JP2003182249A - 感熱記録材料 - Google Patents
感熱記録材料Info
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Abstract
性を有し、特に、取扱い性と捺印適性に優れた感熱記録
材料の提供。 【解決手段】 支持体上に、電子供与性無色染料と、
電子受容性化合物とを含む感熱記録層を有する感熱記録
材料において、前記電子受容性化合物が、R1−Ph−
SO2R2で表される化合物を含有し、前記保護層には平
均粒径が0.1〜1.2μmの無機顔料と水溶製高分子
を含有し、かつ保護層面の中心線平均粗さRa75が
2.0μm以下であることを特徴とする感熱記録材料で
ある。
Description
し、詳しくは、ヘッド摩耗等の装置耐久性の低下のない
優れた装置適性を備え、かつ記録媒体としての印画適
性、安定性を有すると共に、印刷適性、環境適性等にも
適応し、特に捺印適性が高く普通紙ライクな記録媒体と
して有用な感熱記録材料に関する。
年代にNCR社で無色のロイコ染料とフェノール系の酸
性物質とを用いた染料系の感熱紙が開発され、この系が
現在の感熱記録方式の主流となっている。その後、半
導体技術を背景にサーマルヘッドが開発され、コスト・
性能面で著しく改良が施されたことで、装置の小型化、
低価格化が可能となったこと、これに付随して、感熱
紙(感熱記録材料)自体の高品質化(高感度化、ヘッド
マッチング性の向上等)が実現されたこと、そして、
感熱記録方式が、静電記録、インクジェット記録、PP
C記録等の各記録方式と比較して、利便性、即ち簡便
性、低価格、メンテナンスフリー等の点で有利であると
評価されたことによって、感熱紙(以下、「感熱記録材
料」という。)の需要は飛躍的に成長した。
からFAXや各種プリンタ等に利用され、日常生活に身
近になるにつれて、感熱記録材料の欠点もよく知られる
ようになった。即ち、例えば、 ・光により変色する、 ・高温下で保存(自動車内での放置など)すると変色す
る、 ・化学薬品(ラップフィルム内の可塑剤、油脂類、マー
カーペン中の有機溶剤、インクジェットプリンタ用イン
ク等)により記録像が褪色する、 ・普通紙ライク感(スタンプ等の乾きが良好で滲まない
等の捺印適性が良好なこと、記録面がマット調で読みや
すいこと、鉛筆等の筆記性が良好なこと、擦れ汚れの生
じ難いこと、等;以下、同様である。)がない、等が指
摘されるようになった。 したがって、従来の感熱記録材料における前記欠点を解
消し、付加価値を高めた感熱記録材料の開発、提供が求
められていた。
であり、しかもその記録機器がコンパクトでメンテナン
スフリーであるため広範囲に渡って使用されている。こ
のような状況のもと、最近では感熱記録材料の販売競争
が激化し、従来の機能とは差別化し得る更なる高機能
化、特に発色濃度や地肌白色性、鮮鋭性、保存時の安定
性、インクジェット方式等で記録したフルカラー画像に
対しては色相が良好で鮮やかであること、等が図られた
感熱記録材料に対する要求が高く、これらの要求に応え
るべく、感熱記録材料の発色性、保存性などの諸性能に
関する検討が鋭意行われている。
(1)高感度であること(高濃度が得られること)、(2)地
肌部(非画像部)の白色性が高いこと(地肌カブリが低
いこと)、(3)印画後の画像保存性に優れること、(4)耐
光性に優れること、(5)耐薬品性に優れること、(6)鮮鋭
で高画質であること、(7)インクジェット方式でフルカ
ラー画像を記録した場合の各色色相が良好で鮮やかであ
ること、(8) サーマルヘッドマッチング性がよく、サー
マルヘッド摩耗の少ない耐ヘッド適性を有すること、
(9)普通紙ライク感のあること、(10)感熱記録層上に印
刷可能な印刷適性を有すること、(11)高速プリンタ等の
高性能プリンタへの適用性、(12)環境適性を備えるこ
と、などが挙げられ、上述のような状況下においては、
いずれの性能も損なうことなく、これら諸性能の全てを
同時に満足することが求められる。しかしながら、これ
まで上記諸性能の全てを同時に満足し得る感熱記録材料
は、未だ提供されるまでに至っていないのが現状であ
る。
子供与性無色染料と反応して発色させる電子受容性化合
物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(いわゆる「ビスフェノールA」)が広く使用
されてきたが、この系では感度、地肌カブリ、画像保存
性の点で、未だ満足したものは得られていない。従来
(このような感熱記録材料に使用される電子供与性無色
染料に対する電子受容性化合物としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆる「ビス
フェノールA」)が広く使用されているが、画像保存
性、耐薬品性(特に耐可塑剤性)の点で未だ満足したも
のが得られていない。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発色
濃度が高く、地肌かぶりが少なく、画像部の保存性、画
像部および地肌部の耐薬品性・耐可塑剤性に優れ、イン
クジェット記録適性を備えたうえでかつ、取り扱い性
(耐擦過性)および捺印適性に感熱記録材料を提供する
ことにある。
材料が有すべき諸性能を高いレベルで同時に満足し得る
ための技術に関し、鋭意検討を重ねた結果、以下の知見
を得た。 〈高感度化〉高感度化には、下記(1)〜(3)の点が重要で
ある。即ち、第一に、(1)サーマルヘッドから感熱記録
層への熱伝達を向上することが重要であり、このために
は感熱記録材料の記録面の表面平滑性の向上、記録面へ
のクッション性の付与が有効である。第二に、(2)サー
マルヘッドから伝達される熱を有効利用することが重要
であり、このためには支持体断熱化、感熱記録層のスリ
ム化が有効である。第三に、(3)増感剤に対する、電子
供与性無色染料及び電子受容性化合物の溶解速度の向上
が重要であり、このためには溶解度の向上、溶融粘度の
低減、素材粒径の低減が有効である。以下、具体的に説
明する。
伝達向上 感熱記録層を一定濃度にまで発色させるには一定量の熱
量が必要であるので、感熱記録材料の高感度化には、サ
ーマルヘッドからの熱を如何に効率的に記録層に伝達さ
せるかが重要である。ここで、固体の熱伝導率は気体と
比較して桁外れに高く、輻射熱との対比でも伝導熱の方
がはるかに高い。そのため、印画時の感熱記録層の表面
(以下、「記録面」ということがある。)とサーマルヘ
ッドとの接触率を高めることが有効であり、これにより
サーマルヘッドからの熱を感熱記録層に効率的に伝達す
ることができる。記録面とサーマルヘッドとの接触率を
高めるには、感熱記録材料に要求される物性として、
予め記録面の平滑性を高めておく、感熱記録材料のク
ッション性を高める、こと等が特に有効となる。
平面性を向上することが有効である。具体的には、平面
性の高い原紙を用いることのほか、吸油性顔料を主成分
とする下塗り層を設け、パルプによる凹凸を埋めるこ
と、などが望ましい。また、感熱記録層を塗布、乾燥し
た後、熱カレンダーやスーパーカレンダー処理を施し
て、平滑性を高めることも有効である。また、感熱記
録材料のクッション性を高める(クッション性の付与)
が有効であるのは、以下の知見に基づく。即ち、サーマ
ルヘッドを用いて感熱記録材料に熱印画する場合、プラ
テンロールを用いて適度な圧力をかけるが、圧力をかけ
た状態でサーマルヘッドと記録面との接触率を高めるに
は、感熱記録材料が変形し易ければよい。したがって、
クッション性を付与する具体的な手段としては、吸油性
顔料を主成分とする下塗り層を設けたり、吸油度の高い
顔料(例えば非晶質シリカ)を感熱記録層に含有するこ
とが有効である。このクッション性付与の考え方は、部
分グレーズ構造を有するサーマルヘッドを用いて記録す
る場合の高感度化に対しても特に有効である。ここで、
部分グレーズ構造とは、発熱体部のグレーズ層の断面形
状が基板上に凸状(山形)に構成されているものをい
う。
効利用 サーマルヘッドから伝達された熱の有効利用を図るに
は、支持体の断熱性付与が有効であり、その具体的な手
段としては、支持体中にできるだけ空隙を設けることが
有効である。感熱記録材料における場合は、例えば、吸
油度の高い顔料を含む下塗り層を設け、該下塗り層に使
用するバインダ量を極力減らす、下塗り層に中空粒子を
含有させる、などが挙げられる。また、熱の有効利用の
ためには、感熱記録層のスリム化も有効である。感熱記
録層の熱容量が感度に寄与していると考えると、感熱記
録層には発色に寄与しない成分が多く含まれ、その熱容
量分が無駄に消費されている。該成分としては、サーマ
ルヘッドと記録層とのクッツキを抑制する離型剤やワッ
クス類、溶融成分を吸収する吸油性顔料、素材の分散及
び塗膜強度を付与するためのバインダ類、等が該当す
る。これらによる熱量消費は約20〜30%にも及ぶの
で、これらの使用量を半減することにより、約10〜1
5%の感度の向上が期待できる。
中の顔料、バインダの含有量を減らすことで感度を向上
させることができる。バインダ量を減らすことで予想以
上に感度を高められるので熱容量以外の寄与も考えられ
るが、原因は不明である。但し、バインダの含有量を単
純に減らすと、サーマルヘッドのヘッドマッチング性や
塗膜強度などが悪化するので、なるべく効率的な素材配
分、即ち、必要な成分を必要な層に最少量使用すること
が重要となる。
及び電子受容性化合物の溶解速度の向上 感熱記録材料に関する技術開発の初期段階では、増感剤
は、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物の融点降
下剤として、より低温で発色させる目的で選定されてき
た。しかし、この発想では発色開始温度を維持しながら
感度を高めるのには限界があり、地肌カブリと感度との
両立が困難であった。そこで、本発明者等は、増感剤を
電子供与性無色染料や電子受容性化合物を溶解させるた
めの素材と捉え、必要以上に共融点を低下させることな
く、即ち地肌カブリを低く維持したまま、高感度化を実
現する増感剤の検討を行った結果、融解した増感剤中
に、電子供与性無色染料や電子受容性化合物が早く拡散
する方が高感度化には有利であるとの知見を得た。即
ち、溶解度が高いだけでなく、溶融粘度の低い増感剤を
選択すること、電子供与性無色染料や電子受容性化合物
の分散粒径を小さくすること、が高感度化に有効であり
好ましい。尚、前記分散粒径はあまり小さくしすぎると
地肌カブリが悪化するため、適切な範囲とすることが重
要である。
ッド耐久性の付与〉感熱記録材料は、その記録面(感熱
記録層の表面)に発熱素子であるサーマルヘッドを直接
接触させ該表面を擦りながら印画(印字)される。その
ため、溶融した記録層中の成分がヘッドに付着し、汚れ
として堆積することがある。また、サーマルヘッド表面
を物理的に摩耗したり、あるいは腐食する等によりヘッ
ド自体の寿命を短くしてしまうこともある。したがっ
て、下記手段を適用することが望ましい。即ち、 1)ヘッド汚れを防ぐ観点では、熱により溶融した染
料、顕色剤、増感剤等の物質を材料側に吸収、保持させ
ることが重要であり、このためには、記録層に吸油性の
高い顔料を用いる、或いは、吸油性の高い顔料を用いた
下塗り層を設ける、ことが有効である。 2)また、記録材料を構成する成分中の、ヘッド腐食発
生の原因となり易いイオン(Na+、K+等)含量を抑制
することが重要である。 3)物理摩耗を極力軽減する観点では、顔料の硬度、形
状、粒子径等を考慮することが重要である。
リの両立〉発色画像は、感熱記録材料の発色原理である
ロイコ染料と顕色剤が熱溶融し接触することによって起
こる化学反応が可逆反応であるため、油脂類、可塑剤な
どの薬品によって逆反応が起こり消え易い。したがっ
て、ハンドクリームやその他化粧品類、又は油脂類の付
着した手で触ったり、可塑剤を含むプラスチック製品や
有機溶剤含有の製品、革製品(消しゴム、塩化ビニル製
の机上マットや食品包装フィルム、マーカーペン、イン
クジェット用インク、財布や定期券入れ、等)に接触し
た状態で置かれる日常生活の中で発色画像が消える等、
画像保存性及び耐薬品性の点で問題が生じ易い。
像の消失、褪色)を克服するために様々な検討が進めら
れ、例えば、記録層上に物理的な遮蔽の目的で保護層
を形成し、いわゆるオーバーコートタイプとする、記
録層に架橋性の添加剤を加える、等が行われてきた。し
かし、保護層を設けても油や可塑剤は徐々に浸透し時間
の経過とともに褪色が進むことは避けられず、結果的
に、スーパーマーケットで生鮮食品に貼られる計量ラベ
ルなど、使用が短期間な用途に限られてしまう、架橋性
物質を加えても発色からその効果が現れるまでに相当の
時間を必要とする、等の問題があり、保存性がないとい
う基本的性能を満足するには至っていなかった。
者等の検討の結果、特定の電子受容性化合物が画像保存
性の良化に有用である、地肌カブリをも両立し得る、ま
た、これに更に特定の増感剤や電子供与性無色染料を組
合せることで地肌カブリを更に良化できる、との知見を
得た。また、特定の画像安定剤を組合せることで、地肌
カブリをほとんど悪化させることなく、画像保存性、耐
光性を更に良化できるとの知見をも得た。これらの知見
によれば、オーバーコートに頼っていた従来の保存性付
与技術では困難な、画像保存性と共に捺印適性及び取扱
い性をも高いレベルで付与することも可能である。以上
により、捺印適性及び画像保存性を両立することができ
る。
に優れた感熱記録材料が要求されることがあるが、画像
を担うロイコ染料は紫外線などによって容易に分解し易
いことから、長時間自然光等に曝された場合にもやはり
褪色する等、耐光性の点で問題があった。耐光性を向上
させるには、光によるロイコ染料の分解を防止する手段
を付与することが重要である。このためには、特に高位
のエネルギーである紫外線を防止する紫外線吸収剤を感
熱記録層や保護層に配合することが有効であり、特に感
熱記録層に紫外線が到達する前に効率的に遮断する観点
から、液状の紫外線吸収剤をマイクロカプセルに包み込
んで保護層に含有することがより有効である。
録材料の記録面(感熱記録層の表面)にオフセット印刷
が施される場合がある。そのような用途に対しては、輪
転フォーム印刷機の100m/minを超える印刷速度
に耐える表面強度と、湿し水吸収性とを有することが必
要であり、感熱記録層中の顔料やバインダの配合割合を
最適化することが重要である。このためには、前記顔料
として炭酸カルシウム等の吸油性顔料が好ましく、前記
バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)、中
でも特にスルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン
変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビ
ニルアルコールが好ましい。
が、オフィスや家庭でのファクシミリ用や、各種プリン
タ用の記録紙として広く使用されるようになった結果、
身の回りにある用紙(PPC用紙やノート、レポート用
紙等の上質紙)との比較で違和感を感じる、即ち、表面
がツルツルしている、筆記性が悪い、薄く手で持った場
合にこしがない等の指摘が盛んになされるようになっ
た。これらは、オフィスでのファクシミリが最近普通紙
を使用するPPCタイプヘ移行している理由の一つにな
っている。この点からは、支持体である原紙を厚くし
てこしを強くする、保護層の付与により、低光沢な表
面性、筆記性、捺印適性を付与する、など手触り感や使
い易さを上質紙へ近づけることが重要である。
材料とは、従来の感熱紙が持つ加工紙としての欠点が解
消され、表面がマット調である、手触りのヌメリ感がな
い、擦れ汚れにくい、記録像が褪色し難い、などの性能
を具備するものと考えられ、これまで普通紙ライクにす
る目的で記録層上に保護層を設けたものが提案されてい
た。しかし、従来の保護層には手触り、外観(マット
調)、筆記性等に配慮しすぎるあまり、捺印適性につい
ては配慮がなされていなかった。しかしながら、わが国
の習慣を背景に、捺印適性(ニジミがない、スタンプ等
の乾きが良好)は特に重要であると考え、普通紙ライク
性のある感熱記録材料のための保護層の改良を検討し
た。
感を得るには、保護層の顔料、バインダとして下記のも
のが有用であるとの知見を得た。前記顔料としては、捺
印適性、外観(マット調)、筆記性を重視するため、適
度な粒径と吸油量を有するものが好ましい。前記粒径
が、大きすぎると画質が悪くなることがあり、小さすぎ
ると筆記性、外観が悪くなることがある。また、吸油量
が大きすぎると、保護層の不透明性が上がって記録濃度
が低下したり、吸油量が小さすぎると、捺印適性(乾
き)が悪くなる傾向がある。前記バインダーとしては、
捺印適性(ニジミ)を防止する目的で、PVAとデンプ
ンを適切な比率で混合してなるものが特に好ましい。前
記PVAとしては、捺印適性(乾き)を付与する観点か
ら、いわゆる完全ケン化型(ケン化度93%程度以上)
のものが好ましい。
ッチング性〉近年、多くの分野、用途で感熱記録材料が
採用されてきた背景には、小型化、低ランニングコス
ト、メンテナンスフリーといった感熱記録方式の利点が
あっただけでなく、プリンタ(ハード)と記録紙(メデ
ィア)の双方で技術の向上が図られてきたことがある。
前記ハード面では、例えば、記録スピードは毎秒10イ
ンチ(約25cm)、記録巾は最大A0サイズ(約90
0mm)、解像度は600dpi(24ドット/mm)
といったように、従来のドットプリンタやレーザープリ
ンタに劣らない高性能プリンタが出現し、したがって、
用途に合わせて各技術を組合せ、最適な設計と制御方法
とを備えるように構成することが重要である。
記録速度が10cm/秒以上の高速プリンタ、部分グレ
ーズ構造を有するサーマルヘッドを備えたプリンタなど
が好適に挙げられるが、これらと組合せた場合、記録速
度が10cm/秒以上の高速プリンタでは、従来の感熱
記録材料では感度が不足する場合があり、部分グレーズ
構造を有するサーマルヘッドを備えたプリンタでは、ヘ
ッド汚れが生じやすい傾向があった。
適化の検討を行った結果、特定の顕色剤(電子受容性化
合物)を選択使用すると、特に記録速度が10cm/秒
以上の高速プリンタ、部分グレーズ構造を有するサーマ
ルヘッドを備えたプリンタと組合せた場合でも、上述の
感熱記録材料に要求される性能を高いレベルで満たしな
がら、高感度化と良好なヘッドマッチング性を発揮し得
るとの知見を得た。
ード(装置)の中には、写真を受信する場合のファクシ
ミリ等のように、記録画質が重要な場合がある。記録画
質の良化については、吸油性顔料を主に含む下塗り層の
塗設、特に下塗り層をカーテン塗布法若しくはブレード
塗布法(特にブレード塗布法)により塗布形成すること
が、高画質化に有効であるとの知見を得た。
荷がより小さいシステムが社会的に要求され、感熱記録
材料の分野においても例外ではない。環境負荷の低減の
ためには、より少ない素材使用量、より少ないエネルギ
ー使用量で要求性能を満たすことが重要である。このた
めには、感熱記録層などをカーテン塗布法で塗設するこ
とが、発色濃度の向上の点で有効であり、しかも複数の
層を同時重層塗布とすることが、乾燥・ハンドリング時
のエネルギー消費を低減できる点で有効である、との知
見を得た。即ち、同じ発色濃度であれば、従来より少な
い素材使用量で低エネルギーにより得ることが可能とな
る。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであ
る。 <1> 支持体上に、少なくとも電子供与性無色染料
と、電子受容性化合物とを含む感熱発色層と1層以上の
保護層を有する感熱記録材料において、 前記感熱発色
層は、電子受容性化合物(顕色剤)として下記一般式
(1)で表される化合物を含有し、前記保護層には平均
粒径が0.1〜1.2μmの無機顔料と水溶製高分子を
含有し、かつ保護層面の中心線平均粗さRa75が2.
