JP2003182114A - カラーインクジェット記録装置 - Google Patents

カラーインクジェット記録装置

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JP2003182114A
JP2003182114A JP2002325952A JP2002325952A JP2003182114A JP 2003182114 A JP2003182114 A JP 2003182114A JP 2002325952 A JP2002325952 A JP 2002325952A JP 2002325952 A JP2002325952 A JP 2002325952A JP 2003182114 A JP2003182114 A JP 2003182114A
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ink
recording
nozzle
inkjet recording
color
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JP2002325952A
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English (en)
Inventor
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数個のインク吐出口が記録媒体の被印写幅
をカバーするように長尺化されたマルチノズル型インク
ジェット記録装置において、装置内で大量に使用される
インクが装置の主要部を汚したり、電気系統を破損しな
いようにする。 【解決手段】 マルチノズル型インクジェット記録ヘッ
ド26をイエロー,マゼンタ,シアンの順に配列すると
ともに、該記録ヘッド26にインクを供給するためのイ
ンク容器27Y〜27Cを、連通手段24を介して前記
記録ヘッド26に接続する。該記録ヘッド26と記録媒
体Paと前記インク容器27Y〜27Cの位置関係にお
いて、前記インク容器27Y〜27Cを最下位とした前
記順序の上下位置関係とし、前記インク容器27Y〜2
7Cをイエロー,マゼンタ,シアンの順に配置し、前記
インク容器を離間、保持手段29に載置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体幅全域に
インク吐出口を配列してなるカラーインクジェット装置
のインク供給手段ならびにそれを備える記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】記録媒体の記録面に対してインクを吐出
して付着させることにより、記録動作を行うインクジェ
ット記録装置が、広く実用に供されている。インクジェ
ット記録装置においては、一般に、インクを記録媒体の
記録面に対して吐出するインク吐出口形成面を有する記
録ヘッドを備えている。
【0003】記録ヘッドは、例えば画像データに応じて
供給される駆動制御信号に基づいて制御される電気機械
変換体の圧力または電気熱変換体の加熱エネルギーによ
り形成されたインク滴を、インク吐出口形成面を通じて
記録媒体の記録面に対して吐出するものである。記録ヘ
ッドにおいては、高画質化および記録速度の高速化を図
るためにそのインク吐出口形成面に形成されるインク吐
出口が、例えば400dpi〜600dpiのように比
較的高密度に配列されるとともに、そのインク吐出口数
も数十から数百のものが実現されている。ところで、近
年、よりいっそうの高速化を目的として、インク吐出口
が記録媒体の全記録領域、例えば記録媒体の全幅にわた
って形成される、いわゆるマルチノズル化され長尺化し
たものが検討されつつある。
【0004】このような長尺化した記録ヘッドにおいて
は、インク吐出口(ノズル、オリフィス)の数が数千〜
数万にもおよび、使用されるインクの量も、従来の数十
〜数百程度のものとは比較にならない。このような大容
量のインクを使用する記録ヘッドが長尺化されたインク
ジェット記録技術は、まだ開発が始まったばかりであ
り、そのインク供給手段等はまだ不明かつ研究的要素を
含んだものであり技術が確立していない。とりわけ不慮
の事故が発生した場合の装置全体の安全性確保というよ
うな点についてはこれからの課題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のごと
き実情に鑑みてなされたもので、その目的は、第1に、
複数個のインク吐出口が記録媒体の被印写幅をカバーす
るように長尺化されたマルチノズル型カラーインクジェ
ット記録装置において、装置内で大量に使用されるイン
クが装置の主要部を汚したり、電気系統を破損しないよ
うな装置構成を提案することにある。
【0006】第2に、複数個のインク吐出口が記録媒体
の被印写幅をカバーするように長尺化されたマルチノズ
ル型カラーインクジェット記録装置において、装置内で
大量に使用されるインクが装置の主要部にかからないよ
うな装置構成ならびに各色のインク容器群の交換もしく
はそれらへのインク補給を行う際に大掛かりにならない
ような装置構成を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、第1に、400〜2400dpiの配列
密度で数千個〜数万個の発熱体およびそれに対応したノ
ズルを、記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺化
するとともに、1ノズルあたり数kHz〜30kHzの
頻度でインクをオンデマンドで噴射するマルチノズル型
インクジェット記録ヘッドを複数色のインクを噴射する
ように複数個配列固定し、該複数個のマルチノズル型イ
ンクジェット記録ヘッドのノズル面に相対する位置でか
つ隣接して前記記録媒体を搬送し、インク滴噴射記録を
行うカラーインクジェット記録装置において、該カラー
