定
装置70では、光源71から出射された光が被検面72
aと参照面73aとの双方に導かれると共に、被検面7
2aで反射した被検光72a’と参照面73aで反射し
た参照光73a’とによる干渉縞が、CCD型撮像素子
などの撮像素子76によって検知される。
【0003】このようにして検知された干渉縞から、被
検光72a’と参照光73a’との間の位相差の二次元
分布を知ることができる。この二次元分布が、参照面7
3aを基準とした被検面72aの面形状を示す。以下に
説明するフリンジスキャン干渉法は、このような面形状
測定の高精度化を図るものである。
【0004】フリンジスキャン干渉法は、参照面73a
を移動させるピエゾ素子などの移動機構77によって、
干渉縞の各位置における被検光72a’と参照光73
a’との位相差を一斉に変化させる(フリンジスキャ
ン、図14(a)参照)と共に、そのときの干渉縞の濃
淡の変化パターン(撮像素子76の出力の変化パター
ン、図14(b)参照)を検知することにより、所定の
状態(以下、フリンジスキャン開始時の初期状態とす
る。)における位相差(初期位相差)の分布を正確に求
めるものである。
【0005】一般に、干渉測定装置70では、このフリ
ンジスキャンの際に、位相差の変化速度(ここでは参照
面73aの移動速度)が一定に保たれるように設定され
ている(この設定は、移動機構77および制御回路78
の設定による。)。これが一定であるならば、干渉縞の
各位置の濃淡の変化パターンは、図14(b)に実線で
示すようにそれぞれ正弦カーブを描く。この事実を利用
すれば、撮像素子76の出力するデータから、初期位相
差の分布を確実に求めることが可能となる。
【0006】ここで、撮像素子76は、受光面に配置さ
れた各画素において、入射光強度に応じた量の電荷を単
位時間Tcずつ蓄積し、入射光強度の時間Tc間に亘る時
間積分値、すなわち蓄積データB0、B1、B2、・・・
を順次出力するものである。位相差の変化速度が一定に
保たれるのであれば、フリンジスキャン開始からの時間
t経過時における干渉縞上の或る点Aでの位相差φ
(t)は、その点Aでの初期位相差φ0、及び干渉縞上
の各点に共通する単位時間Tc当たりの位相差変化量2
πa(定数)によって、式(1)で表される。
【数1】 また、その点Aでの干渉光強度I(t)は、位相差φ
(t)を用いて式(2)で表される。なお、I0、γは
それぞれ光源71から出射される光の強度(振幅)等に
より定まる数(定数)である。
【数2】 また、撮像素子76においてその点Aに対応する画素が
出力する蓄積データB 0、B1、B2、・・・は、その点
Aにおける干渉光強度I(t)のTc間に亘る時間積分
値であるので、式(3)で表される。
【数3】 したがって、各蓄積データB0、B1、B2、・・・は、
式(4)で表される。
【数4】 この式(4)を変形すると、式(5)、および式(6)
が得られる。
【数5】
【数6】 また、上式(4)からは、単位時間Tc当たりの位相差
変化量2πaを、4つの蓄積データB0、B1、B3、B4
で表す式(7)が導かれる。
【数7】 これらの関係に基づき、図13に示した干渉測定装置7
0の演算回路79は、撮像素子76が出力する各蓄積デ
ータB0、B1、B2、・・・(実測値)に対し、式
(7)を適用してaの値を求め、さらに求めたaの値
と、式(5)および式(6)から、初期位相差φ0の値
を求めることができる。干渉測定装置70では、この初
期位相差φ0の値の算出が、干渉縞の各位置、すなわち
撮像素子76の各画素の出力についてそれぞれ行われ、
算出された初期位相差φ0の二次元分布が、参照面73
aを基準とした被検面72aの形状情報として、モニタ
などの表示器(不図示)に出力される。
【0007】ところで、以上のようなフリンジスキャン
干渉法においては、フリンジスキャン時の位相差φ
(t)の変化速度(2πa/Tc)(図14(a)参
照)を限定することで、演算を簡略化させることができ
る。
【0008】すなわち、位相差φ(t)の変化速度(2
πa/Tc)が(1/2・π/Tc)となるよう(すな
わちa=1/4となるよう)設定すれば(この設定は、
移動機構77および制御回路78の設定による。)、次
式(8a)(8b)(何れも式(4)においてa=1/
4とおくことで導かれる式である。)によって、連続す
る4つの蓄積データ、例えばB0、B1、B2、B3(実測
値)や、連続する5つの蓄積データ、例えばB0、B1
2、B3、B4(実測値)から、直接的に初期位相差φ0
を求めることができる。
【数8】 因みに、このように位相差φ(t)の変化速度(2πa
/Tc)を限定して4つの蓄積データから式(8a)に
より初期位相φ0を求める方法は「4バケット法」と呼
ばれ、位相差φ(t)の変化速度(2πa/Tc)を限
定して5つの蓄積データから式(8b)により初期位相
φ0を求める方法は「5バケット法」と呼ばれる(な
お、4バケット法では、フリンジスキャンは少なくとも
位相差にして1周期分行われる必要があり、5バケット
法では、フリンジスキャンは少なくとも位相差にして
(1+1/4)周期分行われる必要がある。)。
【0009】因みに、5バケット法は、4バケット法よ
りも基づくべき蓄積データの数が1多い分だけ処理時間
が長くかかるが、位相差φ(t)の変化速度が設定値か
ら仮に多少ずれてしまったとしても誤差を抑えることが
できるので、高精度である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
方法では、何れも位相差φ(t)の変化速度(2πa/
c)が一定(図14(a)参照)との仮定にたってい
るが、実際には一定とは限らない。
【0011】なぜなら、位相差φを変化させるピエゾ素
子などの移動機構77の応答特性は、正確な線形を示す
とは限らないので、たとえそれに対する駆動電圧を線形