0μm以下であることを特徴とする感熱記録材料であ
る。
−NH−Ph、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−
Phを表し、R3は、アルキル基を表す。Phはフェニ
ル基を表し、−SO2R2を含む置換基で置換されていて
もよい。〕
ば、発色成分の一方として前記一般式(1)で表される
電子受容性化合物を用いるので、地肌カプリを低く維持
しながら高感度化することができ、形成画像の長期保存
性(画像保存性;以下、同様とする。)、耐薬品性、及
びサーマルヘッドのヘッドマッチング性をも同時に向上
することができる。しかも保護層には平均粒径が0,1
〜1,2μ型の無機顔料と水溶製高分子を含有し、かつ
保護層面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下で
あることから良好な捺印適性を確保することができる。
物が、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドである
前記<1>に記載の感熱記録材料である。前記<2>に
記載の感熱記録材料によれば、電子受容性化合物として
4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを含むので、
より効果的に高感度化、画像保存性の向上、ヘッドマッ
チング性の向上が図れ、地肌部の地肌カブリ(地肌部の
カプリ濃度)の上昇を招くこともない。
が、水酸化アルミニウムである前記<1>又は<2>に
記載の感熱記録材料である。前記<3>に記載の感熱記
録材料によれば、感熱発色層上に特定の無機顔料を含む
保護層が設けられるので、その吸油性等により保存性を
向上できると同時に、取扱い性と捺印適性の付与(普通
紙ライタ感の付与)をも実現することができる。
ビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコー
ル、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールより
選択される少なくとも一種の変性ポリビニルアルコール
を含有する前記<1>ないし<3>のいずれかに記載の
感熱記録材料である。前記<4>に記載の感熱記録材料
によれば、感熱発色層が接着剤として特定の水溶性樹脂
を含有するので、より高いレベルでの高感度化と地肌カ
プリの更なる低減とを両立することができる。また、本
構成によっても、印刷適性をも同時に付与することがで
きる。更に、架橋剤と組合せることにより耐水性をも付
与でき至。
該画像安定剤が、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン
及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−シクロヘキシルフェエル)ブタンの少なくとも一
方である前記<1>ないし<4>のいずれかに記載の感
熱記録材料である。前記<5>に記載の感熱記録材料に
よれば、感熱発色層が特定の画像安定剤を含有するの
で、発色反応(正反応)の逆反応への移行を抑え、画像
保存性を更に向上させることができる。また同時に、耐
光性の向上にも寄与する。
無機顔料が、カルサイト系(軽質)炭酸カルシウム,非
晶質シリカ、及び水酸化アルミニウムより選択される少
なくとも一種である前記<1>ないし<5>のいずれか
に記載の感熱記録材料である。前記<6>に記載の感熱
記録材料によれば、感熱発色層が特定の無機顔料を含有
するので、接触するサーマルヘッドとのヘッドマッチン
グ性とより向上することができ、捺印適性をも同時に付
与することができる。
記<1>ないし<6>のいずれかに記載の感熱記録材料
である。前記<7>に記載の感熱記録材料によれば、支
持体に古紙パルプを用いるので、資源の再利用、及び省
資源化を実現することができる。
オン濃度が1500ppm以下である前記<1>ないし
<7>のいずれかに記載の感熱記録材料である。前記<
8>に記載の感熱記録材料によれば、イオン含量の少な
い素材を選択使用する結果、感熱記録材料を構成する支
持体や層等の全体に占める総イオン濃度が低く抑えられ
るので、ヘッドに付着するイオン量が抑えられ、サーマ
ルヘッドの耐腐食(耐久性)を向上させることができ
る。
した後0.1秒経過後の接触角が20°以上である前記
<1>ないし<8>のいずれかに記載の感熱記録材料で
ある。前記<9>に記載の感熱記録材料によれば、感熱
発色層の表面の接触角を20°以上とするので、インク
ジェット記録若しくは捺印時のインクの滲みが効果的に
抑制され、インクジェット適性の付与、捺印適性の良化
を図ることができる。
℃、相対湿度20%の環境条件下で24時間放置した後
の、前記形成画像における濃度残存率が65%以上であ
る前記<1>ないし<9>のいずれかに記載の感熱記録
材料である。前記<10>に記載の感熱記録材料によれ
ば、形成画像を長期間高濃度に維持することができるの
で、重要文書の保管、前売りチケット、レシート、金券
など、長期間に渡り画像信頼性が要求される分野での適
用が可能となる。
み、該増感剤が、2−ベンジルオキシナフタレン、シュ
ウ酸ジメチルベンジル、m−ターフェニル、エチレング
リコールトリルエーテル、p−ベンジルビフェニール、
1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、1,2−ジフェ
ノキシエタン、及びジフェニルスルホンより選択される
少なくとも一種である前記<1>ないし<10>のいず
れかに記載の感熱記録材料である。前記<11>に記載
の感熱記録材料によれば、感熱発色層が特定の増感剤を
含有するので、溶解粘度を下げて発色成分を良好に拡散
し得、地肌カプリを悪化することなく、効果的に高感度
化することができる。
般式(1)で表される化合物100質量部に対して75
〜200質量部である前記<11>に記載の感熱記録材
料である。前記<12>に記載の感熱記録材料によれ
ば、増感剤が電子受容性化合物の量に適した範囲で含有
されるので、他の諸性能に支障を来すことなく、効果的
に高感度化を図ることができる。
−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチ
ル−N−イノアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N一エチル−N−プロピルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−
n−アミルアミノフルオラン、及び2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フ
ルオランより選択される少なくとも一種である前記<1
>ないし<12>のいずれかに記載の感熱記録材料であ
る。
ば、感熱発色層が特定の電子供与性無色染料を含有する
ので、より高いレベルでの高感度化、地肌カプリの低
減、並びに保存性の向上を同時に満足することができ
る。
ーテン塗布法により塗布形成される前記<1>ないし<
13>のいずれかに記載の感熱記録材料である。前記<
14>に記載の感熱記録材料によれば、複数層のうちの
少なくとも一層、特に感熱発色層がカーテン塗布法によ
り塗設されるので、構成成分を記録面に集中させること
ができ、より少ない素材使用量で発色濃度を高め得ると
共に、画像品質(画質)をも良化することができる。ま
た、カーテン塗布法により複数層を同時重層塗布する場
合には、製造時の消費エネルギーの低減をも達成するこ
とができる。
は、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物を組合せ
た発色系の感熱記録層を有してなり、前記電子受容性化
合物として、R 1−C6H4−SO2R2で表される化合物
を含み、かつ前記保護層には平均粒径が0.1〜1.2
μmの無機顔料と水溶製高分子を含有し、かつ保護層面
の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下であること
を特徴とする感熱記録材料である。以下、本発明の感熱
記録材料について詳細に説明する。
層若しくは二層以上の感熱記録層を有してなり、好まし
くは保護層を有してなる。また、必要に応じて、中間層
等の他の層を有していてもよい。 <感熱記録層>前記感熱記録層は、電子供与性無色染料
と、該電子供与性無色染料と反応して発色させる電子受
容性化合物とを少なくとも含んでなり、好ましくは画像
安定剤(紫外線防止剤)、無機顔料、接着剤、増感剤を
含んでなり、必要に応じて他の成分を含んでいてもよ
い。
とも一種の電子供与性無色染料を含有する。前記電子供
与性無色染料としては、従来公知のものの中から適宜選
択することができ、例えば、2−アニリノ−3−メチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオラ
ン、及び2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル
−N−p−トリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルアミ
ノフルオラン、3−ジ(n−ペンチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル
−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−
(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ]−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル
アミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオ
ラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、等が挙げられ
る。
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオラ
ン、及び2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル
−N−p−トリルアミノ)フルオランよりなる群より選
択される少なくとも一種を含有することが特に好まし
い。また、前記電子供与性無色染料は、単一の感熱記録
層に一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用しても
よい。
子供与性無色染料として含有することにより、特に、地
肌カブリを低く保持しながら発色濃度を高めつつ、同時
に形成された画像部の画像保存性をも更に向上させるこ
とができる。
記録層用塗布液」ということがある。)を調製する際に
おいて、前記電子供与性無色染料の粒径としては、体積
平均粒径で1.0μm以下が好ましく、0.4〜0.7
μmがより好ましい。該体積平均粒径が、1.0μmを
超えると、熱感度が低下することがあり、0.4μm未
満であると、地肌カブリが悪化することがある。前記体
積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、
LA500(ホリバ(株)製)等によって容易に測定す
ることができる。
は、0.1〜1.0g/m2が好ましく、発色濃度及び
地肌カブリの点で、0.2〜0.5g/m2がより好ま
しい。
と熱時反応して発色させる電子受容性化合物として、下
記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含
有する。該化合物を電子受容性化合物として含有するこ
とにより、地肌カブリを低く維持しながら高感度化する
ことができ、形成画像の長期保存性(画像保存性)、耐
薬品性、インクジェット適性及びサーマルヘッドのヘッ
ドマッチング性をも同時に向上することができる。
−NH−Ph、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−
Phを表し、R3は、アルキル基を表す。Phはフェニ
ル基を表し、−SO2R2を含む置換基で置換されていて
もよい。
炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、等が好適である。中でも、前記
R1としては、水酸基が特に好ましい。
ル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、
イソプロピル基等が特に好適である。また、Phは、フ
ェニル基が「−SO2R2を含む置換基」で置換された置
換フェニル基であってもよく、該置換基のR2はメチル
基、ハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。該置
換基としては、−CH2−C6H5−NHCONH−SO2
−C6H5、−SO2−C6H5、−SO2−C6H4−C
H3、−SO2−C6H4−Cl、等が挙げられる。中で
も、前記R2としては、−NH−Phが好ましく、−N
H−C6H5が特に好ましい。
しい具体例としては、4−ヒドロキシベンゼンスルホン
アニリド(=p−N−フェニルスルファモイルフェノー
ル)、p−N−(2−クロロフェニル)スルファモイル
フェノール、p−N−3−トリルスルファモイルフェノ
ール、p−N−2−トリルスルファモイルフェノール、
p−N−(3−メトキシフェニル)スルファモイルフェ
ノール、p−N−(3−ヒドロキシフェニル)スルファ
モイルフェノール、p−N−(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルファモイルフェノール、2−クロロ−4−N−
フェニルスルファモイルフェノール、2−クロロ−4−
N−(3−ヒドロキシフェニル)スルファモイルフェノ
ール、4’−ヒドロキシ−p−トルエンスルホンアニリ
ド、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカ
ルボニルアミノ)ジフェニルメタン(=BTUM)、4
−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、
等が挙げられる。但し、本発明においては、これらに限
定されるものではない。
合物の中でも、画像保存性と地肌カブリとのバランスの
点で、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドが最も
好ましい。
物の含有量としては、前記電子供与性無色染料の質量に
対して、50〜400質量%が好ましく、100〜30
0質量%がより好ましい。
合物と共に、本発明の効果(特に、地肌カブリの低減、
高感度化、並びに画像保存性、耐薬品性、及びヘッドマ
ッチング性の向上)を損なわない範囲で、他の公知の電
子受容性化合物を併用してもよい。前記公知の電子受容
性化合物としては、適宜選択して使用することができ、
特に地肌カブリを抑制する観点から、フェノール性化合
物、又はサルチル酸誘導体及びその多価金属塩が好まし
い。
ば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロ
パン(ビスフェノールA)、4−t−ブチルフェノー
ル、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノ
キシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3
−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタ
ン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノー
ル、4,4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−
tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニ
ルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフ
ェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、4
−ヒドロキシ−4−イソプロピルオキシジフェニルスル
ホン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、等が挙げられ
る。
4−ぺンタデシルサルチル酸、3−5−ジ(α−メチル
ベンジル)サルチル酸、3,5−ジ(tert−オクチ
ル)サルチル酸、5−オクタデシルサルチル酸、5−α
−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサルチル
酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチル
サルチル酸、5−テトラデシルサルチル酸、4−ヘキシ
ルオキシサルチル酸、4−シクロヘキシルオキシサルチ
ル酸、4−デシルオキシサルチル酸、4−ドデシルオキ
シサルチル酸、4−ペンタデシルオキシサルチル酸、4
−オクタデシルオキシサルチル酸等、及びこれらの亜
鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等が挙げられ
る。
合、既述の一般式(1)で表される電子受容性化合物の
含有量としては、電子受容性化合物の総質量に対して、
50質量%以上が好ましく、70質量%以上が特に好ま
しい。
前記電子受容性化合物の粒径としては、体積平均粒径で
1.0μm以下が好ましく、0.4〜0.7μmがより
好ましい。該体積平均粒径が、1.0μmを超えると、
熱感度が低下することがある。尚、0.4μm未満にな
ると地肌カブリが悪化することもある。前記体積平均粒
径も、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、LA50
0(ホリバ(株)製)等によって容易に測定できる。
好ましい。特に感度をより大きく向上させ得る点で、2
−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジメチルベンジ
ル、m−ターフェニル、エチレングリコールトリルエー
テル、p−ベンジルビフェニール、1,2−ジフェノキ
シメチルベンゼン、1,2−ジフェノキシエタン、及び
ジフェニルスルホンからなる群(以下、「本発明に係る
増感剤」ということがある。)より選択される少なくと
も一種を含有することが好ましい。
剤の総含有量としては、前記電子受容性化合物(好まし
くは、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド)10
0質量部に対して、75〜200質量部が好ましく、1
00〜150質量部がより好ましい。前記含有量が上記
範囲にあると、感度の向上効果が大きく、かつ画像保存
性も良化することができる。
明の効果を損なわない範囲で、従来公知のものの中から
適宜選択される他の増感剤を併用してもよい。前記他の
増感剤を併用する場合、前記群から選択される増感剤の
量としては、層中に含有される増感剤の総量の50質量
%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
モノアマイド、脂肪族ビスアマイド、ステアリル尿素、
ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシ
フェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベ
ンジル)エーテル、α−ナフチルベンジルエーテル、
1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテ
ル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフェニ
ルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−tert−
オクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4
−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−
(クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオール
フェニルエーテル、ジエチレングリコールビス(4−メ
トキシフェニル)エーテル、1,4−ビス(フェノキシ
メチル)ベンゼン、等が挙げられる。
剤を含む。)を含有することが好ましい。紫外線吸収剤
はマイクロカプセル化されてもよい。画像安定剤を含有
させることにより、形成された発色画像の保存性(画像
保存性)をより向上させることができる。
ル化合物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であ
り、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル
フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メ
チレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール),2,2’−メチレン−ビス(6−tert−
ブチル−4−エチルフェノール)4,4’−ブチリデン
−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)等が挙げられる。尚、画像安
定化剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上
を併用してもよい。
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンが好ま
しい。
含有量としては、地肌カブリを抑え、画像保存性を効果
的に向上させる観点から、前記電子供与性無色染料10
0質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、2
0〜60質量部がより好ましい。また、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)ブタンと共に、これらを除く他の上記画像安定
剤を併用する場合、単一の感熱記録層における、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)ブタンの含有量としては、画像安定剤
の総質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質
量%以上がより好ましい。
外線吸収剤を挙げることができる。
含有量としては、画像保存性を効果的に向上させる観点
から、前記電子供与性無色染料100質量部に対して、
10〜300質量部が好ましく、30〜200質量部が
より好ましい。
ルサイト系炭酸カルシウム、非晶質シリカ、及び水酸化
アルミニウムより選択される少なくとも一種(本発明に
係る無機顔料)を含有することが好ましい。これらを含
有することにより捺印適性を高め、同時に接触するサー
マルヘッドとのヘッドマッチング性をより向上すること
ができ、印刷適性や普通紙ライク性をも付与することが
できる。
イト、アラゴナイト、バテライト等の結晶形があるが、
サーマルヘッドでの記録した時の発色濃度、及びヘッド
汚れを防止する点、並びに吸収性、硬度等の点から、カ
ルサイト系(軽質)炭酸カルシウムが好ましく、中でも
特に、粒子形状が紡錘状又は偏三角面状態であるものが
好ましい。カルサイト系(軽質)炭酸カルシウムは、公
知の製造方法により製造することができる。
係る無機顔料」の含有量としては、発色濃度の向上、サ
ーマルヘッドへのカス付着防止の観点から、電子受容性
化合物100質量部に対して、50〜500質量部が好
ましく、70〜350質量部がより好ましく、90〜2
50質量部が特に好ましい。
ッドマッチング性、印刷適性及び普通紙ライク性の向
上)を損なわない範囲で、上記本発明に係る無機顔料と
共に他の無機顔料を併用してもよい。前記他の無機顔料
としては、カルサイト系(軽質)炭酸カルシウムを除く
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リトポン、ロウ石、カ
オリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、カオリン、炭酸
マグネシウム、酸化マグネシウム、等が挙げられる。前
記他の無機顔料の体積平均粒径(レーザ回折式粒度分布
測定器(例えば、LA500(ホリバ(株)製)等)に
よる)としては、0.3〜1.5μmが好ましく、0.
