JP2003184575A - バイオマス発電設備 - Google Patents

バイオマス発電設備

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイオマス発電設備は、腐食性の高いガス環
境のもとで使用されるため、機器が短期間に腐食する惧
れを有している。 【解決手段】 発電設備を構成するマイクロガスタービ
ン，排熱温水ボイラーおよびガス圧縮機をコンテナの中
に収納し、このコンテナに給気消音ダクト，換気消音ダ
クトおよび入出口用扉を設けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイオマス発電設
備に係わり、特にメタンガスを燃料とするマイクロガス
タービン発電機を備えた発電設備に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】マイクロガスタービン発電設備は、小形
分散電源として優れた特長を有することから、スーパー
やホテル，レストラン等を含む各施設に使用されてい
る。マイクロガスタービン発電設備は、基本的にはマイ
クロガスタービンと発電機とを一体的に構成したマイク
ロガスタービン本体を一つのパッケージ内に収納し、こ
のパッケージとパッケージの外側に配置した廃熱ボイラ
やトランス等を更に一体的に収納してパッケージ化され
ている。
【０００３】一方、環境保全の目的によって、近年、家
畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律が
制定され、家畜から生じる糞尿等の処理方法が種々検討
されている。その一環として、牛舎や豚舎より排出され
た廃液や廃棄物をメタン発酵させ、そのメタンガスをマ
イクロガスタービンの燃料として電気を発生させること
が考えられている。
【０００４】図３はその概念図を示したもので、畜舎か
ら生じた糞尿等の廃棄物は、貯留槽を経た後に搾汁機３
０に供給されて搾汁され、搾汁液と固形物に分離され
る。固形物は発酵槽３２に送られて堆肥化されて利用さ
れるが、搾汁液はメタン発酵槽３１に導入されて嫌気性
菌による処理が施される。ここで発生したメタンガス
は、脱硫装置３３によって硫化水素Ｈ2Ｓが除去されて
ガスホルダー３４に一旦は貯蔵される。貯蔵されたメタ
ンガスは、マイクロガスタービン３５の燃料として供給
されてタービンを駆動し、発電機を回動させることによ
って電力を得ると共に、温水を得る。温水はメタン発酵
槽３１に配設された配管に送られて発酵槽を加温し、メ
タンガスがより有効に発生するよう発酵槽の温度を所定
に維持する。なお、図３ではメタン発酵槽３１には搾汁
液のみを供給するようにしているが、一定比率で固形物
を投入する場合もある。
【０００５】マイクロガスタービンは熱電併給システム
となっており、発電機で電力供給を行うと同時に、シス
テムから発生した熱を利用する構成となっており、その
熱利用の一つは前述した発酵槽の加温であり、他の一つ
としてマイクロガスタービンから発生した熱風を堆肥発
酵槽３２に送風して固形物の乾燥用に利用する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】図３で示すように構築
されたシステムにおいては、そこに使用される発電装置
等の機器は腐食性の高いガス環境（雰囲気）の下での使
用となるため、腐食から保護する必要がある。なお、一
般に、腐食防止のためにシステム全体を建屋又は筺体で
覆うことが考えられるが、その場合、販売量の不透明性
と製造費の高騰を考慮しなければならず、特に図３のよ
うな多目的システムの場合には、個別機器の有効配置
や、熱循環，吸排気等を十分に考慮する必要がある。
【０００７】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは耐腐食性、車載等による移
動を可能としたバイオマス発電設備を提供することにあ
る。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明の第１は、畜舎よ