的に変化させたとしても、位相差φ(t)の変化速度
(2πa/Tc)が一定となるとは限らないからであ
る。
【0012】また、フリンジスキャンの際に変化させる
べき位相差の量は、参照面73aの移動距離にして光源
波長の1/2倍程度なので、仮にその駆動電圧を柔軟に
変化させることができたとしても、十分な精度で位相差
φ(t)の変化速度(2πa/Tc)を一定にすること
は非常に困難である。そして、実際の位相差φ(t)
は、例えば図14(a)中に点線で示すように2次曲線
的に変化する可能性が高い。
【0013】このとき干渉縞の濃淡の変化パターンは、
図14(b)に実線で示すような正弦カーブではなく、
点線で示すような歪んだカーブ(非正弦カーブ)を描い
てしまう。このように、フリンジスキャン中の位相差φ
(t)の変化が非線形であると、従来の演算では最終的
に得られる初期位相差φ0の値に誤差が生じてしまい、
初期位相差φ0によって特定される被検面の形状が正確
に検知できないという不具合があった。
【0014】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたもので、フリンジスキャン中の位相差の変化が
非線形であること(以下、「フリンジスキャンの非線形
性」という。)に起因する誤差を簡便に補償することの
できる干渉測定方法及び干渉測定装置を提供することを
目的とする。また、本発明は、このような干渉測定方法
を用いて、高精度に投影レンズを製造することのできる
投影レンズの製造方法、及び高性能な投影露光装置を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の干渉測
定方法は、参照光と被検光とが成す干渉光を所定時間蓄
積して蓄積データを生成する検出部と、それら参照光と
被検光との位相差を時間に応じて変化させる縞走査機構
とを備えた干渉計を使用し、前記位相差の変化期間中に
所定パターンで生成された所定個数の蓄積データからな
る蓄積データ群を、前記干渉計から複数組み取り込む取
り込み手順と、前記変化期間中の所定時における位相差
を示す位相情報を、前記取り込まれた複数組の蓄積デー
タ群のそれぞれに基づいて複数個取得すると共に、取得
した複数個の位相情報に基づいてそれら位相情報に重畳
されている誤差成分を低減する位相差取得手順とを有す
ることを特徴とする。
【0016】請求項2に記載の干渉測定方法は、請求項
1に記載の干渉測定方法において、前記蓄積データ群
は、互いに連続して生成された所定個数の蓄積データか
らなることを特徴とする。請求項3に記載の干渉測定方
法は、請求項1又は請求項2に記載の干渉測定方法にお
いて、前記複数組の蓄積データ群は、互いに1/4波長
分ずれたタイミングで生成された2組の蓄積データ群か
らなることを特徴とする。
【0017】請求項4に記載の干渉測定方法は、請求項
1〜請求項3の何れか一項に記載の干渉測定方法におい
て、前記複数組の蓄積データ群は、互いに1/4波長分
ずつずれたタイミングで生成された4組の蓄積データ群
からなることを特徴とする。請求項5に記載の干渉測定
方法は、請求項3又は請求項4に記載の干渉測定方法に
おいて、前記誤差成分の低減は、前記複数個の位相情報
を平均化することによって行われることを特徴とする。
【0018】請求項6に記載の干渉測定装置は、参照光
と被検光とが成す干渉光を所定時間蓄積して蓄積データ
を生成する検出部、及びそれら参照光と前記被検光との
位相差を時間に応じて変化させる縞走査機構を備えた干
渉計と、前記干渉計から前記蓄積データを取り込むと共
にその蓄積データに対し演算を施す制御部とを備え、前
記制御部は、前記位相差の変化期間中に所定パターンで
生成された所定個数の蓄積データからなる蓄積データ群
を、前記干渉計から複数組み取り込む取り込み手順と、
前記変化期間中の所定時における位相差を示す位相情報
を、前記取り込まれた複数組の蓄積データ群のそれぞれ
に基づいて複数個取得すると共に、取得した複数個の位
相情報に基づいてそれら位相情報に重畳されている誤差
成分を低減する位相差取得手順とを実行することを特徴
とする。
【0019】請求項7に記載の干渉測定装置は、請求項
6に記載の干渉測定装置において、前記蓄積データ群
は、互いに連続して生成された所定個数の蓄積データか
らなることを特徴とする。請求項8に記載の干渉測定装
置は、請求項6又は請求項7に記載の干渉測定装置にお
いて、前記複数組の蓄積データ群は、互いに1/4波長
分ずれたタイミングで生成された2組の蓄積データ群か
らなることを特徴とする。
【0020】請求項9に記載の干渉測定装置は、請求項
6〜請求項8の何れか一項に記載の干渉測定装置におい
て、前記複数組の蓄積データ群は、互いに1/4波長分
ずつずれたタイミングで生成された4組の蓄積データ群
からなることを特徴とする。請求項10に記載の干渉測
定装置は、請求項8又は請求項9に記載の干渉測定装置
において、前記誤差成分の低減は、前記複数個の位相情
報を平均化することによって行われることを特徴とす
る。
【0021】請求項11に記載の投影レンズの製造方法
は、投影レンズの少なくとも1つの面の形状を請求項1
〜請求項5の何れか1項に記載の干渉測定方法により測
定する手順を有したことを特徴とする。請求項12に記
載の投影露光装置は、請求項11に記載の投影レンズの
製造方法により製造された投影レンズを備えたことを特
徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 <第1実施形態>以下、図1、図2、図3、図4、図5
に基づいて本発明の第1実施形態を説明する。
【0023】図1は、本実施形態の干渉測定装置10
(および後述する第2実施形態の干渉測定装置20、第
3実施形態の干渉測定装置30、第4実施形態の干渉測