5〜0.9μmがより好ましい。
とを併用する場合、「本発明に係る無機顔料」の総質量
(v)と前記他の無機顔料の総質量(w)との比(v/
w)としては、100/0〜60/40が好ましく、1
00/0〜80/20がより好ましい。
観点からは、モース硬度3以下の無機顔料が好ましい。
「モース硬度」とは、「英和プラスチック工業辞典 第
5版p.616」(小川伸著、工業調査会(株)発行)に
記載のモース硬度(Mohs Hardness)を意
味する。モース硬度3以下の無機顔料には、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム等が含まれる。
ム、酸化マグネシウムと混合して用いると、地肌カブリ
の低減に有効である点で好ましく、その場合の炭酸マグ
ネシウム及び/又は酸化マグネシウムの含有量として
は、無機顔料の総質量の3〜50質量%、特に5〜30
質量%とするのが好ましい。
の保護コロイド)として、スルホ変性ポリビニルアルコ
ール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、及びアセ
トアセチル変性ポリビニルアルコールより選択される少
なくとも一種(即ち、変性ポリビニルアルコール(以
下、「特定変性PVA」ということがある))を含有す
ることが好ましい。感熱記録層中に接着剤として前記特
定変性PVAを含有することにより、普通紙ライク感を
付与できると共に、感熱記録層と支持体との間の密着力
を増大させ、オフセット印刷時等に生じる紙むけ等のト
ラブルを防止し得、取扱い性と捺印適性を高めることが
できる。更に、地肌カブリをより低く抑えながら、サー
マルヘッドでの記録した時の発色濃度を高めることがで
きる。
いし、併用してもよく、更に他の変性PVAやポリビニ
ルアルコール(PVA)を併用してもよい。前記他の変
性PVAやPVAを併用する場合、前記特定変性PVA
の占める割合としては、接着剤成分の総質量に対し、1
0質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好まし
い。
85〜99モル%であるものが好ましい。前記ケン化度
が85モル%未満であると、オフセット印刷時に用いる
湿し水に対する耐水性が不足する結果、いわゆる紙むけ
を生じやすくなることがあり、これを回避するために変
性PVAの添加量を増加し紙むけを防止しようとすると
発色濃度が低下することがある。また、前記ケン化度が
99モル%を越えると、塗布液の調製の際に未溶解物が
生じやすく、塗膜不良が発生する要因となることがあ
る。尚、本発明の効果を損なわないためにも、他の変性
PVAやPVAを併用する場合においても、該他の変性
PVAやPVAのケン化度が上記範囲内であることが好
ましい。
は、200〜2000が好ましい。前記重合度が200
未満であると、オフセット印刷の際に紙むけを生じやす
くなることがあり、紙むけを回避するために添加量を増
やそうとすると発色濃度が低下することがある。また、
前記重合度が2000を越えると、変性PVAが溶媒
(水)に溶解しにくく、調製時の液粘度も高くなるた
め、感熱記録層形成用の塗布液の調製及びその塗布が困
難になることがある。また、本発明の効果を損なわない
ためにも、他の変性PVAやPVAを併用する場合にお
いても、該他の変性PVAやPVAの重合度が上記範囲
内にあることが好ましい。尚、ここでの重合度とは、J
IS−K6726(1994)に記載の方法で求めた平
均重合度をいう。
量としては、発色濃度の向上とオフセット印刷適性(紙
むけ防止等)の付与の点から、電子供与性無色染料10
0質量部に対して、30〜300質量部が好ましく、7
0〜200質量部がより好ましく、100〜170質量
部が特に好ましい。前記特定変性PVAは、層間密着力
を高める接着剤としての機能のほか、分散剤及び結合剤
等としての機能をも担う。
ホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニ
ルアルコール、及びアセトアセチル変性ポリビニルアル
コールについて詳細に説明する。
エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルス
ルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩と、酢酸
ビニル等のビニルエステルと、をアルコールあるいはア
ルコール/水混合溶媒中で重合して得られた重合体をケ
ン化する方法や、ミドナトリウム塩と酢酸ビニル等のビ
ニルエステルとを共重合させ、得られた共重合体をケン
化する方法、PVAを臭素、ヨウ素等で処理した後、酸
性亜硫酸ナトリウム水溶液中で加熱する方法、PVAを
濃厚な硫酸水溶液中で加熱する方法、PVAをスルホン
酸基を含有するアルデヒド化合物でアセタール化する方
法、等で製造することができる。
は、ジアセトン基を有する単量体とビニルエステルとの
共重合体の部分若しくは完全ケン化物であって、ジアセ
トン基を持つ単量体とビニルエステルとを共重合して得
た樹脂をケン化することによって製造できる。前記ジア
セトン変性ポリビニルアルコールにおいて、ジアセトン
基を有する単量体(繰り返し単位構造)の割合は特に限
定されない。
ールは、一般に、ポリビニルアルコール系樹脂の溶液、
分散液又は粉末に、液状又はガス状のジケテンを添加反
応させて製造することができる。該アセトアセチル変性
ポリビニルアルコールのアセチル化度は、目的とする感
熱記録材料の品質に応じて適宜選定することができる。
必要に応じて、架橋剤、他の顔料、金属石鹸、ワック
ス、界面活性剤、バインダー、帯電防止剤、消泡剤、蛍
光染料等の他の成分を含有してもよい。
るいは保護コロイド)として用いる特定変性PVA及び
他の変性PVA等に作用する架橋剤を含有していてもよ
い。該架橋剤を含有することにより、感熱記録材料の耐
水性を向上させることができる。前記架橋剤としては、
特定変性PVA(及び好ましくは他の変性PVA等)を
架橋させ得るものであれば適宜選択することができ、中
でも、グリオキザール等のアルデヒド化合物、アジピン
酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物が特に好まし
い。感熱記録層における架橋剤の含有量としては、架橋
の対象となる特定変性PVA及び他の変性PVA等10
0質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、3〜2
0質量部がより好ましい。該架橋剤の含有量が上記範囲
内であると、耐水性を効果的に良化することができる。
記録した時の滲みを防止する目的で、媒染剤を含有して
いてもよい。前記媒染剤としては、アミド基、イミド
基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、1級
アンモニウム塩基、2級アンモニウム塩基、3級アンモ
ニウム塩基、4級アンモニウム塩基から選択される少な
くとも一種のカオチン基を含む化合物が挙げられる。
ヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキ
シエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチ
ルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリエチレンイ
ミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポ
リアミド−ポリアミン樹脂、カオチン化でんぷん、ジシ
アンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロ
キシプロピルアンモニウム塩重合物、等が挙げられる。
ある。該カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエ
チレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミ
ン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポ
リメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチル
ジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩
酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷ
ん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2
−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミ
ジン、ポリビニルアミン、等が挙げられる。
200000程度が好ましい。該分子量が、1000未
満であると、耐水性が不十分となる傾向があり、200
000を超えると、粘度が高くなりハンドリング適正が
悪くなることがある。尚、前記カチオン性ポリマーは、
感熱記録層、及び後述の保護層のいずれに添加してもよ
い。
鹸としては、高級脂肪酸金属塩が挙げられ、具体的に
は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸アルミニウム等が挙げられる。ワックスとして
は、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、カルナバワックス、メチロールステアロア
ミド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、
及び脂肪酸アミド系ワックス等が挙げられ、一種単独で
用いてもよく、二種以上混合してもよい。界面活性剤と
しては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、
フッ素含有界面活性剤、等が挙げられる。
電子受容性化合物、無機顔料、接着剤及び増感剤、並び
に他の成分の分散は、水溶性のバインダー中で好適に行
うことができる。ここで用いられるバインダーとして
は、25℃の水に対して5質量%以上溶解する化合物が
好ましい。具体的には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビ
アゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体
のケン化物、等が挙げられる。
熱記録層の膜強度を向上させる機能をも担い、この機能
の発揮に対して、スチレン−ブタジエン共重合物、酢酸
ビニル共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
物、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合物、ポリ塩化
ビニリデン等の合成高分子ラテックス系のバインダーを
併用することもできる。
料、接着剤及び増感剤は、ボールミル、アトライター、
サンドミル等の攪拌・粉砕機によって同時又は別々に分
散等され、塗布液として調製することができる。該塗布
液には、必要に応じて上述の他の成分、即ち、架橋剤、
媒染剤、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、バインダ
ー、帯電防止剤、消泡剤、及び蛍光染料等が添加され
る。
該塗布液は支持体の表面に塗布され、感熱記録層が形成
される。塗布液を塗布する塗布方法としては、特に制限
はなく、例えば、エアーナイフコーター、ロールコータ
ー、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた塗
布法から適宜選択すればよく、塗布後は乾燥される。乾
燥後は、好ましくはキャレンダー処理により平滑化処理
され使用に供される。感熱記録層を塗布形成する場合の
塗布量としては、乾燥質量で6g/m2未満が好まし
く、5g/m2未満が特に好ましい。
で高濃度(高感度)が得られ、同時に画像品質(画質)
をも良化できる点で、カーテンコーターを用いたカーテ
ン塗布法が特に好ましい。また、後述のように、感熱記
録層以外に保護層等をも積層する場合には、カーテン塗
布法により複数層を同時重層塗布することにより、製造
時の消費エネルギーをより低減することができる。具体
的には以下の通りである。
いは支持体上に設けられる複数の層の一部又は全部を、
単一あるいは複数種の塗布液を支持体の表面にカーテン
塗布した後、乾燥させて製造される。カーテン塗布して
形成される層の種類としては、特に限定されないが、例
えば、下塗り層、感熱記録層、保護層などが挙げられ、
これらの隣接する一連の層がカーテン塗布により多層同
時塗布される態様も好ましい。
例としては、下塗り層と感熱記録層の組合せ、感熱記録
層と保護層の組合せ、下塗り層、感熱記録層及び保護層
の組合せ、種類の異なる2以上の下塗り層の組合せ、種
類の異なる2以上の感熱記録層の組合せ、種類の異なる
2以上の保護層の組合せ、等が挙げられ、これらに限定
されるものではない。
しては、特に限定されないが、エクストルージョンホッ
パー型カーテン塗布装置、スライドホッパー型カーテン
塗布装置などが挙げられ、中でも、写真感光材料の作製
などに使用されている、特公昭49−24133号公報
に記載のスライドホッパー型カーテン塗布装置が特に好
ましい。このスライドホッパー型カーテン塗布装置を用
いると、容易に多層の同時塗布を行うことができる。
一層の保護層を設けることが好ましく、該保護層は、有
機若しくは無機の微粉末、バインダー、界面活性剤、熱
可融性物質等を含有して構成することができる。前記微
粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ類、酸
化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜
鉛、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、表面処
理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末のほか、
尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合
体、ポリスチレン等の有機系微粉末、等が挙げられる。
えば、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニ
ルアルコール、酢酸ビニル−アクリルアミド共重合体、
珪素変性ポリビニルアルコール、澱粉、変性澱粉、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ゼラチン類、アラビヤゴム、カゼ
イン、スチレン−マレイン酸共重合体加水分解物、ポリ
アクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、及びス
チレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル
−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタ
ジエンゴムラテックス、酢酸ビニルエマルション等のラ
テックス類、等を挙げることができる。
て、感熱記録材料の保存安定性をより一層向上させるた
めの耐水化剤を添加する態様も好ましい。該耐水化剤と
しては、例えば、N−メチロール尿素、N−メチロール
メラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グ
リオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化
合物類、硼酸、硼砂、コロイダルシリカ等の無機系架橋
剤、ポリアミドエピクロルヒドリン、等が挙げられる。
は、水酸化アルミニウム、カオリン及び非晶質シリカよ
り選択される少なくとも一種の無機顔料と、水溶性高分
子とを含んでなる態様が好ましい。該態様に構成するこ
とにより、保存性を向上できると同時に、取扱い性と捺
印適性をも付与することができる。尚、更に界面活性
剤、熱可融性物質等を含有していてもよい。
としては、0.5〜3μmが好ましく、0.7〜2.5
μmがより好ましい。中でも、捺印適性を向上させる観
点からは、0.5〜1.2μmの水酸化アルミニウムが
好ましく、インクジェット適性を向上させる観点から
は、非晶質シリカを用いることが好ましい。ここでの体
積平均粒径の測定は、既述の電子供与性無色染料等のそ
れと同様にして行うことができる。
シリカより選択される無機顔料の総含有量としては、保
護層形成用の塗布液の全固形分(質量)に対して、10
〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ま
しい。また、本発明の効果(特に、保存性の向上、並び
に取扱い性と捺印適性の付与)を損なわない範囲で、硫
酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、クレー、コロイダルシ
リカ等の他の顔料を併用してもよい。
ーのうち、ポリビニルアルコール又は変性ポリビニルア
ルコール(以下、これらを総称して「ポリビニルアルコ
ール」という。)、澱粉又は酸化澱粉、尿素リン酸エス
テル化澱粉等の変性澱粉、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエ
ステル化物、スチレン−アクリル酸共重合体等のカルボ
キシル基含有重合体、等が挙げられる。中でも、捺印適
性の観点で、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、尿素リ
ン酸エステル化澱粉が好ましく、ポリビニルアルコール
(x)と、酸化澱粉及び/又は尿素リン酸エステル化澱
粉(y)とを90/10〜10/90の質量比率(x/
y)で混合して用いることが特に好ましい。特に、前記
ポリビニルアルコール、酸化澱粉および尿素リン酸エス
テル化澱粉の全てを併用する場合には、酸化澱粉
(y1)と尿素リン酸エステル化澱粉(y2)との質量比
率(y1/y2)は、10/90〜90/10とすること
が好ましい。
アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン
変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコ
ール、アマイド変性ポリビニルアルコールが好ましく、
このほか、スルホ変性ポリビニルアルコール、カルボキ
シ変性ポリビニルアルコール等が用いられる。尚、これ
らポリビニルアルコールと反応する架橋剤を組合せるこ
とにより、保存性、取扱い性および捺印適性を更に良化
することができる。
層形成用の塗布液の全固形分(質量)に対して、10〜
90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好まし
い。
ては、例えば、エチレンジアミン等の多価アミン化合
物、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒ
ド等の多価アルデヒド化合物、アジピン酸ジヒドラジ
ド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、水
溶性メチロール化合物(尿素、メラミン、フェノー
ル)、多官能エポキシ化合物、多価金属塩(Al、T
i、Zr、Mg等)、などが好適に挙げられる。中で
も、多価アルデヒド化合物、ジヒドラジド化合物が好ま
しい。
高分子の質量に対して、2〜30質量%程度が好まし
く、5〜20質量%がより好ましい。該架橋剤を含有す
ることによって、膜強度や耐水性等をより向上させるこ
とができる。また、保護層中における、水酸化アルミニ
ウム、カオリン及び非晶質シリカより選択される無機顔
料と水溶性高分子との混合比としては、無機顔料の種類
やその粒径、水溶性高分子の種類等によって異なるが、
無機顔料の質量に対して、水溶性高分子の量を50〜4
00質量%とすることが好ましく、100〜250質量
%とすることがより好ましい。また、保護層中に占める
無機顔料と水溶性高分子の総質量は、保護層の全固形分
質量の50質量%以上であることが好ましい。
る点では、前記保護層、即ち保護層形成用の塗布液(以
下、「保護層用塗布液」ということがある。)に界面活
性剤を添加する態様も好ましい。前記界面活性剤として
は、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル、ヘキサメタリン酸ナトリウム、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、等が好ましく、中でも、スルホコハク
酸アルキルエステル塩がより好ましい。前記界面活性剤
の含有比としては、保護層形成用の塗布液の全固形分
(質量)に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.