インクジェット記録装置は、イエロー,マゼンタ,シア
ンのそれぞれの色のインクを噴射する前記マルチノズル
型インクジェット記録ヘッドをイエロー,マゼンタ,シ
アンの順に配列するとともに、前記マルチノズル型イン
クジェット記録ヘッドにインクを供給するためのインク
容器を、連通手段を介して前記マルチノズル型インクジ
ェット記録ヘッドに接続し、前記マルチノズル型インク
ジェット記録ヘッドと前記記録媒体と前記インク容器の
位置関係において、前記インク容器を最下位としたこの
順序の上下位置関係とし、前記インク容器をイエロー,
マゼンタ,シアンの順に配置し、前記インク容器を離
間、保持手段に載置するようにした。
【0008】第2に、400〜2400dpiの配列密
度で数千個〜数万個の発熱体およびそれに対応したノズ
ルを、記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺化す
るとともに、1ノズルあたり数kHz〜30kHzの頻
度でインクをオンデマンドで噴射するマルチノズル型イ
ンクジェット記録ヘッドを複数色のインクを噴射するよ
うに複数個配列固定し、該複数個のマルチノズル型イン
クジェット記録ヘッドのノズル面に相対する位置でかつ
隣接して前記記録媒体を搬送し、インク滴噴射記録を行
うカラーインクジェット記録装置において、該カラーイ
ンクジェット記録装置は、イエロー,マゼンタ,シア
ン,ブラックのそれぞれの色のインクを噴射する前記マ
ルチノズル型インクジェット記録ヘッドにインクを供給
するためのインク容器を、連通手段を介して前記マルチ
ノズル型インクジェット記録ヘッドに接続し、前記マル
チノズル型インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体と
前記インク容器の位置関係において、前記インク容器を
最下位としたこの順序の上下位置関係とし、前記インク
容器を離間、保持手段に載置するとともに、前記各色の
インク容器群の交換もしくはそれらへのインク補給は、
前記カラーインクジェット記録装置の前記インク容器群
が配置される部分の側壁を開閉して行うようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のインクジェット
記録装置に使用されるマルチノズル型インクジェット記
録ヘッドの一例を説明するための部分斜視図である。こ
こで示したインクジェット記録ヘッドの構造は、400
〜2400dpiといった高密度配列が容易に実現でき
るサーマルインクジェットの例であるが、必ずしもこの
構造に限定されるものではない。図1において、16は
流路、17はノズル、18は共通液室、19は天井板、
20は接合層、21は流路障壁である。この例では3ノ
ズル分のみ示しているが、実際には、後述するように記
録媒体の被印写幅をカバーするように長尺化されたマル
チノズル型インクジェット記録ヘッドであり、矢印方向
(記録媒体の被印写幅方向)にノズルが数千〜数万配列
されている。
【0010】図2は、このようなサーマルインクジェッ
ト記録ヘッドに使用される発熱体基板を示したものであ
り、図2(A)は斜視図、図2(B)は図2(A)の矢
視A−A線断面図で、発熱体部近傍の詳細を示す断面図
であり、図中、1は発熱体基板、2は第1電極(制御電
極)、3は第2電極(アース電極)、4,5はボンディ
ングパッド、7は基板、8は蓄熱層(SiO2)、9は
発熱体(HfB2)、10は電極(Al)、11は保護
層(SiO2)、12は電極保護層(Resin)、1
3はさらに別の保護層、14は発熱体部、15は電極部
である。なお、煩雑を避けるため図2(A)には要部と
なる発熱体と電極部のみを示している。
【0011】発熱体基板1は、図2(B)に示すよう
に、アルミナ等のセラミック、ガラスあるいはSi等の
基板7上に、スパッタリング等の薄膜形成技術やフォト
エッチング等のパターン形成技術により、蓄熱層(Si
2)8、発熱体(HfB2)9、電極(Al)10、保
護層(SiO2)11、電極保護層12、別の保護層1
3を順次形成し、表面部に発熱部14と電極部15を構
成している。各発熱体9は、図2(A)に示すように、
それぞれ第1電極(制御電極)2、第2電極(アース電
極)3に接続され、また、それぞれの電極は、その端部
に第1電極2にはボンディングパッド4が、第2電極3
にはボンディングパッド5を有し、該ボンディングパッ
ド4,5は、外の画像情報入力手段(図示せず)に接続
され、各々の発熱体9は独立に駆動可能である。なお、
第2電極3は、複数個の発熱体9すなわち(第1電極)
2に対して1つの共通の第2電極とすることも可能であ
る。また、この例のように、1つ1つの発熱体を独立に
駆動するような構成ではなく、マトリックス駆動を行う
構成としてもよい。このような発熱体9の列は、例え
ば、その配列密度は、400dpi〜2400dpiと
され、また、必要とされる記録媒体の印写幅に応じて、
数千〜数万個設けられ、それに対応してノズルが設けら
れる。
【0012】基板7上には蓄熱層8を形成する。この蓄
熱層8は、後述の発熱体9で発生した熱が基板7の方へ
逃げないようにするためのものである。つまり発生した
熱を効率良くインクの方に伝達し、インク中で安定した
気泡を発生させるようにするためのものである。通常、
蓄熱層8としては、SiO2が用いられ、SiO2をスパ
ッタリング等の成膜技術を用い1μm〜5μmの膜厚に
形成する。
【0013】図2(B)に示すように、蓄積層(SiO
2)8の上には発熱体9の層が形成されるが、該発熱体
9を構成する材料として有用なものには、タンタル−S
iO 2の混合物、窒化タンタル、ニクロム、銀−パラジ
ウム合金、シリコン半導体、あるいはハフニウム、ラン
タン、ジルコニウム、チタン、タンタル、タングステ
ン、モリブデン、ニオブ、クロム、バナジウム等の金属
の硼化物があげられる。金属の硼化物のうち最も特性の
優れているのは、硼化ハフニウム(HfB2)であり、次
いで、硼化ジルコニウム、硼化ランタン、硼化タンタ