定装置40)の構成図である。図1において、図13に
示す従来の干渉測定装置70と同じものについては同一
の符号を付して示した。干渉測定装置10は、図13に
示した干渉測定装置70において、制御回路78に代え
て制御回路18が備えられ、演算回路79に代えて演算
回路19が備えられたものに等しい。
【0024】なお、図1示した干渉測定装置は、フィゾ
ー型の干渉測定装置であるが、本発明が適用される干渉
測定装置は、トワイマングリーン型など他の種類の干渉
測定装置であってもよい。また、フリンジスキャンの種
類には、参照面73aを移動させるものだけでなく、被
検面72aを移動させるもの、また、光源71の波長を
変化させるもの(波長スキャン)などがあり、本発明
は、これらの何れの種類にも適用できる。
【0025】以下、便宜上、フィゾー型かつ参照面73
aを移動させるタイプのフリンジスキャン干渉法に、本
発明が適用された場合について説明する。干渉測定装置
10には、光源71、ビームスプリッタ74b、ビーム
エキスパンダ74a、光束径変換光学系74c、撮像素
子76、移動機構77、制御回路18、演算回路19な
どが備えられる(以下、光源71、ビームエキスパンダ
74a、ビームスプリッタ74b、光束径変換光学系7
4c、及び撮像素子76からなる光学系を、干渉計75
とする)。
【0026】また、干渉測定装置10はフィゾー型であ
るので、この干渉計75と、被検面72aを有した被検
物72との間に、参照面73aを有したフィゾーレンズ
73が配置される。このうち移動機構77は、参照光7
3a’の光路の光学的距離を変化させるために、制御回
路18から与えられる駆動電圧に応じた距離だけフィゾ
ーレンズ73を光軸方向に移動させるものである。
【0027】撮像素子76は、制御回路18により駆動
されると、各画素において入射光強度に応じた量の電荷
を単位時間Tc毎に蓄積し、入射光強度の時間Tcに亘る
時間積分値を示す蓄積データB0、B1、B2、・・・
(実測値)を順次出力する(本明細書では、取得順に添
え字を付す。)。この蓄積データB0、B1、B2、・・
・(実測値)が、所定状態における位相差(以下、初期
位相差とする。)を求めるためのデータとして使用され
る。
【0028】制御回路18は、フリンジスキャン時に、
光源71を駆動すると共に移動機構77に対し駆動電圧
を印加し参照面73aを移動させる。また、制御回路1
8はこのときに撮像素子76を駆動し、撮像素子76か
ら出力される蓄積データB0、B1、B2、・・・(実測
値)を演算回路19に与える。ここで、本実施形態の干
渉測定装置10には、4バケット法が適用されるとす
る。よって、参照面73aの移動速度、すなわち位相差
φ(t)の変化速度(2πa/Tc)は、(1/2・π
/Tc)に設定される。
【0029】但し、本実施形態では、異なるタイミング
で生成された2組の蓄積データ群を演算に使用するため
に、例えば従来の4バケット法で使用されていたよりも
1つ多い少なくとも5つの蓄積データB0、B1、B2
3、B4が取得される。この場合、2組の蓄積データ群
とは、蓄積データ群(B0,B1,B2,B3)、及び蓄積
データ群(B1,B2,B3,B4)となる。
【0030】なお、これら蓄積データ群(B0,B1,B
2,B3)と、蓄積データ群(B1,B2,B3,B4)と
は、互いに1/4波長分ずつずれたタイミングで生成さ
れたデータ群であるので、後述するように簡単な演算
(式11参照)による誤差成分の低減を可能としてい
る。また、各蓄積データは、連続して生成されるもので
あるので、必要なデータを全て取得するまでの時間を抑
えて測定の効率を高く保つことができる。
【0031】具体的に制御回路18は、図2(a)に示
すように、撮像素子76から5つの蓄積データB0
1、B2、B3、B4が出力される期間5Tc中に、移動
機構77に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて位
相差φ(t)を5π/2だけ略均等に変化させる。この
とき、移動機構77に与えられる駆動電圧は、従来と同
様に線形的に変化するが、上記したように移動機構77
の応答特性は正確な線形ではないので、位相差φ(t)
の変化速度は、一定に保たれるとは限らない。すなわ
ち、本実施形態の干渉測定装置10においてフリンジス
キャンの非線形性は許容されており、干渉縞の濃淡の変
化パターンは、例えば図2(b)に示すような非正弦カ
ーブを描く可能性がある。
【0032】また、制御回路18は、演算回路19に対
し少なくとも前記5つの蓄積データB0、B1、B2
3、B4を与える。なお、本実施形態の演算回路19に
よる演算は、従来の演算回路79による演算とは異なる
(詳細は後述)。しかし、本実施形態の演算回路19に
よる演算には、従来の演算回路79による演算が利用さ
れているので、従来の演算回路79を一部変更するだけ
で本実施形態の演算回路19を実現することができる。
【0033】また、演算回路19は、干渉測定装置10
の外部に備えられていてもよい。また、演算回路19に
代えて、演算回路19と同じ動作をするコンピュータが
利用されてもよい。図3は、本実施形態の演算回路19
による演算を説明する図である。本実施形態では、前記
取得された5つの蓄積データB0,B1,B2,B3,B4
のうち、異なるタイミングで取得された2組の蓄積デー
タ群(B0,B1,B2,B3)、(B1,B2,B3,B4
のそれぞれに基づいて、2つの初期位相差φ0が求めら
れる(求められた2つの初期位相差φ0を、それぞれφ
01、φa02とおく。)。
【0034】なお、これらの初期位相差φa01、φa02
を求めるに当たり、4バケット法の式(8a)が適用さ
れる。すなわち、下式(9)、(10)により、初期位
相差φa01、φa02が求められる。