5〜3質量%がより好ましい。
アルミニウム、カオリン及び非晶質シリカより選択され
る無機顔料および水溶性高分子、並びに必要に応じて架
橋剤、界面活性剤等を、所望の水系溶媒に溶解若しくは
分散して調製することができる。ここで、該塗布液に
は、潤滑剤、消泡剤、蛍光増白剤、有色の有機顔料等を
本発明の効果(特に、保存性の向上、並びに取扱い性と
捺印適性の付与)を損なわない範囲で添加することがで
きる。前記潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワ
ックス・合成高分子ワックス等のワックス類、等が挙げ
られる。
ど感度は高くなるが、捺印適性等は悪化する。また、逆
にRa75値が大きいと捺印適性等は良化するが、感度
は低下する。Ra75値は0.5〜2.0μmが好まし
く、0.5〜1.5μmがより好ましい。
ができる。具体的には、上質紙等の紙支持体、紙に樹脂
又は顔料を塗布したコート紙、樹脂ラミネート紙、下塗
り層を有する上質紙、合成紙、プラスチックフィルム等
の支持体が挙げられる。古紙パルプを主として含有す
る、即ち支持体の50質量%を古紙パルプが占める支持
体も使用できる。
ら、JIS−8119で規定される平滑度が300秒〜
500秒の範囲内にある平滑な支持体が好ましい。更
に、上記同様の理由から、JIS−P8119で規定さ
れる前記平滑度が100秒以上のものがより好ましく、
150秒以上のものが特に好ましい。
の3工程の組合せから作られる。 1)離解……古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理し
て繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。 2)除塵……古紙に含まれる異物(プラスチックなど)
及びごみを除去する。 3)脱墨……繊維より剥離された印刷インキをフローテ
ーション法又は洗浄法で系外に除去する。 尚、必要に応じて、脱墨と同時又は別工程で漂白を行う
こともできる。このようにして得た古紙パルプ100質
量%、若しくは古紙パルプと含量50質量%未満のバー
ジンパルプとの混合物、を用いて常法により感熱記録材
料用の支持体を形成する。
てもよい。この場合、下塗り層はステキヒトサイズが5
秒以上の支持体の表面に設けられることが好ましく、顔
料とバインダーとを主成分とするものが好ましい。下塗
り層用の顔料としては、一般の無機、有機顔料を全て使
用できるが、特にJIS−K5101で規定する吸油度
が40ml/100g(cc/100g)以上の吸油性
顔料が好ましい。該吸油性顔料の具体例として、焼成カ
オリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、焼成ケ
イソウ土、珪酸アルミニウム、アルミノ珪酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウ
ム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、尿素ホル
マリン樹脂粉末、等が挙げられる。中でも、前記吸油度
が70ml/100g〜80ml/100gの焼成カオ
リンが特に好ましい。
前記顔料の塗布量としては、2g/m2以上が好まし
く、4g/m2以上がより好ましく、7〜12g/m2が
特に好ましい。
高分子、水性バインダーが挙げられる。これらは、一種
単独で用いても、二種以上を併用してもよい。前記水溶
性高分子としては、例えば、澱粉、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、カゼイン等が挙げられ、前記水
性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、合成樹脂
エマルションが一般的であり、例えば、スチレン−ブタ
ジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラ
テックス、酢酸ビニルエマルション、等が挙げられる。
は、膜強度や感熱発色層の熱感度等との兼ね合いで決定
されるが、下塗り層用の顔料の質量に対して、3〜10
0質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、
8〜15質量%が特に好ましい。また、下塗り層には、
ワックス、消色防止剤、界面活性剤等を添加してもよ
い。
塗布法により行うことができる。具体的には、エアーナ
イフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グ
ラビアコーター、カーテンコーター等を用いた塗布法が
挙げられ、中でも、カーテンコーター若しくはブレード
コーターを用いた塗布法が好ましく、ブレードコーター
を用いた塗布法がより好ましい。塗布、乾燥後は、更に
必要に応じてキャレンダー等の平滑処理を施して使用し
てもよい。
ベルタイプやベントタイプのブレードを使用した塗工法
に限らず、ロッドブレード塗工法やビルブレード塗工法
等をも含み、また、オフマシンコーターに限られるもの
でもなく、抄紙機に設置したオンマシンコーターで塗工
してもよい。尚、ブレードコート時に流動性を付与する
ことで優れた平滑性と面状を得るため、下塗り層形成用
の塗布液(アンダーコート層用塗布液)に、エーテル化
度0.6〜0.8、重量平均分子量20000〜200
000のカルボキシメチルセルロースを前記顔料量に対
して1〜5質量%、好ましくは1〜3質量%添加しても
よい。
いが、感熱記録材料の特性に応じて、2g/m2以上が
好ましく、4g/m2以上がより好ましく、7〜12g
/m2が特に好ましい。
ドマッチング性を向上し、高感度化と高画質化が図れる
点から、下塗り層(特に好ましくは、吸油性と断熱効果
と平面性の高い下塗り層)を有する下塗り原紙が好まし
く、ブレードコーターを用いて吸油性顔料を含む下塗り
層を有する下塗り原紙が特に好ましい。
及びK+イオンの総イオン濃度としては、感熱記録材料
と接触するサーマルヘッドのヘッド腐食を防ぐ観点か
ら、1500ppm以下が好ましく、1000ppm以
下がより好ましく、800ppm以下が特に好ましい。
前記Na+イオン及びK+イオンのイオン濃度の測定は、
感熱記録材料を熱水で抽出し、その抽出水を原子吸光法
によるイオン定量分析法により、Na+イオン及びK+イ
オンのイオン質量を測定することによって行うことがで
きる。前記総イオン濃度は、感熱記録材料の全質量に対
するppmで表したものである。
熱記録層の表面の濡れ性、即ち感熱記録層の表面に蒸留
水を滴下した後0.1秒経過後の接触角が、20°以上
であることが好ましく、50°以上がより好ましい。前
記接触角を上記範囲とすることにより、インクジェット
プリンターで印字した時の印字の滲みを防止(インクジ
ェット適性の付与、良化)することができる。既述の一
般式(1)で表される電子受容性化合物(好ましくは4
−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド)を含有するこ
とにより前記接触角を得ることができ、そのほか記録面
での蒸留水の接触角を高く維持し得る素材として、本発
明に係る増感剤、パラフィンワックスを感熱記録層に含
有する等の方法によるのも好適である。
記録層の表面(記録面)に蒸留水を滴下した後、0.1
秒経過後の接触角を常法により測定することにより行こ
とができる。例えば、FIBRO system(DA
T1100(ab社製)等のダイナミックコンタクトア
ングル・アブソープションテスター)等により測定でき
る。
れる点で有用であり、好ましくは印画後の形成画像を温
度60℃、相対湿度20%の環境条件下で24時間放置
した後の、前記形成画像における濃度残存率を65%以
上とする。既述のように、一般式(1)で表される電子
受容性化合物(特に好ましくは4−ヒドロキシベンゼン
スルホンアニリド)を含有し、好ましくは画像安定剤等
を含有することにより、前記濃度残存率を上記範囲とす
ることができる。これにより、形成画像を長期間高濃度
に維持することができ、重要文書の保管、前売りチケッ
ト、レシート、金券など、長期間に渡り画像信頼性が要
求される分野にも適用することができる。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以
下、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量
部」及び「質量%」を表す。
する下記手順で本発明の感熱記録材料を作製し、該作製
にあたり、サーマルヘッドの印加エネルギー15.2m
J/mm2での発色濃度を1.20以上とした。 <感熱記録層用塗布液の調製> −分散液A(電子供与性無色染料含有)の調製− 下記の各成分をボールミルで分散、混合して、体積平均
粒径が0.7μmの分散液Aを得た。体積平均粒径は、
レーザ回折式粒度分布測定器LA500(ホリバ(株)
製)により測定した。 〔分散液Aの組成〕 ・2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン …10部 (電子供与性無色染料) ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …50部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
製− 下記の各成分をボールミルで分散、混合して、体積平均
粒径が0.7μmの分散液Bを得た。体積平均粒径は、
分散液Aの場合と同様にして測定した。 〔分散液Bの組成〕 ・4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド … 20部 (前記一般式(1)で表される電子受容性化合物) ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …100部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
粒径が0.7μmの分散液Cを得た。体積平均粒径は、
分散液Aの場合と同様にして測定した。 〔分散液Cの組成〕 ・2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) … 20部 ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …100部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
粒径が2.0μmの分散液Dを得た。体積平均粒径は、
分散液Aの場合と同様にして測定した。 〔分散液Dの組成〕 ・カルサイト系軽質炭酸カルシウム …40部 (ユニバー70、白石工業(株)製) ・ヘキサメタリン酸ナトリウム(40%水溶液) … 1部 ・蒸留水 …60部
>下記の各成分をディソルバーで攪拌混合して分散液を
得た。 ・焼成カオリン(吸油量75ml/100g) …100部 ・ヘキサメタリン酸ナトリウム … 1部 ・蒸留水 …110部 続いて、得られた分散液に、SBR(スチレン−ブタジ
エンゴムラテックス)20部と酸化デンプン(25%)
25部とを添加して、支持体アンダーコート層用塗布液
を得た。
製した。 水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm) … 40部 (ハイジライトH42、昭和電工製) ポリアクリル酸ナトリウム … 1部 水 …60部
%水溶液(MS4600、日本食品化工(株)製)20
0部およびポリビニルアルコール15%水溶液(PVA
−105、(株)クラレ製)200部に水60部を加え
たものを調製し、これに前記顔料分散物を混合し、さら
に平均粒子径0.15μmのステアリン酸亜鉛乳化分散
物(ハイドリンF115、中京油脂(株)製)25部、
スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステルナトリウム
塩2%水溶液125部を混合して、保護層用塗布液を得
た。
IS−8119による平滑度が150秒の上質紙を用意
し、該上質紙の表面に、上記より得た支持体アンダーコ
ート層用塗布液を、ブレードコーターにより乾燥後の塗
布量が8g/m2となるように塗布し、アンダーコート
層を形成した。該アンダーコート層の塗設により、支持
体のJIS−8119による平滑度は350秒となっ
た。
より得た感熱記録層用塗布液を、カーテンコーターによ
り乾燥後の塗布量が4.5g/m2となるように塗布
し、その後乾燥した。さらに保護層用塗布液を乾燥塗布
量が2g/m2となるように、カーテンコーターにより
塗布、乾燥して保護層を形成し、該保護層の表面にキャ
レンダー処理を施し、本発明の感熱記録材料(1)を得
た。
粒径が0.7μmの分散液Eを得た。体積平均粒径は、
実施例1と同様にして測定した。 〔分散液E組成〕 ・1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル フェニル)ブタン(画像安定剤) … 5部 ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …25部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
記より得た分散液Eと共に下記組成で混合して感熱記録
層用塗布液を調製し、更に実施例1と同様にして、本発
明の感熱記録材料(2)を得た。 〔感熱発色層用塗布液組成〕 ・分散液A … 60部 ・分散液B …120部 ・分散液C …120部 ・分散液E … 30部 ・分散液D …101部 ・ステアリン酸亜鉛30%分散液 … 15部 ・パラフィンワックス(30%) … 15部 ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(25%) … 4部
の調製に用いた1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン
(画像安定剤)に代えて、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
ブタンを用いたこと以外、実施例2と同様に分散液Eを
調製し、更に実施例2と同様にして、本発明の感熱記録
材料(3)を得た。
液Dの調製に用いたカルサイト系軽質炭酸カルシウム
(ユニバー70;無機顔料)40部に代えて、非晶質シ
リカ(ミズカシルP832、水沢化学工業(株)製)2
0部、又は水酸化アルミニウム(ハイジライトH42、
昭和電工(株)製)40部、を各々用いたこと以外、実
施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(4)〜
(5)を得た。
A、B及びCの調製に用いたポリビニルアルコール2.
5%水溶液(接着剤)に代えて、スルホ変性ポリビニル
アルコール(ゴーセランL3266、日本合成化学
(株)製)2.5%水溶液を用いたこと以外、実施例1
と同様にして、本発明の感熱記録材料(6)を得た。
A、B及びCの調製に用いたポリビニルアルコール2.
5%水溶液(接着剤)をジアセトン変性ポリビニルアル
コール(D500、ユニチカ社製)2.5%水溶液に代
え、かつ代えて得た分散液A、B及びCを実施例1と同
様にして混合してなる感熱記録層用塗布液に、更にアジ
ピン酸ジヒドラジド5%水溶液(架橋剤)13部を添加
したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記
録材料(7)を得た。
A、B及びCの調製に用いたポリビニルアルコール2.
5%水溶液(接着剤)をアセトアセチル変性ポリビニル
アルコール(ゴーセファイマーZ210、日本合成化学
(株)製)2.5%水溶液に代え、かつ代えて得た分散
液A、B及びCを実施例1と同様にして混合してなる感
熱記録層用塗布液に、更にグリオキザール5%水溶液
(架橋剤)13部を添加したこと以外、実施例1と同様
にして、本発明の感熱記録材料(8)を得た。
た上質紙に代えて、古紙パルプ70%、LBKP30%
により構成され、JIS−P8119による平滑度が1
70秒の再生紙(50g/m2)を用いたこと以外、実
施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(9)を得
た。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
水酸化アルミニウム(ハイジライトH43、平均粒径
0.7μm、昭和電工製)を用いたこと以外、実施例1
と同様にして、本発明の感熱記録材料(10)を得た。
の調製に用いた2−ベンジルオキシナフタレン(増感
剤)に代えて、シュウ酸ジメチルベンジル(HS352
0R−N、大日本インキ工業(株)製)、m−ターフェ
ニル、エチレングリコールトリルエーテル、p−ベンジ
ルビフェニール、1,2−ジフェノキシメチルベンゼ
ン、ジフェニルスルホン、1,2−ジフェノキシエタン
を各々用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明
の感熱記録材料(11)〜(17)を得た。
の調製に用いた2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン(電子供与性無色染料)に代えて、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−
N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ア
ミルアミノフルオラン、又は2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラ
ン、を各々用いたこと以外、実施例1と同様にして、本
発明の感熱記録材料(18)〜(22)を得た。
録層用塗布液の塗布に用いたカーテンコーターに代え
て、エアナイフコーターを用いたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の感熱記録材料(23)を得た。
の調製に用いた4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリ
ド(電子受容性化合物)に代えて、N−ベンジル−4−
ヒドロキシベンゼンスルホンアミド(=p−N−ベンジ
ルスルファモイルフェノール)、BTUM、4−ヒドロ
キシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、又は
2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、を各
々用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感
熱記録材料(24)〜(27)を得た。
製に用いた4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド
(電子受容性化合物)に代えて、2,2’−ビス(4−
ヒドロキシフェノール)プロパン(ビスフェノール
A)、又は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、を各々用いたこと以外、実施例1と同様にして、比
較の感熱記録材料(28)〜(29)を得た。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
カオリン(平均粒径2.5μm)を用いたこと以外、実
施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(30)を
得た。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
水酸化アルミニウム(ハイジライトH32、平均粒径
8.0μm)を用いたこと以外、実施例1と同様にし
て、本発明の感熱記録材料(31)を得た。
いこと以外、実施例1と同様にして、比較の感熱記録材
料(32)を得た。
材料(1)〜(27)及び比較の感熱記録材料(28)
〜(32)について、以下の測定、評価を行った。尚、
測定、評価の結果は下記表1に示す。 (1) 感度の測定 部分グレーズ構造を有するサーマルヘッド(KF200
3−GD31A、ローム(株)製)を備えた感熱印字装
置を用いて印字を行った。印字は、ヘッド電圧24V、
印字周期0.98ms/line(印字速度12.8c
m/秒)の条件のもと、パルス幅0.375ms(印加
エネルギー15.2mJ/mm2)で行い、その印字濃
度をマクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社
製)で測定した。
た。 ○:強くこすると発色するが、軽くこするだけならほと
んど発色しない ×:軽くこするだけで発色が目立つ
プ台 赤)によるゴム印での捺印を行った後、10秒後
に捺印部分を指でこすって、インキによる汚れを観察し
た。 ○:インキの広がりによる汚れが見られない ×:インキが指で広がり、捺印部周辺が赤く汚れた
置及び条件で印画し、印画直後の該画像の濃度と、同画
像を温度60℃、相対湿度20%の雰囲気下に24時間
放置後の該画像の濃度とを、マクベス反射濃度計(RD
−918、マクベス社製)で測定した。そして、下記式
に基づき、印画直後の画像濃度に対する、放置後の画像
濃度の比(%;濃度残存率)を算出し、画像保存性を評
価する指標とした。尚、数値が高いほど画像保存性が良
好なことを示す。 濃度残存率=[(放置後の画像濃度)/(印字直後の画像
濃度)]×100
を、温度60℃、相対湿度20%の環境条件下で24時
間放置した後の地肌部(非画像部)の濃度を、マクベス
反射濃度計(RD−918、マクベス社製)で測定し
た。尚、数値が低いほど地肌カブリが良好なことを示
す。
で印画し、その地肌部及び印画部の表面を蛍光ペン(ゼ
ブラ蛍光ペン2−ピンク、ゼブラ(株)製)で筆記し、
1日経過後の各感熱記録材料における、地肌部の地肌カ
ブリの程度と画像部の画像濃度とを目視により観察し、
下記基準にしたがって評価を行った。 〔基準〕 ○:地肌部のカブリ濃度の上昇は認められず、画像部の
濃度変化も認められなかった。 △:地肌部のカブリ濃度の上昇が若干認められ、画像部
は濃度がやや薄くなった。 ×:地肌部のカブリ濃度の上昇が顕著に認められ、画像
部はほとんど消えた。
いて、印字率20%のテストチャートをA4シートサイ
ズで1000枚印字し、その時のドット抜けの数をヘッ
ド切れを評価するための指標とした。
録材料の感熱記録層に印画し、印字直後の画像の濃度
(D1)をマクベス反射濃度計RD918(マクベス社
製)で測定した。次に、印画された各感熱記録材料の感
熱記録層の表面(印画された印字部)と、インクジェッ
トプリンター(EPSON MJ930C、エプソン社
製)により高画質プリントされた画像とを接触させ、2
5℃下で48時間放置した後の、各感熱記録層の画像濃
度(D2)をマクベス反射濃度計RD918で測定し
た。そして、得られた各濃度から、各感熱記録材料につ
いて濃度残存率(%;D2/D1×100)を算出し、イ
ンクジェット用インクに対する耐性を評価する指標とし
た。尚、数値が高いほどインク耐性が良好なことを示
す。
U、(株)東芝製)を用いて文字を印字した後、印字さ
れた各感熱記録層に更にインクジェットプリンターによ
りプリントを行い、インクジェット記録部のインクの滲
みと、ワードプロセッサにて印字された文字部の消色程
度を、下記基準に従って目視評価した。 〔基準〕 ○:インクの滲み並びに文字部の消色は僅かであり、判
読に支障はなかった。 △:文字部が一部薄くかすれたが、何とか判読は可能で
あった。 ×:文字部が完全に消失し、判読は不可能であった。
を滴下した後、0.1秒経過後の接触角を、FIBRO
system(DAT1100、ab社製)を用いて
測定した。値は大きいほど効果との関係で有用といえ
る。
原子吸光法によるイオン定量分析法により、Na+イオ
ン及びK+イオンのイオン質量を測定した。表1中のイ
オン濃度は、Na+及びK+の総イオン濃度を表し、感熱
記録材料の全質量に対する総ppm値を示す。
粗さ(Ra75)を測定した。
と共に一般式(1)で表される電子受容性化合物を含
み、かつ前記保護層には平均粒径が0.1〜1.2μm
の無機顔料と水溶製高分子を含有し、かつ保護層面の中
心線平均粗さRa75が2.0μm以下とした本発明の
感熱記録材料(1)〜(27)では、特に、地肌部の地
肌カブリを低く維持しながら、高い発色濃度(高感度)
が得られ(印画適性が良好)、印画後の画像保存性も良
好であり、接触角の向上に伴いインクジェット適性を備
え、取扱い性と捺印適性に優れ、耐薬品性をも有し、ヘ
ッド摩耗が少なくサーマルヘッドマッチング性の点でも
優れていた。即ち、高感度化、並びに、地肌白色性、画
像保存性、インクジェット適性、取扱い性、捺印適性、
耐薬品性、及びサーマルヘッドマッチング性(耐摩耗
性)を同時に満足することができた。
て、画像安定剤を含有した感熱記録材料(2)及び
(3)では、画像保存性及びインク耐性をより向上させ
ることができ、好ましい接着剤(保護コロイド)を用い
た感熱記録材料(6)〜(8)では、取扱い性、捺印適
性に優れる上に、更なる高感度化と地肌カブリの低減を
図ることができた。尚、画像安定剤の含有により、捺印
適性及び取扱い性も特に優れていた。本発明に好適な特
定の無機顔料を含む保護層を設けた感熱記録材料(1
0)では、画像保存性及びインク耐性(耐薬品性)を更
に向上することができた。実施例11〜17で用いた増
感剤によっても、実施例1の感熱記録材料(1)と同様
に良好な性能が得られ、実施例18〜22で用いた電子
供与性無色染料でも、地肌カブリを低く保持しながら、
良好な発色性、画像保存性が得られた。実施例1及び2
3のように、カーテン塗布法による方が高感度化の点で
有用であった。尚、支持体に古紙パルプを含有した場合
(実施例9)でも諸性能に支障を来すこともなかった。
(1)で表される化合物を用いなかった比較の感熱記録
材料(28)〜(32)では、特に、高感度化が図れな
かっただけでなく、画像保存性、耐薬品性、及びインク
ジェット適性の点で劣っており、感熱記録材料が有すべ
き諸性能を同時に満足することはできなかった。また、
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
カオリン(平均粒径2.5μm)を用いた感熱記録材料
(30)では捺印適性が劣り、保護層を使用しなかった
感熱記録材料(32)では擦過性が低下した。
色層と1層以上の保護層を有する感熱記録材料であっ
て、前記感熱発色層は、電子受容性化合物(顔色剤)と
して一般式:R1−Ph−SO2−R2の化合物を含有
し、前期保護層には平均粒径が0.5〜1.2μmの無
機顔料と水溶性高分子を含有したことにより、従来の感
熱記録材料に比べ、発色濃度が高く、地肌かぶりが少な
く、かつ画像部の保存性、耐薬品性、耐可塑剤性および
耐ヘッド切れ性に優れ、かつインクジェット記録適性も
備えた上で取り扱い性と捺印適性に優れた感熱記録材料