ル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順となっている。
【0014】発熱体9は、前述の材料を用いて、電子ビ
ーム蒸着やスパッタリング等の手法により形成すること
ができる。発熱体9の膜厚は、単位時間当りの発熱量が
所望通りとなるように、その面積や材質及び熱作用部分
の形状及び大きさ、さらには実際面での消費電力等にし
たがって決定されるものであるが、通常の場合、膜厚
は、0.001μm〜5μm、好適には0.01μm〜1
μmとされる。本発明の実施例では、HfB2を200
0Å(0.2μm)の厚さにスパッタリングした例を示
した。
【0015】電極10を構成する材料としては、通常使
用されている電極材料の多くのものが有効に使用され、
具体的には、例えば、Al、Ag、Au、Pt、Cu等
があげられる。これらを使用して、蒸着等の手法で所定
位置に所定の大きさ、形状、厚さで設けられる。本発明
では、Alをスパッタリングにより1.4μm形成し
た。
【0016】保護層11に要求される特性は、耐インク
腐食性や、気泡の消滅による衝撃力からの保護(耐キャ
ビテーション性)であるとともに、発熱体9で発生させ
た熱を、感熱紙やインクリボン、あるいは記録液体であ
るインクに効果的に伝達することである。保護層11を
構成する材料として有用なものには、例えば、酸化シリ
コン、窒化シリコン、酸化マグネシウム、酸化アルミニ
ウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム等があげられ、
電子ビーム蒸着やスパッタリング等の手法を用いて形成
することができる。また、炭化ケイ素、酸化アルミニウ
ム(アルミナ)等のセラミック材料も好適に用いられる
材料である。保護層11の膜厚は、通常0.01μm〜
10μm、好適には0.1μm〜5μm、最適には0.1
μm〜3μmとされるのが望ましい。本発明では、スパ
ッタリングにより、SiO2を1.2μm形成した。
【0017】図2(B)には、さらに電極保護層12や
別の保護層13の例を示しているが、電極保護層12と
してResin層を2μm形成した。これは必要に応じ
て設けられるが必ずしも必要ではなく省略してもよい。
保護層13の材料は、耐キャビテーション性を考慮して
タンタル(Ta)が好適に用いられる。発熱体領域では
気泡発生によるキャビテーション衝撃力が加わるため、
破壊から保護するために、Taをスパッタリングにより
4000Å(0.4μm)形成することにより、良好な
性能が得られる。
【0018】このような発熱体基板1を用いてインクジ
ェット記録ヘッドを構成することができるが、具体的に
は図3に示すような工程で製作することができる。図3
において、19は天井板、20は接合層、21は流路障
壁、22はフォトレジスト、23はフォトマスクであ
る。
【0019】インクジェット記録ヘッドの製作工程を、
図3(A)〜図3(F)によって説明する。 (1)発熱体基板を用意する(図3(A))。発熱体基
板1は、基板7に発熱体9と発熱体9を保護絶縁する薄
膜からなる保護層11が形成されている。 (2)発熱体基板にフォトレジストをコーティングする
(図3(B))。図3(A)に示した発熱体基板1の上
に、例えば、粘度が1000〜2000cP(センチポ
アーズ)のフォトレジスト22をスピンコーティング、
ディップコーティングあるいはローラーコーティングに
よって5μm〜30μm程度の厚さにコートする。この
厚さは、最終的に流路障壁21の高さになり、発熱体9
の配列密度(印写密度)によってその高さも変わってく
る。20μm以上の厚さのフォトレジスト22の層を得
たい場合には、液状のフォトレジストではなく、ドライ
フィルムタイプのフォトレジストを用いればよい。続い
て、図3(B)に示すように、発熱体基板1面に設けた
フォトレジスト22上に所定のパターンを有するフォト
マスク23を重ね合わせた後、該フォトマスク23の上
部から露光を行う。このとき、発熱体9の設置位置と前
記パターンの位置合わせを行っておく必要がある。
【0020】(3)流路障壁を形成する(図3
(C))。フォトレジスト22、露光したフォトレジス
ト22の未露光部を炭酸ナトリウム水溶液などのアルカ
リ現像液により除去し、流路障壁21を形成する。除去
部分は発熱体9を有する凹部となり、流路16、共通液
室18を構成する。 (4)流路ならびに共通液室の天井となる基板を作成す
る(図3(D))。流路16、共通液室18の天井とな
る基板は、接合層20とガラス基板とが接合したもの
で、ガラス基板は天井板19となる。
【0021】(5)基板を流路障壁に接合する(図3
(E))。発熱体基板1と天井板19となるガラス基板
とをフォトレジスト22と接合層20を向かい合わせて
接合する。その際、熱硬化処理(例えば、150℃〜2
50℃で30分〜60分加熱)、または紫外線照射(例
えば、50mW/cm2〜200mW/cm2、またはそ
れ以上の紫外線強度)を行い、耐インク性向上ならびに
接合強度向上をはかる。
【0022】(F)吐出口を形成する(図3(F))。
最後に、発熱体9側の開口近傍のy−y線部分を、ダイ
シングによって切断し、ノズル(吐出口)17を形成
し、インクジェット記録ヘッドとして完成する。なお、
他の製作手段としては、流路ならびに共通液室部をポリ
サルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレン
オキサイド、ポリプロピレン、ポリイミドなどの樹脂の
一体成形で製作する方法がある。また、流路先端部に樹
脂フィルムを配し、エキシマレーザー等の手段で吐出口
を穿孔し、ノズル形成を行う手段も好適に用いられる。
エキシマレーザーによる吐出口穿孔方法はマスク形状に
よって任意の形状のノズルが形成できるので、丸形状に
したり、多角形、あるいは星型の放射状形状等、インク
吐出特性との関係を考慮してその形状を決定できるので
有利な方法といえる。この場合もポリサルフォン、ポリ
エーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
プロピレン、ポリイミドなどの樹脂が良好に使用でき
る。
【0023】次に、このようなインクジェット記録ヘッ
ドによるインク噴射の原理を、図4によって簡単に説明
する。図4において、31はインク、32は気泡、33
は吐出口、34は流路、35は発熱体基板、36は発熱
体、37は第1電極(制御電極)、38は第2電極(ア
ース電極)、39はインク滴である。発熱体36には、
第1電極37、第2電極38を介し画像情報に応じて信
号パルスが入力され、該入力パルスに応じてインク中で
気泡32が発生し、該気泡の作用力により、流路34の
インク31の一部が、吐出口33より、インク滴39と
して噴射され、記録媒体(例えば紙)に記録するという
ものである。
【0024】ここで、信号パルスの継続時間は、数μs
〜10数μsが望ましく、長くても30μsまでとされ
る。これは、いったん発熱体36上に気泡32が発生す
ると、その後は発熱体36の熱を気泡32がブロックし
てしまうため、気泡32の大きさはほとんど変化するこ
とがなく、不必要に長時間通電しても、無駄になるだけ
でなく、発熱体36を破損せしめるからである。通電を
止めた後、気泡32は、発熱体基板35および周囲のイ
ンク31により、熱を奪われ、収縮して消滅する。この
説明から明らかなように、本発明にインク噴射原理に作
用する気泡32は、非常に短時間の間に急激に加熱され
ることによって得られる気泡であり、伝熱工学の分野
で、いわゆる膜沸騰と呼ばれている現象の気泡であり、
発生〜消滅の繰り返し再現性が非常に良いものである。
【0025】また、他の吐出原理として、図4に示した
発熱体36の位置を吐出口33に近づけ、より微小なイ
ンク滴を吐出するようにしたり、あるいは発生した気泡
が吐出口33の外側までせり出す、あるいは破裂するよ
うにしてもよい。また上記説明はインクジェット記録ヘ
ッドの製作方法も含めて、すべてサーマルインクジェッ
ト方式の例をもとに行ったが、ピエゾ素子を利用するよ
うなインクジェット方式であってもよい。
【0026】図5は、本発明のような複数個のインク吐
出口が記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺化さ
れたマルチノズル型インクジェット記録装置の記録部を
示すものである。記録部26は、各記録ヘッド70C、
70M、70Y、70Bと、後述する加熱式定着装置7
6とを内蔵するヘッドブロック72を備えている。ヘッ
ドブロック72は、記録媒体(用紙Pa)の搬送路に沿
った両端部にそれぞれ設けられる突起部72Aを介して
記録部26内部に支持されている。
【0027】記録ヘッド70C、70M、70Y、70
Bは、それぞれ順次、用紙Paの搬送路の上流側から下
流側に向けて所定の相互間隔をもって配されている。そ
の際、記録ヘッド70C、70M、70Y、70Bは、
これらのヘッドのすべての吐出口面によって形成される
平面の平面度が数十μ程度以内になるようにヘッドブロ
ック72に位置決め固定されている。
【0028】各記録ヘッド70C、70M、70Y、7
0Bは、それぞれ例えば、前述のようなサーマルインク
ジェット方式とされ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラックのインクを吐出するものである。即ち、各記録ヘ
ッド70C、70M、70Y、70Bは、その吐出口に
通じる液流路に電気熱変換体としてのヒータを有し、そ
のヒータによりインクが加熱されることにより形成され
るインク滴を吐出するものである。各記録ヘッド70
C、70M、70Y、70Bは、用紙Paの搬送方向に
対し略直交する方向に沿って配列される複数の吐出口を
有している。複数の吐出口は、用紙Paの記録面におけ
る搬送方向に対し略直交する方向の全幅に亘って形成さ
れている。
【0029】各記録ヘッド70C、70M、70Y、7
0Bは、インク供給路24に接続され、後述するインク
容器からインク供給を受ける。なお図では1本のライン
で示しているが、インク供給路24は各色で独立してい
ることはいうまでもない。ここでインク供給路24には
耐インク腐食性が要求され、テフロン(登録商標)、ポ
リエチレン等の樹脂チューブや、ステンレスパイプ等が
用いられる。
【0030】各記録ヘッド70C、70M、70Y、7
0Bの記録動作は、同一の1枚の用紙Paに対してそれ
ぞれ行うものとされ、例えば、1番目に記録ヘッド70
Cが記録し、2番目に、記録ヘッド70Cが記録した記
録面に重ね、または、新たな位置に記録し、3番目に記
録ヘッド70Yがさらに同様に記録し、そして、最後に
記録ヘッド70Bが、記録するものとされる。また、記
録ヘッドがイエロー、マゼンタ、シアンの3色の各イン
クジェット記録ヘッドからなるカラーインクジェット記
録装置においては、色毎のインクジェット記録ヘッドを
イエロー、マゼンタ、シアンの順に配列する。そしてこ
の際、3色の各インクジェット記録ヘッドにそれぞれの
色のインクを供給するためのインク容器の配列もイエロ
ー、マゼンタ、シアンの順にする。なお、記録ヘッド7
0C、70M、70Y、70Bは、インクを吐出するも
のに限られることなく、例えば、少なくとも1つの記録
ヘッドが、インクを不溶化する処理液を吐出するもので
あってもよい。あるいは、インク吐出前に用紙Paに用
紙Pa上で画素が必要以上に広がったりにじんだりしな
いようにするための処理液を吐出するものであってもよ
い。
【0031】このようなインクジェット記録方式におい
ては、被記録材に対して付着されたインクが被記録部材
中に浸透することにより、そのインクが被記録部材に対
して定着する。あるいは、付着されたインクは、インク
の溶媒の蒸発プロセスを経て被記録材上に定着される。
しかし、このインクが付着してから定着するまでの時
間、つまり、定着速度は、被記録材の構成・物性に大き