りの廃棄物をメタン発酵槽に導入してメタンガスを生成
し、このメタンガスをマイクロガスタービンの燃料とし
て発電する発電設備において、前記発電設備を収納する
筺体としてコンテナを設け、このコンテナの外部よりガ
ス入力管を介してメタンガスを導入して圧縮するガス圧
縮機と、このガス圧縮機により圧縮されたガスを燃料と
するマイクロガスタービンと、このマイクロガスタービ
ンよりの排熱を導入して温水を得る排熱温水ボイラーと
を前記コンテナに収納すると共に、コンテナの外部に排
気消音器を設け、この排気消音器と前記排熱温水ボイラ
ー間をコンテナを貫通した排気管で連結し、且つ、前記
コンテナに入出口用扉と給気消音ダクト及び換気消音ダ
クトを設けたことを特徴としたものである。 本発明の
第２は、前記給気ダクトの空気送風部位は、前記マイク
ロガスタービンの近傍に位置させたものである。
【０００９】本発明の第３は、前記コンテナは、中古製
品であることを特徴としたものである。
【００１０】本発明の第４は、前記コンテナ内での機器
配置は、前記入出口用扉より奥に向かってマイクロガス
タービン，排熱温水ボイラー，ガス圧縮機の順で配設し
たものである。
【００１１】本発明の第５は、前記換気ダクトは、反入
出口用扉側に設けたことを特徴としたものである。
【００１２】本発明の第６は、前記排熱温水ボイラーに
温水出口管と温水入口管を設け、各管を前記コンテナを
貫通して外部に導出し、前記メタン発酵槽の加温用配管
と連接されることを特徴としたものである。
【００１３】本発明の第７は、前記排気消音器よりの排
気を、前記固形物の乾燥用に導出したことを特徴とした
ものである。
【００１４】本発明の第８は、前記排熱温水ボイラーの
排気入出口の各排気管に、それぞれ伸縮継ぎ手を介在さ
せたことを特徴としたものである。
【００１５】本発明の第９は、前記ガス圧縮機のメタン
ガス入出口に、それぞれ伸縮自在の振動防止管を介在さ
せたことを特徴としたものである。
【００１６】本発明の第１０は、前記コンテナの床面に
防振ゴムを敷設し、この防振ゴム上に発電設備の機器を
設置したことを特徴としたものである。
【００１７】本発明の第１１は、前記コンテナの少なく
とも内側面に鉄板若しくは耐熱性部材を施したことを特
徴としたものである。
【００１８】
【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態を示す
配置図である。１は筺体で、この筺体１は列車や船舶用
等のコンテナが使用され、特にその中古品を使用した場
合にはコストの面等において有利となる。２はマイクロ
ガスタービンで、タービン，圧縮機，発電機等を備えて
いる。３は排熱温水ボイラー、４はガス圧縮機で、ガス
入口管５を通してガスホルダーよりメタンガスが供給さ
れる。ガス圧縮機４によって圧縮されたガスは配管６，
燃焼キット７を通ってタービン燃焼室に送られる。な
お、燃焼キット７は安全装置で、マイクロガスタービン
２に異常が発生したとき可燃性であるメタンガスを外部
に放出するためのものである。
【００１９】マイクロガスタービン２からの排ガスは、
排気管８，伸縮継ぎ手９を通って排熱温水ボイラー３に
送られる。１０は温水出口管で、この温水出口管１０は
図３で示すメタン発酵槽の配管と連結されており、温水
出口管１０よりの温水は、メタン発酵槽の温度を所定温
度に加温しながら温度入口管１１を通して排熱温水ボイ
ラー３に戻される。１２は安全逃し弁で、ボイラーから
の水温が一定値以上（例えば９０℃）となったときに温
水出口管１１に水を供給する。１３は筺体の上部に載置
された排気消音器で、伸縮継ぎ手９，配管１４を介して
排熱温水ボイラー３と連設されている。１５は排気管
で、この排気管１５は堆肥発酵槽と連設される。１６は
フレキシブル材よりなる振動防止管で、熱による配管の
収縮やマイクロガスタービンからの振動緩和のために用
いられている。
【００２０】図２は具体的な機器配置の構成図を示した
ものである。筺体１としてコンテナが使用され、望まし
くはコンテナの中古品が使用される。コンテナは、その