【数9】
【数10】 ところで、これらの初期位相差φa01、φa02には、そ
れぞれ、フリンジスキャンの非線形性による誤差が重畳
されている。
【0035】そこで、本実施形態では、互いに異なる組
み合わせの蓄積データ群から求められたこれらの初期位
相差φa01、φa02に基づいてその誤差が低減される。
演算回路19は、誤差を低減するために、これら初期位
相差φa01、φa02を式(11)により平均化する。以
下、平均化後の初期位相差を「平均初期位相差」と称
し、「φa0」で表す。
【数11】 次に、フリンジスキャンの非線形性により重畳される誤
差について説明する。先ず、初期位相差φa01と初期位
相差φa02とでは、互いに1/4波長分ずつずれたタイ
ミングで生成された蓄積データ群に基づいているので、
初期位相差φa01に重畳される誤差成分と、初期位相差
φa02に重畳される誤差成分とは、ほぼ等量の反対符号
となる。したがって、平均初期位相差φa0においてそ
れらの誤差はほぼ相殺される。
【0036】なお、φa01の値に含まれる信号成分とφ
02の値に含まれる信号成分とについてもそれと同じ理
由でほぼ等量の反対符号となるが、面形状を得るために
最終的に求めるべき情報は位相差の二次元分布であって
位相差の絶対的な値ではないので、φa01とφa02とを
平均化しても構わない。以上、本実施形態は、従来の4
バケット法(式(9)、式(10))に平均化処理(式
(11))を組み合わせただけの簡便な方法で、フリン
ジスキャンの非線形性に起因する誤差は、補償される。
【0037】なお、本実施形態においてもこの平均初期
位相差φa0の値の算出は撮像素子76の各画素の出力
についてそれぞれ行われ、算出された平均初期位相差φ
0の二次元分布が、参照面73aを基準とした被検面
72aの形状情報として、モニタなどの表示器(不図
示)に出力される。 <第2実施形態>次に、図1、図4、図5、図6、図7
に基づいて本発明の第2実施形態を説明する。ここで
は、第1実施形態及び従来例との相違点についてのみ説
明する。
【0038】本実施形態の干渉測定装置20は、4バケ
ット法に代えて5バケット法が適用される点において、
第1実施形態の干渉測定装置10と異なる。干渉測定装
置20は、図1に示す干渉測定装置10において、制御
回路18に代えて制御回路28が備えられ、演算回路1
9に代えて演算回路29が備えられたものに等しい。
【0039】本実施形態では、異なるタイミングで生成
された2組の蓄積データ群を使用するために、従来の5
バケット法で使用されていたよりも1つ多い6つの蓄積
データB0、B1、B2、B3、B4、B5が取得される(因
みに、ここでいう2組の蓄積データ群とは、(B0
1,B2,B3,B4)及び(B1,B2,B3,B4
5)である。)。
【0040】すなわち、制御回路28は、図4(a)に
示すように、撮像素子76から6つの蓄積データB0
1、B2、B3、B4、B5が出力される期間6Tc中に、
移動機構77に与える駆動電圧を時間に応じて変化させ
て位相差φ(t)を3πだけ略均等に変化させる。この
とき、移動機構77に与えられる駆動電圧は、従来と同
様に線形的に変化するが、上記したように移動機構77
の応答特性は正確な線形ではないので、位相差φ(t)
の変化速度は、一定に保たれるとは限らない。すなわ
ち、本実施形態の干渉測定装置20においてフリンジス
キャンの非線形性は許容されており、干渉縞の濃淡の変
化パターンは、非正弦カーブを描く可能性がある。
【0041】また、制御回路28は、演算回路29に対
し少なくとも前記6つの蓄積データB0、B1、B2
3、B4、B5を与える。なお、この演算回路29は、
従来の演算回路79や第1実施形態の演算回路19を一
部変更するだけで実現される。また、演算回路29は、
干渉測定装置20の外部に備えられていてもよい。ま
た、演算回路29に代えて、演算回路29と同じ動作を
するコンピュータが利用されてもよい。
【0042】図5は、本実施形態の演算回路29による
演算を説明する図である。本実施形態では、前記取得さ
れた6つの蓄積データB0,B1,B2,B3,B4,B5
うち、異なるタイミングで取得された2組の蓄積データ
群(B0,B1,B2,B3,B4)、(B1,B2,B3,B
4,B5)のそれぞれに基づいて、2つの初期位相差φ0
が求められる(求められた2つの初期位相差φ0を、そ
れぞれφb 01、φb02とおく。)。
【0043】なお、これらの初期位相差φb01、φb02
を求めるに当たり使用される式は、5バケット法の式
(8b)である。すなわち、下式(12)、(13)に
より、初期位相差φb01、φb02が求められる。
【数12】
【数13】 さらに、本実施形態でも、互いに異なる組み合わせの蓄
積データ群から求められたこれらの初期位相差φb01
φb02に基づいて、その誤差が低減される。
【0044】この際、演算回路29は、これら初期位相
差φb01、φb02を式(14)により平均化して平均初
期位相差φb0を得る。
【数14】 なお、この平均初期位相差φb0の値の算出は、撮像素
子76の各画素の出力についてそれぞれ行われ、算出さ
れた平均初期位相差φb0の二次元分布が、参照面73
aを基準とした被検面72aの形状情報として、モニタ
などの表示器(不図示)に出力される。
【0045】本実施形態においても、初期位相差φb01
に重畳される誤差と、初期位相差φb02に重畳される誤
差とは、ほぼ等量の反対符号となる。したがって、平均
初期位相差φb0ではそれらの誤差はほぼ相殺される。
以上、本実施形態は、従来の5バケット法(式(1
2)、式(13))に平均化処理(式(14))を組み
合わせただけの簡便な方法で、フリンジスキャンの非線
形性に起因する誤差は、補償される。
【0046】図6は、本実施形態の干渉測定をシミュレ