く依存されるだけでなく、外部雰囲気の状態によっても
大きく左右される。また、自然に定着する速度は、物理
特性によってある時間より短くすることはできない。上
述したように、インクが被記録材上に付着し浸透する速
度は、また、使用するインクの組成によっても大きく変
わる。
【0032】通常、インクの組成に関しては、そのイン
クの被記録材に対する浸透性の大小によって区別される
ことが多い。一般的には、浸透性が高いインクは、被記
録材に対する浸透速度が速いため定着性という観点から
みると、有利であるが、反面、浸透し過ぎるために、被
記録材に対するにじみが多く画像品位が低下することが
問題となる。また、インクが被記録材中に深く浸透する
ため、画像濃度の低下にもつながりやすい。
【0033】これに対して、浸透性の低いインクを使用
すると、上述したように、浸透するまでに時間を要し、
定着性という観点からいうと、本発明のような高速性が
要求される記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺
化されたマルチノズル型インクジェット記録ヘッドを用
いた装置においては、多色印字の場合、各インク色間で
のインクの混色やにじみ、被記録材の排出時の画像のこ
すれ、いわゆる、耐擦過性の問題が生ずる。よって、定
着性、画像濃度、にじみ、耐擦過性を考慮した装置の構
成が重要となる。従来のシリアルスキャン記録装置で
は、そのような定着性は、記録速度の関係上ある程度簡
単な構成で対処できるものが多かった。
【0034】しかし、特に本発明の実施例のような高速
記録及びカラー記録が行われてくると、上述したよう
に、被記録材に打ち込まれたインクを所望の状態に被記
録材上に定着させるために定着速度の短縮化と効率化を
行うための以下に述べられるような加熱式定着装置76
が必要となる。加熱式定着装置76は、例えば図5に示
されるように、搬送路における記録ヘッド70Bに対し
て下流側とし、かつ、比較的近い位置に対応して設けら
れている。今、ここでは加熱式定着装置76として、ハ
ロゲンヒータ84と、ハロゲンヒータ84からの熱線を
反射させる反射板82とよりなる例を示す。
【0035】この例のように、本発明では、記録媒体
(用紙Pa)の被印写面側を非接触加熱している。つま
り、印写部を表面から加熱するようにしているので、水
等のインク中の揮発成分を効率的に乾燥させることがで
きる。ここでは加熱式定着装置76として、加熱部とし
てのハロゲンヒータ84と、ハロゲンヒータ84からの
熱線を反射させる反射板82と、ハロゲンヒータ84と
搬送路との間を仕切る加熱部遮蔽部材86と、ハロゲン
ヒータ84からの熱の記録ヘッド70Bへの熱伝達を断
つ断熱部としての断熱装置78とを含んで構成されてい
るものを例としてあげたが、他の例としてセラミックヒ
ータを利用しても良好に定着を行うことができる。
【0036】また、以上の実施例では印写後に加熱/乾
燥させるように説明したが、前述のような各種加熱手段
を印写前の記録媒体Paの搬送経路中に配し、記録媒体
Paをあらかじめ加熱した状態にしておいてから印写を
行う方法も、効果的なインク乾燥を行ううえで良い方法
である。
【0037】次に、本発明のように記録媒体の被印写幅
をカバーするように長尺化されたマルチノズル型インク
ジェット記録ヘッドを適用したカラーインクジェット複
写装置の全体の構成を説明する。従来、いわゆる複写機
と称するものは、一般に電子写真方式によるものを指し
ている。このような電子写真方式は、広く普及してはい
るものの、原理が複雑で装置も大変大掛かりなものにな
るという欠点がある。一方、インクジェット記録はその
原理が簡単で、これを記録原理として複写装置を構成す
ると従来にはない画期的にシンプルな複写装置が実現で
きる。
【0038】図6は、本発明のカラーインクジェット複
写装置を示しており、カラーインクジェット複写装置
は、その原稿台116上に載置される原稿Boにおいて
複写される面の画像を読み取ることにより、その原稿B
oについて順次、画像データを形成するスキャナ部10
2と、スキャナ部102からの画像データに基づいて記
録媒体としての用紙Paの記録面に対してインクを吐出
し付着させることにより、記録動作を行う記録部26
と、記録部26の下方に配され、記録部26の記録動作
に応じて所定のタイミングで用紙Paを後述する排紙搬
送部136に搬送する搬送部134と、搬送部134に
より搬送される印刷された用紙Pa’を排紙トレー13
8上に排出する排紙搬送部136と、給紙部130から
の用紙Paを1枚づつ記録部26に搬送する給紙搬送部
132と、記録部26の各記録ヘッドに対して回復処理
を選択的に行う回復処理装置140とを含んで構成され
ている。
【0039】このようなカラーインクジェット複写装置
において、記録部26、スキャナ部102、給紙部13
0等の駆動/制御は、電装系ユニット60によって行わ
れる。ここで、電装系ユニット60は水に対して弱いの
で、できるだけインク等の水分から離れたところに設置
されるのが望ましい。本発明では、この点に鑑み、電装
系ユニット60をインク容器27よりも上になるような
構成としている。これにより、万が一、インク容器27
からインクが漏れたりしても、電装系ユニット60はイ
ンク容器27よりも上にあるので、電装系ユニット60
がインクに浸かり、それによって電装系ユニット60を
故障に至らしめるという事故を回避できる。
【0040】図6には、電装系ユニット60がインク容
器27よりも上にあり、さらに記録部26よりも上にあ
る例を示したが、このような故障/事故回避の基本的な
考え方は、大量のインクを収容するインク容器27が一
番下に配置されるということである。記録部26もイン
クが漏れる恐れがないわけではないので、図6のように
電装系ユニット60を記録部26よりも上に配置するこ
とが望ましいが、最も危険なものを一番下に配置するこ
とにより、不慮の事故による電装系ユニット60の冠水
(インク)を防ぐのである。