を提供することができる。
27)
し、詳しくは、ヘッド摩耗等の装置耐久性の低下のない
優れた装置適性を備え、かつ記録媒体としての印画適
性、安定性を有すると共に、印刷適性、環境適性等にも
適応し、特に捺印適性が高く普通紙ライクな記録媒体と
して有用な感熱記録材料に関する。
年代にNCR社で無色のロイコ染料とフェノール系の酸
性物質とを用いた染料系の感熱紙が開発され、この系が
現在の感熱記録方式の主流となっている。その後、半
導体技術を背景にサーマルヘッドが開発され、コスト・
性能面で著しく改良が施されたことで、装置の小型化、
低価格化が可能となったこと、これに付随して、感熱
紙(感熱記録材料)自体の高品質化(高感度化、ヘッド
マッチング性の向上等)が実現されたこと、そして、
感熱記録方式が、静電記録、インクジェット記録、PP
C記録等の各記録方式と比較して、利便性、即ち簡便
性、低価格、メンテナンスフリー等の点で有利であると
評価されたことによって、感熱紙(以下、「感熱記録材
料」という。)の需要は飛躍的に成長した。
からFAXや各種プリンタ等に利用され、日常生活に身
近になるにつれて、感熱記録材料の欠点もよく知られる
ようになった。即ち、例えば、 ・光により変色する、 ・高温下で保存(自動車内での放置など)すると変色す
る、 ・化学薬品(ラップフィルム内の可塑剤、油脂類、マー
カーペン中の有機溶剤、インクジェットプリンタ用イン
ク等)により記録像が褪色する、 ・普通紙ライク感(スタンプ等の乾きが良好で滲まない
等の捺印適性が良好なこと、記録面がマット調で読みや
すいこと、鉛筆等の筆記性が良好なこと、擦れ汚れの生
じ難いこと、等;以下、同様である。)がない、等が指
摘されるようになった。 したがって、従来の感熱記録材料における前記欠点を解
消し、付加価値を高めた感熱記録材料の開発、提供が求
められていた。
であり、しかもその記録機器がコンパクトでメンテナン
スフリーであるため広範囲に渡って使用されている。こ
のような状況のもと、最近では感熱記録材料の販売競争
が激化し、従来の機能とは差別化し得る更なる高機能
化、特に発色濃度や地肌白色性、鮮鋭性、保存時の安定
性、インクジェット方式等で記録したフルカラー画像に
対しては色相が良好で鮮やかであること、等が図られた
感熱記録材料に対する要求が高く、これらの要求に応え
るべく、感熱記録材料の発色性、保存性などの諸性能に
関する検討が鋭意行われている。
(1)高感度であること(高濃度が得られること)、(2)地
肌部(非画像部)の白色性が高いこと(地肌カブリが低
いこと)、(3)印画後の画像保存性に優れること、(4)耐
光性に優れること、(5)耐薬品性に優れること、(6)鮮鋭
で高画質であること、(7)インクジェット方式でフルカ
ラー画像を記録した場合の各色色相が良好で鮮やかであ
ること、(8) サーマルヘッドマッチング性がよく、サー
マルヘッド摩耗の少ない耐ヘッド適性を有すること、
(9)普通紙ライク感のあること、(10)感熱記録層上に印
刷可能な印刷適性を有すること、(11)高速プリンタ等の
高性能プリンタへの適用性、(12)環境適性を備えるこ
と、などが挙げられ、上述のような状況下においては、
いずれの性能も損なうことなく、これら諸性能の全てを
同時に満足することが求められる。しかしながら、これ
まで上記諸性能の全てを同時に満足し得る感熱記録材料
は、未だ提供されるまでに至っていないのが現状であ
る。
子供与性無色染料と反応して発色させる電子受容性化合
物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン(いわゆる「ビスフェノールA」)が広く使用
されてきたが、この系では感度、地肌カブリ、画像保存
性の点で、未だ満足したものは得られていない。従来
(このような感熱記録材料に使用される電子供与性無色
染料に対する電子受容性化合物としては、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆる「ビス
フェノールA」)が広く使用されているが、画像保存
性、耐薬品性(特に耐可塑剤性)の点で未だ満足したも
のが得られていない。
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、発色
濃度が高く、地肌かぶりが少なく、画像部の保存性、画
像部および地肌部の耐薬品性・耐可塑剤性に優れ、イン
クジェット記録適性を備えたうえでかつ、取り扱い性
(耐擦過性)および捺印適性に感熱記録材料を提供する
ことにある。
材料が有すべき諸性能を高いレベルで同時に満足し得る
ための技術に関し、鋭意検討を重ねた結果、以下の知見
を得た。 〈高感度化〉高感度化には、下記(1)〜(3)の点が重要で
ある。即ち、第一に、(1)サーマルヘッドから感熱記録
層への熱伝達を向上することが重要であり、このために
は感熱記録材料の記録面の表面平滑性の向上、記録面へ
のクッション性の付与が有効である。第二に、(2)サー
マルヘッドから伝達される熱を有効利用することが重要
であり、このためには支持体断熱化、感熱記録層のスリ
ム化が有効である。第三に、(3)増感剤に対する、電子
供与性無色染料及び電子受容性化合物の溶解速度の向上
が重要であり、このためには溶解度の向上、溶融粘度の
低減、素材粒径の低減が有効である。以下、具体的に説
明する。
伝達向上 感熱記録層を一定濃度にまで発色させるには一定量の熱
量が必要であるので、感熱記録材料の高感度化には、サ
ーマルヘッドからの熱を如何に効率的に記録層に伝達さ
せるかが重要である。ここで、固体の熱伝導率は気体と
比較して桁外れに高く、輻射熱との対比でも伝導熱の方
がはるかに高い。そのため、印画時の感熱記録層の表面
(以下、「記録面」ということがある。)とサーマルヘ
ッドとの接触率を高めることが有効であり、これにより
サーマルヘッドからの熱を感熱記録層に効率的に伝達す
ることができる。記録面とサーマルヘッドとの接触率を
高めるには、感熱記録材料に要求される物性として、
予め記録面の平滑性を高めておく、感熱記録材料のク
ッション性を高める、こと等が特に有効となる。
平面性を向上することが有効である。具体的には、平面
性の高い原紙を用いることのほか、吸油性顔料を主成分
とする下塗り層を設け、パルプによる凹凸を埋めるこ
と、などが望ましい。また、感熱記録層を塗布、乾燥し
た後、熱カレンダーやスーパーカレンダー処理を施し
て、平滑性を高めることも有効である。また、感熱記
録材料のクッション性を高める(クッション性の付与)
が有効であるのは、以下の知見に基づく。即ち、サーマ
ルヘッドを用いて感熱記録材料に熱印画する場合、プラ
テンロールを用いて適度な圧力をかけるが、圧力をかけ
た状態でサーマルヘッドと記録面との接触率を高めるに
は、感熱記録材料が変形し易ければよい。したがって、
クッション性を付与する具体的な手段としては、吸油性
顔料を主成分とする下塗り層を設けたり、吸油度の高い
顔料(例えば非晶質シリカ)を感熱記録層に含有するこ
とが有効である。このクッション性付与の考え方は、部
分グレーズ構造を有するサーマルヘッドを用いて記録す
る場合の高感度化に対しても特に有効である。ここで、
部分グレーズ構造とは、発熱体部のグレーズ層の断面形
状が基板上に凸状(山形)に構成されているものをい
う。
効利用 サーマルヘッドから伝達された熱の有効利用を図るに
は、支持体の断熱性付与が有効であり、その具体的な手
段としては、支持体中にできるだけ空隙を設けることが
有効である。感熱記録材料における場合は、例えば、吸
油度の高い顔料を含む下塗り層を設け、該下塗り層に使
用するバインダ量を極力減らす、下塗り層に中空粒子を
含有させる、などが挙げられる。また、熱の有効利用の
ためには、感熱記録層のスリム化も有効である。感熱記
録層の熱容量が感度に寄与していると考えると、感熱記
録層には発色に寄与しない成分が多く含まれ、その熱容
量分が無駄に消費されている。該成分としては、サーマ
ルヘッドと記録層とのクッツキを抑制する離型剤やワッ
クス類、溶融成分を吸収する吸油性顔料、素材の分散及
び塗膜強度を付与するためのバインダ類、等が該当す
る。これらによる熱量消費は約20〜30%にも及ぶの
で、これらの使用量を半減することにより、約10〜1
5%の感度の向上が期待できる。
中の顔料、バインダの含有量を減らすことで感度を向上
させることができる。バインダ量を減らすことで予想以
上に感度を高められるので熱容量以外の寄与も考えられ
るが、原因は不明である。但し、バインダの含有量を単
純に減らすと、サーマルヘッドのヘッドマッチング性や
塗膜強度などが悪化するので、なるべく効率的な素材配
分、即ち、必要な成分を必要な層に最少量使用すること
が重要となる。
及び電子受容性化合物の溶解速度の向上 感熱記録材料に関する技術開発の初期段階では、増感剤
は、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物の融点降
下剤として、より低温で発色させる目的で選定されてき
た。しかし、この発想では発色開始温度を維持しながら
感度を高めるのには限界があり、地肌カブリと感度との
両立が困難であった。そこで、本発明者等は、増感剤を
電子供与性無色染料や電子受容性化合物を溶解させるた
めの素材と捉え、必要以上に共融点を低下させることな
く、即ち地肌カブリを低く維持したまま、高感度化を実
現する増感剤の検討を行った結果、融解した増感剤中
に、電子供与性無色染料や電子受容性化合物が早く拡散
する方が高感度化には有利であるとの知見を得た。即
ち、溶解度が高いだけでなく、溶融粘度の低い増感剤を
選択すること、電子供与性無色染料や電子受容性化合物
の分散粒径を小さくすること、が高感度化に有効であり
好ましい。尚、前記分散粒径はあまり小さくしすぎると
地肌カブリが悪化するため、適切な範囲とすることが重
要である。
ッド耐久性の付与〉感熱記録材料は、その記録面(感熱
記録層の表面)に発熱素子であるサーマルヘッドを直接
接触させ該表面を擦りながら印画(印字)される。その
ため、溶融した記録層中の成分がヘッドに付着し、汚れ
として堆積することがある。また、サーマルヘッド表面
を物理的に摩耗したり、あるいは腐食する等によりヘッ
ド自体の寿命を短くしてしまうこともある。したがっ
て、下記手段を適用することが望ましい。即ち、 1)ヘッド汚れを防ぐ観点では、熱により溶融した染
料、顕色剤、増感剤等の物質を材料側に吸収、保持させ
ることが重要であり、このためには、記録層に吸油性の
高い顔料を用いる、或いは、吸油性の高い顔料を用いた
下塗り層を設ける、ことが有効である。 2)また、記録材料を構成する成分中の、ヘッド腐食発
生の原因となり易いイオン(Na+、K+等)含量を抑制
することが重要である。 3)物理摩耗を極力軽減する観点では、顔料の硬度、形
状、粒子径等を考慮することが重要である。
リの両立〉発色画像は、感熱記録材料の発色原理である
ロイコ染料と顕色剤が熱溶融し接触することによって起
こる化学反応が可逆反応であるため、油脂類、可塑剤な
どの薬品によって逆反応が起こり消え易い。したがっ
て、ハンドクリームやその他化粧品類、又は油脂類の付
着した手で触ったり、可塑剤を含むプラスチック製品や
有機溶剤含有の製品、革製品(消しゴム、塩化ビニル製
の机上マットや食品包装フィルム、マーカーペン、イン
クジェット用インク、財布や定期券入れ、等)に接触し
た状態で置かれる日常生活の中で発色画像が消える等、
画像保存性及び耐薬品性の点で問題が生じ易い。
像の消失、褪色)を克服するために様々な検討が進めら
れ、例えば、記録層上に物理的な遮蔽の目的で保護層
を形成し、いわゆるオーバーコートタイプとする、記
録層に架橋性の添加剤を加える、等が行われてきた。し
かし、保護層を設けても油や可塑剤は徐々に浸透し時間
の経過とともに褪色が進むことは避けられず、結果的
に、スーパーマーケットで生鮮食品に貼られる計量ラベ
ルなど、使用が短期間な用途に限られてしまう、架橋性
物質を加えても発色からその効果が現れるまでに相当の
時間を必要とする、等の問題があり、保存性がないとい
う基本的性能を満足するには至っていなかった。
者等の検討の結果、特定の電子受容性化合物が画像保存
性の良化に有用である、地肌カブリをも両立し得る、ま
た、これに更に特定の増感剤や電子供与性無色染料を組
合せることで地肌カブリを更に良化できる、との知見を
得た。また、特定の画像安定剤を組合せることで、地肌
カブリをほとんど悪化させることなく、画像保存性、耐
光性を更に良化できるとの知見をも得た。これらの知見
によれば、オーバーコートに頼っていた従来の保存性付
与技術では困難な、画像保存性と共に捺印適性及び取扱
い性をも高いレベルで付与することも可能である。以上
により、捺印適性及び画像保存性を両立することができ
る。
に優れた感熱記録材料が要求されることがあるが、画像
を担うロイコ染料は紫外線などによって容易に分解し易
いことから、長時間自然光等に曝された場合にもやはり
褪色する等、耐光性の点で問題があった。耐光性を向上
させるには、光によるロイコ染料の分解を防止する手段
を付与することが重要である。このためには、特に高位
のエネルギーである紫外線を防止する紫外線吸収剤を感
熱記録層や保護層に配合することが有効であり、特に感
熱記録層に紫外線が到達する前に効率的に遮断する観点
から、液状の紫外線吸収剤をマイクロカプセルに包み込
んで保護層に含有することがより有効である。
録材料の記録面(感熱記録層の表面)にオフセット印刷
が施される場合がある。そのような用途に対しては、輪
転フォーム印刷機の100m/minを超える印刷速度
に耐える表面強度と、湿し水吸収性とを有することが必
要であり、感熱記録層中の顔料やバインダの配合割合を
最適化することが重要である。このためには、前記顔料
として炭酸カルシウム等の吸油性顔料が好ましく、前記
バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA)、中
でも特にスルホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン
変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビ
ニルアルコールが好ましい。
が、オフィスや家庭でのファクシミリ用や、各種プリン
タ用の記録紙として広く使用されるようになった結果、
身の回りにある用紙(PPC用紙やノート、レポート用
紙等の上質紙)との比較で違和感を感じる、即ち、表面
がツルツルしている、筆記性が悪い、薄く手で持った場
合にこしがない等の指摘が盛んになされるようになっ
た。これらは、オフィスでのファクシミリが最近普通紙
を使用するPPCタイプヘ移行している理由の一つにな
っている。この点からは、支持体である原紙を厚くし
てこしを強くする、保護層の付与により、低光沢な表
面性、筆記性、捺印適性を付与する、など手触り感や使
い易さを上質紙へ近づけることが重要である。
材料とは、従来の感熱紙が持つ加工紙としての欠点が解
消され、表面がマット調である、手触りのヌメリ感がな
い、擦れ汚れにくい、記録像が褪色し難い、などの性能
を具備するものと考えられ、これまで普通紙ライクにす
る目的で記録層上に保護層を設けたものが提案されてい
た。しかし、従来の保護層には手触り、外観(マット
調)、筆記性等に配慮しすぎるあまり、捺印適性につい
ては配慮がなされていなかった。しかしながら、わが国
の習慣を背景に、捺印適性(ニジミがない、スタンプ等
の乾きが良好)は特に重要であると考え、普通紙ライク
性のある感熱記録材料のための保護層の改良を検討し
た。
感を得るには、保護層の顔料、バインダとして下記のも
のが有用であるとの知見を得た。前記顔料としては、捺
印適性、外観(マット調)、筆記性を重視するため、適
度な粒径と吸油量を有するものが好ましい。前記粒径
が、大きすぎると画質が悪くなることがあり、小さすぎ
ると筆記性、外観が悪くなることがある。また、吸油量
が大きすぎると、保護層の不透明性が上がって記録濃度
が低下したり、吸油量が小さすぎると、捺印適性(乾
き)が悪くなる傾向がある。前記バインダーとしては、
捺印適性(ニジミ)を防止する目的で、PVAとデンプ
ンを適切な比率で混合してなるものが特に好ましい。前
記PVAとしては、捺印適性(乾き)を付与する観点か
ら、いわゆる完全ケン化型(ケン化度93%程度以上)
のものが好ましい。
ッチング性〉近年、多くの分野、用途で感熱記録材料が
採用されてきた背景には、小型化、低ランニングコス
ト、メンテナンスフリーといった感熱記録方式の利点が
あっただけでなく、プリンタ(ハード)と記録紙(メデ
ィア)の双方で技術の向上が図られてきたことがある。
前記ハード面では、例えば、記録スピードは毎秒10イ
ンチ(約25cm)、記録巾は最大A0サイズ(約90
0mm)、解像度は600dpi(24ドット/mm)
といったように、従来のドットプリンタやレーザープリ
ンタに劣らない高性能プリンタが出現し、したがって、
用途に合わせて各技術を組合せ、最適な設計と制御方法
とを備えるように構成することが重要である。
記録速度が10cm/秒以上の高速プリンタ、部分グレ
ーズ構造を有するサーマルヘッドを備えたプリンタなど
が好適に挙げられるが、これらと組合せた場合、記録速
度が10cm/秒以上の高速プリンタでは、従来の感熱
記録材料では感度が不足する場合があり、部分グレーズ
構造を有するサーマルヘッドを備えたプリンタでは、ヘ
ッド汚れが生じやすい傾向があった。
適化の検討を行った結果、特定の顕色剤(電子受容性化
合物)を選択使用すると、特に記録速度が10cm/秒
以上の高速プリンタ、部分グレーズ構造を有するサーマ
ルヘッドを備えたプリンタと組合せた場合でも、上述の
感熱記録材料に要求される性能を高いレベルで満たしな
がら、高感度化と良好なヘッドマッチング性を発揮し得
るとの知見を得た。
ード(装置)の中には、写真を受信する場合のファクシ
ミリ等のように、記録画質が重要な場合がある。記録画
質の良化については、吸油性顔料を主に含む下塗り層の
塗設、特に下塗り層をカーテン塗布法若しくはブレード
塗布法(特にブレード塗布法)により塗布形成すること
が、高画質化に有効であるとの知見を得た。
荷がより小さいシステムが社会的に要求され、感熱記録
材料の分野においても例外ではない。環境負荷の低減の
ためには、より少ない素材使用量、より少ないエネルギ
ー使用量で要求性能を満たすことが重要である。このた
めには、感熱記録層などをカーテン塗布法で塗設するこ
とが、発色濃度の向上の点で有効であり、しかも複数の
層を同時重層塗布とすることが、乾燥・ハンドリング時
のエネルギー消費を低減できる点で有効である、との知
見を得た。即ち、同じ発色濃度であれば、従来より少な
い素材使用量で低エネルギーにより得ることが可能とな
る。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りであ
る。 <1> 支持体上に、少なくとも電子供与性無色染料
と、電子受容性化合物とを含む感熱発色層と1層以上の
保護層を有する感熱記録材料において、 前記感熱発色
層は、電子受容性化合物(顕色剤)として下記一般式
(1)で表される化合物を含有し、前記保護層には平均
粒径が0.1〜1.2μmの無機顔料とポリビニルアル
コールと酸化でんぷん及び/または尿素リン酸エステル
化でんぷんとからなる水溶性高分子とを含有し、かつ保
護層面の中心線平均粗さRa75が2.0μm以下である
ことを特徴とする感熱記録材料である。
NH−Ph、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−P
hを表し、R3は、アルキル基を表す。Phは無置換の
フェニル基または無置換のフェニレン基を表す。〕
ば、発色成分の一方として前記一般式(1)で表される
電子受容性化合物を用いるので、地肌カブリを低く維持
しながら高感度化することができ、形成画像の長期保存
性(画像保存性;以下、同様とする。)、耐薬品性、及
びサーマルヘッドのヘッドマッチング性をも同時に向上
することができる。しかも保護層には平均粒径が0,1
〜1,2μ型の無機顔料とポリビニルアルコールと酸化
でんぷん及び/または尿素リン酸エステル化でんぷんと
をからなる水溶性高分子とを含有し、かつ保護層面の中
心線平均粗さRa 75が2.0μm以下であることから良
好な捺印適性を確保することができる。
物が、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドである
前記<1>に記載の感熱記録材料である。前記<2>に
記載の感熱記録材料によれば、電子受容性化合物として
4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドを含むので、
より効果的に高感度化、画像保存性の向上、ヘッドマッ
チング性の向上が図れ、地肌部の地肌カブリ(地肌部の
カプリ濃度)の上昇を招くこともない。
が、水酸化アルミニウムである前記<1>又は<2>に
記載の感熱記録材料である。前記<3>に記載の感熱記
録材料によれば、感熱発色層上に特定の無機顔料を含む
保護層が設けられるので、その吸油性等により保存性を
向上できると同時に、取扱い性と捺印適性の付与(普通
紙ライタ感の付与)をも実現することができる。
ビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコー
ル、及びアセトアセチル変性ポリビニルアルコールより
選択される少なくとも一種の変性ポリビニルアルコール
を含有する前記<1>ないし<3>のいずれかに記載の
感熱記録材料である。前記<4>に記載の感熱記録材料
によれば、感熱発色層が接着剤として特定の水溶性樹脂
を含有するので、より高いレベルでの高感度化と地肌カ
プリの更なる低減とを両立することができる。また、本
構成によっても、印刷適性をも同時に付与することがで
きる。更に、架橋剤と組合せることにより耐水性をも付
与でき至。
該画像安定剤が、1,1,3−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン
及び1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−シクロヘキシルフェエル)ブタンの少なくとも一
方である前記<1>ないし<4>のいずれかに記載の感
熱記録材料である。前記<5>に記載の感熱記録材料に
よれば、感熱発色層が特定の画像安定剤を含有するの
で、発色反応(正反応)の逆反応への移行を抑え、画像
保存性を更に向上させることができる。また同時に、耐
光性の向上にも寄与する。
無機顔料が、カルサイト系(軽質)炭酸カルシウム,非
晶質シリカ、及び水酸化アルミニウムより選択される少
なくとも一種である前記<1>ないし<5>のいずれか
に記載の感熱記録材料である。前記<6>に記載の感熱
記録材料によれば、感熱発色層が特定の無機顔料を含有
するので、接触するサーマルヘッドとのヘッドマッチン
グ性とより向上することができ、捺印適性をも同時に付
与することができる。
記<1>ないし<6>のいずれかに記載の感熱記録材料
である。前記<7>に記載の感熱記録材料によれば、支
持体に古紙パルプを用いるので、資源の再利用、及び省
資源化を実現することができる。
オン濃度が1500ppm以下である前記<1>ないし
<7>のいずれかに記載の感熱記録材料である。前記<
8>に記載の感熱記録材料によれば、イオン含量の少な
い素材を選択使用する結果、感熱記録材料を構成する支
持体や層等の全体に占める総イオン濃度が低く抑えられ
るので、ヘッドに付着するイオン量が抑えられ、サーマ
ルヘッドの耐腐食(耐久性)を向上させることができ
る。
した後0.1秒経過後の接触角が20°以上である前記
<1>ないし<8>のいずれかに記載の感熱記録材料で
ある。前記<9>に記載の感熱記録材料によれば、感熱
発色層の表面の接触角を20°以上とするので、インク
ジェット記録若しくは捺印時のインクの滲みが効果的に
抑制され、インクジェット適性の付与、捺印適性の良化
を図ることができる。
℃、相対湿度20%の環境条件下で24時間放置した後
の、前記形成画像における濃度残存率が65%以上であ
る前記<1>ないし<9>のいずれかに記載の感熱記録
材料である。前記<10>に記載の感熱記録材料によれ
ば、形成画像を長期間高濃度に維持することができるの
で、重要文書の保管、前売りチケット、レシート、金券
など、長期間に渡り画像信頼性が要求される分野での適
用が可能となる。
み、該増感剤が、2−ベンジルオキシナフタレン、シュ
ウ酸ジメチルベンジル、m−ターフェニル、エチレング
リコールトリルエーテル、p−ベンジルビフェニール、
1,2−ジフェノキシメチルベンゼン、1,2−ジフェ
ノキシエタン、及びジフェニルスルホンより選択される
少なくとも一種である前記<1>ないし<10>のいず
れかに記載の感熱記録材料である。前記<11>に記載
の感熱記録材料によれば、感熱発色層が特定の増感剤を
含有するので、溶解粘度を下げて発色成分を良好に拡散
し得、地肌カプリを悪化することなく、効果的に高感度
化することができる。
般式(1)で表される化合物100質量部に対して75
〜200質量部である前記<11>に記載の感熱記録材
料である。前記<12>に記載の感熱記録材料によれ
ば、増感剤が電子受容性化合物の量に適した範囲で含有
されるので、他の諸性能に支障を来すことなく、効果的
に高感度化を図ることができる。
−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチ
ル−N−イノアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N一エチル−N−プロピルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−
n−アミルアミノフルオラン、及び2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フ
ルオランより選択される少なくとも一種である前記<1
>ないし<12>のいずれかに記載の感熱記録材料であ
る。
ば、感熱発色層が特定の電子供与性無色染料を含有する
ので、より高いレベルでの高感度化、地肌カプリの低
減、並びに保存性の向上を同時に満足することができ
る。
ーテン塗布法により塗布形成される前記<1>ないし<
13>のいずれかに記載の感熱記録材料である。前記<
14>に記載の感熱記録材料によれば、複数層のうちの
少なくとも一層、特に感熱発色層がカーテン塗布法によ
り塗設されるので、構成成分を記録面に集中させること
ができ、より少ない素材使用量で発色濃度を高め得ると
共に、画像品質(画質)をも良化することができる。ま
た、カーテン塗布法により複数層を同時重層塗布する場
合には、製造時の消費エネルギーの低減をも達成するこ
とができる。
は、電子供与性無色染料及び電子受容性化合物を組合せ
た発色系の感熱記録層を有してなり、前記電子受容性化
合物として、R 1−C6H4−SO2R2で表される化合物
を含有し、かつ前記保護層には平均粒径が0.1〜1.