密閉性を考慮すると、腐食性の高いガス環境下におかれ
てもシステム製品を保護することができる。また、コン
テナの場合、その内部に収納すると、汎用トラックを改
造することなく車載が可能で簡単に移動することがで
き、しかも、収納機器の中にはマイクロガスタービンや
ガス圧縮機等の音発生源が含まれるが、コンテナの密閉
性を利用することにより、実験によると３０ｋＷ程度の
発電設備で、通常８０ｄＢ程度の騒音であったものが、
６５ｄＢに改善された。
【００２１】筺体１としてコンテナが使用されるが、こ
のコンテナ１の外表面は鉄板で構成されているが、その
内部は輸送製品保護のために一般には木製になっている
場合が多い。したがって、補強材１７によって補強する
と共に、内部表面を鉄板１９や耐熱性コーテイング等を
貼付することによって、火災等の面での安全性が考慮さ
れている。２０はＨ型鋼等よりなる架台、１８は出入口
用の扉、２２は給気フードで、（Ｃ）図で示すようにコ
ンテナ１の側面に取り付けられ、このフードより吸い込
まれた空気は、給気消音ダクト２３を通ってコンテナ１
内の下部位置にまで案内される。給気消音ダクト２３に
は吸気換気扇が取り付けられており、このダクト２３に
おける空気出口近辺にはマイクロガスタービン２が配設
されている。したがって、マイクロガスタービン２に
は、矢印で示す流路を経て空気が供給されるので、発電
機周りが冷却されると共に、圧縮機への空気の流入性を
向上している。
【００２２】コンテナ１の略中心位置には排熱温水ボイ
ラー３と発電機の出力トランス２４が配設されており、
マイクロガスタービン２と排熱温水ボイラー３とを結ぶ
排気管８は、室内の上部側に配設される。また、この室
内上部には換気扇２５を内設した換気消音ダクト２６が
配設され、その一方側はコンテナ外部に設けられた換気
フード２７に連設されている。換気フード２７をコンテ
ナ１の背面側に設置したことにより、コンテナ内の換気
性が向上し、排熱温水ボイラーやマイクロガスタービン
からの熱放出を効率よく放出できる。ガス圧縮機４は換
気消音ダクト２６の下部位置に配設されている。２８は
マイクロガスタービンの配電盤である。なお、ガス入口
管５，温水出口管１０や温水入口管１１等を介して外部
との接続位置は、コンテナ１の背面（図ａの左側面）に
集中して行うことによって作業性を考慮している。２９
は防振ゴムでコンテナ内に配設された機器の振動を吸収
させる。
【００２３】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、バイオ
マス発電設備の筺体として頑丈で、密閉性に優れている
コンテナを使用したものであるから、腐食性のガス環境
より発電設備の各機器を保護すると共に、機器よりの騒
音を大幅に低減することができ、且つ、車載が可能とな
ることから工場において組み立てを完了させ、現地では
配管等のわずかな部分の接続作業のみでよくなり、その
作業性が向上するものである。また、コンテナは比較的
安価であり、しかも、中古製品を使用した場合には、ま
すますその効果が大となる。また、機器の配置を図２の
ようにすることにより、コンテナ内部の熱を効率よく換
気することができ、更には、防振ゴムや伸縮継ぎ手，振
動防止管を要所に介在させることによって振動にも対応
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を示す配置図。
【図２】本発明の具体的な構成図で、（ａ）は平面図、
（ｂ）はＡ−Ａ断面図、（ｃ）はＢ−Ｂ断面図。
【図３】バイオマス発電設備のシステム図。
【符号の説明】