【0041】なお、記録部26は、前述のように各色の
インクを吐出する記録ヘッド70C、70M、70Y、
70Bよりなり、それらはインク供給路24に接続され
た各色のインク容器27からインク供給を受ける。ま
た、インク容器27は、イエロー用インク容器27Y、
マゼンタ用インク容器27M、シアン用インク容器27
C、ブラック用インク容器27Bよりなり、それらはイ
ンク容器トレイ29に載置される。ここで、インク容器
トレイ29は、それぞれのインク容器が離間して載置さ
れるように、独立障壁構造となっている。図6では低い
独立障壁構造を示しているが、必ずしもこの構造に限定
されるものではなく、例えばインク容器の上部もすべて
覆うようにした各色完全に独立障壁構造とすることも良
い方法である。
【0042】このような構造とすることにより、例えば
インクがなくなって、インク補給を行う場合や、インク
容器そのものを交換する場合等に、インク容器からイン
クがこぼれたり、あふれたりして周囲を汚したり、ある
いは噴出したインクが隣のインク容器を汚したりするこ
とを防止することができる。特に、各色完全に独立障壁
構造とした場合、仮に何らかの予期せぬ理由によって、
インクが噴出したりした場合に、隣のインク容器にイン
クが混じってしまうというような事態も回避することが
できる。
【0043】なお、本発明では、大量にインクを使用す
るので、そのインク供給にポンプ25を設けることが望
ましい。記録ヘッドの駆動周波数(インク滴吐出頻度)
を非常に遅くして(例えば1ノズルあたり、数Hz〜数
百Hz)使用するような場合は、ポンプ手段を用いなく
ても、毛管作用によってインクが供給できるが、1ノズ
ルあたり、数kHz〜30kHzで駆動して使用するよ
うな場合には、ポンプ手段によって、記録ヘッドに強制
的にインクを供給させる必要がある。
【0044】図6は、記録ヘッドとインク容器をつなぐ
インク供給路24の途中にポンプ25を設けた例を示し
ている。いうまでもないが、このポンプ25も詳細構造
は示さないが、各色ごとに独立駆動、供給できるように
なっている。スキャナ部102は、原稿Boの複写され
るべき画像を読み取る原稿走査ユニット104と、原稿
走査ユニット104を図6の矢印Sの示す方向、及びそ
の反対方向に沿って移動可能に支持するガイドレール1
12と、図示が省略されるが、ガイドレール112に支
持される原稿走査ユニット104を例えば、図6に実線
で示される位置と二点鎖線で示される位置との間を所定
の速度で往復動させる駆動部とを含んで構成されてい
る。
【0045】原稿走査ユニット104は、ロッドアレイ
レンズ106と、カラー情報の読み取りセンサであるカ
ラーイメージセンサとしての等倍型色分解のラインセン
サ110と、ランプ光源等の露光ユニット108とを主
要な構成要素として含んで構成されている。原稿走査ユ
ニット104が、駆動部により、透明な材料で作られる
原稿台116上の原稿Boの画像を読取るべく矢印Sの
方向に移動走査せしめられる場合、露光ユニット108
内の露光ランプが点灯され、原稿Boからの反射光がロ
ッドアレイレンズ106により導かれてラインセンサ1
10に集光される。ラインセンサ110は、その反射光
があらわすカラー画像情報をカラー別に読取り、電気的
なディジタル信号に変換し、それを後述するインクジェ
ットプリンタ部118における制御ユニットに画像デー
タとして供給する。従って、後述する記録部26におけ
る各カラー別の各記録ヘッドは、それぞれ、これらの画
像データに基づく駆動制御パルス信号に応じて記録に用
いられる液体、例えば、異なる色のインクの吐出を行う
ものとされる。
【0046】本発明においては、前述のように、このよ
うなスキャナ部102は水に弱いランプ光源等より構成
されており、前述の電装系ユニット60のインクによる
故障/事故回避の基本的な考え方を適用すべきである。
すなわち、図6より明らかなように、本発明ではスキャ
ナ部102は、大量のインクを収容するインク容器27
より上になるようにレイアウトされている。また、イン
ク滴噴射を行う記録部26よりも上に配置して、不慮の
事故によるスキャナ部102の冠水(インク)およびそ
れに起因する破損/故障を防いでいる。
【0047】給紙部130に積載されて収容される所定
の規格サイズの用紙Paは、図示が省略される駆動モー
タが作動状態とされるとき、1枚ずつピックアップロー
ラユニット130RAにより、取り出され、それが給紙
搬送部132に供給される。インクジェット記録方式で
はインクの小液滴が飛翔され、それが紙等の記録用紙面
に付着せしめられて記録を行うものなので、用紙Pa
は、インクが用紙面で必要以上ににじんで印字がぼけた
りしないものであることが必要である。また、用紙Pa
は、用紙Paに付着したインクが、速やかにその内部に
吸収されるような特質を有するものが好適とされる。用
紙Paは、特に異なる色のインクが、短時間内に用紙P
aにおける同一箇所に重複して付着した場合でもインク
の流れ出しおよびしみ出しの現象がなく、しかも印字ド
ットの広がりを、画質の鮮明さを損なわない程度に抑え
られるような特質を有するものが好適とされる。
【0048】これらの特質は、電子写真式の複写機等で
使用される普通紙と呼ばれる複写用紙等やその他一般の
記録用紙として用いられているものでは充分に満足され
ていない場合もある。これらの用紙においては、一色の
みの印字もしくは2色の重ね合せの場合、画像品位とし
てある程度満足できるものが得られるときが多いが、し
かし、例えば、3色以上のインクの重ね合せによるフル
カラー画像を印字記録する際のように用紙に付着するイ
ンクの量が増える場合、充分満足できる画像品位の記録
が得られていないこともある。上述した特質を満足する
用紙としては、基紙の上に上述の特質が得られるような
コーティング(例えば、微粉ケイ酸)を施した用紙が用
いられてもよい。
【0049】本発明のインクジェット複写機は、前述の
ように記録媒体の被記録部の幅より大きい範囲をカバー
