JP2003181926A - オレフィン系樹脂ライニング管の製造方法 - Google Patents

オレフィン系樹脂ライニング管の製造方法

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JP2003181926A
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olefin resin
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Takehisa Sugaya
武久 菅谷
Yasuo Yamabe
泰男 山部
Hirotsugu Yoshida
博次 吉田
Junichi Yokoyama
順一 横山
Hideki Sakakibara
英樹 榊原
Seiichi Enomoto
聖一 榎本
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状記憶性の乏しい樹脂であるオレフィン樹
脂に対して、特殊なブレンドや操業範囲限定無しに、汎
用のオレフィン樹脂を用い、極めて広い操業範囲でオレ
フィン樹脂を金属管内面にライニングすることのできる
オレフィン系樹脂ライニング管の製造方法を提供する。 【解決手段】 形状記憶性を有さないオレフィン系樹脂
管を金属管内面にライニングするに際し、オレフィン系
樹脂管層の外面に接着性樹脂を被覆してなるライニング
用2層原管を、金属管に挿入する直前に、挿入すべき金
属管の内断面積よりも小さい断面積を有する形状に、常
温で、かつ、管体に与えられる最大歪み量が、オレフィ
ン系樹脂の弾性変形限界内となるように折り畳んだ後、
該金属管に挿入し、挿入が完了した後に常温でライニン
グ用2層原管内面に圧力を付与して金属管内面に密着さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属管の内面に
オレフィン系樹脂がライニングされる、給水、給湯、排
水、消火、空調等の用途に使用されるオレフィン系樹脂
ライニング管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】給排水等に使われる配管には、鋼管、又
は、クロメート処理、亜鉛メッキ処理、プライマー処理
の表面処理が施された鋼管内面に、耐食性等の改善のた
めに、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂等をライニン
グした樹脂ライニング管が使用されている。
【0003】これらの内、オレフィン系樹脂ライニング
管を製造する際は、加熱した鋼管に樹脂粉体を粉体塗装
することで、鋼管内面にライニング層を形成する粉体塗
装法が用いられてきた。しかし、この粉体塗装法は、塗
装のための装置が高価である。また、樹脂粉体を均一に
鋼管内面に融着させることが難しいのでピンホール等が
発生しやすく、長期的に水道配管等として使用した場
合、防食性能が低下する等、製品の性能上の問題もあっ
た。
【0004】また、オレフィン系樹脂は塩化ビニル系樹
脂の様に形状記憶特性を有さない為、形状記憶特性付与
する種々の提案がなされている。例えば、特開2001
−131354号公報には、ライニング樹脂にオレフィ
ン系樹脂と結晶性ポリスチレンのブレンド樹脂を、両樹
脂の融解温度間で縮径または折り畳んで変形加工し、冷
却固化して形状を固定することにより形状記憶性を付与
する方法が提案されている。また、特開2001−62
915号公報では、ガラス転移温度が25℃以下の結晶
性の熱可塑性樹脂を、融解完了温度より100℃低い温
度以上かつビカット軟化温度以下で変形加工し、その後
に冷却固化して形状を固定することにより形状記憶性を
付与する方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開2
001−131354号公報記載の方法では、2つの樹
脂を混練機、押出機でブレンドする工程が必要となりコ
ストや製造スペースに関する制約がある。また、特開2
001−131354号、特開2001−62915号
公報記載の方法共に変形加工する温度範囲に制限がある
ことから、ライニングを行うのが非常に難しいという問
題がある。
【0006】そこで本発明は、上記従来技術の問題点を
解決し、一般的には形状記憶性の乏しい樹脂であるオレ
フィン樹脂に対して、特殊なブレンドや操業範囲限定無
しに、汎用のオレフィン樹脂を用い、極めて広い操業範
囲でオレフィン樹脂を金属管内面にライニングすること
のできるオレフィン系樹脂ライニング管の製造方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のオレフィン系樹