2μmの無機顔料とポリビニルアルコールと酸化でんぷ
ん及び/または尿素リン酸エステル化でんぷんとからな
る水溶性高分子とを含有し、かつ保護層面の中心線平均
粗さRa75が2.0μm以下であることを特徴とする感
熱記録材料である。以下、本発明の感熱記録材料につい
て詳細に説明する。
層若しくは二層以上の感熱記録層を有してなり、好まし
くは保護層を有してなる。また、必要に応じて、中間層
等の他の層を有していてもよい。 <感熱記録層>前記感熱記録層は、電子供与性無色染料
と、該電子供与性無色染料と反応して発色させる電子受
容性化合物とを含み、好ましくは画像安定剤(紫外線防
止剤)、無機顔料、増感剤を含んでなり、必要に応じて
他の成分を含んでいてもよい。
とも一種の電子供与性無色染料を含有する。前記電子供
与性無色染料としては、従来公知のものの中から適宜選
択することができ、例えば、2−アニリノ−3−メチル
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオラ
ン、及び2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル
−N−p−トリルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−
3−メチル−6−N−エチル−N−sec−ブチルアミ
ノフルオラン、3−ジ(n−ペンチルアミノ)−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−(N−イソアミル
−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−
(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ]−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル
アミノ)−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオ
ラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、等が挙げられ
る。
−6−ジエチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−ジブチルアミノフルオラン、2−アニリノ
−3−メチル−6−(N−エチル−N−イソアミルアミ
ノ)フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N
−エチル−N−プロピルアミノ)フルオラン、2−アニ
リノ−3−メチル−6−ジ−n−アミルアミノフルオラ
ン、及び2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル
−N−p−トリルアミノ)フルオランよりなる群より選
択される少なくとも一種を含有することが特に好まし
い。また、前記電子供与性無色染料は、単一の感熱記録
層に一種単独で用いてもよいし、二種以上を併用しても
よい。
子供与性無色染料として含有することにより、特に、地
肌カブリを低く保持しながら発色濃度を高めつつ、同時
に形成された画像部の画像保存性をも更に向上させるこ
とができる。
記録層用塗布液」ということがある。)を調製する際に
おいて、前記電子供与性無色染料の粒径としては、体積
平均粒径で1.0μm以下が好ましく、0.4〜0.7
μmがより好ましい。該体積平均粒径が、1.0μmを
超えると、熱感度が低下することがあり、0.4μm未
満であると、地肌カブリが悪化することがある。前記体
積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、
LA500(ホリバ(株)製)等によって容易に測定す
ることができる。
は、0.1〜1.0g/m2が好ましく、発色濃度及び
地肌カブリの点で、0.2〜0.5g/m2がより好ま
しい。
と熱時反応して発色させる電子受容性化合物として、下
記一般式(1)で表される化合物の少なくとも一種を含
有する。該化合物を電子受容性化合物として含有するこ
とにより、地肌カブリを低く維持しながら高感度化する
ことができ、形成画像の長期保存性(画像保存性)、耐
薬品性、インクジェット適性及びサーマルヘッドのヘッ
ドマッチング性をも同時に向上することができる。
−NH−Ph、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−
Phを表し、R3は、アルキル基を表す。Phは無置換
のフェニル基または無置換のフェニレン基を表す。
炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、等が好適である。中でも、前記
R1としては、水酸基が特に好ましい。
ル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、
イソプロピル基等が特に好適である。また、Phは、フ
ェニル基が「−SO2R2を含む置換基」で置換された置
換フェニル基であってもよく、該置換基のR2はメチル
基、ハロゲン原子等で更に置換されていてもよい。該置
換基としては、−CH2−C6H5−NHCONH−SO2
−C6H5、−SO2−C6H5、−SO2−C6H4−C
H3、−SO2−C6H4−Cl、等が挙げられる。中で
も、前記R2としては、−NH−C6H5が特に好まし
い。
しい具体例としては、4−ヒドロキシベンゼンスルホン
アニリド(=p−N−フェニルスルファモイルフェノー
ル)、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニ
ルスルホン、等が挙げられる。但し、本発明において
は、これらに限定されるものではない。
合物の中でも、画像保存性と地肌カブリとのバランスの
点で、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドが最も
好ましい。
物の含有量としては、前記電子供与性無色染料の質量に
対して、50〜400質量%が好ましく、100〜30
0質量%がより好ましい。
合物と共に、本発明の効果(特に、地肌カブリの低減、
高感度化、並びに画像保存性、耐薬品性、及びヘッドマ
ッチング性の向上)を損なわない範囲で、他の公知の電
子受容性化合物を併用してもよい。前記公知の電子受容
性化合物としては、適宜選択して使用することができ、
特に地肌カブリを抑制する観点から、フェノール性化合
物、又はサルチル酸誘導体及びその多価金属塩が好まし
い。
ば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェノール)プロ
パン(ビスフェノールA)、4−t−ブチルフェノー
ル、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシジフェノ
キシド、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シ
クロヘキサン、1,1’−ビス(3−クロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3
−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタ
ン、4,4’−sec−イソオクチリデンジフェノー
ル、4,4’−sec−ブチリレンジフェノール、4−
tert−オクチルフェノール、4−p−メチルフェニ
ルフェノール、4,4’−メチルシクロヘキシリデンフ
ェノール、4,4’−イソペンチリデンフェノール、4
−ヒドロキシ−4−イソプロピルオキシジフェニルスル
ホン、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、等が挙げられ
る。
4−ぺンタデシルサルチル酸、3−5−ジ(α−メチル
ベンジル)サルチル酸、3,5−ジ(tert−オクチ
ル)サルチル酸、5−オクタデシルサルチル酸、5−α
−(p−α−メチルベンジルフェニル)エチルサルチル
酸、3−α−メチルベンジル−5−tert−オクチル
サルチル酸、5−テトラデシルサルチル酸、4−ヘキシ
ルオキシサルチル酸、4−シクロヘキシルオキシサルチ
ル酸、4−デシルオキシサルチル酸、4−ドデシルオキ
シサルチル酸、4−ペンタデシルオキシサルチル酸、4
−オクタデシルオキシサルチル酸等、及びこれらの亜
鉛、アルミニウム、カルシウム、銅、鉛塩等が挙げられ
る。
合、既述の一般式(1)で表される電子受容性化合物の
含有量としては、電子受容性化合物の総質量に対して、
50質量%以上が好ましく、70質量%以上が特に好ま
しい。
前記電子受容性化合物の粒径としては、体積平均粒径で
1.0μm以下が好ましく、0.4〜0.7μmがより
好ましい。該体積平均粒径が、1.0μmを超えると、
熱感度が低下することがある。尚、0.4μm未満にな
ると地肌カブリが悪化することもある。前記体積平均粒
径も、レーザ回折式粒度分布測定器(例えば、LA50
0(ホリバ(株)製)等によって容易に測定できる。
好ましい。特に感度をより大きく向上させ得る点で、2
−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジメチルベンジ
ル、m−ターフェニル、エチレングリコールトリルエー
テル、p−ベンジルビフェニール、1,2−ジフェノキ
シメチルベンゼン、1,2−ジフェノキシエタン、及び
ジフェニルスルホンからなる群(以下、「本発明に係る
増感剤」ということがある。)より選択される少なくと
も一種を含有することが好ましい。
剤の総含有量としては、前記電子受容性化合物(好まし
くは、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド)10
0質量部に対して、75〜200質量部が好ましく、1
00〜150質量部がより好ましい。前記含有量が上記
範囲にあると、感度の向上効果が大きく、かつ画像保存
性も良化することができる。
明の効果を損なわない範囲で、従来公知のものの中から
適宜選択される他の増感剤を併用してもよい。前記他の
増感剤を併用する場合、前記群から選択される増感剤の
量としては、層中に含有される増感剤の総量の50質量
%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
モノアマイド、脂肪族ビスアマイド、ステアリル尿素、
ジ(2−メチルフェノキシ)エタン、ジ(2−メトキシ
フェノキシ)エタン、β−ナフトール−(p−メチルベ
ンジル)エーテル、α−ナフチルベンジルエーテル、
1,4−ブタンジオール−p−メチルフェニルエーテ
ル、1,4−ブタンジオール−p−イソプロピルフェニ
ルエーテル、1,4−ブタンジオール−p−tert−
オクチルフェニルエーテル、1−フェノキシ−2−(4
−エチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−
(クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオール
フェニルエーテル、ジエチレングリコールビス(4−メ
トキシフェニル)エーテル、1,4−ビス(フェノキシ
メチル)ベンゼン、等が挙げられる。
剤を含む。)を含有することが好ましい。紫外線吸収剤
はマイクロカプセル化されてもよい。画像安定剤を含有
させることにより、形成された発色画像の保存性(画像
保存性)をより向上させることができる。
ル化合物、特にヒンダードフェノール化合物が有効であ
り、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−エチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシル
フェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2’−メ
チレン−ビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール),2,2’−メチレン−ビス(6−tert−
ブチル−4−エチルフェノール)4,4’−ブチリデン
−ビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−te
rt−ブチルフェノール)等が挙げられる。尚、画像安
定化剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上
を併用してもよい。
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンが好ま
しい。
含有量としては、地肌カブリを抑え、画像保存性を効果
的に向上させる観点から、前記電子供与性無色染料10
0質量部に対して、10〜100質量部が好ましく、2
0〜60質量部がより好ましい。また、1,1,3−ト
リス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブ
チルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフ
ェニル)ブタンと共に、これらを除く他の上記画像安定
剤を併用する場合、単一の感熱記録層における、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチルフェニル)ブタン及び/又は1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘ
キシルフェニル)ブタンの含有量としては、画像安定剤
の総質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質
量%以上がより好ましい。
外線吸収剤を挙げることができる。
含有量としては、画像保存性を効果的に向上させる観点
から、前記電子供与性無色染料100質量部に対して、
10〜300質量部が好ましく、30〜200質量部が
より好ましい。
ルサイト系炭酸カルシウム、非晶質シリカ、及び水酸化
アルミニウムより選択される少なくとも一種(本発明に
係る無機顔料)を含有することが好ましい。これらを含
有することにより捺印適性を高め、同時に接触するサー
マルヘッドとのヘッドマッチング性をより向上すること
ができ、印刷適性や普通紙ライク性をも付与することが
できる。
イト、アラゴナイト、バテライト等の結晶形があるが、
サーマルヘッドでの記録した時の発色濃度、及びヘッド
汚れを防止する点、並びに吸収性、硬度等の点から、カ
ルサイト系(軽質)炭酸カルシウムが好ましく、中でも
特に、粒子形状が紡錘状又は偏三角面状態であるものが
好ましい。カルサイト系(軽質)炭酸カルシウムは、公
知の製造方法により製造することができる。
係る無機顔料」の含有量としては、発色濃度の向上、サ
ーマルヘッドへのカス付着防止の観点から、電子受容性
化合物100質量部に対して、50〜500質量部が好
ましく、70〜350質量部がより好ましく、90〜2
50質量部が特に好ましい。
ッドマッチング性、印刷適性及び普通紙ライク性の向
上)を損なわない範囲で、上記本発明に係る無機顔料と
共に他の無機顔料を併用してもよい。前記他の無機顔料
としては、カルサイト系(軽質)炭酸カルシウムを除く
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リトポン、ロウ石、カ
オリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、カオリン、炭酸
マグネシウム、酸化マグネシウム、等が挙げられる。前
記他の無機顔料の体積平均粒径(レーザ回折式粒度分布
測定器(例えば、LA500(ホリバ(株)製)等)に
よる)としては、0.3〜1.5μmが好ましく、0.