ーションした結果を示す図である。シミュレーションで
は、フリンジスキャンの非線形性を意図的に生じさせた
状態で平均初期位相差φb0(式(14))が取得され
た。すなわち、シミュレーションでは、位相差φ(t)
は、次式(15)で表されるような時間tの2次関数に
設定された。
【数15】 なお、図6に示すシミュレーション結果は、特に、フリ
ンジスキャンの非線形率εを、1%に設定したときに得
られたものである。なお、ここでは非線形率ε[%]を
次式(16)により定義した。この非線形率εの値が大
きいほど、線形からの乖離が激しいことを示す。
【数16】 また、シミュレーションは、参照面73aと被検面72
aとの初期位相差φ0を各種の値(0〜0.5、単位:
光源波長λ)に設定して複数回行われた。
【0047】図6では、各シミュレーションで取得され
た各平均初期位相差φb0に残留している各誤差dφb0
(すなわち、各シミュレーションで設定された各初期位
相差φ0と各シュミレーションで取得された各平均初期
位相差φb0との差)を示した。図6の横軸が、設定さ
れた各初期位相差φ0であり、縦軸(左側のスケール)
が、シミュレーションで取得された平均初期位相差φb
0に残留している誤差dφb0である。
【0048】この誤差dφb0は、設定された初期位相
差φ0によって多少変動するが、その変動は、±2/1
000000[λ]という極めて狭い範囲に収まってい
る。なお、図6には、比較のため、従来の5バケット法
で取得される初期位相差φb01、φb02に重畳している
誤差(従来の誤差)dφb01、dφb02についても同時
に示した。
【0049】但し、これら従来の誤差dφb01、dφb
02については、本実施形態の平均初期位相差φb0に残
留している誤差(本実施形態の誤差)dφb0と比較す
ると極めて大きいため、縦軸(右側のスケール)を使用
する。これら従来の誤差dφb01、dφb02も、設定さ
れた初期位相差φ0によって変動するが、その変動は、
±4/10000[λ]という広い範囲にも収まらない
くらい大きい。
【0050】なお、これら従来の誤差dφb01、dφb
02がほぼ等量で互いに反対符号となっていることから
も、本実施形態の誤差dφb0、すなわち初期位相差φ
01及び初期位相差φb02とを平均してなる平均初期位
相差φb0における誤差がほぼ相殺されることが分か
る。図7は、以上のシミュレーションを、非線形率εを
各種に変化させつつ複数回行ったときの結果を示す図で
ある。
【0051】図7には、各非線形率ε(0〜5%)の下
で発生した誤差dφb0の変動量PVb0(ピークトゥー
バレー、一般に「PV」と表される。)がプロットされ
ている。横軸が非線形率ε、縦軸が誤差の変動量PVb
0である。なお、図7には、比較のため、従来の誤差d
φb01の変動量PVb01についても同時に示した。
【0052】非線形率εが大きくなるにつれて、本実施
形態の誤差の変動量PVb0と従来の誤差の変動量PV
01とは共に大きくなるが、本実施形態の方が従来より
も大幅に小さく抑えられていることが分かる。そして、
非線形率εが大きくなるにつれて本実施形態と従来との
差は大きくなり、非線形率εが5%のときには、従来の
誤差の変動量PVb01は5/1000[λ]という大き
い値であるのに対し、本実施形態の誤差の変動量PVb
0は、その1/50程度に抑えられている。
【0053】つまり、非線形率εが大きくなるにつれ
て、本実施形態の誤差低減の効果が高くなることも分か
る。 <第3実施形態>次に、図1、図8、図9に基づいて本
発明の第3実施形態を説明する。ここでは、第1実施形
態との相違点についてのみ説明する。
【0054】本実施形態は、第1実施形態と同様4バケ
ット法に平均化処理を組み合わせたものであるが、平均
化の対象である初期位相差φa0の個数が2倍(4個)
に増えている点において、第1実施形態と異なる。本実
施形態の干渉測定装置30は、図1に示す干渉測定装置
10において、制御回路18に代えて制御回路38が備
えられ、演算回路19に代えて演算回路39が備えられ
たものに等しい。
【0055】制御回路38は、図8に示すように、撮像
素子76から7つの蓄積データB0、B1、B2、B3、B
4、B5、B6が出力される期間7Tc中に、移動機構77
に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて位相差φ
(t)を7π/2だけ略均等に変化させる。このとき、
移動機構77に与えられる駆動電圧は、従来と同様に線
形的に変化するが、上記したように移動機構77の応答
特性は正確な線形ではないので、位相差φ(t)の変化
速度は、一定に保たれるとは限らない。すなわち、本実
施形態の干渉測定装置30においてフリンジスキャンの
非線形性は許容されており、干渉縞の濃淡の変化パター
ンは、非正弦カーブを描く可能性がある。
【0056】また、制御回路38は、演算回路39に対
し少なくとも前記7つの蓄積データB0、B1、B2
3、B4、B5、B6を与える。なお、この演算回路39
は、従来の演算回路79や第1実施形態の演算回路19
や第2実施形態の演算回路29を一部変更するだけで実
現される。また、演算回路39は、干渉測定装置30の
外部に備えられていてもよい。また、演算回路39に代
えて、演算回路39と同じ動作をするコンピュータが利
用されてもよい。
【0057】図9は、本実施形態の演算回路39による
演算を説明する図である。本実施形態では、前記取得さ
れた7つの蓄積データB0,B1,B2,B3,B4,B5
6のうち、異なるタイミングで取得された4組の蓄積
データ群(B0,B1,B2,B3)、(B1,B2,B3
4)(B2,B3,B4,B5)、(B3,B 4,B5
6)のそれぞれに基づいて、4つの初期位相差φ0が求