脂ライニング管の製造方法は、形状記憶性を有さないオ
レフィン系樹脂管を金属管内面にライニングするに際
し、オレフィン系樹脂管層の外面に接着性樹脂を被覆し
てなるライニング用2層原管を、金属管に挿入する直前
に、挿入すべき金属管の内断面積よりも小さい断面積を
有する形状に、常温で、かつ、管体に与えられる最大歪
み量が、オレフィン系樹脂の弾性変形限界内となるよう
に折り畳んだ後、該金属管に挿入し、挿入が完了した後
に常温でライニング用2層原管内面に圧力を付与して金
属管内面に密着させるものである。
【0008】上記オレフィン系樹脂管層に用いられるオ
レフィン系樹脂は、密度0.92〜0.945g/cm
3 のポリエチレンであることが好ましい。なお、本明細
書において密度とは、JIS-K7112に規定された
試験方法で測定されたものをいう
【0009】オレフィン系樹脂ライニング管は、給水・
給湯用途に多く使われ、特に給湯用途については、常温
と最大95℃間のヒートショックや熱伸縮によって金属
層と樹脂ライニング層との界面に大きな応力が発生し、
長期に渡るこの繰り返し応力によって界面剥離が発生す
る場合がある。従って、この伸縮応力を最小化出来る樹
脂の適用が必要で、オレフィン樹脂に対して鋭意検討し
た結果、密度0.92〜0.945g/cm3 のポリエ
チレンであることが好ましいとの結論を得た。
【0010】上記ポリエチレンは、上記の密度を満たす
ものであれば、Ziegler-Natta、Metloceneの
いずれを触媒として得られたものでも良く、製造方法
は、高圧法、気相法、溶液法、スラリー法のいずれでも
良い。他のオレフィン成分(好ましくは、炭素数4〜
8)との共重合体であってもよい。
【0011】上記オレフィン系樹脂管層の厚みは、特に
限定されるのものでは無く、用途によっての要求性能に
よっても大きくかわるが、0.5〜3.0mmが好まし
い。
【0012】上記接着性樹脂の密度は同様の理由で、
0.91〜0.935g/cm3 が好ましい。
【0013】また、上記接着性樹脂のMFRは溶融後の
流動性によって金属の微小な凸凹に樹脂層が入りこむ、
所謂、物理的なアンカー効果を発揮し金属管との密着性
を向上させる為、MFRは1g/10min以上が好ま
しく、通常は10g/10min以下である。なお、本
明細書においてMFRとは、JIS-K7210に規定
された試験方法で、190℃、試験荷重2.16kgf
の条件で測定されたものである。
【0014】上記接着性樹脂としては、無水マレイン酸
変成オレフィン樹脂、エチレン-無水マレイン酸共重合
樹脂、エチレン-無水マレイン酸-アクリル酸エステル共
重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-ア
クリル酸共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エ
チレン-アクリル酸エステル共重合体等のいずれの樹脂
でも良いが、トータル的なコストパフォーマンスを鑑み
ると、無水マレイン酸変成オレフィン樹脂が好ましい。
これらのオレフィン樹脂や接着性樹脂には必要に応じ
て、酸化防止剤、難燃剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、
潤滑剤、粘着付与剤等の添加剤、および他の樹脂を添加
することができる。
【0015】上記接着性樹脂には必要に応じて、層状珪
酸塩が充填されていてもよい。上記層状珪酸塩とは、層
間に交換性陽イオンを有する珪酸塩鉱物を意味し、通
常、厚さが約1nm、平均アスペクト比がおよそ20〜
200程度の微細な薄片状結晶がイオン結合により凝集
してなるものである。上記層状珪酸塩の種類は特に限定
されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘク
トライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロ
ナイト等のスメクタイト系粘土鉱物;バーミキュライ
ト、ハロイサイト、セピオライト等の天然鉱物;膨潤性
雲母(膨潤性マイカ)等の合成雲母等が挙げられる。こ
れらの層状珪酸塩は、天然のものでも合成されたもので
も用いることができる。好ましくは、モンモリロナイ
ト、合成雲母が用いられる。上記層状珪酸塩の層間に存
在する交換性陽イオンは、予めカチオン系界面活性剤等
によりイオン交換されていても構わない。特に、ポリオ
レフィン系樹脂の非極性樹脂を用いる場合には、予め、
例えば、層間をカチオン系界面活性剤を用いた陽イオン
交換により、疎水化しておく方が、層状珪酸塩とポリオ
レフィン系樹脂との間に高い親和性が得られるので好ま
しい。