5〜0.9μmがより好ましい。
とを併用する場合、「本発明に係る無機顔料」の総質量
(v)と前記他の無機顔料の総質量(w)との比(v/
w)としては、100/0〜60/40が好ましく、1
00/0〜80/20がより好ましい。
観点からは、モース硬度3以下の無機顔料が好ましい。
「モース硬度」とは、「英和プラスチック工業辞典 第
5版p.616」(小川伸著、工業調査会(株)発行)に
記載のモース硬度(Mohs Hardness)を意
味する。モース硬度3以下の無機顔料には、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム等が含まれる。
ム、酸化マグネシウムと混合して用いると、地肌カブリ
の低減に有効である点で好ましく、その場合の炭酸マグ
ネシウム及び/又は酸化マグネシウムの含有量として
は、無機顔料の総質量の3〜50質量%、特に5〜30
質量%とするのが好ましい。
の保護コロイド)として、スルホ変性ポリビニルアルコ
ール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、及びアセ
トアセチル変性ポリビニルアルコールより選択される少
なくとも一種(即ち、変性ポリビニルアルコール(以
下、「特定変性PVA」ということがある))を含有す
ることが好ましい。感熱記録層中に接着剤として前記特
定変性PVAを含有することにより、普通紙ライク感を
付与できると共に、感熱記録層と支持体との間の密着力
を増大させ、オフセット印刷時等に生じる紙むけ等のト
ラブルを防止し得、取扱い性と捺印適性を高めることが
できる。更に、地肌カブリをより低く抑えながら、サー
マルヘッドでの記録した時の発色濃度を高めることがで
きる。
いし、併用してもよく、更に他の変性PVAやポリビニ
ルアルコール(PVA)を併用してもよい。前記他の変
性PVAやPVAを併用する場合、前記特定変性PVA
の占める割合としては、接着剤成分の総質量に対し、1
0質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好まし
い。
85〜99モル%であるものが好ましい。前記ケン化度
が85モル%未満であると、オフセット印刷時に用いる
湿し水に対する耐水性が不足する結果、いわゆる紙むけ
を生じやすくなることがあり、これを回避するために変
性PVAの添加量を増加し紙むけを防止しようとすると
発色濃度が低下することがある。また、前記ケン化度が
99モル%を越えると、塗布液の調製の際に未溶解物が
生じやすく、塗膜不良が発生する要因となることがあ
る。尚、本発明の効果を損なわないためにも、他の変性
PVAやPVAを併用する場合においても、該他の変性
PVAやPVAのケン化度が上記範囲内であることが好
ましい。
は、200〜2000が好ましい。前記重合度が200
未満であると、オフセット印刷の際に紙むけを生じやす
くなることがあり、紙むけを回避するために添加量を増
やそうとすると発色濃度が低下することがある。また、
前記重合度が2000を越えると、変性PVAが溶媒
(水)に溶解しにくく、調製時の液粘度も高くなるた
め、感熱記録層形成用の塗布液の調製及びその塗布が困
難になることがある。また、本発明の効果を損なわない
ためにも、他の変性PVAやPVAを併用する場合にお
いても、該他の変性PVAやPVAの重合度が上記範囲
内にあることが好ましい。尚、ここでの重合度とは、J
IS−K6726(1994)に記載の方法で求めた平
均重合度をいう。
量としては、発色濃度の向上とオフセット印刷適性(紙
むけ防止等)の付与の点から、電子供与性無色染料10
0質量部に対して、30〜300質量部が好ましく、7
0〜200質量部がより好ましく、100〜170質量
部が特に好ましい。前記特定変性PVAは、層間密着力
を高める接着剤としての機能のほか、分散剤及び結合剤
等としての機能をも担う。
ホ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニ
ルアルコール、及びアセトアセチル変性ポリビニルアル
コールについて詳細に説明する。
エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルス
ルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩と、酢酸
ビニル等のビニルエステルと、をアルコールあるいはア
ルコール/水混合溶媒中で重合して得られた重合体をケ
ン化する方法や、ミドナトリウム塩と酢酸ビニル等のビ
ニルエステルとを共重合させ、得られた共重合体をケン
化する方法、PVAを臭素、ヨウ素等で処理した後、酸
性亜硫酸ナトリウム水溶液中で加熱する方法、PVAを
濃厚な硫酸水溶液中で加熱する方法、PVAをスルホン
酸基を含有するアルデヒド化合物でアセタール化する方
法、等で製造することができる。
は、ジアセトン基を有する単量体とビニルエステルとの
共重合体の部分若しくは完全ケン化物であって、ジアセ
トン基を持つ単量体とビニルエステルとを共重合して得
た樹脂をケン化することによって製造できる。前記ジア
セトン変性ポリビニルアルコールにおいて、ジアセトン
基を有する単量体(繰り返し単位構造)の割合は特に限
定されない。
ールは、一般に、ポリビニルアルコール系樹脂の溶液、
分散液又は粉末に、液状又はガス状のジケテンを添加反
応させて製造することができる。該アセトアセチル変性
ポリビニルアルコールのアセチル化度は、目的とする感
熱記録材料の品質に応じて適宜選定することができる。
必要に応じて、架橋剤、他の顔料、金属石鹸、ワック
ス、界面活性剤、バインダー、帯電防止剤、消泡剤、蛍
光染料等の他の成分を含有してもよい。
るいは保護コロイド)として用いる特定変性PVA及び
他の変性PVA等に作用する架橋剤を含有していてもよ
い。該架橋剤を含有することにより、感熱記録材料の耐
水性を向上させることができる。前記架橋剤としては、
特定変性PVA(及び好ましくは他の変性PVA等)を
架橋させ得るものであれば適宜選択することができ、中
でも、グリオキザール等のアルデヒド化合物、アジピン
酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物が特に好まし
い。感熱記録層における架橋剤の含有量としては、架橋
の対象となる特定変性PVA及び他の変性PVA等10
0質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、3〜2
0質量部がより好ましい。該架橋剤の含有量が上記範囲
内であると、耐水性を効果的に良化することができる。
記録した時の滲みを防止する目的で、媒染剤を含有して
いてもよい。前記媒染剤としては、アミド基、イミド
基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、1級
アンモニウム塩基、2級アンモニウム塩基、3級アンモ
ニウム塩基、4級アンモニウム塩基から選択される少な
くとも一種のカオチン基を含む化合物が挙げられる。
ヒドリン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム
クロライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキ
シエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチ
ルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ポリエチレンイ
ミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポ
リアミド−ポリアミン樹脂、カオチン化でんぷん、ジシ
アンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロ
キシプロピルアンモニウム塩重合物、等が挙げられる。
ある。該カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエ
チレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミ
ン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポ
リメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチル
ジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミン塩
酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷ
ん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2
−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミ
ジン、ポリビニルアミン、等が挙げられる。
200000程度が好ましい。該分子量が、1000未
満であると、耐水性が不十分となる傾向があり、200
000を超えると、粘度が高くなりハンドリング適正が
悪くなることがある。尚、前記カチオン性ポリマーは、
感熱記録層、及び後述の保護層のいずれに添加してもよ
い。
鹸としては、高級脂肪酸金属塩が挙げられ、具体的に
は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸アルミニウム等が挙げられる。ワックスとして
は、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、カルナバワックス、メチロールステアロア
ミド、ポリエチレンワックス、ポリスチレンワックス、
及び脂肪酸アミド系ワックス等が挙げられ、一種単独で
用いてもよく、二種以上混合してもよい。界面活性剤と
しては、例えば、スルホコハク酸系のアルカリ金属塩、
フッ素含有界面活性剤、等が挙げられる。
電子受容性化合物、無機顔料、接着剤及び増感剤、並び
に他の成分の分散は、水溶性のバインダー中で好適に行
うことができる。ここで用いられるバインダーとして
は、25℃の水に対して5質量%以上溶解する化合物が
好ましい。具体的には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
デンプン類(変性デンプンを含む)、ゼラチン、アラビ
アゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体
のケン化物、等が挙げられる。
熱記録層の膜強度を向上させる機能をも担い、この機能
の発揮に対して、スチレン−ブタジエン共重合物、酢酸
ビニル共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
物、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合物、ポリ塩化
ビニリデン等の合成高分子ラテックス系のバインダーを
併用することもできる。
料、接着剤及び増感剤は、ボールミル、アトライター、
サンドミル等の攪拌・粉砕機によって同時又は別々に分
散等され、塗布液として調製することができる。該塗布
液には、必要に応じて上述の他の成分、即ち、架橋剤、
媒染剤、金属石鹸、ワックス、界面活性剤、バインダ
ー、帯電防止剤、消泡剤、及び蛍光染料等が添加され
る。
該塗布液は支持体の表面に塗布され、感熱記録層が形成
される。塗布液を塗布する塗布方法としては、特に制限
はなく、例えば、エアーナイフコーター、ロールコータ
ー、ブレードコーター、カーテンコーター等を用いた塗
布法から適宜選択すればよく、塗布後は乾燥される。乾
燥後は、好ましくはキャレンダー処理により平滑化処理
され使用に供される。感熱記録層を塗布形成する場合の
塗布量としては、乾燥質量で6g/m2未満が好まし
く、5g/m2未満が特に好ましい。
で高濃度(高感度)が得られ、同時に画像品質(画質)
をも良化できる点で、カーテンコーターを用いたカーテ
ン塗布法が特に好ましい。また、後述のように、感熱記
録層以外に保護層等をも積層する場合には、カーテン塗
布法により複数層を同時重層塗布することにより、製造
時の消費エネルギーをより低減することができる。具体
的には以下の通りである。
いは支持体上に設けられる複数の層の一部又は全部を、
単一あるいは複数種の塗布液を支持体の表面にカーテン
塗布した後、乾燥させて製造される。カーテン塗布して
形成される層の種類としては、特に限定されないが、例
えば、下塗り層、感熱記録層、保護層などが挙げられ、
これらの隣接する一連の層がカーテン塗布により多層同
時塗布される態様も好ましい。
例としては、下塗り層と感熱記録層の組合せ、感熱記録
層と保護層の組合せ、下塗り層、感熱記録層及び保護層
の組合せ、種類の異なる2以上の下塗り層の組合せ、種
類の異なる2以上の感熱記録層の組合せ、種類の異なる
2以上の保護層の組合せ、等が挙げられ、これらに限定
されるものではない。
しては、特に限定されないが、エクストルージョンホッ
パー型カーテン塗布装置、スライドホッパー型カーテン
塗布装置などが挙げられ、中でも、写真感光材料の作製
などに使用されている、特公昭49−24133号公報
に記載のスライドホッパー型カーテン塗布装置が特に好
ましい。このスライドホッパー型カーテン塗布装置を用
いると、容易に多層の同時塗布を行うことができる。
一層の保護層を設けることが好ましく、該保護層は、有
機若しくは無機の微粉末、バインダー、界面活性剤、熱
可融性物質等を含有して構成することができる。前記微
粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ類、酸
化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化亜
鉛、硫酸バリウム、カオリン、クレー、タルク、表面処
理されたカルシウムやシリカ等の無機系微粉末のほか、
尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重合
体、ポリスチレン等の有機系微粉末、等が挙げられる。
なくともポリビニルアルコールと酸化でんぷん及び/ま
たは尿素リン酸エステル化でんぷんとを含有する。ポリ
ビニルアルコールとしては、ポリビニルアルコール又は
変性ポリビニルアルコール(以下、これらを総称して
「ポリビニルアルコール」という。)前記変性ポリビニ
ルアルコールとしては、アセトアセチル変性ポリビニル
アルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、珪
素変性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニル
アルコールが好ましく、このほか、スルホ変性ポリビニ
ルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等
が用いられる。
でんぷん及び/または尿素リン酸エステル化でんぷんの
他 に、併用可能なバインダーとして酢酸ビニル−アクリ
ルアミド共重合体、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン
類、アラビヤゴム、カゼイン、スチレン−マレイン酸共
重合体加水分解物、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、及びスチレン−ブタジエンゴムラテッ
クス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、
アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビ
ニルエマルション等のラテックス類、等を挙げることが
できる。
及び/又は尿素リン酸エステル化澱粉(y)とを90/
10〜10/90の質量比率(x/y)で混合して用い
ることが特に好ましい。特に、前記ポリビニルアルコー
ル、酸化澱粉および尿素リン酸エステル化澱粉の全てを
併用する場合には、酸化澱粉(y1)と尿素リン酸エス
テル化澱粉(y2)との質量比率(y1/y2)は、10
/90〜90/10とすることが好ましい。
て、感熱記録材料の保存安定性をより一層向上させるた
めの耐水化剤を添加する態様も好ましい。該耐水化剤と
しては、例えば、N−メチロール尿素、N−メチロール
メラミン、尿素−ホルマリン等の水溶性初期縮合物、グ
リオキザール、グルタルアルデヒド等のジアルデヒド化
合物類、硼酸、硼砂、コロイダルシリカ等の無機系架橋
剤、ポリアミドエピクロルヒドリン、等が挙げられる。
尚、ポリビニルアルコールと反応する架橋剤を組合せる
ことにより、保存性、取扱い性および捺印適性を更に良
化することができる。
は、水酸化アルミニウム、カオリン及び非晶質シリカよ
り選択される少なくとも一種の無機顔料と、水溶性高分
子とを含んでなる態様が好ましい。該態様に構成するこ
とにより、保存性を向上できると同時に、取扱い性と捺
印適性をも付与することができる。尚、更に界面活性
剤、熱可融性物質等を含有していてもよい。
としては、0.5〜3μmが好ましく、0.7〜2.5
μmがより好ましい。中でも、捺印適性を向上させる観
点からは、0.5〜1.2μmの水酸化アルミニウムが
好ましく、インクジェット適性を向上させる観点から
は、非晶質シリカを用いることが好ましい。ここでの体
積平均粒径の測定は、既述の電子供与性無色染料等のそ
れと同様にして行うことができる。
シリカより選択される無機顔料の総含有量としては、保
護層形成用の塗布液の全固形分(質量)に対して、10
〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ま
しい。また、本発明の効果(特に、保存性の向上、並び
に取扱い性と捺印適性の付与)を損なわない範囲で、硫
酸バリウム、硫酸亜鉛、タルク、クレー、コロイダルシ
リカ等の他の顔料を併用してもよい。
層形成用の塗布液の全固形分(質量)に対して、10〜
90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好まし
い。
ては、例えば、エチレンジアミン等の多価アミン化合
物、グリオキザール、グルタルアルデヒド、ジアルデヒ
ド等の多価アルデヒド化合物、アジピン酸ジヒドラジ
ド、フタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、水
溶性メチロール化合物(尿素、メラミン、フェノー
ル)、多官能エポキシ化合物、多価金属塩(Al、T
i、Zr、Mg等)、などが好適に挙げられる。中で
も、多価アルデヒド化合物、ジヒドラジド化合物が好ま
しい。
高分子の質量に対して、2〜30質量%程度が好まし
く、5〜20質量%がより好ましい。該架橋剤を含有す
ることによって、膜強度や耐水性等をより向上させるこ
とができる。また、保護層中における、水酸化アルミニ
ウム、カオリン及び非晶質シリカより選択される無機顔
料と水溶性高分子との混合比としては、無機顔料の種類
やその粒径、水溶性高分子の種類等によって異なるが、
無機顔料の質量に対して、水溶性高分子の量を50〜4
00質量%とすることが好ましく、100〜250質量
%とすることがより好ましい。また、保護層中に占める
無機顔料と水溶性高分子の総質量は、保護層の全固形分
質量の50質量%以上であることが好ましい。
る点では、前記保護層、即ち保護層形成用の塗布液(以
下、「保護層用塗布液」ということがある。)に界面活
性剤を添加する態様も好ましい。前記界面活性剤として
は、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸アルキルエステル
塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル、ヘキサメタリン酸ナトリウム、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、等が好ましく、中でも、スルホコハク
酸アルキルエステル塩がより好ましい。前記界面活性剤
の含有比としては、保護層形成用の塗布液の全固形分
(質量)に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.
5〜3質量%がより好ましい。
アルミニウム、カオリン及び非晶質シリカより選択され
る無機顔料および水溶性高分子、並びに必要に応じて架
橋剤、界面活性剤等を、所望の水系溶媒に溶解若しくは
分散して調製することができる。ここで、該塗布液に
は、潤滑剤、消泡剤、蛍光増白剤、有色の有機顔料等を
本発明の効果(特に、保存性の向上、並びに取扱い性と
捺印適性の付与)を損なわない範囲で添加することがで
きる。前記潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワ
ックス・合成高分子ワックス等のワックス類、等が挙げ
られる。
感度は高くなるが、捺印適性等は悪化する。また、逆に
Ra75値が大きいと捺印適性等は良化するが、感度は低
下する。Ra75値は0.5〜2.0μmが好ましく、
0.5〜1.5μmがより好ましい。
ができる。具体的には、上質紙等の紙支持体、紙に樹脂
又は顔料を塗布したコート紙、樹脂ラミネート紙、下塗
り層を有する上質紙、合成紙、プラスチックフィルム等
の支持体が挙げられる。古紙パルプを主として含有す
る、即ち支持体の50質量%を古紙パルプが占める支持
体も使用できる。
ら、JIS−8119で規定される平滑度が300秒〜
500秒の範囲内にある平滑な支持体が好ましい。更
に、上記同様の理由から、JIS−P8119で規定さ
れる前記平滑度が100秒以上のものがより好ましく、
150秒以上のものが特に好ましい。
の3工程の組合せから作られる。 1)離解……古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理し
て繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。 2)除塵……古紙に含まれる異物(プラスチックなど)
及びごみを除去する。 3)脱墨……繊維より剥離された印刷インキをフローテ
ーション法又は洗浄法で系外に除去する。 尚、必要に応じて、脱墨と同時又は別工程で漂白を行う
こともできる。このようにして得た古紙パルプ100質
量%、若しくは古紙パルプと含量50質量%未満のバー
ジンパルプとの混合物、を用いて常法により感熱記録材
料用の支持体を形成する。
てもよい。この場合、下塗り層はステキヒトサイズが5
秒以上の支持体の表面に設けられることが好ましく、顔
料とバインダーとを主成分とするものが好ましい。下塗
り層用の顔料としては、一般の無機、有機顔料を全て使
用できるが、特にJIS−K5101で規定する吸油度
が40ml/100g(cc/100g)以上の吸油性
顔料が好ましい。該吸油性顔料の具体例として、焼成カ
オリン、酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、焼成ケ
イソウ土、珪酸アルミニウム、アルミノ珪酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウ
ム、カオリン、焼成カオリン、非晶質シリカ、尿素ホル
マリン樹脂粉末、等が挙げられる。中でも、前記吸油度
が70ml/100g〜80ml/100gの焼成カオ
リンが特に好ましい。
前記顔料の塗布量としては、2g/m2以上が好まし
く、4g/m2以上がより好ましく、7〜12g/m2が
特に好ましい。
高分子、水性バインダーが挙げられる。これらは、一種
単独で用いても、二種以上を併用してもよい。前記水溶
性高分子としては、例えば、澱粉、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロー
ス、メチルセルロース、カゼイン等が挙げられ、前記水
性バインダーとしては、合成ゴムラテックス、合成樹脂
エマルションが一般的であり、例えば、スチレン−ブタ
ジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラ
テックス、酢酸ビニルエマルション、等が挙げられる。
は、膜強度や感熱発色層の熱感度等との兼ね合いで決定
されるが、下塗り層用の顔料の質量に対して、3〜10
0質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、
8〜15質量%が特に好ましい。また、下塗り層には、
ワックス、消色防止剤、界面活性剤等を添加してもよ
い。
塗布法により行うことができる。具体的には、エアーナ