められる(求められた2つの初期位相差φ0を、それぞ
れφa01、φa02、φa03、φa04とおく。)。
【0058】なお、これらの初期位相差φa01、φ
02、φa03、φa04を求めるに当たり使用される式
は、第1実施形態と同様、4バケット法の式(8a)で
ある。すなわち、上式(9)、(10)、及び下式(1
7)、(18)により、初期位相差φa01、φa02、φ
03、φa04が求められる。
【数17】
【数18】 さらに、本実施形態でも、互いに異なる組み合わせの蓄
積データ群から求められたこれらの初期位相差φa01
φa02、φa03、φa04に基づいて、その誤差が低減さ
れる。
【0059】この際、演算回路39は、これら初期位相
差φa01、φa02、φa03、φa04を式(19)により
平均化して平均初期位相差φa0’を得る。
【数19】 本実施形態における平均化の意味は、次のとおりであ
る。
【0060】先ず、初期位相差φa01と初期位相差φa
02とに重畳している誤差を両者の平均によって低減する
と共に、初期位相差φa03と初期位相差φa04とに重畳
している誤差を両者の平均により低減する。ここで、初
期位相差φa01と初期位相差φa02との平均値と、初期
位相差φa 03と初期位相差φa04との平均値とにも、ま
だなお誤差が残存している。
【0061】よって、これら2つの平均値をさらに平均
化すれば、その残存した誤差をも低減することができ
る。したがって、4つの初期位相差φa01、φa02、φ
03、φa04を平均化するのは、第1実施形態で求めた
平均初期位相差φa0よりも、さらに誤差を低減するた
めである。
【0062】以上、本実施形態では、第1実施形態と比
較すると、2倍の組み合わせの蓄積データ群(4組)を
必要とするので、処理時間は多少長くなるが、誤差低減
の効果は高い。 <第4実施形態>次に、図1、図10、図11に基づい
て本発明の第4実施形態を説明する。ここでは、上記各
実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0063】本実施形態の干渉測定装置40と第2実施
形態の干渉測定装置20との関係は、第3実施形態の干
渉測定装置30と第1実施形態の干渉測定装置10との
関係と同じである。すなわち、干渉測定装置40は、5
バケット法に平均化処理を組み合わせ、かつ、平均化の
対象である初期位相差φa0の個数が4に増えたもので
ある。
【0064】制御回路48は、図10に示すように、撮
像素子76から8つの蓄積データB 0、B1、B2、B3
4、B5、B6、B7が出力される期間8Tc中に、移動
機構77に与える駆動電圧を時間に応じて変化させて位
相差φ(t)を4πだけ略均等に変化させる。
【0065】このとき、移動機構77に与えられる駆動
電圧は、従来と同様に線形的に変化するが、上記したよ
うに移動機構77の応答特性は正確な線形ではないの
で、位相差φ(t)の変化速度は、一定に保たれるとは
限らない。すなわち、本実施形態の干渉測定装置40に
おいてフリンジスキャンの非線形性は許容されており、
干渉縞の濃淡の変化パターンは、非正弦カーブを描く可
能性がある。
【0066】また、制御回路48は、演算回路49に対
し少なくとも前記8つの蓄積データB0、B1、B2
3、B4、B5、B6、B7を与える。なお、この演算回
路49は、従来の演算回路79、第1実施形態の演算回
路19、第2実施形態の演算回路29、第3実施形態の
演算回路39の何れかを一部変更するだけで実現され
る。
【0067】また、演算回路49は、干渉測定装置40
の外部に備えられていてもよい。また、演算回路49に
代えて、演算回路49と同じ動作をするコンピュータが
利用されてもよい。図11は、本実施形態の演算回路4
9による演算を説明する図である。本実施形態では、前
記取得された8つの蓄積データB0,B1,B2,B3,B
4,B5、B6、B7のうち、異なるタイミングで取得され
た4組の蓄積データ群(B0,B1,B2,B3,B4)、
(B1,B2,B3,B4,B5)(B2,B3,B4,B5
6)、(B3,B4,B5,B6,B7)のそれぞれに基づ
いて、4つの初期位相差φ0が求められる(求められた
2つの初期位相差φ0を、それぞれφb01、φb02、φ
03、φb04とおく。)。
【0068】なお、これらの初期位相差φb01、φ
02、φb03、φb04を求めるに当たり使用される式
は、第2実施形態と同様、5バケット法の式(8b)で
ある。すなわち、上式(12)、(13)、及び下式
(20)、(21)により、初期位相差φb01、φ
02、φb03、φb04が求められる。
【数20】
【数21】 さらに、本実施形態でも、互いに異なる組み合わせの蓄
積データ群から求められたこれらの初期位相差φb01
φb02、φb03、φb04に基づいて、その誤差が低減さ
れる。この際、演算回路49は、これら初期位相差φb
01、φb02、φb03、φb04を式(22)により平均化
して平均初期位相差φb0’を得る。
【数22】 第3実施形態のところで説明したのと同様に、4つの初
期位相差φb01、φb 02、φb03、φb04を平均化して
なる平均初期位相差φb0’は、第2実施形態で求めた
平均初期位相差φb0よりも、さらに誤差が低減され
る。以上、本実施形態では、第2実施形態と比較する
と、2倍の組み合わせの蓄積データ群(4組)を必要と
するので、処理時間は多少長くなるが、誤差低減の効果
は高い。
【0069】<第1実施形態、第2実施形態、第3実施
形態、第4実施形態の補足>なお、上記各実施形態で
は、位相情報(初期位相差)を得るに当たり、4バケッ
ト法(第1実施形態、第3実施形態)、又は5バケット
法(第2実施形態、第4実施形態)が適用されている
が、式(4)から導かれるのであれば他の手法(4又は