【0016】上記の如く、層状珪酸塩の層間が、疎水性
基を有するカチオン系界面活性剤にてイオン交換されて
いる物を「有機化層状珪酸塩」と称するが、この有機化
層状珪酸塩は、有機化されていない層状珪酸塩よりも樹
脂中に分散されやすいので好適に用いられる。上記した
層間を予め疎水化する物質としては特に限定されず、通
常、用いられるカチオン系界面活性剤が用いられ、例え
ば、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等が挙げ
られる。好ましくは、炭素数8以上のアルキル鎖を有す
る4級アンモニウム塩が用いられる。炭素数が8以上の
アルキル鎖を含有しない場合には、アルキルアンモニウ
ムイオンの親水性が強く、層状珪酸塩の層間を充分に非
極性化することが困難となる場合がある。4級アンモニ
ウム塩としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニ
ウム塩、ステアリルトリメチルアンモニム塩、トリオク
チルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウ
ム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリ
ルジベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0017】上記層状珪酸塩の陽イオン交換容量は特に
限定されないが、50〜200ミリ当量/100gであ
ることが好ましい。50ミリ当量/100g未満の場合
には、結晶層間にイオン交換によりインターカレートさ
れるカチオン系界面活性剤の量が少ないために、層間が
充分に非極性化されない場合があり、一方、200ミリ
等量/100gを超える場合には、層状珪酸塩の層間の
結合力が強固となり、結晶薄片をデラミネートすること
が困難な場合がある。なお、上記陽イオン交換容量と
は、上記層状珪酸塩100gで交換可能な陽イオンの量
である。層状珪酸塩は樹脂成分100重量部に対し1〜
15重量部添加することが好ましく、さらには2〜13
重量部添加することが好ましい。1重量部未満では樹脂
の線膨張係数を小さくする効果が少なく、15重量部超
では接着性樹脂層の成形性、引張強さ、延性等が低下す
るともに、コスト高となる。
【0018】また、上記接着性樹脂層の厚みは、0.2
〜1.0mmが好ましい。
【0019】上記オレフィン系樹脂管層に用いられるオ
レフィン系樹脂と上記接着性樹脂のの融点差は3〜20
℃であることが好ましい。これは、先に述べた様に、ラ
イニング後の加熱において接着性樹脂層のみを完全溶融
させる事が必要である為である。
【0020】本発明のオレフィン系樹脂ライニング管の
製造方法において使用されるライニング用2層原管は、
上記オレフィン系樹脂管層の外面に接着性樹脂を被覆し
てなる。
【0021】上記ライニング用2層原管の厚みは、薄過
ぎると後述する金属管内面にライニングする際に形状保
持が出来ず、厚すぎると折り畳みが困難になるので、
0.5〜3mmが好ましい。
【0022】上記ライニング用2層原管の引張弾性率
は、0.5〜1.5GPaが好ましい。
【0023】オレフィン系樹脂管層の外面に上記接着性
樹脂を被覆する方法は特に限定されないが、ライニング
用2層原管を押出成形する際、金型内で多層化しても、
オレフィン系樹脂管層成形後に外面に被覆押出を行って
も、シート状に押出した接着性樹脂をオレフィン系樹脂
管層に巻き付けても良いが、工程の簡素化やオレフィン
系樹脂管層と接着性樹脂層界面の信頼性の観点からは、
金型内で多層化することが好ましい。
【0024】本発明のオレフィン系樹脂ライニング管の
製造方法では、上記ライニング用2層原管を、金属管に
挿入する直前に、挿入すべき金属管の内断面積よりも小
さい断面積を有する形状に、常温で、かつ、管体に与え
られる最大歪み量が、オレフィン系樹脂の弾性変形限界
内となるように折り畳んだ後、該金属管に挿入する。
【0025】上記金属管としては、特に限定されない
が、金属表面にメッキ処理を施したものや、ブラスト処
理、酸洗処理等の前処理や、化成処理、プライマー処理
等の表面処理を施したものが使われる。
【0026】また、折り畳み形状は、U字型、Ω型、花
びら型等特に限定されないが、管に変形を与える部分に
出来るだけ均一な歪を与える形状であるΩ型形状が最も
望ましい。
【0027】上記ライニング用2層原管は、金属管に挿
入する直前に、常温で、かつ、管体に与えられる最大歪
み量が、オレフィン系樹脂の弾性変形限界の1〜20%
なるように折り畳まれる。
【0028】このようにすることによりライニング用2
層原管を折り畳むのに際し、管に変形を与える部分に歪