するようなインクの加熱式定着装置を有するので、定着
能力に余裕がある。よって瞬時のインクの乾燥/定着を
行うことができるので、連続印写/複写時にも未乾燥イ
ンクの裏写りが起こることなく、高速、高画質、高品質
の印写/複写物を得ることができる。特に、複数個のイ
ンク吐出口が記録媒体の被印写幅をカバーするように長
尺化されたマルチノズル型インクジェット原理によるも
のは、その原理上大変高速な印写/複写が可能である
が、本発明のように定着能力に余裕があるような構成と
することにより、その能力を十分に発揮できる高速複写
機が実現できる。
【0050】図7、図8は本発明の他の実施例を説明す
るための図である。前述のように本発明では、インク容
器27を装置の下部に配置し、電装系ユニット60やス
キャナ部102が不慮の事故によって冠水(インク)
し、それによって、破損/故障することを防いでいる
が、ここでは、さらに他の安全策として、インク容器2
7を装置の電装系ユニット60やスキャナ部102から
確実に離間するような構成例を示したものである。図7
は、第1の離間壁52Aを装置に配した例であり、図8
は第2の離間壁52Bとし、インク容器27を完全に別
室とした例である。図8のように完全に別室となるよう
な離間壁構造とすると、インク容器27へのインク補給
等は、その部分のみ装置の側壁の開閉を行うだけでよ
い。よって、インク補給時に不必要な部分まで装置の内
部を開ける必要がないので、インク漏れ、あるいはイン
ク噴出等の不慮の事故による電装系ユニット60やスキ
ャナ部102の保護がより確実なものとなる。
【0051】次に、本発明のさらに他の実施例を説明す
る。図6〜図8に本発明では底板51を設ける例を示し
た。このような底板51は、一般に電子写真方式の複写
機あるいはプリンタ等を構成する場合、装置の剛性が維
持できるのであれば設ける必要はない。しかしながら本
発明では、インクという液体を大量に扱うので万が一イ
ンクが漏れた場合、漏れたインクが床に落ち、床を汚す
ので、それを防止するために底板51を設けている。こ
のように底板51を設けると、万が一インクが漏れた場
合でも底板51でインクの床への落下を阻止できるだけ
ではなく、図6〜図8に示したように、インク容器27
あるいはそれを保持するインク容器トレイ29やポンプ
25等、本発明の記録装置、複写機を構成する部品/ユ
ニットも設置できるというメリットがある。
【0052】
【発明の効果】本発明は、400〜2400dpiの配
列密度で数千個〜数万個の発熱体およびそれに対応した
ノズルを、記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺
化するとともに、1ノズルあたり数kHz〜30kHz
の頻度でインクをオンデマンドで噴射するマルチノズル
型インクジェット記録ヘッドを複数色のインクを噴射す
るように複数個配列固定し、該複数個のマルチノズル型
インクジェット記録ヘッドのノズル面に相対する位置で
かつ隣接して前記記録媒体を搬送し、インク滴噴射記録
を行うカラーインクジェット記録装置において、該カラ
ーインクジェット記録装置は、イエロー,マゼンタ,シ
アンのそれぞれの色のインクを噴射する前記マルチノズ
ル型インクジェット記録ヘッドをイエロー,マゼンタ,
シアンの順に配列するとともに、前記マルチノズル型イ
ンクジェット記録ヘッドにインクを供給するためのイン
ク容器を、連通手段を介して前記マルチノズル型インク
ジェット記録ヘッドに接続し、前記マルチノズル型イン
クジェット記録ヘッドと前記記録媒体と前記インク容器
の位置関係において、前記インク容器を最下位とした上
記順序の上下位置関係とし、前記インク容器をイエロ
ー,マゼンタ,シアンの順に配置し、前記インク容器を
離間、保持手段に載置するようにしたので、複数個のイ
ンク吐出口が記録媒体の被印写幅をカバーするように長
尺化されたマルチノズル型インクジェット記録装置にお
いて、装置内で大量に使用されるインクが装置の主要部
を汚したり、電気系統を破損しないような装置構成を提
供することができる。
【0053】また、本発明は、400〜2400dpi
の配列密度で数千個〜数万個の発熱体およびそれに対応
したノズルを、記録媒体の被印写幅をカバーするように
長尺化するとともに、1ノズルあたり数kHz〜30k
Hzの頻度でインクをオンデマンドで噴射するマルチノ
ズル型インクジェット記録ヘッドを複数色のインクを噴
射するように複数個配列固定し、該複数個のマルチノズ
ル型インクジェット記録ヘッドのノズル面に相対する位
置でかつ隣接して前記記録媒体を搬送し、インク滴噴射
記録を行うカラーインクジェット記録装置において、該
カラーインクジェット記録装置は、イエロー,マゼン
タ,シアン,ブラックのそれぞれの色のインクを噴射す
る前記マルチノズル型インクジェット記録ヘッドにイン
クを供給するためのインク容器を、連通手段を介して前
記マルチノズル型インクジェット記録ヘッドに接続し、
前記マルチノズル型インクジェット記録ヘッドと前記記
録媒体と前記インク容器の位置関係において、前記イン
ク容器を最下位とした前記順序の上下位置関係とし、前
記インク容器を離間、保持手段に載置するとともに、前
記各色のインク容器群の交換もしくはそれらへのインク
補給は、前記カラーインクジェット記録装置の前記イン
ク容器群が配置される部分の側壁を開閉して行うように
したので、複数個のインク吐出口が記録媒体の被印写幅
をカバーするように長尺化されたマルチノズル型インク
ジェット記録装置において、装置内で大量に使用される
インクが装置の主要部にかからないような装置構成なら
びに各色のインク容器群の交換もしくはそれらへのイン
ク補給を行う際に大掛かりにならないような装置構成を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーインクジェット記録装置に適
用されるマルチノズル型インクジェット記録ヘッドを示
す部分斜視図である。