5以外の個数の蓄積データに基づく他の手法)が適用さ
れてもよい。但し、平均化の対象は、互いに同じ手法に
より得られた複数個の位相情報(初期位相差)とされ
る。
【0070】また、上記第1実施形態及び第2実施形態
では2組の蓄積データ群、第3実施形態及び第4実施形
態では4組の蓄積データ群がそれぞれ使用されている
が、2組又は4組以外にも、2n組の蓄積データ群を使
用すれば、同様にして誤差を低減することができる。但
し、誤差低減の程度が同じもの同士で比較すると、2組
又は4組とすることが、必要なデータ数が少ないために
効率的である。
【0071】また、上記各実施形態では、1/4波長分
ずつずれたタイミングで生成された複数組の蓄積データ
群が使用されており、かつ、誤差成分を低減するための
演算が平均化処理とされているが、そのずれ量を1/4
波長分以外に設定して、誤差成分を低減するための演算
をそれに応じた演算に代えることもできる。但し、演算
の簡単さの点からみると、上記各実施形態で説明したも
のが最も有利である。
【0072】<第5実施形態>次に、図12に基づいて
本発明の第5実施形態を説明する。図12は、本実施形
態に係る投影露光装置の概略構成図である。この投影露
光装置に搭載された投影光学系600は、その製造時
に、上記各実施形態に係る何れかの干渉測定装置を用い
てその面形状が測定され、その測定結果に応じて加工
(又は調整)された高精度な投影レンズである。
【0073】この投影露光装置は、少なくともウェハス
テージ401と、光を供給するための光源部200と、
投影光学系600とを含む。ここで、ウェハステージ4
01は、感光剤を塗布した基板(ウェハ)Wを表面40
1a上に置くことができる。また、ステージ制御系40
0は、ウェハステージ401の位置を制御する。投影光
学系600は、上述のように上記各実施形態に係る干渉
測定装置を用いて製造された高精度投影レンズである。
また投影光学系600は、レチクル(マスク)Rが配置
された物体面P1と、ウェハWの表面と一致させた像面
P2との間に配置される。さらに投影光学系600は、
スキャンタイプの投影露光装置に応用されるアライメン
ト光学系を有する。
【0074】さらに照明光学系201は、レチクルRと
ウェハWとの間の相対位置を調節するためのアライメン
ト光学系210を含む。レチクルRは、該レチクルRの
パターンのイメージをウェハW上に投影するためのもの
であり、ウェハステージ401の表面401aに対して
平行移動が可能であるレチクルステージ301上に配置
される。そしてレチクル交換系300は、レチクルステ
ージ301上にセットされたレチクルRを交換し運搬す
る。またレチクル交換系300は、ウェハステージ40
1の表面401aに対し、レチクルステージ301を平
行移動させるためのステージドライバー(不図示)を含
む。
【0075】また、主制御部500は位置合わせから露
光までの一連の処理に関する制御を行う。以上の構成に
より、高精度投影レンズを搭載した投影露光装置を実現
することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フリンジスキャンの非線形性に起因する誤差を簡便に補
償することのできる干渉測定方法及び干渉測定装置が実
現する。
【0077】また、本発明によれば、高精度に投影レン
ズを製造することのできる投影レンズの製造方法、及び
高性能な投影露光装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、
第4実施形態の干渉測定装置の構成図である。
【図2】第1実施形態の制御回路18の動作を説明する
図である。
【図3】第1実施形態の演算回路19による演算を説明
する図である。
【図4】第2実施形態の制御回路28の動作を説明する
図である。
【図5】第2実施形態の演算回路29による演算を説明
する図である。
【図6】第2実施形態の干渉測定をシミュレーションし
た結果を示す図である。
【図7】シミュレーションを、非線形率εを各種に変化
させつつ複数回行ったときの各誤差d(φb0)を示す
図である。
【図8】第3実施形態の制御回路38の動作を説明する
図である。
【図9】第3実施形態の演算回路39による演算を説明
する図である。
【図10】第4実施形態の制御回路48の動作を説明す
る図である。
【図11】第4実施形態の演算回路49による演算を説
明する図である。
【図12】第5実施形態に係る投影露光装置の概略構成
図である。
【図13】被検面72aの面形状を測定するための干渉
測定装置70の構成図である。
【図14】干渉測定装置70の動作を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10、20、30、40 干渉測定装置 18、28、38、48、78 制御回路 19、39、39、49、79 演算回路 71 光源 72 被検物 73 フィゾーレンズ 73a フィゾー面(参照面) 72a 被検面 75 干渉計 74a ビームエキスパンダ 74b ビームスプリッタ 74c 光束径変換光学系 76 撮像素子 77 移動機構 200 光源部 201 照明光学系 210 アライメント光学系 300 レチクル交換系 301 レチクルステージ R レチクル P1 物体面 P2 像面 600 投影光学系 400 ステージ制御系 401 ウェハステージ 401a ウェハステージの表面 W 基板(ウェハ) 500 主制御部
フロントページの続き Fターム(参考) 2F064 AA09 BB04 EE02 EE05 GG38 GG47 HH03 HH08 2F065 BB05 BB22 CC22 FF51 JJ03 JJ26 LL10 LL35 2G086 FF01 5F046 BA03 CB12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 参照光と被検光とが成す干渉光を所定時