を出来るだけ均一に与えることができる。即ち、原管を
折り畳む際、塑性変形が発生すると、ライニング用2層
原管内面に圧力を付与して金属管内面に密着させる際、
肉厚の不均一が発生し、良好なオレフィン系樹脂ライニ
ング管が得られない。
【0029】上記弾性変形領域限界とは、引張試験を行
った際のStrain−Stressカーブの降伏点に
至る歪み量である。
【0030】次いで、折り畳まれたライニング用2層原
管の金属管への挿入が完了した後に、常温でライニング
用2層原管内面に圧力を付与して金属管内面に密着させ
る。
【0031】その後、得られたオレフィン系樹脂ライニ
ング管を、接着性樹脂層の温度が融点以上で、かつ、オ
レフィン系樹脂管層の少なくとも0.5mm以上が融点
以下となる様にライニング管外面から加熱し、その後、
全ての接着性樹脂層が融点以下になる様に、速やかに冷
却を行うのが好ましい。オレフィン系樹脂管層全体が融
点以上の温度になってしまうと、オレフィン系樹脂管層
が金属管内面で形状保持が出来ずに垂れてしまい適正な
ライニング管が得られない。
【0032】この際、オレフィン系樹脂ライニング管を
加熱する方法としては、熱風炉等のの伝熱加熱により行
ってもよいが、電磁誘導加熱法が好ましい。電磁誘導加
熱法を用いることにより、接着樹脂層のみを急速に加熱
させて全面的に溶融させ、ライニングされるオレフィン
系樹脂管層の少なくとも0.5mmを融点以下の温度に
することができる。
【0033】(作用)本発明のオレフィン系樹脂ライニ
ング管の製造方法は、上述のように一般的な(形状記憶
性を有さない)オレフィン系樹脂で、薄肉で弾性変形の
容易な原管の成形を行い、常温で折り畳んだ後金属管に
挿入し、内面に圧力を付与して金属管内面に密着させる
ものであるから、樹脂ブレンド工程の煩雑さやコストの
問題、成形温度範囲に制限無しに、非常に広い操業条件
範囲でオレフィン系樹脂の金属管内面へのライニングを
行うことができる。
【0034】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0035】(実施例1) ・使用材料 オレフィン系樹脂:ポリエチレン(融点:124℃、密
度:0.929g/cm3 、MFR:0.7g/10m
in、弾性変形限界歪み量11.6%) 接着性樹脂:無水マレイン酸変性ポリエチレン(融点:
120℃、密度0.920g/cm3 、MFR:3.0
g/10min) 金属管:鋼管内面にりん酸亜鉛で化成処理し、その内面
にエポキシ系のプライマーで表面処理したもの(外径:
60.5mm、肉厚3.8mm)
【0036】ライニング用2層原管の製造 以下の設備を使用し、上記オレフィン系樹脂管の外面に
上記接着性樹脂を被覆し、下記の寸法のライニング用2
層原管を得た。
【0037】・使用する押出設備 オレフィン系樹脂管用押出機:単軸押出機(外径65m
m、L/D=25、45Kwモータ搭載) 接着性樹脂用押出機:単軸押出機(外径32m、L/D
=20、15Kwモータ搭載) 金型:マルチマニホールドタイプの2層パイプ金型 水槽:バキューム噴霧水槽(冷却水温:15℃)
【0038】・ライニング用2層原管の寸法 外径:54.0mm、 長さ:4m オレフィン系樹脂管層厚み:1.5mm 接着性樹脂層厚み:0.15mm
【0039】ライニング管の製造 図1に示したように、ライニング用2層原管Pを固定ロ
ーラ1と棒ローラ2で固定しつつ、押さえ込みローラ3
により順次折り畳み、図2に示した形状の原管を得た。
この際、原管を折り畳む前に、原管の軸方向に均等にメ
ッシュを書き入れておき、折り畳み後のメッシュの変形
量から歪み量を求めた。その結果、管体に与えられる最
大歪み量は、5.6%であった。
【0040】折り畳まれた原管を鋼管内部へ挿入し、原
管の鋼管への挿入が終わった時点で、両端に圧力付与の
為の治具を取り付け、常温で0.1MPaの圧力を付与
して、鋼管内面に密着させ、オレフィン系樹脂ライニン
グ管を得た。
【0041】次に、得られたオレフィン系樹脂ライニン
グ管を、200℃に設定した電磁誘導加熱炉に連続的に
供給した。その際、接着性樹脂層の温度が融点以上で、
かつ、オレフィン系樹脂層全長において、厚み方向に
0.5mm以上が融点以下となる様に加熱炉長に基づい
て原管の供給速度を伝熱解析により算出して設定し、そ
の後、シャワー式水槽(水温15℃)で、全ての樹脂層
が融点以下になる様に、速やかに冷却を行った後、30
cmに切断した後、鋼管端部からはみ出した樹脂を切断
し、試験片を得た。
【0042】(実施例2)オレフィン系樹脂として、ポ
リエチレン(融点:135℃、密度:0.950g/c
3 、MFR:0.7g/10min)、接着性樹脂と
して、無水マレイン酸変性ポリエチレン(融点:125