１…筺体（コンテナ） ２…マイクロガスタービン ３…排熱温水ボイラー ４…ガス圧縮機 ５…ガス入口管 ６…配管 ７…燃料キット ８，１４，１５…排気管 ９…伸縮継ぎ手 １０…温水出口管 １１…温水入口管 １２…安全逃し弁 １３…排気消音器 １６…振動防止管 １８…入出口用扉 ２２…給気フード ２３…給気消音ダクト ２６…換気消音ダクト ２７…換気フード ２９…防振ゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ０１Ｄ 25/24 Ｆ０１Ｄ 25/24 Ｔ 25/30 25/30 Ｄ Ｆ０１Ｋ 13/00 Ｆ０１Ｋ 13/00 Ｓ Ｆ０２Ｃ 3/22 Ｆ０２Ｃ 3/22 3/28 3/28 6/00 6/00 Ｚ 6/18 6/18 Ａ 7/00 7/00 Ｂ Ｅ 7/045 7/045 7/22 7/22 Ｂ Ｆ０２Ｇ 5/02 Ｆ０２Ｇ 5/02 Ａ 5/04 5/04 Ｈ (72)発明者 加賀美 仁 東京都品川区大崎２丁目１番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 高橋 出 東京都品川区大崎２丁目１番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 倉元 政道 東京都品川区大崎２丁目１番17号 株式会 社明電舎内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 畜舎よりの廃棄物をメタン発酵槽に導入
    してメタンガスを生成し、このメタンガスをマイクロガ
    スタービンの燃料として発電する発電設備において、前
    記発電設備を収納する筺体としてコンテナを設け、この
    コンテナの外部よりガス入力管を介してメタンガスを導
    入して圧縮するガス圧縮機と、このガス圧縮機により圧
    縮されたガスを燃料とするマイクロガスタービンと、こ
    のマイクロガスタービンよりの排熱を導入して温水を得
    る排熱温水ボイラーとを前記コンテナに収納すると共
    に、コンテナの外部に排気消音器を設け、この排気消音
    器と前記排熱温水ボイラー間をコンテナを貫通した排気
    管で連結し、且つ、前記コンテナに入出口用扉と給気消
    音ダクトおよび換気消音ダクトを設けたことを特徴とし
    たバイオマス発電設備。
  2. 【請求項２】 前記給気ダクトの空気送風部位は、前記
    マイクロガスタービンの近傍に位置させたことを特徴と
    した請求項１記載のバイオマス発電設備。
  3. 【請求項３】 前記コンテナは、中古製品であることを
    特徴としたバイオマス発電設備。
  4. 【請求項４】 前記コンテナ内での機器配置は、前記入
    出口用扉より奥に向かってマイクロガスタービン，排熱
    温水ボイラー，ガス圧縮機の順で配設したことを特徴と
    した請求項１乃至３記載のバイオマス発電設備。
  5. 【請求項５】 前記換気ダクトは、反入出口用扉側に設
    けたことを特徴とした請求項１乃至４記載のバイオマス
    発電設備。
  6. 【請求項６】 前記排熱温水ボイラーに温水出口管と温
    水入口管を設け、各管を前記コンテナを貫通して外部に
    導出し、前記メタン発酵槽の加温用配管と連接されるこ
    とを特徴とした請求項１乃至５記載のバイオマス発電設
    備。
  7. 【請求項７】 前記排気消音器よりの排気を、前記固形
    物の乾燥用に導出したことを特徴とした請求項１乃至６
    バイオマス発電設備。
  8. 【請求項８】 前記排熱温水ボイラーの排気入出口の各
    排気管に、それぞれ伸縮継ぎ手を介在させたことを特徴
    とした請求項１乃至７記載のバイオマス発電設備。
  9. 【請求項９】 前記ガス圧縮機のメタンガス入出口に、
    それぞれ伸縮自在の振動防止管を介在させたことを特徴
    とした請求項１乃至８記載のバイオマス発電設備。
  10. 【請求項１０】 前記コンテナの床面に防振ゴムを敷設
    し、この防振ゴム上に発電設備の機器を設置したことを
    特徴とした請求項１乃至９記載のバイオマス発電設備。
  11. 【請求項１１】 前記コンテナの少なくとも内側面に鉄
    板若しくは耐熱性部材を施したことを特徴とした請求項
    １乃至１０記載のバイオマス発電設備。
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