    間蓄積して蓄積データを生成する検出部と、それら参照
    光と被検光との位相差を時間に応じて変化させる縞走査
    機構とを備えた干渉計を使用し、 前記位相差の変化期間中に所定パターンで生成された所
    定個数の蓄積データからなる蓄積データ群を、前記干渉
    計から複数組み取り込む取り込み手順と、 前記変化期間中の所定時における位相差を示す位相情報
    を、前記取り込まれた複数組の蓄積データ群のそれぞれ
    に基づいて複数個取得すると共に、取得した複数個の位
    相情報に基づいてそれら位相情報に重畳されている誤差
    成分を低減する位相差取得手順とを有することを特徴と
    する干渉測定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の干渉測定方法におい
    て、 前記蓄積データ群は、 互いに連続して生成された所定個数の蓄積データからな
    ることを特徴とする干渉測定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の干渉測定
    方法において、 前記複数組の蓄積データ群は、 互いに1/4波長分ずれたタイミングで生成された2組
    の蓄積データ群からなることを特徴とする干渉測定方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載
    の干渉測定方法において、 前記複数組の蓄積データ群は、 互いに1/4波長分ずつずれたタイミングで生成された
    4組の蓄積データ群からなることを特徴とする干渉測定
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の干渉測定
    方法において、 前記誤差成分の低減は、 前記複数個の位相情報を平均化することによって行われ
    ることを特徴とする干渉測定方法。
  6. 【請求項6】 参照光と被検光とが成す干渉光を所定時
    間蓄積して蓄積データを生成する検出部、及びそれら参
    照光と前記被検光との位相差を時間に応じて変化させる
    縞走査機構を備えた干渉計と、 前記干渉計から前記蓄積データを取り込むと共にその蓄
    積データに対し演算を施す制御部とを備え、 前記制御部は、 前記位相差の変化期間中に所定パターンで生成された所
    定個数の蓄積データからなる蓄積データ群を、前記干渉
    計から複数組み取り込む取り込み手順と、 前記変化期間中の所定時における位相差を示す位相情報
    を、前記取り込まれた複数組の蓄積データ群のそれぞれ
    に基づいて複数個取得すると共に、取得した複数個の位
    相情報に基づいてそれら位相情報に重畳されている誤差
    成分を低減する位相差取得手順とを実行することを特徴
    とする干渉測定装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の干渉測定装置におい
    て、 前記蓄積データ群は、 互いに連続して生成された所定個数の蓄積データからな
    ることを特徴とする干渉測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は請求項7に記載の干渉測定
    装置において、 前記複数組の蓄積データ群は、 互いに1/4波長分ずれたタイミングで生成された2組
    の蓄積データ群からなることを特徴とする干渉測定装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項6〜請求項8の何れか一項に記載
    の干渉測定装置において、 前記複数組の蓄積データ群は、 互いに1/4波長分ずつずれたタイミングで生成された
    4組の蓄積データ群からなることを特徴とする干渉測定
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載の干渉測
    定装置において、 前記誤差成分の低減は、 前記複数個の位相情報を平均化することによって行われ
    ることを特徴とする干渉測定装置。
  11. 【請求項11】 投影レンズの少なくとも1つの面の形
    状を請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の干渉測定
    方法により測定する手順を有したことを特徴とする投影
    レンズの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の投影レンズの製造
    方法により製造された投影レンズを備えたことを特徴と
    する投影露光装置。
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JP2001387726A Pending JP2003185408A (ja) 2001-12-20 2001-12-20 干渉測定方法及び干渉測定装置、並びに投影レンズの製造方法及び投影露光装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006343287A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Yokogawa Electric Corp 光学特性測定装置
JP2019196975A (ja) * 2018-05-09 2019-11-14 パナソニックIpマネジメント株式会社 収差測定方法および収差測定装置

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