℃、密度0.949g/cm3 、MFR:1.6g/1
0min)を用いたこと以外は実施例1と同様にして試
験片を得た。
【0043】(実施例3)実施例1と同様にして得られ
たオレフィン系樹脂ライニング管を、オレフィン系樹脂
層全長において、融点以上になるようにしたこと以外
は、実施例1と同様である。原管の形状が保持出来ず、
試験片を得ることが出来なかった。
【0044】実施例1、2で得られた試験片を以下の評
価に供した。 (評価) 冷熱サイクル試験 常温、95℃にそれぞれ調整した水道水槽に、得られた
試験片をそれぞれ5min毎の浸漬を繰り返し、500
サイクル毎に端部の界面剥離状態やライニング鋼管内部
の膨れ状態を目視で観察評価を行い、結果を表1に纏め
て示した。
【0045】
【表1】
【0046】耐熱水試験 得られた試験片の両端に管端防食継手を接続し、管外面
は25℃に調節した水槽の中に入れ、内面に95℃に調
節した熱水を通水して、1週間毎にライニング鋼管内部
の膨れ状態を目視で観察評価を行い、結果を表2に纏め
て示した。
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明のオレフィン系樹脂ライニング管
の製造方法は、上述の如き構成となされているから、一
般的には形状記憶性の乏しい樹脂であるオレフィン樹脂
に対して、特殊なブレンドや操業範囲限定無しに、汎用
のオレフィン樹脂を用い、極めて広い操業範囲でオレフ
ィン樹脂を金属管内面にライニングすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオレフィン系樹脂ライニング管の製造
方法に使用される装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明に使用される原管の一例を示す断面図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 23:00 B29L 23:00 (72)発明者 横山 順一 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内 (72)発明者 榊原 英樹 滋賀県栗東市野尻75 積水化学工業株式会 社内 (72)発明者 榎本 聖一 滋賀県栗東市野尻75 積水化学工業株式会 社内 Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 CB03 CB08 CB23 DB03 DB17 EA04 4F100 AB01A AK03B AK04B BA02 CB03 GB07 GB90 JA06G JA13B JA13G YY00B 4F211 AA03 AA04 SA13 SC01 SD04 SD11 SG01 SH18 SH22 SJ01 SJ13 SP12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状記憶性を有さないオレフィン系樹脂管
    を金属管内面にライニングするに際し、 オレフィン系樹脂管層の外面に接着性樹脂を被覆してな
    るライニング用2層原管を、金属管に挿入する直前に、
    挿入すべき金属管の内断面積よりも小さい断面積を有す
    る形状に、常温で、かつ、管体に与えられる最大歪み量
    が、オレフィン系樹脂の弾性変形限界内となるように折
    り畳んだ後、該金属管に挿入し、 挿入が完了した後に常温でライニング用2層原管内面に
    圧力を付与して金属管内面に密着させることを特徴とす
    るオレフィン系樹脂ライニング管の製造方法。
  2. 【請求項2】上記オレフィン系樹脂管層に用いられるオ
    レフィン系樹脂が、密度0.92〜0.945g/cm
    3 のポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記
    載のオレフィン系樹脂ライニング管の製造方法。
  3. 【請求項3】上記接着性樹脂の密度が0.91〜0.9
    35g/cm3 で、MFRが1〜10g/10minで
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィ
    ン系樹脂ライニング管の製造方法。
  4. 【請求項4】上記オレフィン系樹脂管層に用いられるオ
    レフィン系樹脂と上記接着性樹脂のの融点差が3〜20
    ℃であることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に
    記載のオレフィン系樹脂ライニング管の製造方法。
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