イフコーター、ロールコーター、ブレードコーター、グ
ラビアコーター、カーテンコーター等を用いた塗布法が
挙げられ、中でも、カーテンコーター若しくはブレード
コーターを用いた塗布法が好ましく、ブレードコーター
を用いた塗布法がより好ましい。塗布、乾燥後は、更に
必要に応じてキャレンダー等の平滑処理を施して使用し
てもよい。
ベルタイプやベントタイプのブレードを使用した塗工法
に限らず、ロッドブレード塗工法やビルブレード塗工法
等をも含み、また、オフマシンコーターに限られるもの
でもなく、抄紙機に設置したオンマシンコーターで塗工
してもよい。尚、ブレードコート時に流動性を付与する
ことで優れた平滑性と面状を得るため、下塗り層形成用
の塗布液(アンダーコート層用塗布液)に、エーテル化
度0.6〜0.8、重量平均分子量20000〜200
000のカルボキシメチルセルロースを前記顔料量に対
して1〜5質量%、好ましくは1〜3質量%添加しても
よい。
いが、感熱記録材料の特性に応じて、2g/m2以上が
好ましく、4g/m2以上がより好ましく、7〜12g
/m2が特に好ましい。
ドマッチング性を向上し、高感度化と高画質化が図れる
点から、下塗り層(特に好ましくは、吸油性と断熱効果
と平面性の高い下塗り層)を有する下塗り原紙が好まし
く、ブレードコーターを用いて吸油性顔料を含む下塗り
層を有する下塗り原紙が特に好ましい。
及びK+イオンの総イオン濃度としては、感熱記録材料
と接触するサーマルヘッドのヘッド腐食を防ぐ観点か
ら、1500ppm以下が好ましく、1000ppm以
下がより好ましく、800ppm以下が特に好ましい。
前記Na+イオン及びK+イオンのイオン濃度の測定は、
感熱記録材料を熱水で抽出し、その抽出水を原子吸光法
によるイオン定量分析法により、Na+イオン及びK+イ
オンのイオン質量を測定することによって行うことがで
きる。前記総イオン濃度は、感熱記録材料の全質量に対
するppmで表したものである。
熱記録層の表面の濡れ性、即ち感熱記録層の表面に蒸留
水を滴下した後0.1秒経過後の接触角が、20°以上
であることが好ましく、50°以上がより好ましい。前
記接触角を上記範囲とすることにより、インクジェット
プリンターで印字した時の印字の滲みを防止(インクジ
ェット適性の付与、良化)することができる。既述の一
般式(1)で表される電子受容性化合物(好ましくは4
−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド)を含有するこ
とにより前記接触角を得ることができ、そのほか記録面
での蒸留水の接触角を高く維持し得る素材として、本発
明に係る増感剤、パラフィンワックスを感熱記録層に含
有する等の方法によるのも好適である。
記録層の表面(記録面)に蒸留水を滴下した後、0.1
秒経過後の接触角を常法により測定することにより行こ
とができる。例えば、FIBRO system(DA
T1100(ab社製)等のダイナミックコンタクトア
ングル・アブソープションテスター)等により測定でき
る。
れる点で有用であり、好ましくは印画後の形成画像を温
度60℃、相対湿度20%の環境条件下で24時間放置
した後の、前記形成画像における濃度残存率を65%以
上とする。既述のように、一般式(1)で表される電子
受容性化合物(特に好ましくは4−ヒドロキシベンゼン
スルホンアニリド)を含有し、好ましくは画像安定剤等
を含有することにより、前記濃度残存率を上記範囲とす
ることができる。これにより、形成画像を長期間高濃度
に維持することができ、重要文書の保管、前売りチケッ
ト、レシート、金券など、長期間に渡り画像信頼性が要
求される分野にも適用することができる。
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以
下、実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量
部」及び「質量%」を表す。
する下記手順で本発明の感熱記録材料を作製し、該作製
にあたり、サーマルヘッドの印加エネルギー15.2m
J/mm2での発色濃度を1.20以上とした。 <感熱記録層用塗布液の調製> −分散液A(電子供与性無色染料含有)の調製− 下記の各成分をボールミルで分散、混合して、体積平均
粒径が0.7μmの分散液Aを得た。体積平均粒径は、
レーザ回折式粒度分布測定器LA500(ホリバ(株)
製)により測定した。 〔分散液Aの組成〕 ・2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン …10部 (電子供与性無色染料) ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …50部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
製− 下記の各成分をボールミルで分散、混合して、体積平均
粒径が0.7μmの分散液Bを得た。体積平均粒径は、
分散液Aの場合と同様にして測定した。 〔分散液Bの組成〕 ・4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド … 20部 (前記一般式(1)で表される電子受容性化合物) ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …100部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
粒径が0.7μmの分散液Cを得た。体積平均粒径は、
分散液Aの場合と同様にして測定した。 〔分散液Cの組成〕 ・2−ベンジルオキシナフタレン(増感剤) … 20部 ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …100部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
粒径が2.0μmの分散液Dを得た。体積平均粒径は、
分散液Aの場合と同様にして測定した。 〔分散液Dの組成〕 ・カルサイト系軽質炭酸カルシウム …40部 (ユニバー70、白石工業(株)製) ・ヘキサメタリン酸ナトリウム(40%水溶液) … 1部 ・蒸留水 …60部
>下記の各成分をディソルバーで攪拌混合して分散液を
得た。 ・焼成カオリン(吸油量75ml/100g) …100部 ・ヘキサメタリン酸ナトリウム … 1部 ・蒸留水 …110部 続いて、得られた分散液に、SBR(スチレン−ブタジ
エンゴムラテックス)20部と酸化デンプン(25%)
25部とを添加して、支持体アンダーコート層用塗布液
を得た。
製した。 水酸化アルミニウム(平均粒子径1μm) … 40部 (ハイジライトH42、昭和電工製) ポリアクリル酸ナトリウム … 1部 水 …60部
%水溶液(MS4600、日本食品化工(株)製)20
0部およびポリビニルアルコール15%水溶液(PVA
−105、(株)クラレ製)200部に水60部を加え
たものを調製し、これに前記顔料分散物を混合し、さら
に平均粒子径0.15μmのステアリン酸亜鉛乳化分散
物(ハイドリンF115、中京油脂(株)製)25部、
スルホコハク酸2−エチルヘキシルエステルナトリウム
塩2%水溶液125部を混合して、保護層用塗布液を得
た。
IS−8119による平滑度が150秒の上質紙を用意
し、該上質紙の表面に、上記より得た支持体アンダーコ
ート層用塗布液を、ブレードコーターにより乾燥後の塗
布量が8g/m2となるように塗布し、アンダーコート
層を形成した。該アンダーコート層の塗設により、支持
体のJIS−8119による平滑度は350秒となっ
た。
より得た感熱記録層用塗布液を、カーテンコーターによ
り乾燥後の塗布量が4.5g/m2となるように塗布
し、その後乾燥した。さらに保護層用塗布液を乾燥塗布
量が2g/m2となるように、カーテンコーターにより
塗布、乾燥して保護層を形成し、該保護層の表面にキャ
レンダー処理を施し、本発明の感熱記録材料(1)を得
た。
粒径が0.7μmの分散液Eを得た。体積平均粒径は、
実施例1と同様にして測定した。 〔分散液E組成〕 ・1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル フェニル)ブタン(画像安定剤) … 5部 ・ポリビニルアルコール2.5%溶液 …25部 (PVA−105、(株)クラレ製;接着剤)
記より得た分散液Eと共に下記組成で混合して感熱記録
層用塗布液を調製し、更に実施例1と同様にして、本発
明の感熱記録材料(2)を得た。 〔感熱発色層用塗布液組成〕 ・分散液A … 60部 ・分散液B …120部 ・分散液C …120部 ・分散液E … 30部 ・分散液D …101部 ・ステアリン酸亜鉛30%分散液 … 15部 ・パラフィンワックス(30%) … 15部 ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(25%) … 4部
の調製に用いた1,1,3−トリス(2−メチル−4−
ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン
(画像安定剤)に代えて、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)
ブタンを用いたこと以外、実施例2と同様に分散液Eを
調製し、更に実施例2と同様にして、本発明の感熱記録
材料(3)を得た。
液Dの調製に用いたカルサイト系軽質炭酸カルシウム
(ユニバー70;無機顔料)40部に代えて、非晶質シ
リカ(ミズカシルP832、水沢化学工業(株)製)2
0部、又は水酸化アルミニウム(ハイジライトH42、
昭和電工(株)製)40部、を各々用いたこと以外、実
施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(4)〜
(5)を得た。
A、B及びCの調製に用いたポリビニルアルコール2.
5%水溶液(接着剤)に代えて、スルホ変性ポリビニル
アルコール(ゴーセランL3266、日本合成化学
(株)製)2.5%水溶液を用いたこと以外、実施例1
と同様にして、本発明の感熱記録材料(6)を得た。
A、B及びCの調製に用いたポリビニルアルコール2.
5%水溶液(接着剤)をジアセトン変性ポリビニルアル
コール(D500、ユニチカ社製)2.5%水溶液に代
え、かつ代えて得た分散液A、B及びCを実施例1と同
様にして混合してなる感熱記録層用塗布液に、更にアジ
ピン酸ジヒドラジド5%水溶液(架橋剤)13部を添加
したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感熱記
録材料(7)を得た。
A、B及びCの調製に用いたポリビニルアルコール2.
5%水溶液(接着剤)をアセトアセチル変性ポリビニル
アルコール(ゴーセファイマーZ210、日本合成化学
(株)製)2.5%水溶液に代え、かつ代えて得た分散
液A、B及びCを実施例1と同様にして混合してなる感
熱記録層用塗布液に、更にグリオキザール5%水溶液
(架橋剤)13部を添加したこと以外、実施例1と同様
にして、本発明の感熱記録材料(8)を得た。
た上質紙に代えて、古紙パルプ70%、LBKP30%
により構成され、JIS−P8119による平滑度が1
70秒の再生紙(50g/m2)を用いたこと以外、実
施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(9)を得
た。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
水酸化アルミニウム(ハイジライトH43、平均粒径
0.7μm、昭和電工製)を用いたこと以外、実施例1
と同様にして、本発明の感熱記録材料(10)を得た。
の調製に用いた2−ベンジルオキシナフタレン(増感
剤)に代えて、シュウ酸ジメチルベンジル(HS352
0R−N、大日本インキ工業(株)製)、m−ターフェ
ニル、エチレングリコールトリルエーテル、p−ベンジ
ルビフェニール、1,2−ジフェノキシメチルベンゼ
ン、ジフェニルスルホン、1,2−ジフェノキシエタン
を各々用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明
の感熱記録材料(11)〜(17)を得た。
の調製に用いた2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチ
ルアミノフルオラン(電子供与性無色染料)に代えて、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−
N−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3
−メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フ
ルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ア
ミルアミノフルオラン、又は2−アニリノ−3−メチル
−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラ
ン、を各々用いたこと以外、実施例1と同様にして、本
発明の感熱記録材料(18)〜(22)を得た。
録層用塗布液の塗布に用いたカーテンコーターに代え
て、エアナイフコーターを用いたこと以外、実施例1と
同様にして、本発明の感熱記録材料(23)を得た。
の調製に用いた4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリ
ド(電子受容性化合物)に代えて、N−ベンジル−4−
ヒドロキシベンゼンスルホンアミド(=p−N−ベンジ
ルスルファモイルフェノール)、BTUM、4−ヒドロ
キシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、又は
2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、を各
々用いたこと以外、実施例1と同様にして、本発明の感
熱記録材料(24)〜(27)を得た。
製に用いた4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリド
(電子受容性化合物)に代えて、2,2’−ビス(4−
ヒドロキシフェノール)プロパン(ビスフェノール
A)、又は4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、を各々用いたこと以外、実施例1と同様にして、比
較の感熱記録材料(28)〜(29)を得た。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
カオリン(平均粒径2.5μm)を用いたこと以外、実
施例1と同様にして、本発明の感熱記録材料(30)を
得た。
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
水酸化アルミニウム(ハイジライトH32、平均粒径
8.0μm)を用いたこと以外、実施例1と同様にし
て、本発明の感熱記録材料(31)を得た。
いこと以外、実施例1と同様にして、比較の感熱記録材
料(32)を得た。
材料(1)〜(27)及び比較の感熱記録材料(28)
〜(32)について、以下の測定、評価を行った。尚、
測定、評価の結果は下記表1に示す。 (1) 感度の測定 部分グレーズ構造を有するサーマルヘッド(KF200
3−GD31A、ローム(株)製)を備えた感熱印字装
置を用いて印字を行った。印字は、ヘッド電圧24V、
印字周期0.98ms/line(印字速度12.8c
m/秒)の条件のもと、パルス幅0.375ms(印加
エネルギー15.2mJ/mm2)で行い、その印字濃
度をマクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社
製)で測定した。
た。 ○:強くこすると発色するが、軽くこするだけならほと
んど発色しない ×:軽くこするだけで発色が目立つ
プ台 赤)によるゴム印での捺印を行った後、10秒後
に捺印部分を指でこすって、インキによる汚れを観察し
た。 ○:インキの広がりによる汚れが見られない ×:インキが指で広がり、捺印部周辺が赤く汚れた
置及び条件で印画し、印画直後の該画像の濃度と、同画
像を温度60℃、相対湿度20%の雰囲気下に24時間
放置後の該画像の濃度とを、マクベス反射濃度計(RD
−918、マクベス社製)で測定した。そして、下記式
に基づき、印画直後の画像濃度に対する、放置後の画像
濃度の比(%;濃度残存率)を算出し、画像保存性を評
価する指標とした。尚、数値が高いほど画像保存性が良
好なことを示す。 濃度残存率=[(放置後の画像濃度)/(印字直後の画像
濃度)]×100
条件下で24時間放置した後の地肌部(非画像部)の濃
度を、マクベス反射濃度計(RD−918、マクベス社
製)で測定した。尚、数値が低いほど地肌カブリが良好
なことを示す。
で印画し、その地肌部及び印画部の表面を蛍光ペン(ゼ
ブラ蛍光ペン2−ピンク、ゼブラ(株)製)で筆記し、
1日経過後の各感熱記録材料における、地肌部の地肌カ
ブリの程度と画像部の画像濃度とを目視により観察し、
下記基準にしたがって評価を行った。 〔基準〕 ○:地肌部のカブリ濃度の上昇は認められず、画像部の
濃度変化も認められなかった。 △:地肌部のカブリ濃度の上昇が若干認められ、画像部
は濃度がやや薄くなった。 ×:地肌部のカブリ濃度の上昇が顕著に認められ、画像
部はほとんど消えた。
いて、印字率20%のテストチャートをA4シートサイ
ズで1000枚印字し、その時のドット抜けの数をヘッ
ド切れを評価するための指標とした。
録材料の感熱記録層に印画し、印字直後の画像の濃度
(D1)をマクベス反射濃度計RD918(マクベス社
製)で測定した。次に、印画された各感熱記録材料の感
熱記録層の表面(印画された印字部)と、インクジェッ
トプリンター(EPSON MJ930C、エプソン社
製)により高画質プリントされた画像とを接触させ、2
5℃下で48時間放置した後の、各感熱記録層の画像濃
度(D2)をマクベス反射濃度計RD918で測定し
た。そして、得られた各濃度から、各感熱記録材料につ
いて濃度残存率(%;D2/D1×100)を算出し、イ
ンクジェット用インクに対する耐性を評価する指標とし
た。尚、数値が高いほどインク耐性が良好なことを示
す。
U、(株)東芝製)を用いて文字を印字した後、印字さ
れた各感熱記録層に更にインクジェットプリンターによ
りプリントを行い、インクジェット記録部のインクの滲
みと、ワードプロセッサにて印字された文字部の消色程
度を、下記基準に従って目視評価した。 〔基準〕 ○:インクの滲み並びに文字部の消色は僅かであり、判
読に支障はなかった。 △:文字部が一部薄くかすれたが、何とか判読は可能で
あった。 ×:文字部が完全に消失し、判読は不可能であった。
を滴下した後、0.1秒経過後の接触角を、FIBRO
system(DAT1100、ab社製)を用いて
測定した。値は大きいほど効果との関係で有用といえ
る。
原子吸光法によるイオン定量分析法により、Na+イオ
ン及びK+イオンのイオン質量を測定した。表1中のイ
オン濃度は、Na+及びK+の総イオン濃度を表し、感熱
記録材料の全質量に対する総ppm値を示す。
粗さ(Ra75)を測定した。
と共に一般式(1)で表される電子受容性化合物を含
み、かつ前記保護層には平均粒径が0.1〜1.2μm
の無機顔料と水溶製高分子を含有し、かつ保護層面の中
心線平均粗さRa75が2.0μm以下とした本発明の感
熱記録材料(1)〜(27)では、特に、地肌部の地肌
カブリを低く維持しながら、高い発色濃度(高感度)が
得られ(印画適性が良好)、印画後の画像保存性も良好
であり、接触角の向上に伴いインクジェット適性を備
え、取扱い性と捺印適性に優れ、耐薬品性をも有し、ヘ
ッド摩耗が少なくサーマルヘッドマッチング性の点でも
優れていた。即ち、高感度化、並びに、地肌白色性、画
像保存性、インクジェット適性、取扱い性、捺印適性、
耐薬品性、及びサーマルヘッドマッチング性(耐摩耗
性)を同時に満足することができた。
て、画像安定剤を含有した感熱記録材料(2)及び
(3)では、画像保存性及びインク耐性をより向上させ
ることができ、好ましい接着剤(保護コロイド)を用い
た感熱記録材料(6)〜(8)では、取扱い性、捺印適
性に優れる上に、更なる高感度化と地肌カブリの低減を
図ることができた。尚、画像安定剤の含有により、捺印
適性及び取扱い性も特に優れていた。本発明に好適な特
定の無機顔料を含む保護層を設けた感熱記録材料(1
0)では、画像保存性及びインク耐性(耐薬品性)を更
に向上することができた。実施例11〜17で用いた増
感剤によっても、実施例1の感熱記録材料(1)と同様
に良好な性能が得られ、実施例18〜22で用いた電子
供与性無色染料でも、地肌カブリを低く保持しながら、
良好な発色性、画像保存性が得られた。実施例1及び2
3のように、カーテン塗布法による方が高感度化の点で
有用であった。尚、支持体に古紙パルプを含有した場合
(実施例9)でも諸性能に支障を来すこともなかった。
(1)で表される化合物を用いなかった比較の感熱記録
材料(28)〜(32)では、特に、高感度化が図れな
かっただけでなく、画像保存性、耐薬品性、及びインク
ジェット適性の点で劣っており、感熱記録材料が有すべ
き諸性能を同時に満足することはできなかった。また、
水酸化アルミニウム(ハイジライトH42)に代えて、
カオリン(平均粒径2.5μm)を用いた感熱記録材料
(30)では捺印適性が劣り、保護層を使用しなかった
感熱記録材料(32)では擦過性が低下した。
料に比べ、発色濃度が高く、地肌かぶりが少なく、かつ
画像部の保存性、耐薬品性、耐可塑剤性および耐ヘッド
切れ性に優れ、かつインクジェット記録適性も備えた上
で取り扱い性と捺印適性に優れた感熱記録材料を提供す
ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 支持体上に、少なくとも電子供与性無色
染料と、電子受容性化合物とを含む感熱発色層と1層以
上の保護層を有する感熱記録材料において、 前記感熱発色層は、電子受容性化合物(顕色剤)として下
記一般式(1)で表される化合物を含有し、前記保護層
には平均粒径が0.1〜1.2μmの無機顔料と水溶製
高分子を含有し、かつ保護層面の中心線平均粗さRa
75が2.0μm以下であることを特徴とする感熱記録
材料。 【化1】 〔式中、R1は、水酸基、アルキル基を表す。R2は、−
NH−Ph、−Ph−OR3、−NH−CO−NH−P
hを表し、R3は、アルキル基を表す。Phはフェニル
基を表し、−SO2R2を含む置換基で置換されていても
よい。〕 - 【請求項2】 前記一般式(1)で表される化合物が、
4−ヒドロキシベンゼンスルホンアニリドである請求項
1に記載の感熱記録材料。 - 【請求項3】 前記保護層に含有する無機顔料が、水酸
化アルミニウムである請求項1又は2に記載の感熱記録
材料。 - 【請求項4】 前記感熱発色層が増感剤を含み、該増感
剤が、2−ベンジルオキシナフタレン、シュウ酸ジメチ
ルベンジル、m−ターフェニル、エチレングリコールト
リルエーテル、p−ベンジルビフェニール、1,2−ジ
フェノキシメチルベンゼン、1,2−ジフェノキシエタ
ン、及びジフェニルスルホンより選択される少なくとも
一種である請求項1ないし3のいずれかに記載の感熱記
録材料。 - 【請求項5】 前記電子供与性無色染料が、2−アニリ
ノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、2−
アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラ
ン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N
−イソアミルアミノ)フルオラン、2−アニリノ−3−
メチル−6−(N−エチル−N−プロピルアミノ)フル
オラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−アミ
ルアミノフルオラン、及び2−アニリノ−3−メチル−
6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン
より選択される少なくとも一種である請求項1ないし4
のいずれかに記載の感熱記録材料。 - 【請求項6】 支持体上の少なくとも一層がカーテン塗
布法により塗布形成される請求項1ないし5のいずれか
に記載の感熱記録材料。
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