【図2】 マルチノズル型インクジェット記録ヘッドの
一実施例として適用されるサーマルインクジェット記録
ヘッドの発熱体基板を説明するための図である。
【図3】 サーマルインクジェット記録ヘッドの製作工
程を説明するための図である。
【図4】 サーマルインクジェット記録ヘッドの動作説
明をするための図である。
【図5】 本発明のマルチノズル型インクジェット記録
装置の記録部及びその周辺部分を示す側断面図である。
【図6】 本発明のマルチノズル型インクジェット記録
装置を利用した複写装置を示す側断面図である。
【図7】 本発明のマルチノズル型インクジェット記録
装置を利用した複写装置の他の実施例を示す側断面図で
ある。
【図8】 本発明のマルチノズル型インクジェット記録
装置を利用した複写装置のさらに他の実施例を示す側断
面図である。
【符号の説明】
1…発熱体基板、2…第1電極(制御電極)、3…第2
電極(アース電極)、4,5…ボンディングパッド、7
…基板、8…蓄熱層(SiO2)、9…発熱体(Hf
2)、10…電極(Al)、11…保護層(Si
2)、12…電極保護層(Resin)、13…別の
保護層、14…発熱部、15…電極部、16…流路、1
7…ノズル、18…共通液室、19…天井板、20…接
合層、21…流路障壁、22…フォトレジスト、23…
フォトマスク、24…インク供給路、25…ポンプ、2
6…記録部、27…インク容器、27Y…イエロー用イ
ンク容器、27M…マゼンタ用インク容器、27C…シ
アン用インク容器、27B…ブラック用インク容器、2
9…インク容器トレイ、31…インク、32…気泡、3
3…吐出口、34…流路、35…発熱体基板、36…発
熱体、37…第1電極(制御電極)、38…第2電極
(アース電極)、39…インク滴、51…底板、52A
…第1の離間壁、52B…第2の離間壁、60…電装系
ユニット、72…ヘッドブロック、72Y…イエローイ
ンク用ヘッドブロック、72M…マゼンタインク用ヘッ
ドブロック、72C…シアンインク用ヘッドブロック、
72B…ブラックインク用ヘッドブロック、78…断熱
装置、80…空気層、84…ハロゲンヒータ、102…
スキャナ部、104…原稿走査ユニット、106…ロッ
ドアレイレンズ、108…露光ユニット、110…ライ
ンセンサ、112…ガイドレール、116…原稿台、1
18…インクジェットプリンタ部、130…給紙部、1
32…給紙搬送部、134…搬送部、136…排紙搬送
部、138…排紙トレー、140…回復処理装置。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 400〜2400dpiの配列密度で数
    千個〜数万個の発熱体およびそれに対応したノズルを、
    記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺化するとと
    もに、1ノズルあたり数kHz〜30kHzの頻度でイ
    ンクをオンデマンドで噴射するマルチノズル型インクジ
    ェット記録ヘッドを複数色のインクを噴射するように複
    数個配列固定し、該複数個のマルチノズル型インクジェ
    ット記録ヘッドのノズル面に相対する位置でかつ隣接し
    て前記記録媒体を搬送し、インク滴噴射記録を行うカラ
    ーインクジェット記録装置において、該カラーインクジ
    ェット記録装置は、イエロー,マゼンタ,シアンのそれ
    ぞれの色のインクを噴射する前記マルチノズル型インク
    ジェット記録ヘッドをイエロー,マゼンタ,シアンの順
    に配列するとともに、前記マルチノズル型インクジェッ
    ト記録ヘッドにインクを供給するためのインク容器を、
    連通手段を介して前記マルチノズル型インクジェット記
    録ヘッドに接続し、前記マルチノズル型インクジェット
    記録ヘッドと前記記録媒体と前記インク容器の位置関係
    において、前記インク容器を最下位とした前記順序の上
    下位置関係とし、前記インク容器をイエロー,マゼン
    タ,シアンの順に配置し、前記インク容器を離間、保持
    手段に載置したことを特徴とするカラーインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 400〜2400dpiの配列密度で数
    千個〜数万個の発熱体およびそれに対応したノズルを、
    記録媒体の被印写幅をカバーするように長尺化するとと
    もに、1ノズルあたり数kHz〜30kHzの頻度でイ
    ンクをオンデマンドで噴射するマルチノズル型インクジ
    ェット記録ヘッドを複数色のインクを噴射するように複
    数個配列固定し、該複数個のマルチノズル型インクジェ
    ット記録ヘッドのノズル面に相対する位置でかつ隣接し
    て前記記録媒体を搬送し、インク滴噴射記録を行うカラ
    ーインクジェット記録装置において、該カラーインクジ
    ェット記録装置は、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラ
    ックのそれぞれの色のインクを噴射する前記マルチノズ
    ル型インクジェット記録ヘッドにインクを供給するため
    のインク容器を、連通手段を介して前記マルチノズル型
    インクジェット記録ヘッドに接続し、前記マルチノズル
    型インクジェット記録ヘッドと前記記録媒体と前記イン
    ク容器の位置関係において、前記インク容器を最下位と
    した前記順序の上下位置関係とし、前記インク容器を離
    間、保持手段に載置するとともに、前記各色のインク容
    器群の交換もしくはそれらへのインク補給は、前記カラ
    ーインクジェット記録装置の前記インク容器群が配置さ
    れる部分の側壁を開閉して行うことを特徴とするカラー
    インクジェット記録装置。
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